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記事 6件
  • Vol.288 結城浩/マストドン/女性ヴォーカル/優秀なプログラマ/文章が完成間近になったときに感じるつらい気持ち/

    2017-10-03 07:00  
    216pt
    Vol.288 結城浩/マストドン/女性ヴォーカル/優秀なプログラマ/文章が完成間近になったときに感じるつらい気持ち/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2017年10月3日 Vol.288
    はじめに
    おはようございます。結城浩です。
    いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
     * * *
    体調が悪いときの話。
    自分の体調が悪いとき、 結城は「人を励ましたくなる」という傾向があるようです。
    体調が悪いとき、結城は機嫌が悪くなるのですが、 それと同時に「励ましたい」という気持ちも強くなるのです。
    不思議です。
    「励ましたい」という気持ちをもう少し具体的に書くなら、
     ・相手が見逃している相手の良いところを探し出し、  ・その「良いところ」に注目したらと相手をうながす
    ということのようです。
    つまり、何かお世辞をいって元気出させるというのではなく、 何かしらの「発見」を見出したくなるということでしょうか。 まあ、理屈は通っています。
    でも、自分の体調が悪いときに、 なぜそんな「発見」をしたくなるんでしょう。
    結論はまだわからないのですが、どうも、 「自分自身に対しても同じことをしたいから」 という理由のようです。
    つまり、自分の体調が悪いので、
     ・自分が見逃している自分の良いところを探し出し、  ・その「良いところ」に注目したらと自分をうながす
    ということを自然とやりたくなるらしいです。
    人間って、複雑なのか単純なのかわかりませんね……
     * * *
    よい職場環境を作る話。
    先日、RubyKaigiというカンファレンスがありました。
     ◆RubyKaigi 2017  http://rubykaigi.org/2017
    結城は参加していないのですが、 楽しそうに参加している人たちのツイートを眺めていました。
    そんな中、@selmertsx さんのこんなツイートを見かけました。
     ----
     弊社はRubykaigiへの参加は出張扱いだったので、  参加費、宿泊費だけでなく、  前日移動分の代休まで貰えたことをアピールしておきます #rubykaigi
     https://twitter.com/selmertsx/status/913352416594092033
     ----
    開発に関わる会社であっても、 RubyKaigiへの参加を業務と認めない会社の場合、 参加する人は自腹で参加することになります。ですから、 出張扱いにしてくれる会社というのは開発者にとって魅力になります。
    結城は、こういう「弊社の良いところアピール」って大好きです。 自分が勤めている会社への言及というと、 つい愚痴になったり不満になったりすることが多いと思いますが、 このツイートのような「弊社の良いところアピール」 は読んでいて気持ちがいいですね。
    結城がこのようなアピールが好きな理由は、 単に読んでいて気持ちがいいからだけではありません。 このようなアピールは、
     「みんなで幸せになろう」
    というメッセージにつながってると感じるからです。
    会社側が「そうか、開発者にはこういう措置が喜ばれるのか!」 という理解に至ることもあるでしょうし、 会社広報的にも低コストでいい効果があるかもしれません。
    「弊社の良いところアピール」は、 みんながやるといいと思います。 そうすると、その「良いところ」 が業界の共通認識になっていくのではないでしょうか。
    ちなみに、RubyKaigi 2017のWebページにある、 「アンチハラスメントポリシー」はすばらしいですね。 「衝突なくつどえる場の維持」のため、 このような宣言を明示的に掲げておくのは、 とても大切なことだと思います。
     ◆RubyKaigi Policies  http://rubykaigi.org/2017/policies#ja
     * * *
    映画の話。
    先日アマゾンプライムビデオで、 「ジャックリーチャー:Never Go Back」を見ました。
     ◆ジャック・リーチャー: Never Go Back (字幕版)  https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06XDJN3LY/hyuki-22/
    ぜんぜん期待をせずに見たのがよかったのか、 予想以上によい映画だと感じました。
    で、どこがよかったのかを説明しようと思い、とほうにくれました。 ストーリーも、アクションも、敵の造形も、伏線とその回収も、 ラストの盛り上がりも全体的に「いまひとつ」だったからです。
    でも「見てよかった」と感じました。
    いったいなぜだろう……と考えてみると、 ひとえに「登場する少女に対するトムの演技が心にしみた」からのようです。 ずいぶん顔のしわも増えてきたトム。 そのトムが、自分の子供かもしれない少女のことをじっと考えるシーンに、 不思議なほど心動かされました。
    ぜひあなたも見るといいよ!おもしろい映画だよ! とは勧められません。
    トムの表情にしみじみとしたものを感じた映画でした。 こういう楽しみ方もあるんですね。
     * * *
    質疑応答と信頼関係の話。
    相手に質問した後で、
     「イエスかノーかで答えてください」
    という要求をする人がときどきいます。
    このような要求は、 よっぽどうまく使わないと適切な質疑応答にはなりません。
    「イエスかノーかで答えよ」という要求によって、 「質問」は「詰問」に変化してしまうことが多いからです。
    「イエスかノーかで答えよ」という要求は暗黙のうちに、 質問者の「あなたの前提条件を聞く耳は持たない」 という態度を示します。
    「イエスかノーかで答えよ」という要求によって、 質疑応答の場が「相手から情報を引き出す場」から、 「相手を糾弾する場」に変化しかねません。 それが意図したことでないならば、 留意したほうがいいですね。
    きちんとした質疑応答が成り立つためには、 ある程度、互いの理解や信頼が必要になります。 私にはそれは当然のことだと思えます。 答えがまったく信頼できない人に質問をする意味はないからです。 詰問や糾弾をしたいならば別ですけれど。
    あげ足を取る態度や、言質を取る態度や、 言葉尻をつかまえる態度があると、 質疑応答の場はぎこちなくなります。 回答者は過度に防御的・攻撃的になったりします。 質問者に意図がなくても、言葉遣い一つでがらっと場が変わることがありますので、 なかなか難しいですね。
    「それはどういう意味?」と聞き返すだけのことでも、 相手と状況によってはチャネルが壊れてしまうことがあります。 議論し合う研究者同士と、 生まれて初めて先生に質問に来た小学生とは違うのです。
     * * *
    マストドンの話。
    結城は分散型SNS「マストドン」のインスタンスを一つ運営しています。
     ◆social.hyuki.net  https://social.hyuki.net/
    これはいわゆる「おひとりさまインスタンス」で、 このインスタンスにアカウントを持っている実質的なユーザは、 結城ひとりです。
    「実質的な」と書いたのは、 厳密にいえばこのインスタンスにも複数のユーザがいるからです。
    先日、結城はこのインスタンスに「連ツイ紹介アカウント」を作りました。
     ◆連ツイ紹介アカウント  https://social.hyuki.net/@rentwi
     ◆スクリーンショット
    このアカウントは、自動的に動作するbotで、 結城がTwitterで連続的なツイートをすると、 それを自動的に察知してトゥートします。
     「結城浩が連ツイしてるよ!」
    と紹介するアカウントというわけですね。
    そんなアカウントを作って何の役に立つかというと……ええと…… おもしろいからいいのです!
