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Vol.426 結城浩/結城浩のPDF(2)/プログラムを書く仕事をなぜしてないの/昔書いたものを読み返す/怒らせてしまった彼と仲直り/子供から数学の問題を訊かれて/
2020-05-26 07:00220ptVol.426 結城浩/結城浩のPDF(2)/プログラムを書く仕事をなぜしてないの/昔書いたものを読み返す/怒らせてしまった彼と仲直り/子供から数学の問題を訊かれて/
結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年5月26日 Vol.426
目次
Webサイト「結城浩のPDF」を作る(2)
プログラムを書く仕事をしていないのはなぜか - 仕事の心がけ
昔書いたものを読み返すときに思うこと - 文章を書く心がけ
怒らせてしまった彼と仲直りする秘訣 - コミュニケーションのヒント
子供から数学の問題を訊かれたとき - 教えるときの心がけ
はじめに
結城浩です。
いつもご愛読ありがとうございます。
* * *
クイズの話。
「正」「興」「載」「極」のうち、仲間はずれの漢字はどれ?
正解は後ほど。
* * *
Twitterのトレンドの話。
Twitterのトレンドに登場する文字列によって自分の心が騒ぐケースが多いことに気付いたので、トレンドの地域を「アイスランド」に変更してみました。するとトレンドには「Iceland」というハッシュタグだけになりました。これで、心静かにTwitterができます。地域はときどき変更します。
結城はTwitterのミュートも多用しています。Twitterでは波のように乱暴な言葉や関心のない単語が行き来しますから、ミュート期間付きでミュートすることがよくあります。ふだん意識せずに目にしてしまう言葉でも、心に影響を与えがちなので気を付けているのです。
ミュート期間については、ミュートの詳細設定オプションで設定します。
◆ミュートの詳細設定オプションを使用する方法https://help.twitter.com/ja/using-twitter/advanced-twitter-mute-options
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時間の短さの話。
仕事をしていると「一日は短い」と感じることがよくあります。
毎日のように「えっ、もうこんな時間なの? 今日、まだ何もしていないのに!」と驚きます。
でも「一日が短い」ならば、「次の日はすぐに来る」ともいえます。ということは、繰り返しを早く回せるわけですね!
一日に大躍進がなくてもいい。一日分を進めて、次の日を待とう。《継続は力なり》の心で毎日を歩もう。
そんなふうに思います。
* * *
ギリシア文字の話。
結城はアルファベットを書くのが好きです。こちらのYouTube動画では「ギリシア文字の小文字」を書いてみました。ギリシア文字は数学でもよく使われますね。
なお、この動画は「私はこんな風に書いています」というご紹介の意味で公開するもので、これだけが正しい、書き順はこうでなくてはだめ、他の書き方が間違いといった主張ではありませんので念のため。またパイ、シグマ、ファイの異字体は書いていません。
◆ギリシア文字を書いてみました。 - YouTubehttps://youtu.be/4PAv8cyUm8A
Instagramでもときどき文字を書いています。
◆ギリシア文字 - Instagramhttps://www.instagram.com/p/BkCpSHVBkh4/
◆Greek letters. - Instagramhttps://www.instagram.com/p/BRzx2z8gyED/
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クイズの解答。
正解(仲間はずれ)は「興」です。
数を漢数字で表す次の一覧に出て来ない文字は「興」だけです。
一、十、百、千、万、億、兆、京、垓、じょ(「のぎへん」に「予」の文字)、穣、溝、澗、正、載、極、恒河沙、阿僧祇、那由他、不可思議、無量大数。
* * *
それでは、今回の結城メルマガを始めましょう。
どうぞごゆっくりお読みください。
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Vol.425 結城浩/Webサイト「結城浩のPDF」を作る(1)/進学先の決定/あれもこれもやらなきゃ/第一志望に不合格/再発見の発想法/
2020-05-19 07:00220ptVol.425 結城浩/Webサイト「結城浩のPDF」を作る(1)/進学先の決定/あれもこれもやらなきゃ/第一志望に不合格/再発見の発想法/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年5月19日 Vol.425
目次
Webサイト「結城浩のPDF」を作る(1)
学びたいという気持ちだけで進学先を決めていいか - 学ぶときの心がけ
あれもこれもやらなきゃと考えてしまう - 仕事の心がけ
三年連続で第一志望に不合格
ベンチマーク - 再発見の発想法
はじめに
結城浩です。
いつもご愛読ありがとうございます。
* * *
抵抗を感じにくい表現の話。
結城にメールをくださる方の中に、いつも、
「AAAA」を読んで、私は「BBBB」と思いました。
