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週末に見たい映画#54『ファウンダー』——これまで70年間の資本主義がいったい何だったのかを俯瞰できる映画(1,825字)
2018-05-04 06:00110pt2『ファウンダー』という映画を見た。
ファウンダーというのは「創業者」という意味なのだが、この映画はマクドナルドの創業者である「レイ・クロック」を描いている。ただしこのタイトルは、一つの皮肉にもなっている。というのも、クロックは創業者ではあるけれども、同時に創業者ではないからだ。彼は、マクドナルドを作ったのではなく、世界的な企業へと飛躍させた。そして最後には、合法的な形で乗っ取ったのである。
乗っ取ったといっても合法的なのだから、「CEO」とは堂々と名乗れるのだが、彼はなぜかファウンダーという呼び名にこだわった。そしてマクドナルドを創業したマクドナルド兄弟のことは、秘密にもしなかったが、あえて公にしなかった。そうして、マクドナルドを作ったのは自分というイメージを広めていき、そのまま亡くなった。その彼に疑問を投げかける意味で、この映画は『ファウンダー』というタイトルになっている。「創業者は一体 -
週末に見たい映画#53『シン・ゴジラ』のモデルになった『日本のいちばん長い日』(2,405字)
2016-08-26 06:00110pt『シン・ゴジラ』のモデルが『日本のいちばん長い日』ということで、この作品を見てみた。そうしたところ、想像以上に共通点があったので、とても面白く見た。
庵野秀明監督は、『シン・ゴジラ』撮影開始直前の打ち合わせで、スタッフたちを前にして「面白い日本映画を目指してやっていきたい」と語った。これは、彼の中に明確な「面白い日本映画」像があったからだろう。そしてそれは、この『日本のいちばん長い日』をイメージして言ったはずだ。それほど、この作品は「面白い」のだ。
では、『日本のいちばん長い日』はどのように「面白い日本映画」なのか?
今日は、そのことについて考えてみたい。
庵野監督は、面白い「映画」ではなく、あえて面白い「日本映画」といった。そこには、『日本のいちばん長い日』に、外国映画にはない面白さがあると考えたからだろう。だから、『シン・ゴジラ』のモデルにしたのだ。
では、『日本のいちばん長い日』にあ -
週末に見たい映画#52「男はつらいよ」(2,022字)
2015-06-19 06:00110pt先日、立川志らくさんのトークショーを見に行った。そこで、ゲストに倍賞千恵子さんが来ていて、「男はつらいよ」についての話しをしていた。
立川志らくさんは「男はつらいよ」の大ファンで、以前に「全48作がどういう内容か」というのを語り尽くすイベントも開催したほどらしい。とにかく、「男はつらいよ」といえば志らくさんというくらい、自他共に認めるフリークなのだ。
その志らくさんの話しを聞いて、ぼくも「男がつらいよ」を全作見てみたくなった。
というのも、この作品は何作かは見たことがあるものの、それはテレビで放映されていたり、飛行機の中で放映されたりしているのを斜め見しただけで、ちゃんと見たことはなかったからだ。
しかし志らくさんによれば、「男はつらいよ」というのは全48作がまるで一本の長い長い映画のようであるという。全作を続けて見ていくと、寅さんやその周囲の人が段々と年をとっていくのが分かって、自分もそ -
週末に見たい映画#51「コミック雑誌なんかいらない!」(2,076字)
2014-08-29 06:00 -
週末に見たい映画#50「グリーンマイル」(2,065字)
2014-05-16 06:00110pt -
週末に見たい映画#49「アナと雪の女王」(2,198字)
2014-05-02 06:00110pt -
週末に見たい映画#48「ハウルの動く城」(2,172字)
2014-02-28 06:00110pt -
週末に見たい映画#47「キック・アス」(2,597字)
2014-02-21 06:00110pt -
週末に見たい映画#46「「もののけ姫」はこうして生まれた。」(2,390字)
2014-02-14 06:00110pt -
週末に見たい映画#45「ロボコップ」(2,439字)
2014-02-07 06:00110pt
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