    結城が運営する「おひとりさまインスタンス」には、 現在以下のアカウントがあります。
     ◆結城浩(本人)  https://social.hyuki.net/@hyuki
     ◆結城浩のブックマーク(ブックマークを自動的に紹介)  https://social.hyuki.net/@bookmark
     ◆「結城浩の連ツイ」紹介(連ツイを自動的に紹介)  https://social.hyuki.net/@rentwi
     ◆RSS/Atom Feed Watcher(いくつかのサイトの更新を自動的に紹介)  https://social.hyuki.net/@rss
    せっかく「おひとりさまインスタンス」を運営しているんだから、 何かおもしろいことできないかなあ……とあれこれ試しているのです。
    上に書いた「結城浩のブックマーク」というのは、 結城がはてなブックマークでWebサイトを登録すると、 そのことをトゥートするアカウントです。
    これを実現する仕組みはやや複雑です。 図に描いてみました。
     ◆結城浩のブックマーク
    ブックマークをつけると、 自動的にそれがTwitterでツイートされます (これははてなブックマークの機能)。
    結城のサーバ上でcronで動いているプログラムは、 定期的に結城のツイートを調べます。 そして、はてなブックマークからのツイートを識別して、 マストドンにトゥートします。
    IFTTTで動いているレシピは、 マストドンのRSS出力を調べ、 それをEvernoteに保存します。
    このようにして、結城がブックマークを付けた情報は、 Twitter, Mastodon, Evernoteに流れているのです。
    そんな流れを作って何の役に立つかというと……ええと…… おもしろいからいいのです!
     * * *
    「コミュニケーションは方法選択から始まっている」という話。
    ときどき、
     メールで気持ちを伝えるのは難しいから、  直接会って話がしたい。
    という人がいます。あるいは逆に、
     表情を読んで感情を推察したり、  リアルタイムに返事したりするのは難しいから、  メールで話したい。
    という人がいます。
    注意したいのは「どちらが正しい」とは決めつけられないということ。 「直接会って話した方がいい」と「メールで話した方がいい」とは、 どちらもありうる話なのです。
    コミュニケーションにはいろんな要因があります。 文章、声、表情、リアルタイムかどうか、 物理的な距離、周りに他人がいるかどうか、 そういった無数の要因はコミュニケーションに影響を及ぼします。
    会った方がいいのか、メールの方がいいのか、 絶対の正解はありません。 ともかく暫定的にどうするか決めなければ話が進みませんから、 初めての相手なら、 「とりあえず会いましょう」や「まずはメールで」 ということになるでしょう。 でも「こうでなければならない」と決めつけてしまうのは、 品質低下を招く場合もあるでしょうね。
    特に大事なのは、自分にとって都合のいい方法が、 必ずしも相手にとって都合がいいとは限らないという点です。 コミュニケーションは内容が大事だ、 というのは真実の一面に過ぎません。 形式や方法に無頓着になるのはもったいないことです。
    象徴的な例を一つ挙げましょう。
    大人が小さな子供と話をするときのようすを想像してください。 そのとき大人は「膝をかがめる」かどうか。 すなわち、大人が小さな子供と目線の高さを合わせて話すかどうか。
    「子供が話す言葉の内容」と「大人が膝をかがめること」 との間に直接的な関係はないかもしれません。 でも、内容は変化しそうじゃありませんか。
    コミュニケーションは、 コミュニケーションの方法選択から始まっています。 どの方法を選ぶかによって、内容も変化することがあるからです。
     * * *
    印象深い声を持つ女性ヴォーカルの話。
    2007年に結城は、
     「印象深い声を持つ女性ヴォーカルを教えてください」
    という記事を「はてなダイアリー」に書きました。
    そして多くの方から情報を教えていただきました。
     ◆(2007年)印象深い声を持つ女性ヴォーカルを教えてください  http://d.hatena.ne.jp/hyuki/20070310/vocal
    今年は2017年ですので、あれから10年目。 イマドキの情報が欲しくなったので、 Twitterで尋ねてみました。 新しい情報をリプやハッシュタグで教えて!
    そしてまた多くの方から情報をいただきました。
     ◆(2017年)印象深い声を持つ女性ヴォーカルを教えてください  https://togetter.com/li/1152871 
    あまりにも多すぎて、まだすべてはチェックできていません。 でも、こういう形で紹介いただかなければ、 なかなか出会えない歌声にたくさん出会うことができ、 結城はとてもしあわせです。
    2007年では「はてなダイアリー」のコメント欄などで情報をいただき、 結城がそれを記事に反映する形でまとめました。
    2017年では、Twitterで情報をいただき、 そのツイートをtogetterとしてまとめました。
    紹介されている歌い手だけではなく、 呼びかけ方と情報のまとめ方も、 10年で変遷していることに気づきました。
    おもしろいですねえ。
     * * *
    それではそろそろ、 今回の結城メルマガを始めましょう。
    どうぞ、ごゆっくりお読みください!
    目次
    はじめに
    データ保存とネットワーク
    「優秀なプログラマ」の話 - 文章を書く心がけ
    文章が完成間近になったときに感じるつらい気持ち - 文章を書く心がけ
    おわりに
     
  • Vol.268 結城浩/再発見の発想法/ロマンティック数学ナイト/老いに備える知的生活/

    2017-05-16 07:00  
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    Vol.268 結城浩/再発見の発想法/ロマンティック数学ナイト/老いに備える知的生活/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2017年5月16日 Vol.268
    はじめに
    おはようございます。結城浩です。
    いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
     * * *
    新刊の話。
    先週は『数学ガールの秘密ノート/積分を見つめて』 のカバーイラスト打ち合わせがありました。 結城とデザイナーさんと編集長さんとで話し合って、 カバーのイラストをどんなイメージにするか、 色合いをどうするかという意識合わせと方針決めをする場です。
    いっぽう原稿は出版社で組版を行っており、 今週中には編集部から初校ゲラが届く予定。 初校ゲラを繰り返し読み、 みっちり校正をしていくプロセスに入ります。
    ここまで来れば本が出版されることはほぼ確実ですが、 あとは品質をどこまで上げられるかですね。 時間も能力も限られているわけですので、 配分を考えつつしっかりいきたいと思います。
    そういえば打ち合わせの中でデザイナーさんから、 「数学ガールは大河小説になりつつありますね」 とコメントをいただきました。 形式上、大河小説といえるかは不明ですが、 それなりの冊数も集まりいろんな題材を扱っていますから、 ボリュームがあるシリーズになっているのは確かです。
    各巻を読んでくださる読者さんだけではなく、 全体を「シリーズ」として応援してくださる読者さんもたくさんいます。 だからこそ、一冊一冊を大切に作り上げていかなくてはね。 がんばろう!
     ◆『数学ガールの秘密ノート/積分を見つめて』  https://bit.ly/girlnote09
    この結城メルマガ執筆中に、 上記のアマゾンリンクをチェックしたところ、 なんと微積分・解析カテゴリで第一位になっていました。 応援ありがとうございます!
