• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 23件
  • なぜ勉強するのか?:その21(1,889字)

    2018-05-17 06:00  
    110pt
    美的感覚を取り戻すためには、身体を危険にさらし、それまでの人生でこびりついた心の鎧を取り払う必要があります。
    では、身体を危険にさらすにはどのようにすればいいのか?
    それには大きく三つ、最適な方法があります。
    第一は、高所に行くこと。
    第二は、水中に潜ること。
    第三は、空腹になること。
    人は、これらの状態に置かれると、自動的に身体の危険を感じます。それによって、これまでの人生の中でこびりついてきた心の鎧がはがれ、神経が研ぎ澄まされて、本来の美的感覚を取り戻すことができるのです。
    では、なぜ上記の三つが身体を危険にさらすのに最適なのか?
    それは、これらの危険が常に人間の「そば」にあるからです。
    例えば高所というのは、身の回りの至るところにあります。建物の上に登るのもそうですが、ちょっとした坂もそうですし、木に登るという方法もあります。
    水や空腹もそうで、その気になれば、それらの危険には容易に

    記事を読む»

  • [Q&A]ホテルに泊まるとき何を優先しますか?(1,245字)

    2018-05-16 06:00  
    110pt
    [質問]
    ハックルさんはホテルに泊まるとき、何を優先して予約しますか?
    [回答]
    やはり値段ですね。続いてロケーション、つまり場所。最低その二つでしょうか。あと、ホテルは安いビジネスホテルの方が好きだったりします。それと、慣れているので旅館よりホテルの方が好きですね。
    [質問]
    人生の途中でこじれた人間関係というのは、ほとんど修復されないものだと思います。そういう必要もないことがほとんどです。
    そう理解しています。ところが他人のことになると、いい大人なんだから和解してもいいのになあ、と勝手に思ってしまいます。その方が人間的に大きく感じるからです。
    岩崎さんは、こじれてしまった人間関係についてどのようにお考えですか?
    [回答]
    こじれてしまった人間関係は、修復しない方がいいと思います。また他人の人間関係を見て、仲良くすればいいのにと思うこともないではないですが、本質的には和解する必要はないと

    記事を読む»

  • これからどう生きたらいいのか?:第21回(1,817字)

    2018-05-15 06:00  
    110pt
    想像力とは、ジグソーパズルを解くようなものかもしれない。まっさらな白のキャンバスに自由に絵を描くというよりも、さまざまなピースを前後左右との関係を考慮しながらはめていくという行為だ。それこそが想像力の本質である。別の言い方をすれば「ミッシングリンクを埋める」という行為こそが想像力だ。
    そして歴史というのは、そんなミッシングリンクの宝庫なのである。歴史を学ぶことは、ジグソーパズルを解くような行為ともいえるが、それ以上にクロスワードパズルを解く行為に近いかもしれない。なぜなら歴史というのは、ところどころ埋まってはいるものの、基本的には虫食いだらけだからだ。
    それゆえ人は、歴史に接するとその虫食い部分を埋めたくなる。そしてすぐれた歴史家というのは、その穴を埋めることの名人だといえよう。
    それゆえ、すぐれた歴史家が書いた歴史書を読むと、想像力が鍛えられる。なぜなら、すぐれた歴史家がそのすぐれた想像

    記事を読む»

  • やりたいことをどう見つけるか?(2,151字)

    2018-05-14 06:00  
    110pt
    3
    最近は「どうしたら夢を実現できるか?」という問い立て以上に、「自分は一体何をしたいのか?」という問い立ての答えの方を知りたいという人が増えている。ぼくの周りにも「自分が一体何をしたいのか?」ということについてなかなか答えが出ずもどかしい思いを抱えている人がいるし、あるいはぼく自身も「これからどう生きていくのが自分にとっていいのか?」ということの答えがなかなか見つからない。そこで今日は、そういうものの見つけ方について考えてみたい。
    その前に、そもそもぼくにはかつて「小説家」というやりたいことがあるにはあったが、それをしようとすると人生が上手くいかないということがずっと続いていた。そのため2004年くらいから「自分がしたいことはせず誰かがぼくに依頼したことだけをする」ということを生き方の一つのスタイルとして定めた。それ以来、自分の願望は差し挟まず、依頼されたミッションだけを全力でこなす――とい

    記事を読む»

  • 『ウエストワールド』というドラマを見た(2,019字)

    2018-05-11 06:00  
    110pt
    『ウエストワールド』というドラマを見た。アメリカのHBOが作った作品で、プロデューサーはJ・J・エイブラムスだ。日本ではAmazonプライムで今ならシーズン1を無料で見ることができる。
    内容を簡単に紹介すると、近未来のアメリカ。その世界ではロボット(アンドロイド)が進化しており、今や人間そっくりになっている。その人間そっくりのロボットたちを集めてできた、あるテーマパークが舞台だ。
    そのテーマパークの名前が「ウエストワールド」である。意味は、文字通り「ウエスト(ウエスタン)の世界」だ。
    「ウエスト」とは、開拓時代のアメリカ西部のことである。開拓時代のアメリカ西部の世界観の中で、さまざまなロボットたちが当時の格好に扮して暮らしている。
    客は、そのウエストワールドに遊びに来る。そこに来られるのは、お金を持ったVIPだけだ。なぜなら、入場料がとても高いからである。
    その代わり、そのウエストワールド

    記事を読む»

  • なぜ勉強するのか?:その20(1,774字)

