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Vol.196 結城浩/橋を架ける/同一視と豊かな人生/「秘密ノート」新シーズン/
2015-12-29 07:00220ptVol.196 結城浩/橋を架ける/同一視と豊かな人生/「秘密ノート」新シーズン/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2015年12月29日 Vol.196
はじめに
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
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フェア企画の話。
ジュンク堂書店池袋本店さんが、2015年の8月からずっと 「結城浩書店」というフェア企画をしてくださっておりました。 いよいよ12月31日までということですので、 もしも池袋にいらっしゃる機会がありましたらぜひどうぞ!
◆紹介ツイート(ジュンク堂さん) https://twitter.com/junkudo_ike_pc/status/681088064832188416
◆店内写真(ジュンク堂さんによる)
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ゲームの話。
すでにコンプリートしてしまいましたが、 pruneというゲームがお気に入りです。
◆prune http://www.prunegame.com
これは、にょきにょきと伸びてくる木を「剪定する」 という変わったゲームです。
うっかりすると枯れてしまう。 太陽の光まで届かないと花が咲かない。 困難を乗り越えて、たくさん花を咲かせるにはどうするか…… そんなパズル要素はたくさんあるのですが、 私がこのゲームを気に入っているポイントは、そこではありません。
ひとゲーム終わると、画面全体が一つの小さな「絵」になる。 その絵は、ゲームの結果としてできあがる木と花の絵なのですが、 失敗しても成功しても、それなりの形で美しい。 そこがいいんですよね。
百聞は一見に如かず。 結城が作った「絵」(ゲームの結果)をみてくださいな。
◆prune(スクリーンショット)
◆prune(スクリーンショット)
◆prune(スクリーンショット)
◆prune(スクリーンショット)
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絵の話。
漫画家の弓月光さんが、 森薫さんの『乙嫁語り』に登場するアミルを描いたツイートを見かけました。
◆弓月光さんのツイート https://twitter.com/h_yuzuki/status/677098044387495937
美しい!上手い!というのは当然そうなのですが、 「弓月光さんの絵だけれど、しかもアミルになってる」 というのを素敵に感じました。 描き手のオリジナリティというのでしょうか、個性というのでしょうか。 すごいですよね……
それからもう一つ思ったのは、 そうか、弓月光さんもツイッターやってるんだ!ということ。 現在、作品を発表している漫画家のみなさんは、 みなどこかで生活していて、仕事をなさっている。 そんな、あたりまえのことを改めて思いました。
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訪問販売の話。
先日、自宅に飛び込みの営業マンが来た。 訪問販売のようである。 以下、インターホン越しの会話。
営業「ご説明させてください」 結城「資料をお持ちなら、郵便ポストに入れておいてください」 営業「はい、資料はありますが、ぜひとも直接ご説明を」 結城「あなたは、いきなり来た知らない営業マンに、玄関のドアを開けますか?」 営業「……いえ」 結城「私も同じです」
というやりとりがあって、営業マンには帰ってもらいました。 ちなみに、この営業マン、郵便ポストに資料を入れていきませんでした(!)
結城は、訪問販売が来たときや営業の電話が掛かってきたときには、 最初に、
「これは営業ですか?」
と尋ねるようにしています。 「営業です」と答えが来たら「けっこうですので」と言って帰っていただきます。 営業マンが勝手に自分の話を進めようとしたら、 繰り返して「これは営業ですか?」と聞くようにしています。 訪問販売では、勧誘に先立ってこの質問に答えなければいけないからです (正確には、自分から告げるべきなのです)。
---------- 事業者の氏名等の明示(法第3条)事業者は、 訪問販売を行うときには、勧誘に先立って、 消費者に対して以下のことを告げなければなりません。 1.事業者の氏名(名称) 2.契約の締結について勧誘をする目的であること 3.販売しようとする商品(権利、役務)の種類 ----------
◆訪問販売 http://www.no-trouble.go.jp/search/what/P0204002.html
◆電話勧誘販売 http://www.no-trouble.go.jp/search/what/P0204008.html
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勉強の話。
先日、CodeIQの「マヨイドーロ問題」が終了しました。
◆マヨイドーロ問題 https://codeiq.jp/magazine/2015/12/35521/
ある方から「このような問題が解けるようになるには、 何を勉強すべきでしょうか。大学に行かずに独学で大丈夫ですか」 という質問をいただきました。
こういう質問にちゃんと答えるのは難しいものです。 というのは前提条件によって答えは大きく変わるからです。 たとえば質問する人が高校生である場合と、 職業的プログラマの場合とでは、答えは変わりそうです。
