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記事 21件
  • 「差別に反対する人」に反対したい(2,170字)

    2020-05-15 06:00  
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    ぼくは、「差別に反対する人」に反対です。
    なぜかというと、差別に反対する人には「自分は差別の加害者だ」という視点が欠けているからです。
    世の中に、差別をしたことのない人はいません。わかりやすい例でいうと、学校に入ったら、誰でも友だちを選びます。自分がつき合いたい人とつき合い、つき合いたくない人とはつき合いません。
    これはきわめて当たり前のように行われていますが、差別です。自分がつき合う人を、自分の好みで選り分けているのですから。中には、こちらと仲良くしたいと思って近づいてくる相手もいるでしょうが、ほとんどの人は、それが自分がつき合いたいと思わない場合、すげなくして距離を取ります。
    もう少し分かりやすい例でいうと、全ての「差別に反対する人」は、差別する人を差別しています。例えば、「朝鮮人は嘘つきだ」と朝鮮人差別をする人がいたら、「そういう差別をするやつは人間失格だ」などと考えます。そうして、

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  • マイケル・ジョーダンはなぜ成功したか? そして落ちぶれなかったか?(2,013字)

    2020-05-14 06:00  
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    Netflixでマイケル・ジョーダンのドキュメンタリーを配信している。
    マイケル・ジョーダン: ラストダンス | Netflix
    これがとても面白い。
    ジョーダンを知らない人はいないだろうが、ジョーダンを説明するのは難しい。一言で言うと完璧な人間だ。ここまで完璧な人間というのはなかなかいないだろう。
    『ドゥ・ザ・ライト・シング』という映画がある。
    ドゥ・ザ・ライト・シング - Amazon
    この映画はとても面白いので見てほしいのだが、登場人物の一人に黒人嫌いのイタリア系アメリカ人が出てくる。彼はイタリア系らしくニューヨークの下町でピザ屋を経営している。
    彼の近所には黒人がたくさん住んでいるし、客にも黒人が多い。雇っている店員も黒人だ。それなのに黒人と喧嘩ばかりしている。そして黒人に差別的な眼差しを向けている。普段から黒人の欠点をあげつらっている。
    そんなとき、黒人のバイトと喧嘩をする。そう

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  • [Q&A]秋元さんの弟子になるにはどうすればいいですか?(3,471字)

    2020-05-13 06:00  
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    [質問]
    人は、性格と言うか持っている性質によって反応が違ったりしますが、岩崎さんは他者の性格や性質をどのように考えておられますか?
    [回答]
    人の性格や性質は、ブラックボックス的に解き明かせない部分もありますが、しかしある程度までは構造が解明されていて、何らかの道理があって発生している部分も少なくないと思います。つまり、全くのブラックボックスだとは思いません。
    例えばぼくは、今1歳の子供を育てながら観察していますが、性格や性質に「由来が分かるもの」と「由来が分からないもの」の二種類があると感じています。
    いつもニコニコしているのは嫌なことがないからだと由来が分かりますが、強情なのは由来が分かりません。臆病なのも由来が分かりませんね。何度か高いところから落ちたことがあるので、高いところは危ないと知っているのが由来の一つとは思いますが、それ以外の部分でもかなり慎重になっています。
    そういうふ

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  • 日本経済の沈没に巻き込まれない方法(1,955字)

    2020-05-12 06:00  
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    日本の一番の問題は、もう必要のなくなった会社員という仕事を、企業や政府(自民党)の努力で存続させているところである。どうやって存続させているかというと、「人件費を抑える」という形だ。だから、日本人の給料は下がり続けている。その意味では、国民全体で必要のなくなった仕事を無理やり存続させている、ということになる。
    これは、たとえるなら底に穴の開いた船に浸水してくる水を乗組員全員がバケツで掻き出しながら乗り続けている――という状況だ。船を止めることもしないし、船から下りることもしない。ただそのボロボロの船を、船員をへとへとにさせながら後生大事に乗り続けているのだ。
    だから、やがて沈没するのは目に見えている。船員が疲れてもう水を掻き出せなくなったり、もしくは船の底の穴が大きくなり全力で掻き出しても浸水が食い止められなくなったりしたら、船は沈没する。
    このとき、一部の乗組員は上手く逃げおおせるだろう

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  • 東京へ行った(2,822字)

    2020-05-11 06:00  
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    ぼくは今、福岡県に住んでいるのだが、重要至急の要件があり先週末東京へ行った。スカイマークで行ったのだが、平時には1日10本くらいある定期便が、今は1日2本にまで減っていた。また3列シートの真ん中を開けているので、座席数は2/3になっている。それでも、4日前には問題なくチケットを取れた。移動する人はそれだけ少ないのだろう。ただ、乗ったときはその2/3の座席は全て埋まっていた。
    福岡空港までの道のりも、ぼくが住んでいる糸島市の最寄り駅から電車内はずっとガラガラだった。また空港もガラガラだった。空港内の店は軒並み休業していて、コンビニだけが開いていた。
    東京に着いたら羽田空港もガラガラだった。品川行きの京急はすぐに来たがやっぱりガラガラだったし、渋谷に行ったのだが金曜日の午後なのにもかかわらずガラガラだった。金曜日の午後にこんなに人の少ない渋谷のスクランブル交差点を見るのは生まれて初めてだ。

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  • 岡村氏の弱点(2,042字)

