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1994:その27(1,641字)
ぼくはバブル時代というのは1994年に強く影響していると思う。バブルはだいたい1985年に始まり1991年に終わる。約6年間の狂騒だった。そしてその終焉は、ある日突然起こったわけではない。段階的、なし崩し的にずるずると終わっていった。そのため、1994年にはまだその残像、残響、残滓というものが多数あったのだ。社会の至るところにまだまだバブル気分が居残っていた。それが最終的に排除させられるのが1995年である。つまり阪神淡路大震災とオウム真理教事件によってだ。ここが明確な潮の変わり目となったから、1994年はまだギリギリバブル時代だったといえなくもない。しかしこの頃になると経済は明らかに冷え込んでいて、特に就職戦線は異状をきたし、いわゆる氷河期世代が始まっていた。だから、その気分は高校生にももちろん伝播して、若者たちに暗い影を投げかけていた。その暗い影を振り払おうとして、少女たちは援 -
[Q&A]50歳を目前に募る焦りをどうすればいいか?(1,837字)
[質問]娘がもうすぐ大学受験で、400文字程度で書く小論文があるようです。少ない文字数ですが、ちゃんと流れを作り内容を深める必要があると思います。でもそこが難しいところでしょう。本人は、論旨の流れや内容の深まりを、娘は新聞の社説などを参考にしたいと言っています。親としては、知らないながらも新聞の社説よりもマシなものがあると思っています。ハックルさんは、400文字程度でいい見本になるような文章をご存知ないでしょうか?教えていただければ助かります。[回答]ぼくはよく歴史の本を読むのですが、そこでこぼれ話的にコラムが載っている場合が数多くあります。例えば『数学の歴史』という本を読んでも、「ガロアの決闘話」などがコラムとして書いてあります。ぼくはそういうものを読むのがとても好きだったので、そこだけ拾い読みしたりしていました。そう考えると、Wikipediaというのはとてもいいと思いま -
本質的に生きる方法:その5(1,812字)
本質的に生きる方法は、これまでの社会では賢者がしていれば良かった。なぜなら、これまでは愚者の社会だったからだ。なぜ愚者の社会だったかというと「文明」の助けがあったからだ。文明は愚者を助け、賢者をそれほど必要としなかった。それでおよそ5000年前から、どんどんと愚者が増えていったのだ。文字が発明された5000年前、エジプトでは愚者が増えることが社会問題化されていた。文字の発達によって、ものを覚えることができない愚者が増えたからだ。その現状を見て、ときの王様は「文字というのは悪魔の発明ではないか」と恐れおののいた。その後キリスト教が生まれるが、これも基本的には愚者の広がりに対する懸念をベースとしている。「この世界は悪くなり続けている」というのが、キリスト教の基本的な世界観である。つまり、愚者が増え続けているという考えだ。それをなんとか押しとどめるために、キリスト教は存在した。そんなふうに
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