でも、このような質問に答える機会を、 「自分の考えていることを表現するきっかけ」と考えるなら、 答えられないということはありません。 たとえば、以下のような答えになるでしょう。
短く答えるなら、マヨイドーロのような問題を解くには、 数学とコンピュータ科学とプログラミングの知識が必要です。 マヨイドーロ問題に限るなら、 プログラミングの知識だけでもある程度は解けるかもしれません。
マヨイドーロ問題を解けるかどうかに関していえば、 「大学で学ぶ」ことは、必要条件でもないし十分条件でもないと思います。 でも、あなたがこれから進学するかどうかを考えているならば、 大学でコンピュータ科学や数学を学ぶのは悪い選択ではないと思います。
しかし、「大学に行く」ことは本質ではありません。 大学という場で刺激を受け、その場を活用して本を読み、プログラムを書き、 何よりも「自分でしっかり考える」のがポイントとなるでしょうね。
「大学に行かなければ駄目」ということはありませんし、 「独学では学ぶのは無理」ということもありません。 けれども、ぜんぶ自分の頭で考えようとするのも効率が悪いといえば悪いです。 本をたくさん読み、人からもたくさん学び、 でも「ここぞ」というところでは必ず自分の頭と手を使う。 そういう態度が大事なのだと思います。
そして「本をたくさん読み、人からもたくさん学び、 ここぞというところでは自分の頭と手を使う」という習慣を身につけるのに、 きちんとした大学に行くことは、一つのよい選択であると思います。
……おおよそ、こんな答えになるかしら。
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日本国憲法をコンピュータで処理できるように書き換える話。
「憲法(日本国).」というシステムを作っている方(@bitlawjp さん)がいます。
◆憲法(日本国). http://bitlaw-jp.github.io/logicon-system/
説明文によれば、
憲法解釈が高度化する中、憲法の条文そのものを基準としたシステムを使うことで、 その内容をよく理解し、議論することが可能になるのではないかと考えています。
とのこと。Prologを使って、憲法をプログラムとして表現し、 憲法の条文から論理的に導けることを答えるシステムのようです。
以下は「天皇ってなに?」という質問への回答です。
◆憲法(日本国). スクリーンショット
おもしろいですねえ。
プログラムは以下で公開されています。
◆日本国憲法 in Prolog https://github.com/bitlaw-jp/the-constitution-of-japan
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条件抜きの「好き」の話。
「答え」なんか出さなくてもいい。 毎回わたしを楽しませる必要も笑わせる必要もない。 無理して稼がなくてもいい。かっこ悪くても構わない。 ただ、あなたに、いてほしい。 ……という気持ちを「好き」と呼ぶ。
「〇〇ができるあなたが好き」という条件付きの気持ちは、 「〇〇ができなくなったあなたは嫌い」という状態になる危険性がある。 もちろん、いつもそうなるとは限らないけれど。
「あなたの今回のテストは点数が低い。なので、今学期の成績は悪い」 という主張に耐えられる人は多い。でも、 「あなたの今回のテストは点数が低い。なので、あなたの存在は否定される」 という主張に耐えられる人は少ない。
点数の高低で成績が変化するのは耐えられる。 でも点数の高低で存在が認められるかどうかというのは恐怖である。 「点数の高低」に、どんな条件を入れても同じだ。
「点数の高低」を自分の存在と結びつけてはいけない、とも言える。 また「愛する人への励まし」が条件付きにならないようにしたほうがいい、 とも言える。
「好き」を表明するなら、 私はあなたを理屈抜きに好き! 圧倒的に好き! 条件抜きで好き! 誰が何と言おうとも、あなたがどんなことになろうとも、 好き好き大好き、絶対的に大好きだ! ……というのがいいなあ。
ということを書くと「甘やかすな」とか「そんなことをしたらつけあがる」 という反応が来ることが予想される。もしも、どうしても、 条件を付けたかったら、存在に対してではなく、行為について付ける方がいい。
あなたの愛する人が悪いことをしたら、 その悪い行為に対して文句をいう。その行為について悲しいと表明する。 つまりは「罪を憎んで人を憎まず」ということか。 まあ、極端な例を出し始めたら切りがないけれど……
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ケアレスミスの話。
教える立場の方から「生徒のケアレスミスを防ぐにはどうしたらいいか」 という主旨の質問をいただきました。 たとえば「問題の読みまちがい」や「移項の際の符号ミス」 などを防ぐ(生徒自身に防いでもらう)にはどうするかという話。
結城はこんなふうに考えました。
生徒の個々の状況を「ケアレスミス」という表現から、 別の表現で言い換えてみるというのはどうでしょうか。 問題の読みまちがいにしても、符号ミスにしても、 それを何と表現するか。 先生自身が言い換えてみるのもいいし、 生徒自身に言い換えさせるのもいい。
具体的にいうならば、今回の「ケアレスミス」は……
・先を急ぎすぎている ・実は理解が不足している部分がある ・ステップごとに細かく確かめをしていない ・「自分はできる」と誤解している ・文字を小さく書きすぎている
などなど。
発生した事象に「ケアレスミス」 という大ざっぱなラベルを付けて終わりにするのではなく、 できるだけ「具体的に」表現してみる。言い換えてみる。
つまり、これは「《ケアレスミスを起こして困る》という問題」 を解こうとしているわけなのですから、 名著『いかにして問題をとくか』に出てくる問いかけが使えるはず。
《問題をいいかえることはできるか》 《ちがった言い方をすることはできないか》
ですね!
