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記事 21件
  • ジャパンイマジネーションの炎上が今の若者をさらに苦しめることになる理由(1,604字)

    2017-12-15 06:00  
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    セシルマクビーなどのファッションブランドを展開するジャパンイマジネーションが、ベトナム人技能実習生から不当に搾取していたかどで問題になっている。これはテレビ東京のスクープだ。
    ジャパンイマジネーションは、「下請け会社がしたこと」として責任を否定しているが、それでかえって炎上した。もうそういう言い逃れはできなくなっているからだ。
    そもそも、元請けには下請が合法であるかどうかをチェックする責任がある。何より、彼らは下請けが不当に搾取することを見越して買い叩いていたことは間違いない。なぜなら、取引価格はほとんど元請けが決定権を握っているからだ。そう考えると、むしろジャパンイマジネーションの圧力がそうした搾取を生み出したということもできる。
    これに対して、ネットではジャパンイマジネーションに対して憤っている人が多い。ただ、そこのところが問題である。
    というのも、この手の搾取というのは、実はもう50

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  • きみは勉強ができないんじゃない、勉強の仕方を知らないだけなんだ」第40回(1,849字)

    2017-12-14 06:00  
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    何の話においてもそうだが、何が重要かと議論する中で、最後に行き着くのは「バランス」である。バランスを取ることが、何よりも重要となる。例えば、運動と休息――身体にとってどちらがいいのかという議論においては、どちらかが優位となる結論が出ることはついになく、結局は「バランスを見極める」という結論に辿り着くのだ。
    勉強もまた然りで、一生懸命励むことは欠かせないにしても、し過ぎることもまた良くない。「過ぎたるは及ばざるがごとし」で、バランスを欠いた勉強はさまざまな弊害を生む。そのため、最終的にはバランスを見極めながら――ということになるのだ。
    では、そのバランスはどうやって見極めたらいいのか?
    これにもいろいろな方法があるが、結論からいうと、すでに存在する優れたバランスのものを見て参考にする――ということだ。具体的にいうと、「自然を参考にする」ということである。
    自然というのは、実によくできている。

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  • [Q&A]今年読んだ本でオススメは?(1,237字)

    2017-12-13 06:00  
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    [質問]
    今年読んだ本の中でこれは良かったという本を紹介してもらえませんか?
    可能なら、数冊お願いします。
    年末年始にじっくり読みたいと思ってます。
    [回答]
    今年読んで良かった本は、まずはなんといっても『サピエンス全史』ですね。
    ぼくはこれを岩崎書店の編集部のみなさんにも読んでいただいて、教科書にもしています。
    この『サピエンス全史』を知るのと知らないのとでは、これからの生き方が違ってくるでしょう。
    サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福
    サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福
    それから、『日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”』も良かったです。ぼくはこの本を参考に、これから経営をしていくつもりです。日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”
    ちょっと前の本ですが、押井守監督の『仕事に必要なことはすべて映画で学べる』も面白かったです。これは映画論と同時に仕事論ともいえ、自

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  • お金の話:第22回「正しさこそが最も重要である」(1,665字)

    2017-12-12 06:00  
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    ここまで「お金の話」をずっとしてきたが、それは詰まるところ「生きるセンスの話」だといえる。生きるセンスがあれば、お金とのつき合い方は上手くなるし、生きるセンスがないと、お金とのつき合い方も下手になる。
    たとえ真面目で優秀な人でも、お金で成功する人と失敗する人とに分かれる。昔、よく借金の保証人になって人生を台無しにする人がいたが、それは彼らがお人好しとか無知だったりしたわけではない。それらはほとんどお金とのつき合い方が下手なことに起因している。結局のところ生きるセンスがないのだ。
    では、「生きるセンス」とは何か?
    それは、「価値を正しく判断できる」ということだ。いいものはいいと思え、悪いものは悪いと思えること――である。
    例えば、たとえ親友でも借金を踏み倒すような人間はやっぱり「いい人」とはいえない。だから、それを見抜けるかどうかがだいじなのだが、そこで判断力が働くかどうかが「生きるセンス」

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  • 曄田(ようだ)さんは人生を賭けた小説を書いた(2,212字)

    2017-12-11 06:00  
    ぼくには「小説は誰にでも書ける」という仮説がある。
    なぜかというと、小説の格言に「誰でも一生に一度は小説を書ける。それはその人の人生を書くことだ」というのがあって、これが実感として腑に落ちるところがあるからだ。
    ぼくは30歳のとき、『エースの系譜』という処女小説を書いた。これが、後になって振り返るとまさに自分の人生を描いたものとなっていて、それで「自分の人生を描けば小説になる」というのを実感したのだ。

    エースの系譜 – Amazon
    そうしてみると、ぼくが好きな『ドン・キホーテ』や『ハックルベリー・フィンの冒険』『老人と海』『百年の孤独』といった世界的な小説も、作家自身の人生を描いたものとなっている。『風と共に去りぬ』もそうだ。そういう事例をいくつも見るに連れ、「小説とは人生を書くことに他ならない」という思いを強くしてきた。
    ただ、この理論に従うと「人は一生のうちに一作しか小説を書けない

