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  • 一問一答「あなたは、お金を増やすために何が必要だと思いますか?」【投資家が陥る15のバイアス対策】

    2022-11-29 12:00  
    330pt
    あなたは、お金を増やすために何が必要だと思いますか?

    今回は初心者で投資を始める際のアドバイスについての質問をもとに、多くの投資家が陥るバイアスとその対策について解説させてもらいます。

    Q.初心者で投資を始める際のアドバイスはありますか?

    まず、投資だけである程度のお金持ちになろうとするのは、宝くじに当たるような、かなりリスキーな事をしなくてはならなくなってしまいます。
    投資というものは、何かのビジネスで稼いで元手を確保した上で、投資に挑戦するということでなければ、定年まで働くことを前提として、定年した後に、それ以降の生活を少しだけ豊かにするための老後の資金を貯めるぐらいしかできません。

    そういう意味では、安定型の投資で手数料が低いところを考えるのが良いのではないでしょうか。
    どこでやってもあまり変わらないので、手数料で考えれば良いと思います。

    例えば 、ウォーレン・バフェットや有名な投資家たちも分散投資が大事だと言われています。
    ですが、彼らの場合には、何百もの企業に分散投資していて、そのうちのほんのわずかな企業が大当たりして金持ちになっています。

    投資ではコツコツと続けることが大事だと言われますが、それは大きく稼ごうと思わない場合だけです。
    投資では元手の大きさかリスクの取り方、あるいは、時間のどれかを武器にするしか勝つ方法はありません。

    一般的には時間をかけるのが一番いいと思います。
    少しでも早めに始めて、真面目に仕事をしながら、生活を切り詰めて余剰資金を安定型の投資に地道に回していく方法です。
    それが何十年もかけて大きな資金になっていたということは十分にありえます。

    以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。

    「自分の頭で考える」

    コロナ以降、投資を始めた人も多いと思います。
    株式投資だけでなく様々な投資がありますが、ウォーレン・バフェットも言われているように、投資では自分の頭で考えることが一番重要です。
    みんながやっていることや流行っていることをしても、必ずいつか失敗します。

    仮に一度成功しても、それがなぜ成功したのか、自分のどのような思考が良かったのか理解できなければ意味はありません。
    失敗した時も、何をどのように間違えたのか、振り返ることができなければ人は成長していきません。

    「自分の頭で考える」ということが投資だけでなく人生では大事です。
    もちろん、投資の基礎やベースになる考え方を学ぶことは重要です。

    こちらはそのウォーレン・バフェットさんが大絶賛したハワード・マークスさんの本です。
    考え方について学ぶのであればこちらが参考になると思います。


    投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識

    こちらもハワード・マークスさんの本です。
    どちらも絶対に正しいとまで言うつもりはありませんが、投資をするのであればかなり参考になると思います。

    市場サイクルを極める 勝率を高める王道の投資哲学 (日本経済新聞出版)

    バイアス対策については、こちらの本も参考にしてみてください。

    無理なく限界を突破するための心理学 突破力

    投資家が陥りやすいバイアス

    投資をする時だけでなく、人生では様々な判断をします。
    就職や転職では「どこの企業で働くか?」という判断をしますが、これも自分の時間と労力の投資です。
    なぜこのような判断でミスが生まれるのでしょうか?

    自分の無知からのミスは学べばいいですが、経験や知識がある人でもミスをすることがあります。
    これはバイアスに陥るからです。
    バイアスに陥ると投資でも人生でも判断ミスをします。

    このバイアスに対策するためには、バイアスを知ることが重要です。
    バイアスについて30分の講義を受けるだけでも、その後長期間にわたってバイアスの影響を受けづらくなるという調査もあります。

    少なくとも半年に1回ぐらいはバイアスについて学んでいただき、自分も含めて、人は誰でもバイアスに陥ることがあり、間違った判断ミスをしやすくなるということを思い返すようにしてください。

