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一問一答「あなたにとって理想の人生とはどんな人生ですか?」【コミッテッド・アクション】

あなたにとって理想の人生とはどんな人生ですか? 今回は、終わりの見えない不安を抱えている方の相談をもとに、皆さんが自分の力で自分の人生を切り拓く方法について解説させてもらいます。 Q. 社会人になってからどんどん視野が狭くなっています。終わりが見えないと不安になってしまうため、今25歳ですが30までに死ぬという仮の目標を立てています。 やりたいことは残り数年のうちに終わらせてしまいたいと思っていますが、とても甘えた考えで恥ずかしいです。 考え方を前向きにするにはどうしたらいいでしょうか? 人の死について考えることはとても良いことです。 自分がどう死ぬかということを考えることにより自己コントロール能力が上がったりします。 良いことではありますが、30歳で死ぬと考えるのはやめてください。 それは短期目標になってしまいます。 自分が90歳や100歳の頃に死ぬと考えて、その時に自分の周りにはどんな人がいて、自分はどんな人生だったと思いながら死ぬのかというように、超長期的な目標として死について考えると今の行動力が高まります。 以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。 自分の力で価値ある人生を切り拓く ここまで認知行動療法の一種であるACTについてシリーズとして解説してきました。 人は幸せになろうとして、不幸やネガティブな感情を避けようとすればするほど、逆に不幸になっていってしまう幸福の罠と言われるパラドックスがあります。 そこから抜け出すための方法として、ディフュージョンやエキスパンション、コネクト・ウィズ・モーメントについて解説してきました。 人生をかけて追求したいことが見つからない理由 仕事でも趣味でもやりたいことが見つからないとか、人生をかけて追求したい目標が見つからない人は多いと思います。 理由その1 :ネガティブにとらわれているから その原因としては、まず第一段階としてネガティブにとらわれているからです。 ネガティブな思考や感情にとらわれてしまうと、自分の集中力が全てそちらに持っていかれてしまいます。 それによって、目の前の仕事や趣味、自分のやるべきことに没頭できなくなります。 没頭できないから楽しめないわけです。 特に、仕事も趣味もある程度上手になったりスキルを身につけないと楽しむことができません。 自分の成長を感じたりできることが増えてくると、そこにやりがいを感じたり楽しさを感じるようになります。 ネガティブにとらわれてしまう人は、その楽しさを感じるまで続けることができません。 だからやりたいことが見つからないわけです。 やりたいことがないのではなく、自分がネガティブにとらわれているせいで気付かずスルーしているだけです。 理由その2 :目標達成を人生の目的にしているから 人は何かの目標を達成することを人生の目的にしてしまうと、自分のやりたいことが見えなくなるし不幸になってしまいます。 ACTでは、バリュー(価値観)と言われますが、目標達成を人生の目的にするのではなく、自分の人生の価値を追求することを目的にすることで、幸せな人生を創ることができるということを教えてくれます。 ここでいう価値とは、心の中で最も深い欲望のことです。 人生を通して自分のやる気を高めてくれる概念です。 例えば、DaiGo師匠の場合であれば、人生の価値は「知識と体験の追求」です。 知らないことをもっと知りたいですし、経験したことがないことをもっと体験したいというのが人生の価値です。 人生の価値を目的にすると終わりはありません。 目標達成の場合には、いつかそれを達成したら終わりが来ます。 それを人生の目的にするべきではないということです。 まるでゾンビのように達成したら次の目標を考えて走り続けないと満足できなくなってしまいます。 目標達成を人生の目的にすると、達成するまでは、なかなか達成することができず悶々とした毎日を過ごします。 達成した時の喜びは一瞬で終わり、これから何をすればいいのかわからなくなります。 自分の人生を充実させたいのであれば、やるべきことを続けるためのモチベーションを一定に保つ必要があります。 そのためには、尽きることのないずっと持ち続ける人生の価値を目標にする必要があります。 「価値に導かれる人生」 ACTの重要な考え方である「価値に導かれる人生」というものは、困難な時期や辛い時期でさえも、豊かで満ち足りた人生として歩んでいくことができます。 自分の価値観をベースに生きている人生であれば、どんな状況でもやるべき行動を続けることができてパフォーマンスを一定に保つことができます。 パフォーマンスが安定するから、いつかはそれが報われて成功するわけです。 