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Vol.120 結城浩/結城浩ミニ文庫「新しい本の企画を考える」/肯定と否定/歩いて考える/
2014-07-15 07:00220ptVol.120 結城浩/結城浩ミニ文庫「新しい本の企画を考える」/肯定と否定/歩いて考える/
結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2014年7月15日 Vol.120
はじめに
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
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台風8号が過ぎて急に暑くなりました。 みなさんいかがお過ごしですか。
結城は相変わらず『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』を進めています。 ちょっと予定より遅れ気味なので、他のプロジェクトを止めて集中するようにしています。 現在は第四章。今週末までに第五章までをまとめようという目算です。 さてどうなりますか。
紙にプリントアウトする時間や、 紙にいれた朱をファイルに反映させる時間はそれなりに掛かるのですが、 トータルで見るとやはり紙の上で推敲・校正するのが効率はいいようです。 特に、大がかりな移動を行ったり広い視点で構成の矛盾点を探すには、 現在のところ紙がいちばんいいようです。
章をまとめてPDFをレビューアさんに送り、 その時点でのファイル群をgitを使ってバージョン管理します。 「タグ付け」をしてレビューアさんに送った時点での版が識別できるようにします。 こうしておくと、レビューアさんから指摘事項が来たときも確認作業が楽になるからです。
先日の教訓をもとにして、 調子がのらないときには次の章の図版を調整していました。 章単位で、
・プリントアウト ・朱入れ ・ファイルへの反映
を繰り返し、まとまったものをレビューアさんに送る。 こうやって少しずつ固めていく作業は楽しいものです。 「レビューアさんに送る」というのが一区切りになるので、 「あちこちいじっているけれど、なかなか進まない」 という状況から逃れられるのですね。 「まずはここまでまとめよう」とスモールステップで進むのは大事です。
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先日、こんなニュースを見かけました。
【研究・教育支援】株式会社アカリク、「Cloud LaTeX」を譲受し、提供開始 日本語などのマルチバイト言語に初めて対応したLaTeXのオンラインコンパイルサービス- http://acaric.co.jp/news/2014/07/cloudlatex/
このニュースにあるCloud LaTeXというのは、 Web上でLaTeXを編集し、パブリッシュできるサービスのようです。 ソフトウェアをインストールするのではなく、 クラウド(サーバ)側にLaTeXの処理系を置くことで、 ユーザがソフトをインストールしたり、 ファイルを管理したりする手間を省くメリットがあるとのこと。
このシステムは、テキストファイルだけではなく 画像ファイルなどもクラウド側で管理できるようですね。 結城は自分のローカルな環境でLaTeX→PDFを作るワークフローができあがっているので、 こういう環境を即使おうとは思いませんが、 何かのきっかけに試してみたいものです。
いろんなものがクラウド側で管理されるようになっていきますね。
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先週、なぜか突発的に俳句や和歌を詠んでいました(正確には川柳と狂歌かもしれません)。 特に勉強をしたわけではないので、単純に言葉を並べているだけなのですが、 五七五のリズムはとても心地よいのでつい夢中になってしまいます。 素人でも楽しめるのが言葉のすばらしさですね。
たとえば、こんなの。
季語知らず歳時記持たず五七五指折り数えて歌う七七
あるいは、こんなの。
本を書く毎日という名の特別な今日
ぜんぜん季節を詠んでいないのですが、 私としては「ふむ」と思うところがあります。
数学っぽいことを詠んでみたり。
両辺をゼロで割れぬと知りながらつい試みる無限求めて
彼女(奥さん)のことを詠んでみたり。
暑いからベタベタするなと君は言うだったら隣に来なきゃいいのに
季節もたまには詠みます。
雲落ちて雨虹過ぎて青空の夏
実はこれ以外にも、百人一首のパロディもどきをたくさん書いたのですが、 あまりにも恥ずかしいのでここには載せません。 あ、でも、一つだけ。
いにしへの奈良の都の2^3重桜けふ3^2重に匂ひぬるかな
(野暮な解説:LaTeXで2^3というのは2の3乗で8を表し、3^2は3の2乗で9を表します)
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ではそろそろ、結城メルマガを始めます。
今回は「結城浩ミニ文庫」のコーナーを利用して、 『数学文章作法』の第三弾の企画を考えてみます。 第二弾の『数学文章作法 推敲編』は今年出版の予定ですが、 その次の第三弾をどのように書いていったらいいかという 一人ブレーンストーミングです。
その他に「肯定と否定」および「歩いて考える」 という言葉にまつわる文章をお送りします。
では、結城メルマガをどうぞ!
目次
はじめに
結城浩ミニ文庫 - 新しい本の企画を考える
肯定と否定
歩いて考える - 文章を書く心がけ
おわりに
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