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ブルックリン物語 #21 Day By Day 「デイ・バイ・デイ」
2016-09-01 19:00220pt
PNDはインデイーズだ。僕自身がホームページから購入してくれた世界中の人に直接CDを送る。USP(アメリカの郵便局)のサイトでは、ネットで実際の窓口作業をキーパンチしながらやれるので、窓口で時間を取られないよう家作業をするように心がける。
まず記入するのは国の名前、買ってくれた方が日本であれば「Japan」、ジャマイカであれば「Jamaica」をリストから選ぶ。そこから国内の細かい住所へと移る。アメリカ本国であればさほど問題はないが、中国やインドなどにありがちな長く複雑な文字が続く場所だと注意を要す。
日本でさえもTakakisemachi Oaza Higashitakagi, Sagaのように、読み方が確定できない場合もあるので、住所は必ずGoogle mapで正確な読み方を確認するところから始める。だからGoogle viewで「へえ、こんなところに住んでいるんだ!」って、意に反して買ってくださった方の近所の写真を見られちゃったりすることも。な訳でちょっぴりそういう時は購入者の方を近く感じたり。英語のサイトなので「ー」などは通用せず「-」になる。そんな細かいところを確かめつつ一通ずつ梱包を完成させてゆく。1名様につき大体15分〜20分はかかる。週末にかけて張り切ってサクサクやっていると、なぜか突然最後の支払いの段でぼくのカードが受付不可になってしまう。
あれ?
おかしいぞ?
何度もトライすると、そのカードはDeclined (使用不可)になってしまった。仕方ないので別のカードで行うと、それもしばらくすると使用不可に。
え?
今度はバンクカードではないクレジットカードの方で。そしてそれも3、4回でダメになる。
気持ち悪いので翌朝9時きっかりに銀行に行く。よく知っている銀行の人に事情を説明すると、「あまりに手際よく何度も同じ値段で同じ作業を短い時間に繰り返すので怪しまれた」らしい。
そんなことがあるの?
無効になったカードを新しく作り直してもらって、不承不承銀行を後にする。
数年前、アメリカ横断した時にアリゾナでガソリンを入れていたら、ポッケの携帯がぶるっと震えた。「誰かがあなたのカードを無断で使おうとしているかもしれません。もしあなたならば『使ってよし!』と返してください」という銀行からのメッセージだった。しょっちゅうduplication (複製)やFraud(詐欺、不正)が行われるアメリカでは、銀行は常に口座保有者をこうして守っている。普段NYでしか使われない僕のカードが、いきなりアリゾナでスワイプされてたかもしれないそのTransaction (処理) に銀行は「え?」となったわけである。
週明けに機嫌よく新しく再発行されたカードで、家での配送作業を再開していたら、また同じことが同じタイミングで起こった。もうカードの再発行は勘弁願いたい。そう思いすぐに作業を中断し、自分の音楽の練習に切り替えた。
翌朝9時に銀行を再び訪れたら、またこの前と同じことが起こったと伝えられる。
What?
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