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[連載第27回]「もしドラ」はなぜ売れたのか?「文体を考える」(2,270字)
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[連載第27回]「もしドラ」はなぜ売れたのか?「文体を考える」(2,270字)

2013-04-25 06:00
    さて、そうしてぼくは、いよいよ「もしドラ」の執筆に取りかかった。

    この時、ぼくは会社勤めをいていた。また、個人で匿名のブログを毎日書いていた。その中で、「もしドラ」の執筆をすることにもなった。だから、とても忙しくなるだろうことが目に見えていた。

    それでもぼくは、ブログの執筆をやめようとは思わなかった。もちろん、会社をやめようとも思わなかった。どちらも、これまでと変わらずに続けていこうと思っていた。その中で「もしドラ」を書こうと思ったのだ。

    それは、そういう忙しい状況に身を置いていた方が、良い作品が書けると思ったからだ。
    これはぼくがこれまで生きてきた中で培った考え方なのだが、何ごとも、集中しすぎることは良くないのだ。集中は、適度に分散していた方がいいのである。

    一つのところに集中する「一所懸命」は、ぼくの場合はどうしても執着につながりやすかった。だから、努力の方向性がおかしなものになりがちなのだ。ま
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