    2009年にテネシー州立大学などが行動経済学などの知見をベースにして、投資判断を誤らせてしまう認知バイアスについてまとめてくれています。
    今回は、その研究をベースに、人が投資をする際に陥りやすいバイアスについて紹介させてもらいますので、重要な判断をする際には、これらのバイアスに陥っているのではないかと考えて、その際のチェックリストとして使ってください。

    1. 現状維持バイアス
    多くの投資家は、先行きが不透明な状況になるほど、現状維持の選択をしがちになります。
    投資の意思決定はどんどん先送りになってしまい、リターンに悪影響が出ます。

    市場が弱気な時は大胆に、市場が強気な時には慎重に、よく言われることですが投資の基本です。
    言うのは簡単ですが、現状維持バイアスによってそれが難しくなります。

    このバイアスの影響をゼロにするのは難しいですが、オートパイロット(自動売買)を使うことが推奨されています。
    あるいは、一定の期間ごとに必ずレビューして、自分のポートフォリオがしっかり機能しているかチェックするとか、一定の期間ごとに必ず投資することにして、自分の意思や状況に振り回されることなく投資できる仕組みづくりが重要です。

    2. アンカリング
    特定の数字が頭に残って意思決定に影響を与えるバイアスです。

    特に、自分にとって意味のある数字やキリのいい数字に人は目が向きやすくなります。
    直前に見た数字や、良くも悪くも自分にとって意味のある数字に影響を受けていないか、これも常に意識した方がいいです。

    人は自分にとって目立つ情報に引っ張られてしまいます。
    それに気づいたら、逆に、自分があまり見ていない情報を見に行くようにしてください。

    人は広く物事を見ていません。
    目立つ情報だけをピックアップしています。

    3. 視野狭窄
    特定の投資先の値動きばかりに目がいってしまうバイアスです。
    自分がしている投資や、特定の業種や特定の企業にばかり目がいってしまいます。

    そして、それが失敗したら過剰に反応してしまいます。
    それによって短期的なリターンばかりに目がいき、失敗しやすくなります。

    自分が投資している銘柄だけでなく、不動産投資であれば、特定の地域ばかりに目がいってしまうということもあります。
    自分が注目しているところに人は過剰反応するので、短期的な取引が増えてしまい、結果的に損してしまう可能性が大きくなります。

    この悪影響を防ぐには、あらかじめ長期的な対策を立てておく必要があります。
    例えば、特定の投資が失敗した時にはポートフォリオ全体をチェックすると決めておいたり、うまくいった場合と失敗した場合で場合分けしておいてください。
    長期的なルールを決めておかないと、慌てて短期的な行動に出てしまいます。

    4. 確証性バイアス
    自分が決定を下した投資に対して、後から他の情報が出てきても無視してしまうバイアスです。

    人は一度決めたポジションを保とうとする性質があります。
    その後に価値がある情報や意味がある情報が出てきても、意思決定し直すことが難しくなります。

    自分が将来性があると判断した企業に投資したら、その後に違う情報が出てきて株価が下がってきても、自分の投資の有益性を再チェックしません。
    自分がした投資判断を維持する方向に意識が向きます。

    人は常に「自分がした決定が正しい」と思える方向に進もうとします。
    これは他人に対する第一印象でも同じことが起きます。
    いい人だと思えばいいところばかりが見えて、悪い人だと思えば悪いところが見えるものです。

    5. 自信過剰バイアス
    投資家に限らず、あらゆる人が自信過剰バイアスの影響を受けています。

    お金がある人もない人も、自分には将来の株価の動向や投資の動向を正確に予測する能力があると過大評価する傾向があります。
    本来の自分の能力よりも過大に評価しているということです。

    成果が出たら自分の能力によるものと考え、失敗したら運が悪かったと、原因を深掘りすることができません。
    そうなると、ただ運が良かっただけなのに自分には能力があると思い、次の判断で十分に考えることができなくなります。
    失敗は運が悪かっただけだと考え、そこから反省したり学ぶこともできません。

