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記事 5件
  • Vol.396 結城浩/Web立ち読み版/スケジュール管理/数学を教える/現実がつまらない/コードを書くのが恐い/

    2019-10-29 07:00  
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    Vol.396 結城浩/Web立ち読み版/スケジュール管理/数学を教える/現実がつまらない/コードを書くのが恐い/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2019年10月29日 Vol.396
    目次
    目で字を追うだけになってしまう - 学ぶときの心がけ
    「Web立ち読み版」に思うこと - 本を書く心がけ
    開発職、コードを書くのが恐い - 仕事の心がけ
    先延ばしばかりしてスケジュール管理がうまくいかない - 仕事の心がけ
    中学生に数学を教えるとき - 教えるときの心がけ
    理想が高くなりすぎて現実がつまらない
    相手のことを考える度合い - コミュニケーションのヒント
    はじめに
    結城浩です。
    いつもご愛読ありがとうございます。
    * * *
    「これを読もう」という判断の話。
    結城は、お昼どきにnoteで公開されているコミックを読むことがよくあります。noteでフォローしてる漫画家さんの作品はもちろんのこと、おもしろそうと思ったコミックはどんどん見ます。そのときにいつも「私はどうして、たくさん並んでいるコミックの中でこれを読んでみようと思ったんだろう」と考えます。自分の行動の背後にある気持ちを知りたいということですね。
    コミックを選択するときに私は何で判断しているんでしょう。絵柄の好き嫌いはありますね。タイトルに心引かれて読み始めることもあります。作者のアイコンを見て楽しそうだと思うこともあります。いろんな要素が絡んで、何らかの判断によって読むか読まないかが決まります。その判断理由をいつも考えているのですが、そう簡単には「これを読み始めるルール」というものは見つかりません。
    どうしてルールが見つからないかというと、たとえルールらしきものが見つかってもすぐにルールの例外が見つかるからです。この絵柄は好きだと思っても、いつもそれを読み始めるわけではありません。穏やかな絵柄ならいいというものでもないし、いささか恐い絵柄はダメというわけでもありません。「見てみようかな」や「おもしろそう」という感覚は本当に微妙だと思います。少なくとも、自分ではうまく言語化できません。
    結城は、魅力を持っている作品が好きです。特に「ひとことでは説明できない魅力」を持っている作品には大変興味があります。その作品が、自分の心の深いところに張られている細い糸と共鳴するような感覚があるからです。音が響き合う感覚です。「この作品は○○だから好き」と理由を言い切ることはできないけれど、いま私はこれを読みたくてしかたがない。そんな思いを引き出す感覚です。それが作品の持つ魅力というものでしょう。
    あなたは、自分が「これを読もう」と判断するとき、その理由を言語化できますか。
    * * *
    それでは、今回の結城メルマガも、どうぞごゆっくりお読みください。
     
  • Vol.395 結城浩/電子書籍作成ツールRe:VIEW/文章の公開/情報の取捨選択/構想中の本を諦める/自分をダメ人間と思う/再発見の発想法

    2019-10-22 07:00  
    220pt
    Vol.395 結城浩/電子書籍作成ツールRe:VIEW/文章の公開/情報の取捨選択/構想中の本を諦める/自分をダメ人間と思う/再発見の発想法結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2019年10月22日 Vol.395
    目次
    電子書籍作成ツールRe:VIEWをいじってみる - 本を書く心がけ
    公開するときも、読者のことを考える - 文章を書く心がけ
    情報の取捨選択はどうしているか - 学ぶときの心がけ
    構想中の本を諦めるかどうか - 本を書く心がけ
    自分のようなダメ人間が○○してもしょうがないと考えてしまう
    プリプロセッサ - 再発見の発想法
    はじめに
    結城浩です。
    いつもご愛読ありがとうございます。
    * * *
    新刊の話。
    『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』の《サイン本無料プレゼント》企画を行っています。以下のページをお読みの上、ぜひご応募ください!