◆もとのツイートはこちら https://twitter.com/hyuki/status/678960417712959488
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それでは、今週の結城メルマガを始めましょう。
今年最後のメルマガなので、 ふわっとした内容の読み物をお送りします。
どうぞ、ごゆっくりお楽しみください!
目次
はじめに
橋を架けることについてのメモ
同一視と豊かな人生
「先生」という呼称について - 仕事の心がけ
「数学ガールの秘密ノート」新シーズン
おわりに
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Vol.195 結城浩/セルフブランディングで大切にしていること/自称「コミュ障」のあなたへ/本を書いて生計を立てる/
2015-12-22 07:00220ptVol.195 結城浩/セルフブランディングで大切にしていること/自称「コミュ障」のあなたへ/本を書いて生計を立てる/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2015年12月22日 Vol.195
はじめに
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
今週はクリスマスの週ですね。
町を歩くとあちこちからクリスマスソングが聞こえてきて、 思わず私も口ずさんでしまいます。
(などと書くと、 いかにもブログの書き出しの定型文みたいですが、 実際、口ずさんでしまうんですよね)
クリスマスシーズンになると、 妻の影響もあって、ヘンデルの「メサイア」を聞くことがよくあります (妻の好きな曲なのです)。特に、
...Wonderful Counsellor, The mighty God, The everlasting Father, The Prince of Peace.
という部分が感動です。 聖書のイザヤ書9章6節の部分ですね。 救い主が生まれてくる預言のところで、 彼が「何と呼ばれるべき方」なのかが歌われている部分。
「不思議な助言者、 力ある神、 永遠の父、 平和の君」(新改訳より)
これもまた「名前重要」な話ですね。
自分は、他の人に何と呼ばれたいだろう。
あなたは、他の人に何と呼ばれたいですか。
* * *
CodeIQの話。
ここしばらく、CodeIQで「マヨイドーロ問題」 というアルゴリズムの問題を出題していました。 先日、無事に終了し、 CodeIQ MAGAZINEに解説記事を書きました。
◆結城浩の「マヨイドーロ問題」解説 https://codeiq.jp/magazine/2015/12/35521/
出題編PDFと解説編PDFも上のページからたどれますので、 よろしければお読みください。
* * *
忘年会の話。
先日、編集部の忘年会にお呼ばれしたときのエピソードです。
みなさんと楽しくおしゃべりして、夜遅くなって、 「良いお年を!」と言って別れました。
しばらく歩いて駅に着いて「さてツイートしよう」と思って……
「あれ? iPhoneどこだ?」
カバンを探っても出てこない。
「しまった、さっきのお店にiPhone忘れたんだ!」
終電近いし、お店まで戻るのにも時間が掛かるし、かなり焦る。
「そうだ、電話しよう……その電話がないんだよ!」
と一人ツッコミ。いまどき少なくなった公衆電話を見つけて、 お店に電話。
「すみません! iPhone忘れました!」
お店の中を探してもらったけれど、見つからない。
音で探しましょうということになり、 お店の人に電話番号を教えて鳴らしてもらう。
すると、あれれ!? なんと、私の胸ポケットが震え出しました。
「すみません。胸ポケットにiPhone入ってました……」
お店の人に良かったですねと言われて、 ほっとしつつも、ちょっと恥ずかしかった一幕でした。
人というものは、連絡手段がなくなると、 かなり焦るものですね! (と、一般化して照れくささをごまかしてみる)
* * *
それでは、今週の結城メルマガを始めます。 今週は、
「セルフブランディングで大切にしていること」
という読み物をお送りします。
これは「月刊群雛」2015年12月号に掲載されたゲストコラムを、 「結城浩ミニ文庫」のPDFに再パッケージしたものです。
再掲するだけではなく、それにプラスして、
「「セルフブランディングで大切にしていること」を書くということ」
という読み物も結城メルマガ本文に用意しました。
このゲストコラムを書くに当たって考えたこと、注意したことなど、 いわば「執筆の裏話」をメタな視点でお届けしましょう。 両方合わせてお読みいただくと、 多層的に「文章を書く」話が浮かび上がる仕掛けです。
それではどうぞ、ごゆっくりお楽しみください!
