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2020年9月の記事 5件

Vol.444 結城浩/新企画「結城浩のサブスタック」/「勉強」は好きだけど「テスト勉強」は嫌い/理解しているのにうまく説明できない/

Vol.444 結城浩/新企画「結城浩のサブスタック」/「勉強」は好きだけど「テスト勉強」は嫌い/理解しているのにうまく説明できない/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年9月29日 Vol.444 目次 新企画「結城浩のサブスタック」について 「勉強」は好きだけど「テスト勉強」は嫌い - 学ぶときの心がけ 理解しているのにうまく説明できない - 教えるときの心がけ はじめに 結城浩です。 いつもご愛読ありがとうございます。 先週アナウンスした読者アンケートへのご回答、ありがとうございました。 応援メッセージもお送りくださって感謝です。読んでいて感激のあまり泣きそうになりました。 これからもどうぞよろしくお願いいたします。 さっそく、今回の結城メルマガを始めます。 どうぞごゆっくりお読みくださいね。 新企画「結城浩のサブスタック」について Vol.443でもアナウンスしましたが「結城浩のサブスタック」という新しい企画を始めました。「私がふだん考えていることを、あなたにメールで送ります」というシンプルなコンセプトの企画です。 一単語でいうなら「メールマガジン」あるいは「ニュースレター」になりますけれど、私が考えているニュアンスは少し異なります。なので、その話を書いてみたいと思います。 ◆結城浩のサブスタックhttps://hyuki.substack.com サブスタックについて まず「結城浩のサブスタック」という名前について。「サブスタック」という単語には特に意味はありません。単に「Substack」というニュースレター配信サービスを使っているのでこの名前を付けただけです。たとえていうなら、noteを使っていたら「結城浩のnote」と名付けたり、はてなブログを使っていたら「結城浩のはてなブログ」と名付けたりするようなものですね。 Substackというニュースレター配信サービスは、登録したユーザにニュースレター(メール)を送ったり、みんなで議論ができるコミュニティを作ったり、あるいは有料の定期購読を始めたりできるサービスです。 ◆Substackhttps://substack.com/ 配信者は無料で配信を行うことができます。特に制限もありません。Substackの運営さんは、配信者が有料配信をしたときにのみその一部を受け取ることになります。広告が表示されることはありません。 と書いてくると「ああ、noteみたいなものね」と思うかもしれませんね。確かに似ているところは多々あります。たとえば以下の点はほとんど同じです。 読者にコンテンツを配信できる。 コンテンツの有料/無料を選べる。 定期購読用のコンテンツ配信もできる。 有料/無料どちらでも広告は出ない。 ただ、違う点もあります。一番大きいのはプラットホームへの動線がほとんどなく、配信者(書き手)と購読者(読み手)の結びつきが強いという点でしょう。 noteの場合「noteというプラットホームにみんなが集まってきて、そこにあるコンテンツを見る。タイムラインがあって、そこにはnoteの他の人の投稿も流れてくる」という状態になっています。でもSubstackにはタイムラインはありません。ですから、知らない誰かの投稿が流れてくることもありません。 つまり、購読者は自分の読みたいものだけをメールやWebで読むという形になります。これは非常に大きな違いです。タイムラインがないのですから、配信者はがんばって他者よりも目立とうとする必要がありません。淡々と自分の読者向けにコンテンツを送るだけです。 結城は、theLetterの運営をなさっている濱本さん経由でSubstackの存在を知りました。theLetterは最近始まった日本のニュースレター配信サービスです。 ◆theLetter | 個人ブランド向けニュースレター配信サービスhttps://theletter.jp 特に、こちらの濱本さんの記事はたいへんおもしろく読みました。 ◆なぜ今、ニュースレターなのか? 〜注目経済脱却の夜明け〜https://itaru.substack.com/p/- コンセプトを考える Substackを知ったとき、結城も何かやってみたいと思いました。おもしろそうなことが起きそうだと思ったからです。Substackというものがある。では私はそこで何をしようか。どんなことを考えたらいいだろうか…… 試行錯誤の末に思いついたのが「私がふだん考えていることを、あなたにメールで送ります」というコンセプトでした。平凡で当たり前のように感じるかもしれませんが、これでもけっこう考え抜いたコンセプトなのです。 「私がふだん考えていること」 「私がふだん考えていること」では内容を語っています。 「結城浩のサブスタック」で送る内容は、ふだん私がツイートしたり結城メルマガに書いたりしている話題が多くなるでしょう。 文章を書いたり、本を書いたりすること。 考えたり、教えたり、学んだりすること。 他の人と対話したり、本を読んだりすること。 その他の身辺雑記も送りたいなと思っています。 「あなたにメールで送ります」 「あなたにメールで送ります」では形式を語っています。 「結城浩のサブスタック」は、「みなさん」あてではなく「あなた」に個人的な文章を送る気持ちで書いていこうと思っています。 「あなたに送る」という気持ちは、結城メルマガでも同様です。