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記事 4件
  • Vol.065 結城浩/講演『数学ガール』の誕生(10)/「教えること・学ぶこと」をTwitter上で考える/

    2013-06-25 07:00  
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    結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2013年6月25日 Vol.065
    はじめに - マシンが復旧しました
    おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読いただきありがとうございます。
    先週「マシンが壊れた!」というお話をしましたが、 あれから無事に修理されてマシンが帰ってきました。
    故障箇所はThinkPadのSSD、つまりファイルを保存している二次記憶装置の不調で、 結果的にSSDの交換(ハードウェアの交換)という対処になりました。 これは結城の側でどうこうできる問題ではなかったので、 サポートセンターにさっさと送ってしまったのは功を奏したことになります。
    故障を起こしたのはたまたま保証期限が切れる数日前(よかった!)。 SSDをすべて交換したけれど費用はまったくかかりませんでした。 おまけに、カバーの一部分が壊れていたのも併せて無償で交換してくれました。 さらにはマシン全体がクリーニングされてきたので、 結果的に新しいマシンを購入したような気分になりました。 ありがたいことです。
    SSDが交換されたので、私のファイルはすべて消え、 我が家に戻ってきた時点ではまっさらのWindows 7がインストールされた状態です。
    ここから、マシンを送り出した時点でクラウド(Dropbox, SugarSync, Evernote)に 保存しておいたファイルを新しいマシンに戻す作業となります。 新しいマシンになってうれしくもあり、 ちゃんと元に戻るか不安でもありというひととき(約二日)も過ぎ、 復旧は無事に終わりました。新しいマシンになってうれしくはありますが、 少なからぬ時間を使ってしまいました。
    まあでも、ファイルをクラウドにバックアップしていたのは本当によかった。 バックアップがなかったらと思うとぞっとします。 Dropbox, SugarSync, Evernoteなどのサーバと同期するタイプのバックアップがいいのは、 「さあ、バックアップするぞ」といちいち考えなくてもいいからです。 いわば「常時バックアップされている」という状況ですから。
    やはりこういうセーフティネットは何も手間を掛けなくても 自動的に行われているようにしておいたほうがよいですよね。
     * * *
    そういえば先日、子供にバックアップの重要性を説明するために、 こんな話をしました。子供のマシンを指さして、
     「いま、この瞬間、機械が机から落ちて壊れたら、困る?」
    と聞いたのです。 子供はちょっと考えて「すごく困る」と答えました。
    実際、結城のマシンが壊れたときも、 前の晩までは正常に動作していたのです。 それなのに朝起動したら既におかしな状態になっていました。
    バックアップは「いま、すぐやる」と考えた方がいいですね。 みなさんのコンピュータ、バックアップは大丈夫ですか。
    ここで流行の、
     「いつバックアップやるの?」  「今でしょ!」
    と言いたくなりますが、がまんがまん。
     * * *
    さて、今回の結城メルマガです。 今回のメインコンテンツは「本を書く心がけ - 講演「数学ガールの誕生」(10)」です。 今回がいよいよ最終回になります。 どうぞお楽しみください!
    目次
    はじめに - マシンが復旧しました
    本を書く心がけ - 講演「数学ガールの誕生」(10)
    本を書く心がけ - 新シリーズ開始で最も配慮したこと
    教えるときの心がけ - 「教えること・学ぶこと」をTwitter上で考える
    次回予告 - 再発見の発想法
     
  • Vol.064 結城浩/講演『数学ガール』の誕生(9)/マシンが壊れた!/

    2013-06-18 07:00  
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    結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2013年6月18日 Vol.064
    はじめに - マシンが壊れた!
    おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
    先週から今週に掛けて(私にとっての)最大のニュースは、
     『数学ガールの秘密ノート/式とグラフ』がアマゾンで予約開始!  http://www.hyuki.com/girl/note1.html
    になるはずだったのですが、個人的には、
     「自分がいつも使っているマシンが壊れた」
    ことの方が大きな影響を与えるニュースとなりました。
    結城がふだんやっている文章書きの仕事というのは、 ノートパソコンと身体一つがあれば場所を選ばずに どこでもできるはずです。原理的には。 でも実際には補足すべき条件があります。
     ノートパソコンが一台
    あればいいのではなく、
     (自分用によくチューンナップされた)ノートパソコンが一台
    あればいい、なのですね。
    結城が使っているWindowsマシンはLenovoのThinkPadです。 ちょうど一週間前、起動した直後から反応がおかしくなりました。 簡単なアプリは起動するのだけど、EvernoteやFirefoxなど 仕事で使うアプリがのきなみハングアップしてしまいます。
     「まあ、再起動すればよくなるだろう」
    という目論見もむなしく、再起動しても状況は変化せず。 長い話を短くすると、水曜日に修理に出すことになって しまいました。
     * * *
    マシンを修理に出したとしても〆切はやってきますので、 仕事の環境を整える必要があります。 さいわい、最近の仕事環境はクラウドに大半おいてありますので 非常用に確保した代替マシンに移すのはそれほどたいへんではない と判断しました。
    代替マシンというのは子供がふだん使っているThinkPadです。 子供が学校に行っている間使わせてもらうことにしました (このあたり、ちょっと情けないですね)。
    「クラウドに仕事環境を置いてある」というのは、 具体的にどういうことかというと、 資料のような長期的に使うものはDropboxに、 普段書いている原稿ファイルはSugarSyncに、 自分のアイディアメモはEvernoteにおいてあるという意味です。
    Dropbox, SugarSync, Evernoteというサービスを利用して、 必要なファイルは常時サーバ上においてあります。 ですから、たとえ自分が使うマシンが切り替わったとしても、 サーバから新しいマシンにファイルを持って来れば シームレスに作業は継続できることになります。
    また、代替マシンで行った作業(具体的にはファイル内容の変更) も常にクラウド側に反映されますから、 修理されたマシンが返ってきた後もシームレスに 作業が継続できるはずです。
    …はずでした。
    でも、現実世界はなかなかそううまくはいかないのが常。
     * * *
    最初にお断りしておくと、クラウドを使ったことで、 代替マシンへの移行が容易だったのは事実です。 マシンが壊れる前、ふだんからクラウドを使っているので、 その点については移行でパニクることもありません。
    問題は、クラウドに入れていないファイルがいくつかあったことです。
     ・アプリケーションの設定ファイルやレジストリ  ・よく使うバッチファイルや小さなツール類  ・銀行関連のセンシティブなファイル
    以上のファイルはクラウドに入れていませんでした。 そして、そのことを自分で気づいていませんでした。 マシンを修理に出すということになり、
     「えっと、このマシンがなくなってもほんとうに大丈夫なのかな?」
    と改めて「真剣に」考えて初めて、 不足しているファイルの存在に気づいたのです。
    上記のファイルは外部ハードディスクに保存することにしましたが、 いざやろうとしてみると、マシンが壊れかけているため なかなか作業が進まない! これには焦りました。
    もう一つの問題は代替マシンがいささかパワー不足だったことです。 ファイルとしては移行が済んだのですが、いざ外で作業してみると 電池の持ちが悪い…。ということで、これまでとは異なる仕事の 進め方をしなくてはならなくなりました。
     * * *
    クラウドは便利だが、忘れていたファイルがあった。 代替マシンはパワー不足。 ということですが、マシンが壊れて気づいた「良いこと」もあります。
    まず、前倒しで仕事をせざるを得なくなったこと。 予想外の状況に備えて、早め早めに動いて仕事を進めるようになりました。 夕方から夜にかかることも多いWeb連載の準備が早めに済みました。 はからずも、強制的に〆切が作られたような状況でしょうか。
