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知らないと損をする世界の裏ルール:その24「過去は変えられる」(1,507字)
2022-07-18 06:00110ptよく「過去に囚われるな」という人がいる。また、「未来のことなんか分からないから考えたって仕方ない」という人もいる。そうして、「今を生きろ」という人は多い。
しかしながら、これらの意見は全て誤りだ。こういう考え方をしていると、それだけで人生損をする。なぜかというと、時間は過去・現在・未来が「一体」だからだ。それはつながっていて、切り分けられない。
時間は、一つの流れである。従って、それを全体としてとらえることが肝要だ。区切って部分的に見てしまうと、物事の本質が見えなくなってしまう。
まず、「過去を軽視する人」は、同じ失敗を繰り返す。こういう人は、いつも損ばかりしている。また、「未来を考えない人」も、そのうち必ず痛い目に遭う。
その意味で、「今を生きる」という人は過去を軽視し、未来を考えないということだから、文字通り最悪の生き方だ。
くり返しになるが、だいじなのは過去・現在・未来を一つのものと -
知らないと損をする世界の裏ルール:その23「民主主義を守る必要はない」(1,408字)
2022-07-11 06:00110pt先日、安倍元首相が狙撃殺害されるという事件が起こった。この凶行を、多くの人が「民主主義への攻撃」と受け取り、「民主主義を守ろう」との声を上げている。
しかしながら、この声はあまりにも空虚だ。なぜなら、そもそも民主主義ははじめから奪われていないからだ。いにしえより現代に至るまで、人類が民主主義的でなかったことはない。だから、それを奪われると心配することは、全く意味がないのだ。
ところで、そもそも民主主義とは何か?
民主主義は、しばしば「独裁制」の対義語のように扱われる。独裁者に支配されているのが、「非民主的」だと。
しかしながら、それは端的に言って誤りだ。「民主主義」は、実際は「専政」の対義語だ。特定の誰かからの力によって人々の自由が阻害され、行動や言動、思想信条が著しく制限される状態を指す。その意味で、独裁も専制の一つではあるが、必ずしも独裁だけが専制の形ではない。それ以外の専制も、民主主 -
知らないと損をする世界の裏ルール:その22「全てはチャラになる」(1,628字)
2022-07-04 06:00110pt「チャラになる」という言葉がある。「プラスマイナスゼロ」という意味だが、なかなかに奥深い。
この世界には、何か「バランス」を司る大きな力があって、その影響によって、生じた変化は必ず収束していくのだ。必ず均衡状態に戻っていく。プラスマイナスゼロに限りなく近づく。全てはチャラになるのだ。
このことは、おそらくぼくが言うまでもなく、多くの人が実感しているのではないだろうか。どれだけ大きな変化が起こっても、時の流れと共に、なんとなくあるべき場所に収束していく。それこそ津波が起こっても、やがてエネルギーは拡散していき、波はまたもとの穏やかな状態に戻る。全てはチャラになっていくのである。
面白いことに人間は、この「全てはチャラになる」という法則を知ってはいるのだが、しかしなぜか忘れる。普通に生活しているときは、むしろなぜか「チャラにはならない」と思っている。均衡は失われ、全ては取り返しがつかないと思い -
知らないと損をする世界の裏ルール:その21「曖昧さが増してきている」(1,868字)
2022-06-27 06:00110pt「コロンブスの卵」という諺がある。
コロンブスが航海中、船員から「卵を立ててみろ」と言われ、底を潰してあっさり立てたという逸話を基にしている。船員は最初、「それはずるい」と抗議したが、コロンブスから「底を潰すなとは言われていない」と反論され、渋々納得せざるを得なかった。
このことから「コロンブスの卵」は、人がなんとなく「してはいけない」と思っていることでも、実はルールとして明文化されていない場合、してもいい。むしろすると大きな利益になる――という意味で使われるようになった。
ただ、この逸話は実際にあったわけではないらしい。後世の人が、いかにもコロンブスがしそうな話として創作したものが、いつの間にか人口に膾炙し、今ではすっかり定着してしまったというわけだ。いうならばTwitterのデマのようなものである。
それでも、この故事は一方で、重要な真実を提示している。だからこそ、今もって使われ続けて -
知らないと損をする世界の裏ルール:その20「弱者が増えている」(1,883字)
2022-06-20 06:00110pt人間にはそもそも「弱者を守らなければならない」という本能が備わっている。その意味で、弱者はそもそもが強者だった。
そして近年、この本能を利用して「弱者という強者」になる人(なろうとする人)が増えている。いうならば、弱者という強者ポジションを利用して弱肉強食社会を生き抜こうとしているのだ。実にややこしい話である。
ではなぜ、人間においては弱者が強者になり得るのか?
