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一問一答「あなたは、見た目のコンプレックスを感じたことはありますか?!」【整形の心理学】
2022-02-26 13:30330ptあなたは、見た目のコンプレックスを感じたことはありますか?!
誰でもコンプレックスとまでは言わなくても少しは変えたい部分があるはずです。
昔に比べて美容整形は一般的になりましたので、年齢に関わらず男性でも女性でも1度は整形手術を受けてみたいと興味を持ったことはあるのではないでしょうか。
今回は、整形を受けるかどうかという相談をもとに整形を受ける人の心理について解説していきます。
Q. 自分の見た目に対する執着が強く整形を考えています。どう思いますか?
否定はしません。
否定はしませんがどこまでするかだと思います。
例えば、一重を二重にするぐらいであればいいと思いますが、人間というものは、自分の顔のどの部分が相手にどんな影響を与えているのかということをほとんど理解していません。
人間の表情に関する研究もありますが、自分が周りの人に対して最も印象を左右していると考えている部分が、実際には周りの人からすると全く関係がなかったりするということもわかっています。
ですから、整形をする時に、本当にその部分を整形することで良い印象を与えることができるのかということについては、かなり怪しいものだと考えた方がいいと思います。
そのあたりは、かなり考えてから判断したほうがいいと思いますので、『第一印象の科学――なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか?』をおすすめしておきます。
これにより人間の表情がいかに未解明なのかということを理解していただきたいと思います。
第一印象の科学――なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか?
ちなみに、脂肪吸引などは絶対にやめてください。
自分の努力でなんとかなる事については努力でカバーして、その上で一重を二重にするなど、自分の力ではどうしようもない部分にだけ行うのであればいいと思います。
頼りすぎは良くないと思いますし、やりすぎた時には戻れません。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
美容整形で幸せになれるのか?
3,300人分の研究データを分析して、美容整形をした後にメンタルの状態が良くなったり幸福度が高まることが本当に起きるのかということを調べてくれた2004年の研究があります。
もともと美容整形はメンタルにいいとは言われていました。例えば、ヒアルロン酸やボトックスなどはそれほど長期的な被害はないと言われてはいますが、眉間にボトックスを打ってシワが寄りづらくすると、メンタルの状態が改善するという研究もあります。うつ病の治療に使われることもあるそうです。
ですから、いわゆる美容整形というものは、人間のメンタルをよくしてくれたり幸せになる効果があるのではないかと言われていたわけです。
今回のこの研究では、様々な世代に対してヒアルロン酸やボトックスを打って、どれぐらいメンタルに対してのメリットがあったのかということを調べています。
大半の方は、特にシワを取る整形を行なった後にメンタルの状態が良くなり幸せになるという結果が出ています。
つまり、いわゆるプチ整形というものはメンタルに良いということです。
実際に、ヒアルロン酸やボトックスを行った方のうち特に40代以降の方は効果が大きく幸福度が上がるということが確認されています。
ちなみに、この効果は男性でも確認されています。
自尊心が高まり行動的になる!
他の研究でも、美容整形を行った人たちの生活を追跡調査して調べてみたところ、日々の幸福感が上がるだけではなく、日常的な不安感が減ったり、自尊心が高まりありのままの自分に自信を持てるようになった上に、生活が健康的になり食べ物に気を使い運動するようになったという効果まで確認されています。
要するに、シワが減り自分に自信を持つことができるようになったことで、人生に対して前向きになれたということです。
その結果、健康にも気を使い運動をするようになったり色々なことに挑戦するようになりました。
運動をしたり体を健康的にすることなど、小さな成功をすることでそれがきっかけになり人生が大きく変わるということが結構ありますが、ヒアルロン酸やボトックス、二重手術ぐらいのプチ整形であれば、もしかすると、新たな人生のきっかけになるかもしれないということが示唆されたわけです。
体に負担がないようなレベルの整形であれば、一歩踏み出し人生を変えるためのきっかけとして使うのもアリかもしれません。
人としての美しさとは?