でも、結城メルマガはオムニバス形式になっていることもあり、メールというよりは読み物に近い形式だと思います。構成を整えて読みやすくし、何らかのメッセージを伝えるものです。 「結城浩のサブスタック」ではその「あなたにメールで送る」という部分をより強く出してみたいなと考えています。 具体的には、読み物としてきっちりと時間を掛けて整え、推敲して送るというよりは、その場で書いてその勢いで送るような書き方にしてみたいですね。 メールとWebの関係 Substackの配信はメールとWebでできます。メールを送ると自動的にWebでもブログ記事のように公開されますし、もちろんWebは編集もできます。 「結城浩のサブスタック」でもこれまで送ったメールはすべてWebで読むことができます。「アーカイブ」のページがありますから「ふーん、こんなメールが送られてくるんだね」と誰でも確かめることができます。それは登録するかどうかの判断に使えるでしょう。 ◆「結城浩のサブスタック」アーカイブhttps://hyuki.substack.com/archive でも、私が考えているのは「基本はメール」です。Webサイトでバックナンバーを見ることはできますが、送ったメールすべてを残すとは限りませんし、ずっと残すとも限りません。 たとえば何回かに一回は「メールのみ」で送ってもおもしろいなと思っています。そのメールは「その時点で登録していた人だけに届く文章」という扱いになるわけです。 大げさなことをいえば、それは「ライブ」です。音楽のライブはそのときにそこにいた人だけが経験できるものですよね。それとちょっぴり似ています。いまは何でもWebで後から読める時代ですけれど、そうじゃないものがあるのもおもしろそうです。 スケジュールについて 「結城メルマガ」は毎週火曜日07:00配信になっています。感謝なことにこれまで八年以上も定期的な配信を継続してきました(深く感謝)。 ところで「結城浩のサブスタック」の方は、何曜日に送る、月に何回送る、といったスケジュールを決めるつもりはありません。現在は企画を開始したばかりなので、ほとんど毎日のように送っていますが、そのうちに頻度は下がるでしょう。 「結城浩のサブスタック」を送るのは強いていえば「不定期」といえます。でも、不定期というよりは「あなたに話したいことができたとき」と呼んだ方がよさそうです。だって、メールってそういうものですから。 有料/無料について 先ほども書きましたが、Substackでの配信は無料にもできますし、有料にもできます。配信コンテンツの一部を有料にすることも可能です。たとえば、ふだんは無料でメールを配信し、月に一回は有料メールを送るみたいなことも可能です。すべては配信する人の考え次第です。 「結城浩のサブスタック」ではどう考えているかというと、基本的には無料でメールを送ろうと思っています。でもそのうちに、何かおもしろいアイディアが浮かんだなら、有料での配信も始めるかもしれません。でもきっと「無料でメールを送る」部分はやめないでしょう。 メールという古くて新しいメディア 「結城浩のサブスタック」は「私がふだん考えていることを、あなたにメールで送ります」というコンセプトです。ですから、せっかくなので「あなた」からのお返事をいただけるように、毎回お願いや問いかけをしています。といっても感想を強要するわけではありません。私からの問いかけはこんな感じになります  今日の私は、こんなことを考えています。  今日のあなたは、どんなことを考えていますか。 これは、結城の感覚にかなりしっくりくる問いかけです。 TwitterなどのSNSは、みんなでリアルタイムにおしゃべりしている感覚があります。それはとても楽しいですね。当意即妙のやりとりや、わいわいと盛り上がる楽しさです。でも、メールには、それとはまた違う楽しみがありそうだなと思っています。 そんなに重たい話でもないし、そんなに軽い話でもない。ちょっとだけ深く考えたこと、心に残ったこと、そして「今日の私」が考えていることをメールで送る。それに直接関係があってもいいし、ぜんぜん違うことでもいいけれど「今日のあなた」が考えていることを返信してもらう。それはなかなか素敵な楽しみだなと思うのです。 それはきっと「自分が考えたことを、それが役立つ・役立たないとは無関係に、伝える相手が存在する」ことの喜びかもしれません。相手がいるからこそ、伝えたいと思う。伝える相手がいるから、新しいこともいろいろと考える。その過程、そのプロセスはとても楽しく、そしてときには深いところにたどり着く予感があります。 私が「結城浩のサブスタック」で送る方のメールはアーカイブされますからWebでも読めます。でも「あなた」からの返信はもちろん公開されません。「あなた」からの返信は、私が感謝しつつ読むことになります。 メーリングリストみたいに、そこに複数人の場があるわけではない。チャットみたいに誰かが常時しゃべっているわけでもない。ただ、気が向いたときに、誰からの強制もなく、メールのいち往復がある。それは、古くて新しい楽しみではないかと思います。 よければ「あなた」もご登録ください 以上「私がふだん考えていることを、あなたにメールで送ります」というコンセプトの新企画「結城浩のサブスタック」についてご紹介しました。 もしご興味がありましたら「あなた」もぜひご登録ください。登録は無料です。言うまでもないことですが「返信しなくちゃいけない」みたいな義務は何もありませんし、強制されることは何もありません。もちろん登録解除も自由です。ぜひ、どんな感じか試してみてください。 ◆結城浩のサブスタックhttps://hyuki.substack.com/  

