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記事 22件
  • マンガの80年代から90年代までを概観する:その22(1,622字)

    2021-09-16 06:00  
    110pt
    最近は、マンガのことばかりを考えている。
    マンガとは何か?
    なぜ、マンガという表現形態が日本で成立し、社会の中で大きな地位を占めるようになったのか?
    おそらくは、日本文化独特の、子供が強いられる「窮屈さ」に原因があった。
    日本は、国土が狭い割に食料と水が豊富で、暮らしやすい。
    おかげで、人口が増えやすい。だから、いつでも子供が多かった。
    そのため、子供は「狭いところで暮らす」ということが当たり前になった。つまり、いつでも窮屈だった。そうして、「狭いところで上手に暮らす文化」が育まれた。これによって、狭いところで暮らすことはますます当たり前になり、それを解決するソリューションはいつでも求められるような土壌が醸成された。
    戦前・戦中は、この物理的な窮屈さに国全体の「謹慎状態」が加わって、さらに息苦しくなった。「謹」と「慎」は、両方とも「つつしむ」と読む。つまり、ものごとをおろそかにせず、丁寧に

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  • [Q&A]潰れそうな飲食店を救うにはどうすればいいか?(2,499字)

    2021-09-15 06:00  
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    [質問]
    いつも有益なメルマガありがとうございます。
    新宿御苑前駅の近くのカフェでベローチェというカフェがあります。チェーン店にしてはレトロな照明や椅子の内装で好きでした。リピーターも多いようで通っていました。店員も丁寧な接客をしていました。
    しかし9月21日で閉店するとのことです。コロナで集客が低下していたようです。このようなお店のファンが、なんとかお店を存続させるにはどのような方法があるのでしょうか。
    コロナで飲食業は閉店がバタバタと継続していきます。店員のみならずファンも存続を希望する店舗もありますので、ご教示願います。
    [回答]
    この答えは、結論から申し上げると「ない」としか言いようがないですね。ぼく自身も、これまでお気に入りの店が潰れるという経験を何度もしてきましたが、コロナでそれが加速しています。防ぐ方法が分かっていれば実践したいところなのですが、はっきり言って手の打ちようがな

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  • 生きるとは何か?:その1(1,656字)

    2021-09-14 06:00  
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    生きるとは何か?
    その答えはいくつもあるだろうが、まず筆頭に挙げたいのは、「当たり前ではない」ということだ。きわめて「希(まれ)」である。一種の奇跡と言っていい。
    しかしながら、それは確率論的に奇跡という訳ではない。人間にとって、生きるということは必ずしも選択的なものではない。ある種の運命的なもので、避けられない。我々は、既に気づいたときには生きている。だから、それは誰にとっても所与のものであり、前提となっている。
    それゆえ、生きるとは「当たり前」でもある。我々は、気づいたときには生きているが、そもそも生きていないと気づけないので、生きているのは当たり前と思う傾向が強い。
    それでも、生きている人にとっては誰にとっても未来の話ではあるが、死ぬという運命が待っている。そうなる可能性が、避けようがなく高い。
    そういう中で考えると、「生きるとは当たり前ではない」という価値観には、比較的容易に到達す

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  • 好きなことを見つける方法:その16(1,837字)

    2021-09-13 06:00  
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    そもそも、なぜ「好きなこと」を見つける必要があるのか?
    それは、これからの社会は競争が激化するので、「自分の好きなことで勝負する」というアドバンテージがないと、なかなか勝てないからだ。「苦手な分野で勝負しても勝てる」という牧歌的な時代は終わった。平成までは、単に競争が得意なだけで生きていけたけれども、令和以降は、競争に秀でているのに加え、得意な「分野」で勝負するという優位性も必要不可欠になった。
    それに、好きなことで生きていけたら、本人にとってもこの上ない幸せだろう。だから、これは一石二鳥で、目指さない手はないのである。
    しかしながら、世の中には幼い頃に抑圧を受け、「好きなことが見つけられない」という人も多い。そういう人は、大人になってから放浪(旅)をして好きなことを見つけようとしているけれど、えてしてなかなか見つからなかったりする。
    ぼくは、好きなことを見つけようとするのなら、旅をするよ

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  • それでも仕事ができる理由(1,831字)

    2021-09-10 06:00  
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    ぼくは今53歳だが、まだ小さい子供がいる。その子供を見て思うのは、人生において最も重要なのは「積み重ね」ではないか――ということだ。積み重ねは力になる。実際、大きな仕事を成し遂げる人は積み重ねる力が卓越していると思う。
    ぼくがモデルにするのは、ジョブズやイーロン・マスクやイチローの生き方だ。彼らは毎年毎年新しい何かにチェレンジしているのだが、そこで必ず過去に積み上げてきたものを活かしている。全く新しいことを始めるのではなく、これまで積み上げてきた土台を使いながら、上手に新しいことにチェレンジしている。
    この積み重ねというのは人生においては極めて有利に働くので、使わない手はないと思う。
    いわゆる「キャリアパス」という言葉があるが、多くの人はこの言葉の本質的な意味を理解していないのではないだろうか。名のある肩書きを積み重ねてより有利な会社に就職することをキャリアパスと捉える人がいるが、そうでは