     「早目に終わらせる気になればできるじゃないか。  ふだんどれだけ集中力を落としてやってるんだ」
    と自分に言いたくなりましたよ(苦笑)。
    それからもう少しデリケートな「文章の書き方」への影響もありました。 文章をばたばた書いて、ばたばた直すといういつものパターンをちょっと変えて、 一呼吸分だけ文章を頭で練ってからエディタに吐き出すというパターンになりました。 ふだんと違う環境で書かざるを得ないので、 強制的に「無駄な動きを減らした書き方」の練習をさせられている感じでしょうか。
    文章は何度も読み返して直しますから、 結果的にはいつもと同じ文章ができあがるのですが、 その第一歩をちょっぴりていねいに踏み出す感覚です。
    その結果として、正確に測っているわけではありませんが、 トータルの文章執筆時間が短くなったように思います。
    いつもは、ファイルのあちらこちらを参照しながら書いている文章を、 足元からじっくり固めて書いている感覚です。
    (なんだかわかりにくくてすみません。 具体例を挙げるとわかりやすいんですが、 それはいつか「フロー・ライティング」のコーナーででも)
     * * *
    ThinkPadが壊れたのは6月11日でした。 奇しくもAppleの新製品情報が公開されたWWDCの直後です。 結城が「MacBook Airがまたほしくなったなあ」とつぶやいた 直後にThinkPadが壊れてしまったのです。
    家内にこの話をしたら「すねて機嫌が悪くなったのね」と笑っていました。
    そうかもしれません。
    マシンを修理に出すことになって、なんとなく(?)Apple Storeの サイトを眺めているうちに、新しいMacBook Airが欲しくなりました。 家内に購入の「予算申請」を打診してみたところ、
     ・お仕事で使う機械だし、  ・今回のように使っている機械が壊れたときの対処は必要でしょ!
    ということで、購入許可が下りました。 まあ確かに、お仕事のマシンが壊れたときに、 子供にマシンを貸してもらうというのはまずいですよね。 緊急時の対処としてはさておき…
     * * *
    さて、ながながと書いてきましたが、マシンが壊れたことで
     ・ふだん気づかなかった重要ファイルの存在に気づき、  ・いつもと違う書き方を強制されることで文章を書く訓練になり、  ・新しいMacBook Airがやってくる!
    という素敵な展開になった一週間、というお話でした。
     * * *
    マシンの修理とMacBook Airの到着を待ちながら、 今回の結城メルマガは子供の代替マシンで書いています。
    さて、今回の結城メルマガは先週の予告から変わって、 「数学ガールの誕生(9)」をお送りします。 それでは今回も結城メルマガをお読みください!
    目次
    はじめに - マシンが壊れた!
    本を書く心がけ - 講演「数学ガールの誕生」(9)
    Q&A - 思ってもいない言葉を相手に投げかけてしまう自分
    次回予告 - 講演「数学ガールの誕生」(10)
     
  • Vol.063 結城浩/講演『数学ガール』の誕生(8)/時間配分/再校ゲラ/

    2013-06-11 07:00  
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    結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2013年6月11日 Vol.063
    はじめに - 時間配分は難しい
    おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
    一人で書き物の仕事をしていると、自分の24時間をどのように配分するかは 完全に自分の裁量にまかされています。 誰からも指示されることがないのは気楽ですが、 自分が自分に指示しなくてはいけないのはつらいものです。
    仕事にもいろんな種類があります。 単発で依頼されて書いて終わりという短期的な仕事から、 本の書き下ろしのように何ヶ月もかかる長期的な仕事まで、 仕事にかかる時間はさまざまです。
    それに加えて「やればできるとわかっている仕事」もあれば、 「きちんと成果に結びつくかわからない仕事」もあります。 後者は仕事というか、ただの勉強であることも多いのですが。
    一日ずっと一つの仕事をしていることは珍しくて、 たいていはその日のメインの仕事と、それ以外のこまごまとした作業を組み合わせます。
    自分の時間の振り分けが難しい理由の一つは、 「今日の自分の振り分け」が正しかったかどうか、 だれも評価してくれないという点にあります。