     * * *
    Gitを通した学びの話。
    ここしばらく結城はマストドンのインスタンスをいじって楽しんでいます。 マストドンはオープンソースなので誰でも(それなりの経験と技術があれば)、 自分でインスタンスを立ち上げることができます。
    マストドンは他の多くのオープンソースのプログラムと同じように、 バージョンに追従したりするときにはGitの知識が不可欠です。
    結城は執筆作業やプログラミングにGitをずっと使っていますが、 ふだんは一人で作業をしているので、ブランチ機能はそれほど使いません。 本家のソフトウェアに追従するというのもあまりやったことがありませんでした。
    しかし、ここしばらくマストドンをいじっている関係上、 ブランチの理解が急激に深まり、 コマンドも直観的に使えるようにスキルアップしました。
    ネットで公開されているPro Gitの本をあらためて読んでみました。 ブランチ機能の部分もさくさく読めます。 きっと頭の中に(手の中に?)自分が体験した例がたくさんできたからですね。
     ◆Pro Git 第2版(日本語)  https://git-scm.com/book/ja/v2
     ◆Pro Git - Chapter 3 Git のブランチ機能  http://bit.ly/git-doc-branch
    以下の記事は、本家のリポジトリに追従したり、 新規機能を追加したりするためのGitコマンド列を書いたものです。
     ◆gitコマンドのメモ(本家リポジトリに追従・新規機能の追加)  https://snap.textfile.org/20170509104726/
    また、以下の記事は、 本家のマストドンをforkして自分のリポジトリを作る話です。 ここまで書いて私はようやく「理解した」と実感できました。
     ◆本家のマストドンをforkして自分のリポジトリを作る話  https://snap.textfile.org/20170509111842/
     ◆Forking Mastodon (図版)
    ちなみにこの図版はMacのOmniGraffleで作りました。 描くのに掛かった時間はたぶん一時間くらいだと思います。 図を描いた後は、そこに描かれている要素をひとつひとつ指さして、 それが何であるかの説明を試み、 その説明をブログ記事の文章にします。 それは自分に対する「理解度テスト」です。
    ふだん私たちは「きちんと学ぶと実践できる」と考えがちですが、 実はそんなに単純な話ではないのかもしれません。
    見よう見まねで体験を重ねてから本を読んだり、 本を読んでる途中でも自分でやってみたり、 インプットとともにアウトプットもしたり…… そんなふうに「並行して学びが進む」側面もあるんじゃないんでしょうかね。
     * * *
    わかばちゃんの話。
    Gitといえば、湊川さんの 『わかばちゃんと学ぶ Git使い方入門』が、 アマゾンの開発技法カテゴリでずっと一位を続けているようです。
     ◆『わかばちゃんと学ぶ Git使い方入門〈GitHub、Bitbucket、SourceTree〉』  https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4863542178/hyuki-22/
    結城もKindle版を買い、ぱらぱらと読ませていただきました。 やさしい内容ですが、図解が多いのと後半部分に出てくる事例や、 追跡ブランチの話などは自分の理解の確認になりました。
    この「わかばちゃん」の本がこれだけ人気になったのは、 プログラマ向けのツール(と考えられがちな)Gitを、 Webデザイナーさんなどの新しい層に紹介したという面も大きそうです。
    ファイルの修正を任意の時点まで戻したり、 他の人の修正と混ぜ合わせたり、 どこを修正したのか調べたりするのは、 プログラマに限った作業ではありません。
    バージョン管理ツールが広く浸透し、作業をしている人たちが、 無駄な時間を使わなくなるようになればいいですね!
     * * *
    新たなマストドンアカウントの話。
    結城は、いわゆる「おひとりさまマストドンインスタンス」を動かしています。 以下のURLでアクセスできます。
     ◆social.hyuki.net  https://social.hyuki.net
    そこに hyuki というアカウントを作って投稿しているのですが、 実験的に別のアカウントも作ってみました (何しろ自分のサーバなので好きなidが作り放題なのです)。
    新しく作ったのは、 結城がはてなブックマークでブックマークしたURLを投稿するbotです。
     ◆結城浩のブックマーク  https://social.hyuki.net/@bookmark
     ◆結城浩のブックマーク(スクリーンショット)
    自分がブックマークしたページを投稿するだけなので、 特に新しい情報が増えたわけではありません。 でも、自分でこういうbotを作ってみると 「なるほど」と感じ入るものがあります。
    自分が「こういうものを作れるんじゃないかな?」と思い、 実際にそれを作ってみて動かす。ちゃんと動いたならば、 自分は理解している。ちゃんと動かなかったら、理解していない。 まさに《例示は理解の試金石》です。
    ブックマークを投稿するアカウントを作るというのは、 それほど難しい話ではありません。でも「自分の手でやってみる」 というところに私は意味を感じています。 自分でやった経験があると、世の中のbotを見たときに、 「おそらく背後ではこんな感じの仕組みが動いているんだろうな」 と想像することが容易になるからです。
    そしてまた、具体的に何かを作ると「次のステップ」も見えてきます。 今回は「結城浩のブックマーク」を投稿するアカウントを作りましたが、 何か定期的に情報を流すようなアカウントを作ることもできそうですよね。 メルマガとも違う、ニュースレターとも違う、ブログとも違う、何かです。
    プログラムの助けを借りると、ネット上ではいろんな活動ができますね!
     * * *
    いろんな活動。
     ◆いろんな結城浩(イメージ図)
     * * *
    雨の音。
    ここ数日、結城は「雨の音」を聞きながら仕事をしています。 iPhoneで以下のSimplyRainというアプリを使っているのです。
     ◆SimplyRain  https://rain.simplynoise.com
    SimplyRainとSimplyNoiseという二種類のアプリがあり、 SimplyRainでは雨の音、SimplyNoiseではホワイトノイズが聞けます。
    雨の音や波の音など、自然界の音を聞いてリラックスするというのは、 それほどめずらしくはありません。 結城も以前、眠るときに波の音を聞いていたことがありました。 SimplyRainはシンプルなデザインで、 選択肢があまりないにも関わらず、 しっくりとくる音になっています。
     ◆SimplyRain(スクリーンショット)
    SimplyRainは仕事中に聞くようにしています。 ほら、雨の日って妙に落ち着いて、 しっとりした気分になりますよね。 じっくりと腰を落ち着けて考えごとをする。 その環境を音を使って作っているわけです。
    雨の音と、ときおり遠くで聞こえる雷の音。 いまこの文章もSimplyRainを聞きながら書いています。
    結城は執筆時にバッハを聞くのが好きですが、 雨の音もなかなかいいものです。 終わりが来ず無限に聞いてられるのもいいですね。
     ◆SimplyRain  https://rain.simplynoise.com
     * * *
    比較の話。
    結城は、こんなふうに思っています。
     勝ち負けを気にしたり、  他と比べたりすると、  かぐわしさは失われる。
    誰でも、どんな分野においても当てはまることですが、 「自分より優れている人」より自分は劣っています。 「自分より劣っている人」より自分は優れているでしょう。 だとすると、基準を他者との比較に置くのはむなしいことです。 もっとも、他者とつい比べて一喜一憂するのが人間の姿でもありますけれど。
    ところで、 結城はよく「アマゾンランキング」について言及します。 あれは比較じゃないんでしょうか(と自問)。
    確かにランキングは他者との比較にほかなりませんが、 結城は「○○という本よりも自分の本がランキング上位だからすごい」 というふうに考えることは少ないみたいです。
    結城の関心は、他の本よりも読者さんにあります。 ランキング上位になるくらい、 たくさんの読者さんが私の本を応援してくださっている! そのポイントに喜びと感謝を感じるのです。
    人は多様なものです。画一的に扱うことはできません。 人が読む本も多様なものです。同じ題材を扱っていても、 ある人にとってはAという本が役に立つし、 別の人にとってはBという本が役に立つというのはよくあることでしょう。
    せっかくの自分の活動を「他者との比較」で台無しにしたくありません。 多くの人の応援を「他者との比較」でむげにするのはよくありません。
     勝ち負けを気にしたり、  他と比べたりすると、  かぐわしさは失われる。
    結城は、そんなふうに思っています。
     * * *
    それではそろそろ、 今回の結城メルマガを始めましょう。
    どうぞ、ごゆっくりお読みください!
