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記事 23件
  • これからどう生きたらいいのか?:第26回(1,815字)

    2018-06-19 06:00  
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    続いて、結婚したくない理由の三番目を見てみると、「理想が高い」となっている。
    この理由は、きわめて論理的だといえよう。現代は情報社会だ。インターネットを中心に情報が溢れている。それを浴びていると、理想が高くなるのはきわめて自然なことだろう。
    自分の友人や、あるいは無関係の人でも、どういう結婚をしているかという情報は入ってくる。そしてそれは、たいがい他者に伝えるため理想的に脚色されている。だから、自然と羨ましくなる。そして自然と、それと自分を比べるようになる。そうなると、理想は高くならざるを得ず、なかなか結婚に踏み出せなくなるということがあるだろう。
    次に、四番目の「興味がない」。これもこれで、率直な意見だ。むしろ、結婚しない理由の上位の中で、最も本質的な答えかもしれない。
    今は、そもそも結婚をしたくない人が多い。そして実は、その理由を多くの人が分かっていないのだ。結婚したくない理由の上位五

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  • 現代ビジネスモデル考(2,061字)

    2018-06-18 06:00  
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    ライザップというのはなかなか面白い企業である。最初はダイエットからスタートしたが、今はゴルフや英語教室にも手を伸ばしている。それはライザップという企業が、自分たちの長所は「結果にコミットする」であるということをしっかりと自覚しているからだ。自分たちの事業は何か、という質問にしっかりと答えられている。
    ダイエットもゴルフも英語も、別にお金をかけなくてもできる。また、したいと思っている人は多い。
    しかしながら、それをしない人――いやできない人は多い。なぜなら、面倒くさいからだ。なんでも、ダイエット・ゴルフ・英語は「三大三日坊主」といわれているらしい。多くの人が、したいと思っていてもなかなかできないのである。
    「したいと思っていてもできないことをできるようにする」のがライザップのビジネスだ。だから、別にダイエットでなくてもかまわないのである。
    これは、実に現代的なビジネスであり、ライザップがこの

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  • これからの働き方の本質は絵の描き方にある(1,876字)

    2018-06-15 06:00  
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    今、『アニメプロデューサーになろう! アニメ「製作(ビジネス)」の仕組み』という本を読んでいる。まだ途中だが、とても面白い。この本は、単にアニメ業界にとどまらず。これからの社会を生きていく上での参考書となるだろう。
    アニメプロデューサーになろう! アニメ「製作(ビジネス)」の仕組み - Amazon
    どう参考になるかというと、この本の著者が福原慶匡さんという『けものフレンズ』などのアニメを手がけたプロデューサーなのだが、彼の知識や考え方、仕事への姿勢が、これからの社会に必要だし、また武器として強いと思わされるからだ。
    これからの仕事で必要なのは、「絵を描ける」という能力である。
    「絵を描く」というのは、「これとこれを組み合わせればビジネスになるな」ということを考えられる力のことだ。いわゆる「ビジネススキーム」を「絵」という。ビジネススキームを構築できることを「絵を描ける」というのだ。
    絵を

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  • なぜ勉強するのか?:その25(1,587字)

    2018-06-14 06:00  
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    人間の脳は、そもそも曖昧さに対応するよう作られています。そのため、厳密なものごとを処理するのは苦手なのですが、しかしそれは、逆に利点が多いことでもあるのです。例えば、曖昧な脳は人の顔を判別するときに役立ちます。そもそも、人間の顔というのは毎日少しずつ違っています。髪が伸びたり、体重の増減があったりするからです。そのため、もし人間の脳が厳密だったら、同じ人でも昨日と顔が少し違っているので、「違う人」と認識してしまう危険性があります。その意味で、厳密さは融通が利かないところがあるのです。しかし人間の脳は、ものごとを厳密に判断しません。それよりも、曖昧さを重視しています。ですから、昨日と多少違っていても、「似ている」という曖昧さを感知できるため、同じ人だと判断することができるのです。人間の脳は、そもそもキャパシティに限界があります。そのため、顔を正確には覚えられません。その人の顔にほくろがいくつ

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  • [Q&A]なぜ推理できるのか?(2,608字)

    2018-06-13 06:00  
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    [質問]
    私は学校で教員をしています。年配の先生でクラスでの生徒指導が甘めの方がいます。「生徒を信じましょう」と言うのですが、それは見守る姿勢というより放置に近いです。
    生徒の実情をあまり見ていないまま理想的なことを言う、まあ机上の空論なわけです。そして生徒がトラブルを起こしても対処することができません。尻拭いは別の先生がします。
    しかし、その先生に対して「生徒のことを信用できない先生だ」とおっしゃいます。愚痴になってしまいました。色々な人がいていいのですが、こういう先生がもう少し生徒指導をしっかりするということは、ないのでしょうか?
    [回答]
    難しい問題ですが、ぼくも基本的には放置の方がいいと思います。ぼくの人生でも、熱心に指導すると良くない結果を生み、逆に放置をすると良い結果が生まれてきたようなことが多いと感じています。
    生徒を信じるというのは、その生徒が問題を起こしたり、最悪人殺しを