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  • マンガの80年代から90年代までを概観する:その21(1,734字)

    2021-09-09 06:00  
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    今回は、『ドカベン』がなぜ柔道マンガからスタートしたか――を書くつもりだったが、少し趣向を変えて、ぼくが今マンガについて思っていることを散文的に書いてみたい。
    まず、そもそも「マンガはなぜこれほど日本で流行したのか?」という疑問がある。マンガは日本で生まれ、発展した。そこから世界中に広まって、今では一定の人気を得ている。
    そのマンガの魅力の源泉はどこにあるのか?
    最も根源的なマンガの本質とは何か?
    それは、「ふざける」ということにあると思う。マンガは、ふざけることを目指す。それが、ふざけられない日本の子どもの心に刺さったからだ。
    マンガは、面白いことに、不良は読まない。真面目な子ほど読む。不良がマンガを読むようになったのは、ずいぶん後のことだ。
    それは、マンガがふざけることを目的としていたからだ。だから、ふざけることのできなかった真面目な子供たちほど、マンガを読んだ。ふざけられた子供たちは

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  • [Q&A]天職を見つける方法はありますか?(1,198字)

    2021-09-08 06:00  
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    [質問]
    9割の人が仕事をいやいややっていると思います。
    天職につける人はわずかということだと思います。
    天職を見付ける方法をご教示願います。
    [回答]
    まず、現代において「天職」という考え方はもう成立しないと思います。ぼくの周りで仕事を喜んでしている人は、ほぼ100%「職種」がよく分からない働き方になっています。
    ぼく自身もそうです。ぼくも、最早自分の仕事が何なのかはもちろん、自分が何が好きで、何が向いているのかすら分かりません。そのため、悩みはたくさんありますが、しかしいやいや生きているというわけでもない。
    ただ、もし「仕事を9割の人がいやいややっている」のだとしたら、その9割の人はほぼ間違いなく会社員ではないでしょうか。正規にしろ非正規にしろ、あるいはアルバイトにしろ、会社で働いている。つまり「事業主ではない」ということです。
    そう考えると、現代においては「事業主になる」というのが、

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  • 情報リテラシーはどうやったら身につくのか?:その45(1,576字)

    2021-09-07 06:00  
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    あらゆる情報の中で、最も重要なのが「生きるとは何か?」ということについての情報ではないだろうか。
    というのも、そもそも人間は「生きている」ことがほとんど全ての基本だからだ。生きているからこそ、さまざまなことができる。その逆に、死んでしまっては何もできない。
    我々が情報を必要とするのも、生きているからこそだ。死んでしまっては、情報も無価値だろう。
    つまり、情報を摂取したり、情報リテラシーを身につけたりすることにおいても、まずは生きていることが前提となる。だから、「生きるとは何か?」ということについての情報を最低限知っておかなければ、情報リテラシーを身につけても意味がないのだ。そこが間違っていると、全てを間違えてしまうのである。
    そこで、次回からは「生きるとは何か?」ということについて書いていきたい。これは長くなるので、この連載はここで一旦終了することとする。
    終了する前に、いくつか整理してお

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  • 好きなことを見つける方法:その15(1,720字)

    2021-09-06 06:00  
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    道路とは何か?
    多くの人が、「道路とは何か?」ということを、あらためて考えたことがないのではないだろうか。
    ぼくもそうだった。
    ぼくも昔は、道路は「初めからそこにあるもの」としかとらえず、深く意識をすることがなかった。新しい道路ができても、「あ、工事しているな」「少し便利になったな」と思うくらいで、特段の意識を振り向けることはなかった。
    ぼくが生まれたのは1968年で、1950年代のいわゆる「国土改造計画」によって日本中に道路が整備された後に生まれた。そのため、土の道がアスファルトに舗装されて感動した……という経験がない。物心ついたときには、すでに家の前の道はアスファルトだった。そこらでしょっちゅう道路工事をしている――ということもなかった。だから、ぼくにとって道路は当たり前のようにある社会インフラの一つに過ぎなかった。
    しかしながら、道路というのは実は巨大なインパクトを持つ社会的ソリュー

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  • コロナ禍の苦しみ方(1,921字)

    2021-09-03 06:00  
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    ぼくは、コロナに限らず何か問題があってもすぐには対処しないようにしている。対処せず、しばらく見極める。
    そもそも、ぼくは備えというのをだいじにしている。第一に、問題が起きないことを目指している。第二に、問題が起きたとしても、すぐに解決できるよう、いろいろ準備しておく。
    しかし、それでももちろん問題は起きる。そして、準備では防ぎきれなかった問題に発展する。
    そうしたときには、自分の準備が悪かったと思うのではなく、むしろその問題の方がすごかったのだととらえる。問題へのリスペクトを抱く。そうして、すぐにそれを解決しようとするのではなく、しばらく様子を見るのだ。
    ぼくの人生において、最大のトラブルは29歳のときに妻が子供を連れて出て行ったことだ。このときは、すぐに対処しようとしたが、しかし為す術がなく、結局対処しようがなかった。それでぼくは、その問題を受け入れるしかなかった。ただ為すがままされたの

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