    目次
    はじめに
    再発見の発想法 - Branch(ブランチ)
    倉庫ができれば中身もできる
    忘却と戦う代わりにスクリプトを書く - 老いに備える知的生活
    ロマンティック数学ナイトへの出題、結城浩の《挑戦状》
    おわりに
     
  • Vol.267 結城浩/マストドンとアイデンティティ(4)/若いときを振り返り、大切なものは何かを考える/

    2017-05-09 07:00  
    216pt
    Vol.267 結城浩/マストドンとアイデンティティ(4)/若いときを振り返り、大切なものは何かを考える/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2017年5月9日 Vol.267
    はじめに
    おはようございます。結城浩です。
    いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
    ゴールデンウィークも終わりましたが、 いかがお過ごしでしょうか。
    ……と書いてみたものの、 結城自身は特に休みもなく、 普通にお仕事を続けておりました。
     * * *
    新刊の話。
    『数学ガールの秘密ノート/積分を見つめて』の脱稿が済み、 先週はようやくちょっと一息ついた感じでした。
    今回の本もいつもと同様に、 何人かのレビューアさんに読んでいただいております。 書籍が出版される前に、複数人に読んでもらい、 まちがいや、読みにくいところや、 おもしろいところを指摘してもらうのはとても参考になります。
    結城はレビューアさんに無償でレビューをお願いしています。 金銭でのお礼はしていませんが、謝辞という形で感謝の意を表すことと、 編集部経由で献本させていただいています。 先日はその献本と謝辞に関する連絡メールを送りました。
    毎回思うことですが、他の人に目を通してもらうのは大事です。 結城は執筆するとき、自分なりに必死で考えるわけなので、 たいていの「指摘」は想定内に収まります。 しかしながら「なるほど!」と膝を叩くような指摘も、 毎回必ずいただきますね。
    とはいうものの、 レビューアさんからの指摘に優劣を付けるつもりはまったくありません。 「この部分に《の》が抜けていませんか?」という指摘も、 数式が右側にはみ出ていますという指摘も、 「この解答は数学的に誤りです」という指摘も重要なのです。
    指摘だけではありません。 「ここでクスッと笑いました」や「ここ、いいなあ」という感想も貴重です。 著者である私には複数人のレビューアさんからの指摘が届きますから、 複数の感想を全体として受け止めることができます。 それを通して結城は、
     「今回の本はどんなトーンで読者に見えるのか」
    という予想を立てることができます。 それが自分のねらい通りになっているかどうかを考えて、 必要ならば調整をします。
    レビューアさんからの指摘は、 細かいポイントで参考になるだけではなく、 そのような広い視野においても参考になるのです。
    まったく感謝なことですね。
    結城がインターネットを使った「オンラインレビュー」を始めたのは、 1998年の『Perlで作るCGI入門』応用編のプログラムレビューからでした (ず、ずいぶんむかしの話だ……)。
     ◆書籍執筆とオンラインレビュー  http://www.hyuki.com/writing/writing4.html
    「自分の原稿を編集者以外の他人に見せる」なんて、 最初はとてもドキドキしたものでした。 でも現在は、他人に見せることの重要性をよく理解しているので、 このプロセスなしの執筆は考えられません。
    今週は、 新刊『数学ガールの秘密ノート/積分を見つめて』 のカバーデザイン打ち合わせがあります。 予定よりずいぶん遅れてしまったので、関係者にごめんなさいしなくては……
     * * *
    Web連載の話。
    Web連載「数学ガールの秘密ノート」の方も新シーズンが始まっています。 現在は「整数に誘われて」シーズン第2章で、 最小公倍数と最大公約数のお話。
    小学生のお子さんを持つ親御さんにぜひ読んでもらいたい! と思う内容になっています。 もちろん、小学生本人に読んでもらっても問題はないのですけれど。
     ◆Web連載「数学ガールの秘密ノート」  https://cakes.mu/series/339
     ◆「整数に誘われて」シーズンのアイキャッチ画像
    倍数・約数・公倍数・公約数・最小公倍数・最大公約数……って、 小学校時代悩みませんでしたか。結城はとても悩みました。 倍数はまだいいけれど、約数はよく意味がわからなかったですね。 しかし、その「わからなかった」経験が現在の執筆に生きるのです。 人生に無駄なし!
    ところで、第193回「レンガを重ねて」(前編)には、こんな図版が登場します。
     ◆最小公倍数と最大公約数の関係図
    結城の文章と図版をベースに、 kamimuraさん(@mkamimura)がこんなプログラムを作ってくださいました。
    二つの数を入れると、その最小公倍数と最大公約数とを図示するプログラムです。
     ◆数学 - JavaScript - いろんな場合の数での最小公倍数と最大公約数の長方形と正方形  http://sitekamimura.blogspot.jp/2017/05/javascript-hyuki.html
    結城が書いた記事に、こんなふうに反応してくださるのはとてもうれしいですね! 特にWebを介したやりとりというのがいいです。 記事を書いた本人・プログラムを書いた本人だけではなく、 それを見ている多くの人が楽しむことができるからです。
    文章を書く。プログラムを書く。 そしてそれらをWebで公開し、互いに楽しむ。 そのようなコミュニケーションは、 とても現代的で知的な喜びにつながっていると思います。
     * * *
    数式の話。
    先日、@kyama0321 さんのツイートが話題になっていました。 PowerPointの数式挿入モードを使わずに数式を「構築」したという話です。
     --------  パワポの数式挿入モードを知らないで数式を記述した後輩すごい(承諾済み)  https://twitter.com/kyama0321/status/856356103201759232  --------
    これを見てつい「数式を書くならLaTeXがいいですよ」と言いたくなりました。 LaTeXならば、ちょっと書くだけで、きれいな数式ができるからです。
     ◆こんなふうに書けば……(スクリーンキャプチャ)
     ◆こんなふうに出力されます(スクリーンキャプチャ)
    これはMathJaxを使ってWeb上でLaTeXを数式にしています。 何回か紹介したことがありますが、以下のサイトで試すことができます。
     ◆Draft/Math - ちょっとした数式をメモする  https://draft.textfile.org/math/
    Draft/Mathはちょっとした数式を画像化するのに便利です。
    もう少しまとまったスライドを作るときには、 PowerPointを使わず、ぜんぶLaTeXで書いてPDFにしています。
    ひながたはこんな感じで書きます。
     ◆LaTeXで作るスライドの例  https://gist.github.com/hyuki0000/1affe61c02a3163a1d06f980be926cbe
     ◆LaTeXで作るスライドの例(スクリーンショット)
     * * *
    Prepackの話。
    PrepackというJavaScriptのツールが話題になっていました。 JavaScriptで書いた複雑なプログラムを一気に単純化するツールです。
    たとえば、 1から10までの和を計算して出力するプログラムをJavaScriptで書き、 Prepackで変換するといきなり55を出力するプログラムに変わります。 11行あるプログラムが1行になってしまいました。 以下にスクリーンショットを示します。
     ◆1から10までの和を計算するプログラムを書いたら……(スクリーンショット)
     ◆Try it out! - Webですぐにprepackを試す  https://prepack.io/repl.html
    @ryo511 さんがFizzBuzzを試していました。
     --------  FizzBuzzをPrepackしてみたら、なるほどって感じの結果になった  https://twitter.com/ryo511/status/860113035154804736  --------
     ◆FizzBuzzを試した例(スクリーンショット)
    以下のPrepackのページにはいくつかのサンプルがあります。
     ◆Prepack  https://prepack.io
    これはおもしろいですね!