整形には賛否両論ありますが、女性であれば美しくありたい、男性であればカッコ良くありたい、要するに、モテたいという感情があるわけです。
この「美しい」とか「カッコ良い」とは、どういうことかをわかっていないと、不自然すぎる整形モンスターのようになってしまいます。
過剰な整形を繰り返している人たちは、そもそも人間としての美しさを目指していないので違和感だらけになる上に、歳をとると不自然さは余計に際立つようになってしまいます。
そもそも、あのような整形での美しさは、長期的なスパンで考えられているものではありませんから、ヒアルロン酸やボトックスぐらいの長期的に見ると元に戻ってしまうけれど、体への負担が少ないものにとどめておいた方がいいと思います。
性格外見連動説
性格外見連動説という理論があり、これはその人の性格と外見に対する評価は連動するというもので、簡単にいうと、性格がいい人は見た目の印象もよく見えるというものです。
人は顔写真などを見て外見を判断する場合でも、その人の性格がいい人だと認識した状態であれば、ルックスに対する評価も上がるということです。
僕たちはいい性格だということを相手に思わせることによって見た目に関する評価も上げることができるわけです。しかも、この影響はかなり大きいものです。
他人への親切や寛大な行動が外見への評価も上げる?
特に、小さなことを無駄に気にしたり周りに厳しすぎたりするのではなく、周りの人が寛大で優しいと感じる行動をとるだけで見た目に対する評価まで上がるという研究もあります。
皆さんが周りに親切にしたり寛大な印象を受ける行動を取った後に外見に対する評価をしてもらった場合と、特に何もすることなくただ外見に対する評価だけをしてもらった場合で比べると、寛大な印象を受ける行動を取った時の方が評価が高くなるということです。
それは親切にした相手からの評価が上がるということではなく、直接何かをされたわけでもない人がそれを見ていると外見に対する評価が上がるということです。
心理学でよく言われるハロー効果というもので、ひとつの秀でた部分があると他の部分もすごいと思われやすいという性質が人間にはありますが、この影響を取り除いても同じような影響があります。
親切な行動や他人に対する寛大な行動というものはバイアスやハロー効果を除いてもルックスに関係しているのではないかということが研究では確認されています。
整形手術を否定するつもりもおすすめするつもりもありません。
ただ自分の魅力を高めるためには親切さや寛大さの方が重要です。
人はなぜ整形したくなるのか?
自分の顔にコンプレックスがあって整形したいと思ったことがある人も多いと思います。
DaiGo師匠も目の大きさは左右同じでも右だけ一重なので、両方揃えた方が左右対称になっていいのではないかと思っていた時期はあります。
整形も最近は割と一般的になりましたし考え方も人それぞれです。
自分を美しく見せようとするのは当然のことですから、それについて他人が批判したり意見するのもおかしいと思います。
実は、多くの人が思っているよりも人は整形したいと思っています。
人はなぜ整形したいと思うのか?
どんなタイミングで整形したいと思うのか?
整形が好きな人はどんな心理状態にあるのか?
