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記事 5件
  • Vol.092 結城浩/年間目標(書籍・連載・習慣)/書籍執筆の「章立て」とは?/

    2013-12-31 07:00  
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    Vol.092 結城浩/年間目標(書籍・連載・習慣)/書籍執筆の「章立て」とは?/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2013年12月31日 Vol.092
    はじめに
    おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
     * * *
    今日は12月31日、大晦日ですね。 今年もたいへんお世話になりました。 新年もどうぞよろしくお願いいたします。
    さて、今回の結城メルマガでは年末年始ということもありますので、 新しい年、2014年の抱負について考えてみようと思います。2013年では、 「新年の抱負」という名前を付けましたが、これだと振り返りのときに ちょっと変な感じがするので、
     年間目標
    という名前にしてみようと思います。 「目標」というのもいまひとつしっくり来ないのですが、 他によい呼称を思いつかなかったのです。
    ともかく、2014年の「年間目標」として、 やりたいことを列挙してみようと思います。
    あなたも、きっと「新年の抱負」や「新年の目標」など考えますよね。 実り豊かな一年にしていきましょうね!
     * * *
    別の話題です。
    ask.fmというインタビューサイトで、 匿名を含むいろんな方からの質問に答えています。 まじめなものから半分冗談のようなものまでさまざまな質問に、 わりと気軽に答えています。
     ◆結城浩 - ask.fm  http://ask.fm/hyuki0000
    先日のクリスマスイブに、
     「他者との関係の中で心がけていることはありますか」
    という質問をいただきました。 自分なりに心がけていることはたくさんあるので、なかなか答えることは難しいのですが、 すぐに思いついたことを答えました。すなわち、
     ・自分から悪をなさない。  ・相手の行為の背後に悪意があると思わない(少なくともはじめからはそう思わない)。  ・意図せず相手に害をなしてしまった時は素直に謝る。
    などです。
    もちろんこれらはあくまで「心がけ」であって、 いつもこのようにできると主張しているわけではありません。 でも、「心がけ」を答えてみることで、
     「自分がふだん大切に思っていること」
    が、ちらちらと姿を見せるようです。
    たとえば上に書いた三つの項目はいずれも相手と自分との間に、 何かしらの衝突があるとき/あったときのことを想定しています。
    一つ目の「自分から悪をなさない」というときに考えていたのは、 相手から自分に「悪いこと」をされたときに、 それに対して自分から仕返しをするかどうかについて考えていました。 相手が自分に対して悪(と感じられること)をしても、 自分からは悪をなさないようにしよう、という心がけです。
    二つ目の「相手の行為の背後に悪意があると思わない」というのは、 相手が自分に対して悪(と感じられること)をしても、 それが相手の意図的なこととは思わないようにしようという心がけです。 誰しも「我知らず」人を傷つけたり、人に迷惑を掛けてしまうことはあるものです。 相手が自分を傷つけるときがあったとしても、 それはもしかしたら相手が意図せず行ったことかもしれないと思うようにしよう。
    それに続けて(少なくともはじめからはそう思わない)とカッコ付きで補足しました。 悲しいことに、現実の世の中では意図的に人に迷惑を掛ける人も存在します。 相手が自分に対して意図的に悪さをしてくる可能性はあるわけですから、 その際には、自分は自分(や家族)の身を守らなければなりません。 あまりにもナイーブではまずい。私はそのように思っています。
    三つ目の「意図せず相手に害をなしてしまった時は素直に謝る」という心がけは、 自分が我知らず人を傷つけてしまったときのことを考えて書きました。 これが特に起こりやすいのは、メールやネットなど、 相手のコンテキストや立場がよくわからないときです。
     「そういうつもりじゃなかったんだけど」
    と言い訳したくなることもあるでしょうけれど、 まずは相手が何かしら気持ちを害したり、不利益を被ったときには、 素直に謝るように心がけたいと思っています。
    このように見てくると、私がask.fmで答えた「他者との関係で心がけていること」 というのは、聖書の中にある、