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  • これからどう生きたらいいのか?:第25回(1,762字)

    2018-06-12 06:00  
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    人類――とりわけ日本人は、急激な人口爆発の後、人口減少に転じた。この間、わずか70年ほど。そのため、人口爆発の時代を生きた人がまだ大勢残っている中で、人口減少が起きている。
    そうなると、問題が一つある。それは、人口爆発の時代の人々の価値観が、まだ人口減少の時代を生きる若い人々に強い影響力を及ぼすということだ。彼らの価値観が、これから子供を生もうという若者を強く縛る可能性がある。
    現在の結婚を巡る混乱は、それが原因で起こっている可能性が高い。
    現代の結婚の問題が一番端的に表れているのは、いわゆる「婚活」だ。婚活に参加する多くの男女が大きなアンビバレンツに苛まれている。彼らは、「結婚したい」という気持ちと「結婚したくない」という気持ちの狭間で揺れているのだ。
    なぜなら、彼らの「結婚したい」という気持ちのうち、その多くが「世間体」を鑑みてのものだからである。結婚していないと社会的に問題があるとい

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  • 虐待事件についての人々の対応がさらに虐待事件を生み出すことの構図(2,433字)

    2018-06-11 06:00  
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    虐待死された女児が話題になっている。とりわけ、彼女が書いたという文章が話題になっている。
    「もうパパとママにいわれなくてもしっかりとじぶんからきょうよりもっともっとあしたはできるようにするから もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします
    ほんとうにもうおなじことはしません ゆるして きのうぜんぜんできてなかったこと これまでまいにちやってきたことをなおします
    これまでどれだけあほみたいにあそんでいたか あそぶってあほみたいなことやめるので もうぜったいぜったいやらないからね ぜったいぜったいやくそくします」
    これを見て「泣いた」という人が多い。テレビでも多いのだが、ネットでも多い。きっと世の中でも、とても多いのだろう。
    そこで分かるのは、世の中には「想像力が欠けている人」があまりにも多い、ということだ。どういうことかというと、その「泣いた」という人は、女児がこれを自発的に書い

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  • きみは自分の操縦桿を握っているか?(1,879字)

    2018-06-08 06:00  
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    先日、ある人からいい話を聞いたので今日はそれをシェアしたい。
    人間には、本体と操縦士とがいる。誰でも一見、自分という本体を自分という操縦士が操縦しているように見えて、実はそうではない。自分を他者に操縦させている人がいる。自分を他者に操縦させると、結局は自分をだいじにできず、上手くいかないというのだ。
    説明が難しいが、要は「他人の選択によって自分の人生を決める人がいる」ということだ。自分が責任を負って決断するのではなく、他者に決断を委ねて生きてしまう。
    分かりやすい例だと、親が決めたレールに乗って生きるような人生だ。そういう状態に慣れてしまうと、会社に入っても上司の言うがままに生きるし、結婚してもパートナーの言うがままに生きる。
    そういう人は、基本的にトラブルが起こらない。だから一見良さそうに見えるのだが、その実は自分というものを蔑ろにしているので、結局は良くないという。良い生き方、あるいは

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  • なぜ勉強するのか?:その24(1,988字)

    2018-06-07 06:00  
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    法律は、人間が集団生活を営むために生み出した一種の道具です。法律ができたことによって、人類は100人を超える規模でもなんとか集団生活を営めるようになりました。
    しかしながら、ここで一つの矛盾が生じます。それは、法律というのは言葉で記す必要があるのですが、言葉には本質的に「曖昧さ」が宿っているので、法律もどうしても曖昧にならざるを得ない――ということです。しかしながら、法律そのものは厳密さを求めるので、そこで言葉の解釈を巡って議論や対立が生まれることとなりました。
    その議論や対立を収めるために、裁判という制度が発達したのです。この問題は、実は今でも引きずられています。現在でも、法律は言葉によって記され、それがためにどうしても曖昧さが残ってしまい、人々が法律に厳密さを求めるとき、言葉の曖昧さを巡って裁判が行われているのです。
    そういうふうに、言語の曖昧さは法律というものの不備を生み出すことにも

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  • [Q&A]お金があるときとないときの生き方の違いは?(1,834字)

    2018-06-06 06:00  
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    [質問]
    お金が有る人の悩みと、お金が無い人の悩みは全く違うと思うのですが、どちらも経験しているハックルさんはお金を得た事によって、何が一番お金を持ってない頃と変わりましたか?
    [回答]
    やはり余裕はできました。お金がないときは生きるか死ぬかという切迫した気持ちが強かったので、身も心もガリガリに削られていましたね。
    今考えると、当時まだ30代だからできたのかなとも思います。身体的には健康でしたし。しかしその分、追い込んだギリギリの文章が書けていたので、当時の方が研ぎ澄まされていたのかなとも思います。若かったから、その分、甘さとか経験のなさはあったんですけどね。
    しかし今、改めて考えてみると、お金があるときとないときとでは、本質的な違いはないのではないか、と思います。お金がないときも悩んでいましたが、ぼくは今でも悩んでいるので。悩みはずっとつきまといますね。
    [質問]
    TVや雑誌などのメディ

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