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  • 一問一答「あなたが、絶対に諦めたくないことはなんですか?」【諦めない力】

    2023-06-29 12:50  
    330pt
    あなたが、絶対に諦めたくないことはなんですか?

    今回は、挫けることなく諦めない力について纏めさせてもらいます。

    諦めない人のための科学

    行動できる人もいればできない人もいます。
    リスクを恐れず挑戦することができる人もいればできない人もいます。
    この勇気は性格特性です。
    つまり、ある程度は生まれながらにして持っているものです。

    まずは、勇敢さや勇気というものは生まれながらのものだという切ない事実を受け止める必要があります。
    ですが、だからといって仕方がないと諦めないのが科学者です。
    科学者は、勇気に満ち溢れて勇敢な行動をとることができる人をとことん調べて、その中でも普通の人が真似できる要素について明らかにした上で、それを後から身につければ結果的には同じだと考えます。

    今の心理学では、人生を変えるためには性格ではなく行動を変えればいいと言われます。
    性格を変えるのはなかなか難しいですが、内向的な人でも外向的な人のような行動をとることができればいいだけです。
    人間の性格と行動は別だと考えてください。

    それでは、ここからは具体的に必要な要素について3つのポイントを紹介させてもらいます。

    要素①自己効力感
    自己効力感というものは、自分が行動を起こすことによって少しでも未来が変わると信じることができる力です。
    「やればできる」という感覚です。
    目の前の困難に立ち向かって、自分の能力を発揮しながら少しずつ未来を変えていく信念のことです。

    この自己効力感のために絶対にしてはいけないことは、「圧倒的に上の人と比べる」ということです。
    現代において、スマホや SNS の普及によって皆さんの自己効力感はかなり下がっていると言われています。
    お金を稼ぎたいと思っている男性が TikTok を見れば、美女とお金に囲まれた画像の男性が出てきます。
    スタイルを良くしたいと思っている女性が Instagram を見れば、骨格的にどう考えても無理だと思えるようなスタイルの美女がいくらでも出てきます。

    自己効力感は、自分が行動したことでほんの少しでも未来が変わるという感覚を積み重ねなければ身につかないものです。
    ですが、そんな圧倒的レベルの人の生活を簡単に見ることができると、自分がコツコツと積み重ねることでのプラスが見えなくなってしまいます。

    例えば、年収400万円の人が410万円になったとしたら、それも自分の努力の積み重ねで喜べるはずなのに、スマホを開くといくらでも年収2億円3億円の人が目に入ります。
    そうなると、いつまでたっても自己効力感が養われないので、そこから脱出することも難しくなってしまいます。

    要素②自尊感情
    成功することが難しい問題やリスクがある課題に対して、立ち向かってそれをやり遂げようと思うと、自分の性格や自分の能力、自分のキャラクターなどをある程度認めることが必要になります。
    自分を認めることができている人でなければ、自分の持ったものを活かして、目の前のことに向き合おうとすることはできません。

    自分にはネガティブな部分もあり弱点かもしれないけれど、それ以外である程度いいところもあって、それを上手に使うことができれば前に進んでいくことができると覚える必要があります。

    要素③開放性
    困難や危機を目の前にした時に勇敢な行動を起こすためには、開放性や好奇心というものがとても重要になります。
    好奇心がない人は基本的に新しい行動をとることが難しくなります。

    つまり、諦めることなく行動できる勇気を持つためには、

    ①目の前の困難に立ち向かうための自己効力感
    ②自分の能力を発揮するために自分を認める自尊感情
    ③新しいものを求めて試すための好奇心
    これら3つの特性を鍛えればいいということです。
    これらは自らの訓練や周りからのサポートによって鍛えていくことができる特性です。
    後から鍛えることができる勇気につながるポイントです。

    あきらめない人の考え方:「まだ」の思考
    挫けてしまう人と挫けない人の最も大きな違いとしては、達成するべき目標がひとつありそこにたどり着くことが全てであり、その目標にたどり着くまでの過程を軽視してしまうというのが挫ける人の特徴です。

    そのため、挑戦してみたけれどうまくできなかったとか、自分の思っていたイメージと違うというだけですぐに諦めてしまいます。
    これがすぐに挫けてしまう人の考え方です。

    一方で、決して諦めない挫けない人の考え方は、常に「まだ・・・」という言葉を使います。
    「もっと」ではなく、失敗した時には「まだうまくいかないだけ、きっといつかはできる」と考えますし、ある程度うまくいっている時には、もうこれぐらいで十分だと考えたりしてやめてしまうのではなく、「まだ自分はできるはず」だと考えます。

    つまり、挫けない人ほど「まだ」という言葉を多用します。
    これは英語では「the power of yet」という言葉になりますが、この「まだ・・・」という思考が重要です。

    ですから、挫けそうになった時には「まだうまくいっていないだけ」だと考えるべきですし、諦めてしまいそうになったり妥協しそうになった時には「まだ自分はできる」とか「まだあと1回はできる」と考えるようにしてください。
    もしある程度うまくいってもう十分かと思い始めた時には「まだ自分は成長できるはず」と考え、「まだ」を多様するようにしてみてください。

    あきらめない人の考え方:「階段思考」
    これは人間の成長に対して使われている思考です。

    人は物事が常に右肩上がりで上がっていって欲しいと思うものです。
    実際には当然ながら浮き沈みを繰り返しながら、それでも続けていれば長期的には成長していくはずです。
    そんな中では、どうしても停滞することもあれば、そのまま続けても意味がないのではないかと思ってしまうときもあります。
    挫けそうになるときは誰でもあるものですが、そんなときに使えるのがこの階段思考です。

    人はどんな物事でもスキルでも常に右肩上がりで上がっていくことを期待しますが、実際にはそうではなく階段状に成長していくものです。
    一度上達したり成長するとしばらく停滞する時期があり、そこで何かコツを見つけたりきっかけがあるとまた一段上がります。

    これはどんなものでも同じで、例えば、YouTuber でも何かをきっかけにチャンネル登録者数が増えたりします。
    そして、しばらく停滞してまた何かをきっかけに伸びます。
    停滞しても怖がる必要はありません。
    停滞しているというのは階段の平らなステップを進んでいるタイミングだからです。その平らなステップを耐えながら続けていれば必ず一段登れるときが来ます。
    これが普通ですし、人生というものはこれと同じです。

    皆さんの中にも、常に成長し続けないといけないと考えたり、毎日必ず進歩しないといけないと考える人もいると思いますが、その自分の進歩を感じることはとても重要です。
    毎日どんな小さな進歩でもいいのでそれを感じることで僕たちのモチベーションというものは湧いてきます。

    ですから、毎日の進歩を実感することは大切ですが、欲張りすぎないようにしてください。
    常に右肩上がりに成長していかないといけないと考えてしまうと、それは大きなプレッシャーになってしまいます。

    どんなものでも常に階段状で上がっていくものだということを理解していただければ、 あきらめない人の考え方を身につけることができるはずです。
    人生というものは階段状に成長していくものです。

    あきらめない人の考え方:「うまくいかない時は10%だけ変える思考」
    人は行き詰まったときに同じことを繰り返そうとしてしまいます。
    なぜうまくいかないのかと考えながら、ずっと同じ方法を続けていることがよくあります。以前はこの方法でうまくできたのになぜうまくできないのかと行き詰まります。

    失敗したりうまくいかないと「以前はうまくできたのになぜできないのだろう」と考えがちですが、これが危険な考え方です。

    以前うまくいった時と何が違うのだろうと悩んだりしますが、人間は以前と同じことをしているつもりであってもどうしても少しずつ違っています。
    体調や周りの環境によっても少しずつ変わりますし、ビジネスなどの場合にはトレンドというもっと大きな動きにも左右されてしまいます。

    ですから、以前はこの方法でうまくいったはずだと考え同じことを繰り返すのではなく、気づかないうちに何かしらの条件が変わっている可能性もあるわけですから、一旦その考え方をリセットする必要があります。

    うまくいかないときほど少しだけ変えてみることを意識してください。
    うまくいかないときにその方法を少しでも変えてしまうと、余計にうまくいかなくなってしまうと考える人もいるかもしれませんが、少しだけ変えてみてうまくいかないのであれば、その方法が間違っているということを理解できるだけです。

    とはいえ、あまりに大きく変えてしまうと、それもプレッシャーになってしまうので、お勧めとしては10%変えるということを意識してみてください。欲張ったとしても20%ぐらいまでにしてください。
    少しだけ方法を変えてみるということが重要になります。

    これはビジネスであってもスポーツやスキルであっても同じです。
    今の方法がうまくいかなくなっているのは皆さんの周りの環境や条件が変わっているからです。
    ですから、自分もそれに合わせて変わっていく必要があるわけですが、大きく変える必要はなく、ほんの少しだけでいいので変えてみるということをうまくいかない時ほど試してみていただけるとスランプを抜け出しやすくなります。

    皆さんの求めていることや目標も色々とあると思います。
    もっと自由な生活をしたいとか、仕事の効率を上げたい、もっと友達を増やしたい、今年こそはダイエットをしたいなど色々とあると思いますが、それも突然多くのことを求めてしまうとなかなか難しいことですし、プレッシャーになりかえって何も出来なくなってしまいます。

    今の生活より10%だけ自由な生活を手に入れるには?
    仕事の効率を10%だけ上げるためには?
    友達の数を10%だけ増やすためには?
    運動やトレーニングの量を10%だけ増やすためには?
    このように10%だけ変えるには? と考えてみていただけると、くじけない人の考え方を身につけて、目標に向かって進むための糸口を見つけることもできると思います。

    ちなみに、自分が調子がいいときには10%ではなく10倍にすることを考えてください。
    10%というのは少し頑張ればできるような数字だったりもします。
    10%変えようと思うと、仕事であれば少し無理をしたりいつもより長めに働くことで、それができたりもします。
    そうなると新しいアイデアも生まれなくなってしまいます。

    ですから、自分の調子が悪かったりスランプを感じているときには10%だけ変えてみるということを意識してもらい、逆に、自分の調子が良くて自分を大きく変えようと思ったときには、「10倍にするにはどうすればいいのか?」と考えてもらえると、それにより思考の幅が広がりますので、新しいアイデアを生み出すことにもつながります。
    この使い分けを覚えておいてください。

    あきらめない人の考え方:「トライした回数をカウントする思考」
    人はどうしても結果に縛られてしまいがちです。

    自分が調子がいいときや目標に向かって頑張っている時というのは、自分が成功した回数をカウントしていれば、それによりどんどんモチベーションが湧いてきて進むことができます。
    ところが、その結果としての数字にとらわれていると、その数字が下がった時に自分の心が耐えられなくなってしまいます。

    成果が出なくなったときであっても、そんな中、常に挑戦し続けている自分を誇りに思ってもらいたいので、トライした回数をカウントするようにしてください。

    例えば、YouTube でチャンネル登録者数が増えなくなってしまったというのであれば、登録者数が増えなくても、毎日欠かさず動画を投稿し続けているということを誇ればいいわけです。

    これは、さらに言うと、伸びていないときであれば今までよりも投稿回数を増やすとか考えてみてください。
    伸びていないときには色々なことを試すことができるタイミングだと考えます。

    うまくいっていないのであれば、回数を増やしたり、今より工夫してみたりして、そのトライする回数をカウントしてください。
    それにより挫けることなく続けることができて、いつかは先ほど紹介したように階段状の一段ステップを登ることができます。

    あきらめない人の考え方:「Why ではなくHow で考える」
    うまくいかないときには、人は、なぜうまくいかないのだろうとか、こんなに頑張っているのにどうしてうまくいかないのかと悩んでしまうものです。

    この「どうして?」「なぜ」:Why? という思考になると、人はどんどん自分を責めてしまいます。
    うまくできることが前提になっているので、なぜそれができないのかと自分を責めてしまうわけです。

    そうではなく、「どうすれば?」「どのような方法を新しく試せばいいのか?」:How? という考え方にしてください。

    うまく数字が伸びていないのであれば、今まで試していないことでどんな事をすれば伸びるだろうかとか、どのような変化をさせてみればうまくいくだろうというようなことを考えます。

    Why? という質問は常に過去に向いてしまいます。
    これは仕事でも人生でもどんなことでも同じです。

    「なぜ自分はこんなにも苦しいのだろうか?」
    「なぜ収入が低いのだろうか?」
    「なぜ自分は集中力が低いのか?」
    ということを考え始めると、過去に対して目がいくようになります。

    そうなると、自分はいい大学を出ていないからだとか、自分は家庭環境に恵まれていなかったから、子供の頃に一生懸命勉強しなかったから・・・というように、Why?:なぜ? を考え始めると、全て過去に目が向いて後ろ向きな思考になってしまいます。

    一方で、How?:どうやって? を考えると、これからどのようにすれば学歴を乗り越えるような能力を身につけることができるのか?、どうすれば新しいことを習慣化できるのだろうか?、どうすればこの苦しい状況を乗り越えることができるだろうか? というように、思考が前に向きます。

    これは無駄にポジティブ思考になるべきだというわけではありませんが、あきらめない人やくじけない人はほとんどの場合その思考が「How?」です。
    だから、思考が後ろ向きにならず挫けることなく頑張ることができるわけです。

    粘り強く物事に取り組む能力

    人生の成功に必要なスキルに関するロンドン大学の研究を見てみると、52歳以上の男女8119人を対象に11年間にわたり追跡調査したというものですが、この研究でも、やはり、ひとつのことに諦めないで粘り強く取り組む力が成功のためには重要だということがいわれています。

    この粘り強さとは学習可能なものです。つまり、後から身につけることができる能力です。

    粘り強さを測る方法
    1940年にハーバード大学の研究チームが行なった実験で、健康な男女を対象に角度のついたトレッドミルで5分間走ってもらうようにお願いしました。
    かなりの角度がついて、よほどきつかったようで、5分間走るように指示したにもかかわらず大抵の被験者は4分間までで脱落しました。

    そのトレッドミルでどれくらい走り続けることができるのかということをチェックした上で、その後数十年経ち参加者が60代になった時にもう一度集めて、彼らの収入や仕事に関するキャリア、社会的な活動や仕事に対する満足度、結婚しているかどうかということや夫婦関係の満足度からメンタルの状態というようなことまで調べました。

    それにより、若い時にトレッドミルで5分間走り続けることができていた人たちと、走りきることができず途中で諦めてしまった人たちで、人生に何かしらの違いが表れていたのかということを調べようとしたわけです。
    要するに、若い時の粘り強さが将来に何かしらの影響を与えるのかということを調べています。

    その結果、粘り強さが強くトレッドミルで5分間走り続けることができた人は、収入やキャリアも、社会的な活動や仕事に対する満足度も高く、結婚状態もメンタルの状態も良かったということです。

    ここまででは、トレッドミルで走り続けることができた人はただ単に運動能力が高かっただけではないのかと考える人もいると思います。
    運動能力が高かったので歳をとってからも良い人生を歩んでいただけなのではないかという議論が、最初にこの論文が出た頃には起きました。
    ところが、被験者たちの肉体能力を調整した上でも同じ現象が確認されました。

    ですから、体力があるかないかということにかかわらず、若い頃から目の前のことに粘り強く取り組むことができる能力を持っていると、歳を重ねれば重ねるほどその差は大きく開いていくということです。
    もちろん、歳をとってからでも鍛えるに越したことはありませんが、できるだけ若いうちに身につけておくと、人生の成功に対して大きく影響してくる可能性があるということがいえます。

    ひとつのことに取り組んで心が折れそうになっても粘るという体験を重ねれば重ねるほど、諦めない力は鍛えられ人生にとってもメリットは大きくなるということです。

    例えば、読書をしている際になんとなく内容が難しくなってしまったので、ちょっと LINE でも見てみようかと思い、自分が粘り強さを発揮できない状況に気付いたら、そこで粘り強く頑張ればそれは将来のためになるはずだと考えて諦めない力を発揮していくことが大切です。

    お勧めとしては、そんな心が折れそうな作業を1日に1回や2回でもいいのであえてするようにしてみてください。
    例えば、1日30分でもいいのですぐに心が折れてしまいそうな難しい本を読むようにしてみてください。難しくて心が折れそうになっても30分間は頑張って読むようにします。

    本ではなく、筋トレやスポーツでもいいと思います。HIITのような心が折れそうになる運動を毎日続けてもいいでしょうし、筋トレであれば、あげられる限界ぐらいまで変化をつけながら体を追い詰めていくというのもいいと思います。
    習慣化のテクニックを使って、継続的に新しい習慣を身につけていくというのもいいと思います。
    粘り強さを鍛えることによって、それは人生の後半で大きな差として影響してくるものだということを覚えておいてください。

    過去を乗り越える力も身に付く
    2019年のフィンランドアカデミーの研究で、2018人の学生を対象に全員の粘り強さを調べる実験を行いました。
    その上で、全員を6年生から9年生まで追跡調査して、学業の成績との相関を調べました。
    要するに、粘り強い人は学校の成績もいいのかということを調べようとしたものです。

    その結果わかったこととして、8年生の時点における粘り強さが9年生になったときの学業の成績と相関しているということでした。
    この結果は、その人の誠実性や過去の成績を調整した上でも同じ傾向が確認されました。
    つまり、過去の自分の成績が悪かったとしても、性格としての誠実性が低かったとしても関係がないわけです。8年生の時点で粘り強さをちゃんと発揮することができていれば、1年後になった時にはちゃんと成績として結果がついてくるということです。

    ですから、過去の成績や成果が今ひとつだったとしても、今から粘り強さを身につけることができれば、1年や2年のスパンでも確実に結果として現れるということがこの研究から見えることです。

    ちなみに、6年生の時点での粘り強さもゴールへのコミットメントに相関していたということもわかっていますので、粘り強さを身につけることができれば、将来の成果はもちろん、その時点でもゴールへのコミットメントも強くなるということも言えます。

    過去は関係がなく、今から粘り強さを身につけることができれば、僕たちの人生は短いスパンでも変わっていくということを覚えておいてください。

    ここから先は、実際に粘り強さを身につけるための方法について解説していきます。
    人生も、これからの可能性も、諦めることなく挑戦していくためにぜひ続きもチェックしてみてください。
     
  • 【総集編】あなたが自分に求めるのはどんな変化ですか?【人生を変える心理学】

    2023-06-27 12:00  
    330pt
    あなたが自分に求めるのはどんな変化ですか?

