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記事 5件
  • 「ドルチェ&ガッバーナvsエルトン・ジョンからの教訓?」小林よしのりライジング Vol.126

    2015-03-24 16:35  
    102pt
     今週の「小林よしのりライジング」はいかがでしたか?
     毎月、泉美木蘭さんとのニコニコ生放送「よしりんに、きいてみよっ!」がある日は、打ち合わせを兼ねて一緒に夕ご飯を食べに行きます。
     会話の流れで、デザイナーのドルチェ&ガッバーナと歌手のエルトン・ジョンの間で起きた論争の話題になりました。
     木蘭さんから騒動の詳細を一通り聞いた先生ぼんは、まず自分が愛用している洋服のデザイナーがゲイの元パートナー同士(現在は解消中)ということを初めて知り、
    「そうだったのかー!!
     ドルチェ&ガッバーナってゲイだったのかー!!」
    …と大層驚いておりました。
     デザイナーやアーティストにはゲイが多いということを聞くと、
    「そうかー!!
     天才が多いのかー!!
     やっぱりゲイは差別しちゃいかんな!!」
    と、ちょっとよくわからない理由でゲイ差別反対を訴える先生ぼん(笑)
     その上で…
  • 「安保法制:日本は『戦争できる普通の国』になるのか」小林よしのりライジング号外

    2015-03-23 16:50  
    102pt
    ゴーマニズム宣言
    「集団的自衛権とは、戦争参加のことだった!」
     安倍政権は、「集団的自衛権」の行使のための法整備(安保法制)を着々と進めている。公明党も、結局、歯止めにはならなかった。
     安倍首相は防衛大学の卒業式で、安保法制について、日本が戦争に巻き込まれるという批判は、ただ不安をあおろうとする無責任な言説、荒唐無稽な言説だと主張した。
      だが肝心なことは、日本は法治国家であって、中国のような人治国家ではないということだ。 首相(人)が治めているのではなくて、法が治めているのである。
     安倍首相は「福島第一原発の汚染水は完全にコントロールされている」と世界に向かって断言したり、イラク戦争の歴史的大失敗を未だに認めなかったり、信用するに足る人物ではない。
     しかも安倍首相は、吉田松陰の「知行合一」を手前勝手な解釈で誤用し、批判は必要ない、行動だけだと、民主主義の基本である「議論」すら封じようとしている独裁者体質の人間だ。
      今回の安保法制に、戦争に巻き込まれないための「歯止め」が明記されているかどうかが問題なのであって、 首相の言葉を教祖の言葉のように盲信するのは、ネトウヨくらいのものだろう。国民は法を検証するしかないのである。
     
     問題は、今回の安保法制が、どんな意味を持つのかを、国民が全然わかっていないということだ。平和ボケの国民が、「まさか日本が戦争はしないだろう」と高をくくっている間に、今度こそ自衛隊員に死者が出て、日本が戦争に巻き込まれる危機が迫っているのだ。
      政権によって現在行われている法整備は、自衛隊がアメリカの戦争に協力するために、海外のどこまでも派遣できるようにするためのものである。
    「20日、自民・公明両党は新たな安全保障法制の基本方針に正式合意。政府はこの方針に沿って、関連法案の具体的な作成作業に入る」・・このように固い言い回しで伝えられると、国民は何のことやらわからなくなるようだが、 日本は「戦争できる普通の国になる」と言えばわかりやすい。
     もう護憲だの改憲だの言っても意味がないのだ。
      このまま関連法案が成立すれば、憲法9条は完全に死文化する。もはや憲法なんて、あってもなくてもどうでもいいものになるのだ。
     憲法9条の下では従来「個別的自衛権」の行使しか認められておらず、自衛隊は「専守防衛」に徹していた。自衛隊が武力を行使できるのは、日本が直接攻撃を受けた場合のみである。
     自衛隊が海外で活動できるのは「周辺事態法」に基づく、朝鮮半島など日本周辺の有事の際の行動と、「PKO協力法」に基づく平和維持活動に限られる。 
     それ以外の場合は、その都度時限的な「特別措置法」を作って自衛隊を海外に派遣してきた。そしていずれの場合も、海外では自衛隊は「戦闘行為には参加しない」ということになっている。
      これをもっと積極的に、どこまでも米国にくっついていき、戦闘行為にも参加できるようにしたいと考えたのが安倍晋三である。
     そのためには、これまで憲法で禁じていた「集団的自衛権」が行使できるようにしなければならない。
      日本が攻撃されていなくても、米国が攻撃されたら、それを日本への攻撃と同等にみなし、自衛権の行使として日本も戦闘に加わるようにするのだ。
     そうするには、
  • 「メルケル首相演説の誤解と評価」小林よしのりライジング Vol.125