    私が今日の一日をどう過ごしたか、 どういう仕事に時間を使ったかは、基本的に私しか知りません。 ですから誰も「それでいいよ。その調子」とは言わないし、 「それはまずいな、もっとこの仕事に時間を使いなさい」とも言わない。 「その調子で進んでも成果は出そうにないからやめたまえ」とも言わない。 ただ静かに時計の針が進むだけです。
    自分の行動を適正に保つためには、 正しい(と思われる)フィードバックをかけなくてはいけません。 それをかけることができるのは自分自身です。 好んでやっていることとはいえ、時に困難を感じることもあります。 特に、長期的な仕事に対してどのように時間を掛けるかは難しい。
    でも、迷ってばかりはいられないのでどこかで「心決め」するしかないのでしょう。
    「遊んでしまって時間を無駄に使う」という危険性はあまりありません。 なぜかというと、その時間遊んで(休んで、さぼって…)しまったことは、 自分でわかっているからです。 「気分転換は終わりにして、そろそろ仕事しなくっちゃ」と思います。
    意外に危険な落とし穴なのは、一見、仕事に見える作業です。 ほら、手を動かして時間を使うと「妙な達成感」があるじゃないですか。 あれがとても危険です。苦労して時間を使ったからよしとしてしまう危険性です。
    ただ、本を書くような仕事、勉強を必要とする仕事では、 ときにその対象を使って「無駄な遊び」が必要になるのも事実です。 無意味に見えるようなプログラムを作ることが、 その開発環境に慣れることにつながることもとても多いのです。
    やはり、時間の使い方の見極めは難しいですね。
     * * *
    さて、今回の結城メルマガのメインは講演「数学ガールの誕生」(8)です。 先週は「再発見の発想法」をお送りすると書きましたが、 諸事情により講演「数学ガールの誕生」の質疑応答に入りたいと思います。
    それから、書籍『数学ガールの秘密ノート/式とグラフ』の再校ゲラを待ちながら思うことや、 大学生さんからの「あせるばかりで何もできない自分が情けない」という質問(?) への回答などです。
    それでは今回も結城メルマガをお読みください!
    目次
    はじめに - 時間配分は難しい
    本を書く心がけ - 講演「数学ガールの誕生」(8)
    本を書く心がけ - 再校ゲラを待ちながら
    Q&A - あせるばかりで何もできない自分が情けない
    次回予告 - 再発見の発想法
     
  • Vol.062 結城浩/「数学ガールの誕生」(7)/レビューア/一日何文字書く?/

    2013-06-04 07:00  
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    結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2013年6月4日 Vol.062
    はじめに - 一日何文字書く?
    おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
    梅雨に入ったそうですが、さわやかだったり、暑かったり、 急に寒くなったりと変化する毎日を感じています。
    今週は水曜日に書籍『数学ガールの秘密ノート/式とグラフ』の初校読み合わせ があるので、ばたばたと忙しい毎日を送っています。脱稿したあと、 初校の読み合わせ、再校の読み合わせという区切りがありますので、 そこに合わせてきっちりと品質アップにつとめたいと思っているのです。 区切りをつけるというのは気持ちがいいですからね。
     * * *
    先日、勝間和代さんのトークイベントのツイートまとめを読んでいました。
     「個人出版」を語り尽くす!  『Amazon Kindleダイレクト出版 完全ガイド』出版記念トークイベントのまとめ、  これが勝間無双か!  http://togetter.com/li/511592
    文章を書く身として興味深く読んだのは、インプットとアウトプットの部分です。 正確な文脈はわかりませんが、 文章がうまくなりたければ、一日に10万文字インプットして、一日に5千文字書く という話が出たようです。
    この数字はなかなかリアルですごいなあと思いました。 インプット一日10万文字…結城はとうていこんな分量は行かないです。
    アウトプットはどうかしら。 この結城メルマガはどのくらいあるか計算してみます。 この5月に配送した分の合計では…
     ・PDFとして配送したテキストは約18000文字  ・PDFを除いたメール部分は約30000文字