    ◆『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』《サイン本無料プレゼント》https://snap.textfile.org/20191021200000/
    『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』の初校読み合わせが終わりました。順調に作業は進み、なかなかすてきな仕上がりになってきました。
    今週末には再校ゲラが到着し、来週は再校読み合わせがあります。そこまで行けば結城の作業はほぼ終了となります。
    第1章は以下の「Web立ち読み」で無料で読むことができます。
    ◆『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』(Web立ち読み)http://ul.sbcr.jp/MATH-v2TrQ
    アマゾンでもすでに予約が始まっています。
    ◆『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』(アマゾン)https://bit.ly/hyuki-note12
    数学が苦手な「ノナちゃん」との対話。学ぶための対話。ラストスパートがんばります!
    * * *
    科学クイズ(問題編)。
    光は1秒間に約何メートル進むでしょうか。以下の中から最も適切なものを選んでください。
    30万メートル進む
    300万メートル進む
    3000万メートル進む
    3億メートル進む
    正解は少し後で。
    * * *
    リズムと語呂合わせの話。
    結城は、言葉を耳にすると、そこからリズムを考えたり、語呂合わせを考えたりする癖があります。
    たとえば、ごみ収集の分別方法。何曜日は「燃えるゴミ」で、何曜日は「プラスチックゴミ」といった分別ってありますよね。私の住んでいる地域、ある曜日は「ビン・カン・ペットボトル」を収集するのですが、その言葉「ビン・カン・ペットボトル」を聞くたびに結城の心にはいつも「敏感ペットボトル」というナンセンスな言葉が浮かんでしまいます。
    「ビン・カン・ペットボトル」から「敏感ペットボトル」。もちろん意味はありません。
    そして「敏感なのがペットボトルだとすると、鈍感なのは何だろう」のように、さらにナンセンスな疑問を考えてしまいます。なかなか不自由な私の脳です。現在は「鈍感なのはビニール袋だろうな」と暫定的な結論に達していますが、いまいちおもしろくはありませんね。「敏感ペットボトル」と「鈍感ビニール袋」。
    どうでもいい話をさらに続けます。「ナタデココ」というスイーツがありますよね。この名前を耳にするたびに、木を切る「ナタ」と、場所を表す「ここ」が頭に浮かびます。「ナタでここ」と切る場所を指定している言葉に聞こえるのです。
    そして「ナタでココなら……」のようにさらにナンセンスな思考は進み、とうとう、こんなコマーシャルに着地しました。
    木こりのスイーツ新登場! 「オノでソコならナタデココ」
    ああっ、すごくしょうもない話ですね!
    * * *
    科学クイズ(解答編)。
    正解は「3億メートル進む」です。
    「光速は秒速30万キロメートル」と正しく覚えている人の中には、もしかすると「30万」という部分に引きずられて「30万メートル」と誤答した方がいるかもしれません(キロメートルとメートルの誤認)。単位は重要です。
    なお、結城がTwitterで行ったクイズでは投票数2152で、パーセンテージはおよそ以下の通りでした。やはり「30万メートル」という誤答が多かったですね。
    30万メートル進む(26%)
    300万メートル進む(8%)
    3000万メートル進む(13%)
    3億メートル進む(54%)←正解
    * * *
    それでは、今回の結城メルマガも、どうぞごゆっくりお読みください。
    電子書籍作成ツールRe:VIEWをいじってみる - 本を書く心がけ
    「電子書籍を作りたい!」という気持ちが不定期に高まります。
    もちろん、出版社で本を出すときには電子書籍も同時に配信されますから、普段の仕事として電子書籍は作っています。でも、何と言いますか、それとは別に「電子書籍を作りたい!」という気持ちが高まるのです。
    結城は「結城メルマガ」から読み物を切り出してnoteで個別に公開しています。noteで公開するときにはできるだけepubやPDFでもまとめて「電子書籍」という形にしています。
    その場合、UlyssesというMarkdownエディタのエクスポート機能を使っています。GUIで手軽にepubやPDFのファイルを作ることができてたいへん重宝しています。
    ◆Ulysseshttps://ulysses.app