    今回は、自ら行動し人生を変えるための心理学について纏めさせてもらいます。

    真の敵は失敗ではなく、失敗を恐れて行動しないことこそが、あなたを夢から遠ざける。
    失敗を恐れて行動しないことこそが一番のリスクです。

    自分を無駄に責めずに生きられるようになることも重要です。
    自分が失敗した時に無駄に自分を責めてしまうと、次の行動をとることができなくなってしまいます。

    失敗を挽回することができる唯一のチャンスを多くの人が捨ててしまいます。
    これはとてももったいないことですので、挑戦するためには無駄に自分を責めないことも重要になります。

    そして、失敗や挫折をした時に自己嫌悪に陥ってしまう人もいます。
    失敗や挫折を経験にするのではなく、多くの人が自己嫌悪につながってしまいます。
    失敗を自己嫌悪につなげてしまうと、これは間違いなく負のループに陥ります。
    失敗すれば失敗するほど、次の行動はもっと失敗しやすくなってしまいます。

    失敗を繰り返すことができる挑戦の方向に進むことが重要です。
    失敗や挫折自体は悪いことではありません。
    それを恐怖、あるいは自己批判や自己嫌悪につなげてしまうことが、次の行動を止めてしまいます。

    迷ったなら、積極的な方を選べ。行動しなければ何も変わらないのだから。
    当然ですが、最初から成功することはありませんし、最初から成功しようと思っても上手くいきません。
    どんなことでも同じですが、行動し続ける過程で成功するルートが見えてきて、結果的に成功に結びつきます。

    例えば、好きなことを仕事にしたいと思っているにも関わらず、好きなことがお金につながることがわからないと行動しないという人がいます。
    これはかなり矛盾しています。

    重要なのは、その好きなことをどのようにしてお金に変えていくかということを考えることです。
    DaiGo師匠も、昔から本を読むことが大好きで、これはどのようにしたらお金に変えることができるのかという事を必死に考え続けていました。
    その結果、最近になってようやくビジネスとしてできるようになったわけです。

    大事なのはマネタイズするための方法です。
    もちろん、上場企業の社長になるぐらいのレベルまで考えるのであれば、他にも考えるべきことはたくさんあると思います。
    ですが、人間がある程度以上幸せに生きるためには、そんなに難しい知識やテクニックは必要ありません。

    やる気に頼る人は大抵うまくいきません。
    やる気に頼るのではなく「工夫」に頼るようにしてください。

    大抵のことは工夫すればお金に変えることができます。
    多くの人は儲かりそうなことを探しますが、それはあまり工夫しなくても儲かることです。
    工夫することなくお金になることは、そのうちみんながやり始めてお金にならなくなります。

    工夫しなければお金にならないようなことをすれば他人に真似されません。
    競争にもさらされないので安定した収入を得ることができます。

    人が変わる3つのステップ

    人が変わるためには、どのような課題を見つけて、どんな戦略を取っていけばいいのか、わかりやすくするための3つのステップがあります。

    人間が変わっていくためには、3つのステップしかありません。

    ステップ1 :自分が変わるために必要な場面を想像する
    ステップ2 :変わるべきポイントと障害を「理性・感情・環境」の観点から書き出す
    ステップ3 :変化を起こす方法を探す
    つまり、自分が変わるために必要な事や障害が、理性・感情・環境のどこにあるのか見極めることが重要になるということです。

    ほとんどの人が、自分の理性にアプローチして人生を変えようとします。
    気合と根性で何とかしようとしたり、やりたくないことなのに、それをやれば何とかなると無理をして人生を変えようとします。

    残念ながら、人間がこの理性を獲得したのは、人間の長い歴史から考えるとごく最近のことです。
    皆さんも想像つくと思いますが、この理性を保つことができなかった人は、世の中では結構叩かれます。
    芸能人の不倫や浮気も叩かれますが、人間の生涯浮気率は自己申告レベルでも50%ほどです。
    理性によって感情をコントロールできていない人の方が圧倒的に多いです。

    それなのに、世の中は理性で全てをコントロールしなくてはならないという風潮になっています。
    この時点で皆さんも違和感を感じるべきです。
    実際は、皆さんがコントロールすべきは理性ではなく感情です。
    理性だけに頼らず、感情と環境の力を上手に使うべきです。

    理性だけでどうにもならないことを、感情を使ってどのようにコントロールすればいいのかということを知ってください。
    そして、感情を使って自分を上手に変えることができたとしたら、その変化を継続するために環境を整えて下さい。

    ①理性:目的地を知る最初の一歩
    ②感情:感情をチェックして変化を小さく見せる
    ③環境:環境の障害を取り除きハードルを下げて習慣化する
    人生は、この3つのステップで変わります。

    「人を変える」実践編
    実践的に説明していきますので、紙とペンを用意して読み進めてみてください。

    ステップ1 :自分が変わるために必要な場面を想像する
    人は1つ変化することができると、2つ3つと変化していくことができるものです。
    ですから、自分にとって今最も変化が必要だと感じる場面を想像してください。

    毎日運動ができるようになりたいとか、人と臆せず会話できるようになりたいとかでも構いません。
    これは、具体的に変化が想像できないものでも構いません。
    例えば、仕事で何か変化が必要だと思っているけれど、何をどう変えればいいのかがわからないということでも問題ありません。

    変わらなければならないと感じる場面を想像して、それをそのまま紙に書き出してみてください。
    どんな場面で変わりたいかを書き出すだけですから、どのように変わらなければならないかは書く必要はありません。

    自分の外見に自信を持ちたいというのであれば、どのような場面でそう変わりたいのかを考えます。
    好きな人に振り向いてもらいたいとか、仕事で自信を持って振る舞えるようになりたいなどの場面があると思います。
    この場面を想像することで変わるためのモチベーションが生まれます。

    ステップ2 :変わるべきポイントと障害を「理性・感情・環境」の観点から書き出す
    ステップ1で、自分が変わらなくてはならない問題点について書き出しました。
    続いて、どのようなポイントで変わっていくのかということを書き出すわけですが、ここが重要なポイントになります。

    例えば、運動が続かない自分を変えるために、気合いや根性だけで何とかしようとすると挫折します。
    それができないから、多くの人が迷っているわけです。

    運動量を増やしたいというのであれば、そのためのポイントと障害を「理性の観点」と「感情の観点」と「環境の観点」から、それぞれどう変化すれば上手くいくのかということを考えます。

    「理性の観点」
    「感情の観点」
    「環境の観点」
    この3つのポイントから考えることが重要です。

    多くの人が理性の観点からだけ考えますが、思っている以上に人は感情と環境に流されています。

    例えば 、痩せたいという変化に対して、「理性の観点」と「感情の観点」と「環境の観点」から、それぞれ考えるのであれば、「理性の観点」では、食べる量を減らすとか体に良い食べ物を選ぶとか、高い化粧品を買うとかエステに行くとか考えられます。

    次は「感情の観点」です。
    食べる量を減らしたり運動するとなると理性だけではうまくいきません。
    それを自分の感情から考えた時にしたくなるにはどうすればいいのかを考えます。
    例えば、友達と賭けをしたり、大切な人に公言するということもできます。

    自分が変わりたいと思っている目標を「感情の問題」に変えることが大事です。
    理性で考えることはもっともらしく思いますし、一瞬はそれでうまくいくかもしれません。
    ですが、人間が継続的に頑張ることができるのは感情がそこに乗った時だけです。
    そのために自分で目標を感情の問題に置き換えます。

    自分がやろうとしていることを理屈で補っても意味はありません。
    理屈は方向を見せてくれるだけです。
    感情が推進力になります。
    どうすれば自分がやろうとしていることに「感情が乗るのか」ということを考えてください。

    例えば、副業で新たな収入が欲しいというのであれば、どんな副業をするのかということは理性で考えることができます。
    それだけでは上手くいきません。
    そこに感情を乗せるのであれば、その目標を彼女に公言したりすれば、諦めたら恥ずかしいという感情に押されて前に進むことができたりします。

    ほとんどの人は、なぜその目標を達成したいのかという理屈は説明できますが、「なぜ、どうしてもしたいのか?」という感情の部分を話せない人が多いです。

    そして、そのモチベーションを維持するために、どのように環境を整えればいいのかということまで考えます。

    つまり、最初のステップでは自分がどう変わるべきか決めます。
    その目標を決めたら、「理性の観点」と「感情の観点」と「環境の観点」から、それぞれ自分の進むべき方向を考えます。

    ステップ3 :変化を起こす方法を探す
    そして、ここからは変化を起こす方法を実際に探していきます。

    人はどのようなポイントで変わるべきかを理性で考えます。
    そして、「理性の観点」と「感情の観点」と「環境の観点」のそれぞれで変化していく方向を決めます。

    感情的な変化としては、目標を達成した時の嬉しい感情に注目したり、人は変化を怖がる生き物なので、変化を小さく見せることで進みやすくするというテクニックもありますし、集団や組織を変えるためにも感情を煽ることが大切です。

    そして、人が行動を変える時には基本的に環境に依存しています。
    人は誘惑に弱い生き物ですから、あらかじめ障害を取り除いていないと、つい誘惑に負けてやるべきことから逃げてしまいます。
    自分のやるべき行動を増やすために障害を取り除くことも欠かせません。

    同じ目標を持っている仲間を集めて、「一緒に頑張っている」という感覚を持つことで、集団圧力によって行動のモチベーションにもなります。
    このような環境の力も使って自分を変えていきます。

    「ブライト・スポット理論」
    ブライト・スポット理論を知っておくだけでも人生は変わります。
    僕自身も、テレビに出始めた時にも、テレビからネットの世界に変わっていく時にも、そしてまた新しい世界に行きたいと思っていますが、これらすべてのタイミングでブライト・スポット理論が僕のことを支えてくれました。

    多くの人がすることと真逆の考え方です。
    これだけでも皆さんには学んでいただきたいと思います。

    ブライト・スポット理論というのは、簡単に言うと、原因よりも成功例を探して真似ていくとうまくいくという考え方です。

    人間には問題に注目しやすくなる性質があります。
    例えば、円安の問題にしても子供の貧困の問題にしても、その問題を解決しようとすれば分析すると思います。
    子供の貧困問題であれば、親の教育の問題や住んでいる環境の問題、様々な問題が出てきます。
    分析し始めると、どこから手をつければいいのかがわからなくなります。
    問題が山積みで手をつけられない状態になってしまうのが、多くの人が犯してしまう一番の間違いです。

    皆さんが人生を変えたり転職に挑戦しようとしても、様々な問題があると思います。
    問題というものは常に大きいものです。

    「問題は大きくても解決策は小さい」ということを覚えておいてください。

    人の理性は分析が得意です。
    分析が得意なので、いろいろと調べて問題を大きくとらえてしまいます。

    つまり、皆さんが今抱えている親子関係の問題や夫婦関係の問題、子供の問題や会社の問題、どんな問題でも大きく捉えがちです。
    ですが、重要なのは問題よりも解決策です。
    「どうすれば解決できるのか」ということに注目する必要があります。

    これを言うとそんなの当たり前だけれど、解決するためには問題に注目するのが大切だろうという人がいますが、それが、実は間違いです。

    人間はネガティブにとらわれがちなので、問題が大きいとその解決策も大きくて素晴らしいものだと考えてしまいます。
    ですが、それが実は違うということです。

    「芋の葉っぱご飯作戦」
    スターニンという人がした「芋の葉っぱご飯作戦」と僕が呼んでいる戦略を紹介します。

    セーブ・ザ・チルドレンという子供たちの貧困問題と向き合っている素晴らしい団体があり、そこで働いているスターニンという方がベトナムに派遣されました。
    彼のミッションは「ベトナムの子供たちの栄養状態の改善」でした。
    家族でベトナムに行きましたが、ベトナムのことは何も知らない状態です。

    何も知らない状態なので、原因を明確に調べて解決しようとするのが多くの人が考える方法です。
    スターニンさんはそれをしませんでした。

    原因を調べて、解決できない原因が出てきても意味がありません。
    解決策を探すのは正しいことなのかもしれませんが、役には立ちません。

    ですから、原因を探すのではなく成功例を探すことにしました。
    ベトナムではどこの村も貧しいけれど、しっかり観察してみると、同じように貧しくても栄養状態がいい子供とそうでない子供がいました。
    例外的な成功をまず探しました。
    同じ環境下でも例外的にうまくいっている人を探して、その人がしていることをとりあえずみんな真似するだけであれば、膨大な費用を使うこともなく誰でもできることです。

    スターニンさんは、同じように家庭が貧しくても子供の栄養状態が良い家庭を探しました。
    それぞれの家庭の食事に注目してみると、栄養状態が良くない子供の家庭では、食事を1日に2回などまとめて与えていました。
    ところが、栄養状態が良い子供の家庭では、食事を1日に4回に分けて与えていました。
    食事の量は変わりませんが、食事を4回に分けて与えていたということです。

    子供たちの体は大人と比べてまだ小さく、大人よりも消化のスピードが遅いので、細かく分けて食事を与えることによって、栄養の吸収効率が良くなっていたそうです。
    それを知らずにしていました。

    多くの家庭では大皿に料理を盛ってみんなで食べるようにしていたそうですが、子供の栄養状態が良い家庭では、それぞれ個別のお皿に盛って、子供の食べる量がわかるようにして残すことがないように指示していたそうです。

    そして、子供の栄養状態があまり良くない家庭では、お米に他の物をあまり入れてなかったそうです。
    貧しくても栄養状態が良い家庭では、子供のお米に普通は大人しか食べないような田んぼで採れたエビやカニ、ベトナムでは粗末な食べ物と考えられ一般的に食べられることが少なかったサツマイモの葉っぱを入れていたそうです。

    スターニンさんが気づいて実践したことはこれだけです。
    これが貧しくても栄養状態が良い家庭のしていることでした。

    そのうまくいっている家庭の例を他の家庭にも広めようとしました。
    いきなり他の国から来た人が偉そうに上からものを言うのではなく、うまくいっている家庭を中心に10の家庭が一緒になって子供たちのご飯を作るプログラムを開きました。

    チップ ハース氏とダン ハース氏は、「ブライト・スポット」と呼んでいますが、このプログラムを実施しただけで、半年間で65%もの子供の栄養状態が改善して、その変化はスターニンさんが村を離れても変化は継続して、国中からその村にどうすれば改善できるのかを視察に来るようになり、それがどんどん広がっていったそうです。

    たった1人の人が原因を調べるのをやめて、例外的にうまくいっている「ブライト・スポット」を探しただけで、ベトナムの子供たちの食料問題が大きく改善しました。
    たった1人の人間の物事の見方だけで、国が大きく変わった素晴らしい事例です。

    僕たちは問題を解決しようとします。
    人生でもビジネスでも同じです。
    問題を探すのではなく、「比較的うまくいっていること」を探してください。
    それによって自分の「ブライト・スポット」を見つけることができます。

    そこで忘れてはいけないのは、「問題は大きくて解決策は小さい」ということです。
    人間は多くの問題を大きく捉えがちですが、解決策は意外と小さいものです。

    ベトナムの子供たちの栄養状態を改善するとなると、水質の改善や食料の安定供給、親の雇用問題や教育問題、様々な問題が浮かびます。
    これも重要かもしれませんが、最低限の問題を解決するだけであれば、子供のご飯の食べ方や今の葉っぱをお米に混ぜるだけで十分でした。

    「ブライト・スポット」の見つけ方
    とはいえ、人生でそんなにうまくいったことはないとか、ブライト・スポットなんて見つからないという人もいると思います。

    簡単な2つの質問を使うだけで見つけることができる方法があります。
    問題は大きく捉えてしまい解決策は小さいので、ちょっとしたうまくいくポイントがあっても、そんなことではうまくいかないだろうと否定してしまいます。
    芋の葉っぱぐらいで子供たちの栄養不足の問題を解決できるのであれば誰も苦労しないと、せっかくのその解決策を捨てている人が多いです。

    皆さんの人生を変えるために大きな解決策は必要ありません。
    小さな「ブライト・スポット」を見つけてください。
    それを見つけるための方法を紹介させてもらいます。

    原因を探っても意味はありません。
    もし過去がどんなにひどく苦しいものであっても、過去は変えることができませんので、そこに目を向けても意味はありません。

    今現在に目を向けて、うまくいっているところを見つけて、そこを強化していきます。
    変えられない過去に目を向けても人生は変わりません。
    分析をやめて未来に向かって行動を始めましょう。

    ①Miracle Question:奇跡の質問
    皆さんが今抱えている問題を思い浮かべてください。

    「皆さんの身に奇跡が起きたとします。奇跡が起きて皆さんの人生の問題はすべて解決しました。解決したら何でそれに気づきますか?」

    例えば、夫婦関係に問題を抱えていたとします。
    朝起きてすべての問題が解決していたとしたら、何でそれに気づくか考えます。
    夫婦関係が悪くなってきたことに悩んでいたのであれば、朝起きて奥さんの対応が違うことで、奇跡が起きたと気づくのかもしれません。
    新婚の頃のように奥さんが朝コーヒーを入れて楽しく会話ができたことで気づくと言うのであれば、それを自ら始めてみましょう。

    奇跡が起きて問題が解決したら、どんな変化が起きるのか、何によってそれに気づくのかということがわからなければ、問題の解決の兆候に気づくこともできません。

    ②Exception Question:例外の質問
    胸に手を当てて考えてみてください。

    「最後に例外的に奇跡が起きた時はどんな時でしたか?」

    例えば、夫婦関係の問題であれば、かなり前に子供の運動会に一緒に行った時の翌朝は、奥さんが機嫌が良くて朝コーヒーを入れてくれたということかもしれません。

    これが「ブライト・スポット」です。

    家族と過ごす時間を増やしていけば、その問題が解決していくのであれば、その時間を徐々にでも増やしていけばいいのではないかということになります。

    子供の問題行動での事例
    これを実際に子供に対して実践した例を紹介しておきます。

    スクールカウンセラーの方が行ったもので、毎回校長室に呼び出されるような問題を抱えた生徒がいて、たった3ヶ月で校長室に呼び出される回数が80%も減ったそうです。

    ①Miracle Question:奇跡の質問
    その生徒の問題がすべて解決したことに気づくとしたら、普段は先生が嫌いで挨拶もしないのに、元気よく挨拶してくれたことで気づくかもしれません。

    ②Exception Question:例外の質問
    例外的に、彼がとてもいい子だった時はどんな時だったか探しました。
    そうすると、ある先生にだけは態度が違うことに気がついて、スクールカウンセラーの方はそのことを生徒に聞いてみました。
    そうすると「あの先生は優しいからね…」というようなことを言ったそうです。

    ある先生にだけは問題行動が少なかったということです。
    その先生が何をしているのかということを調べました。
    その結果、その先生は問題がある生徒であっても自分から挨拶をしていました。
    そして、勉強が嫌いで勉強ができないことで劣等感を感じてしまいがちですが、そんな生徒でも解ける優しい問題を出してくれていました。

    学校の先生全員に自分から挨拶するように徹底しました。
    それと同時に、生徒に合わせた優しい問題を出してあげるように指示しました。

    その結果、たった3ヶ月で校長室に呼び出される回数が80%も減ったということです。
    例外的にうまくいっている先生を探して、その先生がしている行動を全員の先生が真似しただけです。

    今みなさんが抱えている問題もあると思います。
    自分にも他人にも「ブライト・スポット」を見つけることができれば、問題のある生徒が3ヶ月で変わったように、大人も変わることができるはずです。
    自分に対しても、自分の大事な人に対しても、これができるようになれば人生は大きく変わります。

    一歩踏み出す勇気を与えてくれる名言

    一歩踏み出すための勇気を与えてくれるであろう名言をいくつか紹介しておきます。

    哲学者セーレン・キルケゴールの名言です。
    「大胆に行動すれば一時的に足場を失う。大胆さがなければ自分自身を失う。」
    大胆に行動すれば自分が不安定な状態になるので、一時的には足場を失ってしまうけれど、大胆さがなければいつか自分自身を、自分の心を失ってしまうということです。

    DaiGo師匠も好きな言葉で、ジャック・ウェルチの名言もあります。
    「Change before you have to.」
    つまり、「変われ!自分が変わらなければいけない状況に追い込まれる前に」ということです。
    必要に迫られてから、求められてから、それから変わろうとしても遅いわけです。

    そして、DaiGo師匠が高校生の頃からずっと大切にしてきた素敵な言葉で、アール・ナイチンゲールという自己啓発の人ですが、言葉としては素晴らしい言葉があります。
    「大衆は常に間違っている。」
    これは、新しいことをしたいのであれば、みんながしていることは間違いなんだと考えることが大切だということです。

    やるべきことが見当たらないとか、自分の強みを発揮する方法がわからない、どこから手をつけていいのかがわからないのであれば、周りを見てください。
    周りを見て、周りの人達がしていることをひとつずつピックアップし、それをやらないということを心に誓ってください。
    そのようにして周りがしていないことをするということがとても大事だということです。
    ですから、周りのみんながしていることを調べて、それら全てを否定して全く違ったやり方を試してみましょう。

    師匠がメンタリストになったのも当時は日本に誰もメンタリストがいなかったからです。今でこそDラボで沢山の会員さんに見て頂いていますが、これも当時ニコニコではゲーム実況やアニメや漫画の話が流行っていて、声優さんとの対談が流行っていると言われていました。
    それをかたくなにすることなく、皆さんの生活をより良くするための知識を提供するスタイルになりました。

    周りがしていることを調べて学ぶ必要があります。
    これは、まずはその周りがしていることと同じことを絶対にしないと誓うためです。
    そして、周りがしていない穴を見つけるためです。
    クリティカルシンキングを使って実践していただけたらと思います。

    ここから先は、人が変われない本当の理由、そして、人生を変えていくためのチェックテストを紹介させてもらいます。
    一歩踏み出して人生を変えたい方はぜひ続きもチェックしてみてください。
     
  • 【総集編】あなたにとっての人生の成功とはどんなものですか?【成功法則の科学】

    2023-06-24 12:00  
    330pt
    あなたにとっての人生の成功とはどんなものですか?

