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  • 本質的に生きる方法:その4(1,850字)

    2024-10-22 06:006時間前
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    なぜ釈迦をはじめとして偉大な人たちが偉大な発見を過去に何度もしているのに、それは広まらないのか?

    それは、人間を含むあらゆる生き物の生存は、「賢者」よりも「適者」の方が有利だからだ。適者生存の法則である。これが人間界でも成り立っている。
    そして人間界において、「生存適者」とは幸か不幸か「愚者」なのである。だからこの社会は愚者ばかりなのだ。

    ではなぜ愚者の方が生存に適しているのか?
    それは「文明」の存在と深い関係がある。

    人間は元々文明なしで生きていた。そのときは賢者の方が生存に適していた。そのため適者が多かった。
    しかしあるき賢者の一人が文明を発展させた。例えば石器を作った。すると、それは愚者を強力に助けた。そうして社会の生産性が上がった。人類全体の生存確率も上がった。

    その結果、愚者の側からの強烈な「文明発展圧力」が強まった。なぜなら文明が発展することで得をするのは賢者よりも愚者の方だか
  • 石原莞爾と東條英機:その58(1,885字)

    2024-10-21 06:00
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    皇道派は荒木貞夫と真崎甚三郎を旗頭としていた。荒木も、元々は一夕会の領袖を務めるなど、統制派の永田鉄山とは非常に近しい関係にあった。永田鉄山が荒木を引き立て陸軍大臣に仕立て上げたという経緯さえあった。

    ところが荒木は、陸軍大臣になってからは、腐敗した閣僚や経済人を一掃し、陸軍が中心となる国家を作ろうという考えをこじらせ、天皇の名の下、武力によるクーデターを起こし自分が首相になろうと目論むようになった。この考えに多くの若手将校が感銘を受け、皇道派が形成される。

    そうして皇道派に与しない、静かなるクーデターを志す永田や東條らとの間に亀裂が生じた。それがやがて「統制派」という派閥の形成を促す。統制派は必ずしも積極的に派閥を組んだわけではないが、皇道派に与しないものは自動的に統制派と見られるような状況が生まれたのだ。

    そして統制派の領袖はもちろん永田鉄山だった。永田鉄山と彼に近しい者たちが、荒木や
  • 野球道とは負けることと見つけたり:その1(1,451字)

    2024-10-18 06:00
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    I found that the path of baseball means losing.

    大谷翔平選手の活躍や、その前のイチロー選手や松井秀喜選手の活躍、あるいはWBCでの三度の優勝などで、世界野球における日本の地位はいやがうえにも向上した。野球は、他のメジャースポーツに比べると人気そのものは下降気味ではあるものの、それでもまだまだ十分メジャーで、アメリカを中心に世界中にファンがいる。

    そこでこの連載では、そんな世界的スポーツで特異な地位を築いてきた「日本野球」とは何なのか――ということについて考えてみたい。それを通じて、日本の文化や歴史、あるいは世界とのかかわり、そして何より野球というものについて描けたらと思う。

    これを書こうと思ったきっかけは、Netflixのドラマ『極悪女王』を見たことだ。女子プロレス――つまり女性がするプロレスというのは、1980年当時日本にしかなかった。アメ