というスタイルで文章を書く方がいます。結城がスタイルについて尋ねると、意識してそう書いているとのお返事でした。
いま書いた「AAAA」は、たとえば結城が書いた文章の一部分で、単語のように短いものもあれば、一段落のように長いものもあります。また「BBBB」は、その方の感想や解釈です。これもまた長さはさまざまです。
結城はこの方のスタイルに「なるほど」と思いました。なぜなら、抵抗なくスムーズに読めるなと思ったからです。
この方のスタイルでは「AAAA」を明記しています。ですから、自分の感想や解釈が何に対するものかがはっきりします。また「BBBB」が自分の思ったことだとも明記しています。たったそれだけのことで、ずいぶんスムーズに読めるものだと、私はおもしろく感じました。
おもしろさ、伝わりにくいですかね。たとえば、次の三つのスタイルで書かれた文を比較してみてください。
(1)「AAAA」を読んで、私は「BBBB」と思いました。 (2)「AAAA」はBBBBですね。 (3)BBBBですね。
このような文を「書く側の意識」としては(1)(2)(3)であまり変わらないのですけれど、「読む側の意識」としては(1)が最もスムーズに読めるんじゃないでしょうか。
もう少し具体的に書いてみましょうか。これはいま適当に作った例です。ある作品に対する感想だとしましょう。
(1)幼少期シーンを読んで、私は「主人公の描写が足りない」と思いました。 (2)幼少期シーンは主人公の描写が足りないですね。 (3)主人公の描写が足りないですね。
(1)に比べると(2)や(3)の方が、決めつけているというニュアンスが強くなるように感じます。
当たり前のことかもしれませんが、「抵抗を感じにくい表現」としてご紹介しました。
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pixivFANBOXの話。
結城は、pixivFANBOXという「クリエイタ支援サイト」を利用しています。たくさんの方がpixivFANBOXを通じて結城を経済的に支えてくださっています。ありがとうございます。
結城浩のpixivFANBOXでは「結城浩のカフェ代支援」ということでひと月に200円、500円、1000円のプランのいずれかを選んでいただけます。支援金はカフェ代(最近はカフェに行けないので自宅でのコーヒー代)として使わせていただいています。感謝!
pixivFANBOXでご支援くださっている方への特典として「結城浩の作業ログ」が閲覧できるリンクを毎日提供しています。これは「結城浩のサークル」で提供されているものと同内容です。
◆結城浩のpixivFANBOXhttps://hyuki.fanbox.cc/
◆結城浩のサークルhttps://mm.hyuki.net/circle/
早いもので「結城浩の作業ログ」を配信してから三カ月が過ぎました。作業ログで結城はけっこういろんな記録を残しています。今回の結城メルマガではその一部をふくらませて読み物にしてみました。それが最初の「Webサイト「結城浩のPDF」を作る(1)」です。「結城浩のPDF」という小さなWebサイトを作ったときの話を書いていこうと思います。
* * *
ということで、今回の結城メルマガを始めましょう。
どうぞごゆっくりお読みください。
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Vol.424 結城浩/中学生・高校生の勉強で大切なこと/結城浩ミニ文庫《自分の理解に関心を持つ》(前編)/アルバイト/物語を書く/
2020-05-12 07:00220ptVol.424 結城浩/中学生・高校生の勉強で大切なこと/結城浩ミニ文庫《自分の理解に関心を持つ》(前編)/アルバイト/物語を書く/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年5月12日 Vol.424
目次
物語をどう書き進めるか - 文章を書く心がけ
店長に言いたいことがある - 仕事の心がけ
中学生・高校生のころの勉強で大切なこと - 学ぶときの心がけ
大学生のアルバイト
『《自分の理解に関心を持つ》(前編)』 - 結城浩ミニ文庫
はじめに
結城浩です。
いつもご愛読ありがとうございます。
* * *
機械翻訳の話。
おもしろそうなパズルの動画を見つけました。
◆Coiled 15 puzzlehttps://youtu.be/rfAEgxNEOrQ
◆Coiled 15 puzzle(スクリーンショット)
どんなパズルかは見るだけで想像が付きますね。英語の説明文があるので、Google翻訳による翻訳とDeepLによる翻訳とを比べてみました。
◆原文
This is a variant of the classic sliding tile puzzle, where the puzzle is coiled around a cylinder. The goal is the same: to put the tiles back in the correct order. Unlike the classic 15-puzzle, this version is solvable because of the extra connection between the first and sixteenth squares of the frame.