目次
はじめに
『セルフブランディングで大切にしていること』 - 結城浩ミニ文庫
『セルフブランディングで大切にしていること』を書くということ - 文章を書く心がけ
自称「コミュ障」のあなたへ
「他人を批判したくなる時」に思うこと
本を書いて生計を立てる - 本を書く心がけ
おわりに
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Vol.194 結城浩/再発見の発想法 - データ圧縮/問題を「分けて解く」話/後悔の少ない人生/
2015-12-15 07:00220ptVol.194 結城浩/再発見の発想法 - データ圧縮/問題を「分けて解く」話/後悔の少ない人生/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2015年12月15日 Vol.194
はじめに
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
寒くなりました。
いえ、今年は暖冬らしいので、 朝晩と昼間の温度差が大きいことが多いというべきでしょうか。
本当に寒いなら(あるいは暑いなら)いいのですが、 朝は寒いのに昼間暑くなると、着るものが困るんですよね。 寒いと思って厚着をして出かけたら、 暑くなってコートを持ち歩くことになったり、 汗をかいて身体が冷えてしまったり……
特に先週の金曜日はひどかったです。 朝はざんざん降りの雨となり、これは寒いか? と思わせておいて、昼は二十度を越す暑さ。 フェイントにもほどがあります。
結城は、天気が悪いときや体調が優れないときには、 もう無理をしないことにしました。 調子が悪くなったら、早めに休むことにします。
あなたも、体調管理にはご注意くださいね。
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CodeIQの話。
CodeIQに「マヨイドーロ問題」というプログラミングの問題を出題しています。
ありがたいことに、 月曜日昼の時点で589名というたくさんの方が挑戦済みになっています。 出題者として、多くの方に挑戦していただけるのは、 たいへんうれしいことです。
◆結城浩の「マヨイドーロ問題」 https://bit.ly/c19mayoi
今回は一年ぶりの出題ということで少し緊張しましたが、 出題ミスなどの大きなトラブルもなく、無事に推移しています。 よかったよかった。
結城は今回の出題のために「出題編」と「解説編」 という二つのPDFファイルを準備しました。 問題に挑戦する人は「出題編」を読んでプログラムを書き、 結城が用意したすべてのテストケースにPASSすると、 「解説編」へのリンクが表示されるようになっています。
ただ、この方法ですと、問題に挑戦したものの正解には至らなかった方や、 そもそも挑戦しそこねた方には「解説編」が手に入りませんよね。
そこで結城は、CodeIQ MAGAZINEに、 今回の「マヨイドーロ問題」の解説記事を書かせてもらうことにしました。 単に解説PDFを公開するだけではなく、付加的な解説記事を書くことで、 挑戦者さんにいっそう楽しんでいただけると思ったからです。 また「今回は挑戦できなかったけれど、次の機会には挑戦したいな」 という方を増やしたいという思いもあります。
解説記事は、〆切が過ぎてから数日くらいで公開できたらいいと思っていますが、 実際にいつになるかは、運営さんとの相談になりますので、 現時点ではわかりません。
「マヨイドーロ問題」の〆切は今週の木曜日、朝10時です。 もしまだでしたら、問題を「チラ見」してみてくださいね。
◆結城浩の「マヨイドーロ問題」 https://bit.ly/c19mayoi
それにしても、結城はこういう出題ってすごく好きなんだな、 と改めて思いました。 仕事の都合で今年はほとんど出題できませんでしたが、 来年(2016年)はたくさん出題していきたいな。
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ベクトル本のタチヨミ版の話。
『数学ガールの秘密ノート/ベクトルの真実』の、 「タチヨミ版」ができました。
Webブラウザで、電子書籍の本文20ページほどを読むことができます。 (スマートフォンだと大きさ的につらいかも)。 もしも未読でしたら、ごらんになってください。
◆『数学ガールの秘密ノート/ベクトルの真実』タチヨミ版 https://bit.ly/vectortrial
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「よかった探しリース」の話。
「よかった探し」をする自分のWebを登録する企画です。 ぜひあなたもお気軽にご参加ください。
◆よかった探しリース http://www.hyuki.com/ring/
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CodeIQ MAGAZINEの話。
そういえば、CodeIQ MAGAZINEに、 「『数学ガール』とプログラミングの関係」 という記事を書きました。
結城が書いている『数学ガール』は、 決して数学を学ぶだけの本ではありません。 プログラミングにも通じる考え方を学ぶこともできる本なのです。
……ということで、『数学ガール』に登場する三つのスローガンを通して、 プログラミングにも使える考え方の一端を解説しています。
よろしければ、お読みください。
◆『数学ガール』とプログラミングの関係 https://codeiq.jp/magazine/2015/12/34755/
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フラクタルの話。
「ロマネスコ」という野菜を知っていますか。 スーパーで野菜を買う方なら、たぶん見たことがあると思います。 ブロッコリーやカリフラワーの親戚のような形状で、 ちょっとガウディの建築を思わせる部分もある「幾何学的野菜」です。
◆ロマネスコ - Google検索 http://bit.ly/1IOvMJT
あ、いまちらっとWikipediaを見てみたら、 やっぱりカリフラワーの一種らしいですね。
このロマネスコの形は非常に綺麗な「フラクタル」構造をしています。 フラクタル構造というのは、 「一部分を切り取って拡大すると、全体と一致する」 という構造のことです。
ブロッコリーとカリフラワーもフラクタルっぽい構造をしていますが、 でも、ロマネスコほど綺麗なフラクタル構造はなかなかありません。 スーパーで見かけるたびに、 「ほらほらフラクタル!」と家内に思わず言ってしまいます。 最近では、家内のほうから「ほらほらフラクタル!」 と言われるほどになりました。
もしあなたがロマネスコを見たことがないなら、 こんどスーパーに行ったときに探してみてくださいね。
先日、ロマネスコのことをツイートしていたら、 noneさん(@last_alterego)から、
「ロマネスコはバラすと小さいツリーのように見えるので、 クリスマスシーズンの夕食にぴったりです」 https://twitter.com/last_alterego/status/670101552401678337
と教えていただきました。なるほど、確かに!
