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子どもたちに伝えたい「仕事がなくなる時代」のドラッカーのマネジメント:第37回(1,585字)
2020-02-04 06:00110ptドラッカーのマネジメントを使って、我々はどのような遊びを作れるのか?
一つ、重要な手がかりがある。それは、これからは「何かを作る」ということが、一つの大きな遊びになるだろう――ということだ。
もう亡くなったアップルの創業者で、コンピューターのMacやiPhoneなどを作ったスティーブ・ジョブズという人がいる。彼は、若くして成功し、一生遊んで暮らせるだけのお金を得た。
しかし、そこから遊んで暮らしたかというと、全然そんなことはなかった。むしろ、それまで以上にハードに働いた。そうして、2011年に56歳で死ぬまで働き続けた。
というより、変な言い方だが、彼は「仕事を遊んだ」。なぜかといえば、これは有名な話だが、ジョブズは一度は辞めさせられたアップル社に1997年に戻ったとき、自分の年俸をたったの1ドルと決めた。本当はただでもよかったのだが、形式上お金をもらわなければならなかったので、最低の1ド -
子どもたちに伝えたい「仕事がなくなる時代」のドラッカーのマネジメント:第36回(1,666字)
2020-01-28 06:00110ptこれからの時代は仕事がなくなる。仕事がなくなっても生きることはできるだろうが、しかし人類はこれまで1万年にわたって「仕事をすること」をベースに社会を構成してきた。おかげで、仕事は生きるための「義務」でもあったが、同時に「喜び」でもあった。だから、その仕事がなくなってしまうと、多くの人の「喜び」も奪われてしまうことになる。
そういう構造があるから、単に「生きていける」というだけで仕事がなくなることを手放しには喜べない。人類は「仕事がない」という状況にまだ慣れていないので、それに上手く対応できるよう「橋渡し」をする必要がある。
その橋渡しに、ドラッカーの「マネジメント」が役に立つ。特に、これまで見てきたようなマーケティングとイノベーションが役に立つのだ。
仕事がなくなる時代に最も懸念されるのは、「時間が余ること」だ。なぜなら、人間は時間が余ることに慣れていない。これまでずっと、仕事があるおかげ -
子どもたちに伝えたい「仕事がなくなる時代」のドラッカーのマネジメント:第35回(1,626字)
2020-01-21 06:00110ptプロトタイプ思考を高めるためには、「空間センス」とともに「生活センス」を高めていく必要がある。
では、生活センスを高めるにはどうすればいいか?
結論からいえば、それはズバリ「模様替え」をすることである。
近年、「断捨離」や「片付けブーム」など、「掃除」に対する関心が高まっている。なぜなら、掃除は部屋がきれいになるだけではなく、生活の質も劇的に向上させるので、非常に費用対効果が高いからだ。人生の質を高めるための最も効果的なソリューションといって差し支えないだろう。
そのため、掃除をするだけでも生活センスは高まる。しかしここでは、もう一段高いレベルを目指してみたい。
その高いレベルこそ、「模様替え」である。それも「あくなき模様替え」「終わらない模様替え」が、生活センスを恒常的に高めてくれる。
では、「模様替え」とは何か?
それは、部屋を作り替えることである。部屋をより機能的に、より効率的に、よ -
子どもたちに伝えたい「仕事がなくなる時代」のドラッカーのマネジメント:第34回(1,587字)
2020-01-14 06:00110ptイノベーションを起こすためには、「プロトタイプ思考」が欠かせない。
つまり、まずは深く考えすぎず、何ごとも行ってみる――という考え方だ。何より実践を優先する価値観である。
そういう価値観を構築するためには、行動することへの障壁を取り払う必要がある。なぜなら、人が行動を嫌がるのは、たいていそこに壁があり、乗り越えるのが億劫になるからだ。
では、どうすれば壁を取り払うことができるのか?
それは、行動しやすい「環境」を作ることである。具体的には、道具や材料を収納する場所(収納場所)と、それを使って実際に何かを作る場所(作業場)を作ることだ。
このとき、収納場所と作業場を作ることにも、センスが求められる。すなわち、機能的で、また使いでのある収納場所や作業場を作る必要がある。その方が、行動することの壁がより取り払われるからだ。
そこで、収納場所や作業場を作るセンスを高める必要があるのだが、それには「 -
子どもたちに伝えたい「仕事がなくなる時代」のドラッカーのマネジメント:第33回(1,496字)
2019-12-26 06:00110ptイノベーションを起こすためにはプロトタイプ思考が必要となる。そしてプロトタイプ思考を鍛えるためには、「建築の感度」と「生活の感度」を高めることが肝だ。
では、どうすれば建築の感度と生活の感度を高めることができるのか?