    この自信過剰バイアスが行き過ぎると、ポートフォリオを組むことなく、特定の投資に全財産を突っ込んだりしてしまいます。

    さらに、取引の回数が無意味に増えてしまい、リターンがマイナスになりやすくなるというデメリットもあります。

    6. 損失回避
    多くの投資家はリスクやリターンよりも損失に過剰に反応を見せます。

    人は可能性よりも損をしないことに目を向ける性質があります。
    それによって損失が生じても手放さない判断をしたり、すぐに売却して利益を確定させようとしがちです。
    自分が損失に対して過剰に反応しようとしているのではないかと考えてみてください。

    損失は事前に回避しなければ意味はありません。
    損失を出した後で慌てて判断しても、良い結果にはなりません。

    人間は、得をしたいという気持ちよりも、損をしたくないという気持ちの方が大きいものです。
    それによりチャンスを逃して実際には損をしているということも起きます。
    さらに、後悔回避といい、人間は無意識に後悔しない選択をしようとして、逆にチャンスを逃してしまうという考え方もあります。
    授かり効果というのもあり、買った物を実際より高く見積もろうとしてしまい、物が捨てられなくなったり、自分の持っているものの方が良いと考えてしまいチャンスを逃すこともあります。

    7. 経験則バイアス
    投資において確かに経験則は大切ですが、多くの投資家は、自分の中の経験則を単純化しがちです。
    いろいろな知識や経験があるのに、それを単純化してしまいます。

    例えば、ポートフォリオを組む際に、個々の投資のリスクや関係性を考慮することなく、同じ金額で全てに投資したりします。
    複雑性を考えることなく、楽をしたい欲求が出てしまい、物事を単純化して考えようとするわけです。
    関連企業に投資してしまい、実際にはポートフォリオになっていないということもあります。

    自分の経験則を単純化しすぎてしまうと、せっかくの経験を活かすことができなくなります。
    これが豊富な経験を積んでいるのに失敗してしまう原因です。

    8. メンタルアカウント(心理会計)
    多くの投資家は、自分の資金を無意識のうちに目的別に区別しています。
    例えば、「このお金はリスク資産への投資用」「このお金は資産の保全用」などと考えて投資を行っています。

    確かに目的別に考えることも大切ですが、これが行き過ぎると資産全体に目がいきづらくなります。
    これも誤った投資判断につながる原因 です。

    当然ですが、将来のためにリスクを取るべきタイミングもあれば、市場がそれほど動いていないので、リスクを取っても意味がないタイミングもあります。
    そんな時に、目的別に自分のお金を考えていると、リスクを取るべき時に中途半端なリスクしか取れませんし、安全に行くべき時に十分な安全が確保できなかったりということが起きます。

    投資だけでなく、人間は心理的な財布が分かれています。
    例えば、お酒であれば、おしゃれなお店に行った時には、自宅で飲むときの3倍ぐらいするようなお酒も飲んでしまう人も多いかと思います。自宅で飲む時は普段の飲食の会計から出ていて、お店で飲むときには外食費でちょっと贅沢も許してしまうわけです。
    心理会計の違いにより、同じものなのに高い出費を自分に許してしまうようになります。
    同様に、旅行に行った時もレジャー費と考えて、ついつい余計な出費をしてしまうと思います。

    区別しすぎていないか、組み合わせることによってリターンが大きくなる可能性はないか、定期的に検討するようにしてください。

    ここから先は、さらに多くの人が陥りがちなバイアスについて解説していきます。
    続きもチェックしてみてください。
     
  • 一問一答「あなたの一番後悔しているお金の使い方はどんなものですか?」【投資の判断力】

    2022-03-03 12:00  
    330pt
    あなたの一番後悔しているお金の使い方はどんなものですか?