     「へびのように賢く、はとのように素直であれ」(マタイによる福音書10章16節)
    という言葉と、どこか呼応しているようにも思います。
    あなたは「他者との関係で心がけていること」は何かありますか。 その「心がけ」は「自分がふだん大切に思っていること」と関わっているでしょうか。
     * * *
    聖書といえば、いま改めてカレンダーを見てみますと、 クリスマスから大晦日までちょうど一週間なんですね。 クリスマスはどのようにお過ごしになりましたか。
    結城は、今年のクリスマスは家族で小さな旅行に出かけて過ごしました。 いつもの教会には行けなかったのですが、 家族と親密なひとときを過ごすことができ感謝です。
    食事をしながらしんみりと2013年を振り返っていました。 今年は子供の進学・進級があってなかなかイベントフルな一年でした。 仕事でも例年になくたくさんの本を書くことができ、 華やかな一年だったと思います。
    その一方で、もう少し先を見てアウトプットだけではなく、 地道なインプットを進めるべきという反省もありました。 おっと、それについてはまた後ほど書きましょう。
    子供には子供の世界があって、 いつまで親といっしょに旅行に行ってくれるのかわかりません。 まあ、でも、今年のクリスマスはよい思い出となりました。
    今年は大掃除も特には行わず、お正月も特別なことはありません (年末に急に食材が高くなり、お店も混雑するのは残念です)。 たんたんと新年を迎えることになりそうです。
     * * *
    まだ正式には決まっていないと思うのでアナウンスできないのですが、 先日、結城の仕事に関して、たいへんうれしいお知らせをいただきました。 新年の春ごろまでにはアナウンスできると思いますのでもう少しお待ちください。
     * * *
    先日、ふとYouTubeで見かけた動画がたいへん楽しかったのでご紹介します。 ニコニコ動画などでも有名な方(munimuniさん)が作ったもののようで、 物理エンジンを使って作ったアニメーションです。
    以下の「新陳代謝するマシン」は、シンプルなルールに従って動きまわるものが、 「新陳代謝」とでも呼びたくなるような現象を作る様子を表現しています。
     ◆新陳代謝するマシン  https://www.youtube.com/watch?v=Z8jLGhkD9nA
    以下の「自己複製するマシン」は、同じようにシンプルなルールで、 「自分」と同じパターンを持つものを作り出す様子を表現しています。 DNAやRNAを想起させますね。
     ◆自己複製するマシン  https://www.youtube.com/watch?v=ML_Wb8TFaPM
    以下の「物理エンジンで木を作った」は、 「できるだけ上に伸びる」と「できるだけ広がる」を組み合わせて 木に見えるものを作り出しています。
     ◆物理エンジンで木を作った  https://www.youtube.com/watch?v=ejdz0nw_jrc
    そのほか、 この方の作った動画はたいへんおもしろいので、 ぜひご覧になってください。
     ◆munimuniさんの動画リスト  https://www.youtube.com/watch?v=lPshTPTSXH4&list=SPVnsJTeCb80E_Ph7xDcy6578ub8gBKVMU
     * * *
    さて、そろそろ結城メルマガを始めましょう。
    今日は大晦日、明日は新年ですから「年間目標」について考えてみましょう。 また、先日書いた「章立て」についての質問をいただいたので、 それに対してQ&Aのコーナーでお答えします。
    どうぞお楽しみください!
    目次
    はじめに
    年間目標(書籍、連載、習慣)
    Q&A - 「章立て」とは?
    次回予告
     
  • Vol.091 結城浩/数学ガールの特別授業/「新年の抱負」の振り返り/

    2013-12-24 07:00  
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    Vol.091 結城浩/数学ガールの特別授業/「新年の抱負」の振り返り/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2013年12月24日 Vol.091
    はじめに
    おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
     * * *
    今日は12月24日、クリスマスイブですね。
    幼稚園か小学一年生くらいのときのクリスマスを思い出します。 記憶ははっきりしませんが、 その頃はサンタさんをまだおぼろげながら信じていたでしょうか。