Vol.444 結城浩/新企画「結城浩のサブスタック」/「勉強」は好きだけど「テスト勉強」は嫌い/理解しているのにうまく説明できない/

Vol.443 結城浩/技術文書を作成&公開&販売できるWebサイトZenn/数学者でないにも関わらずなぜ数学を学ぶのか/作者の人間性と作品の評価/文章は日を改めて読み返そう/再発見の発想法

Vol.443 結城浩/技術文書を作成&公開&販売できるWebサイトZenn/数学者でないにも関わらずなぜ数学を学ぶのか/作者の人間性と作品の評価/文章は日を改めて読み返そう/再発見の発想法結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年9月22日 Vol.443 目次 結城浩のメールマガジン読者アンケート(2020年9月) 自分が数学を学ぶのは無駄なのか - 学ぶときの心がけ 作者の人間性と作品の評価 文章は日を改めて読み返そう - 文章を書く心がけ 技術文書を作成&公開&販売できるWebサイトZenn ESNI - 再発見の発想法 はじめに 結城浩です。 いつもご愛読ありがとうございます。 * * * 「結城浩のサブスタック」の話。 「結城浩のサブスタック」という新しい企画を始めました。 「私がふだん考えていることを、あなたにメールで送ります」というシンプルなコンセプトの企画です。 「結城浩のサブスタック」はSubstackというニュースレター配信サービスを使います。 もしもご興味がありましたら、あなたもご登録ください。 ◆結城浩のサブスタックhttps://hyuki.substack.com * * * Web連載「数学ガールの秘密ノート」の話。 先週からcakesでWeb連載の新シーズンが始まりました。 数学が苦手な数学ガール「ノナちゃん」再登場です! 「ノナちゃん」は、昨年から登場した「数学ガールの秘密ノート」シリーズの新しいキャラクターです。「数学ガール」シリーズの登場人物はみんなそれぞれに理解が早く活発な子が多い印象ですが、彼女はずいぶん違います。 ノナちゃんは「理解する」ことに対する理解も不足していますし、自分の状況をうまく表現できません。そのために教え上手な「僕」もなかなか手こずっています。彼女は『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』で書籍にも登場しました。 ◆『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』https://note12.hyuki.net/ Web連載の新シーズンでノナちゃんが取り組むのは「図形」です。記念すべき第301回でノナちゃんは「三角形の合同条件」にチャレンジしようとしています。 ノナちゃんが登場すると、扱う数学の内容はぐっとやさしくなりますが、それと同時に書く側(結城)の挑戦も難しくなる印象があります。がんばって書いていきますので、応援よろしくお願いします! ◆第301回 読むための対話:三角形の重ね合わせ(前編)https://link.hyuki.net/girlnote301 * * * それでは、今回の結城メルマガを始めます。 どうぞごゆっくりお読みくださいね。  

Vol.443 結城浩/技術文書を作成&公開&販売できるWebサイトZenn/数学者でないにも関わらずなぜ数学を学ぶのか/作者の人間性と作品の評価/文章は日を改めて読み返そう/再発見の発想法

Vol.442 結城浩/学んだことをまとめる/作業ログを書く自分専用Webアプリesappを作る(4)/基礎から勉強し直したい/言葉遣いに気を付ける方法/