    2018-05-10 06:00  
    110pt
    美を学ぶ方法の第一は、自然から美しさの本質をくみ取る、ということでした。では、続く第二の方法は何か?それは、「危険に身を置く」ということです。どういうことかというと、そもそも美的感覚は自然に根ざしたものなので、自然の一部である我々人間もまた、本質的には美しいもの、ということです。あるいは、美しいものを美しいと感じる美的感覚は、どんな人間も先天的に持っています。ではなぜ、「美的感覚のあるなし」の差が生まれるか? それは、成長の過程でその能力が鈍ってしまうからです。そのピントが曇ってしまう。おかげで、その曇り具合の量によって、美的感覚にあるなしの差が生じるのです。いわゆる「美的感覚がない人」というのは、生まれて以降の来し方によってピントが曇ってしまった状態にある人――ということができるでしょう。ですので、美を学ぶには、その本来持っていたはずの感覚を取り戻す――という考え方が適切です。そこにこび

    記事を読む»

  • [Q&A]山口達也さんの契約解除についてどう思うか?(1,915字)

    2018-05-09 06:00  
    110pt
    [質問]
    ハックルさんにとって興味深いライバル物語は誰と誰の関係ですか?
    [回答]
    難しい問題ですね。将棋の羽生さん、佐藤九段、森内九段らのライバル関係は、『もしイノ』にも書いたくらい、面白いと思っています。それから、王・長嶋のライバル関係も面白いですね。
    ですが、ぼくの好きなスポーツ選手は基本的にライバルがいないかもしれません。イチローや松井秀喜選手は飛び抜けた存在で、二人は同じ時代の人ですが、ライバルという感じではありませんでした。上原浩治選手も一時期は川上憲伸選手とライバルと言われていましたが、後半はずいぶん違ったものになっています。
    英雄並び立たずといいますか、歴史上だったらスキピオとハンニバルとか、ナポレオンとネルソン提督とか、そういうのがやっぱり面白いですね。日本でも、信長、秀吉、家康と続く時代は、まあ誰が見ても面白いのではないでしょうか。
    [質問]
    ジャニーズ、山口達也事件の

    記事を読む»

  • これからどう生きたらいいのか?:第20回(1,684字)

    2018-05-08 06:00  
    110pt
    想像力を鍛える上で、風景画は視覚的、あるいは空間的な想像力を鍛えてくれる。
    では、「空間的な想像力」とは何か?
    そもそも、人間にとって「視覚」というのは最も鋭敏な感覚だ。一説には、脳で処理する情報の八割が視覚ともいわれるが、それゆえに、見えないことが弱点になる場合も多々ある。いわゆる「死角」が生まれることによって、危機に対処できない可能性が高まるのだ。視覚に頼る比重があまりにも大きいために、逆にそれが弱点になる。人が暗闇に弱いのものそのためだ。
    「空間的な想像力」というのは、そういう人間の「視覚依存」を補うものだ。空間をとらえるには、視覚の他に聴覚や嗅覚や触覚も総動員しなければならない。なぜなら、人間の視野には限界があり、それだけでは空間をとらえきれないからだ。五感を総動員して脳内に空間を再構成することにより、はじめてそれをとらえられる。例えば、後ろから近づいてきた人の足音や空気の揺らぎを

    記事を読む»

  • 30年後の世界から今を見ると?(1,978字)

    2018-05-07 06:00  
    110pt
    ときどき、次のように考えてみることがある。
    「30年後の世界から今の自分を見ると、どのような評価になるのか?」
    なぜかというと、自分を客観的に評価するためだ。30年後の世界からなら、きっといろいろ冷静に見られるし、善し悪しも判断しやすい。きっと、自分を正しく見られる。
    ぼくは、人生の目標の一つに「悔いのない人生を送りたい」というのがある。そのため、そのときどの選択も、間違えたくないという思いが強い。間違えた選択をして、後に後悔をしたくないからだ。
    それゆえ、自分の選択が正しいか誤っているか、いつも考える。その考えるときに、「30年後の世界から今の自分を見ると、どのような評価になるのか?」という視点を用いると、より正しく判断できるのではないかと思っている。
    ところで、30年前の自分を評価するというのは、実際にどのような具合になるのか?
    ぼくは、今年で50歳になる。そのため、30年前というのは

    記事を読む»

  • 週末に見たい映画#54『ファウンダー』——これまで70年間の資本主義がいったい何だったのかを俯瞰できる映画(1,825字)

    2018-05-04 06:00  
    110pt
    2
    『ファウンダー』という映画を見た。
    ファウンダーというのは「創業者」という意味なのだが、この映画はマクドナルドの創業者である「レイ・クロック」を描いている。ただしこのタイトルは、一つの皮肉にもなっている。というのも、クロックは創業者ではあるけれども、同時に創業者ではないからだ。彼は、マクドナルドを作ったのではなく、世界的な企業へと飛躍させた。そして最後には、合法的な形で乗っ取ったのである。
    乗っ取ったといっても合法的なのだから、「CEO」とは堂々と名乗れるのだが、彼はなぜかファウンダーという呼び名にこだわった。そしてマクドナルドを創業したマクドナルド兄弟のことは、秘密にもしなかったが、あえて公にしなかった。そうして、マクドナルドを作ったのは自分というイメージを広めていき、そのまま亡くなった。その彼に疑問を投げかける意味で、この映画は『ファウンダー』というタイトルになっている。「創業者は一体

    記事を読む»