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記事 5件
  • Vol.131 結城浩/講演準備はどうしているか/Distraction Free Editorを作ってみた/古今和歌集を読む/

    2014-09-30 07:00  
    216pt
    Vol.131 結城浩/講演準備はどうしているか/Distraction Free Editorを作ってみた/古今和歌集を読む/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2014年9月29日 Vol.131
    はじめに
    おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
     * * *
    来月(10月)刊行の『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』、 再校読み合わせが無事に終わりました。 もうこれで、内容に関して結城の手はほぼ離れました。
    編集部では第三校(念校)を出して、最終チェックを行います。 編集部で解決できない問題があるときに限り、 結城に質問がやってきます。
    ちなみにこのとき、内容に大きなミスがあると緊迫感が漂います。 修正する時間は多くありませんからね。
     ◆『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797375698/hyam-22/
    あとはサイン本作成、レビューアさんに献本送付、 それから無料プレゼント当選者への送付など、 残っているのは楽しいプロセスばかりです。来月の刊行が楽しみ!
    そして「数学ガールの秘密ノート」シリーズとしては、 五冊目の準備に入ることになります。 これもまた楽しみなお話です。
    新刊、応援してくださいね!
     * * *
    結城のアイコンの話。
    先日、森下なづなさん(@naduna_m)が結城のアイコン「スレッドお化け坊や」の 「編みぐるみ」を作ってくださいました。以下です。
     ◆森下なづなさん(@naduna_m)による「スレッドお化け坊や」の編みぐるみ
     ◆元ツイート  https://twitter.com/naduna_m/status/513662166814052352/photo/1
    小さくてすごくかわいいですね。足下(?)のフレア感がすばらしいです。 関連するツイートを以下にまとめました。
     ◆【3D化】結城浩のアイコン編みぐるみの作り方  http://togetter.com/li/722274
    上のまとめには森下さんが作ったくださった編み図もありますので、 編み物が好きな方は作ってみてはいかがでしょう。
     * * *
    「スレッドお化け坊や」のアイコンを作るといえば、 数学ガールの「痛車」を作ったしょいんさん(@shoin39)が、 「ねんどろいど」とクレイを使って楽しいツイートをなさっていました。
     ◆スレッドお化け坊やと数学ガールのミルカさん
     ◆単連結な2次元閉多様体について語り合うオバケと饒舌ガール  https://twitter.com/shoin39/status/514753052608180225
     ◆オバケ完成形  http://twitpic.com/ec2n5y/full
    楽しいツイートを、ありがとうございます!
     ◆しょいんさんの「痛車」(茉崎ミユキさんの書き下ろしイラストの車)  http://akihabaraudxparking.blogspot.jp/2013/09/udxsnapno1019-toyota.html
     * * *
    ここもふさん(@cocomoff)が、数学的なグラフを使って「スレッドお化け坊や」を描いてくださいました。 とっても楽しい! なかなかの力作です。
     ◆数学的なグラフで作った「スレッドお化け坊や」
     ◆元ツイート  https://twitter.com/cocomoff/status/515444217716281344/photo/1
    折しも(?)季節はハロウィン。お化けの季節ですね。 あなたも結城のアイコン「スレッドお化け坊や」で何か作ってみませんか?