    2020-05-08 06:00  
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    岡村氏には長所がいくつかある。まず勘が鋭いということだ。また反射神経がいい。運動神経もいい。さらに、ものごとの真贋をパッととらえるのも上手い。表面的なものの見極めに長けている。
    しかし、それは弱点と表裏一体だ。上記の長所があるため、深く考えることが苦手である。また、構造を読み解けない。論理的な思考が苦手なのだ。
    岡村氏は、石橋氏に憧れた。そこまではいい。石橋氏を本物と見抜くセンスは持っていた。
    しかしながら、「自分は石橋氏にはなれない」ということには気づけなかった。
    もちろん、表面的にはそういう素振りを見せることはなかった。自分は自分で、石橋氏とは違うというスタンスを装っていた。
    しかし、その憧れは心の奥底でくすぶったまま、いつまでも消えなかった。だから、執拗に番長のように振る舞うことにこだわった。ずっとなにがしかのオピニオンリーダーでありたいと願っていた。
    なぜ彼がそこまで石橋氏になるこ

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  • とんねるずと岡村氏の関係(2,027字)

    2020-05-07 06:00  
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    とんねるずの笑いは、一見ただ大騒ぎしているだけのように見えて、実は「テレビでどれだけひどいことをできるか」というアバンギャルドなタブーへの挑戦でもあった。
    石橋貴明氏は、他者への差別的な軽視とは別に、神を崇めるような尊敬の心も持ち合わせていた。蔑むときは蔑むが、尊敬するときの度合いもまた大きかった。
    それが、とんねるずがひどいことをする際の免罪符として機能した。トークのときなどに、時折相手への最上級の敬意を表す。それは、視聴者に「この人は本当はいい人なのだ」と思わせる効果があった。おかげで、本来テレビではできないようなタブーを犯しても、許されることができたのだ。
    そういう石橋氏のありように、岡村隆史氏は憧れた。岡村氏は石橋氏になりたかった。彼はワナビーだったのだ。
    もちろん、ワナビーが悪いわけではない。ワナビーのスタンスは、人がスターになるための道程には絶対に欠かせないものだ。
    ただし、岡

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  • [Q&A]怖いものは何ですか?(1,231字)

    2020-05-06 06:00  
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    [質問]
    まだまだ非常事態宣言が続きます。このブロマガは、オンライン授業のような側面もあり読者にとっては大変ありがたいです。
    ところで執筆者の岩崎さんがオンライン講座で学ぶとしたら、どんな分野で受講されたいですか?
    [回答]
    学びたいことはいくつかあって、一つはナノテクノロジーですね。特にナノロボットの自己複製性に興味がりあります。それからセンシング技術ですね。
    ぼくは、奇しくも安倍首相が言及していた「新しい生活様式」に興味があり、それがどこへ向かうのかを見極めたいのですが、その際にどのような技術が影響力を持ちうるのか、ということについて知りたいと思っています。上記二つの技術は、その中でも注目されているものです。
    例えば、宇宙エレベーターは可能か? 新しいエネルギーはどのようなものになるのか? インフラの小型化、ポータブル化はどこまで可能か? 超高速交通(東京、ニューヨーク間が30分)はど

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  • 岡村隆史氏の炎上について(3,069字)

    2020-05-05 06:00  
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    今日は岡村隆史氏の炎上について書いてみたい。
    岡村隆史氏は1970年の生まれだ。ぼくの2歳下である。彼も、ぼくと同じ「夕やけニャンニャン」の、そしてとんねるずのファンだった。
    「夕やけニャンニャン」は、1985年――ぼくが高校2年生のときに始まった。岡村氏が中3だ。この番組を一つの足がかりに、とんねるずはスターダムへと駆け上がっていく。その同じ光景を、岡村氏も見ていた。この視点は、岡村氏を語る上で絶対に外せないものだ。
    その頃、彼はサッカーをしていた。当時のサッカーは世界的にはメジャーだが、日本ではまだマイナー競技だった。岡村氏は、そういうメジャーとマイナーの中間にあるようなコンテンツが好きなのであろう。彼はダンスが得意なのだが(コンビ名もブレイクダンスの技名から採った)、とんねるずに惹かれたのもそれが理由かもしれない。とんねるずは、その振る舞いやあり方はメジャーなのだが、彼らの笑いはどこ

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  • 今後自殺者が増えるだろう日本においてどのような防御策を取ればいいのか?(1,710字)

    2020-05-04 06:00  
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    緊急事態宣言は、5月いっぱいまで延長されるそうだ。
    その頃には、おそらく東京での一日の感染者は一桁くらいにまで落ち込んでいるだろう。そして治療法もほぼ確立し、病院は平穏を取り戻すどころか、むしろ暇になっているだろう。
    しかしその頃には、もはやレジャーに行く気分でもなくなっているし、梅雨にも入るから人々の気持ちは重くどんより沈んでいるだろう。だから、非常事態宣言が解かれたからといって、それをきっかけに気分が晴れるというわけではない。むしろ、それをきっかけにかえって気分が落ち込み、都内を中心にたくさんの自殺者が出るだろう。
    その責任を、自粛派はどう取るつもりか?
    きっと、誰も全く取らないだろう。安倍総理も小池都知事も、しれっと流すはずだ。むしろ、人々の声に応えて自粛を要請したと、責任を国民(都民)に転嫁するだろう。
    しかし、それは正しくもある。責任は、間違いなく国民にある。国民もそれは分かって

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