-
ブルックリン物語 #35 As Time Goes By 「時の過ぎゆくままに」
2017-01-20 10:00随分時間が流れたような気がする。でもそんなに実際は経ってないような気もする。クリスマスツリーも年越しそばもお屠蘇もお雑煮も何もない年末年始を無我夢中で乗り越えたような記憶があるが、それさえもぼんやりしている。
毎日歩き走り雪が降り積り相変わらず家の周りの騒音は酷くなるばかりだ。月と星がくっついた日もあったし、離れてしまった空を呆然と見つめたのもつい最近のこと。
気がつくと僕は日本に向かう飛行機に乗っている。丸い窓の外には左翼と白い雲と明るい光があり、ライトに照らされたPCのスクリーンに文字を増やしていく様は、過去の何処かでさまよっている自分を未だに探しているような気さえある。
でも僕は未来に向かっている。
それもどこか懐かしいようなその景色の中へ、時に運ばれるように、背中を押されるようにして。
ぴをブルックリンの別の地区に住む友人に預けに行った帰りに、摂氏マイナス10度の中なぜか歩く羽目に
1 / 1