    今回は、人生の成功に必要な科学的な要素について纏めていきます。

    成功スパンの短縮化された現代
    現代においては、成功スパンの短縮化が激しくなっています。
    昔であれば、いわゆる億万長者になるまでには40年から50年が必要でした。
    昔は、物理的な商品や物流など、人の手を使って作り上げるものがほとんどでした。
    ですが、現代においては IT技術を用いたり、昔とは違った方向性で成功する人が増えてきました。

    例えば、石油王として有名なロックフェラーは、億万長者になるまでに46年もかかったそうです。
    石油を取り扱うにはパイプラインを完成させたりすることも必要ですし、様々な石油業者を取り込んで会社を大きくして行くまでに46年もかかりました。

    ところが、現代では1年から2年ぐらいのスパンで成功をつかむ人が増えてきています。
    1980年代では、マイケルソフトのビル・ゲイツは12年で億万長者になり、Dell の創業者のマイケル・デルは14年で億万長者になりました。
    さらに、1990年代になると、ヤフーの創業者のジェリー・ヤンとデビッド・ファイロは、わずか4年で10億ドルの資産を手にしています。
    EBay の創業者のピエール・オミダイアは3年で億万長者になり、2000年代後半になってくると、グルーポンのアンドリュー・メイソンがたった2年で億万長者になっています。

    億万長者になるまでの成功スパンがこんなにも急激に短くなってきていて、それに伴いビジネスの方向性も変わってきています。
    成功の仕方が、40年や50年かかる時代から、たった1人の若者であってもパソコン1台で会社を作って1000億を稼いだりすることができる時代になっているわけです。

    成功の法則が変わってきていることに気づいていますか?
    今の時代には、「貯金することが大事」と考えている人はいないと思います。
    もちろん無駄遣いは良くありませんが、銀行口座に貯金するというよりは、運用することの方が重要だということを皆さんは知っています。

    昔は、金利が高かったので銀行に預けておくメリットがあったわけですが、現代においては、むしろマイナスなのではないかと言われるぐらいです。
    バブル以降の世代においては、貯金したところで意味はないというような考えが当たり前になっています。

    お金に関してであれば、この常識が変わってきているということには誰でも気づいています。
    ところが、成功に関してはどうでしょうか?

    人はコツコツと頑張れば成功する、そんな言葉をいまだに信じている人もいます。
    その時代はすでに終わったのではないかということです。

    人生における9つのスマートカット

    ①新しい成功を見つけるためのラダーハック
    成功するためには一歩ずつ梯子を上っていくわけですが、そのはしごの登り方をハックする必要があります。

    昔であれば、下積みから一歩ずつ頑張っていくというのが確かに正しかったと思います。
    今では、ある程度その梯子を登ったら、そこから違う業界に行ってさらに実績を作っていく、そんなキャリア転換の方が重要なのではないかとされています。

    成功するためには「チーター的行動」が必要だとされています。
    チーターはただ足が速いだけでなく、獲物が次々と方向を変えながら逃げ回っても、かなり小回りが効いてそれによってあっという間に獲物を捕まえてしまいます。

    多くの人は、自分が成功を掴むと、それを手放したくないと考え同じ業界に留まろうとしてしまいます。
    そうではなく、自分が成功したときこそ、その成功を元手にして違う業界に挑戦するべきです。
    多くの人は一歩ずつ梯子を上って頑張ろうとするわけですが、別の業界で成功して、その成功をスライドして持ってくる方法が実際には重要です。

    ②メンターを自力で探す
    アドバイスをくれたり助けてくれる人の事をメンターと呼びますが、そのメンターに関する研究を見てみると結構賛否両論です。

    成功している人が、メンターに習うことで成功する時間を短縮しているということは確かに確認できます。
    実際に、良いメンターを得た起業家は、そうでない企業よりも7倍も資金を集めることができて、3.5倍も早く会社を成長させることができるというデータもあります。

    メンターの効果は確かなわけですが、メンターの矛盾という概念があります。
    メンターを見つければうまくいくということではなく、やはりどんなメンターについてもらうかによります。

    メンターの効果について調べた研究によると、公式のメンターよりも非公式のメンターの方が、自分の成功のためには効果が高いようです。
    つまり、会社の先輩や上司のように環境や組織によるメンターではなく、個人的に繋がったメンターの方がキャリアに対して大きな影響を与えるということです。

    ③他人の失敗を利用した高速フィードバック
    どんな業界であってもフィードバックは重要です。
    成功できない人は、失敗を引きずる、他人のせいにする、気にしない、この3つのどれかです。
    成功する人は、自分の失敗はもちろん他人の失敗さえも分析して、それを自分のビジネスに活かすことができる人です。

    2008年のハーバード大学の研究を見てみると、過去にビジネスで失敗を経験していたからといって、それまで起業経験がない人よりも良い成果が出るわけではないということが確認されています。
    ですから、過去の失敗経験というものはほとんどプラスにはならないそうです。

    ところが、過去に成功した人は次も成功しやすくなるというデータもあります。
    ベンチャーで結果を出した起業家が、次のベンチャーでも成功する可能性は1.5倍になるとされています。

    つまり、過去の失敗が次の成功に繋がるというのはどうやら怪しく、過去の成功が次の成功を呼ぶというのが正しい考え方のようです。

    ④既存のプラットフォームの利用
    既にあるものであれば、それを活用した方がいいということです。
    例えば、プログラミングも上手にサボるにはどうすればいいのかという視点で発展してきたものです。
    オープンソースのWebアプリケーションフレームワークであるRuby on Railsというものがあり、これによりそれまで2年かかっていたプログラムが数日で作ることができるぐらいになりました。
    実際に、Twitter はこれを使ったことで数日で完成したとも言われています。

    便利なものは使うべきですし自動化することができるものは自動化すれば良いわけです。
    それにより、空いた時間で思考を深めて、道具をどう使うのかということに時間を使った方が良いのではないかとされています。

    ⑤パターン認識で運をつかむ
    やはり、成功するためには運も必要なわけですが、その運というのは、パターン認識により観察力が高いことが重要です。
    タイミングよく最も最適な場所に居合わせるのが運がいいということで、それを考えながら行動することが大事だということです。

    観察力が高い人は運がいいという研究があります。

    この研究では、道端にお金を落としておいてその道を自分が運がいいと思っている人とそうではないと思っている人にそれぞれ歩かせるという実験を行っています。
    お金が落ちている数は全く同じで同じ道を同じように歩いてもらうわけですが、自分が運がいいと思っている人の方が運が悪いと思っている人よりもそのお金に気づく数が多かったということが分かっています。

    チャンスは全く同じなのに自分が運がいいと思っているかどうかで気づくことができる確率が変わるということです。
    つまり、運の良し悪しは観察力で決まるということになります。

    ⑥スーパーコネクターを見つける
    その人との関係さえ維持していれば、必要な時にはその人に連絡すればどのような人脈にも繋がるという人をスーパーコネクターと呼びます。
    人脈を作るには当然時間がかかります。
    ですから、すでにたくさんの人脈を持っている人と繋がることで、必要な人脈をその人から紹介してもらう方が短時間で成功するためには効率がいいわけです。

    人脈について考える場合、相手をどのように利用するかではなく、まずは相手に自分がどのように役に立てるかということを考えてください。
    これがスーパーコネクターとうまく繋がるときの重要なポイントです。

    スーパーコネクターはたくさんの人脈を持っているので、同じような特徴を持っている人はたくさんいます。
    そんな中で自分と付き合うという判断をしてもらうには、先に自分がその人の役に立ってあげるということが大切です。

    多くの人が、人脈に対して自分の利用対象のように考えていますが、相手の役に立つことを考えられないと成功することはできません。
    ですから、与える、教える、紹介する、この3つを意識するようにしてください。

    ⑦成功の次を成功する前に考えておく
    一度成功しても、一発屋のようになってしまったり燃え尽き症候群になってしまう人が多いです。
    成功し続けることができる人は、成功する前に、それが成功したら次は何に挑戦しようかということを考えています。

    テレサ・アマビール教授によると「小さな勝利」が人のモチベーションにとってはとても重要だと言われています。
    それを日々感じることができているかということがモチベーションにとって重要なわけですが、急に大きな成功を成し遂げてしまうと、その後に小さな勝利を重ねることができなくなってしまいます。
    それは成功の次を事前に用意していないからです。

    その成功の先に何をするのかということもぼんやり考えながら、小さな事でもいいので自分が前に進んでいると感じられるための記録をつけてください。
    目標を立てる時には、遠い先の目標も時には意識して自己コントロール能力を発揮しながら、無理をすることなくこなしていけるレベルに細分化して小さな勝利を積み重ねることができるようにしてください。
    自分のモチベーションを自分で刻み込むと考えて毎日の小さな勝利を記録していってください。

    ⑧シンプルさを極める
    多くの人は新しい商品やサービスを作ろうとする時に、より良くするためにオプションをつけたりプラスアルファを意識してしまいます。
    ですが、成功するためには、思い切ってオプションを切ったり大胆にシンプルにすることが重要だったりもします。

    とはいえ、とにかく減らせばいいということではありません。
    自分にとっての可能性まで減らしてしまっては何の意味もありません。
    人生や日々の生活を考えるのであれば、自分にとってちょうどいい快適な生活ができて意思決定力が高まればいいわけです。

    結果に大差がないような手間やモノや人間関係を減らして、何かを減らしたことによって、大きく稼ぎや成果が落ちたり可能性が下がったということに気づいた場合にはすぐにそれを戻します。その上で、それが大事だということが分かったわけなのでそこに集中して投資します。

    大切なのは自分で一度試してみて、成果が上がるかどうなのかをチェックすることです。
    特に変わらないのであればミニマムにしたり減らしてもいいのではないかと考えるわけです。
    このようにして判断していくと自分にとって本当に必要なものが見えてきます。さらに、人の目などもムダに気にせず判断することができるようになります。

    ⑨10倍思考とストーリーテリング
    ほとんどの人は10%ずつ改善していこうと考えます。
    例えば、今よりももう少し人材がいれば、もう少し予算があれば、10%ぐらいはうまくいくだろうと考えます。
    そうすると頭を使って考えなくなります。

    今よりも10倍の成果を上げるには?
    10倍良い商品やサービスにするには?
    こうなると、普通の考え方では10倍の成果を出すというのは無理ですから、頭を使って考えるようになります。

    もちろん同じ方法を続けていては成長しません。
    以前はこの方法でうまくできたのになぜうまくできないのかと行き詰まることもあります。
    失敗したりうまくいかないと「以前はうまくできたのになぜできないのだろう」と考えがちですが、これが危険な考え方です。
    ですから、以前はこの方法でうまくいったはずだと考え同じことを繰り返すのではなく、気づかないうちに何かしらの条件が変わっている可能性もあるわけですから、うまくいかない時こそ、10%の改善を続けていくことも重要です。

    ただし、それを続けているだけではイノベーションは生まれないということです。

    自分が調子がいい時には10%ではなく10倍にすることを考えてください。
    10%というのは少し頑張ればできるような数字だったりもします。
    10%変えようと思うと、仕事であれば少し無理をしたりいつもより長めに働くことで、それができたりもします。
    そうなると新しいアイデアも生まれなくなってしまいます。

    ですから、自分の調子が悪かったりスランプを感じている時には10%だけ変えてみるということを意識してもらい、逆に、自分の調子が良くて自分を大きく変えようと思った時には、「10倍にするにはどうすればいいのか?」と考えてもらえると、それにより思考の幅が広がりますので、新しいアイデアを生み出すことにもつながります。
    この使い分けを覚えておいてください。

    ポジティブ思考より論理的思考

    ポジティブ思考より僕たちが持たなければならないのは論理的思考です。
    ネガティブな人がネガティブな状態を突破して、行動につなげるにはどうすればいいのかということも色々と研究されていて、ネガティブな人がポジティブになろうとすると感情が不安定になるということが分かっています。

    ミシガン州立大学の研究で、71人の女性を対象に恐怖感を煽るような写真を見せました。例えば、猟奇的な殺人者などの写真を見せて、その写真のことを無理やりポジティブに考えて下さいとお願いしました。その際に脳をスキャンしながら脳の変化もチェックしています。

    その結果、普段からポジティブな人は、写真を見せられた瞬間には感情が不安定になることが確認できましたが、それを無理やりポジティブに考えて下さいとお願いしたところ、それを本格的なハロウィンの仮装だと考えたのか、すぐに脳波は安定しました。
    ですが、元々がネガティブな人は、その写真をポジティブに捉えようとすればするほど、脳波が乱れている状態になってしまいました。

    つまり、ネガティブな人が恐怖や不安を感じる情報に触れて、それをポジティブに解釈しようとすると不安定な感情をずっと引きずってしまい、いつになってもポジティブにはなれないということです。
    研究者も、普段からネガティブな人にとってはポジティブに考えることは明らかに逆効果だったということを言われています。
    ネガティブな人たちは恐怖や不安などの困難を乗り越えるのが苦手なだけでなく、無理やりポジティブに考えようとするとネガティブな感情が悪化してしまうということです。

    ネガティブな人に対して、ポジティブになろうとかポジティブに考えようというアドバイスは逆効果になってしまうわけですが、研究者はそれに対してどうすればいいのかということも言ってくれています。
    その方法としては「論理的な思考」を促すというのがいいようです。

    以前、認知行動療法の話でも紹介したことがありますが、元々ポジティブな人が不安を感じた場合には、前向きに考えようとすることで何とかなります。
    ネガティブな人がどうすればいいのかというと、
    「どのような部分に不安を感じているのか」
    「何が不安なのか」
    「その不安は対処不可能なのか」
    「対処できるとすれば何をすればいいのか」
    「ここから手をつければいいのか」
    というように論理的に分析することです。
    こうするとネガティブな人たちは不安が消えていくということが確認されています。

    ですから、全ての人に対してポジティブシンキングが役に立つということは間違いで、それぞれの人によって、ポジティブシンキングを選ぶのか論理的な思考を選ぶのかを考える必要があります。

    ポジティブな空想よりもネガティブな予測
    ポジティブに空想するよりもネガティブに予測する方が成功するという研究があります。

    2002年の研究で、ポジティブシンキングの危険性をニューヨーク大学の学生達を対象にして調べています。
    卒業した後の就職とキャリアについて、ポジティブにイメージしてもらったグループとそうでないグループに分けて、その2年後に被験者たちを調べてみたところ、ポジティブなイメージをしていた学生たちほど企業からの求人も少なく給料も少なかったということがわかっています。

    ポジティブに考えてくださいと言われると、人は「ポジティブに妄想する」ということをしようとします。
    ポジティブ思考というのは単なる空想に結びつきやすくなるということです。
    逆に、ネガティブに考えた場合には具体的に考えることにつながります。それにより現実的な思考に結びつきます。

    単なる妄想はやる気を減らしてしまい、その人の性格をずさんなものにしてしまいます。ですから、ポジティブに空想するぐらいであれば、ネガティブに現実を見つめて、ネガティブな予測を立てた場合の方がはるかに成功する可能性は高くなります。

    未来に対する考え方としては、基本的に「空想と予測」の2つに分けて考える必要があります。
    予測は自分の過去の記録や記憶に基づいて、未来にどのようなことができるか、どんな可能性があるのかということを調べることです。
    一方、空想は自分の希望する未来を頭の中で勝手に作っているだけです。
    ですから、ポジティブシンキングが悪いわけではなく、この空想が良くないということです。

    ポジティブに将来を予想したグループとネガティブに将来を予想したグループ、そして、ポジティブに将来を空想したグループの3つに分けて、データをとった実験では、将来の成功率や目標の達成率が一番良かったのは「ポジティブに将来を予想」したグループでした。

    ポジティブに将来を予想するというのは、過去の経験の中でのデータや数字に基づいているけれど、ポジティブに予想し成長につなげていくものです。
    これはある程度の成功体験と慣れも必要なのでお勧めはしませんが、ポジティブに予想するというのがもっとも効果としては高かったということです。

    ですから、ポジティブシンキング自体が悪いわけではないということがここからわかるわけです。
    2番目に効果が高かったのは「ネガティブに将来を予想」したグループでした。
    そして、最も結果に結びつかなかったのがポジティブな空想でした。

    つまり、よくある自己啓発ではポジティブにイメージすることが大事だと安易に言いますが、そのイメージが実際の予測から生まれたものではない場合、つまり、現実的に自分が過去で行った行動や根拠があるデータに基づくものでない場合には、ネガティブシンキングの人たちよりも悪い結果になる可能性が高くなるということです。

    大事なのは、自分がポジティブなのかネガティブなのかということではなく、過去の自分の行動や成績に基づいた予測になっているかどうかということです。

    大切なのは現実的な予測を立ててそれを超えていくことです。
    予測に基づかない単なる空想は気分を良くするだけです。ほとんどの人が成功しないのはこれが理由です。

    多くの人がいい気分になれるので大きな目標を立てて、いい気分になるので自分が失敗した時のことは考えず現実性は失われ、期待値が無駄に高まったところからの転落の痛みに耐えられなくなってしまいます。
    大事なのは、現実離れした空想ではなく、ネガティブでもいいので事実と過去に基づく予測です。

    感情安定力と人生の成功

    僕たちは、生産性を一定に保とうとか、集中力を一定に保ってやるべきことをやれるようになろうと考えていますが、感情を安定させることで生産性が安定するということがわかっています。
    僕たちは感情を一定に保つことによって、生産性を保つことができるということです。
    ところが、実際にはこの感情の安定に注目することを意外と見落としがちです。

    ロンドン大学の研究で、52歳以上の男女8119人を対象にしたものがあり、この研究では、この8119人の暮らしを11年間にわたり追跡調査して分析するということを行っています。
    この研究の中では、この感情を安定させる能力の高い人とそうでない人を比較するということを行っていて、それによると、感情を安定させる能力の高い人の方が健康レベルが高く、うつ病の発症率も低いし孤独に悩む可能性も低く、慢性病の発症率も低い上に経済的な安定もあり疑問が少なく、そして、歩くスピードが速いという傾向が確認されています。

    このような傾向は、頭の良さなど他の要素を調整しても確認されています。
    そういう意味では、感情を安定させるということは人生を大きく前に進めていくために非常に重要な能力だといえます。

    このような感情の安定という点では、いつもテンションが高くてそれを維持しているから自分は大丈夫だという人がいるかもしれませんが、感情が上がりすぎるのもあまりよくありません。
    もちろん感情が落ち込んでしまうのもよくありませんが、上がりすぎることも下がりすぎることもなく一定の感情のレベルを維持するということによって生産性を保つことができます。

    誰でもテンションが上がりすぎても下がりすぎても仕事が進まなくなるということは容易に想像できることだと思います。
    それを程よいところで保つことができる能力が感情安定力です。

    テンションが上がりすぎて楽観的すぎる状態になってしまうと、何でもやればうまくいくような気分になってしまい、将来に対する計画をちゃんと立てることができなくなってしまいます。
    逆に、テンションが落ち込んで悲観的になりすぎると行動できなくなってしまいます。
    感情は程よいところを保つことが重要だということをまず覚えておいてください。

    感情調節尺度(Emotion Regulation Questionnaire)
    感情抑制度を測るためのテストとして、感情調節尺度(Emotion Regulation Questionnaire)というものがあります。
    これにより、自分がどれくらい感情を抑えがちで、物事を自分にとって都合がよくポジティブに解釈することができるのかということを測定することができます。
    この度合いが高い人ほど感情安定力が高いといえますので、まずは自分の感情を安定させるためのリアプレイザルの能力はどれくらいあるのかということをチェックしてみてください。

    10問で構成された尺度で採点して下さい。
    1:全くあてはまらない
    2:ほとんど当てはまらない
    3:それほど当てはまらない
    4:どちらとも言えない
    5:まあまあ当てはまる
    6:当てはまる
    7:非常にあてはまる

    ①私は、自分が置かれている状況についての考え方を変えることで、感情をコントロールする
    ②私は、否定的な感情をあまり感じたくない時は、考えていることを変える
    ③私は、自分の感情を表に出さないことで、感情をコントロールする
    ④私は、もっと肯定的な感情を感じたいときは、考えていることを変える
    ⑤私は、否定的な感情をあまり感じたくないときは、その状況についての考え方を変える
    ⑥肯定的な感情を感じたときは、感情を表に出さないように注意する
    ⑦ストレスを感じる状況では、考え方を変えて落ち着いていられるようにする
    ⑧私は自分の感情を表には出さない
    ⑨私は、もっと肯定的な感情を感じたいときは、その状況についての考え方を変える
    ⑩否定的な感情を感じたときは,その感情を決して表に出さないようにする

    採点が終わったら、以下の質問の答えを足して平均点を出してください。

    ▶︎リアプレイザルに関わる項目
     1、2、4、5、7、9

    ▶︎感情抑制に関わる項目
     3、6、8、10

    541人の日本人を対象にした調査では、各項目の平均点は以下のようになっています。
    リアプレイザル項目=4.50
    感情抑制項目=3.87

    リアプレイザル項目が4.50点より高ければ、物事を自分に都合よく解釈する能力は高いといえますので、これは感情の安定にも非常に良いと言えます。
    感情抑制項目が3.87点より高い場合には、自分の感情を抑えすぎというところがあるかもしれませんので気をつけてください。

    リアプレイザルは認知行動療法でもよく使われる方法ですが、例えば、相手から酷いことをされたり理不尽なことをされてしまった時には、きっとあの人には悲しいことがあったのだろうとか、辛いことがあったに違いないと考えて、事実は変わらなかったとしても状況を勝手に解釈することによって自分が受け入れやすいように考え方を変えていくものです。
    嫌なことがあった時にはその出来事を変えることができませんので、解釈を変えるということを考えてみてください。

    慣れないうちは難しいかもしれませんが、嫌なことが起きた時にはそこにポジティブな解釈を考えるようにしてみてください。
    歯の骨を折った時に、もしこれが足だけでなく首の骨を折っていたら大変だったけれど、足だけでよかったというように、自分の身に起きたことをポジティブな視点で再解釈する方法です。
    ここから先は、感情を安定させるワークや成功のために必須の要素である好奇心の高め方を解説していきます。
    ぜひ続きもチェックしてみて下さい。
     
  • 【総集編】あなたが続けられれば、きっと人生が変わる行動は何ですか?【超習慣術】

    2023-06-20 12:00  
    330pt
    あなたが続けられれば、きっと人生が変わる行動は何ですか?