     * * *
    さて。
    なぜか最近急に「古今和歌集」を読み始めました。
    以前から短歌には興味があったのですが、 ふと「そうだ、古今和歌集を読もう」と思い立って少しずつ読んでいます。
    ただ読むだけではつまらないので、 自分で古語辞典を引いて現代語訳を作ろうと思います。
    以下のnote(ノート)にまとめていますので、 ご興味のある方はフォローをお願いします。
     ◆古今和歌集を読む(結城浩)  https://note.mu/hyuki/m/mfa4fe40c022b
    これについては、後ほどもう少し詳しくお話しします。
     * * *
    よい教育の話。
    熊猫さん(@Shirokumahakase)のツイートの中にあった、 UCバークレーで「よい教育とは何ですか?」という質問への答えが秀逸でした。
     > 時代が求めている知識は、時代が変われば古くなる。  > 私たちが学生に提供できるのは、  > 問題を設定し、適切な手段で解決するその方法自体だと思っている
     ◆元のツイート  https://twitter.com/Shirokumahakase/status/513347422630600704
    これはすばらしい。 結城は今週末に講演会があるのですが、 そこで話そうとしていたことに通じるものがあります。結城は、
     教師の仕事は知識を伝えることではない。
    とつねづね思っています。 ただ、もちろんこれはキャッチフレーズとしてはいいのですが、 厳密には言い過ぎです。具体的な知識を伝えることは必要ですから。
    知識を伝えつつ、そのプロセスを通してもっと深く、広いものを伝える。 それが教師の仕事だと思っています。
    たとえばそれは「問題解決の方法」だったり、 「物事の本質を捕らえて味わう体験」だったりします。 そのような一般化、普遍化がなされないとしたら、 教育というものは(教える方も学ぶ方も)つまらないでしょう。
    そう思いませんか。
     * * *
    Webの話。
    前回の結城メルマガで「結城のWeb日記の文字コードはShift_JISで、 なかなかUTF-8に変えられない」ということを書いたのですが、 そう書いたことで意識がそちらに向かってしまいました。
    つまり重い腰を上げて「どれ、じゃあ、UTF-8に変換するか」という気持ちになったのです。
    現在のフォーマットで書いてあるのは、 2002年1月から2014年9月までの日記です。 一ヶ月で一つのHTMLファイルになっているので、全部で153ファイルあります。 といっても、結城はHTMLファイルを直接編集しているわけではなく、 自作のMakeWebという変換プログラムを作って生成しています。 ですから、MakeWebに入力する元ファイルを直すだけで済みます。 プログラムを少し直すだけで、変換は一瞬で終わりました。 こういうときはコンピュータの威力を痛感します。
    ちなみにMakeWebというのは現代風にいえばMarkdownみたいなものですね。 もっと複雑ですけれど。
    「変換は一瞬」と書きましたが、トラブルが起きることを予想して、 変換前にいったん全ファイルをバックアップします。 ファイルが壊れるなど、何か致命的なことが起きたら、 変換前の時点まで戻ることができるようにしておくのです。
    こういうときは「ファイルを整理してからバックアップ取ろう」と考えちゃだめです。 ゴミファイルが残っていても、かならず「作業前」にバックアップ取るのがコツ。 現時点の状態を保全することが重要なのです。 整理中に誤って重要なファイルを消してしまうミスを防ぐためです。
     * * *
    今週末には高校の数学の先生方を対象とした講演会を予定しています。 準備のスライドの骨子はほとんどできたので、今週は細かい修正を繰り返します。
    講演会は一般の方は参加できないのですが、 以前の『数学ガールの特別授業』のように、今回の講演の内容も読み物の形にリライトし、 結城メルマガの読者さん向けに配信する予定です。 どうぞお楽しみに。
     ◆『数学ガールの特別授業』  http://www.hyuki.com/girl/lesson.html
    今週の講演会は、 『数学ガールの誕生』のときのように書籍の形にもまとめたいと思っています。 『数学ガールの誕生』のときは大学の先生と編集者が聴衆でしたが、 今回は高校の生徒と先生が聴衆ということで、まとまりもよさそうですよね!
     ◆『数学ガールの誕生』  http://www.hyuki.com/girl/birth.html
    講演に使うスライドとして、 結城はLaTeXを使ってプレゼンテーション用のPDFを作っています。 つまり、KeyNoteやPowerPointは使っていません。 講演会のスライド準備については、また後ほどお話しします。
     * * *
    映画の話。
    アラン・チューリングは、コンピュータに関わる人ならみな知っている数学者です。 コンピュータの理論的研究で必ず学ぶ「チューリングマシン」や、 人工知能の思考実験で登場する「チューリングテスト」にその名前が出てきますね。
    そのチューリングの人生を描いた映画が来年2015年に公開されるようです。 主役は"Shirlock"で有名なベネディクト・カンバーバッチとのこと。
     ◆実在の天才数学者A・チューリングの数奇な人生描く映画、主演はB・カンバーバッチ  http://www.cinra.net/news/20140916-theimitationgame
    特に、数学的内容や計算機科学的内容がどう表現されるかにちょっと注目しています。
    (期待しすぎてはいけませんが……)
     * * *
    それでは、そろそろ結城メルマガを始めましょう。 お楽しみください!