    クリスマスイブの夜、布団に入りながら、
     「今晩、ずっと起きていて、サンタさんの正体を確かめよう」
    と固く決心しました。 これ、もしかしたら多くの子供たちが一度は決心することかもしれませんね。
    かなりがんばりましたが、途中でうとうとして、 はっと気づいたらもう外がすこしだけ明るくなっている。 朝です。
     「しまった!」
    と頭では思ったものの、まだ夢うつつ状態。 必死になって頭を上に向けて枕元にプレゼントがあるかどうかを探します。
     ある。  何か黒いかたまりがあります。
    (これは、ずっと欲しかったロボットでは?)と手を伸ばして その黒いかたまりをつかみます。
     ぐにゃ。
    その黒いかたまりは妙にやわらかいものでした。 ロボットじゃありません。頭が「?」で一杯になったまま、 子供時代の私は再び夢の世界に入っていきました。
    朝になって改めて見てみると、その「黒いかたまり」というのは、 母が手作りで作ってくれた「ぬいぐるみ」でした。 よく覚えていないけれど、何かの動物だったはず。 しかし、黒い動物って何だろう……クジラか何かでしょうかね。
    ロボットじゃなくて残念だったけれど、ぬいぐるみはきらいではなかったし、 それにサンタさんの正体も判明したので、それなりに満足でした。
    母からのプレゼントはそのぬいぐるみで、 父からのプレゼントは科学の学習漫画の本が二冊でした。
    ぬいぐるみを抱っこしながら、 学習漫画を繰り返し読みましたよ。
    ……それが、私の小さい頃のクリスマスの思い出です。
    あなたは、どんな思い出がありますか。
     * * *
    ようやく『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』が書店に並びました。 たくさんの方の「買いました」というツイートを読みながら、 結城は感謝でいっぱいです。
    いつもお世話になっている神保町の書泉グランデさんが、 結城のアイコンを模したPOPを出していらっしゃいました。 たいへんインパクトがあったのでご紹介します。
     ◆書泉グランデMATHさんによる「サイン本はこちら」  https://twitter.com/rikoushonotana/status/412817400715685888
     * * *
    ぜんぜん別の話ですが。
    猪瀬都知事が5000万円を受け取っていたことに関連して辞意を表明。 それに関連して都知事選挙を行うには50億円かかるという記事を見かけました。
    「5000万円を追求して知事が辞意を表明した結果、都は50億円を使うことになった」 と考えると「んー、何だか変な感じ」と思わないではないです。
    でもその一方でもちろん「ルール違反があったのならきちんと追求して、 正しく行動できる都知事を選び直すために、そのくらいの支払いはしょうがない」 という考え方もあります。
    そこでふと思ったのは、
     「50億円」というのは、  東京都にとってどれだけの重みがある金額なのか?
    ということです。 一個人にしたら50億円も5000万円も大金ですが、 あまりにも大金過ぎてピンと来ません。
    東京都が扱うお金の単位はそもそも大きいわけですから、 それに比例させて「重み」も変わるでしょう。
    検索してみると、平成25年度の歳入のうち都税は42,804億円だそうです。
     42,804億円にとっての50億円ってどのくらい?
    わかりません。 そこで 仮に「都税42,804億円の東京都」を「年収428万円の家庭」にあてはめてみます。 桁をずらすだけでよいので考えやすいですよね。
     「42,804億円:428万円」は、およそ「50億円:5000円」と同じ比率です。
    そうすると、東京都にとっての選挙費用50億円というのは、 年収420万円の家庭にとっての5000円に相当するとわかりました。
    選挙費用50億円と聞くとべらぼうに高いと感じるのですが、5000円と聞くと ずいぶん印象が変わりませんか。
    「大きな数」が出てきたときには、 用心しないといろんな判断を間違いそうだなと思った次第です。 もっとも「こういう比率の計算で感じたことにはどんな意味があるんだろう」とも 思うわけですけれど。
     * * *
    さて、そろそろ結城メルマガを始めましょう。
    今回のメインコンテンツは「数学ガールの特別授業」で、 先日高等学校で結城が行った授業のようすを読み物風にまとめたものです。 数回に分けてお送りしています。
    それから、そろそろ年末ですので、 今年の初めに考えていた「新年の抱負」を振り返ってみましょう。 そして、来年の新しいスタートの準備をしていきます。
    どうぞお楽しみください!