    見栄を張ってなくなってしまうお金もあれば、コツコツ貯めることで大きな形になるお金もある。
    そこから人に後悔を作り出すお金もあれば、覚悟を作り出してくれるお金もある。
    お金の額は関係なく使い方によっていくらでも価値が変わるものです。

    今回はお金の判断を間違わないために、投資についての相談を元に投資の判断力を高めるための方法についてまとめさせてもらいます。
    投資だけでなく人生やビジネスの大切な判断で間違わないために役に立つ内容です。

    Q. 投資に興味があります。投資の知識がゼロな人が投資を理解するためのおすすめの方法を教えてください。

    投資の上手な方法から勉強するのはおすすめしません。
    投資は怖いものだと考えている人に投資でどうすれば勝つことができるかを語っても意味がありません。
    「投資で儲かる」というアプローチをするよりも、「預金がどれだけ損をするか」ということにアプローチした方がその気になります。
    そこで初めて勉強しようという気になります。
    投資を始めたいのであれば、自分のしている預金というものが愚かなのかということから理解した方がいいと思います。
    なかなか投資を始められないという方はこの本をまず読んでみてください。

    預金バカ 賢い人は銀行預金をやめている (講談社+α新書)

    以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。

    心理学的な投資成功率の高め方

    人間が投資でハマりやすいミスがあり、心理学的にそれを避けるための方法について紹介します。
    人間がどんな時に判断ミスをするのかということを理解しておけば、投資でも人生でも役に立つと思います。

    多くの人が投資で失敗してしまいやすいバイアスがあります。
    人は余計な思い込みに左右されて損をしていることがたくさんあります。
    バイアスというものは本能に基づいているものですから、後悔してもまた同じミスを繰り返してしまいます。
    後悔しない判断をするためには、判断するたびにバイアスのリストに目を通して、自分がそれに左右されていないかチェックする必要があります。

    今回は、そんな中で心理学的に投資の成功率を高める方法について解説します。
    6つの投資で重要なポイントを解説します。

    ポイント1 :自分の遺伝子を知ろう
    実は、僕たちの投資スタイルは結構な割合で遺伝子で決まっているということが確認されています。

    遺伝とトレーダーについて調べた研究があり、ウォール街で働く60人のトレーダーを対象に遺伝子検査を行っています。
    それと同時にトレーダーではない一般の男女54人にも同じ遺伝子検査を行っています。
    そこにどんな違いがあるのかということを調べようとしたものです。

    その結果明確な違いが確認されました。
    トレーダーの遺伝子はドーパミン受容体4プロモーター(DRD4P)とカテコールアミン-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)という異なる対立遺伝子が優勢であるということがわかりました。

    これはドーパミンのレベルが高すぎず低すぎもしない中程度に維持されやすいという傾向が遺伝子的に確認されたということです。
    ドーパミンのレベルをバランスよく保つことができる遺伝子を持っている人が投資で成功しやすい可能性があるということです。
    ドーパミンのレベルが高すぎてリスクを取り過ぎる人はトレーダーに向いていないし、ドーパミンのレベルが低すぎて臆病すぎる人も当然トレーダーに向いていないわけです。

    この傾向が確認された事について研究チームは次のように言っています。
    最高のトレーダーは確かにリスクを取る必要があるけれど、一方で、長期的な視点で考えたり自分の衝動を抑える必要がある。
    取るべきリスクは取ることができるが、それと同時に自分の衝動を抑えることが出来なければいけない。

    この2つの欲望は対立するものです。
    人間は衝動的になればなるほど後先考えずリスクを取ることができます。
    リスクを取るためにはある程度衝動的になる必要があるわけですが、衝動的になりすぎると自分の欲望やバイアスを抑えることができなくなり間違った判断をします。

