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  • 「出会い系と愛国デモ:寂しさに耐えられない人々」小林よしのりライジング Vol.123

    2015-03-03 18:55  
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     2月20日の朝日新聞に「『出会い系』狙われる高齢者」という記事が載っていた。
    「出会い系」の有料メール交換サイトの詐欺的な手口に引っ掛かり、大金を散財してしまうお年寄りが増えているというのだ。
     まずは、記事に載っていた被害者のケースを紹介しよう。
     76歳、無職男性。元証券会社員。
     妻に先立たれ、3人の子供は独立し、東京都内で独り暮らし。
     日中はボランティアなどをやっているが、夜に1人になると時間をもてあまし、パソコンに向かう。
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     2011年秋、ネットで「車をプレゼントします」という表示をクリック、名前や連絡先を入力してメールを送る。
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     その翌日から「悩み相談に乗ってください」「会いたいです」などという知らない女性からのメールが大量に届き始める。
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     興味本位で、女性医師を名乗る相手に「お茶でも飲みませんか」と返信。
     女性の顔写真が届き、自己紹介を交わして会う約束をする。
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     指定した場所で待つが、現れない。
     メールを送ると「場所を間違えた。ごめんなさい」と返信。
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     メールは最初の数通は無料だったが、途中からポイントの購入が必要となる。1通あたり50ポイント(50円)。
     やりとりを続けたが結局、はぐらかされるだけに終わる。
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     他の女性とも似たようなやりとりを繰り返す。
     寂しさのあまりのめりこみ、気づくと朝までメールを送り続けていたことも。
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     3年間で9つの有料メール交換サイトに登録。
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     300万円あった貯金は底をつき、年金や火災保険も解約。
     借金を重ね、自宅の電気代やガス代さえ払えなくなる。
     たまたま帰省した娘が異常に気付き、ようやく事態が発覚。
     注ぎ込んだ金額は合計1000万円以上。
     ツッコミどころは満載だが、とにかく「出会い系」といっても実際には出会えやしないのだ。
     他にも「乳がんを患う」という「19歳の女性」とのメールでは、効く薬を調べて伝えたり、「強い意志をもちなさい」と励ましたりしているうち、「母親と一緒に自宅にお礼に行く」と言ってきたので、ケーキを3人分買って待ったが現れなかったという。
     それで無視すると、「見捨てないで」などと繰り返しメールが来て、つい返信してしまい、メール交換は1年以上続いたそうだ。
     もちろん、こんなのサクラに決まっている。送ってきた写真だって、木蘭さんの「H大好き40歳」のケースじゃないが、本人であるはずがない。そもそも、メールの相手が本当に女性だったのかさえ、わかったもんじゃない。
     それでも被害男性は、今もこう言っているんだとか。
    「まさか自分がだまされるとは思わなかった。
     それでも、すべてがウソだったとは今でも信じたくない」
     こんな見え見えのペテンに引っ掛かってしまうほど、老人は寂しくてたまらないのである。
     独り暮らしの高齢者が寂しさを紛らわそうと、パソコンばかりやっているうちに出会い系にハマっている。
     それは、愛国デモに参加している年寄りも同じである。