    今回は、人生を変えるために必須の習慣術について纏めさせてもらいます。

    習慣を作ると楽になる
    習慣を作るのは面倒でしんどいものだと思われがちですが、実際は習慣を作った方が楽になります。
    作るのは大変ですが、長期的に見れば作った後はとても楽になります。

    脳科学的には人間の脳が最も疲れるのは、「決定疲れ」です。これは意思決定をすればするほど脳が疲れていくという考え方です。
    ですから、人間は基本的には朝起きたときが最も物事に集中することができたり自分をコントロールすることができます。
    夜になるにつれて自己コントロールができなくなるということです。
    1日の間にいろいろなことを意思決定して脳が疲弊していくことで、いざというときに自己コントロールが効かなくなることが起きるわけです。

    ではどうすればいいのかと言うと、意思決定を行わなければいいわけです。
    つまり、習慣的な行動にまとめてしまえばいいということです。
    仕事で疲れやすいとか、人間関係で疲れやすいという人は、自分の習慣やルールを決めておいてください。

    例えば、人に誘われたときも事前に決めたチェックリストに当てはまった場合にはきっぱりと断るというようにしておきます。
    悩んだり考えることなく決断できるようにしておくことで、脳が疲れなくなり本当に大事なことに集中できるようになります。
    スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグが同じ服装をいつもしているのも同様で、この決定疲れを防ぐためです。
    習慣的な行動は一度作ってしまえば楽になり、続ければ続けるほどますます楽になっていくものです。

    周りから見て意志が強いと思われている人は、実際には意志の力を使わないで習慣の力を使って他の人たちよりも楽に生きている人達です。
    習慣作りは最初は面倒かもしれませんが長期的に考えればとても楽になるものだということを覚えておいてください。
    これで習慣を作りやすくなります。

    習慣化を行うには最初は意思の力があった方が有利ではありますが、それ以降は意思の力を必要としません。
    ですから、習慣化というものは技術で学んで身につけることができます。

    逆に、習慣を身に付けることで意思の力が強くなるという研究もあります。
    つまり、意志の力が弱い人は習慣を身につけることができないかと言うとそんなことはなく、習慣化の技術を学び小さな簡単な習慣から身につけていくことで意志の力が強くなります。
    意志の力があるから習慣が身につくのではなく、小さな習慣をコツコツとたくさん身につけていくことで意思の力が鍛えられていくということです。

    3つの習慣化のステップ

    習慣化のテクニックは、ひとつでも明確な戦略が見つかれば基本的には大丈夫です。
    色んな習慣化のテクニックを使うよりも、自分にとってしっくりとくるテクニックを見つけたり、コツを身につければ、それをベースに積み上げていった方がいいです。

    まずは心理学者が見つけた3つの習慣化のステップについて解説させてもらいます。
    習慣化が得意な人は無意識にこれをしているようです。
    習慣化のテクニックは色々とありますが、結局のところ、どんなテクニックを使ったとしても、この3つのステップで成り立っています。
    この3つのステップを理解しておいていただけると、大きな間違いを犯したり遠回りすることはありません。

    物事を続けていると飽きてくる場合もあります。
    今回の内容を理解すれば、飽きを防ぐ方法までわかっていただけると思います。

    3つのEの法則
    今回参考にしているのは、心理学者ケネス・ノーワック氏の研究によるもので、3つのEのステップを踏めば誰でも強固な習慣を身につけることができるというものです。

    ①Enlighten(認識)
    自分の状態や身に付ける習慣がどれくらいできるか、自分の現在地の確認です。

    ②Encourage(促進)
    自分の現在地を確認したら、次は促進するステップです。

    ③Enable(有効)
    最後が実行可能にするステップです。

    ①Enlighten(認識)
    習慣化のテクニックは、まずは身につけたい習慣が今どのような状態なのか認識します。
    どこまでできて、どこでつまずいているのか、あるいは、どんな時であれば上手くいくのかということを客観的に認識します。

    この自己認識のフェーズで習慣化のプランを作ります。
    その習慣を身につけることでのメリットにも目を向けて、それを確実に身につけるためには何に気をつけるべきなのかということまで考えます。
    その習慣化の邪魔になってしまう障害についても考えておきます。

    このプランや障害についても最初のステップで考えておきます。
    習慣を身につける際にはやみくもに行動しても身につきません。
    その行動が今まで続かなかったのであれば、まずはそれが続かなかったという事実を認めてください。
    何が原因で続かなかったのかということを知ることが重要です。

    ②Encourage(促進)
    習慣を身につけるためにはプランが必要です。
    これを知らない人が多いです。
    プランを考えずに、ただ闇雲に行動すればいいと多くの人が考えています。

    例えば、毎日30回の腹筋もできない人が、腹筋50回・腕立て50回・スクワット50回をしようとしてもできるはずがありません。
    習慣を続けることが一番難しいです。
    1回だけなら頑張ればできます。

    ですから、まずは今自分ができることを確実にできるようにするにはどうすればいいのか考えて、今できることからスタートします。
    その上で、徐々に増やしていきます。

    例えば、スクワットを1日5回であればできるというのであれば、5回から始めればいいわけです。スクワット5回から始めて、それをどうすれば30回50回と増やしていくことができるのかを考えて、それができるプランを作らなくてはなりません。

    ですから、習慣を身につけるには、スタートは本当に簡単なものでなければなりません。
    絶対にできることから始めなければ続きません。
    それなのに、多くの人は最初から頑張ってしまいます。

    それを増やしていくためには、そのプランが本当に実行可能なのか検討しておく必要もあります。
    人は必ず壁にぶつかることがありますので、その度に修正しなくてはなりません。
    それができるかをチェックして、その壁にぶつかったらそれを乗り越えるための余裕を作っておく必要もあります。
    そこまで考えてプランを立てておくのが、2つめのステップです。

    そこまで考えると、習慣をエスカレートさせる方法が見えてきます。
    簡単なことから始めていると、時にはその行動をする時に余裕があったりします。
    それがなぜなのか考えて、習慣をエスカレートさせる方法を考えるのが2つ目の促進のステップです。

    ③Enable(有効)
    最終的には3つ目のステップとして、習慣化のテクニックを使いながら計画的に進めて、その習慣が何パーセント身についているのかチェックしていきます。
    一定の確率で習慣を続けることができるようになったら、少しずつ回数や難易度を上げていきます。

    とはいえ、それがあまりも続かなくなると人はやる気がなくなってしまいます。
    成功率が一定以下に下がったら、その習慣自体を見直して改善する必要があります。
    回数や難易度を見直して、どのくらいならできるかを改めて考えます。

    この成功率をチェックしている人が少ないです。
    多くの人がなんとなく続けていて、ダイエットでも運動習慣でも、自分の身につけようとしている習慣の成功率を考えている人はほとんどいません。

    あなたの習慣の成功率は何パーセントですか?
    これに答えられない人は習慣が続きません。
    なぜかと言うと、今自分がどこにいるのかがわからないからです。
    当然ですが、ただ繰り返すだけでは習慣化はできません。
    ゴールを理解した上で、今自分がどこにいるのか常に把握しておく必要があります。

    そして、意味のある習慣と意味のない習慣もあります。
    それによって自分のスキルが上がったのか、その習慣を身につけることによって自分にどんな変化があったのか、このような変化を知っておかないと、それを続けることのメリットが見えなくなります。
    自分にとってのスキルが上がったり経験が身についているかチェックする必要があります。

    最後に、「継続と変化」の検討のフェーズに入ります。
    皆さんが作った習慣をそのまま続けていくべきなのか? それとも、多少の変化を加えたり、むしろやめるべきなのか? ということを検討します。
    これがちゃんとできると、どんなに小さく始めた習慣であっても、いずれ大きくしていくことができると確信できるようになります。

    これらの大きく分けて3つのステップによって、人は習慣を身につけることができます。
    これを理解した上で物事を始めると、習慣化の成功率は9割を超えます。
    もちろん挫折もありますが、安心して習慣を始めることができるので、「3つのE」の考え方を押さえておくことは重要です。

    習慣が1度途切れたらやる気がなくなってしまう、ついつい始めから無茶な目標を立ててしまい、結局挫折して自己嫌悪に陥る、そんな経験をした人も多いと思います。
    習慣を身につける成功率が3割以下の人は、今回の方法を身につければ間違いなく人生が変わります。

    習慣を身につけるまでは面倒ですし、コスパも悪いかもしれませんが、一旦身についてしまえば、それ以降は永久に自動的にできるのでとてもコスパが良くなります。
    ほとんどの人はそのボーナスステージに入る前にやめてしまっているので、無駄に労力を使うだけで終わっているわけです。

    習慣的行動を操る5つの超習慣術

    いつも習慣を身につけようと思っても三日坊主で終わってしまう、そもそも、どうすれば習慣を身につけることができるのかもわからないという方に、人生の50%を占める習慣的行動を操る5つの超習慣術を紹介します。
    人生が大きく変わりますので、まずは、この5つを完全にマスターしてください。
    知っているかどうかではなく、実際にできているかどうかが重要になります。知っているだけで実際にしていないととても損をしています。

    ①20秒ルール
    ショーン・エイカーさんの20秒ルールです。
    僕たちが新しい習慣を身につける時には、その習慣的な行動をやりやすくすることが重要になります。
    習慣的な行動は意志の力で頑張ってしようとすると続かないものです。無意識で行うことができるぐらいに、手間を減らすことが重要になります。

    皆さんが習慣化したい行動があるとしたら、その行動を20秒だけ早く取り掛かれるようにしてください。
    例えば、ジムに通う習慣を身につけたいと言うのであれば、いざ行こうと思った時にウェアを取り出して準備をするのではなく、事前に必要なウェアをバッグに入れておいて、そのバッグさえ手に取ればあとは行くだけというようにしておきます。
    逆に、やめたい悪い習慣がある場合には、20秒だけいつもより手間がかかるようにしてください。

    20秒ルールを知っている人も、20秒手間を減らして満足しないでください。
    もっと習慣化したいのであれば、さらに20秒・・・と続けて極限まで手間を減らしていくように心がけてください。

    例えば、読書習慣を身につけたいのであれば、本はしおりを挟んで本棚にしまうのではなく、しおりすら挟まず開いたままの状態でテーブルに置いておくぐらいにすれば、これだけでも本を読み始めるまでの手間が減り、実際に本を読む時間が増えるということがわかっています。

    ついついスマホを触ってしまうという人は、20秒ぐらい時間がかかるところに充電器と一緒に置くようにしてみてください。
    使うのを控えたいアプリがあるのであれば、スマホのフォルダの奥底の方にしまっておくようにしてください。

    瞑想の習慣を身につけたい場合であれば、瞑想のための座布団を部屋の真ん中に置いておくとか、部屋に帰ってすぐにストレッチやトレーニングをする習慣を身につけたいのであれば、部屋の真ん中にヨガマットを敷いておくというように、少しずつで良いので手間を減らしてください。

    仕事でも常にもうひと手間減らす方法はないかということを考えるようにしてください。
    当然ですが、手間を減らせば減らすほど習慣は続きやすくなりますので、手間を減らして楽をすることがとても大切です。

    ②マジックナンバー「4」
    習慣を身につけるためには4という数字がとても重要になります。
    週に4回以上行う行動を8週間続けると、楽にそれを継続することができるようになるということがわかっています。頻度や回数がとても重要だということです。

    この繰り返しの重要性を調べてくれたビクトリア大学が行った研究でわかったものですが、ジムに入ったばかりの男女111人を対象に12週間にわたって彼らがどれぐらいジムに通っているのかということを観察しています。
    その結果、最もジム通いの習慣が身につくことと相関していた要素は頻度でした。
    週に4回以上ジムに通った場合に、運動の習慣が身に付く確率が週に3回までと比べて急激に高くなるという結果が確認されています。

    そして、多くの人が挫折しやすいのが6週間ぐらい経った頃です。
    この実験でも、週に4回以上ジムに通った人たちと4回未満の人たちを比べると、6週間目ぐらいまではどちらの人たちも同じようにジム通いを続けていました。
    ところが、ジムに通っている回数が週4回に満たない人たちは、6週間目を過ぎたあたりから徐々にさぼりがちになっていきます。
    そして、12週間経つとその習慣を始める前の状況まで戻ってしまうということです。

    この6週間目の罠を乗り越えるためには、週に4回は続けるということが必要だということです。
    そして、それを8週間以上続けてください。
    これにより習慣が身に付く確率が大きく上がります。

    ロンドン大学の研究で、96人の学生を対象に実際に習慣を身につけるまでの時間を調べてくれています。
    これによると、始めて25日目ぐらいまでは習慣は身につかないので、続けるのもしんどいかもしれませんが、50日から60日ぐらい続けると、その習慣は楽になっていくということがわかっています。
    ですから、行うことに抵抗感を感じるような難しい習慣であっても、8週間程度続ければ身につくということが言えるわけです。

    そして、1日や2日サボったからといって習慣の形成には悪影響はありません。
    ただし、そのサボった自分を責めると挫折してしまうので、それだけはしないようにしてください。

    ③朝起きてからの時間を使う
    習慣を身につけたいのであれば起きてからの時間を使いましょう。
    習慣化したいことは朝起きてから行なった方が楽にその習慣を身につけることができるということがわかっています。

    2017年のニース・ソフィア・アンティポリス大学が48人の学生を集めて、2つのグループに分けて実験を行っています。
    朝15分のストレッチを習慣にするようにお願いしたグループと夜15分のストレッチを習慣にするようにお願いしたグループです。
    全員が習慣を身につけるために何日ぐらいかかったのかということを調べたものです。

    その結果、朝ストレッチを行った人たちは105日で完全に習慣化していましたが、夜ストレッチを行った人たちは154日もかかりました。
    夜に行っただけで1.5倍も習慣を身につけるために時間がかかったということです。

    この原因はコルチゾールによるものでした。
    朝起きる前後にはストレスホルモンであるコルチゾールの値が大きく上がります。コルチゾールの値を高めることで目を覚まさせてエネルギーを出そうします。
    このコルチゾールの値が高まっているときは脳が覚醒していて、目の前のことに適応するための能力が高まっているときです。
    ですから、そのタイミングに新しい習慣に取り組むようにすれば、身につきやすくなるということです。

    ちなみに、上司に怒られたりしたときなど、突発的なストレスホルモンが分泌されたときは使わないようにしてください。
    あくまで自然な生活リズムの中でコルチゾールの値が高まったときが習慣化の能力が高まるということであって、ストレスをたくさん受けているときに習慣化の能力が高まるわけではありません。

    ④スモールステップとビッグエリア
    習慣を身につけるためには、身につけるまでのステップを小分けにする必要があります。
    ひとつの身につけたい習慣がある場合には、それが身につくまでに必要なものを考えて、さらにそれを細かく分解しチェックリスト化してください。
    そして、それをひとつずつクリアしていき、自分が今全体の何%ぐらいの進捗状況なのかということを考えてください。

    肥満の女性を対象に6週間介入する実験を行なった研究によると、目標体重までのステップを出来る限り細かく刻みサブゴールをたくさん作った被験者ほど、健康的な食事の量も増え体重も何もしなかった人たちに比べて20%も体重が減ったということがわかっています。
    達成したいゴールである大きな習慣だけを意識した人たちは、この研究ではかえって体重が増えてしまいました。

    嘘でもいいので前に進んでいる感覚が人間のモチベーションを作ってくれます。
    ですから、習慣化をするときのスモールステップは、これ以上細かく刻めないぐらい細かく刻んでください。
    これをまず最初に行なってください。

    ただし、細かくしすぎることで自分の目標を見失ってしまう人もいます。それによりモチベーションが下がってしまう場合もあります。
    週に1回とか3日に1回など定期的に、そもそも自分は何を目指してその習慣を身につけようとしたのか、その小さく分けたステップを踏んでいるのかということを考えるようにしてください。
    寝る前や週末に自分が行なっている行動の意義を考え直すことが大切です。

    人間は多くの場合、お金(経済的な目的)・人間関係(社会的なつながり)・健康の3つを最終的な目的として選ぶことが多いとされています。
    自分が身につけたい習慣のビッグエリアがはっきりしない場合には、この3つを考えていただけるといいと思います。
    つまり、この習慣を身につけたらどれぐらい儲かるのか? この習慣を身につけたらどんな新しい友達や関係ができるだろうか? この習慣を身につけたらどれくらい健康になれるのだろうか? ということを自分に問いかけてみてください。

    ⑤ if-thenルール
    「もし〇〇な状況になったら〇〇の行動をする」という方法です。
    if-thenルールはアレンジが色々とできるものです。
    そんな中からみなさんが使いやすいものをひとつ紹介します。if-thenルールは、効果量としては最大で0.99までにもなる最強のテクニックで、この習慣化の帝王であるif-thenルールの徹底解説は次回行います。

    例えば、「1日に腹筋を30回する」ではなく、行動をその状況とセットにすることを考えないと習慣化しづらくなります。

    「want」を「should」に結びつける
    自分に対してご褒美を設定することがあると思います。
    外発的動機づけは内発的動機づけよりも弱いので、ご褒美を与えることでかえってやる気がなくなってしまうのではないかという人もいますが、習慣化に関しては若干違ってきます。
    習慣化に関しては、ご褒美が設定されている方が習慣化される確率が高まるということがわかっています。

    では、どのようにご褒美を設定すれば良いのでしょうか。
    「want」を「should」に結びつけると僕たちのモチベーションは大きく上がります。

    例えば、「チョコレートをひとかけら食べたい」のであれば、「ジムに行かなければならない」と決める方法です。
    自分が欲しいと思うものと自分がやるべき事を達成した後の行動とを結びつけるということです。
    このようにしてif-thenルールを設定すると、モチベーションが大きく上がるということがわかっています。