そんな整形にまつわる心理学について今回は紹介させてもらいます。
整形したい欲求は一般的
整形に関する意識調査があります。
2016年の UCLA の研究チームによる調査では、18歳から65歳の52,000人以上のアンケートを実施して整形に対する考え方を調べています。
それによると、女性のうち48%は美容整形や脂肪吸引、またはその両方に興味があると答え、別の23%はおそらく興味があると答えていました。
71%の女性は美容整形にある程度以上の興味があるということです。
ですから、別に後ろ指を刺される必要もありませんし統計的にはかなり一般的なことです。
一方で、男性は23%が美容整形に興味があると答えて17%がおそらく興味があると答えました。
男性でも40%の人は整形に興味があるわけです。
これは2016年のデータですから、今はもっと興味がある人が増えていると思います。
さらに、女性の21% 、男性の11%が「私は魅力的ではない」と答えていました。
女性の31% 、男性の16%は「水着を着るのが嫌だ」と答えていました。
自分の体に何かしらのコンプレックスを持っていて自信を持てない人はかなり多いようです。
しかも、これは年齢とは関係がありません。
美容整形への関心は若くても高齢者でも同じように持っているものです。
ある程度年齢を重ねると老化によって気になる部分が出てきます。
なんと自分の体に自信があるかどうかも関係がありません。
自分のセルフボディイメージに不満が無い人でも美容整形への関心は高かったとのことです。
ただ例外として「脂肪吸引に興味がある」と答えている人だけ、セルフボディイメージは良くない傾向がありました。
太っているのをどうにかしたいというのはセルフボディイメージの悪化につながりますが、自分の体に不満が無い人でも何かしら改善したいポイントがあるということです。
芸能人や綺麗な人でも自分にとっては直したいところはあるわけです。
整形を受ける人の3タイプ
かなり多くの人が整形に興味を持っているわけですが、実際に整形を受ける人をタイプ別に分けた研究があります。
2010年のトリノ大学の研究チームが行なった研究で、鼻を高くする整形手術を希望する54人を集めて、自尊心のレベルや性格特性、自分の体を改善したい欲求の高さなどについてチェックしています。
整形を受ける人のタイプその1 :メンタル的な変化を求める
ペシミストや恥ずかしがり屋、不安になりやすい人です。
このような人は自分の体が変わると「もっと自分の体に自信を持てるようになるに違いない」「もっと理想的な自分になれるのではないか」と考えます。
メンタル的な部分を変えたくて物理的に外見を変えたいと思うタイプです。
僕も子供の頃は天然パーマがコンプレックスでしたのでよくわかります。
自分の体のコンプレックスが強い人や追い詰められている人は、外見に対する変化を求めることが多いようです。
整形を受ける人のタイプその2 :真新しさを求めるのが好きな人
衝動的で新しいものが大好きで何でも試してみたいと思う人も整形を受けることが多いようです。
どちらかと言うと、最先端の美容に関する技術に興味があるのだと思います。
新しいことが好きな人はとりあえず試してみたいと考えるようです。
整形を受ける人のタイプその3 :自分の体に自信がありさらに投資したい人
自分の体に自信を持っていて、体に投資することでより美しさを求める人も整形に興味を持つようです。
自分の体に対する投資を惜しまない人もいます。
この3つのパターンが整形を考える人です。
自分の外見的なコンプレックスを感じている人だけでなく、自分の体を磨いて美しくしたいから整形を受ける人もいます。
ただ単に新しいものが好きで整形を受ける人もいるわけです。
思っている以上に整形は一般的で一部の人だけの興味ではないようです。
もちろん、整形をしすぎて人間として不自然な状態にまでなってしまう人は別の問題ですが、目や鼻を少し直したいぐらいであればごく一般的なことだということです。
人の外見が与える大きな影響
人が自分の見た目を大切にすることはとても重要なことです。
特に、経済的に見た時に生涯を通じた収入や人生の満足度に大きな影響を与えます。
これについては、とても面白い本があるのでこちらを読んでみてください。
見た目の美しさの違いによって人生でどれだけの経済的な格差が生まれるのかということを教えてくれます。
これを見ると整形することによる人生のメリットがわかると思います。
美貌格差: 生まれつき不平等の経済学
人間の顔に対する第一印象もかなり大切です。
DaiGo師匠の片方の目が一重なのも本当は整形した方が印象はかなり良くはなります。人は顔や体の左右対称性で相手に対する印象を決めています。
そんな人の顔のどこがどのように第一印象に影響を与えているのかということを学ぶにはこちらの本を読んでみてください。
こんなにも人の顔や見た目が与える影響について詳しく解説している本は他にないと思います。
第一印象の科学――なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか?