    目次
    はじめに
    講演の準備をする - 文章を書く心がけ
    Distraction Free Editorを作ったお話 - 文章を書く心がけ
    古今和歌集を読む
    おわりに
     
  • Vol.130 結城浩/やってみて、はじめてわかることがある/いつもくよくよ/母の話/

    2014-09-23 07:00  
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    Vol.130 結城浩/やってみて、はじめてわかることがある/いつもくよくよ/母の話/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2014年9月23日 Vol.130
    はじめに
    おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
     * * *
    今週は、『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』の再校読み合わせがあります。 編集部に出かけていって、再校ゲラを一ページ一ページめくり、 疑問点や修正事項のチェックをするのです。
    とはいえ初校読み合わせとは違ってずいぶん「なめらか」になっていますから、 再校読み合わせはそれほど問題は起きないと思います。 時間もきっと短時間で済むでしょう。 再校読み合わせでは文中イラストの確認なども行います。
    考えてみますと、Web連載→再編集で原稿書き→初校→再校というプロセスで 一冊の本ができあがるわけですよね。このテキストとも長いおつきあいです。 本書に収められているWeb連載をしていたのは昨年(2013年)の5月31日〜8月2日。 なんと、一年以上も前のことです。 先のことを考えて仕込みをしておくって大事だなあと改めて思います。
    現在はアマゾンで予約が始まっています。 来月刊行の『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』の応援をよろしくお願いいたします。
     ◆『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797375698/hyam-22/
     * * *
    「数学ガール」シリーズの翻訳をしているBento Booksさんが、 ジャパンタイムズの『通訳・翻訳キャリアガイド2015』で取り上げられた、 とのことでご紹介します。
     ◆Bento Books  https://twitter.com/BentoBooks/status/496162532084551681/photo/1
    トニーさんは(当然ながら)日本語が堪能な方で、 現在もばりばりと結城の本の翻訳しています。 いまは『数学ガール/ゲーデルの不完全性定理』の翻訳を進めていますね。
     ◆トニーさんのツイート  https://twitter.com/tonygonz/status/507669506093641728
    そのBento Booksさんから先日、『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』の英訳本が出ました (日本で購入できるのは少し先になるようです)。 「数学ガールの秘密ノート」シリーズは、英語では"Math Girls Talk about ..."シリーズとなっていて、 今回は、"Math Girls Talk about Integers"(数学ガールが整数についておしゃべりする)という タイトルになっています。
    以下のページでは、サンプルとして初めの章をPDFで読むことができます。 "Download a sample!"のリンクをたどってください。
     ◆Math Girls Talk about ...(Bento Books)  http://bentobooks.com/math-girls-talk-about/
    さらに、来年のことになりますが、Bento Booksさんは San Antonioで開かれる2015 Joint Mathematics Meetings でブースを出すとのことです。 もし参加する方がいらっしゃいましたら、ぜひBenbo Booksさんのブースにお立ち寄りくださいね。
     * * *
    さて、電子書籍がらみでお知らせが二つあります。
    まず、結城が公立はこだて未来大学などで行った講演集が電子書籍になりました。 数式の問題があるので、 「数学ガール」シリーズは固定レイアウトの電子書籍になるのですが、 この講演集はリフロー型になっています。
     ◆『数学ガールの誕生  理想の数学対話を求めて』(Amazon Kindle)  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00NAQA33A/hyam-22/
     ◆『数学ガールの誕生  理想の数学対話を求めて』(Google Play)  https://play.google.com/store/books/details?id=NjVqBAAAQBAJ
    さらに、昨年刊行された『数学文章作法 基礎編』が、 来月(2014年10月)に電子書籍となります。お待たせいたしました! こちらもリフロー型ですね。
    ぜひご利用ください。
     * * *
    ぜんぜん違う話。
    妖怪ウォッチが流行していますが、 ジバニャンならぬ磁場ニャンが以前話題になっていました。
     ◆磁場ニャン(前野先生)  https://twitter.com/irobutsu/status/508092556857470976/photo/1