    しかしながら、ある程度まとまったサイズの電子書籍をシステマティックに作りたいとなると、GUIでは心許ない気持ちになります。修正と閲覧を繰り返すサイクルを何度も回すときに、いちいちGUIを使うのが好みではないからです。繰り返しが発生するときには再現性が気になるので、結城はコマンドラインベースのツールを使うのが好きです。
    数式が含まれていたらLaTeX一択なのですが、数式を含まない読み物の場合にはpandocやRe:VIEWがいい選択肢だと思います。pandocよりもRe:VIEWの方が、かゆいところに手が届くという印象があります。実際、Re:VIEWは技術書籍の商業出版や同人出版に広く利用されています。
    ◆pandochttps://pandoc.org
    ◆Re:VIEWhttps://reviewml.org/ja/
    Re:VIEWでは、書き手はRe:VIEWフォーマットでテキストを書き、それをepubやPDFに変換することになります。Re:VIEW フォーマットガイドは以下にあります。
    ◆Re:VIEW フォーマットガイドhttps://github.com/kmuto/review/blob/master/doc/format.ja.md
    すでにMarkdownとして文章を作っていた場合には、md2reviewというツールを使ってRe:VIEWフォーマットのファイルに変換することもできます。
    ◆md2reviewhttps://github.com/takahashim/md2review
    以上の情報をもとにして、Re:VIEWの練習がてら「結城浩のお話」から読み物を数点選び、一冊の電子書籍にまとめてみました。凝ったことは何もやっておらず、以下の項目の練習としました。
    複数ファイルを一つの電子書籍にまとめる
    見出しを入れる
    引用を入れる
    画像を入れる
    強調やリンクなどを入れる
    epubファイルは以下から無料ダウンロードできます。
    ◆Re:VIEWで電子書籍を作ってみたhttps://mm.hyuki.net/n/n213812aeab7e
    ここまで来ると「電子書籍を作りたい!」という気持ちがだいぶ落ち着いたので、しばらく休止。続きはまた次に気持ちが盛り上がったときにがんばりましょう。
    以上「電子書籍作成ツールRe:VIEWをいじってみる」というお話でした。
     
  • Vol.394 結城浩/短縮号/眠気対策/日記を書くために/行動の基準/「調べる」の先になかなか行けない/

    2019-10-15 07:00  
    220pt
    Vol.394 結城浩/短縮号/眠気対策/日記を書くために/行動の基準/「調べる」の先になかなか行けない/
    結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2019年10月15日 Vol.394
    目次
    眠気対策 - 仕事の心がけ
    日記を書くために参考になる文章 - 文章を書く心がけ
    何を行動の基準とすべきか
    「調べる」の先になかなか行けない
    はじめに
    結城浩です。
    いつもご愛読ありがとうございます。
    みなさんご存じの通り、先週末には令和元年台風19号が猛威を振るいました。被災なさった方には心からお見舞い申し上げます。
    結城個人に関しては、特に直接的な被害はありませんでしたが(深く感謝)、関東に居住していますので、この台風の影響を大きく受けました。
    そのため、たいへん申し訳ありませんが、今回の「結城メルマガ」Vol.394は「短縮号」とさせていただきます。どうかご了承ください。
    * * *
    新刊の話。
    「数学ガールの秘密ノート」シリーズの最新刊『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』の初校ゲラがやってきました。
    今週は初校の読み合わせがあり、少しずつ少しずつ書籍の完成に向けて作業は進んでいきます。
    今回はシリーズの第12巻目になりますが、いつもと異なり数学的な内容はそれほど多くありません。数学的な内容もさることながら、学ぶことが苦手な「ノナちゃん」と「僕」との対話が中心テーマとなっています。
    「学ぶこと」や「理解すること」……これらはすべて大切な知的活動ですが、よく考えてみますと正面切って学校で学ぶことはありませんね。
    中学校や高校では「数学」という科目を学びますが、そもそも「学ぶ」とはどういうことなのか、「理解する」とは何をすることなのかについては教えられません。
    いや、教えられないというのは少しウソがありますね。科目を学ぶ中で、間接的に教えられるからです。
    授業を受けている中で、気の利いた生徒は「ははーん、学習はこうやるものなんだな」と気付きます。でも、それに気付かない生徒もたくさんいるでしょう。
    あるいはまた「要するに試験を突破するんだから暗記しちゃえばいい」と短絡的に考える生徒も少なくないはずです。でも、それは本当に正しい考え方なのでしょうか。