人の外見についてはこちらの本も読みやすくて参考になると思います。
人の外見に対する魅力をわかりやすくまとめてくれています。
美人の正体 外見的魅力をめぐる心理学
メンタルの問題による整形意欲
先ほど整形を受ける人には3つのパターンがあると紹介しましたが、メンタルに問題を抱えている人も結構います。
メンタルに問題を抱えたり精神的な疾患を抱えている人は整形意欲がとても高いです。
2019年のカンザス大学などの研究チームが行った研究で、整形手術を希望する男女1,000人をランダムに集めて精神疾患の経験についてチェックしています。
ランダムに集められた整形手術の希望者のうち44.1%に精神疾患で通院していた経験がある、あるいは、今現在通院しているということでした。
最も多い精神疾患は大うつ病性障害で、これが50.6%でした。
全般性不安障害が32.9%でした。
うつ病や不安障害を抱えている人がかなり多かったようです。
これは自分の外見を変えることによって自分の人生が変わると思う人がかなり多いということだと思います。
実際に、自分の体が変わると人生が変わることはあります。
外見が変わってセルフボディイメージが変われば人生は大きく変わります。
体を鍛えてセルフボディイメージが変われば自分に自信を持てるようになり行動がかなり変わります。
もちろん、体に負担を与えたりやりすぎたりするのはよくありませんが、少しの整形をすることで自分に自信を持てるようになり行動が変わって、性格が変わったり人間関係が変わるのであれば、それは自分にとって十分に良い投資だと言えるのではないでしょうか。
人間の性格や行動を変えるのはなかなか難しいことです。
外見を変えるということは人間の性格や人間関係を変えることに繋がります。
そのために少しの整形をするというのは僕は悪いことではないと思います。
何度も言いますが、もちろんやり過ぎはよくありません。
ただ自分の人生を変えるための最初の一歩を踏み出すために整形を使うというのも悪いことではないと思います。
整形意欲を駆り立てる現代社会の罠
ただ現代社会には整形意欲を駆り立てる罠がたくさんあります。
この罠にはまってしまうと、本来は最初の一歩を踏み出すための整形と考えていたはずなのに、人生を変えるための性格や人間関係を変える方向に進まず、ただひたすらに整形で身体を変えることばかりに夢中になってしまいます。
そんな現代社会で整形意欲を煽っているのは自撮りです。
自撮りによって整形意欲が著しく高くなってしまうという研究があります。
フィルター加工と整形の危険なループ
2018年のボストン大学医学部の研究チームの研究で、自撮りと若者のメンタルヘルスに関する先行研究のレビューを行っています。
SNS に自撮りをたくさん投稿している10代の若者が整形手術を行う例が実際に増えているそうです。
これはInstagram でも TikTok でも同じですがフィルターによる加工が原因です。
フィルターによって加工された写真を自分の顔だと認識することで、現実の自分の顔と自分の中での自分の顔にギャップが生まれます。
これによってメンタルにダメージが起きます。
メンタルにダメージを抱えた状態で、フィルターによって加工された顔に近づきたいと思い整形したいと考えます。
このような SNS が生まれるまでは一重を二重に直したいぐらいのことでした。
最近の10代の求める顔はフィルターで加工された顔です。
これは人間として不自然なことですし、当然ですがどんどんエスカレートしてしまいます。
フィルター加工も整形もエスカレートしてしまいます。
今の10代が整形意欲に駆り立てられている状況はかなり危険なのではないかと言われています。
さらにアメリカの世論調査を見てみると、顔の美容整形手術に関する42%は「SNS 上の別の誰か」だったそうです。
SNS 上にあるフィルターで加工された別人の顔になりたいと考え美容整形手術を受ける人が多いということです。
この自撮りを加工した自分の顔に近づきたいという欲求の問題を「セルフィー身体醜形障害」と呼びます。
この障害になると整形してもどうにもなりません。
実際に整形してその顔に近づいても、満足することができず際限なく整形し続けてしまいます。
この場合は認知行動療法で自分を受け入れることが必要です。
SNS 上で理想の顔を追い続けている人は結構危ないので気をつけてください。
これについてはこちらの本が参考になると思います。
幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門 (単行本)
ここから先はさらに美容整形に関する様々な心理学を紹介させてもらいます。
ぜひ続きをチェックしてみてください。
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