     * * *
    自動判定の話。
    先日、Cookie26さんがこんな記事をQiitaに投稿なさっていました。
     ◆LSTMでどのキャラクターのセリフか判別する  http://qiita.com/Cookie26/items/6823346661f600b246eb
    『数学ガール/フェルマーの最終定理』を使って、 セリフから誰の発言かを判別する仕組みのようです。
    上の記事にも書いてありますが、興味深いのは、 「僕」がユーリに向かって言った発言を誤判定した部分。
    ユーリは「僕」のことを「お兄ちゃん」と呼ぶのですが、 「僕」も「僕」自身のことをときどき(ユーリに対する一人称として) 「お兄ちゃん」と呼ぶことがあります。
    それは、ちょうど父親が子供に対して自分のことを「お父さんはね……」 と呼ぶのに似ています。 このような一人称を正しく判定するのは難しそうですね。
    そういえば、 「相手」のことを「自分」と呼ぶ場合もありますよね。 ダウンタウンの浜ちゃんがときどき使っています。 「あなたはどう思う?」という意味で「自分、どう思う?」というのです。 こういうのも自動判定は難しそうです。
     * * *
    今日は何の日?の話。
    結城は「今日は……?」というサイトを運営しています。 運営というのは大げさですが、要するに、
     「今日が一年の何パーセントにあたる日か」
    を表示するサイトです。 ずいぶん以前にBootstrapとJavaScriptの練習がてら作ったものですね。
     ◆今日は……?  http://week.textfile.org
     ◆スクリーンショット例(これは2017年5月8日の画面です)
    作りっぱなしで放置していたのですが、 アクセス履歴を見てみると意外にたくさんの方が毎日のように見ているようですね (見ているのが人間かbotかはわかりませんが)。
    それにしても今年がすでに約34.9%も過ぎたなんて驚きです。 自分がばたばたしていても時間は容赦なく過ぎていきますね。 毎日をていねいに過ごしましょう!
     * * *
    それではそろそろ、 今回の結城メルマガを始めましょう。
    どうぞ、ごゆっくりお読みください!
    目次
    はじめに
    マストドンとアイデンティティ(4)人が集まるコミュニティ
    自分との平和を保つ
    若いときを振り返り、大切なものは何かを考える
    おわりに
     
  • Vol.266 結城浩/マストドンとアイデンティティ(3)/「ちょっと作ったもの」はどこに置く?/

    2017-05-02 07:00  
    216pt
    Vol.266 結城浩/マストドンとアイデンティティ(3)/「ちょっと作ったもの」はどこに置く?/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2017年5月2日 Vol.266
    はじめに
    おはようございます。結城浩です。
    いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
    もう五月ですね!
     * * *
    新刊の話。
    『数学ガールの秘密ノート/積分を見つめて』脱稿しました!
    レビューアさんからの指摘を反映したり、 全体的な校正や見直しも必要になりますが、 まずは一段落。正直、ほっとしました!
    今年になってからプライベートでいろいろあったので、 ずいぶん遅れてしまいましたが、何とかここまでやってきました。 応援ありがとうございます!
     ◆『数学ガールの秘密ノート/積分を見つめて』  https://bit.ly/girlnote09
     * * *
    翻訳の話。
    「数学ガール」シリーズや「数学ガールの秘密ノート」シリーズ を翻訳しているBento BooksのTony Gonzalez氏が、 こんなツイートをしていました。
     --------  Happy to be starting translation of  “Math Girls 4: Randomized Algorithms”  this week! Get ready to meet a new Math Girl! =)  https://twitter.com/tonygonz/status/857404907044851712  --------
    そうです。シリーズ第4巻『数学ガール/乱択アルゴリズム』 の英語版がいよいよ翻訳開始なのです!
     ◆『数学ガール/乱択アルゴリズム』  http://www.hyuki.com/girl/random.html
    応援よろしくお願いいたします。
     * * *
    インタビューの話。
    CodeIQ MAGAZINEに、結城のインタビュー記事が掲載されました。 マンガです!
     ◆数学ガールの結城浩先生に会ってきたよ!   ──わかばちゃんが行くオフィス訪問マンガ  https://codeiq.jp/magazine/2017/04/51074/
     ◆結城浩先生にインタビューしてきたよ!
    湊川あい(@llminatoll)さんが連載している「オフィス訪問マンガ」 への登場です。「オフィス訪問」ですが、 結城には「オフィス」がないので、 カフェにてインタビューしていただきました。
    分野を超えて考えること、人に教えるときの心がけ、 それに肯定的にとらえる話など。 ぜひお読みください!
    なお、湊川さんが最近出版なさった、 『わかばちゃんと学ぶ Git使い方入門』は、 アマゾンの開発技法カテゴリで第1位を続けているとのことです。
     ◆『わかばちゃんと学ぶ Git使い方入門』(湊川 あい著+DQNEO監修)  https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4863542178/hyuki-22/
    ちなみに、湊川さんとのやりとりではesa.ioを使いました。 esa.ioでは、文章はもちろんのこと、画像もさくさく文書に挿入できるので、 マンガのラフ、下書き、清書に関して、 たいへん軽やかにやりとりを進めることができました。
    Markdownで文章を書き、クリップした画像を挿入し、 それを湊川さんとシェアしました。なかなかいいですね。
     ◆esa.ioで情報共有している様子(1)
     ◆esa.ioで情報共有している様子(2)
     ◆esa.io  https://esa.io
    esa.ioは「情報を育てる」という視点で作られた、 自律的なチームのためのドキュメント共有サービスです。
     * * *
    英語の話。
    先日、こんな記事を見かけました。
     ◆正直、英語が一定レベルを越えたら”他に何ができるか”の方が大事  http://arairio.com/abroad/other-than-english
    新井リオさん(@_arairio)のブログです。 「カナダ在住、グラフィックデザイナーでバンドマン」 と自己紹介にありました。
    この記事の中では、 海外生活をするときのスキルとして「英語」だけを考えがちだけれど、 実は「デザイナーでバンドマンであること」が他者から評価されている…… という話が書かれていました。
    英語圏に行くと、自分の英語力の低さに落ち込むけれど、 「自分の英語力ではない部分が海外でもちゃんと評価される」 と知ってはじめて、
     「英語だけじゃないんだ、自分はここで生きていてもいいんだ」
    と思えたとのこと。
    なるほど、ですね。
    先週の結城メルマガに書いた「コアコンピタンス」にも通じるかもしれません。 自分はいったい何で評価されているのか、何で評価されたいのか、 そこをつかんでおくことは大事なことでしょう。
     * * *
    マストドンの話。
    今回の結城メルマガでは、 最近話題のSNSであるマストドンの話を書きます。 今回はシリーズ三回目。 (1)では「マストドンというもの」を紹介し、 (2)では「マストドンのインスタンスを立てる」話をしました。 (3)では「マストドンを活用する」話をしましょう。
    先日結城はsocial.hyuki.netに、 「おひとりさまインスタンス」を実験的に立てました。
     ◆結城浩のマストドン(social.hyuki.net)実験中  https://social.hyuki.net/@hyuki
     ◆結城浩のマストドン(social.hyuki.net)イメージ図
    現在のところは mstdn.jp の @hyuki0000 をメインで使っています。
     ◆結城浩のマストドン(hyuki0000)  https://mstdn.jp/@hyuki0000
    最近は、数式が書ける mathtod.online もお気に入りです。
     ◆結城浩のマストドン(mathtod.online)  https://mathtod.online/@hyuki
     ◆結城浩のマストドン(mathtod.online)イメージ図
    先日は、日本での流行を受けて「マストドン会議」 というものも開かれていたようですね。
     ◆【定員拡大&会場変更しました】マストドン (Mastodon) が   ネットを変える可能性を、いま語らずしていつ語らう!  http://ascii.jp/elem/000/001/470/1470487/