    2015-03-17 14:15  
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     3月9日・10日の2日間、ドイツのメルケル首相が来日した。
     ドイツは中国との経済関係を深めており、メルケルは2005年11月の首相就任から10年弱の間に7回も訪中している。
     それに対して訪日は3度目、それも2008年の北海道・洞爺湖サミット以来、実に7年ぶりである。露骨なほどの差をつけている。
     そんなメルケルが今回、突然日本にやって来た。何しろ外務省がメルケル訪日を発表したのが10日前の2月27日という慌ただしさである。
     唐突な来日で、何をしに来たのかさっぱりわからなかったが、一応、今年6月にドイツ南部のエルマウ城でサミットが開催され、さらに来年は日本でサミットが行われることから、その協力要請のための来日であるとか、ウクライナ情勢やギリシャ支援への対応、テロ対策などについての意見交換をするためとか言われていた。そう聞いても、やっぱりよくわからない理由だが。
     中には、安倍政権の経済政策やアジア外交、さらに特定秘密保護法導入による「言論の自由の危機」に対する懸念がドイツ国内に高まっており、それを伝えに来たのではないかとか、6月のサミットで安倍が場違いな発言をしないように釘を刺したのではないかといった推測もあった。それならありうる、と思えてしまうところが情けない。
     メルケルの訪日に関して、特にマスコミが大きく報道したのが9日に行われた講演だった。
     報道だけ見ていると、戦後70年の「歴史認識」と「脱原発」がテーマの講演だったかのように思ってしまうが、講演の全文を読んでみると、142年前の岩倉使節団のドイツ訪問から話が始まり、東日本大震災、ウクライナ情勢、テロとの戦い、軍拡と核拡散の阻止、国連安保理改革、G7の重点課題、少子高齢化と地域間格差の問題など、実に様々なテーマを語っており、歴史認識も脱原発もあくまでもその中の一テーマという扱いになっている。
      しかし左翼マスコミは、最初から「歴史認識」と「脱原発」で「ドイツに見習え」という記事が書きたいという意識しかなかった。
     というより、この講演自体が、メルケルから「ドイツに見習え」的な言葉を引き出すためにセッティングされたものとしか思えない。なにしろ講演会の主催者は朝日新聞社だったのだから。
     実際にはメルケルの講演では、「歴史認識」についてはかなり抑制的な表現にとどまっていた。
     おそらく、それでは物足りないと思ったのだろう。質疑応答に入ると、真っ先に「主催者代表」がこんな質問をした。
    過去の克服と近隣諸国との和解の歩みは、私たちアジアにとってもいくつもの示唆と教訓を与えてくれています。メルケル首相は、歴史や領土などをめぐって今も多くの課題を抱える東アジアの現状をどうみていますか。今なお、たゆまぬ努力を続けている欧州の経験を踏まえて、東アジアの国家と国民が、隣国同士の関係改善と和解を進める上で、もっとも大事なことはなんでしょうか?  要するに「『日本よドイツを見習え』って話をして!」とリクエストしているのだ。かなり露骨に。
     メルケルはこの質問に対して、「 ドイツは幸運に恵まれました……ホロコーストの時代があったにもかかわらず、私たちを国際社会に受け入れてくれたという幸運です。どうして可能だったのか? 一つには、ドイツが過去ときちんと向き合ったからでしょう 」と回答。これで朝日新聞は大喜びである。
    「ドイツが過去ときちんと向き合った」朝日はこの一言を待ちに待ち望んでいたのだ。 日本は過去ときちんと向き合っていない! ドイツを見習え! …とにかく朝日はそう言いたくて、言いたくて、言いたくてたまらないのだから。
     だが、ドイツが過去ときちんと向き合ったなんて話は大ウソなのである。
  • 「川崎中1殺害事件:上村くんの道徳心」小林よしのりライジング Vol.124