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  • なぜ人は嘘や詐欺を信じてしまうのか?(2,423字)

    2017-12-08 06:00  
    インターネットの時代になって、「デマ」というものが再び活発になった。デマというと、ぼくが子供の頃(1970年代)は、「過去の出来事」と思われていた。大正時代、関東大震災で広まったデマが最も有名だが、それはあくまでも過去の出来事であり、科学やコミュニケーション手段が発達した現代では、もう二度と起こらないだろうと軽く見られているところがあった。ところが、21世紀になってTwitterが登場し、誰もが気軽にインターネットにアクセスできるようになると、デマが鮮やかに復活したのである。それに伴って、嘘つきや詐欺師といった「騙す人たち」も元気になった。現代のデマで思い出されるのは、熊本地震のときにツイートされた、「動物園からライオンが逃げ出した」という言説だ。これは瞬く間に拡散され、多くの人が信じてしまった。現場では、少なからずパニックも起きたという。しかし、ライオンは実際には逃げ出しておらず、これは

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  • きみは勉強ができないんじゃない、勉強の仕方を知らないだけなんだ」第39回(1,700字)

    2017-12-07 06:00  
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    この世は短期的な利益と長期的な利益が相反する。そして長期的な利益を得るためには、短期的にはむしろ不利益を被る必要がある。具体的にいうと、苦しみを得る必要がある。痛みを感じる必要がある。利益は、その先にしかない。ただしこのとき、苦しみや痛みが強すぎても駄目だ。人間は、ストレスが強すぎると身体を壊したり、ひどいときには死に至ったりもする。そうなったら元も子もないから、苦しみや痛みは適度なものとする必要がある。あまり強すぎないバランスが必要だ。では、それはどのようなバランスが最適なのか? また、それをどのように見極めていけばいいのか?この世の真理の一つに、「価値が反対のものは、得てして隣り合っている」というものがある。例えば、野球のバッティングにおいて、苦手なコースというのは、得てして得意なコースの隣であることが多い。なぜかというと、得意のコースの隣だと、どうしても得意なコースの方にバットが寄っ

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  • [Q&A]ライバルをどう作ればいいのか?(1,187字)

    2017-12-06 06:00  
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    [質問]1月に1週間程、東南アジア諸国のどこかに旅に行こうと思ってます。オススメの旅先はありますか?[回答]それはやっぱりバンコクでしょうね。ぼくは東南アジアはそれほど詳しくないですがバンコクは無条件に面白いです。[質問]今月、10日程パリに旅行に行く予定ですが、フランスでパリ以外にここは行って損はないというエリアなどはありますか?[回答]それはやっぱりマルセイユでしょうね。ぼくは都市が好きなのでどうしても都市に興味が向かいます。マルセイユはフランスで最も古い町の一つなので、「なぜここに都市が発展したのか」などと考えながら街を歩くと趣深いです。[質問]「M-1グランプリ2017」ですが、とろサーモンの優勝で幕を下ろしました。視聴率もよかったようです。普段はお笑い番組を見ないのですが、これは大変面白かったのです。ハックルさんはM-1グランプリのことをどんな風に思っていますか?[回答]それはや

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  • お金の話:第21回「表層と本質を見極める方法」(1,962字)

    2017-12-05 06:00  
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    この世の摂理の一つが、短期的な利益と長期的な利益とが相反する、ということだ。
    そして、短期的な利益は「表層」的なことが多く、長期的な利益は「本質
    」的なことが多い。
    そのため、この表層と本質とを見極めることができれば、長期的な利益を選択でき、結果として大きな利益を獲得できる。短期的な利益に振り回されずに、大きな利益を得ることができるのだ。
    「慌てる乞食は貰いが少ない」という諺があるが、これなどはまさに短期的な利益と長期的な利益が相反するということを表している。乞食が慌ててお金を得ようとすると、大きなお金を逃すという話だ。
    そういえば、最近アメリカのホームレスが、ガス欠で困っている女性になけなしの20ドルでガソリンを買って与えたところ、感動したその女性がネットでこのホームレスに寄付を募った。そうしたところ30万ドルものお金が集まって、このホームレスはいきなりお金持ちになったそうである。
    これ

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  • 今必要なのは「未来感」(1,725字)

    2017-12-04 06:00  
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    ニコニコ動画で大量に会員が退会して問題になっているという。きっかけはドワンゴがニコニコ動画のバージョンアップを発表したのだが、それがユーザーが望む改善とかけ離れていたため、絶望しての大量大会につながった。そのためドワンゴは慌てて川上量生会長名義でバージョンアップのさらなる改善を発表した。ユーザーが望む方向に変えるべく、まずは画質を上げるという。けれどユーザーが本当に望んでいるのは回線が軽くなることで、それには結局手をつけられなかった。なぜかというと回線が軽くなるためには大量のサーバーが必要で、それにはお金がかかるからだ。ドワンゴの川上会長には一つの経営的なこだわりがある。それは「Googleとは正面から勝負しない」ということだ。むしろGoogleがやらないことをやって、ニッチに生き抜いていく。これまでそのやり方で成功し、生き抜いてきた。だから、いつしかそれがこだわりになっていた。今、Web

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