     ◆【マストドン会議】時代の節目を何度も体験すると、   匂いだけでなにが起きるか想像できる【回顧録】  http://ch.nicovideo.jp/akiba-cyberspacecowboys/blomaga/ar1253674
     ◆わずか10日で緊急設営 超会議の「マストドン」ブースに行ってみた  http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1704/29/news048.html
    先日(2017年4月22日)にとったアンケートでは、 マストドンの知名度はざっくりこんな感じでした(結城のフォロワーが主な対象)。 連休明けたときにはどんな感じになっているでしょう。
     ◆マストドンアンケート
    マストドンといえば、 早くも書籍が登場するようです。
     ◆『これがマストドンだ! 使い方からインスタンスの作り方まで』  https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844397729/hyuki-22/

    Kindleではすでにマストドンの本が出ていますね。
     ◆Mastodonとは: 脅威の分散型SNS  https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B071RBSLH6/hyuki-22/
    結城は、自分でインスタンスを立ててから、 マストドンについてあれこれ考えています。 次に求められる本として、
     『はじめてのマストドン管理者/   維持費用、運用体制、バージョンアップ、コミュニティ維持』
    なんて企画はどうでしょうね。
    一ヶ月以内に出て、まだマストドンが流行っていたならば、 それなりに需要がありそうです。 結城は書かない(書けない)ので、どなたか……
    この本は、どこかのクラウド業者とタイアップして書くという案もありそうです。 業者を決めると話を具体的にできるし、 技術的なミスも防げるので読者も安心です。 本買った人にクラウド割引する手も。 クラウド業者は新規顧客を見込めるので本の価格も抑えられるかも。
    アップデートやトラブルシュートについて手厚めに書くのがいいはずです。 こまごま書かなくてもいいですが、 いかにも起きそうな大きなトラブルは具体的な解決法まで書くのです。 読者の不安に応えるなら、いい本になりそうです。
    「やめかた」も書くのがいいと思います。 技術的な側面と業者との契約解除の話とネットコミュニティ的な側面とで、 「やめかた」についても書く内容はありそうです。 「この本を買えば、始まりから終わりまで一通り網羅しているな」 と思ってもらえるのが大切ですね。
    ……などと、 自分が書かない本について考えるのは楽しいな……
    マストドンについては、後ほどまた。 今回は「マストドンの活用」について。
     * * *
    統計の可視化サイトの話。
    Seeing Theoryというサイトを見かけました。 このサイトでは、 確率や統計のいろんな題材を見て、触って、体験できます。 美しくて、しかも楽しいサイトですね。
     ◆Seeing Theory  http://students.brown.edu/seeing-theory/
     ◆Seeing Theory(トップページスクリーンショット)
     ◆中心極限定理(スクリーンショット)
     * * *
    それではそろそろ、 今回の結城メルマガを始めましょう。
    どうぞ、ごゆっくりお読みください!
    目次
    はじめに
    マストドンとアイデンティティ(3)マストドンを活用する
    「ちょっと作ったもの」はどこに置く?
    おわりに
     
  • Vol.265 結城浩/マストドンとアイデンティティ(2)/核になるものを見つける/夫婦は不思議/

    2017-04-25 07:00  
    216pt
    Vol.265 結城浩/マストドンとアイデンティティ(2)/核になるものを見つける/夫婦は不思議/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2017年4月25日 Vol.265
    はじめに
    おはようございます。結城浩です。
    いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
     * * *
    新刊の話。
    『数学ガールの秘密ノート/積分を見つめて』を書いています。 予定よりだいぶ遅れてしまいましたが、 ようやく脱稿が見えてきました!
    先週は第5章と第3章の残りをレビューアさんに送ることができました。 今週はエピローグとあとがきを書く予定です。 そこまでいけば、いったん脱稿し、 編集部に原稿を送れる……かな?
    原稿を送ったら、編集部の方で原稿整理しているあいだに、 レビューアさんの指摘事項を結城の方でチェックします。 そこからは並行して作業を進めていくことになりますね。
    考えてみれば現時点でも、著者である結城と、 レビューアさんの間では並行作業をしていることになります。 結城は一つの章を書き上げるごとにレビューアさんに原稿を送っています。 結城が次の章を書き進めるあいだに、 レビューアさんは原稿を読み、 結城あてにフィードバックをくれるからです。
    アマゾンではすでに予約が始まっていますので、 これからも気を抜かずにがんばろう!
     ◆『数学ガールの秘密ノート/積分を見つめて』  https://bit.ly/girlnote09
    応援よろしくお願いいたします!
     * * *
    マストドンの話。
    今週の結城メルマガでは後ほど、 最近話題のSNSであるマストドンの話を書きます。 先週の続きです。
    先日結城はsocial.hyuki.netに、 「おひとりさまインスタンス」を実験的に立てました。
     ◆結城浩のマストドン(social.hyuki.net)実験中  https://social.hyuki.net/@hyuki
    でも、現在のところは mstdn.jp の @hyuki0000 というアカウントをメインで使っています。
     ◆結城浩のマストドン(hyuki0000)  https://mstdn.jp/@hyuki0000
     ◆マストドンやってます(告知画像)
    詳しくはまた後ほど。
     * * *
    自分最古のツイートの話。
    ところで、ふと、
     自分がTwitterでいちばん最初につぶやいたのはいつごろで、  いったいなんとツイートしたんだろう?
    という疑問が心に浮かびました。
    調べてみますと、最初のツイートは 2007年4月21日ですね。これです。
     --------  Created my twitter account.  https://twitter.com/hyuki/status/34236342  --------
     ◆スクリーンショット
    驚くべきことに、ちょうど十年前です(!)。
    この「結城が行った最古のツイート」は、 Twitterの「全ツイート履歴」から見つけました。
    Twitterには標準で「全ツイート履歴」を得る機能があります。 自分のツイートをバックアップしておきたい人には有益な機能ですね。
    Webでメニューの「設定とプライバシー」から、 「全ツイート履歴」をリクエストできるのです。
     ◆Twitter「設定とプライバシー」  https://twitter.com/settings/account
     ◆「全ツイート履歴」のリクエスト(スクリーンショット)
    「全ツイート履歴」では、 ツイートしたテキストが単にダウンロードできるだけじゃありません。 リンクをたどることもできる「生きた」形でのエクスポートになりますので、 過去を遡ってみることも容易です。
     * * *
    『数学ガール』紹介ビデオの話。
    先日(2017年4月10日)に、 結城の書籍『数学ガール』が紹介されているYouTube動画を見つけました。 ドラマーの神保洋平さん(@yoheijimbo)の動画です。
     ◆【数学ガール】女子高生と書評【結城浩】  https://youtu.be/Aa46z7J95wU
     ◆スクリーンショット
    動画の内容は『数学ガール』の紹介なのですが、 じんじん先生(神保さん)のやさしい数列の話もあって楽しかったです。
    おもしろいと思ったことが一つ。 画面に映っているのは本を紹介している神保さんだけなのですが、 ひとりでずっと話しているわけではありません。 画面には映らない人がときどきツッコミや質問を投げかけています。
    つまり、仮想的な《対話》がそこに提示されているというわけです。
    その《対話》によって、 視聴者は動画の内容を受け取りやすくなっているのですね。
    結城は、『数学ガール』や『数学ガールの秘密ノート』を書いていて、 《対話》がいかに大切であるかをいつも感じています。 登場人物たちは、数学トークという《対話》を行っています。 疑問を投げかけたり、それに答えたり、 相手の発言に異議を唱えたり。 そのようなやりとりがあることで、 ややこしい内容を解きほぐすことができています。
    解きほぐしているのは登場人物ですが、 その解きほぐしている場面に、 読者(視聴者)が立ち会い参加しているのが大事なのではないか…… と結城は思っています。
    そんなことを神保さんの動画を見ながら思いました。
    神保さんのブログにも、数学がいっぱいありますね!