    ご褒美を設定するのであれば、ただ〇〇を達成したらご褒美がもらえるではなく、「〇〇を求めるならば、〇〇をしなければならない」と条件を設定してください。

    7つの3日坊主防止テクニック

    ①自己効力感
    自分がやればできるという感覚、つまり、自分の未来や自分がこれからしようと思っていることは、自分の努力次第でいくらでも結果を変えることができるという自己効力感が高ければ高いほど、習慣化の成功確率は上がるということがわかっています。

    2018年にベルリン自由大学が、カップルのどちらかが最近禁煙を始めている85組のカップルを対象に行なった研究があります。
    かなり難しいであろう悪い習慣をやめて新しい習慣を身につけることに挑戦する際に、パートナーの協力による影響はどれぐらいあるのだろうかということを調べようとしたものです。
    研究チームはすべての被験者に対して、タバコを吸った本数や自己効力感のレベルなどを調べました。

    その結果、自己効力感が高く、やればできるという感覚が強い被験者ほど、やはり、禁煙に成功する確率は高くなるということが確認されています。
    この被験者たちの自己効力感がどのように決まっていたかというと、なんと、パートナーの自己効力感にかなり影響を受けていたということがわかっています。

    この実験では、被験者の自己効力感はパートナーの自己効力感と連動していることが確認されていて、禁煙に成功できるかどうかということは、被験者自身の自己効力感に影響を受けていましたが、その被験者の自己効力感はパートナーの自己効力感に影響を受けていたということです。

    ですから、何か悪い習慣をやめようとか新しい習慣を身につけようとするときに、自分の近くにいる人の自己効力感によって僕たちの自己効力感も変動します。
    その変動によって、やめたい習慣をやめることができるか、新しい習慣を身に付けることができるかということが決まってくるということになります。

    実際に、被験者の自己効力感とパートナーの自己効力感は連動していて、一方の自己効力感が高まれば、もう一方の自己効力感も高まりますし、逆に、一方の自己効力感が下がれば、もうひとりも下がるということです。
    パートナーの自己効力感が下がると、被験者の自己効力感も下がり、タバコに手を出してしまう確率も上がったということです。

    この自己効力感というものはパートナーから伝染する働きを持っていて、結局、習慣化がうまくいくかどうかというのは、パートナーや恋人や夫婦だけでなく、家族や仕事上の仲間など、皆さんが密接に触れ合う人たちの自己効力感によって左右されるということです。

    ですから、皆さんが新しい習慣を身につけたいと思うのであれば、習慣を身につけるのがうまい、もしくは、やればできるという感覚が強かったり有言実行のタイプの自己効力感の強い人と頻繁に会うようにしたり、こまめにやり取りするようにして、その人との心理的な距離を近づけておくようにしてください。

    自分の自己効力感を高めるために、自己効力感の高い人との接触頻度を高めておきましょう。
    そうすると、それだけで習慣が挫折しにくくなり、苦しい習慣でもやり遂げ続けることができる可能性が高くなります。

    ②習慣強度と習慣形成
    習慣強度と習慣形成という考え方があり、僕たちが習慣を身につけるために初期の段階に必要なものと、中期以降にその習慣を長続きさせるために必要なものは違います。

    習慣を身につけるのは得意だけれど、途中で挫折することが多い人もいると思いますし、逆に、なかなか習慣が身につかないけれど、一度身についたらずっと続けることができるという人もいると思います。
    この習慣を作るのが上手い人と習慣を続けるのが上手い人の違いは何なのかということを調べてくれた研究があります。

    2005年のエラスムス大学の研究で、521人の男女を集めて全員に対してフルーツを食べる習慣があるのかということを調べました。
    その上で、習慣強度が高いグループと習慣強度が中程度のグループ、習慣強度が低いグループの3つのグループに分類し、習慣強度と持続に関する調査を行っています。

    この習慣強度とは、要するにその習慣を実行する頻度と確率のことです。
    ただし、習慣強度が高い人というのは完全に習慣ができている人ということではありませんので、この実験で言うと、習慣化には至っていないけれど、フルーツをたくさん食べる人とほどほどに食べる人とあまり食べない人に分けたということです。

    5週間にわたって全員の行動を観察したところ、習慣強度が低いグループと中程度のグループは、フルーツを食べようとする自分の決意や自意識の強さが実際のフルーツの消費量と相関していました。

    つまり、習慣の強度が低いかまだ中程度の人は、自分に言い聞かせて意志の力を発揮させた方が、その習慣を実行する行動につながりやすくなるということです。
    習慣の強度が低いかまだ中程度の場合には、自分に言い聞かせるということがとても大事で、意志の力にある程度頼った方が習慣が身に付く可能性は高くなるということです。

    ところが、習慣強度がすでに高いグループは、意識の強さとフルーツの消費量に相関がなかったということです。
    習慣というものは最初は意思の力である程度まではその強度を高めることができますが、ある程度の習慣強度までなると、意志の力に頼っても効果はないということになります。

    では、習慣強度が高いグループがその習慣を行うことができたかどうかというのが何と比例していたのかというと、なんとフルーツを手軽に手に入れることができたかどうかということだけでした。

    要するに、習慣の初期にはリマインダーを用意しておいたり、定期的に自分に言い聞かせることを準備しておきます。
    習慣がある程度身につきつつある段階では、手軽さを最重要視してください。

    残りの3日坊主防止テクニックについても学んで、やるべきことを楽に継続できるようになってください。
    ぜひ続きもチェックしてください。
     
  • 【総集編】あなたの理想の人生を邪魔するものは何ですか?【幸せのためのバイアス対策】

    2023-06-17 12:00  
    330pt
    あなたの理想の人生を邪魔するものは何ですか?

    人間の意思決定は様々なバイアスを帯びています。
    今回は、人が変わり成長していくためのバイアス対策を纏めさせてもらいます。

    失敗しないための2つの力

    以前にDaiGo師匠も「直観力」という本を出させてもらったこともありますが、直観は頼るのではなく、疑って飼い慣らさないといけません。

    直観力

    直観が正しい場合が往々にしてありますが、それは経験豊富な領域のみです。
    その領域で経験に裏打ちされている直観であれば意味はありますが、経験もないのに、なんとなくの直観に頼るのは危険です。

    つまり、直観は根拠はなくても構いませんが、直観を入手できる可能性があるだけの経験を積んでいないのであれば、それは単なる思い込みに過ぎません。

    その場合には、むしろクリティカル・シンキングで多角的な視点を持ったり、バイアス解除をすると正しいインスピレーションを得ることができます。

    DaiGo師匠が直観に頼りそうになったときには、クリティカル・シンキングとバイアス解除を必ず行います。
    直観で上手くいきそうな気がしたときは、一旦クリティカル・シンキングとバイアス解除を行うと、自分がハマりそうだった罠に気づいて大きな失敗を防ぐことができます。

    直観だけに頼る人は、根拠もない「次こそは大丈夫」という直観で、次もまた同じ失敗をしてしまいます。
    クリティカル・シンキングとバイアス対策は欠かせません。

    悩む力ー天才にすら勝てる考え方「クリティカル・シンキング」

    行動意思決定論―バイアスの罠

    人が変われない理由

    まず、大抵の人が変わろうと思った時に気をつけなくてはいけないのは「無駄な仕事をなくす」ということです。
    自分でビジネスをしている場合でも企業で働いている場合でもこれは同じです。
    日常生活の無駄な作業や無駄な仕事に追われないことがとても重要になります。

    ところが、人間にはむしろ無駄な作業に追われやすい性質があります。
    この人間がもともと持っている性質を理解して、まずは「無駄な仕事に追われる」バイアスへの対策をする必要があります。

    人間には元々の変化を嫌う性質があります。
    それだけでなく、人間は「努力しない」のに「挑戦もしない」ということもあります。
    意味があることに対しては挑戦しないのに、うまくできても意味のないことに対しては何故か時間とお金を使います。
    自分の人生を左右する本当に大事なことに、人はなかなか手をつけないのに、それをやらなくても誰も困らないようなことに対して時間やお金を費やしてしまいます。
    人生にとって本当に重要なことに手をつけるべきなのに、なぜか1年もずっと触っていなかった棚の整理を始めたりします。
    これは挑戦や変化を嫌がる人間の性質があるからです。

    このようなバイアスによって影響を受けた時に、どのように対策して自分を奮い立たせればいいのかということも考えておく必要があります。
    今回はそんなバイアス対策について大切な13のポイントを纏めています。

    ポイント1 :「単純緊急性効果」目の前の仕事に追われすぎる

    人間には目の前の仕事に追われやすく重要な仕事に手をつけにくくなる性質があります。
    人は重要なことから手をつけるのではなく、時間が迫っている緊急なタスクの方が重要だと考える性質があります。
    これが「単純緊急性効果」と呼ばれるもので、人はシンプルに緊急性があることに重要性を感じて手をつけやすくなるということです。
    研究者によると、大抵の人間は締め切りが短いだけでタスクを選ぶバイアスがあると言われています。

    簡単なタスクはとりあえず手をつければ容易に達成感を得ることができます。
    ですが、大きな仕事はインパクトは確かに大きくてもどうしても時間がかかります。
    だから、今やらなくてもいいと考えてしまい、いつまでたっても自分を変えることができません。

    このバイアスに対する対策はかなり難しく、そのためには「自分の価値観をはっきりさせる」ということ以外にはないと言われています。
    それをしない限りはこのバイアスは逃れられないと研究者は言っています。

    「自分は何のために仕事をするのか?」
    「結果を手に入れたことによりどんなメリットがあるのか?」
    このようなことを考えてみてください。

    いつまでも変わらない人はやらなくてもいいことにたくさん手をつけています。
    それで忙しくなってしまい人生が変わらないだけです。
    本当に毎日毎日忙しくて何もできないのであれば、1年それが続けば人生での目標や夢にかなり近づいているはずです。
    そうでないのであれば、これまでの自分の選択が全て間違っていたということです。
    それをもたらすのが単純緊急性効果の影響です。

    ポイント2 :「情熱バイアス」不利な仕事を任される

    ブラック企業ややりがい搾取の問題がよくありますが、このようなところで働いている人は一生懸命働く人が多いです。
    情熱があって頑張っている人ほど、なぜブラック企業にこき使われたりやりがい搾取の標的になってしまうのでしょうか?
    これは人間のバイアスが原因です。

    やりがいや情熱を感じている人は、多少無理をさせてもいいと周りに思われてしまいます。
    人はその人には情熱があるのだから自分よりも働くのが当然だと考えてしまいます。

    だから、このような雰囲気が周りに伝わっている人はブラック企業ややりがい搾取のターゲットになりやすくなります。
    その結果、自分がやらなくてもいい無駄な仕事に追われていつまでも変われないということになります。

    大抵の人は酷い環境で働くことと情熱を結びつけて考えてしまいます。
    あまり情熱をアピールしないようにしてください。
    仕事を早くこなしたり完成度を求めるのはいいですが、 情熱をアピールするのではなく割り切って仕事をするようにしてください。
    そうしないと搾取されている状況も変わらないし、周りから搾取されても当然だと思われてしまいます。

    よほどいい環境であったりいい上司に恵まれれば別ですが、そうでないのであれば効率的に割り切って仕事をしているだけと周りに感じさせた方がいいです。

    ポイント3 :「現状維持バイアス」結局何も変わらない

    人間は変化を嫌うものです。
    特に今うまくいっている人はそうですが、今うまくいっていない人でさえも変化を嫌います。

    例えば、今仕事がうまくいっていなくて生活もギリギリという人に、転職に挑戦したりリスクを取る話をすると、「これ以上悪くなったら困る」と大抵の場合答えます。
    失うものがない人ほど現状維持してしまいます。

    これは仕事だけでなくあらゆる場面で影響を受けます。
    今の人生や環境、仕事や人間関係、恋愛関係などの現状がとても悪い状況だったとしても、できるだけ今のままを維持しようと思ってしまう残念な生き物です。

    恋愛でも、悪い恋人だとわかっているのにその関係から抜け出せないという人が結構いると思います。
    これも現状維持バイアスに陥っている人です。

    研究では、自分が悩んでいることを実行に移した人の方がその半年後の幸福度は高かったということです。
    結局、悩んでいるのであれば行動した方がいいということになります。

    さらに、自分の悩みのレベルが高ければ高いほど、それを実行した方が幸福度は高くなりやすいということもわかっています。

    つまり、悩んでいるのであれば実行した方がいいし、その悩みが大きいものであればあるほど実行した方がいいということになります。

    僕たちが人生における重要な変化につながる決断や新しい判断をするときに、それはやめておいた方がいいのではと思った時には、一度それを疑ってみてください。
    その判断はただ現状維持をしようとしているだけなのではないかと考えてみてください。

    人間が狩猟採集民だった頃に、今いる環境や群れの中だけでも十分に生きていけるという状況の中で、わざわざ誰も入ったことがない怪しい森に入ってみようとか誰も思わないわけです。
    冒険心を持ってそこに突入すると、それにより謎の病気にかかってしまったり野獣に食べられたりもしたはずです。

    ですから、「今の現状で生きていくことができるのであれば、今のままでいいのではないか」と思ってしまうのが人間にもともと備わっている心理であり、それが現状維持バイアスです。

    例えば、悪い恋人だとわかっているのにその関係から抜け出せないという人が結構いると思います。
    これも現状維持バイアスに陥っている人です。

    人間の脳というものは、自分が慣れ親しんだものや、今までと同じ結論になるものに対しては、その結論が悲劇になるものであったとしてもなぜかそちらに進んでしまいます。

    人間関係だけでなく、人生における重要な変化につながる決断や新しい判断をする時に、それはやめておいた方がいいのではと思った時には、一度それを疑ってみてください。
    「この判断はただ現状維持をしようとしているだけなのではないか?」と考えてみてください。

    この現状維持バイアスを振り払うためには、わかりやすく何かを変えるというのがいいと思います。
    住んでいる場所や服装の選び方、人間関係などわかりやすい部分を変えるのがいいと思いますが、人間の性格というものは半分以上が付き合う人間関係からの影響を受けるものですから、特に、自分の付き合う友達を変えることによってかなり現状を突破することに繋がりやすくなると思います。

    まずは仕事などの自分の生存に関わるものではなく、付き合う友達やよく行く場所などを変えてみるのがいいと思います。
    例えば、今までインドア派だったというのであればアウトドアな過ごし方をしてみるなどするのが、現状維持バイアスを突破するためには効果的なのかもしれません。

    ポイント4 :「平均以下バイアス」ほとんどの人が挑戦しない理由

    人には自分が平均以上だと思い込むバイアスがあります。
    それなのに、世の中から見て難しいと判断されやすいタスクに対しては、多くの人が自分は平均よりも下だろうと思い込んでしまう「平均以下バイアス」というバイアスがあります。

    普段は大抵のことに対して自分は平均より上だと考えているのに、難しそうな内容だと思った瞬間に、自分は平均よりも下だろうと考え始めるわけです。

    だから多くの人が挑戦できません。
    心理学でも絶対的に正しいことなんてありません。
    人間の心がどこにあるのかなんて誰にもわかりませんし、今正しいとされていることも時代が変われば覆ることも珍しくありません。

    ですが、絶対的に正しいことがないのであれば、今暫定的に正しいとされていることから手をつけた方が成功する可能性は高いはずです。
    何も見えない中で手探りで進んでいくよりも、優秀な人たちが調べてくれた結果をもとにして、その方法を使って試した方がうまくいく可能性は高くなります。

    人間には難しいタスクに対して自分の能力を過小に判断する性質があるということを忘れないでください。
    「みんながしないこと」は自分にはできないと思い込んでしまいます。
    独立して起業するとか、副業で成功するとか、周りにあまり実践している人がいない行為に対しては、手を付ける前から自分にはできないと思い込んでしまいます。

    ポイント5 :「利用バイアス」人の見積もりは甘すぎる

    人間には頭の中に真っ先に浮かんだものを発生確率が高いと思い込んでしまう性質があります。

    交通事故で死ぬ確率と飛行機事故で死ぬ確率ではどちらの方が大きいと思いますか?
    冷静に考えれば、交通事故の方がはるかに確率は大きいわけですが、メディアの影響を受けやすい人は飛行機事故だと答えます。
    飛行機事故の方がメディアで報道されやすいしインパクトが大きく感じます。

    人は頭の中で想像しやすくて実際に起きる気がすることを事実だと思い込んでしまいます。

    身の回りに交通事故にあった人が2人いると、自分も交通事故にあう確率がかなり高いと思い込んでしまうという研究もあるぐらいです。

    人は想像しやすいものを実際に起きると思い込んでしまいます。
    自分が今まで経験したこともなく想像できないような形で人生が変わると思うことができません。
    自分の人生を正しく見積もることができていません。

    これは誰にでもあるバイアスです。
    DaiGo師匠もニコニコを始めた時には動画配信でこんなにうまくいくとは思いませんでした。
    これも身の回りに動画配信をしている人がほとんどいなかったからです。

    自分の身の回りで形にしている人がいなければ、ちょっとした好奇心でもない限りは手を付けません。
    だから多くの人が変わらないわけです。
    自分が興味を持っていることで成功している人が2人以上いないと、自分も成功できるかもしれないと思うことができません。

    この対策としては逆の可能性を考えるようにしてください。
    現実的な数値に目を向けるために、逆の確率を必ず考えるようにしてください。

    「転職して失敗したらどうしようか?」と考えているのであれば、「転職で失敗しなかった人の確率」はどれくらいだろうかと考えてみてください。
    そう考えると、結構多くの人が転職で成功しているし、少なくとも現状維持ぐらいの人がほとんどのはずです。
    ほとんどの人が食えなくなるのであれば、転職サイトやサービスがこんなにも流行っているはずがありません。

    ポイント6 :「後知恵バイアス」人が失敗から学べない理由

    後知恵バイアスというのは、無意識のうちに自分の記憶を改ざんして、「こうなることは最初からわかっていた」と思い込むバイアスです。
    これによってほとんどの人が同じミスを繰り返してもその失敗から学ぶことができません。

    705人の起業家を対象に、自分の事業がうまくいく確率について質問した実験があります。
    それによると、平均して77.3%もの確率で自分のビジネスはうまくいくと考えていました。
    その後、事業に失敗した起業家だけを集めて、以前に自分の事業が上手くいく確率はどれぐらいだと見積もっていたか質問しています。
    そうすると平均で58.8%の確率だったそうです。

    つまり、8割近い確率で自分のビジネスはうまくいくと答えていたのに、結果的に失敗した起業家は、自分の記憶を改ざんして5割を超える程度の確率だと考えていたと答えました。
    後知恵で自分の判断を記憶として改ざんしています。

    この対策としては、後知恵バイアスが起きやすい2つのパターンを覚えておいてください。

    ①必然性

    原因が容易に思いつきやすいものだった場合に後知恵バイアスが起きやすいです。
    原因が簡単に説明できるものだった場合には、その原因が事実でなかったとしても、後知恵バイアスが起きてしまい人は失敗から学べなくなります。

    簡単に原因を思いつきやすいことほど、それが原因だと決めつけて思い込みます。
    決めつけてそれだけが原因だと考えてしまうと、それが本来の原因ではないことも多いので、失敗から学ぶことができずまた同じ失敗を繰り返します。

    ②予言性

    実際に起きることがよくありがちな場合に後知恵バイアスが起きやすいです。

    例えば、「治安の悪い地域を歩いていたら絡まれた」など、確かに起きる確率が高そうな気がすることに対しては、人はその理由をあまり深く考えません。

    起業したことがない未経験の人がいきなり起業して失敗したと言われると、確かに当然なことのような気がします。
    ですが、初めから経験がある人なんていません。
    成功する人がいるわけですから、未経験だということが原因ではありません。

    ポイント7 :努力と変化を避けてしまう「公平世界仮説」

    このバイアスには多くの人がよく引っかかってしまいます。これは人がした行為に対してはそれにともなった結果が返ってくるというものです。
    因果応報のような考え方です。

    努力は絶対に報われるとか、逆に駄目な人は努力が足りないだけとか、世の中は公平であって、だから努力すれば報われるし、そうでない人は努力が足りないだけだとするものです。