Vol.442 結城浩/学んだことをまとめる/作業ログを書く自分専用Webアプリesappを作る(4)/基礎から勉強し直したい/言葉遣いに気を付ける方法/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年9月15日 Vol.442 目次 社会人、理解したことをまとめられない - 学ぶときの心がけ 作業ログを書く自分専用Webアプリesappを作る(4) 基礎から勉強し直したい - 学ぶときの心がけ 言葉遣いに気を付ける方法 - コミュニケーションのヒント はじめに 結城浩です。 いつもご愛読ありがとうございます。 * * * 「LRU」と「ランダムサンプリング」の話。 結城は「LRU」と「ランダムサンプリング」が大好きです。 難しい話ではありません。「LRU」は「最近使ったものほど使いやすい位置に並べる」こと(Last Recently Used)。「ランダムサンプリング」は「たくさんのものがあって困ったときにランダムに選んで処理する」こと。 私が使っている「LRU」の代表は「超整理法」の押し出しファイリングですね。また、最近「結城浩の作業ログ」の更新のために自分が使っている自作アプリesappの絵文字ボタンもLRUです。最近使った絵文字(プロジェクトのアイコン)が前の方に並ぶのです。 ◆esappのスクリーンショット 「ランダムサンプリング」の代表は、たまにやっている「ランダム読書」ですね。ランダムに選んだPDFのランダムなページを一ページだけ読む活動です。 「LRU」が好きな理由は、自分がよく使うものが自然と使いやすくなって便利になるから。つまりシステムが自己組織化してくれるからです。さらに一連の並びを見るだけで、自分のこれまでの傾向が見てとれることも、「LRU」が好きな理由の一つ。自分の状態を自分以外の目で見ることができる点です。 「ランダムサンプリング」が好きな理由は、平均化しつつ詳細を無視しないから。ランダムサンプリングで選んだ一つを深く調べるのは、たくさんあるものをピックアップする率が高いという意味で平均化されているわけですが、数を圧倒的に少なくできるので、集中して深く処理できるのです。 * * * 「もう遅すぎる」とあきらめない話。 何かやりたいことがあったとします。「年齢のせいであきらめる」という判断をするときには十分な注意が必要ですね。そんなことをふと思いました。 「年齢のせいであきらめる」という判断をしたとしましょう。さらにそこから月日が過ぎて「なんだ、あのとき、あきらめないで始めてたらよかった……年齢なんか関係なかったんだ……」と後悔する可能性はないでしょうか。 若いころの友人のことを書きます。とある友人が「コンピュータの勉強をしたい」という話をしていました。そこで私が「コンピュータは何を使ってるの」と聞いたところ「買ってない」とのこと。 「いろいろ調べてはいるんだよ。でも高いから買わないよ。もっといいの出てから買うよ」とその友人は言ってましたが、私が知ってる限りでは買うことはありませんでした。もういまは会わなくなった昔の友人。 自分のことを書きます。二十年以上前、自分のドメインを初めて取得しました。そのとき「ああ、こういう感じなのか。こんなことならもっと早く取得しておけばよかった」とちょっぴり後悔したものです。自分個人のドメイン取得が遅かったことへの後悔です。 でも、いまにして見れば、自分のドメインは活動拠点としてこの二十年大活躍しました。要するに、ぜんぜん遅くなかったのです。 そして連想は森鴎外の『青年』という作品の一節に続いていきます。この作品、内容はすっかり忘れたけれど、この一節のことだけはよく覚えています。 (引用) 一体日本人は生きるということを知っているだろうか。小学校の門を潜ってからというものは、一しょう懸命にこの学校時代を駈け抜けようとする。その先きには生活があると思うのである。学校というものを離れて職業にあり附くと、その職業を為し遂げてしまおうとする。その先きには生活があると思うのである。そしてその先には生活はないのである。  現在は過去と未来との間に劃した一線である。この線の上に生活がなくては、生活はどこにもないのである。  そこで己は何をしている。 (引用終わり) 結城が最初のプログラミングの本を出版したのは27歳のとき。タイトルに「数学」がついた最初の本を出したのは42歳のとき。最初の『数学ガール』を出したのは44歳のとき。最初の『数学ガールの秘密ノート』を出したのは50歳のとき。 年齢を気にしていたら、いろんなことができなくなっちゃいます。今日も新しいチャレンジをしていきましょう! * * * それでは、今回の結城メルマガを始めます。 どうぞごゆっくりお読みくださいね。  