     ◆ひとりごち - 神保洋平さんのブログ(id:yoheijimbo)  http://final-jinjin.hatenablog.com
     * * *
    素数の話。
    こんなツイートを見かけました。
     --------  そもそも143が『11と13の積』っていう  「お前素数じゃないのかよ」界のサラブレッドなので、  そこに数多の『素数っぽい数字』を生み出した  直感に反するベテラン7をかける事によって、  1001の「お前素数じゃないのかよ」  具合はそんじょそこらの自然数では太刀打ち出来ないレベルにまで達する。  https://twitter.com/ebleco/status/851382665060139009  --------
     --------  143が素数っぽいって言われたら  「え、何いってるの・・・?」って感じあるし、  1001も同様なんだけど、  289の素数っぽさは個人的に凄いと思うし、  これは個人差がありそう。  https://twitter.com/chokudai/status/851945592590925825  --------
    結城には、143も289も1001も素数っぽく感じられます。
    何が「素数っぽい」かはさておき、 こういうツイートを見かけると、 結城も何か気の利いたことを言いたくなってきますね (自己顕示欲の発露)。 そこで、考えたのがこれ。
     --------  「314159」  「円周率?」  「素数」  https://twitter.com/hyuki/status/851947822324752384  --------
    「314159」という数の並びを見ると、 多くの人が円周率の、
     3.14159...
    のことを想像します。 でもよく見ると「3.14159」ではなくて「314159」。 そしてこの数は「素数」です。 おもしろいですよね(無理矢理に賛同を求める姿勢)。
    ちなみに「314159が素数である」というのは、 自分で暗記していたわけではありません。 ふと、円周率っぽい数の並びで素数はあるかな……と思ったときに、 「素数判定ツール」を検索して見つかった以下のサイトで調べました。
     ◆素数判定ツール  https://www.keisan-mondai.com/sosuu.htm
    これを使って(手で)調べてみると、
     3 は素数である  31 は素数である  314 は素数ではない  3141 は素数ではない  31415 は素数ではない  314159 は素数である
    となるようですね。
    Rubyには素数に関する prime というライブラリがあるので、 少しプログラムを書けば同じことを実現できます。
     ◆円周率のような数字列を頭から見て素数を探す(prime.rb)  https://gist.github.com/hyuki0000/8a84085715545078942163abf4d01aff
    実行結果は、以下のようになります。
     --------  3 is prime.  31 is prime.  314 is not prime.  3141 is not prime.  31415 is not prime.  314159 is prime.  3141592 is not prime.  31415926 is not prime.  314159265 is not prime.  3141592653 is not prime.  31415926535 is not prime.  --------
    この Prime というモジュールには、 素数を列挙するメソッドもありますので、 いろいろ楽しめそうです。
     ◆primeライブラリ  https://docs.ruby-lang.org/ja/latest/library/prime.html
     * * *
    円周率の話。
    円周率についてこんなアンケートを取ってみました。
     --------  円周率は3.1415926535...と無限に数字が並びます。  この数字の並びの中に0は出てきますか?  --------
    結果は以下の通り。
     ◆アンケート結果(スクリーンショット)
    1003票のうち66%が「0は出てくる」で、 34%が「0は出てこない」でした。
    以下のように「0は出てくる」が正解です。
     3.14159265358979323846264338327950…
    想像より誤答の人数が多かったですね。
    結城がこの問題を出したのは、
     (1) 割り切れること(有限小数で表せること)  (2) 数字の並びに0が出てくること
    という二つの概念は混同しやすそうだなと思ったからです。
    円周率は有限小数では表せませんので(1)は満たしませんが、 0は出てくるので(2)は満たします。
    割り算の場合には0が出ると、 「割り切れた!終わりになった!」という気分になります。 割り切れること(1)と、数字の並びに0が出てくること(2)とは、 別の概念なのです。
     * * *
    統計の話。
    先日、大羽成征さん(@shigepong)がツイートなさった、 以下の図に大変感動しました。
     ◆大羽成征さん(@shigepong)による「母集団・母数・標本・統計量」の図
     ◆大羽成征さんのツイート  https://twitter.com/shigepong/status/852328842681131009
    この図では、母集団・母数・標本・統計量という4つの概念が、
     ・未知か既知か、  ・現実かモデルか、
    という二つの軸で整理されています。
     母集団は、未知の現実  母数は、未知のモデル  標本は、既知の現実  統計量は、既知のモデル
    ということになります。そしてさらに、
     サンプリングとは、  「未知の現実」である母集団から、  「既知の現実」である標本を得ること
    などのように、四つの概念の相互関係も図から読み取れます。 すばらしい!
    この図を見ると、統計では「似て非なるもの」 が重要概念になっていることがよくわかります。 似たような文字、似たような記号で、 異なる四つの概念を扱うのですから、 難しく感じるのはあたりまえかもしれません。
    この図を見て感動するのは、 その似て非なる部分がきれいに整理されているからでしょう。 頭の中がきちっと整えられていく感じがします。
     * * *
    Webで動くMacintoshの話。
    1991年のMacintosh OS System 7.0.1がWebブラウザで動作する、 というニュースを知りました。
     ◆Macintoshの「System 7.0.1」がウェブブラウザーで操作できる、Internet Archiveが公開  http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1055220.html
    本体は以下です。
     ◆MacOS System 7.0.1 Compilation  https://archive.org/details/mac_MacOS_7.0.1_compilation
    このページの中央にある「電源ボタン」を押すと、 各種データをダウンロードして、やがて……
     Welcome to Macintosh
    というオープニングになります。感動ものですね!
     ◆ブラウザで動くMacintosh(1)スクリーンショット
    そしてもちろん、Macの操作画面に移ります。 Macの操作は、ふつうにマウスで行うことができます。 ほんとにWebブラウザ内でMacが動いているのです。
     ◆ブラウザで動くMacintosh(2)スクリーンショット
    以下は、製図ソフトのMacDrawを動かしているようすです。
     ◆ブラウザで動くMacintosh(3)スクリーンショット
    むかしハードウェアで実現していたものが、 現在は、JavaScriptの上で動いていることになります。 まったく驚きですね!
     * * *
    それではそろそろ、 今回の結城メルマガを始めましょう。
    どうぞ、ごゆっくりお読みください!
    目次
    はじめに
    マストドンとアイデンティティ(2)
    核になるものを見つける - 仕事の心がけ
    夫婦は不思議
    おわりに
     
  • Vol.264 結城浩/マストドンとアイデンティティ/書くことと学ぶこと/

    2017-04-18 07:00  
    216pt
    Vol.264 結城浩/マストドンとアイデンティティ/書くことと学ぶこと/
    結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2017年4月18日 Vol.264
    はじめに
    おはようございます。結城浩です。
    いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
    先週は、 雨をくぐり抜けて咲く桜を楽しむことができました。
    でも、関東の桜の花はそろそろ終わり。
    春から初夏へ少しずつ季節は移っていきます。
    2017年になってばたばた忙しかった結城の生活も、 ありがたいことに、少し落ち着いてきたようです。
    本の完成へ向けてがんばらなくては。
     * * *
    新刊の話。
    『数学ガールの秘密ノート/積分を見つめて』を書いています。 当初の予定よりずいぶん遅くなってしまいましたが、 先週はやや進捗がありました。 第3章と第4章をレビューアさんに送ることができたのです。
    今週は第5章とエピローグに取り組む予定。
    結城は執筆作業を進めるときに、簡単な作業ログを書いています。 そして作業開始時には、 自動的に最近の作業ログが表示されるようにしています。 最近の作業ログはこんな感じです。
     ◆『数学ガールの秘密ノート/積分を見つめて』作業ログ(スクリーンショット)
    構成を大きくいじっているときには作業ログにもいろいろ書くのですが、 微調整の段階になってくるとあまり書くことがありません。 ひたすら何度も何度も読んでいき、ちまちまと直すだけです。 なので、作業ログも「第3章。」だけになっちゃってますね。
    作業ログをときどき読み返すのはモチベーションアップになります。 「なぜこんなに作業が進まないんだろうか」という疑問に対して、 「そもそも時間が掛かる作業なのだ」というのを実感できるからです。
    自分はベストを尽くしていると実感できるのは、 次の一歩を進める上で重要です。
     ◆ただいま朱入れ中……
    アマゾンではすでに予約が始まっていますが、 焦ることなく最高の作品を作っていきましょう!