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数学の授業の話。
UEMATSU.Yさん(@aramisakihime)が、Evernoteの共有ノートブックの形で、 数学の授業用に作成したプリントや資料などを公開していますのでご紹介。
◆Math_Share - Evernote共有ノートブック https://www.evernote.com/pub/aramisakihime/math_share
◆UEMATSU.Yさんのツイート https://twitter.com/aramisakihime/status/668753764963106816
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ゲームの話。
テトリスのように、ブロックなどが落ちてくるのを集めて消去するゲームがあります。 いわゆる「落ちゲー」ですね。 落ちゲーは、多くの場合、プレイしていると次第にスピードが早くなって、 やがてプレイヤーがついていけなくなって終わります。 でも、スピードが早くならず、ずっと同じ調子で続くモード、 いわば「無限モード」が欲しくなることがよくあります。
当然ながら、落ちるペースが早くなると、 だんだん焦ってきます。そのスリルを楽しみたい、 というときもありますが、 同じペースでずっとプレイを続けたいときもあるのです。 あなたはそういうとき、ありませんか。
最近結城が好きなのは、 iPhoneアプリの「bit bit blocks」という「落ちゲー」です。 かわいい顔をした四角いキャラクタが上から落ちてくるのを集めると、 だんだん大きなキャラクタになるという、ほほえましいゲームです。 ぜひこれに「無限モード」を入れてほしい。
◆bit bit blocks http://www.bitbitblocks.com
なぜそんなに「無限モード」にこだわるかというと、 半分機械的にゲームをしながら、 自分はどこかで考えごとをしているのです。 図形的な判断をぱっぱっと行いながら、 頭はぜんぜん別のことを考えている。 その時間が心地よいのです。
「ゲームなどせず、きちんと考えごとすればいいのでは?」 という意見もあるかもしれませんが、考えごとだけをしていると、 すぐ眠くなってしまったり、飽きたりするのです。
たぶん、単純な「落ちゲー」をやっているときって、 脳のどこかに定期的な刺激が行って、退屈しないんじゃないかなあ。
ああ、もしかすると、 結城がタイピングしながら考えごとをするのが好きな理由も、 それに近いかもしれない。両手の指を運動させていると、 脳に心地よい刺激が行くんですね、きっと。
そんなことをツイートしていたら、 飴乃ちはれさん(@chihare)から、 「リリアンを編むのはどうか」というリプライをいただきました。
https://twitter.com/chihare/status/670222865145290752
確かにそういう感覚に近いですね。 リズミカルな手の運動と機械的な判断が、 ずっと続く感じが欲しいみたいです。
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論理の話。
「Aならば、Bである」という命題Pがあるとします。このとき、 「Bでないならば、Aではない」という命題Qのことを、 Pの「対偶」といいます。
命題Pが真のとき、Pの対偶である命題Qも真になります。 また、命題Pが偽のとき、Pの対偶である命題Qも偽になります。
ところで先日、 村上春樹の『意味がなければスイングはない』という本をネットで見かけました。 Kindle版が出たからでしょうかね。村上春樹の音楽エッセイです。
◆『意味がなければスイングはない』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B017CNDCKW/hyam-22/
そして……このタイトルは「Aがなければ、Bはない」という形をしていますよね。 なので、つい、対偶(に近い形)の文を作ってみたくなりました。
意味がなければ、スイングはない。 ↓ スイングがあるならば、意味はある。
このように言い換えて、その意味するところを想像してみる。 そして「なるほど、細かいニュアンスはずいぶん変わるけれど、 その大意は確かに変わっていないな」などと考えました。
ちなみに、以下の「対偶bot」は、 よく知られているフレーズや決まり文句の対偶をつぶやくbotのようです。 ツイートをながめていると、何ともいえないおもしろみが出ていますね。
◆対偶bot https://twitter.com/taigu_bot
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女子力の話。
いがときしんさん(@igatoxin)が、 数学ガールには女子力が隠れているという話をツイートしていました。 画像で。
◆数学ガールの中の「女子力」
https://twitter.com/igatoxin/status/670138716921311232
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それでは、今週の結城メルマガを始めます。
どうぞ、ごゆっくりお楽しみください!