    目次
    はじめに
    数学ガールの特別授業
    本を書く心がけ - 「新年の抱負」の振り返り
    次回予告 - 数学文章作法
     
  • Vol.090 結城浩/再発見の発想法 - Synchronous(シンクロナス)/自動化で量と戦う/

    2013-12-17 07:00  
    216pt
    Vol.090 結城浩/再発見の発想法 - Synchronous(シンクロナス)/自動化で量と戦う/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2013年12月17日 Vol.090
    はじめに
    おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
     * * *
    いよいよ明日(12/17)から『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』が書店に並びます。 明日並ぶのはおそらく都内の書店さんで、 都内以外ですと19日ころから店頭に並ぶことになると思います。
    いくつかの書店さんでは、結城のサイン本も販売になります。 サイン本がどの書店さんに配本になるかは、結城も知りませんので、 お手数ですが、ご興味のある方は各書店さんにお問い合わせください。 「数学ガール」シリーズを強く推してくださっている大型書店さんが 中心になると思います。よろしくお願いいたします。
     ◆『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』  http://www.hyuki.com/girl/note2.html
     * * *
    先日、アメリカのオバマ大統領のスピーチが話題になっていました。 全米の若者に対して、プログラミング(コンピュータ科学)を学びましょう という強いメッセージを含むスピーチです。 ごらんになった方も多いと思いますが、 以下にYouTubeでの動画と、翻訳を載せたサイトをリンクします。
     ◆President Obama asks America to learn computer science - YouTube  https://www.youtube.com/watch?v=6XvmhE1J9PY
     ◆米大統領「全ての人よ、プログラミングを!」 - Life is Tech!  http://life-is-tech.com/blog/programming/messagefrompresidentobama-5843
    これからの時代、ますますコンピュータ科学が重要な意味を持ってくることは確かで、 優秀な専門家が地球規模の問題解決にあたる必要があるのも確かなことです。 そのためにもこのような若い人へのメッセージを通して「未来」を形作ろうとする姿勢は たいへんすばらしいことだと思います。
    もちろんコンピュータ科学がすべてを解決するわけではありませんが、 この分野で能力を開花させる可能性を秘めた人たちに学ぶきっかけを与えることは とても大事でしょう。
    これは米国の例になるわけですが、日本でもこのようなメッセージを若い人に向けて発することは 同じように大切だと思います。ここで「オバマさんに比べて我が国のリーダーは……」と嘆くことは 簡単ですが、それはさておき、私たちひとりひとりがそばにいる 「若い人」に良きメッセージを伝えることも大事であると思います。
    結城はつねづね「教育現場で若い人に接している先生がた」に深い敬意を抱いています。 そしてそのような先生がたに応援のエールを送りたいと思っています。 先生というのは未来を作る大切なお仕事です。なぜなら、 未来を作る若者に良きメッセージを伝える最前線にいらっしゃるわけですから。
    もちろん私自身も、自分の著作を通して、 できるだけ良きメッセージを若い人に送りたいと思っています。
     * * *
    若い人へのメッセージという広い範囲の話でなくても、 プログラミングを学ぶというのは重要な意味があると思っています。 それは「プログラムを書く」というのがとりもなおさず「言葉で表現する」一つのあり方だからです。
    現在、さまざまな手順や複雑で抽象的な構造を表現する方法として、 プログラミング言語ほど有効なものは少ないでしょう。 抽象的なものを表現する言葉としては数式もありますが、 「手順」を表現するのには最適ではないでしょう。
    しかもプログラミング言語は単に記述するだけではなく、 それを実際に「動かす」ことができる点がすばらしい。 自分の抽象的な思考を表現し、 さらにそれをコンピュータを使って現実の世界に作用させることができるのです。
    そのような表現手段を多くの人が身につけることは 無駄ではないと思います。 全員が専門的プログラマになる必要があるとまでは思いませんが、 基本的読み書きと同じくらいの重みで、 何らかのプログラミング言語に触れる経験は重要であると思います。
     * * *
    さて、別の話。
    IFTTTというツールをご存じですか。 IFTTTというのは、IF THIS THEN THAT(もしコレならばアレ)の略だと思うのですが、 要するにたくさんのWebサービスやメールなどを柔軟に結びつけるサービスのことです。
     ・もし週末のお昼になったら、こういう文面のツイートを行う。  ・もしこういうハッシュタグのツイートを行ったら、それをEvernoteに保存する。  ・もし朝の7時になったら、今日の天気を自分宛にメールする。
    こんなふうに、複数のサービスを関連づけ、 自分の好みのサービスを作り上げるためのサービスです。