    『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』は、学校で直接学ぶことのない「学ぶこと」や「理解すること」を数学ガールの登場人物といっしょに体験的に学んでいく一冊となります。その意味では、たいへんユニークな本といえるでしょう。
    生徒さんや学生さんだけではなく、学校の先生や、保護者さんにも読んでいただきたい一冊です。
    あなたのお知り合いにも「やさしい数学が題材になっているけれど、もっと広く《学ぶこと》が題材になっている読み物」として、本書をご案内していただけるとうれしいです。
    ◆『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』(アマゾン)https://bit.ly/hyuki-note12
    また『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』はWeb立ち読み版が公開されています。
    Web立ち読み版では、目次、はじめに、プロローグ、第1章全文、第1章の練習問題を読むことができます。
    ユーザ登録は不要で、アプリのインストールも不要です。
    ワンタップで読み始められ、もちろん無料です。ぜひ、お読みください!
    ◆『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』(Web立ち読み)http://ul.sbcr.jp/MATH-v2TrQ
    * * *
    それでは、今回の結城メルマガも、どうぞごゆっくりお読みください。
     
  • Vol.393 結城浩/文章のリズムを整えるテクニック/書籍のシリーズを構成するときに考えていること/高価な買い物/継続して努力するのが苦手/

    2019-10-08 07:00  
    220pt
    Vol.393 結城浩/文章のリズムを整えるテクニック/書籍のシリーズを構成するときに考えていること/高価な買い物/継続して努力するのが苦手/結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2019年10月8日 Vol.393
    目次
    文章のリズムを整えるテクニック - 文章を書く心がけ
    書籍のシリーズを構成するときには何を考えているのか - 本を書く心がけ
    高価な買い物をするときの心がけ
    継続して努力するのが苦手
    はじめに
    結城浩です。
    いつもご愛読ありがとうございます。
    まずは大事なニュースから。
    『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』のWeb立ち読み版を公開しました!
    ◆『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』のWeb立ち読み版http://ul.sbcr.jp/MATH-v2TrQ
    こちらのWeb立ち読み版では、目次、はじめに、プロローグ、第1章全文、第1章の練習問題を読むことができます。
    ユーザ登録は不要で、アプリのインストールも不要です。
    ワンタップで読み始められ、もちろん無料です。ぜひ、お読みください。
    今回の『学ぶための対話』は、学ぶこと、教えること、理解することという大切な話題を扱っています。
    生徒さんや学生さんだけではなく、学校の先生や、保護者さんにも読んでいただきたい一冊。
    あなたのお知り合いにも、本書をご案内していただけるとうれしいです。
    ◆『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』のWeb立ち読み版http://ul.sbcr.jp/MATH-v2TrQ
    * * *
    今回の『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』はシリーズ第12巻目となります。
    これだけ長いシリーズを書くのは初めての体験。いろんなことを考えます。後ほど「本を書く心がけ」のコーナーで「書籍のシリーズを構成するときには何を考えているのか」というお話をしようと思います。
    ◆『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』https://bit.ly/hyuki-note12
    * * *
    科学クイズ。
    コップ一杯の水の中に、水の分子はおおよそ何個あるでしょうか。以下の中から最も適切なものを選んでください。
    約六千万個
    約六千億個
    約六千兆個
    もっと多い
    正解は少し後で。
    * * *
    スーパーで買い物しているときの話。
    結城は毎晩帰りがけにスーパーに寄ります。晩ごはんのための買い物をするのです。
    あるとき、スーパーで「今日は唐揚げ〜」と歌いながら踊っている小さな女の子がいました。
    きっと、唐揚げ大好きなんでしょうね!