    この図を見たとき、最初は「ジバニャンのだじゃれか」と思っただけでした。 でもよくよく見ると、磁場ニャンには「向き」と「大きさ」がちゃんとあることに気付きました。 つまりベクトルですね。
    磁石の上に紙を置き、その上に砂鉄を振って磁力線の様子を調べるというのは 学校でよくやることだと思うのですが、あれだと「向き」はわかるけど、 大きさはわかりにくいなあ、とも思いました。
    さらに前野先生の説明の中に「2次元の処理です」とあったので、 ああなるほど。ほんとうの磁場は3次元か……と思いました。 奥村先生が「NとSが非対称に見える」とコメントをしていたのも興味深かった。
    ちょっとしたネタの図でも、 さらっと見過ごさずにじっと見ることは大事かもしれませんね。
     * * *
    iPhoneの話。
    先週はiPhone 6とiPhone 6 Plusの話題をよく見かけました。 結城は現在iPhone 5を使っていて特に大きな不満はないのですが、 やはり「買い換えるかどうか」を多少考えています。 Softbankの乗り換えキャンペーンは12月14日までらしいので、 そこまでには判断しようかなと思っています。
    機能追加にはあまり関心はないのですが、大きさの変化には関心があります。 というのは「読書端末」としてiPhoneを考えているからです。 結城はこれまでKindle PaperwhiteやNexusやiPadやiPad mini(これは家内用)を 使いましたが、なかなか一長一短です。
    ふだんMacBook AirとiPhoneを持ち歩いているので、 さらにそこに読書端末を別途持ち歩くというのは耐えがたいものがあります。 じっくりメモを取りながら読む場合にはMacBook Airを使うし、 電車で気楽に読むならiPhoneを使います。
    でも、さすがにiPhoneの画面はいささか小さすぎるかなと感じるときもあります。 テキストだけならまだしも、数式や図版が出てくるとズームとスクロールを 繰り返すことになってうっとうしく思うからです。
    そこで画面が大型化したiPhone 6に興味が出てきたのです。 もしもiPhoneの携帯性を保ったまま読書端末としても利用できるなら、 それに越したことはありませんから。
    とはいうものの、「これは買い!」という熱狂的な気分になっているわけでもありません。 「まあ、実機を触ってみて、すごくよかったら買い換えるかもね」くらいのスタンス。 それだけ、現在のMacBook Air + iPhone 5である意味「こと足りている」のでしょうね。
    後ほど詳しく書きますが、最近結城はシンプルなブログっぽいものが欲しくなって、 flip(フリップ)というサイトを作りました。 自分用にちょこっとネットでメモ書きする場所です。結城しか書けませんが。
     ◆flip(フリップ)  http://flip.textfile.org
    そこに試しに自分が翻訳した「幸福の王子」を載せてみました (こういうとき、自分のテキストがあると著作権気にせずに使えるのでいいですね)。
     ◆幸福の王子 - flip  http://flip.textfile.org/?20140912181308
    そしてiPhoneで「幸福の王子」を眺めていたのですが…… いまさらながら、こういう読書体験(ブラウザでテキストを読む)というのは、 そんなに悪くないですよね。 特に「テキストだけなら、これでいいじゃん」と思ってしまいます。
    何を言ってるかというと「電子書籍」って何なのかな、と思いまして。 紙の本はわかる。それからWebページで読むのもわかる。 では電子書籍って何だろう。あまり大げさに書くのも変だけど、 人類はまだ、電子書籍のことをとらえきれてないよな……と思うのです。
    執筆の仕方、編集の仕方、パッケージングにデリバリー、 読書体験、人への紹介や貸し借り、そして廃棄…… そのすべてのフェーズにおいて、電子書籍はまだふわふわしているみたい。 今後十年、二十年経てば、いまよりは固定化するのかしら。
    ちなみに、responsinatorというサイトを使うと、 いろんな画面サイズの端末で、自分のページがどんなふうに見えるのかを確認できて便利です。
     ◆responsinatorで「幸福の王子」を見る  http://www.responsinator.com/?url=http%3A%2F%2Fflip.textfile.org%2F%3F20140912181308
     ◆responsinatorで「幸福の王子」を見る(画面キャプチャ)
     * * *
    Webで読むといえば。
    結城がWeb連載をしているcakes(ケイクス)が二周年を迎えたそうです。 Webで雑誌を実現するプラットホームということですが、 こういう活動は継続がとても大事だと思います。 そういう意味で、二周年を迎えたというのはおめでたいことですね。 以下はCEOの加藤貞顕さんの文章です。
     ◆cakesが2周年をむかえました。  https://note.mu/sadaaki/n/nc914d214f0cd
    この文章によりますと、これまでcakesに登場したクリエイタさんは、 全部で357名とのこと。すごい人数ですね。
    きっと「中の人」は継続と改良で努力なさっていることと思います。 今後もがんばってほしいです。
     * * *
    それでは、そろそろ結城メルマガを始めましょう。
    今回は「教えるときの心がけ」として、 最近はまっていたブログいじりを通して結城が学んだことをお話しします。
    また、「いつもくよくよしてしまう」という読者さんの質問へのお答え。
    そして、実家にいる「母」の話をお送りします。
    それでは、お楽しみください!