それは、大きくは子供との関係だろう。人間は、頭脳をより発達させるため、他の動物に比べ、子供を未成熟なままで生む。胎内で成熟してしまうと、情報が少なすぎて、頭脳が発達しないからだ。
おかげで、人間には長い長い「子育て期間」が発生した。これは、他の動物にはない。他の動物は、生んだらすぐに歩き始める。子育ても、長くて1年で終わる。
ところが人間は、歩くまでに最低1年かかる。1人で生きていけるようになるには、早くても10年かかる。人間の子 -
知らないと損をする世界の裏ルール:その19「他者と論理的に話してはいけない」(1,913字)
2022-06-13 06:00110ptおそらくほとんどの人が、「他者とは論理的に話した方がいい」と思っている。しかしながら、これは大きな誤りだ。人は、他者と感情的に話した方がうまくいく。
なぜかというと、実はほとんどの人が論理性を身につけていないからだ。そのため、論理的に話せない。それなのに無理やり論理的に話そうとすると、話そのものが破綻してしまう。しかも、その破綻に気づかない場合が多いから、それが後々大きな問題となる。
例えば、子供がご飯を残したとする。そのとき親は、以前だったら感情的になって、「残すんじゃない!」と一喝して食べさせた。文字通りの「問答無用」だ。
ところが今は、子供を怒鳴ってはいけないことになっている。だから、ご飯を残した子供に対して、論理的に諭そうとする。親が論理的に、「ご飯を残してはいけない理由」を語ろうとする。
ところが、「ご飯を残していけない理由」というのは、きわめて難解な哲学的命題だ。よっぽど論理学 -
知らないと損をする世界の裏ルール:その18「親を殺さないと自分が殺される」(1,565字)
2022-06-06 06:00110pt2こういうと物騒に聞こえるかもしれないが、親は殺すために存在している。そのため、親を殺すと、よく生きられる。その逆に、親を殺せないと、よく生きられない。死んだ人生を送ることになる。
ところで、世の中には一定数の「死んだ人生」が必要である。これも、この世界の裏ルールだ。なぜ死んだ人生が必要かというと、生きた人生を送る人の養分となるからだ。
この世界では、ホームランを打つバッターを存在させるため、ホームランを打たれるピッチャーを必要とする。そういう、きわめて無慈悲なルールがある。
これと一緒で、人が生きた人生を送るためには、必ず死んだ人生を送る人を踏みつけにしなければならない。大谷翔平選手がホームランを打つためには、ホームランを打たれてクビになるピッチャーが必要だ。でないと、自分がクビになり、他人の養分になる。
そんなふうに、社会を持続的に運営していくためには、死んだ人生を送る人が必要だ。だから -
知らないと損をする世界の裏ルール:その17「貧乏とは何か?」(2,057字)
2022-05-02 06:00110pt貧乏とは何か?
昨今では、絶対的貧困と相対的貧困の二つがあるといわれる。
絶対的貧困は、生活そのものがままならない状況だ。特に、食料が手に入らない状態だ。
俗に「衣食住」などといわれるが、人間が生活を営む上で欠かせないのは「服・食料・住む場所」の三つとされる。中でも食料は、最も必要性が高いといえよう。ほんの二日ほどだったらなくても過ごせるが、三日経つと健康が脅かされる。それ以上の場合はもうすぐに死が待っている。
ただし、死といっても肉体的な健康を害される前に、まず精神を害される。そして、それによって被るダメージは存外に大きい。特に、不安が厄介だ。「死んでしまう」という不安が、ときに空腹以上に身体にダメージをもたらすのだ。
「不安」は、生きていく上では絶対に欠かせないものだ。例えば人は、食料が手に入らないと不安を感じる。餓死の不安だ。
その不安を抑えるために、人は食料を確保する。確保するだけ -
知らないと損をする世界の裏ルール:その16「貧乏の恐ろしさ」(1,821字)
2022-04-25 06:00110pt2ぼくが常々「知らない人が多いな」と思うのは「貧乏について」である。特に現代では、貧乏について知っている人がほとんどいない。
では、ぼくが詳しく知っているかといえば、擬似的に体験したことはあるものの、本物を体験したことはない。ただ、知識としては知っている。そして、実は知識を知っているだけの方が、その恐ろしさの本質に迫れるということがある。これを実体験してしまうと、むしろその恐ろしさは分からなくなる。
その意味で、貧乏で大切なのは「それを知識として知っている」ということだ。その上で、なるべく近づかないようにすること、である。徹底的に遠ざけることだ。
そこで今回は、「貧乏とは何かということの知識」について書いてみたい。
まず、日本はもちろん外国でも、「悪魔」という概念が存在する。これは、かなりメジャーな概念だ。そして、その定義もたいていの人が共有している。
それは、たいてい「人間に取り憑いてこれ -
知らないと損をする世界の裏ルール:その15「自分は存在しない」(2,041字)
2022-04-18 06:00110pt「自分」というものは存在しない。それは、科学ではもうずいぶん前から証明されている。
それ以前に、そもそも人間には「自分」がいなかった。自分は発明されたのだ。
発明されたこと自体はいつか分からないくらいの昔だが、広まったのは19世紀だ。産業革命に伴って、近代化が訪れた。その訪れとともに「近代的自我」が生まれ、広まったのである。
この近代的自我こそ、自分である。だから、つい最近定着したものなのだ。まだまだ歴史が浅い。
しかしながら、定着したらこの概念は、人類に非常にしっくりきた。近代以降の社会を生きるのに必須の概念となり、しかも今では、まだ意識が芽生える前の乳児のときに潜在意識に植えつけられるので、ほとんどの人が疑えない。そういう非常に強力な存在となったのである。
『2001年宇宙の旅』という映画があって、テーマの一つが「機械が意思を持ったらどうなるか?」というものだ。劇中では、コンピューター
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