    合計すると、約48000文字。31で割ると約1548文字。 オーダーは合ってますが、一日に5000文字書くにはまだまだですね。
    まあ数で追いつこうとするわけではありませんが、 なかなか刺激的な内容でした。
    数字はさておき、一般論として、 文章を書くために「習うより慣れろ」の部分があるのは否めません。 とにかく何かを書き続けていることは大切です。 自分の頭で考えている状態と、 それを文章にした状態というのはまったく違います。 特に「人さまに読んでもらう文章」を書くことはたいへん勉強になります。
    人間誰しも「いいとこみせたい」という気持ちがありますから、 あまりにも恥ずかしい文章は書きたくないですよね。 その仕組み(?)をうまく使うのは文章上達に良さそうです。
     * * *
    ぜんぜん違う話ですが、子供の声を録音する話。
    うちは男の子が二人います。 ちいさいときから知り合いに「子供は大きくなるのが早いよ〜」 と言われていたのですが、最近ほんとうにそれを実感しています。 子供が中学高校になっちゃうと、 あの愛らしかった子たちはどこへ……という気持ちになります。
    もちろんいまでも愛らしいのですが、 幼稚園児や小学生の愛らしさとはまた違うんですよね。
    いま小さなお子さんがいる方にお勧めなのが、子供の声を録音しておくこと。 ビデオは多くの方が撮っていると思うんですが、 「声」だけをきちんと録音することは意外に少ないと思います。 子供がお気に入りの本を朗読してもらったり、 「お父さん大好き!」と言わせたり(苦笑)した録音は、宝物です。
    ビデオを撮るときにもちょっとコツがあります。 どこかにお出かけしたときや、 入学式卒業式のような特別なイベントでは多くの方がビデオを撮ると思いますが、 「日常生活」も撮っておくといいですよ。 ふだんのバタバタした生活、散らかっている部屋。 そういう「日常生活」こそ、あとで思い返したくなるんじゃないかな…… そんなふうに思っています。奥さんからは強い抵抗にあうんですが。
    我が家のホームビデオは、すべてデジタルに切り替わりました。 以前8mmビデオで撮っていた磁気テープも、 DVDに移した後に再度リッピングして、単なるファイルになりました。 しょっちゅう見るわけではないけれど、たまに見る大切なファイルですので、 HDDとクラウドにバックアップを取っています。
    ああいうビデオって見ていると、懐かしいという思いとともに、 ほのかな寂しさ、切なさを感じます。
    どうしてでしょうね。
     * * *
    結城は、自分が書いた本やWeb日記などをときどき読み返します。 むかし自分が書いた文章の中には、今ではもう書けないものもあります。 知識として書けないというよりも、文章として書けないものですね。
    結城は文章を書くとき、読者のことを考えて書きます。 特に「ここまで説明すれば、読者はわかってくれる」という感覚を 大事にしています。 自分が持っている読者のイメージに合わせて書くわけですが、 そのイメージがむかしといまではずいぶん違っているようなのです。
    むかしの文章の中には読者の読解力に頼って、 大きく跳躍している部分があります。 つまり、説明をざっくり省略して、 大づかみに先に進むような説明をしている部分ですね。
    いまの自分がむかしの文章を読んでいると、その跳躍に驚くのです。 「おお、この説明を省略するのか!」という具合に。
    その跳躍はどこから生まれるのか。 半分は読者を信頼していることから、 もう半分は自分の理解が狭いから生まれているようです。 その跳躍の結果として、若々しく勢いのある文章ができあがる。 これは(書いた自分にとっては)なかなか勉強になります。 むかしの若い時代の自分から文章を教えてもらっている感覚に近いですね。
    家内は、自分の文章を読み返すのは好きじゃないそうです。 文章がへたというわけではないと結城は思うのですが「読み返すのは嫌」だそうです。 あなたはいかがですか。
     * * *
    さて、それではそろそろ今回の結城メルマガに入りましょう。 先週予告した通り、今回も講演「数学ガールの誕生」をPDFにてお送りします。 今回は少し軽めの内容で《コミュニケーション》が話題になっています。
    それから、Q&Aのコーナーでは結城が書く本の「レビューアさん」を 選ぶ方法についてのご質問がありましたのでそれにお返事しています。
    では、今回もお楽しみください!
    目次
    はじめに - 一日何文字書く?
    本を書く心がけ - 講演「数学ガールの誕生」(7)
    本を書く心がけ - 紙での校正と電子メディアでの校正
    Q&A - レビューアの決定方法は?
    次回予告 - 再発見の発想法