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記事 22件
  • お金の話:第12回「明るい未来とは何か?」(1,659字)

    2017-10-03 06:00  
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    「投資」というのは、人々を幸せにするためにする。それが人々を幸せにすれば、やがてお金はお金を生み、より増えて還ってくる。
    では、人間にとって「幸せ」とは何か?
    それは、明るい未来予測がなされていることである。将来に対して希望が持てるときである。
    そのため、投資は「明るい未来」に対してなすと上手くいく。
    では、「明るい未来」とは何か?
    投資の仕方――引いてはあらゆるお金の使い方、活かし方は、そこのところにこそ鍵があった。
    人間が幸せに生きるためには、明るい未来が必要である。なぜなら人間は、農耕を始めたときから現在ではなく、未来に生きる生き物だからだ。
    農耕というのは、将来における収穫がある程度予測がつく。だから、その予測に基づいていろいろ行動することができる。そうすると、より利益が大きいということに、あるとき人類は気がついた。
    「利益が大きい」というのは、例えば有事に死ぬ確率が低まるというこ

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  • お金の話:第11回「幸せとは何か?」(1,815字)

    2017-09-26 06:00  
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    投資とは、お金を増やすためにするのではなく、人々の幸せを増やすためにする。そのことが、結果的にお金を増やし、持続可能になる――ということこそ「投資」である。
    そのため、投資をするには「人々の幸せとは何か」を知る必要がある。
    ところが、これについて知っている人は意外に少ない。というより、ほとんどいない。人は、自分が幸せになることには関心があるくせに、実際に「では何が幸せか?」と問われると、はたと答えに窮してしまう。
    しかし、それには理由がある。幸せというのは、実は「何も感じないこと」だからだ。もっというと「不幸を感じないこと」である。不幸と感じないことこそが幸せで、人は幸せになると、その状態を実感できなくなるのだ。
    それは、お腹がいっぱいのときに「食べることの幸せ」を感じられないことと似ている。食べることの幸せは空腹とともにある。そして幸せも、不幸とともにある。幸せも、不幸になったときにこそ

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  • お金の話:第10回「お金を使う人の価値が高まった」(1,992字)

    2017-09-19 06:00  
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    お金というのは、さまざまな理由により価値が薄まってきた。インターネットをはじめとして、お金に代替するものがたくさん出てきたので、お金がなくとも世の中が回るようになってきたからだ。
    そうした中で、お金が余るようになってきた。今、銀行にはたくさんのお金が使われないまま眠っている。銀行家は、それへの使い道がなくて困っている。だから貸そうとしているのだが、借りる人がなかなかいない状況なのだ。それで、金利がどんどん下がっている。
    なぜ借りる人がいないかといえば、お金がなくとも世の中が回るからだ。
    ほんの20年ほど前までは、会社を設立しようとすると最低でも1500万円は資金が必要だった。それをすぐに用意できる人は少なかったから、銀行から借りる必要があった。おかげで、銀行は貸す人には困らなかった。
    しかし今は、ほんの10万円ほどで簡単に起業できる。10万円なら多くの人が簡単に用意できる。だから、銀行は貸

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  • お金の話:第9回「お金の価値が薄まってきた」(1,665字)

    2017-09-12 06:00  
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    お金というのはそもそもどうして生まれたのだろう?
    根本は、社会の協力関係を促進するためである。あるいは役割分担を促進するためだ。
    人間は、協力関係・役割分担が促進すれば生産性が上がる。一人で全てをするよりも、多くの人がそれぞれ別のことを分担しながらやった方が効率がいいからだ。
    例をいうと、例えば漁師をやりながら農夫をやるのは大変だ。しかし漁師か農夫、どちらか専属ならそれほど大変ではない。そして漁師と農夫とでとれた食料をシェアすれば、それぞれが両方やるよりもずっと簡単に、ずっとたくさんの食料を得ることができる。
    こうした構造を促進するのがお金である。お金があることによって、漁師と農夫の食料の交換が容易になる。人間社会は、そういうふうに多くの人が協力・分担関係をお金を通して形成している。
    この原則に従っていえば、お金を稼ぐということは、社会の中で他者が必要とするものを提供するという本質が見えて

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  • お金の話:第8回「購買につきまとう責任」(1,540字)

    2017-09-05 06:00  
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    みなさんは、自分が気に入っていた商品やサービスがいつの間にかなくなっていた――という経験はないだろうか?
    この世の中には、たとえ自分が心から欲しているすぐれた商品やサービスであっても、なんらかの事情でなくなってしまうというのはよくあることだ。
    例えば、ぼくの好きな商品にセブンイレブンのキウイ入りヨーグルトがあった。ぼくはこれを、ほぼ毎日のように買って飲んでいた。
    ところが、半年か一年も保たずに、この商品は店頭からなくなってしまった。
    なぜなくなったのか?
    詳しいことは分からないが、セブンイレブンではまだ他の味のヨーグルトを売り続けているから、きっとキウイ入りが好きな人がそれほどいなかったのだろう。つまり、売上げが伸びないから生産中止に追い込まれたのである。
    そんなふうに、売上げが伸びなければ商品はこの世から簡単になくなってしまう。他にも、スナックの「カール」が関東圏で売られなくなるというの

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  • お金の話:第7回「過去思考ではなく未来志向」(1,696字)