    目次
    はじめに
    やってみて、はじめてわかることがある - 教えるときの心がけ
    Q&A - いつもくよくよしてしまう
    母の話(1) - 文章を書く心がけ
    おわりに
     
  • Vol.129 結城浩/再発見の発想法 - Trigger/「責任」について思うこと/高校時代に出会った感動の参考書/

    2014-09-16 07:00  
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    Vol.129 結城浩/再発見の発想法 - Trigger/「責任」について思うこと/高校時代に出会った感動の参考書/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2014年9月16日 Vol.129
    はじめに
    おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
     * * *
    来月刊行の『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』は、 再校ゲラが編集部から今週送られてくる予定です。 その前に何とか『数学文章作法 推敲編』の初校ゲラを編集部へ戻さなくては、 と思いつつ努力しています。
    おかしいな、予定ではちゃんとずれるようになっていたはずなのだが、 こんなふうに初校と再校が交錯するとは……(苦笑)。 しかしながら、好きな本を書いて読者さんにお届けできる喜びを考えたら、 多少忙しいのに文句をつけてはいけませんよね。
    もう9月ですから、今年出版される(された)本は以下の三冊でほぼ確定ですね。
     ・『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』(4月)  ・『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』(10月)  ・『数学文章作法 推敲編』(12月)
    仕込みつつある本はもう少しあるのですが、 出版は来年2015年以降になりますね。 うーん、もう少し力強く進めたいところだけれど……
     * * *
    さて。
    「星野しずる」という歌人を知っていますか。
     誠実なおとぎ話よりあたたかなあふれるほどの謎を愛した(星野しずる)
    厳密にいえば、星野しずるは「歌人」ではありません。 なぜなら短歌を自動的に生成するプログラムだからです。 以下のサイトですぐに短歌を生成することができます。
     ◆短歌自動生成装置「犬猿」(星野しずる)  http://sasakiarara.com/sizzle/
    このサイトは歌人の佐々木あららさんが運営なさっているようですね。 佐々木あららさんのブログによれば、2009年に 「星野しずる(自動短歌生成スクリプト)」 で第7回枡野浩一短歌賞を受賞なさったとのこと。
    上記のサイトで短歌をたくさん生成して読んでいると、 確かにある種の「パターン」が見えてくるのですが、 それでもときどき「はっ」とする言葉に出会うことがあります。
    読んでいるうちに歌心が刺激されたので、素人ながらに言葉を並べてみましょうか。 いわば「星野しずるを読みて詠める歌」もしくは「スクリプトへの返歌」です。
     五線譜の下に無言の姫君は青みがかった才能の日だ(星野しずる)  数式に絡むシグマのいばらみち姫を追えずに血を流す君(結城浩)    曲線のどこかで雪のぬくもりに隠されているおおげさな歌(星野しずる)  曲線にキスしそびれたフラクタルあなたの描くコッホ雪片(結城浩)
    ちなみに解説をすると……フラクタルというのは 自分の一部分に自分自身が含まれているような図形で、 コッホ雪片というのはその代表です。 まるで雪の結晶のような形になったフラクタル図形。 有限回のステップで止めるとギザギザのままなのですが、 はたして無限の彼方では滑らかな曲線になるのかしら……という思いを詠みました。
    解説は蛇足ですね。
    星野しずるは単純にランダムな言葉を並べているだけではないようです。 いくつかのパターンを用意しておき、 そこにイメージを喚起する語彙(驚くほど少ない)をあてはめています。
    言葉がイメージを喚起する。この不思議な言葉の作用は、 言葉を扱う仕事の一端を担っている者としてよく考えたいと思っています。
    星野しずるの話は以上。
     * * *
    結城がTwitterを始めたのは2007年4月のこと。 これまでで最も多くの「お気に入り」をもらったのは次のようなツイートです。
