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記事 23件
  • とある小説を書き終わった(2,205字)

    2015-07-31 06:00  
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    ぼくは今日嬉しい。なぜなら、今日、小説を書き終わったからだ。それは文字数にすると約13万5千字、400字詰め原稿用紙だと408枚もの分量になる。
    ただしもちろん、これからもちょくちょく直してはいくだろう。だから完璧に終わったわけではないが、それでも一通りの目処が立った。だから、今日が「書き終わった日」ということにしていいと思う。
    そこで今日は、その記念に、小説を書き終わった――ということについて書いてみたい。
    その小説を書き始めようと思ったのは、正確には思い出せないが、2014年の初め頃だった。2014年の正月にタイに旅行に行ったのだが、そこで書こうと思った。
    だからこの小説は、書き終えるまでになんと1年7ヶ月もかかったのだ。実際に書き始めたのは2014年の暮れなので、書き始めてからも丸7ヶ月かかったことになる。
    だから、その間というのは非常にもやもやとしていた。たとえていうなら、夏休みの

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  • 教育考:その29「自分の限界を知る方法」(1,514字)

    2015-07-30 06:00  
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    人間が成長するためには、自分の限界を知らなければならない。ところで、人間はいつ自分の限界を知るのか?それは失敗したときである。だから、教育というのは、言い換えれば「子供に失敗をさせること」なのである。では、子供はどうすれば失敗するのか?それは、前述した「旅に出る」というのも一つだが、もう一つは「調子に乗らせる」ということである。彼らに自分自身への戒めを解かせるのだ。ただし、子供というのは基本的に調子に乗りやすい。慎重で思慮深い子供というのはなかなかいない。だから、だいじなのはそういう彼らのもともとの性質を上手に発揮させてやることだ。では、どうすれば子供は調子に乗るのか? 自分への戒めを解くのか?それは、これも前述したが、調子に乗ることを「禁止する」ということである。彼らが調子に乗ろうとするのを、前もって阻もうとすることだ。例えば、子供というのは危険なことが好きである。男の子であったら塀の上

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  • [Q&A]口達者な人と対峙する方法(1,139字)

    2015-07-29 06:00  
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    [質問]
    日頃、口達者な人間やマシンガントークしてくる人間と対峙する機会がたまに、あります。しかし、僕は、言葉がでてこなかったりして言い負かされたり、言いくるめられてしまいます。どうしたら戦えるか対処法ありますか?
    [回答]
    これは難しい質問ですね。
    ぼく自身は口達者で、小さな頃からむしろ言い負かす側だったので、そういう人の立場に立ったことがないからです。
    ですが、そういうぼくがなかなか言い負かせない人たちもいたので、今日はそのことについて書いてみます。
    第一に、無視する人というのがあります。いくらこっちがしゃべっても、無視をされると対処しようがありません。
    第二に、暴力を振るう人というのがあります。いくら口で言い負かしても、殴られたら、やっぱりそれ以上は何も言えませんでした。関係ありませんが、先日、交差点で地面を蹴っている人がいて、とても怖かったです。
    第三に、聞いておいてそれをしない―

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  • ライトノベルの書き方:その28「猿と雉について」(1,772字)

    2015-07-28 06:00  
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    桃太郎の家来というのは犬と猿と雉なのだが、これらはそれぞれメタファーとなっている。まず、犬は「忠義者」のメタファーだ。次に、猿は「賢者」のメタファー。そして、雉は「飛び道具」のメタファーとなっている。また、これらに桃太郎を加えた四者は「組織」のメタファーともなっている。組織が多様性を持つべきなのは今さらいうまでもないが、この「桃太郎」では、「ではどういう多様性を持てばいいのか?」「そこでどのような性質の人材を取りそろえればいいか?」を、暗に示唆しているのである。まず、そのうちの一つの「忠義者」だが、これは説明するまでもないだろう。「忠義」というのは、人間関係の中でも古くから尊ばれるものの一つで、あまたの歴史書や物語の題材となってきた。なぜかといえば、組織にとっては身内の裏切りというものが最も怖いからだ。最も簡単に組織を崩壊させる。だからこそ、その弱点を防ぐという意味でも、忠義者の存在は大き

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  • 高校野球の100年を思う(1,666字)

    2015-07-27 06:00  
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    高校野球は今年、始まって100年だ。
    ぼくは今年47歳だから、その約半分の大会期間中、生きているということになる。
    それにしても、100年というのは長い歳月だ。
    100年前は1915年だったので、ちょうど第一次世界大戦の真っ只中だ。この戦争の影響で、日本は一時的に景気が良くなるのだが、1920年代の後半、つまり甲子園大会が10回を数えるくらいから、関東大震災や世界恐慌の影響もあって、景気が一気に後退してしまう。
    そういう苦しい世相の中だったから、大会運営はけっして楽ではなかったはずだ。それでも続けていたのは、それが人々にとっての大きな娯楽だったからだろう。当時は大学野球も含めたアマチュア野球が、庶民の数少ない楽しみの一つだったのだ。
    今では想像しづらいが、当時の人々は高校野球を新聞で楽しんでいた。写真もほとんどない、ただ文字だけのその記事から、どういう試合が行われたのかを想像し、あれやこれ

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  • 「インサイド・ヘッド」はピクサーそのものがテーマの映画だ(1,925字)