Vol.442 結城浩/学んだことをまとめる/作業ログを書く自分専用Webアプリesappを作る(4)/基礎から勉強し直したい/言葉遣いに気を付ける方法/

Vol.441 結城浩/褒められても嬉しくない/何食べてる?/人に対する先入観/「わからないこと」と付き合う/プログラミング言語を学んだけれど/

Vol.441 結城浩/褒められても嬉しくない/何食べてる?/人に対する先入観/「わからないこと」と付き合う/プログラミング言語を学んだけれど/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年9月8日 Vol.441 目次 どんなものを食べていますか 人に対する先入観を持ってしまう - コミュニケーションのヒント ひと通りプログラミング言語を学んでも成果が出せない 褒められても嬉しくない 「わからないこと」と付き合う - 学ぶときの心がけ はじめに 結城浩です。 いつもご愛読ありがとうございます。 * * * 文法と理解と違和感の話。 あるときふと、村上春樹『騎士団長殺し』の中に出てきた「あらない」という表現のことを思い出しました。 ネタバレ防止のために詳しくは書きませんが、「あらない」は「ない」という意味です。たとえば「それほど簡単ではない」とすべきところで「それほど簡単ではあらない」とするのです。 通常は「あらない」という言い方はしませんけれど、意味は通じます。それはきっと「あら」が未然形のために「ない」が接続してもおかしくはないからでしょう。 その結果として「あらない」という言葉は「違和感があるけれど意味は通じる」という表現を作り出していることに成功しているといえます。 人間の理解は柔軟で、プログラミング言語処理系のようにエラーか否かの二択にはなりません(例外はいろいろありそうですが、大まかな話として)。その中間のあたりに表現の妙味や読書の楽しみが隠れていそうだな、と思いました。 * * * ボロミアンリングの話。 Web連載「数学ガールの秘密ノート」第295回にはボロミアンリング(ボロメオの輪、the Borromean rings)が出てきます。 ◆第295回 グラフ理論:表現と制約(前編)https://link.hyuki.net/girlnote295 ◆ボロミアンリング ボロミアンリングを構成しているリングは三本が絡み合っていてバラバラにはなりません。でもよく見ると、どの二本を選んでも絡み合っていないことがわかります。たとえば三本のリングのうち一本を切って取り除いたら、残りの二本は切らずともバラバラに分かれます。 不思議ですね。 ボロミアンリングは、三色の重なりがおもしろいポイントですから、多様な色覚の人にも分かりやすいような色を割り当てたつもりです。その際に使ったのは「色のシミュレータ」というiPhoneアプリ。このアプリは以前も結城メルマガで紹介しました。 ◆色のシミュレータhttps://apps.apple.com/jp/app/id389310222 ◆色のシミュレータを通して見たボロミアンリング 結城はボロミアンリングを描くとき、このアプリを通じてリアルタイムに四種類の色覚における見え方を確かめながら色を選びました。自分の目には「これならはっきり違うからわかりやすい」と思った配色でも「色のシミュレータ」を通すとまったく同色になって驚くこともありました。 