     ◆最も多くの「お気に入り」をもらった結城のツイート  https://twitter.com/hyuki/status/269221068303134721
     |■ストレスフリーで文章を書く方法。  |・〆切と分量を決める。  |・思ってることをすべて箇条書きで書く。  |・読み返して書き足す。  |・一番言いたいことを選ぶ。  |・タイトルを決める。  |・それに関係すること以外は捨てる。  |・順序を考える。  |・文にする。  |・文章にする。  |・全体を読んで整える。
    まあ、読み返してみると私らしいツイートですね。 このツイートをしたのは2012年ですが、 おもしろいことに現在でも新たに「お気に入り」されることがあります。
    これは結城の想像なのですが…… 何かのきっかけで結城のツイートを見かけた方が、
     「この結城という人、どんな人なのかな?」
    というのを知ろうと思って favstar.fm のようなサイトを見に行くのではないでしょうか。 そして「ベストツイート」のような項目で上記のツイートに出会う。 結城はそんなふうに想像しています。
     ◆favstar.fmで結城のツイートを見る  http://favstar.fm/users/hyuki
    何を言いたいかというと、Twitterをやっている人は、 過去のツイートがいわば「その人の自己紹介代わり」 になりうるということです。 Twitterをやっている本人がどう思ってるかはさておき、 他の人は過去ツイートを見ることができますし、 そのツイートによって「ああ、この人はこういうことに関心があって、 こういう話をする人なんだな」と判断する、と。
    それがよい、わるいという話ではありません。 Twitterは(他のSNSでも、ブログでも同じですが)、そういう使い方をされる。 おもしろい時代といえばそうですし、気が抜けない時代ともいえますね。
    このあたりの話、つまりSNS時代にネットを使うリテラシーの話は、 少しまとめて書きたいところではあるのですが、 なかなか時間がままなりませんね。
     * * *
    それでは、そろそろ結城メルマガを始めましょう。
    今回は久しぶりの「再発見の発想法」で「トリガー(Trigger)」を お送りします。
    それから、ちょっと重めの文章「「責任」について思うこと」。
    そして「文章を書く心がけ」は「高校時代に出会った感動の参考書」 というお話をしましょう。
    それでは、お楽しみください!
    目次
    はじめに
    再発見の発想法 - Trigger(トリガー)
    「責任」について思うこと
    文章を書く心がけ - 高校時代に出会った感動の参考書
    おわりに
     
  • Vol.128 結城浩/英仏旅行(2)/講演会の準備/使いやすいソフト/物語をゆがめない/

    2014-09-09 07:00  
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    Vol.128 結城浩/英仏旅行(2)/講演会の準備/使いやすいソフト/物語をゆがめない/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2014年9月9日 Vol.128
    はじめに
    おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
     * * *
    来月刊行の『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』の初校読み合わせが終わりました。 特に大きな問題もなく全ページの確認を終え、ボールは出版社に渡りました。 次は再校ゲラが出てくるのを待つばかりです。
    今回のテーマは数列です。 数列は楽しい話題がたくさんあるのですが、 今回の秘密ノートは単におもしろい話題を拾うだけではありません。 「シグマの読み方」を考えたり「極限」が登場したりと、 ちょっぴり高度な内容にも触れるように心がけました。
    本書の刊行は2014年の10月ですが、 アマゾンでの予約はすでに始まっています。 お知り合いへのご紹介もお願いいたします。
     ◆『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』(アマゾン)  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797375698/hyam-22/
    ぜひ応援してくださいね!
