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記事 22件
  • 高校の先輩のこと(2,022字)

    2019-04-30 06:00  
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    イジメってどうして起こるのだろう?
    多くの人は、「イジメられる方には責任はない」という。「イジメる方が悪いのだ」と。
    確かにそうかも知れないが、しかしイジメられる方に「原因」はあると思う。原因も理由もなしにイジメというのは始まらないし、きっかけはたいていイジメられっこの方が作るのである。
    高校のときにBという1学年上の先輩がいた。野球同好会のキャプテンだった。
    ぼくは野球同好会員だったので、毎日のように顔を合わせていた。仲がいい訳ではなかったが、馴染みの人ではあった。
    ぼくの高校の野球同好会は、ちょっと虐げられた存在だった。その高校は、ラグビー部を強くするという目的で野球部の設置が認められていなかった。野球部を作るとそこに運動神経の良い生徒が流れてしまい、その分、ラグビー部員の質が落ちるからだ。そのため、野球は同好会という形での活動しか認められていなかった。
    ぼくの高校はラグビーを校技(学

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  • 戦わない。逃げない。かわす。(1,556字)

    2019-04-29 06:00  
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    生まれたての子供を見ていると、「子供には無限の可能性がある」と思ってしまう。子供の中にある種の天才性を見る。
    ぼくは「天才」についてよく考えているのだが、天才を見分ける方法の一つとして目の輝きがある。天才の目は、透明で、しかも焦点が合っている。つまり輝いている。そして生まれたての赤ん坊は、ほとんど全員そういう目をしている。
    しかしその輝きは、やがて失われる。なぜ失われるかというと、それは教育によってだ。
    ここが難しいところなのだが、人間の教育は、本質的に人間の角を取って社会に適合させるためのものだ。しかし人間は、誰しも角を取られると凡才になる。目の輝きも、それによって失われる。教育とは、すなわち凡才を生み出すシステムのことなのだ。
    しかしこれまでの社会では、それで良かった。なぜなら、天才だとなかなか生きていけなかったからだ。そのため、教育によって凡才にする必要があった。凡才だと生きていけた

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  • レストランを開こうと思った話(1,846字)

    2019-04-26 06:00  
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    実は去年の秋くらいから、レストランを開こうといろいろ準備をしていた。
    レストランを開こうと思ったのは、たまたま一昨年辺りから高価なレストランに行くことが多く、そのビジネススキームというのが自分なりに読めてきたからだ。高価な店――というのは客単価がだいたい5万円くらいなのだが、「客がなぜ5万円払うのか?」ということのコードが読み解ければ、自分にもこの商売はできると思った。そして、自分なりにそれを読み解けたと思ったので、開こうとしたのだ。
    そのコードとは何かというと「珍しさ」と「面白さ」である。
    レストラン業界で、「美味しさ」というのはもう限界に来ている。ぼくは昔から、秋元康さんに連れられてよく日本でも有数の名店――ということは世界でも有数の美味しいレストランにさんざん行ってきたけれど、味そのものに満足することはついぞなかった。こと美味しさにおいては、母親の作る料理を超えるものは一つもなかった

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  • 子どもたちに伝えたい「仕事がなくなる時代」のドラッカーのマネジメント:第1回(1,727字)

    2019-04-25 06:00  
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    今回からは、ドラッカーのマネジメントについて書いていきたい。
    なぜならば、ドラッカーのマネジメントが今、あらためて必要な時代になったと思うからだ。
    では、なぜ必要になったのか?
    まずは、そのことを説明していきたい。
    今、世の中が大きく変わった。
    どう変わったのか?
    それは、一言で言うと「便利な世の中」になった。コンピューターやインターネット、ロボットやAIが発達して、いろんなことが楽にできるようになった。
    それは、一見いいことのように思える。確かに、いいことではある。
    しかしながら、一つだけ問題がある。それは、人間のする仕事がなくなる――ということだ。そして、仕事がないと、人はなかなか生きていけない。
    なぜ仕事がないと生きていけないかというと、お金のこともあるが、それ以上に「仕事は人間にとって生きがいそのもの」だからだ。
    どう生きがいかというと、例えば料理人がいたとして、お客さんに作ったも

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  • [Q&A]海外旅行でおすすめのところは?(1,558字)

    2019-04-24 06:00  
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    [質問]
    年末年始に10日間、どこかの国にひとり旅に行こうと思ってます。
    予算は50万円くらいです。
    オススメの場所はありますか?
    [回答]
    それはやっぱりジョージアですね。それか、フランスかギリシャもおすすめです。
    ぼくはなぜか、あそこらの国に惹かれるんですよね。
    ジョージアの情報は、よければこちらを読んでみてください。
    Voice of Ground 新しいライフスタイルを探して
    実は最近、ぼくとぼくの会社である源氏山楼が、新しいサイトを立ち上げたんです。
    この「Voice of Ground」というのが、そのサイトです。
    よかったら見てください。
    あと、拡散希望!()です。
    よろしくお願いします。
    [質問]
    最近の娘さんの様子を教えてください。だんだんと自我が出てきているでしょうか?
    [回答]
    そういえば、娘の情報はここには書いていないですね。
    ぼくの娘は「ジーナ式」という育て方で育