    例えば、社会心理学者のメルヴィン・ラーナーによる「ジャスティス・モチベーション理論」では、人が他人に対して行われる報いが公平であると信じることに強いモチベーションを感じると主張しています。
    研究では、被験者は他人が受ける報いを目撃しました。報いが公平である場合と不公平である場合の2つの条件で実験が行われ、被験者の反応がチェックされました。

    その結果、報いが公平な場合、被験者は報いを受ける人を支持し、その人の行動を肯定的に評価しました。
    一方、報いが不公平な場合、被験者は報いを受ける人を非難し、その人の行動を否定的に評価しました。また、不公平な報いを受けた場合、被験者は自分自身を守るために行動を起こす傾向が見られました。

    この研究から、人は自分自身や他人に対して行われる報いが公平であることを信じることで、社会の秩序を維持し、自己の安全性を守ろうとするとされています。
    また、公平な報いを受けることによって、自尊感情や社会的なつながりが向上するとも考えられています。

    これは社会や組織でチームワークを形成するためには役に立ちます。
    ですが、実際には、全てのことがこのような単純なことではありません。
    もちろん努力は報われないということでもないですが、自分の行為に対して結果が返ってくることと、そうでないことがあります。
    それを分けて考えるようにすることがこのバイアスから逃れるための方法です。

    全てをこの公平世界仮説で見てしまうと、そこには矛盾や偏りが生まれてバイアスとなってしまいます。
    努力は報われるとは限りません。
    だから努力しなくてもいいということではなく、だからこそ努力を続けるしかないということです。
    公平でもなく努力が必ず報われるという世の中ではないからこそ、ひとつのことで諦めることなくあらゆる方向に努力を重ねていくしかないわけです。

    残りのポイント8から13までも把握して、人生の可能性を最大化したい方はぜひ続きもチェックしてみてください。
     
  • 【総集編】あなたが勇気を出して行動したいことはなんですか?【現状打破の心理学】

    2023-06-15 12:00  
    330pt
    あなたが勇気を出して行動したいことはなんですか?
    今回は現状を変えるための勇気の出し方についてまとめさせてもらいます。
    新たな一歩を踏み出したり、日々変化し成長していくために参考にしてください。
    臆病になることで安全を確保することもできますが、多くの人が臆病すぎます。
    僕たちには間違う自由があります。
    間違った場合にも他人にとやかく言われる必要はありませんし、万が一法律に引っかかった場合には、法律に従って処罰を受けるというだけです。
    ですが、特に今日本は失敗した人を批判したり叩いたりします。
    失敗した人を笑い続ける人生は、失敗する人生よりもはるかに惨めです。
    それに気づくことがなく、自らの幸せを諦めた人間が他人の不幸を望む状態になっています。
    皆さんは臆病にどんどん追い詰められています。
    今回はそんな追い詰められた臆病を追い払い、自分の人生を手に入れるための方法を解説させてもらいます。
    極度のストレス状況でも勇気を出す方法
    とはいえ、失敗が怖いとか周りからのプレッシャーが気になって挑戦できないという人も多いと思います。
    これは芸能界でも同じだと思いますが、今はこのような悩みを抱えている人が増えているような気がします。
    芸能界であれば、タレントさんも俳優さんも昔はかなり無茶苦茶な人が多くいました。
    それがいいかどうかは別として、そんな無茶苦茶なことが許された世界でも、人はこうあるべきだというような周りからの圧力が強くなっています。
    皆さんも感じていませんか?
    この会社の社員であれば〜あるべき
    旦那としては、嫁としては、〜あるべき
    社会人としては〜あるべき
    男なら、女なら、〜あるべき
    この「べき思考」が日本中で蔓延しています。
    この考え方を受け入れてしまった瞬間に、皆さんは他人の人生を生きることになってしまいます。
    自分らしさを失って、自分以外の誰かの人生を生きろと強制されています。
    こんなにも強烈なストレスは他にありません。
    このストレスは挑戦をしなくなる方向に働いてしまいます。
    皆さんに対してこのべき思考をぶつけてくる人がいると思います。
    ただ、彼らは新しい変化が怖いだけです。
    新しいものが次々と現れてくる中で、それを受け入れると自分たちの人生を否定されたように感じています。
    自分たちの人生を否定されないために、「常識」「普通」「レッテル」などを使って、これからの若い世代や挑戦し続ける人にストレスを与えます。
    人はストレスを感じると勇気が出なくなります。
    彼らはストレスやプレッシャーを与えて皆さんをコントロールしようとしています。
    時代の変化にもついていけないし、新しいことができない人がいます。
    このような人は、ヤフーコメントに夢中になって他人の足を引っ張ろうとしています。
    ネット上の嫌な奴は実生活でも嫌な奴である可能性が高いです。
    アメリカ陸軍も採用している勇気を出す方法
    勇気に関する研究はたくさんあります。
    
どうすれば多くの人が思うようなリスクを取れたり、勇気ある行動を取れるのかということについて研究している人は結構います。
    そんな中でも、今回はアメリカの陸軍でも採用されている勇気を出す方法についてです。
    
軍隊になってくると当然ですが命が関わってきます。
そんな命が関わる状況においても勇気を出す方法ということですから、人間にとって最も強い勇気を出す方法と言えます。
    彼らがどのようにして勇気を奮い立たせているのかということを調べてみると、興味深いことが見えてきます。
    
これは日本とは違うところでもありますが、アメリカでは軍隊や国の機関であっても科学的な知見がしっかり取り入れられています。

    例えば、軍隊であれば、悲惨な状況を目の当たりにしてトラウマを抱えて国に帰ってくる人もいます。
そのような人に向けてメンタルを改善するプログラムも結構使われています。
    大事なのは、自分が何を手に入れるために戦っているのかということを明確化することだと思います。
    リスクと向き合えないとか、勇気を出せないという人もいると思います。
自分の人生の中で大きな挑戦はできないという人もいるでしょうが、それがどのようなことが原因になっているのかということが明確になれば、そこから具体的に前に進んでいくことができると思います。
    勇気ある行動と言われても、人それぞれ様々な考え方があります。

人によっては、自分が信じたことを貫くことと考える人もいますし、みんなが否定しているものをあえて踏み込んでリスクを取ることと考える人もいます。
人によって考え方が違う部分があるので、「勇気」は定義するのが難しいです。
    そんな様々な「勇気」がある中、自分に必要な勇気を見つけたり、足りない勇気に気づいていただける内容になるかと思います。
    
それを見つけて補っていただけると、皆さんの勇気はブーストしていくと思います。

    自分は他人の意見も気にしないし、リスクも取れるし勇気がある方だと思っている人もいるでしょうが、本当の勇気とは何なのかということを知ってください。
    ポイント1:経験に対する寛容さ
    勇気がある人は創造力がある人です。
    いいアイデアを作るためには、ひとつのことに集中するのではなく、一見無駄だと思えることに対しても思考を巡らせる拡散的思考が必要になります。
無駄に感じるような時間に対しても心をオープンにしてもらい、自分の思考を広げていかなくてはなりません。
    この拡散的思考と創造性の高さが上がれば上がるほど、自分の無駄に思えるような経験や行動に対しても寛容になれて、経験に対する寛容さを持つことができます。
    人間は自分の知っているものばかりを認めるようになってしまいます。
冷静に考えると、これは勇気ではありません。
    勇気がある人は自分が認められないものに対してもオープンに心を開いて受け止めます。
その受けたものが、仮に自分の今までの人生の中での経験を否定するものであったとしても、それを受け入れることができるかどうかということが重要になります。
    ないものを受け入れる勇気です。
このないものを受け入れる勇気とは創造力です。
    創造力のない大多数の人が否定するものに対して、自分の創造力によって可能性を見いだす人が勇気がある人です。
勇気がある人は無謀に手を出したり余計なリスクを取っているわけではなく、周りの誰もが否定していても、その可能性やメリットに気づく人です。



    つまり、勇気とは「気づくこと」です。
    気づくためには、普段から様々な可能性に目を向ける必要があります。
そのために必要なのが創造力です。
    勇気を持つためには創造力を高めて人生の選択肢を広げる必要があります。
選択肢をたくさん持っている人は、自分の外側からもたらされる多くの人が否定することに対しても興味を持つことができます。
    ですから、創造性やクリエイティビティを高めていかないと勇気を持つことはできません。
自分が想像できない未来を受け入れることができる人はほとんどいません。
経験に対する寛容さが重要になります。
    人は年齢を重ねる度に、自分とは違う経験や考えを受け入れられなくなります。
普段から創造性を鍛えることで、自分とは違う価値観や新しいものを受け入れる力を養っておいてください。
自分に思いつかないアイデアに普段からどれぐらい向き合っているかです。
    ポイント2:誠実性の高さ
    勇気を出すために必要な特性として、誠実性の高さもあります。
    勇気は自分の内側から湧いてくるものだと考えている人が多いと思います。
確かに、勇気を出せるかどうかは、その半分ぐらいは生まれもったもので決まりますが、残り半分は「義務感」で決まります。


    自分以外の人間からどれくらい義務感を感じるかということが重要なポイントになります。
    例えば、皆さんも誰にも伝えることなく自分だけでダイエットをしようとすると、ついつい誘惑に負けたり挫折してしまいがちだと思いますが、自分が本当に尊敬している人や一番大切な人と約束したら、そこに責任や義務感が生まれると思います。
    自分だけであればいくらでも先延ばしすることができますが、尊敬している人との約束があったり、大切な人と一緒に取り組んでいるとなると、それを行うしかなくなります。

    これが義務感です。
    誠実性が高い人は、自分に対しても他人に対しても義務感を感じやすい人です。

自分をちゃんと保たなくてはならないという義務感もあれば、他人との約束は守らなくてはならないという義務感もあります。
    この義務感があればあるほど、人はくじけそうになった時にも勇気を発揮することができます。
辛い状況に陥ったとしても勇気を出して乗り越える確率が高くなります。
    誠実性が高い人は、人と関われば関わるほど自分と相手との間に義務感を感じるようになります。
その結果、自分をコントロールすることができて勇気を出すことができます。
    ポイント3:コア・バリュー(核となる自己評価)
    自分をどう評価するかということは、勇気を作り出すために重要なことです。
    皆さんは、嫌なことがあった時にそれを自分のせいだと思いますか?
それとも、環境や周りのせいだと思いますか?
    どちらかだけということはないでしょうが、多くの人は嫌なことがあった時に、自分のせいだと考える前に他人のせいを疑います。
    
少し相手の態度が悪かったら、嫌われてしまったのではないかと疑い、仕事がうまくいかなかったら、上司の伝え方が悪かったのではないかと疑います。
    この良いことが起きたり悪いことが起きた時に、その責任をどこに置くかということを統制の所在と言います。
    良い事が起きたり悪いことが起きた時に、その責任や原因を自分の内側に置く人もいれば自分の外側に置く人もいます。
    この特性がかなり重要で、自分がその状況をどうにかできると思えるかどうかが核となる自己評価です。
    
短期的にみると、他人に責任を押し付けることができる人の方が楽に生きることができます。

    ですが、勇気を持って戦うためには長期的な視点が重要になります。
勇気を持って行動した結果うまくいかなかった時に、それを改善していくことができるのは統制の所在が内側にある人だけです。
    自分のせいだと考えると、自分を責めたり最初は辛いかもしれません。
ですが、自分が悪かったのであれば、自分を改善すれば未来は変わります。
だから勇気を出すことができます。
    全てが自分のせいではないとしても、自分で改善できるポイントに目を向けることができるかどうかです。
自分を責めたとしても、それを乗り越えることができれば、改善することで開ける未来が見えます。
    ですが、統制の所在が外部にある人は、自分が本当に向き合わなければならない問題を他人のせいにしてしまいます。
この人は他人が変わるまで変わりません。
他人に人生をコントロールされています。
    統制の所在が自分の内側にある人は、自分を改善すれば未来は変わると思えるようになります。
それを積み重ねていけば勇気を持てるようになります。
自分が行動すれば未来が変わると思えるわけです。
    自分を責めるのは良いことではありません。
自分を責めるのではなく自分に起きた結果を受け止めて、その中で自分がコントロールできるところに目を向けてください。
自分がコントロールできるものとできないものを見極めることができれば、自分を改善して人生を変えていくことができます。
    世の中では自分でコントロールできないところに対して文句を言ったり批判している人が大勢います。

    自分の生まれや置かれた状況を嘆いてばかりで行動できない人もいます。

    ですが、同じような苦しい過去や状況があったとしても、そこにどう向き合うかで人生は変わります。
    ポイント4:自己効力感
    自分の望む未来や結果を、自分の能力でどれぐらい手に入れることができると思っているかです。
    やればできる感覚が勇気を出すためには必要です。
    当然ですが、自分が行動してもうまくいかない気がすると行動なんてできません。
    自己効力感を高めるためには、どんなものでも構いませんので何かしらの専門的なスキルを習得してみてください。
    自分はそれについての専門家だと言い切れたり、自分を表現できるようなスキルを持っているかどうかが重要です。
    自分を表現する際にアピールできるスキルや技術がないのであれば、勇気を出して行動するために、まずはそこから始めてみるのもいいと思います。
    もちろんスキルや技術がないからダメということではありません。
    今現在の自分の置かれた状況や問題点、何かしらの苦難を違う形に再解釈できるかどうかも重要になってきます。
    特に専門的なスキルがなくても、何とかなるだろうと考え行動できる人もいます。
    例えば、心理学の知識があるから、何かしら問題やトラブルが起きても、とりあえず対応策を考えることができるだろうと考えることができる人もいれば、特にその根拠はなくても同じように行動できる人もいます。
    このように考えることができる人は、自分の置かれた状況や課題に対して、異なる目線で見ることができる人です。
    例えば、借金10億円を抱えて人生終了だと考える人もいれば、それを違う目線で見て、逆に考えると10億円も借りることができる信用があるわけだから、それだけの信用を使って別のことができるのではないかと考えられる人もいるわけです。
    人は行き詰まることもあります。
    その状況を再解釈できるかどうかです。
    自信を持って自分をアピールできるスキルや技術を身に付けること、そして、自分の置かれた状況を再解釈すること、この2つが重要になります。
    要するに、物事に挑戦したり、逆境に直面したときには、それを乗り越えることができるだけのスキルを持っていると思えるか、あるいは、その状況を再解釈して前に進むことができるかです。
    このどちらかで自己効力感は高まります。
    どちらかといえば、何かしらのスキルを高める方が考え方も変わります。
    それを続けていると目の前の問題も再解釈できるようになります。
    目の前の問題や状況を自分なりの言葉で解釈できるかどうかで、自己効力感は変わってきます。
    問題が起きて突破できなかったり、解決策を見出せなかったりしたときに、自分を無駄に責めてしまったり卑下してしまう人もいます。
    自分が悪いのではなく、その状況や問題に今の自分の考え方が合っていないだけです。
    違う考え方を見つけられればそれでいいだけです。
    ところが、ほとんどの人が自分の過去の成功体験や失敗体験にとらわれて、同じ目線で見てしまいます。
    そのために必要なのが専門的なスキルとクリティカルシンキングです。
    想像力や発想力を鍛えることが大事です。
    自分が今まで絶対に付き合わなかった人にも会って話をしてみたり、今までやりたいけれどやってこなかったスキルや技術を身に付けてみてください。
    順番としてはまずはスキルを身に付けてから発想力を身に付けてください。
    どんなに良いアイデアが生まれたり素晴らしい発想力を身に付けたとしても、スキルがなければそれを形にすることができません。
    アイデアだけでは無価値です。
    行動してそれを形にした人だけが利益を得ることができます。
    思いつくだけでは何の意味もありません。
    どんなものでも構いません。
    まずは何かしらのスキルを手に入れてみてください。
    仮にそれによって成果が出なかったとしても、そのスキルによって自分という人間を評価できて、やればできる感覚が生まれて次のスキルがついてきます。
    それと同時に、突飛なアイデアを表現しても周りは受け入れてくれると感じられるようになると、自分は人と違っても問題ないという感覚が生まれ、これも自分の自信につながります。
    つまり、スキルは次のスキルにつながり、アイデアは次のアイデアにつながります。
    これが成功につながります。
    他人と違うことをやって認められたら、その成功が次の成功につながります。
    目の前の問題を乗り越えたり、今皆さんがしていることをどうすれば効率化できるかを考えることも重要ですが、本来は次のどんなことにつながるのかを考えることが重要です。
    スキルは次のスキルに、アイデアは次のアイデアにつなげていきましょう。
    スキルを身に付けて次のスキルをまた身に付けようと思うと、どうしても時間が必要です。
    アイデアも同じで、アイデアが出るのは一瞬だったとしても、それを出せるようになるまでは時間がかかります。
    ですから、スキルもアイデアも同時に育てるものだと考えてください。
    自分のスキルがまだ熟さないうちは、アイデアが支えてくれます。
    アイデアが出ない時はスキルが支えてくれます。
    人が稼ぎ続けるためにはスキルとアイデアを交互に使う必要があります。
    スキルを身に付けて稼げるようになったら、その間にアイデアに自分のリソースを投資することができるようになります。
    そのアイデアが形になり走り始めたら、そのアイデアが稼げなくなったら、どんなスキルが自分を助けてくれるだろうかと考え学びます。
    これは個人のビジネスだけでなく企業でも一緒です。
    1つの成功が形になったときに、次を考えてアイデアを練ることができるかどうかです。
    勇気とは、自分が恐れて不安に感じるところを支えてくれる何かを作ることです。
    スキルを身につければ他人に何を言われても自分に自信を持つことができます。
    そのスキルが必要とされなくなる前に、次のアイデアを考えます。
    そのアイデアが形になり評価されたら次のスキルを考えます。
    どうすればそれを継続できるのかを考えることが勇気につながります。
    勇気とは無謀なものではありません。
    計画的かつ戦略的な生き方が勇気につながります。
    それこそが決して奪われることがない僕たちの大切な資産になります。
    ポイント5:手段効力
    手段効力とは、自分が目の前のタスクをこなすために必要なツールや知識など必要なリソースを持っている感覚のことです。
    目の前のことに勇気を出して取り組むためには、やればできるという感覚だけでなく、自分がそれをやるためのスキルやツールを持っているという感覚も重要になります。
    この手段を自分が持っている感覚を得るために、多くの人が資格をとったり何かしらのお墨付きをもらおうとします。
手段効力を高めるためには、もちろん新しいスキルを身につけてもいいですが、それよりも自分が使い込んだツールに注目した方がいいです。
    そのツールを使いこなすことによって、自分の知識や経験やツールが効果があると自信を持つことができるようになります。
    目の前に難しい課題や問題があったとします。
    それを大きくざっくりと捉えてしまうと、難しさや恐ろしさばかりを感じてしまいます。
    ですが、実際には注意深く観察すると、確かに難しいところがあったとしても、自分でなんとかなる気がする部分もあったりします。
    多くの人は怖いものや勇気が必要なものに目を向けません。
    見て見ぬふりをしようとしてしまいますが、より細かく見ていけば手段効力を発揮することができます。
    例えば、部分的には自分で解決できる部分があるのであれば、今の自分では対応できないところを助けてくれる人を探すこともできます。
    すべてを自分でこなす必要はありません。
    すべてを自分でこなすことができる人なんてそういません。
    一部だけでも自分でできれば構いません。
    その一部を見つけることができるかどうかが重要です。
    世の中にはこの自分でできる一部分を理解している人と理解していない人がいます。
    多くの人は自分が何ができるか理解していません。
    しかも、多くの人は自分が全部できる人だと見せたいので、自分ができないことをわかっていない人も多いです。
    手段効力の考え方を持っていると、誰を仲間にすればいいかもわかります。
    自分が何をやればいいかもわかるので、無理にリスクを取りすぎたり責任を抱える必要がなくなります。
    だからこそ勇気を持てるわけです。
    例えば、コンサルタントの仕事がしたいとして、コンサルタントがどんなことを勉強するのかを調べて、スキルを身に付けようとする人もいます。
    ですが、手段効力の考え方を持つと、コンサルタントだけがコンサルティングの仕事をできるわけではないと考えることができます。
    コンサルタントがしている仕事は、どんなタスクを解決することなのかを調べると、企業を良くすることや組織を動かすことなどが中心です。
    これについてDaiGo師匠は、コンサルタントの仕事がしたいと思った当時、これらは自分が持っているツールで解決することができる問題だと考えました。
    当時から既に身に付けていた心理学の知識で解決できる問題がほとんどでした。
    当時は、その問題が心理学で解決できる問題かどうかが仕事を受ける基準でした。
    その答えがYesであれば、手段効力としてタスクをこなすための必要なツールを持っているということです。
    自分は人間の心理に関するタスクをこなすために必要な心理学の知識を持っている信念を持つことができて、テレビ業界をやめてコンサルタントの仕事なんてしたことがないのに、自信を持って仕事を受けることができました。
    手段効力は皆さんにとっても大切です。
    皆さんが今もっている特定のツールや、これから身に付けるスキルが、どんな特定のタスクをこなすために活かすことができるのかを考えると勇気が湧いてきます。
    与えられた仕事だけに目を向けていると、自分のできないことばかりに意識が向いてしまいます。
    そうではなく必要なツールから考えていただけると、自分にできることは意外と多いということに気づきます。
    できることの幅が広がり勇気を持つことができます。
    瞑想でも断食でも、HIITでも続けていれば必ず成果が出ます。
    1つでもうまくいくツールを見つけることができれば、人はやればできるという感覚が強くなります。
    まずは自分のツールを1つ決めます。
    ゴッホであれば、黄色の使い方が上手だということがあったので、黄色の絵の具を使うとどこかのタイミングで決めたのだと思います。
    そのツールを様々なタスクに対して使っていきます。
    どんな問題を解決できるのかが見えてきます。
    DaiGo師匠の場合は、心理学の知識を様々な分野に使ってみましたが、ビジネスの世界で使うのが最もうまくいったと感じました。
    使えば使うほど心理学の知識に自信を持つことができるようになりました。
    皆さんも自分のツールを1つ決めて使い続けてみてください。
    ある程度使い続けていると効果を実感できて、最悪のことがあったとしても、そのツールを使って突破することができると考えることができるようになります。
    それによって最強の手段効力を得ることができます。
    ポイント6 :状態の希望
    目の前にやらなければならないことやタスクがある時に、それを自分が実行可能なものだと信じて、それを実行する必要がある時には実行するための方法を見出せるに違いないとと思える信念のことです。
    これは成長マインドセットに近い考え方ですが、ただそれをやればできるという感覚ではなく、必要であればそれをやることもできるし、困難にぶつかっても乗り越えることができる方法を見つけられるという感覚です。
    例えば、仕事で自分が一度もしたことがないタスクを任せられたとしたら、自分が一度もしたことがないことだからと不安を抱えて手をつけられない状態になるのは状態の希望がないということです。