目次
はじめに
再発見の発想法 - Data Compression(データ圧縮)
問題を「分けて解く」話
後悔の少ない人生を送るために大切なこと
数学の問題
おわりに
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Vol.193 結城浩/子育てと「夫婦の一致」/誤読は著者の責任か?/
2015-12-08 07:00220ptVol.193 結城浩/子育てと「夫婦の一致」/誤読は著者の責任か?/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2015年12月8日 Vol.193
はじめに
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
最近はすっかり「冬」になりましたねえ。 晴れた天気ならばよいのですが、 曇っていたり、風が強かったりすると、 ちょっと「ふにゃあ」とめげてしまいそうになります。
それに「朝のおふとん」の誘惑に負けないのは難しい。 つい「あと五分寝させて」という気持ちになってしまいます。 こんな絵を描きたくなるくらい。
◆あと五分寝させて(イメージ図。どら焼きではありません)
ま、まあ、それはそれとして、 毎日の生活の中に「小さな楽しみ」を見つけて、 元気に過ごしていきたいですね。
* * *
「よかった探しリース」の話。
結城は毎年、クリスマスシーズンに「よかった探しリース」 というWebの企画を行っています。 個人のサイトやブログなどをリンクでつなぐことを、 クリスマスの「リース」に見立てる企画です。
そしてそれぞれのページは、
「今年よかったことを探そう」
という共通のテーマで結ばれています。
毎年実施して、今年で19回目になりました。 もしよければ、あなたも参加してみませんか? こじんまりした企画ですので、どうぞお気軽に!
◆よかった探しリース http://www.hyuki.com/ring/
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「もこもこ」の話。
最近、調子が悪いというのではないけれど、 あれこれ考え込んでしまい、 うまく言葉にならない「もこもこした気持ち」 になることがあります。イメージ図に描くと、 こんな感じ。
◆もこもこ(イメージ図)
Twitterで @tatesuke さんから、こんなリプをいただきました。 「スレッドお化けの触り心地はどんな感じなんでしょうね。 ふわふわなのかもこもこなのか。 個人的には中は空で、風で膨らんでいるカーテンみたいな感じを想像していますが」
◆ふわふわ?もこもこ? https://twitter.com/tatesuke/status/667525008156049409
結城は、スレッドお化け坊やのさわりごこちは、 「触れる相手によって感触が違う」んじゃないかな、 と想像しています。
おもしろいもので、誰か自分以外の人と、 こういうちょっとしたやりとり(おしゃべり)をするだけで、 何だか晴れやかな気分になりました。
ひとりで考え込みすぎるのは、 あまりよくないのかもしれません。 誰かと何ということもない対話をするのは、 意外に大事なことなのかも。
* * *
数学の話。
結城は、ときどき数学の問題を出します。 先日はTwitterのアンケート機能を使って、 こんな問題を出しました。
π度と1ラジアン、大きいのはどっち?
アンケートは24時間で締め切られ、 結果はこんなふうになりました。
◆π度と1ラジアン、大きいのはどっち?(スクリーンショット)
正解は、1ラジアンです。
πは3.141...という数ですから、 π度というのは3.141...度ということになり、 「3度」よりも少し大きい角度です。
ラジアンというのは、その角度に対する円弧の長さが、 円の半径の何倍になるかを表したものです。 ですから、360度は2πラジアンに等しく、 また、180度はπラジアンに等しくなります。 なので、1ラジアンというと「60度」よりも少し小さく、 約57度ほど。
ということで、1ラジアンの方がずっと大きいことになりますが、 先のアンケートでは意外にまちがいが多かったですね。
通常「ラジアン」という角度の単位は、πや2πやπ/2など、 πと合わせて使うことが多いものです。 なので「1ラジアン」はどれくらいかを考えることは少ない。
一方「度」という角度の単位は、30や45や90や180など、 整数で使うことが多いもので「π度」を扱うことは少ない。
結城はそれを考えてわざと「π度と1ラジアン」 を比較させる問題を出題しました。 でもそれは「引っ掛け」という意味ではなく、 「1ラジアン」のおおよその大きさを体感的に知っているかどうか、 それを確かめたかったからです。
実際、ある数学の先生からは「1ラジアンがだいたい何度か」を問うのは、 ラジアンを教えるときには定番の問題だとあとから教えてもらいました。
他にも数学の問題をいくつか出したので、 また、後ほどお話しします。
* * *
スクリーンショットの話。
ふだん仕事でコンピュータを使っているとき、
「いま見ているこの画面を保存しておきたい」
というのはよくあることです。 いわゆる「スクリーンショット」を撮るということですね。 先ほども、アンケート結果のスクリーンショットをお見せしました。
結城はMacでスクリーンショットを撮るツールを三つ使っています。
一つは、Gyazoです。これはスクリーンショットを撮影して、 即時にサーバにアップロードして共有できるというもの。 結城はこのツールの中に含まれているスクリプトを改造して使っています。
◆Gyazo https://gyazo.com/
もう一つはSimpleCapです。ドラッグして範囲指定することもできるし、 前もってサイズを定めておくこともできるので、たいへん便利です。
◆SimpleCap http://xcatsan.com/simplecap/
そしてもう一つはEvernoteクリップです。 スクリーンショットで撮った画像をすぐにEvernoteに保存できるので便利。
参考資料をMacで読んでいるとき、
「あ、ここ、あとで再読しよう」 「この部分はあの本を書くときに参考にしよう」
という部分を見つけたら、さくさくとスクリーンショットを撮り、 Evernoteに保存するようにしています。これは非常に有効。 Evernote上に自分専用の参考書を作るようなものだからです。