    この2つの欲望の間で上手にバランスをとることが重要なわけですが、そのためにドーパミンのシステムがとてもバランスよく保たれていることが重要だったということです。

    起業家が投資に向かない理由
    適切なレベルのドーパミンを保つことが重要だったということですが、リスクを取って成功した起業家はあまり投資に向かないことが多いのかもしれません。
    起業して成功するためにはドーパミンレベルが結構高くないと難しいと思います。

    投資で成功するためには一歩引いて客観的に見る必要があります。
    そうなるとドーパミンレベルがほどほどに安定していることが重要になります。
    実際のミリオネアたちを調べた研究を見てみても、サラリーマンとしてコツコツとお金を節約してそれを着実に投資にまわして運用して晩年にミリオネアになる人が多いそうです。
    起業家のようにリスクを取って成功する人よりも、コツコツと続けることができる人たちの方がおそらく投資に向いているのだと思います。

    投資判断の29%が遺伝によって決まっている?!
    別の研究ですが、どんな株を買うかということはその29%が 遺伝子によって決まっているということも言われています。
    僕たちの投資判断のうち29%は遺伝子に依存しているものです。

    お父さんやお母さんが投資で成功していて、子供も同じように投資で成功しているという人も結構いますが、これは環境だけでなく遺伝子によるものかもしれません。

    ポートフォリオのリスクも25%が遺伝によって決まっている?!
    投資におけるポートフォリオも人それぞれだと思います。
    真逆の業界に投資を行ってバランスをとる人もいれば、特定の業界が多くなる人もいます。

    このポートフォリオのリスクのうち、およそ25%が遺伝によって決まっているそうです。
    リスクのバランス判断も結構な割合が遺伝によって決まるということです。

    思っている以上に遺伝子の影響は大きいようです。
    最近では遺伝子検査も簡単にできるようになったので、それを使って自分のリスク傾向について知っておく事もいいのかもしれません。
    自分のドーパミンレベルがどれくらいなのかを知っておくことは投資判断に結構重要です。

    ポイント2 :ホルモンバランスを理解する
    男性も女性もホルモンバランスでかなり投資判断が変わります。

    投資とホルモンバランスについて調べてくれた研究があり、140人の男性トレーダーを集めて全体を2つのグループに分けて実験を行っています。
    一方のグループには男性ホルモンであるテストステロンのジェルを塗ってもらい、もう一方のグループにはプラシーボのジェルを塗ってもらいました。
    テストステロンは皮膚から吸収されて男性ホルモンが高くなるとリスクを取りやすくなります。
    その後に全員に17回のトレードを行ってもらい、どれぐらい投資判断に変化が現れるのかチェックしています。

    その結果、テストステロンの値が高くなっていたトレーダーは金融資産の価格設定を間違える確率が高くなっていました。
    あまり深く考えず投資するようになってしまい失敗する確率が高くなっていたということです。

    さらに、入札価格や販売価格も間違える可能性が高くなっていました。
    テストステロンが高くなると、もっとリスクを取りたくなるということです。

    当然ですが、投資というものはたくさん取引をすれば儲かるというものではありません。
    短期間で売ったり買ったりをあまりしない方が基本的には儲かります。
    テストステロンが高くなるとリスクを取りたくなるのでそれができなくなります。リスクを取りたくなってたくさん売り買いをしてしまうわけです。

    この結果について研究チームは次のように解釈しています。
    テストステロンを高めた男性は資産価値や入札価格の判断を直感で行う傾向が高くなったので、投資会社はいかにホルモンバランスが投資判断に影響を与えるのか理解しておくとメリットを得ることができるかもしれない。

    僕たちも自分のホルモンバランスについて理解することで、投資の適切な判断につなげることができるかもしれません。
    例えば、失敗が怖くてなかなか投資に踏み出すことができない人は、筋トレを行ったりして自分のテストステロンを高めるというのも良い方法だと思います。