    その「唐揚げの舞」とでもいうべき踊りを見ていて、結城は、あずまきよひこさんが描く『よつばと!』というコミックを思い出しました。この「唐揚げの舞」はよつばと!的な風景だなあと感じたからです。
    ◆あずまきよひこ『よつばと!』https://www.amazon.co.jp/dp/4048690663/?tag=hyuki-22
    * * *
    パズルゲームの話。
    結城はスキマ時間にiPhoneでゲームをするのが好きです。
    好みはパズルゲームです。△や□といった形が並んだものを動かすというのは特に好きです。
    逆に苦手なのは実世界に模した舞台で行うアドベンチャーゲームのようなものです。グラフィクスは綺麗なのですが、あまり気持ちがすっきりしないからですね。取れそうな物体に見えるのに取れなかったり、そんなにジャンプできないだろうというところまでジャンプできたり。そんな「ゲームの制約」がわかりにくいのが気になるのです。それは、ユーザインタフェースの問題なのかもしれません。
    ところで最近知った「The Gardens Between」というパズルアドベンチャーゲームは、リアルなユーザインタフェースに近いのですが、たいへん気に入りました。
    操作は単純なのですが、時間や因果をいじっていろんな「あり得た世界」を旅するような感覚を味わえます。
    うたい文句は「時間を操って確かめ合う友情」とのこと。最初は意味不明でしたが、プレイしてみると確かにそういうゲームでしたね。
    とはいえ、最後はどうしても「すべての世界を総当たりで試す」というブルートフォースに近い解き方に陥ってしまうのですが、それでも楽しめます。「おお、そう来るのか!」というプチ発見と感動がちりばめられており、飽きが来ないように工夫されています。
    うん、やはりユーザインタフェースの問題なのでしょう。実世界を模しているからといって下手に自由度を上げなかったゲームバランスがいい。実際には決まり切った操作をしているのだけれど、あたかも実世界を旅している感覚がある。そんなゲームです。
    原稿を書くあいまにプレイしてコンプリートしたのですが、大変素敵なゲームならではの体験でした。最初から最後までゲームの難易度バランスが私にはぴったりでしたね。
    ◆The Gardens Betweenhttps://thegardensbetween.com
    美しい庭園の島が連なる不思議な世界に迷い込んだ、親友同士のArinaとFrendtを追いかけます。パズルを解き、島の持つ秘密を見つけるために時間を操りましょう。(公式Webサイトより)
    ◆App名: The Gardens Between、デベロッパ: The Voxel Agentshttps://apps.apple.com/jp/app/the-gardens-between/id1371965583
    ◆The Voxel Agentshttps://www.thevoxelagents.com
    * * *
    機械学習に関する対話。
    こんな対話がふと心に浮かびました。人間と機械の対話です。
     人間「機械には〇〇はできないんだ!」  機械「〇〇ってなあに?」  人間「〇〇っていうのは、これがこうなって…」  機械「たとえば、どういうもの?」  人間「たとえば、やってみせようか。こんな感じのもの」  機械「学習して〇〇できるようになったで」  人間「機械には○○はできても、△△はできないんだ!」
    この対話の背景を話します。
    人間が○○を明確に理解したことの証は、○○をプログラムとして表現できること。人間がよく理解していないことはプログラミングできない。つまり、機械にも実行させられないのです。少なくとも近年まではそういう認識が強くありました。
    でも近年は、機械学習とコンピュータ自体が大きく進歩しています。そのため、人間がよく理解してなくても「○○はこんな感じのもの」とやって見せられるなら、機械は○○を非常によく真似てくれるのです。人間は「機械にはこれができない」と思っているけれど、実は、具体例をたくさん示すだけで機械ができるようになることはとても多いといえるでしょう。
    プログラミングすることで明示的に○○を示す手間と、たくさんの具体例を出すことで暗黙的に○○を示すことの手間は大きく違います。ネットを通じてたくさんの具体例が集まりやすい時代ですから、機械の能力はこれからもどんどん高くなるでしょう。機械学習のニュースでもよく「たくさんの具体例から、何かを判断する」というケースが報道されていますね。
    機械学習への第一歩は『プログラマの数学 第2版』の付録にもまとめてあります。
    ◆『プログラマの数学 第2版』https://www.hyuki.com/math/
    * * *
    科学クイズの答え。
    正解は「もっと多い」です。
    コップ一杯の水を仮に180グラムで考えることにします。
    コップ一杯の水に含まれる水分子は、約六千兆個の約1,000,000,000倍になります。
    ものすごい数ですね!