     ◆『数学ガールの秘密ノート/積分を見つめて』  https://bit.ly/girlnote09
     * * *
    ホームビデオの話。
    先日、ひょんなことから妻と二人でホームビデオを見ていました。 いまから二十年以上もむかしのビデオです。 長男が生まれたころ、 彼女と私の両親がお祝いに集っているところなど。
    当時のビデオはシャープの液晶ビューカムで撮りました。 撮影してから数年して別の機械(たぶんソニー)を買ったので、 それで再生できるメディアに移し替えました。 また数年経って今度はVHSに移し替えました。
    物理メディアは適当なタイミングで移し替えないと、 機械がなくなって再生できなくなったりします。 こんなこと繰り返してもしょうがないと思い、 結局、ある時点でMP4ファイルに落としました。 現在はDropboxで管理しています。
    物理的な「もの」を管理するのは、 自分の住居スペースを圧迫しますし、 破壊や劣化を招く場合もあります。 電子的な形で保存できるなら、 それに越したことはありません。
    二十年以上も前のホームビデオを見ると、 なつかしいと思うのはもちろんです。 でも、切なさとか、さみしさとか、 何ともいえない独特の感情を抱くようになってきました。
    ビデオに写っている父親二人はどちらも他界していますし、 母親二人も(そして私たち夫婦も)みんな二十年分、 歳をとっているわけです。
    時が流れると、すべてが変化していくのですね。
    もののあはれ。
     * * *
    MathJaxの話。
    Webで数式交じりの文章を美しく表示するとき、MathJaxは便利です。 WebページのheadでMathJaxの設定をするだけで、 Webページ中に書かれたLaTeXコマンドが数式に変換されます。
     ◆MathJax  https://mathjax.org/
     ◆MathJax公式ページのサンプル
    たとえば、CakesのWeb連載「数学ガールの秘密ノート」でも、 MathJaxを利用しています。
    先日、MathJax公式から「MathJax CDNのサービス終了」 というアナウンスがありました。具体的には、
     cdn.mathjax.org  beta.mathjax.org
    でのCDNサービスを停止するということです。 ここにリンクしてMathJaxを利用している人は、 代替サービスとして、
     cdnjs.cloudflare.com
    を使うことが求められています。
    結城も、自分が管理しているサイトをチェックして、 期限となっている2017年4月末までに直さなくては。
    詳しい情報や、具体的にどのように変更すればいいかは、 以下のページで解説されています。
     ◆MathJax CDN shutting down on April 30, 2017.   Alternatives available.  https://www.mathjax.org/cdn-shutting-down/
     * * *
    コンピュータサイエンスの授業の話。
    先日、Rui Ueyamaさんのnote(ノート)を読みました。 Rui UeyamaさんはシリコンバレーのGoogleで働きつつ、 スタンフォード大学で学んでいる方です。
     ◆スタンフォードのコンピュータサイエンスの授業の感想  https://note.mu/ruiu/n/n4d720b650c5b
    これを読んでいると、すごく楽しそう!と感じます。
    難しくても、大変でも、 やっぱり学ぶって楽しいことなんですよね。
    それにしても、Webがなかった時代には、 さっきのnote(ノート)のような個人の体験記を見る手段って、 ほとんどなかったんじゃないでしょうか。
    ふつうの人がどんなことを考えているか、 それを垣間見ることができるのが現代なのですね。
    Webの黎明期には「個人が行う情報発信」 ということがよく言われました。 そこには「個人が特別のことを情報発信する」 というイメージがあったように思います。 でも実は、各個人が「自分の日常」を語るだけでも、 十分おもしろい情報発信になっているんだと思います。
    Twitterや、後ほどお話するMastodon(マストドン)でも、 自分のふだんの当たり前の日常を語っているわけですし。
     * * *
    TAOCPの話。
    The Art of Computer Programming(略称TAOCP)といえば、 LaTeXを作ったKnuth先生のライフワークである書籍シリーズです。
    「アルゴリズムの解析」を扱ったこのシリーズの最新刊、 (第4A巻)の日本語訳が出ました。
     ◆The Art of Computer Programming Vol.4A日本語訳  https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048930559/hyuki-22/
    こういう本は即買いしています。
    実をいうと、TAOCP Vol.4Aは原書のときも購入しています。 しかも二冊。一冊はスキャンしてPDFにしています。 もう一冊は紙のまま使っています。
    さらにいうなら、Vol.4Aとしてまとまる前の分冊(Fascicle) も原書と日本語訳を買っています。 いったい何回買うんだ自分……
    結城には、このレベルの難しさの本は、 すべてが読めるわけではありません。でも、 すべてが読めないわけでもありません。 ということは、この本の中には、 自分の「読める/読めない」の境界線があるということになりますね。
    《自分の理解の最前線》にはおもしろいものがいっぱいあります。 それは経験上よくわかっています。 少しがんばって読み解けば「なるほど、そういうことか!」 といえるものがたくさんあるということですね。 開けるのに少し力が必要なおもちゃ箱といいますか、 宝石箱といいますか。
    なので、やや背伸びをしても、ともかく本を買う。 手元に置いて、ときどきパラパラとめくる。 読めそうなところがあったらじっくり読む。 そんなことを繰り返そうと思っています。
    そんなことをしても、 今日明日で何かが起きるわけではありません。 でも、一年二年しているうちに、 おもしろいことが起きる(かもしれません)。
    『コンピュータの数学』も、 そんなふうにして読んでいったんですよ。 問題を解くまではいかないけれど、 内容はずいぶん読めるようになったんじゃないかなあ。
     ◆『コンピュータの数学』(グレアム+クヌース+パタシュニク)(アマゾン)  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320026683/hyuki-22/
     * * *
    カフェで見た女の子の話。
    カフェで仕事中、 三歳くらいの女の子が店の中を歩いているのを見かけた。
    その後ろを、五歳くらいの男の子が歩いている。 女の子が歩く速さに合わせて歩いているので、 たぶん、女の子のお兄ちゃんなんだろう。
    女の子は身体全体を使って、
     「わたくし、機嫌悪いんですのよ」
    という雰囲気をまわりにふりまいている。 彼女の顔の動きも、手を組む仕草も、 ときどきちらっとお兄ちゃんを振り返る視線も、 まるで大人の女性のように見える。
    お兄ちゃんは、 つたない表現でなだめる言葉を口にしつつ、 不機嫌な妹の後をずっと歩き続けている。
    私は、そんな二人を眺めていた。
     * * *
    では、そんなところで、 今回の結城メルマガを始めましょう。
    どうぞ、ごゆっくりお読みください!
    目次
    はじめに
    数学の問題に挑戦しよう!(問題編)
    マストドンとアイデンティティ
    書くことと学ぶこと - 本を書く心がけ
    数学の問題に挑戦しよう!(解答編)
    おわりに