そういえば、先日「液晶画面をカメラで綺麗に撮る話」が話題になっていました。 ひとことでいえば「カメラを少し斜めにして撮る」のだそうです。 おそらく画面とカメラで、ピクセルが干渉しないようにするためなのでしょう。
◆液晶画面をカメラで撮るときに出るモアレを消す http://togetter.com/li/901190
* * *
日常生活の中での発見の話。
以下のリンク先は、高等学校の塚本浩司先生が、 生徒が発見したなにげない現象を解明していくという論文です。 まるで、探偵が犯人を追い詰めていくような、 そんなどきどきするお話になっています。
◆コーヒーカップとスプーンの接触音の音程変化 http://ci.nii.ac.jp/naid/110007491429
上のリンクに書かれていたアブストラクトを以下に引用します。
--------- マグカップでインスタントコーヒーを溶かしてかき混ぜるときに, ティースプーンとマグカップがぶつかり,音が生じる。 この音は,インスタントコーヒーが完全に溶解するまでの間, 音程が「くぐもった低い音」から徐々に甲高い音に変化する。 周波数特性を行ってこの現象の原因を解明し,その過程を教材化した。 この教材は,音波・音響や振動に入門する教材にもなりうるが, それ以上に,科学研究の手法を学び, 物理学を身近に感じるために最適の教材となりうる。 ---------
現象から仮説を立て、それを検証していくという、 まさに、科学的研究の王道を行くような論文です。
この論文は、以下の @qutrit_a さんのツイートで知りました。
https://twitter.com/qutrit_a/status/668247116477833216
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文章を書く人が一人いると、 それを喜ぶ人が九九人いて、文句言う人が一人いる。 文句言う一人のために書くのをやめてはいけない。
人気が出て、喜ぶ人が九九万人に増えたら、 文句言う人は一万人に増える。 それでも、書くことをやめてはいけない。
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CodeIQの話。
結城は現在CodeIQというサイトで、 「マヨイドーロ問題」というプログラミングの問題を出題しています。
先週の木曜日から公開されたのですが、 週明けの月曜の朝の時点ですでに300人以上の人が挑戦しています。 ありがたいことです。
◆結城浩の「マヨイドーロ問題」 https://bit.ly/c19mayoi
今回は一年ぶりの出題になるので、 少し趣向を変えて「自動採点問題」にしてみました。 つまり、解答者がプログラムを送信すると、 即座に正解/不正解が判定できるという方式です。
この方法だと、解答者は何度でも挑戦できますし、 自分の頭に情報が残っているうちにフィードバックを受け取ることになるので、 より楽しくチャレンジできますね。
それはそれでけっこうなことなのですが、 出題者としてはいささか緊張感が高まることになります。 つまり、自分が用意する「正解」がほんとうに正しいかどうか、 前もって確信を持って用意できなければいけないからです。
あたりまえのように聞こえるかも知れませんが、 実はあたりまえではありません。
昨年結城が使っていた方法では、解答者の投稿をすべて受け取り、 〆切が過ぎてからフィードバックを(半手動で)行っていました。 つまり、解答者がどんな解答を行ったかを、 フィードバック「以前」に見ることができたのです。 多数の解答者の答えを見ることで、 結城自身が用意した「正解」がほんとうに正しいかを確認できたという意味です。
しかし、今回のような自動採点の場合にはそれができません。 結城が一人で「私の用意する解答は絶対に正しい」と確信できるほど、 準備を整えなければならないのです。
それは、問題を出す立場としてはある意味当然の準備になるわけですが、 なかなか緊張するものではあります。 しかし、その反面、実際に問題がオープンされ、 多くの人が正解を出し始めると、 結城は出題者として大きな満足感を得ることになります。
プログラミングに慣れていない人は、 自分の書いたプログラムが「動くかどうか」が最初の課題となります。 でも、実はプログラムが動くかどうかというのは、 ある意味ではやさしい課題です。 なぜかというと、動かなければ、 動かないことが「すぐわかる」からです。 エラーになりますからね。
それに対して、それらしい結果が出たときに、 それが「ほんとうに正しいのか」を判断することは難しい。 とっても難しい。
その難しさというのは哲学的な意味合いも帯びる。 なぜかというと、プログラムを使って解く問題というのは、 おうおうにして、
「非常に規模が大きいため、 人間が実際に試すことができない問題」
だったりするからです。
人間が実際に(たとえば手計算で)試すことはできない。 プログラムを使ってはじめて得られる答えが目の前にある。 さてさて、これは、正しい答えだろうか。
そして、もしもプログラムを経ずして正しい答えだといえるなら、 プログラムを使う意味はどこにあるのか。
そういう意味で「プログラムの出す結果が正しいか」 という判定は非常に難しい問題をはらむのです。
そんなことを考えつつ、CodeIQの問題を作っています。
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レトリカル・クエスチョンの話。
レトリカル・クエスチョン(修辞疑問)というのは、 疑問の形をしているけれど、その真意は疑問ではないという文です。
「どうして、こんなことしたの?」
というのは疑問の形をしていますが、 叱責であることも多いですよね。 答えを知りたくて聞いているのではなく、 怒っているだけ。
ちょっと意識すると、 レトリカル・クエスチョンは日常生活のあちこちで見つかります。 自分自身が使うときもあるし、 他の人が使っているのを耳にすることもあります。
先日ファミリーレストランで、 小さな子供が飲みものをひっくり返したとき、 親が、
「どうしてちゃんと押さえてないの?」
と叫んでいました。 これも、レトリカル・クエスチョンの一種ですね。 別に押さえていない理由を知りたいわけではない。 親は「ちゃんと押さえなさい」と怒っているのです。
レトリカル・クエスチョンは叱責になるとは限りません。 子供の歌で、
どうしてお腹が減るのかな? ケンカをすると減るのかな?