    簡単に解説します。水の分子量は18なので、水18グラムに含まれる水分子の個数は1モル個です。1モル個というのは聞き慣れない人もいるかもしれませんが、おおよそ6の後に0が23個ついた数になります。つまり、約600,000,000,000,000,000,000,000個です。
    これは水18グラムの場合なので、180グラムならこの10倍で、水分子は約10モル個です。つまり、約6,000,000,000,000,000,000,000,000個です(0が24個)。
    選択肢の中に「六千兆個」というものがありました。これは6の後に0が15個ついた数です。
    六千兆個は6の後に0が15個、コップ一杯の水では6の後に0が24個。ということは、コップ一杯の水に含まれる水分子の個数は、六千兆個の約1,000,000,000倍になります。0が24-15=9個並んでいます。
    最初に「コップ一杯の水を180グラムで考える」と書きましたが、もしもこれを100分の1にして1.8グラムだとしても、水分子の個数は六千兆個の約10,000,000倍ということになります。
    このように考えてくると、分子の個数というのは、私たちが日常的に扱う数よりもはるかに、はるかに、信じられないくらい多いということがわかりますね!
    * * *
    それでは、今回の結城メルマガも、どうぞごゆっくりお読みください。
    文章のリズムを整えるテクニック - 文章を書く心がけ
    質問
    いつも有益な作品や情報を発信してくださりありがとうございます。
    結城さんは文章を書く上で活用しているリズムはありますか。
    「数学ガール」シリーズに登場する女の子たちの名前が三文字である理由も気になります。
    文章のリズムでいうと、七五調(支点力点作用点、ペンパイナッポーアッポーペンなど)のような耳に残るリズムを用いることはあるのでしょうか。
    先日、この「七五調」というものの存在を知ったもので、他にも文章のリズムを整えるテクニックがあれば教えていただきたいです。
    よろしくお願いします。
    回答
    ご質問ありがとうございます。
    文章のリズムはとても大切です。
    耳に残る、記憶に残るからという理由だけではなく、文章のリズムは《読みやすさ》に大きな影響を与えるからです。
    文章のリズムが心地よいと「もっと先を読みたい」という気持ちが湧いてきます。逆に文章のリズムが乱れていたり、ぎこちなかったりすると「もう読みたくない」という気持ちになります。内容とは別次元の話ですね。文章のリズムは、読者が読んでいく意欲に強く働きかけるのです。
    「数学ガール」に登場する女の子はミルカ、テトラ、ユーリという三文字が多いですが、リサ、ノナという二文字もありますね。その他にエィエィという四文字もあります。名前は大切ですが、短いことが多いのでリズムといえるかどうかは微妙です。
    文章のリズムを整えるテクニックとして最も有効な方法は「音読」です。
    音読というのは、自分が書いた文章を声に出して読み上げるということです。これは文章のリズムを自分が把握するためにとても大切なことです。
    文章のリズムを整えたかったら、音読しましょう。
    文章全体を書き上げてから全文を読み上げるのも悪くはありませんが、もっと大事なのは「書きながら読み上げる」ということです。
    ずっと声に出し続けていたら疲れるので、頭の中だけでもいいですけれど、一文を書くごとにその文を読み返してみるのです。頭の中で声に出すつもりで読み返します。ここぞというところでは、実際に声に出すのもいいでしょう。
    そしてもちろん、音読して気に入らなかったら直していくことになります。
    ここではやや難しい行動が要求されていることがわかります。
    意味が通じるように文を書きなさい。
    文を書いたら声に出すつもりで読み返しなさい。
    リズムが乱れていると感じたら書き直しなさい。