    結城はこのIFTTTを使って、週に何回か自動的に結城メルマガの宣伝をツイートするようにしています。 決まった曜日の決まった時刻に決まった文面のツイートをするという処理をIFTTTで行っているのです。
    先日ブログで見かけた中に「自分のツイートをEvernoteに保存する」というレシピ (IFTTTではルールを料理にたとえてレシピと表現します)がありましたので試してみました。 ライフログとしてTwitterは有効ですが、 ツイートついでにEvernoteへの書き込みもやってしまおうということですね。 結城は以下のブログを参考にしました。
     ◆Evernoteとツイッターをつなぐ@myen機能が終了へ。利用している方は移行作業を  http://lifehacking.jp/2013/12/sending-notes-to-evernote-from-twitter/
    この他にも、
     IFTTT レシピ

     IFTTT Evernote レシピ
    などのキーワードを使って検索すると、 便利な使い方がたくさん見つかるようです。 自分のネット生活を自動化するのに便利なサービスですのでお試しください。
    こういうサービスでちょこっと何かを動かすというのも、 非常に単純ではありますが、プログラミングに近い活動ですね。
     * * *
    結城は普段MacBook AirのVimというテキストエディタで原稿を書いています。 原稿を依頼されるとき「分量の指定」があるのが普通です。 技術評論社のSoftware Designなどの雑誌向けの連載原稿では、 一行の文字数と連載記事に割り当てられた行数が決まっているので、 LaTeXの設定をそれにあわせ、 誌面ぴったりの分量(もしくは数行オーバー)で原稿を送るようにしています。 数行オーバーにするのは、後から「書き足す」よりも「削る」方が楽だからです。
    先日、CodeIQ MAGAZINE向けに原稿を書いたのですが、 そのときに2000文字程度でという依頼を受けました。 文字コードがShift_JISの場合には日本語の文字が1文字二バイトなので 計算が楽だったのですが、UTF-8の場合には1文字のバイト数がさまざまなので、 計算がちょっとやっかいです。
    少し調べてみたところ、 UNIXで標準的に使われている文字数カウントプログラム wc にオプション -m をつけると、 きちんと「文字」単位でカウントしてくれることがわかりました。 原稿ファイルを sample.tex だとすると、コマンドラインから、
     $ wc -m sample.tex
    と入力するだけで文字数が表示されます
    LaTeXの場合には組版用のコマンドを除去する detex という コマンドを併用したほうがいいかもしれません。この場合には、
     $ detex sample.tex | wc -m
    と入力すると文字数が表示されます。
    文章を書くための統合環境のようなソフトを使えばもっと楽に文字数計算ができるのかもしれませんが、 結城はこういう基本的なソフトを組み合わせて「作る」方が性にあっているようです。
     * * *
    で、CodeIQ MAGAZINEに書いた原稿ですが、 それは「CodeIQの問題をどのようにして作成するか」を自分なりにまとめた文章です。
    この文章そのものは以前、この結城メルマガに書いた文章を再編集したものですから、 ごらんになった方もいらっしゃると思います。
    結城メルマガと違う点は、 たくさんの方が挑戦した「ナムドット問題」の問題文と解説文を閲覧できるようにした というところです。結城がどのような問題をどのような形でCodeIQに出題しているのか、 そして挑戦者に対してどのような解説文をフィードバックしているのか、 そのPDFをダウンロードできますので、ご興味のある方はご覧ください。
     ◆「結城浩さんのCodeIQ問題は、なぜ面白いのか?」を7つのポイントで解説!  https://codeiq.jp/magazine/2013/12/3455/
     * * *
    英国の国立図書館である大英図書館(The British Library)が100万点以上の画像をFlickrで公開しました。 しかも、料金無料で自由に利用できるとのことです。すばらしいですね。
     ◆The British Library - Flickr  http://www.flickr.com/photos/britishlibrary/
     ◆A million first steps - Digital scholarship blog  http://britishlibrary.typepad.co.uk/digital-scholarship/2013/12/a-million-first-steps.html
     ◆朗報!大英図書館が100万点以上の画像を無料公開、明治維新前後の日本も  http://newclassic.jp/archives/4547
     * * *
    さて、そろそろ結城メルマガを始めましょう。
    今回のメインコンテンツは「再発見の発想法」で、 Synchronous(シンクロナス)というキーワードをめぐってのあれこれをお話しします。
    また「本を書く心がけ」では「自動化で量と戦う」というお話をしましょう。 こちらは「数学ガールの秘密ノート」の第三弾『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』の執筆で、 図版をどう作成するかという話題です。
    どうぞお楽しみください!