というものがあります。あの歌も、歌詞を注意深く読んでみると、 レトリカル・クエスチョンであることがわかります。 「お腹が減る理由」を知りたいというのは真意ではなく、
おかあさん、おかあさん。 お腹がすいたから、何か食べるものちょうだい!
という歌なんだよな、と思います。
仕事でレトリカル・クエスチョンが飛び交うのは考えものですが、 日常生活においては、微妙なニュアンスを出し、 ときにはいい効果を上げる場合もあります。
あなたのまわりには、 どんなレトリカル・クエスチョンがあるでしょう。
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それでは、今週の結城メルマガを始めます。 今回は、いつもの読み物の他に、
「誤読は著者の責任か?」
というQ&Aをお届けします。そこでは、 『エンジニアとして世界の最前線で働く選択肢』 という書籍の著者、 竜盛博さんとのメールのやりとり全文を書きました。
◆『エンジニアとして世界の最前線で働く選択肢』(竜盛博) http://www.amazon.co.jp/gp/product/4774176567/?tag=gnk-22
どうぞ、ごゆっくりお楽しみください!
目次
はじめに
子育てと「夫婦の一致」
誤読は著者の責任か? - Q&A
数学の問題
おわりに
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Vol.192 結城浩/村上春樹『職業としての小説家』を読みながら/どうやって生きていく?/漢字変換ソフトは何を?/
2015-12-01 07:00220ptVol.192 結城浩/村上春樹『職業としての小説家』を読みながら/どうやって生きていく?/漢字変換ソフトは何を?/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2015年12月1日 Vol.192
はじめに
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
早いもので、もう2015年も12月ですね。 うう……このあいだ 「あけましておめでとう」と言ったばかりなのに、 もうそんなに時間が過ぎてしまったのですか。 軽くショックを受けてしまいますね。
あれも、これも、何にもやってないのに、 もう一年が過ぎちゃうのか、なんて…… そんな気持ちを抱きそうになります。
でも、焦ってもしょうがないですよね。 今日もたいせつな一日ですから、 あわてず焦らず、ていねいに行きましょう。
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CodeIQの話。
CodeIQというのは、ITエンジニア向けに、 プログラミングなどの問題を出しているサイトです。
◆CodeIQ https://codeiq.jp
結城は2014年の終わりまで、 CodeIQでたくさん出題していましたが、 気がつくとまる一年も出題が止まっていました。 先日CodeIQの運営さんからご依頼を受けたので、 またぼちぼち再開しようかなと思っています。
以前結城が出題していたときから、 CodeIQもリニューアルされており、 ずいぶんさまがわりしたようです。
まずは近日中に軽めの自動採点問題を出題します。 プログラミング言語には依存せず、 自分の好きな言語で書くことができる、 アルゴリズムの問題です。
また、今回の問題に正解した人には、 抽選でプレゼントも出る予定ですので、 問題が公開されましたらぜひご参加くださいね。
◆結城浩のCodeIQ http://www.hyuki.com/codeiq/
◆結城浩の「マヨイドーロ問題」(イメージ画像)
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今週の結城メルマガでは、 「結城浩ミニ文庫」のコーナーで、
「オリジナリティについて」
という文章をお送りします。 この文章は、村上春樹の自伝的エッセー 『職業としての小説家』を読みつつ書いたものです。
その他の読み物と合わせて、 どうぞ、ごゆっくりお楽しみください!
目次
はじめに
『オリジナリティについて』 - 結城浩ミニ文庫
プログラミング言語をめぐってふと思うこと
品質担保に掛かるコスト
どうやって生きていく?
漢字変換ソフトやスニペット支援ソフトは何を? - Q&A
おわりに
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