    ただし、意味を変えるような書き直しはいけません。
    書き直してリズムを整えると読みやすくなりますが、それで文章が不正確になっては困ります。かといって文章の正確さだけを追求してリズムが悪くなり、読者の読み進める意欲を失わせてはいけません。なかなか難しい要求ですね。
    そこで大事なのは「言い換えの力」であることがわかります。意味を変えずにどれだけ別の言い方ができるか。表現を変えられるか。それは単語レベルでもそうですし、文の形式についてもそうです。いま自分が考えていることを一通りにしか表現できないなら、リズムが悪くても直しようがありません。別のリズムを持つ表現を試みるためには「言い換えの力」が必要になります。
    実際、結城はここまでの回答を書いてきて、細かい修正を何度も行いながら書いています。そこでは必ず「意味(正確さ)」と「リズム(読みやすさ)」の両方が妥当な範囲に収まるように心がけています。
    いずれにしても、文章のリズムを整えるために「音読する」ことは大事です。音読しましょう。
    「七五調」はいいですね。たとえば以下のフレーズは『数学ガールの秘密ノート/ビットとバイナリー』のプロローグの一部です。七・五・七・五・七・七が二回繰り返されています。
     たった二つの手がかりで、何ができるというのだろう。  二つあるなら、何でもできる。
     たった二人の君と僕、何ができるというのだろう。  二人いるなら、何でもできる。
    もっとも、音の数を数えてこの部分を書いたわけではなく、何度も読み返して整えていったらこうなったというのが実際の執筆です。
    七五調に限らず、たくさんのリズムがあります。名前はついていないけれど、読んでいて心地よいリズムというものはあるものです。「なんとか調」が先にあるのではなく「具体的なたくさんの音の経験」がとても大事なんだと思いますよ。
    ご質問ありがとうございました。
     
  • Vol.392 結城浩/働きたくない/専門的な話をするとき/暗記/試験が悪いと落ち込む/言いたいことばかり言う人/

    2019-10-01 07:00  
    220pt
    Vol.392 結城浩/働きたくない/専門的な話をするとき/暗記/試験が悪いと落ち込む/言いたいことばかり言う人/
    結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2019年10月1日 Vol.392
    目次
    専門的な話をするときのレベルで迷う - 教えるときの心がけ
    暗記の話 - 学ぶときの心がけ
    試験の結果が悪いと落ち込んでしまう
    自分の言いたいことばかり言う人が多すぎる - コミュニケーションのヒント
    働きたくない - 仕事の心がけ
    はじめに
    結城浩です。
    いつもご愛読ありがとうございます。
    * * *
    新作の話。
    『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』は、残っていた原稿も編集部に先週送付することができ、本当に脱稿となりました。感謝です!
    今週は本書のイラスト打ち合わせがあります。いつものメンバーでの打ち合わせですけれど、今回はいつもとはちょっと違う本なので、そのあたりの調整と意識合わせが中心になるでしょう。楽しみです!
    その後のイベントとして、初校と初校読み合わせ、再校と再校読み合わせ、著者サイン本の準備などが控えています。そうだ、恒例の《サイン本無料プレゼント》の準備もしなくては。
    本書では数学が苦手な「ノナちゃん」という女の子が新しく登場します。いつもの登場人物との《対話》がどのように繰り広げられるのか、どうぞお楽しみに!
    中学生・高校生はもちろんのこと、保護者の方や教育に携わる方に幅広く読んでいただきたい一冊です。
    ぜひ応援よろしくお願いいたします!