    そして、入れ替わりのように、 『数学文章作法 推敲編』の初校ゲラがやってきました。 こちらは2014年12月に刊行予定。今年最後に出る本です。 分量は前回の「基礎編」とほぼ同じくらいですね。 現在ゲラをちゃくちゃくと読み進めているところ。
    こちらも応援してくださいね。
     * * *
    別の話。
    ときどき、お仕事のオファーのメールをいただく。 「雑誌に原稿をかいてください」あるいは「こんな本を書きませんか」のような。 それはそれでたいへん感謝なことなのですが、ちょっと気になることが一つ。
    これまでコンタクトしたことがない人からのメール一通目に、
     「まずは一度お会いしてお話を」
    と書かれていること。結城は多くの場合、ちょっぴり困惑しながら、
     「その前にメールで少しやりとりしませんか」
    という返事をすることになる。実際にお仕事が進むことになり、 お互いの意識合わせなどをするために実際に会うことにはやぶさかではない。 でも、ほとんど相手のことを知らない段階で「一度お会いして」というのには、 抵抗を感じる。
    若くて時間があったときには比較的気軽に出かけていった。 でも、「こんな話だったら会うまでもなかった」 という結果に終わることが多かった。 良い経験といえば良い経験だったけれど、 無駄な時間といえば無駄な時間である。
    オファーのメール一つにも相手の力量のようなものがよく現れる。 自己紹介、企画の説明、なぜ結城に声を掛けたのか……といった、 「結城が知りたいと思うこと」をどう表現するか。 結城が知りたいと思うことが的確に書かれていると、 「お、何だかすごい人からメールが来たぞ」とわくわくする。
    もしも偉そうに聞こえたら申し訳ないけれど、 そのようなつもりで書いているのではない。 どんな人でも時間は貴重である。フリーランスならなおさら。 ひと一人にあうのにはそれなりに準備もするし、移動時間もかかる。 その分、本来おこなうべき仕事は圧迫されることになる。 だから「人に会う」という高いコストの作業には慎重になるべきなのだ。
    それに、企画内容を手際よくメールで説明できないとしたら、 きっと一時間かそこら話したところで状況は変わらない。 さらに、企画が進んだ途中のやりとりもメールではらちがあかなくなるかも。 だから「まずはメールで」という判断はまちがっていないと思う。
    逆に、いったん会うとなったら、 結城は「相手の場所」に行くのが好きだ。 会社がある事務所など。 それは相手の時間をできるだけ奪わないという意味もあるし、 相手の状況をよく理解するためでもある。 職場の様子なんてメールに書いてはくれないので、 実際に会うときに見るのは合理的な判断だと思う。
    「まずお会いして」というオファーについて、 あなたはどう思いますか?
     * * *
    それでは、そろそろ結城メルマガを始めましょう。
    今回は、来月予定している「講演会の準備」として、 いったいどんな内容にするかを考える様子をお届けします。 何を考えて準備を進めるかをブレーンストーミングしましょう。
    また、今年の夏の「英仏旅行」について。今回はフランス編です。
    「本を書く心がけ」のコーナーでは、 編集者から言われたひとことから考えた、 「物語をゆがめない」というお話をしましょう。
    それでは、お楽しみください!
    目次
    はじめに
    講演会の準備 - 教えるときの心がけ
    英仏旅行(2) - フランス編
    Q&A - 使いやすいソフトウェアやWebサービスとは?
    物語をゆがめない - 本を書く心がけ
    おわりに
     
  • Vol.127 結城浩/父のこと(4)/英仏旅行(1)/たくさんの仕事をどう管理する?/

    2014-09-02 07:00  
    216pt
    Vol.127 結城浩/父のこと(4)/英仏旅行(1)/たくさんの仕事をどう管理する?/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2014年9月2日 Vol.127
    はじめに
    おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
     * * *
    早くも『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』の初校ゲラが出ました。 毎日せっせと赤ペンを持ってゲラを読んでいます。 これは比喩ではありません。コンピュータ上で修正することもありますが、 ほとんどの作業はゲラの上で(つまり、紙の上で)行っています。
    今週末にはいつものように編集部にて読み合わせの作業があります。 私と編集者で初校に入れた修正箇所や確認点を持ち寄って、 再校へ向けての作業を行うのです。 具体的には、二人並んで座って、一ページ一ページめくりながら、 そのページに問題点がないか、お互いに話し合っていきます。 これは、これまでほとんどすべての本で行ってきたことですけれど、 毎回とても楽しみな作業です。
    本書の刊行は2014年の10月。 でも、アマゾンでの予約はすでに始まっています。 今回から少し早めに動いているようですね。
    そのこともあり、現在アマゾンでの書影は、 たなか鮎子さんのラフスケッチが使われています。 カバーイラストが完成した時点で差し替わりますので、 現在しか見ることができないある意味「レア画像」ともいえるでしょうか。
     ◆『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』(アマゾン)  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797375698/hyam-22/
    ぜひ本書も応援くださいね!