    目次
    はじめに
    再発見の発想法 - Synchronous(シンクロナス)
    本を書く心がけ - 自動化で量と戦う
    次回予告 - 数学ガールの特別授業
     
  • Vol.089 結城浩/フロー・ライティング/自分の仕事という感覚/

    2013-12-10 07:00  
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    Vol.089 結城浩/フロー・ライティング/自分の仕事という感覚/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2013年12月10日 Vol.089
    はじめに
    おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
     * * *
    私の最新の書籍『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』の刊行はもうすぐ。 早ければ12月17日(火)ごろから書店さんに並ぶでしょうか…。 遅くても来週末には各書店さんに並ぶのではないかと思っています。
     ◆『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』  http://www.hyuki.com/girl/note2.html
    本書のレビューをしていただいたレビューアさんたちにも、 「もうすぐ刊行です」というメールを送信し、今回のレビューを終了しました。 このたびもレビューアさんにたくさん助けていただいて感謝です。
    結城は自分の書籍のレビューアさんをネットで探しています。 メールベースで話ができそうな方、 そして何らかの視点で結城の本を読んでもらえそうな方 (たとえば学生さんの視点で、あるいは先生の視点で、あるいは数学者の視点で……)に メールを出して「レビューをしていただけませんか?」とお願いしています。
    自分一人で書いているときとはまったく違う方向からのレビューをいただけるのは、 ほんとうに助かりますね。レビューアさんから「こうしたほうがいい」という 改善策が提示されることもありますけれど、 たとえそれがなくても「ここは?」と気になるところを指さしてもらうだけで 大きな改善の可能性が開けるのです。
    現在書いている『数学文章作法 推敲編』にもレビューの話を含めるつもりでいます。
     * * *
    以前紙の本として刊行されていた結城の二冊の本が、 今度はKindle版として発売されました。 『プログラマの数学』と『新版暗号技術入門』です。
     ◆Kindle版『プログラマの数学』  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00H372H40/hyam-22/
     ◆Kindle版『新版暗号技術入門』  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00H372H18/hyam-22/
    多くの方に読んでいただきたいのですが、ちょっとご注意を。 これらの書籍は固定レイアウト型ですので、フォントサイズの変更、本文の検索などができません。 必ず無料サンプルで見え方、操作性等をご確認の上でご購入してください。 この注意点はアマゾンの内容紹介の冒頭にも明記してあります。
    なお、Google Play版は以前から購入可能になっています。
     ◆Google Play版『プログラマの数学』  https://bit.ly/googleprogmath
     ◆Google Play版『新版暗号技術入門』  https://bit.ly/googlecrypt
    また、いつになるかはまだアナウンスできませんが、 SBクリエイティブさんは「数学ガール」シリーズについても Kindle版を出すべく研究・準備中です。どうぞご期待くださいね。
     * * *
    別の話題。
    最近、ask.fmという「誰かに質問してもらって答える」というインタビューサイトで遊んでいます。 今日までに144個の質問に答えました。
     ◆結城浩 - ask.fm  http://ask.fm/hyuki0000
    あまり長い回答は書かないようにしていて、 パッと思いついたことをサクッと書いていますので、 よろしければ何かご質問ください(匿名で質問できます)。
    質問と回答はうまくかみあうとなかなかおもしろくなりますが、 その一方で質問の意図がわからないとちぐはぐになってしまいます。 質問者が誰かわからないと背景を読み取れないからでしょうね。
    質問が与えられると、質問に関する答えを考えることになりますので、 その過程で思いがけず「ああ、自分ってそういう人間だったのだなあ」と 再発見をすることもあります。たとえば、以下のような質問と回答。
     質問(匿名)   もし莫大なお金を持っていたとしたらどのような生活を送りたいですか
     回答(結城)   週二回くらいの連載をなんとかこなしつつ、年に何冊かの本を書く生活。   つまり、いまと変わらない生活。
     http://ask.fm/hyuki0000/answer/105747638194
    あなただったら、莫大なお金を持っていたら、どんな生活を送りたいですか?
     * * *
    Webでこんな「ボール」を見かけました。 風でごろごろと転がって、地雷を爆発させるボールだそうです。 風で転がるくらいには軽く、地雷を爆発させるほどには重く、 しかも格安で生産できるらしいです。 単純だけどすばらしい発想ですね!
     ◆デザインが命を救う?転がるだけで3000万人の命を救うボール  http://matome.naver.jp/odai/2138496781561708501
     * * *
    Webといえば。
    「よかった探しリース」は1997年から毎年クリスマスシーズンに行っている結城の企画です。 今年で17回目になりました。これはWebのリンクを使って「おてて」をつなぎ、 大きな(仮想的な)リースを作るという企画です。 あなたの「よかったこと」を書いたWebページを用意して、参加してみませんか?