    2017-08-29 06:00  
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    お金を稼ぐというのは、社会的にどのような意味があるのか?お金を稼ぐというのは、多くの人は「結果」だと思っている。働いたことの報酬だ。つまり過去に向かって思考している。しかし、この過去に向かう思考はあまり良くない。なぜかというと、そういうふうに働いた結果ならば、論理的に「何に使ってもいい」ということになる。お金の使い方に対して、何の文句も言われる筋合いはない。極端な話、煮たり焼いたりしてもそれはその人の自由ということだ。しかし、社会は実際にそうなっていない。お金の使い方には、常に責任がつきまとう。お金を稼ぐということについては、もう一つ別の見方がある。それは、お金というのは報酬ではなく「権利」ということだ。未来においてさまざまなことを自由に行う権利を、社会から負託された――ということである。もう少し平たい言い方をすれば、お金を稼ぐということは、「お金を使うことを社会から許された」ということで

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  • お金の話:第6回「お金の魔力とは何か?」(1,649字)

    2017-08-22 06:00  
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    「感覚がだいじ」というのはよくいわれる信条である。かのスティーブ・ジョブズもいっていた。
    しかしながら、ことお金に限っていうとこの信条は失敗するケースが多い。なぜかというと、お金というのは基本的に道具であるが、同時に虚構でもある。お金は、みんなが「このお金を使ってものを交換できる」という虚構を信じていて、初めて成り立つ制度だ。
    そのためお金は、そもそも人を騙しやすいようにできている。おかで、直感に従ってしまうと、かえって虚構に深くハマってしまうのだ。
    例えば、お金は単なる道具であるにもかかわらず、人はそれに振り回されやすい。一方、フライパンも道具の一種だが「フライパンに振り回される人」というのはあまり聞いたことがない。しかし、「お金に振り回される人」というのはよく聞く。同じ道具なのに、両者には雲泥の差がある。
    ではなぜ差が生まれるかというと、もちろん機能が違うからというのが大きいのだが、た

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  • お金の話:第5回「ギャンブル依存から抜け出す方法」(1,921字)

    2017-08-08 06:00  
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    今回は、ぼくがギャンブルから抜け出した方法について書きたい。
    ぼくは、若い頃にギャンブルにハマって大金を失ってしまったが、最後は比較的簡単に抜け出せた。お金が底をつくと、借金をしてまでギャンブルを続けようとは思わなかった。
    なぜ抜け出せたのか?
    それは、ぼくがギャンブルをしている間も、ずっと「ギャンブルの本質」について考えていたからだ。
    人がギャンブルをする理由はいろいろあるだろうが、最も本質的な理由は「寂しい」からである。そして「暇」なのだ。寂しくて暇だとギャンブルにハマりやすい。なぜなら、ギャンブルをすると寂しくなくなり暇でもなくなるからだ。
    世の中には、「寂しい人」というのが一定数いる。それは人づき合いが苦手な人だ。そういう人は、人づき合いを避けるため、いつしか周りから人がいなくなる。
    それでも、人づき合いが苦手な人でもたいていは「人が好き」だから、寂しさを覚える。そういう人にとって

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  • お金の話:第4回「ぼくとギャンブルの微妙な関係」(2,097字)

    2017-08-01 06:00  
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    ぼくは、ギャンブルで大きなお金を失った。
    ただし、これは必ずしも浪費のような「失敗」ではなかった。
    なぜなら、ギャンブルからさまざまなことを学べたからだ。それは文字通り「勉強代」だった。ギャンブルをしていなければ、今ほど多くのことを知っていなかっただろう。単に「失敗を学んだ」というだけではなく、最も多くのことを知ることができたのだ。
    ところで、ぼくの来歴を少し話すと、必ずしもお金持ちの家には生まれなかった。かといって貧乏な家にも生まれなかった。祖父がお金持ちだったので、父親にもそれなりの余裕があった。だから、家などは初めからあった。
    ただ、サラリーマンだったから、生活そのものは質素だった。ぼくが買いたいものはほとんど買ってもらえなかった。おかげでぼくは、子供時代も、大学に入ってからも、あるいは就職してからもしばらくは、ずっとお金がなかった。
    そんな中、ぼく自身に「貧乏生活」というものへのそ

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  • お金の話:第3回「得をした投資」(1,796字)

    2017-07-25 06:00  
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    若い頃、ぼくはそれなりにお金を稼いでいたのだが、その後すぐに貧乏になった。
    年収1000万円から年収100万円まで、ほんの3年ほどで転落した。
    その年収100万円になったとき、貯金は全く残っていなかった。それどころか、この間には人間的あるいは能力的な成長も果たせていなかったので、仕事にも行き詰まった。つまり、1000万あったはずのお金が全て消えていたのである。
    しかしながら、そんな中で唯一残っていたものがあった。それは服だ。3年前、お金があった頃に奮発して買った服が、それなりに残っていたのである。
    おかげでぼくは、貧乏だったその後の3年間に、いやそれ以降の数年間も、服に困るということがなかった。それは、新しいものを買わなくてもいいのはもちろん、誰かと会うときにも、それなりにいい服を着ていくことができたのである。
    おかげで、みすぼらしく惨めな気分になることを防ぐことができた。また、相手に失礼

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