ボロミアンリングは数学的にも楽しい図形ですね。結城が生まれて初めてボロミアンリング(ボロメオの輪)を見た本はマーチン・ガードナー著、高木茂男訳『数学ゲームI』(講談社ブルーバックス)です。以下の図はこの本の中に出てくる「2つの側面を持った,ボロメオの縁のある面」です。縁をじっくりたどってみると、ボロミアンリングになっていることがわかります。 ◆2つの側面を持った,ボロメオの縁のある面 ちなみに、結城がボロミアンリングに初めて出会ったのは1976年1月4日のこと。どうしてそんな日付がわかるかというと、結城(少年)は当時、本の奥付に購入年月日をメモする習慣があったからです。 自分が子供のときに出会ったものが、何十年もの時を経て自分の文章に登場するのはちょっと感じるものがありました。 * * * それでは、今回の結城メルマガを始めます。 どうぞごゆっくりお読みくださいね。 どんなものを食べていますか 質問 結城さんは食事を管理していますか。もしそうなら、結城さんの体調に良い食べ物や、抜いたら体調が良くなったものなどあったら教えていただけると嬉しいです。 回答 特に食事管理はしていません。彼女(妻)のお勧めに従って食べることが多いですね。最近はお野菜、お魚、鶏肉を食べることが多いです。 2020年春からは外出をほとんどしなくなったせいもあって、外食がゼロになりました。それが理由なのかはわかりませんが、体重が数キロ減りました。また、以前よりずっと体調がよくなりました。 私があまり食べないものとしては、鶏肉以外の肉。ピザとかハンバーガーのようなファーストフードもほとんど食べないです。ケンタッキーフライドチキンはたまーに食べます。 基本的に、私は食べ過ぎると体調が悪くなります。体調が悪くなるほど食べることを食べ過ぎというならば、それは当然ですけれど…… 食べたくないのに食べるときも体調が悪くなります。たとえば、眠いけどやらなきゃならないことがあるから、コーヒーを飲んでカフェインを摂る……みたいな場合ですね。眠いときには眠るのが一番。それ以外に対策はありません。 よく考えてみると食べたくないんだけど、口寂しいから食べる……みたいな行動も、体調が悪くなる原因となります。口寂しいときには炭酸水を飲むのがいい感じです。最近は麦茶もよく飲みます。 おやつには素焼きのミックスナッツをよく食べます。たまにおせんべいも食べます。ケーキのような甘いお菓子はほとんど食べません。ここ一年間で食べたケーキは、一口か二口くらいでしょうか。 発酵食品はよく食べます。納豆・キムチ・豆腐・チーズ・ヨーグルト・漬物……などですね。特にヨーグルトは毎日食べています。 野菜はたくさん食べます。野菜を食べすぎて体調が悪くなったことはありません。毎晩のようにサラダを食べます。私はここ数ヶ月で夕食のサラダ作成担当になりました。レタス、アボカド、ブロッコリー、たまねぎ、きゅうり、トマト、にんじん……たっぷり食べます。マヨネーズは使わず、オリーブオイルとバルサミコ酢がメインです。 炭水化物はあまり食べません。今日はご飯を食べようかな、みたいな感覚です。ただし、ミューズリーはよく食べます。お腹の調子が良くなります。 ……と、書いているうちにお腹が減ってきました。 そんなところです。ご質問ありがとうございました。  

