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「牛乳石鹸CM炎上事件~情緒の欠落した日本人」小林よしのりライジング Vol.237

  牛乳石鹸 のWEB用CMが炎上しているそうだ。  牛のマークの牛乳石鹸、子供のころ、おいしそうに感じでかじってしまったことがあるなあ。私の世代のCMと言えば、 「♪ぎゅ~にゅ~せっけん、よいせっけん」と いうフレーズが印象に残っている。最近は、流行にのってストーリー仕立てのムービーを制作しているようだ。3分弱の動画、URLを記載しておくから、興味のある人はまず見てみてほしい。     牛乳石鹸 WEBムービー「与えるもの」篇 フルVer.  https://www.youtube.com/watch?v=CkYHlvzW3IM  30代後半ぐらいと思われるサラリーマンの男。妻と小学生ぐらいの息子がいて、そこそこきれいなマンション暮らし。朝は両手にゴミ袋を持って、出掛けのゴミ出しをしたあと、バス通勤。ぼんやりとして、冴えない顔つきは、ハキハキした感じの妻とは対照的だ。だが、結婚して子供がいて、それなりのマンションに住んでいるようだから、かつてなら中間層、いまなら富裕層とすら言えるのかもしれない。妻は、朝のシーンで襟付きのジャケットを着ているから、共働きだろう。  この日は息子の誕生日。出掛けに妻から「帰りにケーキお願い!」と頼まれる。会社でも妻からLINEが来て、野球グローブの画像と「プレゼントもお願い!」のメッセージ。妻も妻で忙しい仕事なのだろう。一方、社内では、後輩の社員がミスをしたようで、上司にひどく叱られていた。    仕事帰り、小走りで息子のための買い物に向かう男は、野球グローブを選び、誕生日ケーキを買う。朝は両手にゴミ袋、夕方は両手に息子の誕生日プレゼント、見るからに“家族思いのやさしい夫”という姿だ。しかし、その脳裏には自分の子供時代が思い出されていた。  自分の親父は、こんな風に家族サービスをする男じゃなかった。記憶に残るのは、作業着を着て振り返りもせず仕事に出ていく後ろ姿。そして小学生だった自分は、グローブを手に、いつもひとりぼっちで壁に向かってボールを投げていたな……と。    そこにナレーションが入る。 「あの頃の親父とは、かけ離れた自分がいる。  家族思いの優しいパパ。時代なのかもしれない。でも、それって正しいのか」

「牛乳石鹸CM炎上事件~情緒の欠落した日本人」小林よしのりライジング Vol.237
小林よしのりライジング

常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!

著者イメージ

小林よしのり(漫画家)

昭和28年福岡生まれ。昭和51年ギャグ漫画家としてデビュー。代表作に『東大一直線』『おぼっちゃまくん』など多数。『ゴーマニズム宣言』では『戦争論』『天皇論』『コロナ論』等で話題を巻き起こし、日本人の常識を問い続ける。言論イベント「ゴー宣道場」主宰。現在は「週刊SPA!」で『ゴーマニズム宣言』連載、「FLASH」で『よしりん辻説法』を月1連載。他に「週刊エコノミスト」で巻頭言【闘論席】を月1担当。

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