    逆に、それをしたことがないけれど、なんとなく今までしてきた近い仕事を思い浮かべながら、多分やればなんとかなるだろうと考えることができるのは、状態の希望があるということです。

    できないことやわからないことがあっても、誰に聞けばいいとか、なんとなく解決の糸口を思い浮かべることができます。
    これは生まれつきの要素のように思われがちですが、認知行動療法によって高めることができます。
    目の前のできるかどうかはわからないけれど、物理的に絶対に不可能ではない問題に向き合ったときに、状態の希望を持っていない人は、自分にとってできないところばかりに目が向いてしまいます。
    
その助けになる方法や経験、困った時に助けてくれる人などを思い浮かべることができるかどうかです。
    つまり、状態の希望は、統制の所在と同じように、自分の認知を変えて帰属を変えることができれば、誰でも手にすることができるものです。
    勇気がある人は、自分の勇気が報われるようになる状況や状態を見つけることができる人です。
    勇気が出せない人の中には、勇気を出そうと思えば出すことはできるけれど、それは今ではないと考えてしまう人もいます。
    勇気は使えば使うほど発揮しやすくなるものです。
    先延ばしせず勇気を出せるようになるためには、先延ばし対策も効果があると思います。
    勇気を出したりリスクを取って成功した人はたくさんいますが、努力は成功するためのものではありません。
    
仕事でもスポーツでもどんなものでも同じですが、努力している間は楽しさを感じることができます。
    皆さんも感じたことはあると思いますが、スポーツでもどんなことでも、何度も何度も失敗してうまくいかないことが、うまくいった時の気持ちの良さや感動はとても大きいものです。
    
できなかったことができるようになる感覚は、僕たちの人生に大きな喜びをもたらしてくれます。
    それは成長と呼ばれますが、人間の本能に刻まれた感覚です。

    成長や進歩が人間のモチベーションを作り出してくれます。
    それが小さな成長であっても、努力する人生の方が絶対に楽しいのは間違いありません。
    
それが経済的に報われたり誰からも見てわかる成功でなければ、そもそも努力する意味はないという考え方は間違っています。
    自分の成長や進歩に目を向けることができなければ、勇気を出すことができなくなり変化も受け入れることができず、日本のように30年間も停滞し続けることになってしまいます。
    皆さんにも日本にも素晴らしいものがたくさんあります。
努力は報われなかったとしても、人生を楽しくしてくれるものです。
    人生を楽しくして勇気を出して向き合いたいという方は、ぜひ続きもチェックしてみてください。
     
  • 【総集編】集中力が切れそうになったら、あなたはどうしていますか?【超集中力】

    2023-06-13 12:00  
    330pt
    集中力が切れそうになったら、あなたはどうしていますか?

    今回は、仕事や勉強が嘘みたいにはかどる集中力を鍛える方法や生産性を保つための対策について纏めさせてもらいます。

    まず、切れそうになった集中力を復活させるためには3つのポイントがあります。
    ポイント1 :終わりが見える感覚を意識する
    人間の脳というものは終わりがないものに対して頑張ることはできません。

    例えば、読書をする際もデジタルよりも紙の本の方が、自分がどこまで読み進めることができて、あとどれくらい残っているのかを物理的に理解しやすいので、読み進めるのが早かったり理解が深かったりということはあります。

    人間の脳はその終わりが見えて、あとどれぐらいで終わるということを意識することで高いパフォーマンスを維持することができます。
    ですから、集中力が切れそうになった時には、あとどれぐらいで終わるのかということに目を向けることも必要です。
    ポイント2 :自分の集中時間を把握する
    集中することができる時間も当然ながら人によって違います。
    同じことでも15分集中することができる人もいれば30分集中することができる人もいます。

    まずは自分の集中時間を把握することが大切です。
    これが長いか短いかということは関係なく、例えば、集中時間が15分の人であれば15分過ぎた頃に集中が一度切れるわけですから、そのタイミングでもう少しで終わるという感覚を持てるようなペースにしておけばいいわけです。

    この時にもう少しだけ頑張れるかなと思えるぐらいの配分にしておいて、自分の集中時間は15分しかないけれど、あと5分ぐらいで終わるので頑張ろうと感じるぐらいにすることが重要です。
    これにより集中時間は徐々に自然と伸びていくようになります。

    この自分の集中時間を計るためには2週間程度かけて記録してみてください。
    おそらくその2週間の間でもかなりばらつきはあるでしょうし、そこから曜日による集中力の差も理解できると思います。
    ポイント3 :終わりを細かくして見える化する
    あとどれぐらいで終わるのかということを理解できると脳細胞のレベルで働きが良くなり、その結果認知のパフォーマンスが高くなるということがわかっています。

    テルアビブ大学の研究で学生を2つのグループに分けて同じ課題に取り組んでもらうという実験があります。
    あと何問でこの課題が終わるということを告げられたグループと何も言われないまま問題を解いたグループを比べると、あとどれくらいで終わるのかということを教えられたグループは、その課題ををこなすスピードと正確性の両方が上がっていたということがわかっています。

    しかも、そのスピードと正確性の上昇は、その課題の終わりが見えてきたところで顕著に現れたということです。

    これは終わりが見えてくると人間の脳が余計なことを考えることなく、目の前のことに集中するためのエネルギーを発揮することができるということです。

    自分は集中力がないという人ほど、この終わりを見える化するというポイントを大切にしたほうがいいです。
    1日のやるべきことを決める時に、タスクをできるだけ細かく分けて終わりのタイミングを増やしてください。
    その終わりを意識しながらひとつずつ確実にこなしていくことが重要です。

    切れそうな集中力を維持する6つの戦略

    集中力に関してさらに掘り下げて、そんな切れそうになった集中力を維持するための6つの戦略についても解説しておきます。
    戦略1. 成功スパイラル
    人間にとっては自己効力感がとても重要になります。
    自分が頑張った分だけ成果が出るとか、頑張れば自分の中で何かしら得られるものがあるという感覚がとても重要です。

    何かひとつの分野で成功したり成長を実感すると、自然とやる気が出てくるということもあるはずです。
    例えば、仕事でうまくいくことがあったら趣味の方でも良い影響があったり、プライベートでいいことがあったら仕事でも頑張ろうという気分になるというようなことがあるかと思います。

    何か特定のジャンルで成功や成長を実感できると、やればできるという自己効力感が高まり、それにより他のジャンルでも高い集中力を発揮することができるようになるということです。

    ですから、自分の趣味でも今までしたことがないことでも、どんなことでも結構ですし、小さな成功でも構いませんので、何かしらのジャンルで自分の成長を実感できる成果を上げることを考えるようにしてください。

    そのジャンルは何でも結構ですが、最も簡単なのは何か新しいことを学ぶことです。
    人間はどんなことでも一番最初の段階が最も成長や成果を実感しやすいものです。

    あえて新しいことに挑戦することで、できないかもと思っていたけれど意外とやればできると感じる可能性は高くなります。

    例えば、料理や写真、音楽や格闘技、今までにしたことがない筋トレなど、何かと自宅で過ごす時間が増えている人もいるでしょうから少し新しいことをしてみるのがいいのではないでしょうか。

    他には、今までしてきたことで少し上のレベルを目指すというのもいいと思います。
    ゲームやスポーツなど、どんなものでも結構ですが、今まではここまでしかできなかったけれどその先に挑戦したことはなかったということに、これを機に挑戦してみるのもいいと思います。
    戦略2. 健全な悲観主義
    集中力がない人は悲観的であったり自分は駄目だと思っている人ではありません。集中することが苦手な人は楽観的すぎる人です。

    集中力を身につけて自分のやるべき事に取り組むのはとても難しいことです。人間の集中力とはとても弱いものです。だからこそ、健全な悲観主義といってある程度は現実的に物事を見るぐらいの悲観的な考え方を持つ必要があります。

    楽観的すぎる人はすべてがうまくいくと考えてしまうので、少し集中することができなかったりちょっとした問題が起きるだけでくじけてしまい、集中も途切れてモチベーションを失ってしまいます。

    ですから、人間の集中力とはそもそもそんなに簡単に保つことができるものではないということを知っておく必要があります。

    自分が何かに集中したりひとつの事に取り組む前に、ある程度悲観的な未来を想定しておくと良いということです。

    例えば、自分が何かに集中しようとした時に、昨日は同じように集中して勉強しようと頑張ったけれど、途中で LINE の通知が気になってしまいそのまま集中が途切れてしまったから、今日は LINE の通知を切っておこうかと考えたり、自分が仕事に集中しようと思っている時に上司に声をかけられて集中力が途切れてしまったけれど、そういうことがあっても今日は声をかけられるまでは頑張ってみようと考えたり、過去に起きたトラブルを思い返すというのもいいと思います。

    細かな時間をうまく使って何かを成し遂げた人の話を聞いておくのもいいと思います。

    他には、自分の気持ちがいつくじけるのかということをリストアップしておくのもいいと思います。
    これをしておくと、自分の集中が途切れたり他人に邪魔されたりしても、それに凹むのではなく、自分の集中が途切れるポイントがひとつ見つかったと考えることができます。

    このようなことをして、自分は絶対集中することができて完璧なんだと考えるのではなく、自分は集中力もないし途切れる可能性もあるから気をつけようと考える健全な悲観主義を身につけてください。
    戦略3. 自分の集中力の無さを認める
    ほとんどの人は自分に対するバイアスがあり、自分が集中力がないということを認められていないものです。
    このために、ちょっとスマホを触ったり LINE を見ることをしても、すぐに集中を復活させることができるだろうと簡単に考えてしまいます。
    少しぐらい今日やらなくて先延ばししたとしても、明日からまたやればいいと思ってしまいます。
    これらは、自分の集中力の無さや意思の弱さを認めていない人がやりがちな行動です。

    僕たちは集中力もないし誘惑に弱い生き物です。
    だから、一旦誘惑に身を委ねてしまうと、戻って来られない可能性があるということを認識するべきです。

    これらを認めることによって、集中力が途切れないような工夫を考えたり、誘惑に負けないようにその誘惑を遠ざけようとすることができるようになります。
    先延ばして明日やればいいとしたら、きっとそのままやらなくなってしまうだろうと考えることによって、自分をコントロールすることができるようになります。

    このような問題に対して参考にしている研究の研究チームはいくつかの対策方法を用意してくれていて、例えば、集中が途切れた場合にはその途切れてしまった体験を記録に残しておいてください。
    記録として残しておけば、そんな自分を理解することができてそのための対処も考えることができるようになります。

    悲観的になりすぎるのは行動できなくなるのでよろしくありませんが、現実的に自分の集中力のなさの証拠を集めておくというのもポイントになります。
    戦略4. ゲーム感覚を導入する
    ゲームは無限に幾らでも出来ると思います。レベル上げや敵を倒したり面倒なことがあるにも関わらず、始めたら夢中になってしまうことがあると思います。

    これはゲームの中に脳を刺激して人間のやる気を高めてくれる構造が詰まっているからです。
    このようなものを使って日常的なタスクや仕事や勉強をより早く進めていこうというのがゲーミフィケーションというテクニックで、仕事や勉強などに対する没頭感を高めてくれるということが色々な研究によりわかっています。

    自分がやるべきだと考えていることを自分だけのことにするのではなく、何かしらのルールを友達と一緒に設定して競うというのもいいと思います。

    例えば、職場で同僚とお互いの仕事の量が同じぐらいになるように設定して、早くその仕事を終わらせた方が食後にコーヒーを一杯おごるとか、競争相手を作るのも良い方法ではあります。

    この競争相手がいないという場合には、タイムアタックにするのもいいと思います。
    例えば、普段であれば15分で終わる作業が目の前にあるとしたら、ストップウォッチをかけて15分を少しでも切ろうと考えれば、夢中になって取り組むことができます。タイマーをかけて同じ時間内でこなすことができた仕事の量で考えてもいいと思います。
    戦略5.置き換え課題
    集中力が続かないという人にありがちなのが、難しい課題に挑戦しすぎているということです。

    目の前の課題に集中することは大切ですが、人間の集中力にはどうしても波がありますから、毎回難しい課題に集中できるわけではありません。

    ところが、完璧主義になりすぎた人や真面目に集中しないといけないと考える人ほど、ちょっと集中力が途切れたりなかなか集中できないと絶望してしまい、行動しなくなってしまいます。

    ですから、目の前の難しい課題をこなすことができなかったり、モチベーションがどうしても湧かないという時には、別の簡単な課題を用意しておいてください。
    そして、難しい課題に煮詰まったらそちらを優先するというようにしてください。

    例えば、毎日筋トレをしていて辛くなった時には、バービージャンプに置き換えてみるとか、毎日バービージャンプを3セットしているけれど、どうしても辛くなった時には腕立てやスクワットに置き換えてみるというように、煮詰まってしまったり壁にぶち当たってしまった時のために少し軽減した置き換え課題を用意しておくとモチベーションは続きやすくなります。

    対策としては、まずは、自分がついつい煮詰まってしまったり壁にぶち当たってしまう課題は何なのかということを理解してください。

    例えば、勉強であれば、数学なのか英語なのか、仕事であれば、事務処理で煮詰まるのかプレゼンの資料作りで煮詰まるのか、それともプレッシャーを感じるような仕事で煮詰まってしまうのか、自分がどこで煮詰まってしまうのかをはっきりさせておいてください。

    そして、その重要な課題に対して少し軽減した、これならできるという置き換え課題を用意しておきます。
    当然、基本的には重要な課題から手をつけますが、もしその課題に煮詰まったとしたら、置き換え課題を行ってモチベーションが戻ってきたら重要な課題に戻るようにします。

    人間は嘘でもいいので前に進んでいる感覚があればモチベーションが戻ってきます。ですから、どうしても大きな課題に対してモチベーションが湧かないという時には、簡単にこなすことができる課題の方に一旦注意を移動し、それをテキパキとこなしてください。それによりモチベーションが復活してくるので、その勢いを使ってまた重要な課題の方に戻るようにします。
    これにより集中力を維持することができるようになります。
    戦略6. 自分への賄賂
    学習心理学の世界では、人間は仕事や勉強、自分がやるべきことを楽しむ姿勢を身につければ身につけるほど、モチベーションが高まり、その楽しめる感覚は学習することによって身につけることができるということが言われています。

    その時に役立つのが、自分のやるべきことをこなした時にもらえる自分へのご褒美です。
    このご褒美というものは自分がした行動と結びつくので、その影響により結果的に仕事も楽しくなるということがわかっています。
    これは心理学で勤勉さの学習と呼ばれる現象です。

    自分で自分に与えても良いご褒美というものを決めておきます。
    例えば、アニメを1本見てもいいとか、コーヒーを飲んでもいいなど、どんなものでも結構ですので、自分がご褒美に使えそうだと思うものをリストアップしておいてください。

    自分が課題や何かを終えたらそのリストの中からひとつ選んでもいいとしておきます。
    そうすると、その課題に取り組むのが楽しくなってきます。

    まずは自分のやるべき事とご褒美リストを結びつけておいて使っていると、その作業自体がどんどん楽しくなってきて、仕事や勉強で成果が出ること自体が喜びになってくることにつながる場合もあります。

    ただし、これには注意点もあり、そのご褒美は即座に与えるようにしてください。決めたところまでその課題をやり終えたら、もう少しできそうだからもうちょっとだけしてからご褒美とせずに、決めたところまでできたら即座にご褒美を与えてください。

    ワーク:インスピレーション・チャレンジ

    戦略1の成功スパイラルでは、自分の行なった努力に対する成長や成功を実感するということでしたが、これは自分のしたことではなくてもいいということもわかっています。

    もちろん、自分の体験を利用した方が良いに越したことはありませんが、なかなかそういったことに取り組むのが難しい場合には、心が躍るような映画などの成功ストーリーに触れることによって、モチベーションをかき立てる効果があるということがわかっています。
    その結果として集中力も高まりやすくなります。

    皆さんは、DaiGo師匠が、いじめられっ子だったけれど、本を読んで知識を手に入れることで人生を変えたというストーリーを知っていると思います。
    ニコニコを始めた時にも、最初は会員3人しか入ってくれなかったところから始まって、最終的に有料チャンネルで日本一になって、今はDラボで続けていることを知っていると思います。

    このストーリーに皆さんがインスピレーションを受けたとしたら、皆さんの集中力にもモチベーションにも変化が生じているはずです。

    仕事で頑張ろうと思ったり独立しようとしたり、たくさん本を読もうとか運動を頑張ろうとか、食生活を変えようとか、皆さんは様々な影響を受けていることと思います。

    自分をインスパイアしてくれる人を見つけて、集中力を高めるためのイメージトレーニングがあります。

    ステップ1 :自分にインスピレーションを与えてくれそうな人物を2人だけ選んでください
    有名人でも知り合いでも構いませんが、おすすめとしては、有名人を1人と知り合いを1人がいいと思います。

    ステップ2 :その人物が自分をインスパイアしてくれる理由を最低でも5個ずつ書き出す
    なぜその人が自分をインスパイアしてくれるのかということを、それぞれ最低でも5個ずつ書き出してください。

    例えば、ウォーレン・バフェットとDaiGo師匠と決めたのであれば、ウォーレン・バフェットは、「誰よりもお金を稼いでいるにも関わらず、お金持ちにありがちないやらしさは全くなくて、自分の頭を使って学び続ける姿勢が素晴らしい」というようなことになると思います。
    DaiGo師匠は、「まさに習慣化の鬼で毎日激しい運動や瞑想を続けて、改善と工夫を積み重ねた結果自由を手に入れた」など、どんなことでも構いません。

    その人物の好きなところや感銘を受けた部分を最低でも5個書き出してください。

    ステップ3 :皆さんの大きな目標を書き出してください
    最初に目標を立ててから、自分にインスピレーションを与えてくれる人を選ぼうとすると難しくなります。
    そのため、ロールモデル・ファシリテーションでは、なかなかうまくいかない人が結構います。

    自分が尊敬している人は、自分が持ちたいと思っている能力や自分の理想の姿を反映しているものです。
    ですから、自分の尊敬する人物を2人ピックアップして、その人物の偉大だと思う特徴を最低でも5個ずつ書き出すと10の理想が見えてきます。

    そこから初めて自分の目標に向き合います。
    もちろん、その目標は尊敬している人と全く関係ないことでも構いません。

    ステップ4 :その大きな目標を達成するにあたり、問題になりそうな障害や今起きているトラブルを思いつく限り書き出してください
    例えば、「好きなところで好きなように仕事をして生きていきたい」という目標を立てたのであれば、そこにたどり着くまでに障害になりそうなことをできるだけ具体的に全て書き出してみてください。

    ステップ5 :自分の大きな目標について、自分にインスピレーションを与えてくれる人物は、どう考えるだろうかということを書き出してください
    先ほど自分の大きな目標を達成するために考えられるすべての障害や問題を書き出しました。
    それに対して、自分が尊敬する人物であれば、その問題にどう向き合い、どのようにしてそれを乗り越えて、自分を達成に導いてくれるだろうかということを考えてみてください。

    ステップ6 :ステップ5で書き出した答えを見ながら次の質問に答えてください
    自分にインスピレーションを与えてくれる人物の考え方は、今目の前の問題、あるいは、想定される問題に対して、自分のマインドセットをどのように変えてくれるだろうか?