◆Google翻訳
これは、古典的なスライディングタイルパズルの変形で、パズルが円柱の周りに巻かれています。 目標は同じです。タイルを正しい順序に戻すことです。 古典的な15パズルとは異なり、このバージョンは、フレームの最初の正方形と16番目の正方形の間の余分な接続のために解決可能です。
◆DeepLによる翻訳
これは、パズルが円筒の周りにコイル状になっている古典的なスライディングタイルパズルの変形です。目的は同じで、タイルを正しい順番に戻すことです。古典的な15パズルとは異なり、このバージョンでは1マス目と16マス目の間に余分なつながりがあるため、解けるようになっています。
さあ、二つの翻訳を比較して、いかがでしょうか。
Google翻訳の方は、逐語訳で「誤訳になるのを避けよう」としている印象があります。でも、日本語としてはやや不自然に感じました。それに対して、DeepLはまるで「ちゃんと分かってる」みたいな翻訳文になっている印象があります。
たとえば一つ目の文。Google翻訳は「古典的なスライディングタイルパズルの変形で、パズルが〜」といったん区切るので、文章の係り受けを誤読しにくくなっています。でも不自然。
DeepLは「パズルが円筒の周りにコイル状になっている古典的なスライディングタイルパズルの変形」と一気に言ってるので、コイル状になっているのが古典的な方か、変形になっているのかの多義性が生じてしまっています。でも自然。
次はコロンの取り扱い。Google翻訳は「目標は同じです。タイルを正しい順序に戻すことです」と二つの文に分けています。でもDeepLは「目的は同じで、タイルを正しい順番に戻すことです」と、日本語として自然な流れになっています。
大きく違うのは「square」の訳語選択。Google翻訳は「正方形」と翻訳し、DeepLは「マス」と翻訳しました。私はDeepLの方が適切な訳語を選んでいると感じました。
Google翻訳は「solvable」を「解決可能」と訳していますが、DeepLは「解けるようになっている」と訳し、まるでパズルの話題であることを理解してるみたい。
地味だけど大きいと感じたのは「このバージョンは」と「このバージョンでは」の違いです。古典的なパズルと変形版との差違を強調しているところなので、DeepLの翻訳した「このバージョンでは」の方が読みやすいと感じます。
今回のパズルの文章は短いので、英文を直接読んでもそれほど時間は掛かりません。でも、たとえば長い英文にさっと目を通したいというときにDeepLを使うのは非常に有効だなと感じます。自然な文章なら大意を取りやすいし、自分が原文をじっくり読むべきポイントを探しやすくなるからです。
DeepL翻訳については結城メルマガVol.422でも話題にしました。
◆結城メルマガVol.422https://bit.ly/hyuki-mm422
* * *
情報入手の話。
大学関係者でない私がいうことでもないかもしれませんが、いまの時期、大学生は、自分の大学のWebサイトを定期的に確認し、大学からのメールもちゃんと読むといいかもしれないと思いました。大事な連絡を見逃さないようにするためです。
大学からのメールをふだん見ない人は、大事なメールが「迷惑メールフォルダ」に入っていないかを確認するのも忘れずに。いつもなら何となく入ってくる情報が、自宅にいると入ってこない危険性がありそう。
会社でも同じです。リモートワークが占める割合が多くなると、いつもなら何となく入ってくる情報が滞る可能性がありそうです。
意識して情報を取りに行く。意識して情報を伝えるようにする。
それがないと、気がつかないところで学びや作業の品質が低下しそうだな。