    ◆『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』(アマゾン)https://bit.ly/hyuki-note12
    * * *
    数学の魅力と五つの感受性の話。
    佐野岳人さんが松森至宏さんと語っているVoicyが公開されているのでご紹介します。Voicyというのは音声で情報提供するというボイスメディアです。
    佐野さんのVoicyは「働き方や学び方が多様化している現在、働きながら学んでいる方や、一度社会に出てから再び大学に入り直した方々をゲストにお招きして、個々人のライフスタイルに合った学び方を一緒に探るラジオ」とのことです。
    ◆「34歳からの数学博士」佐野岳人 - Voicyhttps://voicy.jp/channel/925
    「数学の魅力と五つの感受性」というタイトルで、仕事と数学の両立や、数学の魅力、大学数学にどう向かうかといった話題が語られています。10分単位で区切られているので聞きやすいです。
    ◆第1回 松森至宏さん - 数学の魅力と五つの感受性https://voicy.jp/channel/925/54149
    * * *
    Webサイトの話。
    先日、Twitterで「あなたはいま、このツイートをどんな環境で見ましたか」と尋ねたことがあります。回答数は1301個あり、四つの選択肢の割合は以下の通りでした。
    スマートフォンの類で見た(79%)
    タブレットの類で見た(4%)
    PCの類で見た(17%)
    正式なアンケートではなく、しかも結城のツイートが届く範囲というざっくりした問いかけですけれど、それでも「約8割がスマートフォンの類でツイートを読んでいる」ことは重要な意味を持ちます。
    もしもWebサイトをTwitterで宣伝するときには、スマートフォンでちゃんと読めるようになってないとたいへんまずいわけですよね。まあ、こんな話はいまさらですけれど。
    なぜこんなことを書いているのかというと、Twitterで宣伝されているWebサイトなのに、スマートフォンで読めない場合がしばしばあるからです。PCでは読みやすいのだろうけれど、スマートフォンでは読みにくかったり、そもそもうまく表示されなかったりするケースがあります。
    そういうとき結城は「この宣伝をした担当者は多くのユーザがこのWebサイトをどういう環境で見ようとするか考えなかったんだろうな」と想像します。これは《相手のことを考える》や《読者のことを考える》という姿勢に反しているわけですね。
    《相手のことを考える》という愛の原則は驚くほど広く応用できます。たとえばWebサイトにサポートの電話番号を書くならば、その番号に電話を掛けてみる。メールアドレスを公開するなら、そのメールアドレスにメールを出してみる。「詳しくはこちらをご覧下さい」とリンクを表示するなら、そのリンクをたどってみる。これらはすべて《相手のことを考える》態度といえるでしょう。
    具体的なWebサイトの批判が目的ではないので詳細は書きませんが、ある公共団体が運営する自然公園がありました。そこに行こうと考えて公式Webサイトを調べたところ、驚くことに「開園時間」の情報がありませんでした。さらに「駐車場の有無」ならびに「園内地図」も情報がありません。このWebサイトの作成者は、読む人が何を求めてこのWebサイトに来ると思ったのだろう……と首を傾げてしまいました。
    実は《相手のことを考える》というのは、それほどまでに難しいことなのかもしれませんね。
    私も他山の石としなければ!
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    両手を使う話。
    自分の生活の《丁寧度》を簡単にアップする方法を考えました。生活に潤いをもたらし、きちんとしたリズムと、落ち着きがやってくる簡単な方法です。
    それは「片手を使って物を持てる場面であっても、あえて両手を使う」という方法です。簡単でしょう?
    たとえばノートパソコンを取るとき。あるいは食卓のお皿を片付けるとき。誰かに本を渡すとき。コップで水を飲むとき。片手でできる場面であっても、あえて両手を使うのです。
    不思議なくらい気分が変わります。ぜひやってみてください。
    礼儀作法の心得でも似た話を耳にしたことがあります。自分が扱う物が、あたかも非常に高価な年代物で、しかも壊れやすい物であるかのように扱うのです。そうすると、自然に礼儀作法に適った所作になるんだそうです。なるほど。心と身体の関係って不思議ですね。
    そういえば、ある朝の私の体験です。
    妻が台所でスイカを小さく切って食べていたので、私は「そのスイカ、ちょっと両手で持って食べてみて」と依頼しました。
    彼女は両手でスイカを持ち直し、食べながら私を上目遣いで見ます。「こう?」
    たいへんかわいい。
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    それでは、今回の結城メルマガも、どうぞごゆっくりお読みください。