    2015-07-24 06:00  
    「インサイド・ヘッド」を見た。ピクサーの映画だ。
    ぼくはピクサーが大好きで、ピクサーについてのいろんな本を読んだり、記事を読んだりしてきた。ピクサーのビデオを借りたら、そのメイキングも必ず見るようにしている。そして、その映画がどのように作られたか、ずっと研究してきた。
    ピクサーの考えというのは、非常に明確だ。ピクサーの監督の一人、アンドリュー・スタントンがTEDで講演をしたことがあるのだが、そこにはピクサーの考えが凝縮している。だから、これを見ればピクサーというのはどういう考え方をしているのか、おおよそのところがつかめるだろう。
    アンドリュー・スタントン「すばらしい物語を創る方法」 | Video on TED.com
    あるいは、社長のキャットムルが書いたこの本も、非常に参考になる。ピクサー流 創造するちから―小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法
    ぼくがこれまで見てきたピクサーの映

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  • 教育考:その28「旅から考える『成長とは何か?』」(1,633字)

    2015-07-23 06:00  
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    人間は、旅をすることによって成長する。
    このことは、人類がその歴史を積み重ねてきた中で得た経験則だ。
    ではなぜ、人間は旅の中で成長するのか?
    旅の中でどのように成長するのか?
    それを、「第九軍団のワシ」という小説をモデルに見ていきたい。
    「第九軍団のワシ」は、イギリスの作家ローズマリ・サトクリフが書いた歴史冒険小説だ。
    時はローマ時代、ローマの職業軍人だったマーカスは、イギリスでの戦いによる怪我で片足が不自由に成り、除隊を余儀なくされる。マーカスは、亡くなった父親も軍人で、小さい頃からそれに憧れていたので、生きる目標を見失ってしまう。
    そんなとき、父が所属していた第九軍団の軍旗がだいぶ前に消失していたのだが、それがイギリス北部に持ち去られたという情報を耳にする。軍旗は軍団の象徴そのものだ。それが失われたため、第九軍団は今や消滅していた。
    そこでマーカスは、目医者に扮してイギリス北部へと旅す

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  • [Q&A]映画評をどう思うか?(1,611字)

    2015-07-22 06:00  
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    [質問]
    「バケモノの子」が話題です。新作映画の場合は評判を聞く前に見たいと思っています。かと言ってDVDで見る映画に関しては、時間の損をしたくないので評価されているのを見たいという気持ちになります。ハックルさんは、映画評を先に知ることの影響についてどのように考えておられるか聞かせて下さい。
    [回答]
    ぼくは基本的にネタバレを気にしないので、映画評は普通に見ますし、それに影響もされません。
    映画というのは複数回見てはじめてその真価が分かるものです。ですから、ネタを知った状態でその映画を見ることは、「二度目に見ること」だと思えばいいのです。
    ぼくは、映画評を必ずといっていいくらい見ます。なぜなら、映画というのは典型的な「中身を分からないまま買う物」なので、その評判を知るのは欠かすことができないと思っているからです。分からないまま買って、時間とお金を損するのはやっぱりイヤですからね。ときには気

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  • ライトノベルの書き方:その27「桃太郎と犬との関係」(1,648字)

    2015-07-21 06:00  
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    「桃太郎」において犬、猿、雉の家来たちは、「人間関係」を象徴している。あるいは、その関係性は「組織」というものを象徴している。
    まず重要なのが、桃太郎と犬との関係である。両者は、必ずしも愛情や友情、思想で結ばれているわけではない。それ以前の、「きびだんご」という「報酬」で結ばれている。桃太郎と犬とは、いうならば「雇用関係」だ。その組織は、現代でいえばベンチャー企業のようなものである。
    ここが、「桃太郎」という物語の卓越したところだ。
    私たちは、その大部分の人間関係が、愛情や友情、思想などで成り立っている。そのため、一見そういう関係の方が重要に見えてしまう。
    しかしながら、私たちの生活を成り立たせている胆のところは、実は報酬の授受を前提とした雇用関係で成り立っている。私たちの生活を保障する「仕事」というものは、愛情や友情、思想で成り立つケースはとても少ない。むしろ、雇用関係というドライなもの

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  • 戦争に賛成も反対もしないということ(1,335字)

    2015-07-20 06:00  
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    世の中を良くする最高にして唯一の方法がある。それは「世の中を悪くすること」だ。
    例えば、第二次大戦並みに世の中を悪くする。すると、戦後の一時期のように明るく平和な世の中が来る。これは、童話「泣いた赤鬼」で「青鬼」がとった戦略でもある。
    その逆に、世の中を悪くする方法もある。それは、世の中を悪くせずに良くしようとすることである。つまり、二兎を追うような行為だ。すると、一兎をも得ず、泥沼にハマる。
    第二次大戦前、日本は富を維持したままそれを拡大しようとした。その無理がたたって、何百万もの人が死んだ。
    世の中は、本質的にそうなっている。「人間万事塞翁が馬」だ。
    では、そういう世の中でどう生きるべきなのか?
    ぼくは、基本的には傍観者になるしかないと思っている。流れに身を任せるしかないと思っている。
    流れに身を任せるというのは、しかし簡単なようで難しい。なぜなら、人間には「流れに身を任せたくない」と

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