Vol.441 結城浩/褒められても嬉しくない/何食べてる?/人に対する先入観/「わからないこと」と付き合う/プログラミング言語を学んだけれど/

Vol.440 結城浩/片付けが苦手/デザインパターンの学び方/「できない」と言えない/自分のいやなところを他人から指摘されたとき/作業ログを書く自分専用Webアプリesappを作る(3)/

Vol.440 結城浩/片付けが苦手/デザインパターンの学び方/「できない」と言えない/自分のいやなところを他人から指摘されたとき/作業ログを書く自分専用Webアプリesappを作る(3)/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年9月1日 Vol.440 目次 片付けが苦手 デザインパターンの学び方 - 学ぶときの心がけ 自分のいやなところを他人から指摘されたとき - コミュニケーションのヒント 作業ログを書く自分専用Webアプリesappを作る(3) 「できない」と言えない - コミュニケーションのヒント はじめに 結城浩です。 いつもご愛読ありがとうございます。 * * * 半額セールの話。 ただいま、結城の本二冊(Kindle版)が半額セールになっています! ◆増補改訂版 Java言語で学ぶデザインパターン入門 Kindle版https://www.amazon.co.jp/dp/B00I8ATHGW/?tag=hyuki-22 ◆暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス Kindle版https://www.amazon.co.jp/dp/B015643CPE/?tag=hyuki-22 なお、固定レイアウト型の配信なので、ご購入前には「無料サンプル」で使用感を必ずご確認ください。 * * * 作業ログの話。 私は毎日「結城浩の作業ログ」と銘打って、自分の作業ログをWebで配信しています(ひと月200円)。 ◆結城浩の作業ログhttps://log.hyuki.net/ 講読者数は毎月増減するのですが、先日初めて100名を越えました(noteとpixivFANBOXの合計人数)。多数の応援に感謝です。 最近は、作業ログだけではなく、音声入力の実験も兼ねた短い文章も配信に加えるようになりました。音声入力によって文章を書いて(話して)いると、いつもと違う感覚になって楽しいですね。 今回の結城メルマガでは、この作業ログを書く自分専用Webアプリ「esapp」の作成について書いています。今回で(3)になりました。あまり技術的な詳細には入らず、何を考えて作っているかという発想を中心に紹介しています。 * * * それでは、結城メルマガを始めます。 どうぞごゆっくりお読みください。  

Vol.440 結城浩/片付けが苦手/デザインパターンの学び方/「できない」と言えない/自分のいやなところを他人から指摘されたとき/作業ログを書く自分専用Webアプリesappを作る(3)/
結城浩の「コミュニケーションの心がけ」

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」は、読みやすくわかりやすい書籍を20年以上書き続けてきた結城浩が「わかりやすい文章を書く心がけ」や「人に教えるときの心がけ」を読者のみなさんと分かち合う有料メールマガジンです。

著者イメージ

結城浩

数学青春物語『数学ガール』シリーズ著者。20年以上にわたり、Java, Perl, Cなどのプログラミング言語入門書、デザインパターンなどの技術書、数学入門書など多数執筆。 Twitter: @hyuki

https://www.hyuki.com/
メール配信:ありサンプル記事更新頻度:毎週火曜日※メール配信はチャンネルの月額会員限定です

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