     ◆よかった探しリース  http://www.hyuki.com/ring/
    あ、いちおう「大きなリース」といってますが、 毎年20〜30ページ程度のこじんまりしたリースですので、 どうぞお気軽にご参加くださいね。
     * * *
    さて、そろそろ結城メルマガを始めましょう。
    今回のメインコンテンツは「フロー・ライティング」です。 「最高の種でスタートする」と題して、 よいアイディアから本が導かれる様子を体験談を交えてお話しします。 また、Q&Aのコーナーでは、先週に引き続き、 「自分の仕事という感覚」と題して結城のツイートへのメールにお答えしています。
    どうぞお楽しみください!
    目次
    はじめに
    フロー・ライティング - 最高の種でスタートする
    Q&A - 自分の仕事という感覚
    次回予告
     
  • Vol.088 結城浩/数学ガールの特別授業/Q&A - 学ぶ姿勢と素直さについて/

    2013-12-03 07:00  
    216pt
    Vol.088 結城浩/数学文章作法 - 推敲の基本/新しい本を書く下準備/
    結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2013年12月3日 Vol.088
    はじめに
    おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
     * * *
    今月刊行の『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』の表紙が到着しました!
     ◆『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』表紙画像  https://twitter.com/hyuki/status/405229527460098049/photo/1/large
    いつものように表紙・イラストはたなか鮎子さんで、装丁・デザインは米谷テツヤさんです。 今回は少し雰囲気が変わり、ファンタジー風味が多めのすてきな表紙になりました。 多くの読者さんに届くといいなあ。
    ……と思っていたら、まだ予約の段階なのに、 先日アマゾンの「数学」部門ランキングで第一位になりました! たいへんうれしいです!応援してくださるみなさんにほんとうに感謝です。
     ◆『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』(アマゾン)  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797374152/hyuki-22/
    ところで実際に実物が店頭にならぶスケジュールですが、 おそらく2013年12月の17日〜19日ころではないかと思います。 都内の大型書店さんでは17日に店頭に並ぶことが可能性としてはありますが、 書店さんのご都合などにより数日のずれがあります。
    毎回新刊が出るたびに読者さんから「一番早く入手できる方法は?」という おたずねがあるのですが、これは何ともいえないです。 都内の大型書店さんに12月17日ころから通うか、予約注文するか、 あるいはアマゾンさんのようなネット書店に予約注文するか、 どの手段を取っても「最速の保証」はできないようです。 Twitterを見ているとどのパターンでも 「別の方法をとった方が結局早かったかも」というツイートを見かけますので…… すみませんです。
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    結城はタンブラーというサイトに毎日の予定を書いている、 という話はこの結城メルマガでもときどき書いています。
     ・週の終わりには「来週の予定」  ・朝には「今日の予定」  ・夕には「明日の予定」
    をテキストでぱたぱたと書いています。 それだけのことですけれど、地味に役に立つものです。 おそらくそれは「問いかける習慣」に結びつくからだと思います。
     ・週の終わりには「そういえば、来週は何をするんだっけ」  ・朝には「今日は何をするんだっけ」  ・夕には「明日は何をするんだっけ」
    それはとても単純な問いかけですけれど、 ともすればだらだらと流れがちな時間の中で「自分の位置を確認する」という行為と 言えるでしょうね。現在の活動にのめり込んでいる自分を一時停止して、 頭を起こして「えっと……」とまわりを見回す。 それは自分の安定を保つために必要なのでしょう。
    一週間程度は振り返りますが、 タンブラーに書いたものをずっと遡って振り返ることはやっていないので、 長期的な活動分析には役立っていません。でも、まあそれでもいいのかも、 といまは思っています。 会社と違い、一人で仕事をしていますから、 あまり管理部分にコストを掛けるのもどうかなという意味です。
    それから、タンブラーに記入するだけではなく、 毎月の初めに「今月の重点書籍」を確かめる習慣もあります。 本を書く仕事は 日々の仕事(結城メルマガや連載記事)とは別にじっくり継続させなければいけないし、 ある程度以上に自分の温度を保ち続ける必要があるからです。
    ちなみに今月の重点書籍は『数学文章作法 推敲編』です。 実は先月の重点書籍もそうだったのですが、 『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』の最終作業がたくさんあるので、 なかなか進めることができませんでした。 今月はがんばって進めていきましょう。
    それはそれとして、先日頭痛で寝込んでから、 あまり無理に仕事を詰め込まないようにしているつもりです。 無理せず、無理せず、うまくサボるように注意しています。
