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携帯が生まれた頃はこんな小さな機器にこれほどまで心と体を束縛されるとは、誰が想像しただろうか?
気がつけばスクリーンをいじり、気がつけばバイブを気にし、気がつけばいつもその存在の一挙一動に反応して、それはもはや身体の一部と呼んでもいいくらいだ。
神戸からブルックリンに戻り、一旦自宅に荷物を置き、友人に預けているぴをピックアップしようと携帯のスクリーンをいじり始める。今日これから伺っていいものか、明日にしたほうがいいか? テキストメッセージを書く。すぐにリスポンスが帰ってきた。
「フードも今夜の分でなくなるしオシッコシートもなくなる。ちょうど良かった。今夜ピックアップしにきてください」
わずか10日間だが、信頼できる友人の家でぴが病院やホテルとは違う生活ができるというのは本当にありがたい。その感謝を噛みしめながら地下鉄で向かう。
この前の零下10度の雪の中、4時間歩行をした数時間後に僕はミネ
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