    2015-03-10 15:05  
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     川崎市の中学1年生、上村遼太君が惨殺された事件では、上村君への同情が全国に広がっている。
     不良グループと付き合ってしまったことが、最大の過ちだった。特に主犯の18歳少年Fの凶暴さは尋常ではないので、この男と知り合ったことは上村くんの不幸だった。
     日頃から酒飲んで酔っ払ってキレてるような不良を、親が野放しにしていたのだから、家庭環境も問題があるし、鑑別所から出てきたばかりで、13歳の少年を惨殺したのだから、こんなのを少年法で保護する必要があるのかと、厳罰を望む声も圧倒的に高まっている。わしも同じ意見だが、ニコニコの規制に引っ掛かる恐れもあるので、イニシャルにしておく。
     Fは強い相手には弱いが、弱い相手にはとことん強く出る。一度キレたら限度を知らず、死ぬんじゃないかと思うほど殴る蹴るを続ける。
     酒を飲んだら手がつけられない。以前から「人殺してぇー」と言っており、通りすがりの中年男性を全く無目的に鉄パイプで殴打、重傷を負わせて鑑別所に送られ、昨年末に出てきたばかりだったという。
     こんな奴がまだ他にもいるかもしれず、同じような事件がまた起きても全くおかしくはない。そんな象徴的な事件なのだから、この事件に対する関心は絶やさない方がいい。
     凶暴な不良グループと交流してしまった子供は、自力でそこから抜け出すことは不可能だろう。
     大人がなんとか事態を把握して、抜けさせてやるしかない。
     上村君自身は、グループを抜けたがっていたようだ。上村君が目の周りに青タン作って、顔中腫らしているのを見て、友達や別のグループがFに抗議もしている。
     だがFのような卑怯な男は、その時だけ平身低頭で謝っておいて、後でそれを逆恨みして、リンチして殺してしまう。
      いくら子供の世界で正義感のある者が守ろうとしても、守り切ることはできない。大人が出ていくしかない。大人が子供をどうやって守るのか、その方法をはっきり確定させなければならないのだ。
     事件発覚直後、ネットでは上村君の母親を責める声が上がり、それに対して被害者の母親を責めるのは酷だという批判が起きた。
     女性週刊誌などは母親に同情的で、5人の子供を抱えたシングルマザーで、働き詰めで余裕がなかったとか、息子の死に憔悴しきっていたとか書いていた。
     また、母親のコメントとして「あの時、もっともっと強く止めていれば、こんなことにはならなかったと、ずっと考えています」などという文書が発表されると、同情の声はさらに高まった。
     だが、わしは違和感をぬぐい切れない。
     5人の子供の世話は大変だろうが、いくらなんでも息子が目の周りにあんな青タン作って顔中腫らして帰ってきたのに、対処しないのはおかしい。深夜に外出する子供を放置するのも、常識ある親とは言えない。子だくさんは言い訳にならない。
     そんな中、週刊文春がこんな地元住民の話を載せた。
  • 「出会い系と愛国デモ:寂しさに耐えられない人々」小林よしのりライジング Vol.123

    2015-03-03 18:55  
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     2月20日の朝日新聞に「『出会い系』狙われる高齢者」という記事が載っていた。
    「出会い系」の有料メール交換サイトの詐欺的な手口に引っ掛かり、大金を散財してしまうお年寄りが増えているというのだ。
     まずは、記事に載っていた被害者のケースを紹介しよう。
     76歳、無職男性。元証券会社員。
     妻に先立たれ、3人の子供は独立し、東京都内で独り暮らし。
     日中はボランティアなどをやっているが、夜に1人になると時間をもてあまし、パソコンに向かう。
           ↓
     2011年秋、ネットで「車をプレゼントします」という表示をクリック、名前や連絡先を入力してメールを送る。
           ↓
     その翌日から「悩み相談に乗ってください」「会いたいです」などという知らない女性からのメールが大量に届き始める。
           ↓
     興味本位で、女性医師を名乗る相手に「お茶でも飲みませんか」と返信。
     女性の顔写真が届き、自己紹介を交わして会う約束をする。
           ↓
     指定した場所で待つが、現れない。
     メールを送ると「場所を間違えた。ごめんなさい」と返信。
           ↓
     メールは最初の数通は無料だったが、途中からポイントの購入が必要となる。1通あたり50ポイント(50円)。
     やりとりを続けたが結局、はぐらかされるだけに終わる。
           ↓
     他の女性とも似たようなやりとりを繰り返す。
     寂しさのあまりのめりこみ、気づくと朝までメールを送り続けていたことも。
           ↓
     3年間で9つの有料メール交換サイトに登録。
          ↓
     300万円あった貯金は底をつき、年金や火災保険も解約。
     借金を重ね、自宅の電気代やガス代さえ払えなくなる。
     たまたま帰省した娘が異常に気付き、ようやく事態が発覚。
     注ぎ込んだ金額は合計1000万円以上。
     ツッコミどころは満載だが、とにかく「出会い系」といっても実際には出会えやしないのだ。
     他にも「乳がんを患う」という「19歳の女性」とのメールでは、効く薬を調べて伝えたり、「強い意志をもちなさい」と励ましたりしているうち、「母親と一緒に自宅にお礼に行く」と言ってきたので、ケーキを3人分買って待ったが現れなかったという。
     それで無視すると、「見捨てないで」などと繰り返しメールが来て、つい返信してしまい、メール交換は1年以上続いたそうだ。
     もちろん、こんなのサクラに決まっている。送ってきた写真だって、木蘭さんの「H大好き40歳」のケースじゃないが、本人であるはずがない。そもそも、メールの相手が本当に女性だったのかさえ、わかったもんじゃない。
     それでも被害男性は、今もこう言っているんだとか。
    「まさか自分がだまされるとは思わなかった。
     それでも、すべてがウソだったとは今でも信じたくない」
     こんな見え見えのペテンに引っ掛かってしまうほど、老人は寂しくてたまらないのである。
     独り暮らしの高齢者が寂しさを紛らわそうと、パソコンばかりやっているうちに出会い系にハマっている。
     それは、愛国デモに参加している年寄りも同じである。