     * * *
    さて、それとほぼ同時並行で『数学文章作法 推敲編』の作業も進んでいます。 おそらく2014年の9月中には初校ゲラがやってくるのではないかと期待しています。 こちらもゲラを読むのがとても楽しみです。
    本を書いているときには、その世界にどっぷりと浸って書きますが、 脱稿してから初校ゲラが出てくるあいだに、頭はずいぶんリセットされます。 そのため、ゲラを読む時点では新鮮な気持ちで自分の文章に向かうことができます。
    それはちょっぴり不思議な感覚でもあります。 自分が書いた文章ですから、話の流れは非常に自分の思考にぴったり合う。 でもディテールは忘れているので、発見や驚きもある。 さらに初校段階ではまだまだアラも多い。
    ……そのような「自分に近しい人からおずおずと話しかけられる」ような、 そんな感覚を覚えます。
    『数学文章作法 推敲編』の刊行は2014年の12月になりそうです。 こちらも応援してくださいね。
     * * *
    夏の旅行の話。
    最近、夜に寝付けず、朝がとても眠いです。 といっても体調が悪いわけではありません。 原因は単なる時差ぼけです。
    今年の夏、8月の終わり約10日間、 ロンドンとパリで夏期休暇を過ごしていました。
    家族で海外旅行に行くというのは実に十七年ぶりのこと、 あまりにも久しぶりで、時代の違いを感じるほどです。 幸いなことに、十七年前の旅行の記録をWebに残していました。
     ◆イギリス旅行記(1997年)  http://www.hyuki.com/tripeng/
    これによれば、当時は長男が三歳で次男はまだ生まれていませんでした。 今回は次男が中学生。時の流れは早いものです。
    十七年前はホテルにネット環境などありません。 ミノムシクリップを使って電話回線とモデムをつなぐという方法で、 ネット環境を整えていました。 でも2014年は何も言わなくてもホテルに無料の無線LANがあり、 フロントでユーザIDとパスワードが渡されます。 ネット環境の違いも大きく変わりました。
    そんなこんなの英仏旅行の話、また後ほど詳しく書きますね。
     * * *
    前回の結城メルマガでDropboxの共有リンク機能の話を書きました。 大きなファイルを編集部に送るときにDropboxの共有リンクのURLだけをメールする、 という話です。
    先日Dropboxがアナウンスを行い、共有リンクに対してパスワードを設定したり、 有効期限を設定したりする機能が付加されました。 これは、特定の人だけにファイルを渡したいときにとても便利ですね。
     ◆共有リンクのパスワードを設定する方法  https://www.dropbox.com/help/5887
     * * *
    全然違う話題。
    昔からよく思うこと。
    戦争をなくすことは良いことだけれど、とてつもなく難しいと思う。 それは、自分の嫌いな人と仲良くすることの難しさに似ている。
    戦争は国と国のケンカ。 規模や複雑さは全く違うけど、根本は人と人のケンカと似てる。
     ・昔ひどいことされた。  ・いつかひどいことされそう。  ・自分の活動の邪魔をする。  ・周りのみんながあいつは悪者だという。  ・なんとなく気に食わない。  ・自分の方には正当な理由がある。
    こういう思いは人間が人間に対して感じるだけじゃなくて、 国が国に対しても感じるものだろう。
    もしも戦争がなくなるとしたら、 人が人に対して悪意を抱かない(もしくは悪意を行動に移さない) のはどういうときか、にヒントがあるような気がする。
    クリスチャンとしての私は「ゆるし」に、 そのヒントがあると思っているのだけれど。
     * * *
    それでは、そろそろ結城メルマガを始めましょう。
    今回は、前回に続き「父のこと(4)」をお送りします。 教育者だった父は、結城の活動にあまり口を出しませんでした。 でもあるとき、めずらしく注意をしました。その思い出をお話しします。
    それから、今年の夏にいった英仏旅行のこと。
    そして「たくさんの仕事をどう管理するか」という読者さんの質問にお答えします。
    それでは、お楽しみください!
    目次
    はじめに
    教えるときの心がけ - 父のこと(4)
    英仏旅行(1) - イギリス編
    メモ - エージェント・編集・マーケティング
    Q&A - たくさんの仕事をどう管理する?
    おわりに