    女性は生理周期にも注意
    女性の生理周期とリスクの取り方には関係があるという研究もあります。
    女性は排卵期には高いリスクを取りやすくなります。

    53人の女性ギャンブラーを集めて生理周期の間に全員のギャンブルのかけ方がどのように変わるのか調べています。
    それによると、排卵期にはかける回数も増えてリスクの高いギャンブルに手を出す可能性が大きくなっていました。

    そして、月経前のエストロゲンが減少するタイミングには気分が落ち込んで、この時にもギャンブルに手を出しやすくなっていました。

    それぞれで理由は違いますがリスクを取りやすくなるタイミングがあります。
    女性の場合には、この生理周期における自分の取引額の変化や傾向を冷静に見れるようにやっておいた方がいいと思います。
    自分のこれまでの取引の成否を理解して、この生理周期にも気を配り取引を行うタイミングにも留意する必要があります。

    ポイント3 :損失回避傾向を減らす
    損失回避傾向は誰でも持っているものです。
    人は当然損を恐れる傾向があるわけですが、例えば、「これをすると1万円もらえる」という時のモチベーションよりも「これをしないと1万円もらえるはずのチャンスがなくなる」と言われた時のモチベーションの方が高くなり実際に行動しやすくなります。

    人は何かを手に入れることよりも何かを失うことの方を大きく感じます。
    僕たちは、得をすることよりも損をすることを大きく捉える傾向があります。
    この損失回避傾向が投資判断に影響を与えると、みんなと同じ凡庸な結果しか出せなくなります。

    リスク許容度統計のデータを元に投資家のリスク許容度がどのような条件で変化するのか調べた研究があります。
    その結果、投資家のリスク許容度と最も関係が深かったのは損失回避傾向だったそうです。

    この損失回避傾向に対策するというのが、僕たちが投資でのパフォーマンスを高めるためには重要なポイントのようです。

    人はお金を失う恐怖に苛まれれば苛まれるほど、どんどんリスクを取らなくなります。
    お金を失う恐怖によってチャンスを逃します。

    投資ではみんなと違うことをしないとチャンスを掴むことはできません。
    みんながお金を失うことを怖れている時に、自分が損失回避傾向を上手にコントロールしてリスクを取ることでチャンスを掴めます。

    そのためには投資収益率はあまり頻繁に見ないようにしてください。
    これは月単位ではなく年単位で見るぐらいがちょうどいいそうです。
    そして、ポートフォリオを全体的に見るのも損失回避傾向を抑えるのに役に立つそうです。

    人は小さな単位で物事を見ると失っているものばかりに目が行きます。
    できるだけ大きな単位で見るようにすると損失回避傾向にとらわれて判断ミスすることが少なくなります。

    短期思考は損をする!
    これは投資だけでなく人生でもビジネスでも共通する大切なことです。
    ビジネスに対しても自分のキャリアに対しても短期的に見ていると判断ミスが増えます。

    短い期間で見ると人は誰でも上がったり下がったりすることはあります。
    一部分だけを見るとマイナスになっているところばかりが目に入るものです。
    ですが、長い期間や広い範囲で物事を捉えると、個別のマイナスについて考えるよりも、次の挑戦について考えることができるようになります。
    自分の人生も仕事も、投資も長い期間で広く見るようにしてください。

    長期的に物事を見る思考については、やはりバフェットさんの考え方に学ぶのが一番だと思います。
    こちらは投資をしない人にとってもとても参考になると思います。

    文庫・スノーボール ウォーレン・バフェット伝 (改訂新版)〈上・中・下 合本版〉 (日本経済新聞出版)
     
    人間は損失回避傾向だけでなく愚かな選択をしがちな生き物です。
    間違った選択や判断をしないための考え方を学びたいのであればこちらの本がとても参考になります。

    ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 文庫 (上)(下)セット

    ここから先はさらに投資判断の精度を高めるポイントを紹介していきます。
    投資だけでなく人生でもビジネスでも役に立つトレーニングについて紹介しますので、ぜひ続きもチェックしてみてください。