    ともあれ、現代のような難しい時代に、 好きな仕事が与えられていること、 私の仕事に対して期待してくださる読者さんがいることには いつも感謝しています。私は幸せものですね。
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    頭痛といえば。
    ずっと以前から、天気が悪くなると頭痛がするように感じていました。 先日寝込んだときも台風が接近したときでしたしね。
    あるときふと「気圧変化を教えてくれるiPhoneアプリってないのかな?」と 疑問を抱きました。Twitterで尋ねてみると多くの方から 「気圧変化と関連づけて頭痛の記録をつけるアプリ」を教えてもらいました。 こういうものがちゃんと存在しているのですね。 びっくりです。
     ◆頭痛〜る (iTunes)  https://itunes.apple.com/jp/app/tou-tong-ru-qi-ya-yu-bao-jian/id602991338?mt=8
    これを使ってここ数日観察しているのですが、私の場合にはやはり、 「気圧が下がるときに軽い頭痛がする」という傾向が見られますね。 もちろんこのアプリで頭痛が治るわけではないのですが、 気圧の変化を見ることで「頭痛が今後どれだけ続きそうか」という予測がつけられ、 頭痛薬を飲み過ぎないようにできるという効果はありそうです。
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    時計の話。
    ネットで見かける広告をクリックすることってほとんどないんですが、 ちらっと「58秒で一周し、2秒停止する時計」(文面は不正確です)という広告が気になりました。 これは、stop2go(ストップ・トゥー・ゴー)という時計の広告でした。
    Webサイトによりますと、この時計はスイス国鉄の駅で採用されているらしく、 秒針が12時の位置で2秒停止するのだそうです。 「駅の時計すべてが同じ時刻を示すために、列車のより正確な運行を実現するために考えられた」 という効果はよく理解できませんが、何だかすごくカッコいいと思います。
    以下の二分間の動画では、秒針が止まり、分針が1進んでから秒針が動き出す様子を見られます。
     ◆Mondaine stop2go Video (YouTube, 2:06)  https://www.youtube.com/watch?v=2um_FXZ3DGU
     ◆モンディーン stop2go (ストップ・トゥー・ゴー)  http://www.mondainewatch.jp/SHOP/stop2go/A5123035816SBB.html
     ◆モンディーン stop2go (ストップ・トゥー・ゴー) (アマゾン)  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00F60JXJ8/hyam-22/
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    別の話題。
    Macでソフトウェアのパッケージを管理するツールにHomeBrewというものがあります。 これは、コマンドラインから「brew」と入力して使います。 たとえばソフトを検索するには「brew search ソフト名」と入力しますし、 ソフトをインストールするには「brew install ソフト名」と入力します。
    このHomeBrewには「brew doctor」という機能があります。 これはいわゆるセルフチェック機能で、HomeBrewが管理しているソフトやライブラリが おかしな状況になっていないかをチェックしてくれるというものです。 このコマンドを入力して、HomeBrewが何かおかしなこと(たとえば、ディレクトリが期待した パーミッションになっていないとか、使われていないライブラリがあるとか)を 検知すると、対処方法を教えてくれます。
    この機能のすばらしいところは、ユーザが行った個々の手順について 正しいかどうかを教えたり調べたりするのではなく、
     現在の状態
    を調べて教えてくれるところにあります。 つまり「途中の手順がどうであれ現在は大丈夫だよ」あるいは 「途中の手順がどうであれ現在はまずいよ」と教えてくれるということ。 これはユーザとして大きな安心感に繋がるように思います。
    コンピュータのような複雑なシステムが特にやっかいなのは、 システムが過去の「記憶」を持っているからです。 購入直後からユーザはコンピュータに対していろんな「操作」を施します。 ファイルを作ったり消したり、ソフトをインストールしたりアンインストールしたり。 その履歴を積み重ねてできたものが現在のシステムです。 ある意味、世界中に完全に同じコンピュータシステムは存在しません。 購入してからの操作の履歴は一つ一つ異なるからですね。
    「何かおかしい」というときにゼロからやり直すのはたいへんです。 brew doctorのように「過去どんなことをやってきたかは知らないけれど、 現在の状態はここがまずいので、ここを直せばよいよ」と教えてくれる 機能はたいへん助かるのです。
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    さて、そろそろ結城メルマガを始めましょう。
    今回のメインコンテンツは「数学ガールの特別授業」です。 結城が高校で行った授業の風景を読み物としてお届けする連載です。 また、Q&Aのコーナーでは「素直さ」について答えます。
    どうぞお楽しみください!
    目次
    はじめに
    数学ガールの特別授業
    Q&A - 学ぶ姿勢と素直さについて
    次回予告