そんなことを思いました。
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では、今回の結城メルマガを始めます。
どうぞごゆっくりお読みください。
物語をどう書き進めるか - 文章を書く心がけ
質問
結城先生は執筆をされる際に、どのように物語を書き進めていきますか。
私は趣味で物語を書くのが好きなのですが、どうも行き詰まってしまうことが良くあります。
いくつかのアイデアを列挙してから、取捨選択しながら物語を構成するという方法をとっているのですが、途中でまとまらなくなったり、方向性が曖昧になってしまいます。
回答
ご質問ありがとうございます。
私の物語の書き進め方については、以下の本に非常に詳しく書きましたので、もしよろしければどうぞ。Kindle版もあるのでいますぐ読めます。
◆数学ガールの誕生https://birth.hyuki.net/
私の物語の書き方は、簡単にいえば「キャラクタにまかせる」といえます。キャラクタが動いていく様子を私はじっと見て、追いかけて、それを書き留めるという方法ですね。なので、あなたがいう「いくつかのアイデアを列挙してから、取捨選択しながら物語を構成する」とはずいぶん違うようです。
私がどんなふうに文章を書いているか、どんなふうに物語を紡いでいるかは「結城メルマガ」で何度も何度も出てくる話題なので、リンクで回答させてください。
「物語のスタートはジャンルやストーリーではなく、キャラクタやシーンやセリフです」という話をこちらの文章で書きました。
◆小説執筆に憧れているがストーリーが思いつかない - 文章を書く心がけhttps://mm.hyuki.net/n/n671daa3baa24
「キャラクタに敬意を払い、丁寧な対話を重ねることで、そのキャラクタらしい話し方を描くことができる」という話をこちらに書きました。
◆自分の書く物語の登場人物と仲良くなりたい - 文章を書く心がけhttps://mm.hyuki.net/n/n7502c523826e
「キャラクタに自然なセリフを言ってもらうにはどうするか」という話をこちらに書きました。
◆マンガのキャラクターのセリフが説教くさくなってしまう - Q&Ahttps://mm.hyuki.net/n/na4ab35b97049
「新しいキャラクタが登場するときに何を考える必要があるか」という話をこちらに書きました。
◆数学ガールに新キャラ登場 - 本を書く心がけ(結城メルマガVol.347)https://mm.hyuki.net/n/n9442b7a2b151
「Web連載をどんなふうに毎週書いているか、新しいキャラクタとのお話をどうすすめているか」という話をこちらに書きました。
◆数学ガールに数学苦手なキャラクタが登場するという新しいチャレンジ(結城メルマガVol.350)https://mm.hyuki.net/n/n87a43eec0dc7
もっと一般的な「物語の組み立て方」のお話をこちらに書きました。
◆読み切り漫画は描けるけれど、連載漫画が描けないhttps://mm.hyuki.net/n/nb9985dd12bd4
以上のリンク先を、改めて読み返してみたんですが、けっこういろんなことを書いていますね。でも、すべてに通じて基本的に言っていることは「キャラクタが中心」ということです。作者のお仕事は、キャラクタに舞台と問題を与えて、キャラクタの行動や考えや発言を注意深く見て、それをきちんと書き留めることであると私は思います。
もちろんそれは、私個人の考え方であって、あなたに押しつけるつもりはありません。
物語を作るのは楽しいですよね。楽しみつつがんばってください!
