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ぼくは去年の四月にイタリアのボローニャという街へ行きました。そこで毎年開かれている絵本の見本市に参加するためです。先日も台湾のブックフェアに行ってきたのですが、ブックフェアに来る主たる目的は本の買い付けを行うことです。特に絵本の買い付けを行うことです。
ぼくはボローニャで初めて絵本の買い付けを経験し、初めて発売前の外国の絵本というものを本当にたくさん見ました。そこで驚いたのは、外国にはいい絵本が多いということです。しかもビスネスとしても成立している。つまり売れている絵本が多いということでした。
そうしておよそ100冊の絵本を見た中で、一番買いたいと思ったのがこの作品です。
わたしはヴァネッサと歩く
原題は「I walk with Vanessa」。どういう内容かというと、ある日小学校にヴァネッサという女の子が転校して来ます。ヴァネッサはちょっと引っ込み思案でイジメっ子に目をつけられ、イジメられます。また友だちもできず孤立してしまいます。それを見た主人公がどうしたか?
主人公は、そこでタイトルにあるような行動を取ったのです。つまり何も言わずただヴァネッサと一緒に歩きました。朝、ヴァネッサの家に迎えに行き、一緒に登校します。学校でもずっと一緒に移動して、帰りも一緒に帰りました。
すると、予想もしていなかったことが起こります。なんと、クラスのみんなが主人公の行動を面白がって、一緒に歩き始めたのです。おかげでヴァネッサは、何十人も引き連れてゾロゾロと登下校することになりました。
ぼくは、これと一緒のシーンを前に見たことがあります。「フォレスト・ガンプ」という映画で、主人公がなんとなく全米を横断するマラソンを始めるのですが、それを面白いと感じた多くの人たちが主人公と一緒に走り始めます。人間というのは不思議なもので、誰かが印象的な行動していると、それに賛同する仲間というのが現れ、一緒に行動するようになるんですね。
そうしてヴァネッサはいつのまにかクラスにとけ込み、イジメもなくなりました。これは本当にすごい話だと思いました。問題解決の傑作だと思ったのです。問題解決の本質は、正面からぶつかるのではなく、こうした搦め手を使うことなんですね。コロンブスの卵のようなものです。
ぼくは、この話はとてもリアリティがあるなと感じました。すると、それもそのはず、実際にあった話をベースに書かれたそうなんです。ぼくは、この本をぜひとも日本の多くの子供たちにも読んでほしいと思いました。そしてもしイジメに悩んでいたら、問題解決の参考にしてほしいと思ったのです。この方法は本当に使えます。
ぼくは、この本を一人でも多くの人に届けようと、帯文を俳優の谷花音さんにお願いしました。谷さんは中学生ながら子供時代から映画やテレビでもう何年も活躍されている著名な俳優さんですが、今を生きる中学生として、イジメとこの本に描かれたその解決方法をどう見るか、ぜひともご意見を伺いたいと思ったのです。
すると谷さんは、非常に長文ではありながら、とても示唆に富んだ素晴らしい帯文を書いてくださいました。あまりに長いので「適当な部分をお使いください」とのお断りをいただいたのですが、その文は一字たりとも切るところのない完璧なものでしたので、ちょっと無理やりではあったのですがそのまま全文掲載させていただきました。その際、デザイナーさんにも非常に読みやすく、また美しくデザインしていただきました。本当にありがとうございます。
そうしていよいよ本ができあがりました。この絵本は絵や内容がまず美しいのですが、デザインや装丁もそれに負けじと美しいものに仕上がりました。ぼくは、岩崎書店からこの本を出せたことを誇りに思います。編集の河本さんや買い付け担当の秋山さんも素晴らしい仕事をしてくれました。
繰り返しになりますが、この本はぜひとも多くの方に読んでいただきたい。イジメとは何かということ、そして問題解決とは何かということの本質を、これ以上なく深くえぐっていて、大いなる気づきを読む人に与えてくれるからです。
ぼくはボローニャで初めて絵本の買い付けを経験し、初めて発売前の外国の絵本というものを本当にたくさん見ました。そこで驚いたのは、外国にはいい絵本が多いということです。しかもビスネスとしても成立している。つまり売れている絵本が多いということでした。
そうしておよそ100冊の絵本を見た中で、一番買いたいと思ったのがこの作品です。
わたしはヴァネッサと歩く
原題は「I walk with Vanessa」。どういう内容かというと、ある日小学校にヴァネッサという女の子が転校して来ます。ヴァネッサはちょっと引っ込み思案でイジメっ子に目をつけられ、イジメられます。また友だちもできず孤立してしまいます。それを見た主人公がどうしたか?
主人公は、そこでタイトルにあるような行動を取ったのです。つまり何も言わずただヴァネッサと一緒に歩きました。朝、ヴァネッサの家に迎えに行き、一緒に登校します。学校でもずっと一緒に移動して、帰りも一緒に帰りました。
すると、予想もしていなかったことが起こります。なんと、クラスのみんなが主人公の行動を面白がって、一緒に歩き始めたのです。おかげでヴァネッサは、何十人も引き連れてゾロゾロと登下校することになりました。
ぼくは、これと一緒のシーンを前に見たことがあります。「フォレスト・ガンプ」という映画で、主人公がなんとなく全米を横断するマラソンを始めるのですが、それを面白いと感じた多くの人たちが主人公と一緒に走り始めます。人間というのは不思議なもので、誰かが印象的な行動していると、それに賛同する仲間というのが現れ、一緒に行動するようになるんですね。
そうしてヴァネッサはいつのまにかクラスにとけ込み、イジメもなくなりました。これは本当にすごい話だと思いました。問題解決の傑作だと思ったのです。問題解決の本質は、正面からぶつかるのではなく、こうした搦め手を使うことなんですね。コロンブスの卵のようなものです。
ぼくは、この話はとてもリアリティがあるなと感じました。すると、それもそのはず、実際にあった話をベースに書かれたそうなんです。ぼくは、この本をぜひとも日本の多くの子供たちにも読んでほしいと思いました。そしてもしイジメに悩んでいたら、問題解決の参考にしてほしいと思ったのです。この方法は本当に使えます。
ぼくは、この本を一人でも多くの人に届けようと、帯文を俳優の谷花音さんにお願いしました。谷さんは中学生ながら子供時代から映画やテレビでもう何年も活躍されている著名な俳優さんですが、今を生きる中学生として、イジメとこの本に描かれたその解決方法をどう見るか、ぜひともご意見を伺いたいと思ったのです。
すると谷さんは、非常に長文ではありながら、とても示唆に富んだ素晴らしい帯文を書いてくださいました。あまりに長いので「適当な部分をお使いください」とのお断りをいただいたのですが、その文は一字たりとも切るところのない完璧なものでしたので、ちょっと無理やりではあったのですがそのまま全文掲載させていただきました。その際、デザイナーさんにも非常に読みやすく、また美しくデザインしていただきました。本当にありがとうございます。
そうしていよいよ本ができあがりました。この絵本は絵や内容がまず美しいのですが、デザインや装丁もそれに負けじと美しいものに仕上がりました。ぼくは、岩崎書店からこの本を出せたことを誇りに思います。編集の河本さんや買い付け担当の秋山さんも素晴らしい仕事をしてくれました。
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