    例えば、「独立する」という目標を立てた人であれば、「今は家庭があるからお金も必要で難しい」「元手になる資金がない」「リスクを取る勇気がない」など色々な問題があると思います。
    それぞれの問題に対して、どのようなアドバイスを与えてくれるだろうかということをステップ5で考えました。
    ステップ6では、根本的に考え方をどのように変えてくれるか? ということに注目します。

    仮に、DaiGo師匠にした人であれば、想像したアドバイスから得られるマインドセットは、「学べることはとにかく調べて学び、それをもとにとにかく試して科学者のように実験しまくることで、諦めないというよりは、とにかく試し続けるというマインドセット」を自分に与えてくれると考えることもできるかもしれません。

    これによって、実際に会うことができなくても自分のマインドセットを変えることができます。

    自分にインスピレーションを与えてくれる人物は、今大きな目標に向かおうとしている自分のマインドセットについて、どのようにコメントしてくれるだろうか?

    例えば、ウォーレン・バフェットにしたのであれば、長期投資で大きな成功を収めた人ですから、もしかしたら自分の目標に対して、「もっと長期的な視点で考えるべきだ」とアドバイスしてくれるかもしれません。

    これは、実際にDaiGo師匠がインスピレーション・チャレンジを実践した時に考えたことです。
    ニコニコでも YouTube でも、目先のお金を考えるのであれば手軽な方法はたくさんありました。
    ですが、重要なのは、Dラボの会員の皆さんとの信頼関係であり、ずっと学び続けてやめる理由がないサービスを作らなくてはいけないと思いました。
    このような長期的な考えのマインドセットをバフェットさんであれば与えてくれるであろうと考えました。

    これによって自分のマインドセットを調整していくことができます。
    メンターもDaiGo師匠も目の前にいなくてもインスピレーションを与えてくれます。
    それによって長期的な集中力を作っていくことができます。
    もちろん、これはどんな人物でも構いませんが、集中力だけでなく目標達成のためのテクニックとしても使えます。
    今回はイメージトレーニングを中心に長期的な集中力を発揮する方法を解説させてもらいました。
    いわゆるモラルライセンシングですが、人は頑張ったことを想像すると、つい怠けたくなるものです。
    毎日頑張って生産性の高い状況を維持するためには、毎日1~2時間程度のチートタイムを用意してみてください。
    それによって、今日どんなに頑張っても明日も頑張るマインドセットを作ることができます。

    現代人は5分に1回中断に晒されている!

    現代人は毎日様々な中断に晒されています。
    仕事や勉強しているときだけでなく、YouTubeを見ているときもTikTokを見ているときも、様々な場面で中断が起きています。

    これが多くの人が集中力が落ちたりメンタルが病んでしまう原因の1つです。
    そんな中断対策についても知っておいてください。

    職場における中断について調べた研究を見てみると、一般的なオフィスワーカーは、5分に1回の割合で中断が起きているとされています。
    同僚や上司から話しかけられたりするだけでなく、自分の頭の中で突然関係のないことを考え始めたり、1つのことに集中できる時間が5分以下だということです。

    周りの話し声が気になってしまうこともあると思います。
    自分の興味のない話であれば全く耳に入ってこないのに、自分の名前や関係のある話題だと急に気になったりもします。
    もちろん電話の着信やスマホの通知もあります。
    ただ単に目の前の作業に疲れてしまいぼんやりとしてしまうこともあります。

    この中断は30秒ほどの短い中断であるにもかかわらず、仕事におけるパフォーマンスに驚くほどの悪影響を与えていました。
    特にその悪影響が大きくなるのが、普段からマルチタスクが多い人や、関係のない情報をフィルタリングする能力が低い人です。

    メンタルが弱い人ほど中断による悪影響が大きくなるともされています。
    メンタルが弱いために、目の前の事とは関係がない自分が気になっていることなどに頻繁に注意を持っていかれてしまいます。

    これは車の運転に例えるならば、集中力が高い人は、ずっとアクセルを踏んでスピードが安定しているけれど、中断が多い人は、アクセルとブレーキを交互に踏んでいる状態です。
    そうなれば当然パフォーマンスは著しく下がるわけです。

    ですから、自分が何によって中断に晒されているのかを知る必要があります。
    ところがたいていの中断は30秒程度なので気づくのが難しいわけです。

    そんな中断対策についてはここから先で解説していきます。
    仕事や勉強で生産性を保ちたい方はぜひ続きもチェックしてみてください。
     
  • 【総集編】読書が楽しくなる心理学

    2023-06-10 12:00  
    前回の記事では、DaiGo師匠がこれまで紹介してきたおすすめ本やおすすめのアイテムをイッキ見で紹介させてもらいました。
    まだまだごく一部ではありますが、読んでみたい本もたくさんあったと思います。
    【総集編】DaiGoおすすめ!人生を変える神アイテム総まとめ

    そこで、今回はどうせ本を読むのであれば、楽しく読んで実践につながる知識として身につけてほしいので、読書術について纏めさせてもらいます。
    ぜひ気になる部分だけでも参考にしてみてください。

    理解力を高めるための6つの読書術

    理解力を高めるための読書術は、どんなものがあるのかという研究は色々と行われています。
    2013年にハジェテペ大学が、過去に行われた様々な読書術研究の中から信頼性が高い研究を15個選び出して、本の理解力を高める方法を徹底的に調べたレビュー研究があります。
    そこから、本の理解力を高める読み方がわかっています。
    大きく分
  • 【総集編】DaiGoおすすめ!人生を変える神アイテム総まとめ

    2023-06-08 12:00  
    今回は、いつもの一問一答ではなく、リクエストも多いDaiGoおすすめアイテム総まとめです。
    大まかに悩みやテーマ別に分けています。
    今必要な知識が学べる本や気になるアイテムをチェックするためのまとめ記事です。
    区別としては以下のとおりです。
    皆さんの悩みや目的に沿って探せるようにテーマの幅を広げているので、若干の重複はあります。
    コメントはすべてDaiGo本人が放送当時に紹介した内容です。

    ちなみに、今回は全て無料です!
    これまでDaiGoを応援してくれた人たち、メントレラボを応援してくれた人たちへ少しでもお役に立てればと思ってます。
    ぜひ参考にしてみてください。

    これからの時代を生きる
    お金を考える
    ビジネスを学ぶ
    投資を学ぶ
    成功について考える
    組織・チームを考える
    メンタルを鍛える
    健康を考える
    人間関係を考える
    恋愛を考える
    子育てを考える
    幸せを考える
    影響力を持つ
    学習・読
  • 一問一答「あなたが毎日続けたいけど、続けられないことはどんなことですか?」【習慣化の原則】

    2023-06-06 12:00  
    330pt
    あなたが毎日続けたいけど、続けられないことはどんなことですか?

    今回は、物事を続けることができず諦めてばかりという方の相談をもとに、習慣化のための原則について解説させてもらいます。

    「Q. 何事も続けるのが大事だとわかっていても、いつも飽きっぽくて続けることができません。自分にはどうせ…という言葉が頭に浮かんで諦めてばかりです。アドバイスをお願いします。」

    多くの人は自分の才能に気づく前にそれをやめてしまいます。

    例えば、皆さんも子供の頃に自転車に乗れるようになるまでには何度も転んだはずです。

    もし 、皆さんにお子さんがいたとして、その子供が自転車を練習しようとして、2度や3度転んだだけで自分には自転車の才能がないと言って諦めたらどう思うでしょうか?
    大人になると、この子供と同じことをしてしまいます。

    ですから、自分に向いている向いていない、才能があるないを判断するのは、少なくとも習慣化ができてからにしてください。

    習慣化できて、ほとんど考えることもなくそれができるようになってから、それが上手にできるかどうかを客観的に見ることができるようになります。

    習慣化して流れ作業のようにできるようになってから、その仕事を続けるべきかどうか考えてください。

    そう考えていただけると、とりあえずどこまで続けるべきなのかということもある程度はっきりしますし、同じことをするとしても様々な方法や選択肢が見えてきます。

    ちなみに、習慣化は自分の好きなことよりも嫌なことに発揮した方がいいです。
ですが、当然自分の嫌なことよりも好きなことを習慣化する方が楽です。

    人生の序盤や若い頃に、嫌なことでも必死に続けて習慣化したけれど、結局転職して無駄だったと感じることがあるかもしれません。

    ですが、人生の序盤で嫌なことを習慣化する技術を身につけておくと、人生の後半では好きなことを習慣化することがいくらでもできるようになります。

    ですから、習慣化の技術を身につけるためだと考えて、特に人生の序盤や若い頃にはいろいろなことに手を出してみてください。

    結果的に自分に向いていなかったことであれば、習慣化の技術を身につけるために役に立ちますし 、自分に向いていることだったとしたら 、それがそのまま天職になります。

    あっという間に過ぎてしまった!の正体とは?

    カンザス大学の研究で、時間があっという間に終わってしまう原因は何なのか調べたものがあります。
    今年に起きた出来事と似た過去の出来事を思い出した場合と、今年起きた出来事とは異なる過去の出来事を思い出した場合を比較し、どちらが時間感覚が伸びるのかということを調べています。
    その結果、似た過去を思い出した場合の方が、時間が過ぎるのを早く感じました。

    
つまり、今自分がやっていることや最近やったことと近い出来事を思い出したら、あっという間に時間が過ぎたと感じるけれど、異なることを思い出すとその感覚を感じづらかったということです。

    これらは、人間がチャンキング(chunking:小さなかたまり・断片)という性質を持っているからです。
チャンキングというのは、たくさんある情報をひとつに纏めることです。

    過去数日の記憶と過去数年の記憶を比べると、同じ過去でも数年の方が大きいですから、過去の自分の出来事があっという間に纏められたように感じてしまいます。
それにより、あっという間に過ぎてしまったと感じてしまうわけです。

    今年起きたことと似た出来事が去年も一昨年も起きているとなると、それらが同じくくりで纏められてしまいます。
    僕たちが毎年毎年、歳をとればとるほど1年が過ぎるのを早く感じるのがなぜかというと、新しいことをしていないからです。

    新しいことをせずに自分が今までしたことがあることと同じような慣れたことをし続けて、さらに、自分がやっているひとつひとつのことを細かくマインドフルに見ることをせず、かたまりで考えてしまうがために、チャンクがまとまっていて、いつもと同じことしかしていないし、自分は進歩していないと考えてモチベーションも上がらず実際に挑戦もできないとなってしまいます。

    前々回で、今年も残り半分かと、目標に対して焦りを感じている人が改めて目標を再設定する方法について解説させてもらいました。
    一問一答「あなたの、今年の目標の進捗はどんな感じですか?」【目標の再設定】

    そして、前回は、その目標に向けて毎日やるべきことに向き合うための行動力の高め方を解説させてもらいました。
    一問一答「あなたが、毎日やるべきと思っていることは何ですか?」【超行動力】

    とは言え、モチベーションだけでは毎日やるべきことを続けるのも難しくなります。
    そこで今回は習慣づくりの大切なポイントについて解説させてもらいます。

    習慣作りに欠かせない6つのポイント

    今回は、非常に優秀な実業家や科学者を数多く輩出しているカリフォルニア大学バークレー校が示してくれている習慣化の6つのポイントについて解説させてもらいます。
人生において、自分の健康を大切にして、人生の目的を達成できるような習慣をどうすれば身につけることができるのか調べたレビュー論文があります。

    習慣化ポイント1. 習慣は目標に依存しないが、最初は強い目標が欠かせない
    ダイエットをしようとか腹筋を割ろうとか、年収1,000万円を超えるとか、習慣は強い目標で最初は始まります。
    
ですが、この目標が必要なのは最初だけです。
    
逆に言うと、目標をベースにした習慣というものは、それを達成すると続けることができなくなります。
リバウンドがおきるのもこれが原因です。

    これは目標に依存しすぎているからです。

    目標に依存している習慣は簡単に挫折して元に戻ります。
    そして、もう一度そこに戻るのは大変です。
    
最初は憧れの自分を目指していたから頑張ることができたわけですが、次は一度失ったものになってしまいます。
2回目にもう一度目指した目標は挫折しやすくなります。

    ですから 、目標に依存しすぎないということが重要なわけですが、多くの人が気にしていません。
みんな目標に依存して、まるで目標設定が全てかのように考えています。

    習慣化ポイント2. 習慣は自分の文脈を知るところから始まる
    習慣を身につけるためには一貫性を保つことが欠かせません。
    
毎回同じタイミング、かつ、同じシチュエーションで習慣的な行動ができるかによって決まります。

    ですから、続かない人のほとんどは「気まぐれ」のせいです。

    その時間帯に、それをするときもあればしないときもあるとなると、まるで自由かのように感じるかもしれませんが、実際には一番不自由な状態です。

    なぜかと言うと、毎回迷ったり考えなくてはならないからです。
それによって脳に余計な負荷をかけてしまいます。

    それが結局続かなくなる理由です。

    自分自身の文脈を知って、どんなタイミングでどんな習慣を身につければいいのか知る必要があります。
    DaiGo師匠は、朝起きてからすることの順番を必ず守っています。
これも余計なことを考えなくていいからです。

    習慣化するためには、その習慣的な行動をしている時に、「いかに余計なことを考えないか」がとても重要です。
それによって習慣の継続性は決まります。

    習慣化ポイント3. 習慣化には事前のトラブル対策が必須
    習慣を身につけるためには必ずトラブル対策が必要です。
    
習慣を邪魔したりネガティブな影響を与えることに対しては、あらかじめ対策をしておく必要があります。

    これがとても重要なポイントで、多くの挫折する人は、大抵気合と根性で何とかなると考えています。
自分はそれを続けると決心したから、必ずやり遂げることができると下手に自分を信じています。
    
習慣化する際に、気合いでなんとかなると考えたり自分を下手に信じる人はまず続きません。

    なぜかと言うと、その時の気合や自分を信じる感情というものは長く続かないからです。

    習慣を身につけることが得意な人は、最初から自分を信じていません。

    信じていないから習慣にします。
    逆に言うと、自分は意志力がないとか自制心がないと思っている人ほど、習慣化のテクニックを学ぶとその効果は大きくなります。

    
なぜかと言うと、習慣化のテクニックは意思が弱い人のためにあるものだからです。
    意志が強い人は、どんなタイミングで何をするにしても全力で取り組むことができます。
    
それが意思が強いということですが、ほとんどの人は意志が弱いです。

    
いつどんな時でもやるべき行動が取れるとは限りません。
    1日の中でランダムで突然アラームが鳴って、今から筋トレの時間だと言われて続けることができる人はほとんどいません。
    
毎日続けることができている人も、それをする時間や状況が決まっているからできるだけです。

    人はそもそも怠け者な生き物ですから、よほど自分に自信がある人以外は、事前にトラブルが起きたり習慣ができなくなる状況を想定しておく必要があります。
トラブルが起きることを想定して計画を立てていた方が習慣は続きます。

    習慣化が上手な人や結果を出し続けている人は、このトラブル対策が上手な人です。
    
トラブルがなければ多くの人が続けることができます。
ですが、何かしらのトラブルが必ずあるので習慣が途切れてしまうわけです。

    ちなみに、「自分は意志力が弱い人間だ」と自分の意志力をディスっている人ほど習慣を身につけることが上手だという研究があります。
自分の意思の力に頼らないから、続けるための工夫をします。

    ところが、意思の力に頼ったり自分を信じすぎる人は、気合と根性で何とかなると思っていますが、結局何とかなりません。

    DaiGo師匠も意思の力が弱いから、心理学を勉強しています。
もともとメンタルが強いわけでもありませんし、人間の心もよくわからなかったので、心理学を勉強して人の心を理解しようとしたわけです。

    習慣化ポイント4. 習慣は自動的である
    習慣的な行動を続けるのが面倒だと感じる人もいるでしょうが、その面倒だと感じる感情がある時点で習慣化に失敗しています。
    
習慣的な行動を始めることは、意識を必要とせず、習慣的な行動が始まったとすら思っていないことが多いです。

    例えば、皆さんが朝起きて歯磨きをするまでに、自分がしている行動というものは毎日ほとんど同じです。
全ての行動が気にせず毎日同じようにできています。

    つまり、習慣的な行動のスタートに気づいている時点で、まだ習慣が身についていないということです。

    皆さんは、昨日の夜にご飯を食べたり歯磨きをしたりしたと思いますが、何がきっかけでその行動をしたかまでは覚えていないと思います。
なんとなく自動的にその行動を始めているからです。
    これが完全な習慣化できた状態です。

    
行動を始めたことにさえも気づかないレベルが習慣です。
    例えば、お風呂に入ってぼんやりとしている時に、「髪洗ったっけ…」と考えたことはありませんか?
髪を触って洗ったことに気づきます。
これがまさに習慣的な行動です。

    その行動の開始を意識していないので、抵抗なく始めることができます。
ですが、ほとんどの人は習慣的な行動をこれから始めようと意識して気合で取り組もうとします。
習慣的な行動は開始を意識した時点でまだ習慣として身についていません。

    習慣化ポイント5. 習慣は報酬によって促進される
    これは当たり前ですが、ご褒美のタイミングや量にコツがあります。

    それを押さえておくと習慣が身につきやすくなります。

    習慣化ポイント6. 習慣を変えるには時間がかかる
    習慣を変えるにはかなりの時間がかかりますので、その間耐えるための工夫をする必要があります。

    習慣というものは、先ほど紹介したとおり行動の開始を意識しないレベルで自動的にできるようにするものですから、一度身についてしまえば何も考えなくても行動できるようになります。

    
ただ、何も考えなくて行動できるようになるまでの日数やレベル、達成率を意識している人はほとんどいません。
これを意識していないと、ゴールがないマラソンのように思えてしまいます。
    死ぬまで自分が続けなくてはならないことを絶対に続けると考える人はほとんどいません。
    
おそらく皆さんは死ぬまで歯を磨き続けると思いますが、それは習慣になっているので意識せずできているからです。
    
死ぬまで物事を続けようとすることは難しいですが、習慣化すればそれを実現することができます。

    ゆえに習慣というものは運命を操ると言われています。
習慣というものは僕たちにそれほどの大きな力を与えてくれます。
    人によっては8割だそうですが、皆さんの人生の6割は習慣的な行動によって決まります。
    
良い習慣を身につけることは、皆さんの人生の6割から8割を思い通りにコントロールすることです。

    ここから先は、これら6つのポイントをより具体的に掘り下げて解説していきます。
    ぜひ続きもチェックしてみてください。