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  • これからどう生きたらいいのか?:第65回(最終回)(1,939字)

    2019-04-23 06:00  
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    ここまで長きにわたって「これからどう生きたらいいのか?」ということについて考えてきた。なぜかといえば、それはぼく自身、何よりそのことついて悩んでいるからだ。ここのところずっと、新しい生き方を模索している。
    なぜ、これからどう生きたらいいのかについて考え、悩み、模索しているかといえば、これまでの生き方では生きていけなくなったからだ。通用しなくなった。
    例えばぼくは、つい1年ほど前まで「怒る」ということを普通にしていた。そして、怒ることは悪いことではないと思っていた。むしろ、それが自分の原動力で、いいことだと思っていた。
    しかし、去年1年、怒っていいことは何もなかった。この感覚は、これまで50年生きてきた中で、一度も味わったことがなかった。これまでの50年の人生では、怒ることが生きることの糧だった。怒ることによって、ぼくは生かされていた。怒らなければ、とっくの昔に死んでいただろう。
    しかし去年

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  • お金をかけずにたった三ヶ月で知的生産性を爆発的に飛躍させる方法:その20(1,875字)

    2019-04-22 06:00  
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    今も、そしてかつても、「絵を見る」ことの最大の価値は、そこからインスピレーションを受け取ることにある。絵を見て、それに刺激されることによって、人には何か新しいアイデアが生まれる。
    この、「何か新しいアイデアが生まれる」ということにまさる喜びは、なかなかない。またビジネスマンにとっては、これにまさる「経済活動」も、なかなかない。
    なぜなら、ビジネスマンにとっても最大の原資は、そのアイデアだからだ。アイデアこそがビジネスを生み、お金を産む。
    だから、ビジネスマンはいつでも新しいアイデアを欲している。そのためなら、どんな犠牲も厭わない。
    そして、その何より欲しいアイデアを生み出してくれるものこそ、絵なのだ。特に、すぐれたアーティストが描く「ビジョン」からは、取り分け大きなインスピレーションを受け取ることができる。
    だから人は、ビジョンに満ちた絵を欲する。そこからインスピレーションを受け取ることに

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  • 第六期「岩崎夏海クリエイター塾」塾生募集のお知らせ(2,090字)

    2019-04-19 06:00  
    今、岩崎夏海クリエイター塾というのをしている。始めてもう5年くらいになるが、最近では10人ほどのメンバーになって、少人数運営している形だ。
    岩崎夏海クリエイター塾の最大の特徴は、塾生が毎回宿題として映画を見てきて、それについての「講評」を発表するところにある。授業では、ぼくの講義が一時間と、その後の一時間で見てきた映画についての評価・解釈を塾生それぞれが発表していく。また、それを受けてぼくを含めたみんなで、その評価・解釈についての議論を深めていく。
    この議論が、塾生にとってはもちろん、ぼくにとっても面白い。というのも、毎回「そんな映画の見方もあるんだ!」と発見させられるからだ。映画についてのさまざまな気づきを、そこで得られる。
    例えば『ROMA/ローマ』というアカデミー監督賞も獲った映画がNetflixで公開されているのだが、この作品を宿題にしたことがあった。すると、そこに登場する「若い男

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  • 明日のライティング術:第23回(1,918字)

    2019-04-18 06:00  
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    文章の構造について、ここからは第四段階の「検証」について見ていきたい。文章は、まず「導入」で読者の興味を引き、「問題提起」でテーマを告げ、「仮説」で結論――もしくは方向を指し示し、「検証」でいよいよその結論までの道筋を示す。そこで提示された仮説がどのように組み立てられたか、理路を説明するのだ。例えば、昨今の出版界をテーマに文章を書いたとする。このとき、「今の出版界は元気がない」という「導入」から始め、「なぜ事業規模がどんどん縮小しているのか?」という「問題提起」をし、「仮説」として「インターネットの出現が全てを変えてしまった」という論を掲げたなら、次の「検証」では、「インターネットがどのように出版界に影響をもたらしたのか」ということを、取材したデータや証言を元に論を組み立てていく。「検証」は、推理小説でいうならば探偵による謎解きの場面だ。「犯人はあなたですね」と仮説を掲げた後に、「なぜなら

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  • [Q&A]セブンイレブンついてどう思うか?(1,502字)

    2019-04-17 06:00  
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    [質問]
    私は最近、仏教に興味を持ち始めています。ブッダの合理的な考え方を自分の生活に取り入れようとしているからです。岩崎さんは、仏教に対してどのように感じていらっしゃいますか?
    [回答]
    仏教は、とても面白いと思います。佐々木閑さんの『犀の角たち』という本があるのですが、その中で「日本に伝わり広まった仏教」ではなく「釈迦が作った元の仏教」について述べられていて、その内容に大変感心しました。
    例えば釈迦は、出家した者には「働くこと」を禁止していました。なぜなら、それは「世の中の役に立つこと」だからです。世の中の役に立つことというのは、欲得から来る行為です。それを見抜いて、釈迦はあえて働くことを禁止にしていたんですね。
    そういうふうに、釈迦は社会を見抜く鋭い眼力を持っていました。そして奇しくも、現代を生きる我々はまさに今この問題と直面しています。AIやロボットの影響で、仕事がどんどんなくなり

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