ところで、「建築の感度」と「生活の感度」は、それぞれ次のように言い換えることができる。それは「空間の感度」と「時間の感度」だ。
「建築に習熟する」というのは、いうまでもなく「空間に習熟する」ことだ。
一方、「生活」というのは基本的には日々の営みを指すが、そこでは「時間感覚」が絶対的に必要になる。例えば、洗濯をするときには「その服を次に着るのはいつか」ということが重要になる。あるいは料理をするとき、「それを食べるのはいつか」ということを勘案しなければならない。
そんなふうに、そこには必ず何らかのタイムラグが生じる。人は、今だけを生きることは不可能だ。短期的にしろ長期的にしろ、必 -
子どもたちに伝えたい「仕事がなくなる時代」のドラッカーのマネジメント:第32回(1,743字)
2019-12-19 06:00110ptイノベーションを起こすための考え方として、「プロトタイプ思考」は欠かせない。「まずは何か作ってみる」というフットワークの軽さがないと、イノベーションは起こせない。
なぜなら、プロトタイプ思考は失敗を許し、そこから適切なフィードバックを得ることができる。そうして、アイデアを効率的に洗練させられる。すると、それを元にすぐれたイノベーションが生み出されるからだ。
だから、そこではいかにプロトタイプ思考の「壁」を取り除き、試作品を作りやすくする環境を作るかということが重要になってくる。
その「環境」とは、大きく四つある。それは「材料」「工具」「収納場所」「作業場」だ。今回は、そのうちの「収納場所」と「作業場」について見ていきたい。
まず「収納場所」というのは、文字通り材料や工具を「収納」しておく「場所」のことだ。これがなぜ重要かといえば、収納場所が遠かったり使いにくかったりすると、プロトタイプ思考 -
子どもたちに伝えたい「仕事がなくなる時代」のドラッカーのマネジメント:第31回(2,026字)
2019-12-12 06:00110pt「プロトタイプ思考」では、まず試作品を作ってみる。そこにおいて重要なのは、ものを作ることには欠かせない「道具」だ。
では、道具とは何か?
それは、大きく四つある。
一、材料
二、工具
三、収納場所
四、作業場
これらを、順に見ていきたい。
まず、試作品を作るためには「材料」が必要である。
次に、それを工作するためには「工具」が欠かせない。
ちなみに、この二つはたいてい「ホームセンター」に売っている。その意味で、ホームセンターはプロトタイプ思考には欠かせない場所ということもできよう。
あるいは、普段から家に材料や工具をそろえておき、必要なときに取り出せるような環境作りも必要だ。そのため、道具としての「収納場所」と「作業場」も必要になってくる。
試作品を作るときには、まず事前にこれらのものを準備する必要がある。あるいは、試作品を作りながらでも、補充したり拡充したりしていく必要がある。
さて、次 -
子どもたちに伝えたい「仕事がなくなる時代」のドラッカーのマネジメント:第30回(1,779字)
2019-12-05 06:00110pt「プロトタイプ思考」とは、試作品を安く、早く、簡単に作る――という考え方のことだ。
プロトタイプ思考を実践すれば、ボトルネックや問題点を簡単に浮き彫りにでき、時間や労力、あるいは材料を大幅に節約できる。さらには、フィードバックやユーザー目線を適切に獲得し、新しい着想を生み出すこともできる。
人間の純粋な想像力には、やはり限界がある。頭の中で考えるのと、実際のものを見たり触ったりするのとでは大きく違う。
特に「触覚」は、想像するのが難しい。だから、プロトタイプを作ってそれに触れると、そこで新たな視点や感想をさまざまに得ることができるのだ。
そうした視点や感想は「ユーザー目線」でもある。なぜかといえば、自分にとってもその試作品は初めて目にし、また初めて触れるものなので、とても新鮮な感覚が味わえるからだ。まるでユーザーのような感覚を味わえる。そうしてそこで、設計図を書いていたときとは全く違ったフ -
子どもたちに伝えたい「仕事がなくなる時代」のドラッカーのマネジメント:第29回(1,867字)
2019-11-28 06:00110pt2ドラッカーは、イノベーションを行う上で最も重要なことの一つは「小さくスタートすること」だと述べている。大がかりな計画や準備はせず、思いついたことをとりあえずパッと始めてみることがだいじというのだ。
ところで、試作品のことを「プロトタイプ」という。「試作品」とは、文字通り試しに作ってみる品ことだ。何か新しいものを作るとき、正確な図面を描く前に、とりあえず手を動かして形にしてみる。そうすると、制作が捗る。
この「プロトタイプを作る」という行為は、文字通り「小さくスタートする」という思想を体現するものに他ならない。そこでここでは、「小さくスタートする」という考え方のことを「プロトタイプ思考」と呼ぶことにする。そして、プロトタイプ思考によってどういった効果が得られるかや、それを実践するためには何が必要かということを体系的に考えてみたい。
まず、プロトタイプを作ることの効果を考えてみたい。それは大き -
子どもたちに伝えたい「仕事がなくなる時代」のドラッカーのマネジメント:第28回(1,880字)
2019-11-21 06:00110ptイノベーションを起こすためには、まず考え、次にすぐれたアイデアを生み出し、最後にそれを実行することが必要である。このうち、きわめて重要で、かつ難しいのが三番目の「実行」だ。
というのも、イノベーションに限らず人間は、考えただけで満足してしまったり、あるいは失敗するのを恐れたりして、実行しないことが多いからだ。特に、一人ではなく二人以上の組織になると、失敗したときの責任がより重く感じられるので、なおさら実行に移さないことが多くなる。
しかし実行をしなければ、人も組織もやがて衰退し、滅びてしまう。人だったら死んでしまうし、組織だったら消滅の憂き目を見る。つまり、実行するというのは「生きること」に等しい。人も組織も、実行を伴って初めて生き続けることができるのだ。
だから、実行することの重要性は何度唱えても多すぎるということはないし、またそれの難しさは、いつでも社会の健全さを保つ上で大きなボトルネ
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