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Vol.423 結城浩/Amazon Pollyで音声コンテンツ作成/小説家、読者との距離感をどう考えるか/ノートに写す勉強法の是非/電子書籍は「頭に入らない」?/
2020-05-05 07:00220ptVol.423 結城浩/Amazon Pollyで音声コンテンツ作成/小説家、読者との距離感をどう考えるか/ノートに写す勉強法の是非/電子書籍は「頭に入らない」?/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年5月5日 Vol.423
目次
電子書籍は「頭に入らない」感じがする
Amazon Pollyを使ってテキスト読み上げ音声コンテンツを作成する
数学の本をノートに書き写す勉強法はどうですか - 学ぶときの心がけ
小説家、読者との距離感をどう考えるか - 文章を書く心がけ
はじめに
結城浩です。
いつもご愛読ありがとうございます。
* * *
映画のメイキング動画の話。
映画の「メイキング動画」ってご存じですか。DVDの特典映像に入っていたりする動画です。映画をどんなふうに作っているか、その舞台裏を見せてくれるものですね。
結城は、それがすごく好きです。
ずいぶん以前の映画ですが、トム・クルーズの出演する『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』のメイキング動画を見たことがあります。
その中でたいへん感銘を受けたのが「アタッシュケースを何個も作る」という話です。その映画では、アタッシュケースは登場人物が持つ重要なアイテムの一つでした。映画を観ている途中では、ずっとそれが一つのものを使っているとばかり思っていました。でも違うのです。
普通の場面で使うアタッシュケース、アクションシーンで振り回すアタッシュケース、また場面が進んで終盤近くなったときのアタッシュケース。映画の中では、同じ一つのアタッシュケースとして映るものが何個も用意されていたのです。
なぜ何個も作るのでしょう。
たとえば、アタッシュケースを振り回すアクションシーンがあります。当然ながら、重かったら振り回せないし、役者に当たったりすると怪我をしてしまう。だから、柔らかくて軽い素材で作る。
また、場面が進むにつれて、落としたり、壁に当たったりする設定がありますから、それに合わせてアタッシュケースに傷を増やしていくのです。
そんな細かい配慮、映画だけ見てたら絶対わかりません。
そのメイキング動画を見て結城が覚えているのはアタッシュケースの話だけです。でも、実際に作られている映画では、それに限らずたくさんのアイテムが登場します。ほんの短いシーンであっても、それだけ手間暇かけて作っている。
そんな手間暇を想像すると、うん、自分もがんばろうという気持ちになります。よい成果を上げるために、他人に知られようと知られまいと工夫と努力を惜しまない。そうありたいと思うのです。
がんばろう。
* * *
では、今回の結城メルマガを始めます。
どうぞごゆっくりお読みください。
電子書籍は「頭に入らない」感じがする
質問
紙の『数学ガール』はじっくり読めるのですが、Kindle版『数学ガール』はフワフワしてしまって頭に入ってこない感じがします。
何かいい対策はありませんか。
回答
ご愛読ありがとうございます。
あなたの感じているお気持ちは、少しわかります。私も、Kindleなどの電子書籍を読み始めたときはそうでしたから。
あなたの対策になるかどうかわかりませんが、私の場合のポイントは次のようなものでした。
Kindleやスマートフォンやタブレットなどの機器を使って読もうとすると、ついWebを読む感覚になってしまうのです。どんどんと「先に進もう、先に進もう」という気持ちで、流し読みに近い感覚になるのです。目が滑っていくとでもいうのでしょうか。
その感覚に気付いてからは「自分は、いま、本を読んでいるのだ」や「自分は、いま、一枚の紙に向かっているのだ」という気持ちを意識し始めました。簡単にいえば、先を急がないということ。私の場合は、そのような意識が習慣になって、ずいぶん変わりました。
数学書の場合、しばしば本を閉じてそらんじてみることがあります。それでうまく行かなければ、紙を出して書くこともあります。意識してスピードを落とし、自分の理解を確かめるのはいいことですね。
もっとも「数学が出てくる本は、電子書籍では読めない」と考える人もいらっしゃるようです。それを否定するわけではありません。本との付き合い方というのは、人それぞれですからね。
私は、紙でも電子でも読みます。読む場所を選ばないし、スクリーンショットも撮りやすいので、電子の方がより便利に使っていると思います。
以上、何かの参考になればうれしいです。
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