目標達成を目的に生きていると、困難な時期が辛い時期になった時に自分を卑下したり追い詰めてしまいます。 価値に導かれる人生は、良い時も悪い時もパフォーマンスを一定に保つことができます。 それを続けていればいつか大きな成果に繋がります。 アウシュビッツ収容所を生き抜いた人 アウシュヴィッツ収容所の悲しい歴史について調べた研究を見ると、健康な人よりも、自分の人生の目的と繋がりを持っている人が生き残ったということが確認されています。 体が丈夫な人が生き残ったのではなく、苦しい状況の中でも自分のできることをやって生き抜くことを考えた人が、実際に生きてそこから出ることができました。 強制収容所に入れられる苦しみというのは、僕たちではとても考えられないレベルの苦しみです。 それに耐えるだけのレジリエンスを鍛えてくれるし、人生を強く幸せにしてくれるのが価値の力です。 そんな死と隣り合わせの状況で強く生き抜いた人たちについて知りたいのであれば、有名な本ですがこちらがおすすめです。 なぜ彼らが苦しい毎日を耐えることができたのかが理解できます。 夜と霧 新版 ニーチェも同じような言葉を残してくれています。 「生きる意味を見出した人は、大抵のことは耐えられる。」 自分の生きる意味を探すことが、価値に導かれる人生を歩むことです。 人生の価値は継続的な行動に結びつくけれど、目標達成を目的にするといつか挫折してしまいます。 自分の人生の価値を目的に生きていきましょう。 今回はそんな人生の価値を見いだすためのワークを紹介していきます。 ワークその1 :80歳になった自分エクササイズ 80歳になった自分を想像してみてください。 80歳になったら自分がそれまでの人生を振り返ります。 そして、それが1日で起きたことかのようにまとめてみてください。 イメージとしては、朝起きた時に生まれて、お昼ぐらいに20代や30代ぐらいの人生で一番脂が乗った時期に差し掛かります。 お昼から夕方にかけて、30代40代50代と進んでいき、もうすぐ寝る前で自分は80歳です。 1日の時間軸の中で自分の人生を振り返ります。 ちなみに、これは自分の人生計画を立てる時にも使える方法です。 短い時間で考えると、自分が無駄に時間を使っているところややるべきことが見えてきたりします。 今回は、エクササイズとして、人生を振り返って、それが1日のことであるかのようにまとめた上で、次の文章の空いている部分を埋めてください。 「私は◯◯を恐れるあまり、多くの時間を費やし過ぎた」 「私は◯◯のようなことに、ほとんど時間を使わずに生きた」 「もし時間を戻せるなら、今までやらなかった◯◯をしたい」 80歳になった自分が1日のことであるかのようにそれまでの人生を振り返っています。 そんな中でこの3つの文章をどのように穴埋めするか考えてみてください。 今のままあなたが生きて、いつか80歳になったとしたら、どう答えるか考えてみてください。 この文章の穴埋めをすると、自分が本当にやりたいことが見えてきます。 なぜかと言うと、「自分にとって価値がある行動」と「現実で皆さんがとっている行動」の違いが明確に浮き彫りになるからです。 このエクササイズは定期的に行ってください。 特に、自分のモチベーションが下がったり、自分のやりたいことがわからなくなった時などに行なっていただけると、見えてくることがあります。 ワークその2 :自分の価値を見つけるエクササイズ これは毎日行なっていただいてもいいエクササイズですが、先ほどよりもう少し踏み込んだ内容になります。 次の4つの視点から自分の人生を分析して、価値を明確にするためのエクササイズです。 ①人間関係 ②仕事と教育 ③個人的成長と健康 ④余暇 元の研究内容に沿ってこのワークを行ってみたい方は、今回参考にしているこちらの本をチェックしてみてください。 幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門 (単行本) 少し使いづらい部分もあると思いますので、使いやすいようにアレンジした方法を紹介しておきます。 紙とペンを用意してもらい、それぞれ質問に答える形で紙に書き出してみてください。 ①人間関係 どんな関係を作りたいか? その関係の中でどう振る舞いたいか? どんな個性を伸ばしたいか? 理想の自分だったとしたら、他人にどう接するか? 自分の大事な人たちと一緒に、一生続けたい行動は何か? 当然ですが、自分の人生の中で自分でコントロールできるのは自分の行動だけです。 人間関係の悩みになると、あの人は羨ましいとか、あの人のあそこが嫌だとか、自分ではどうにもできない問題ばかりに目を向けてしまいがちですが、この5つの質問は人間関係の問題を全て自分の視点から考える内容になっています。 全てを自分の行動に置き換えて考えます。 それによって自分の大切な価値が見えてきます。 ②仕事と教育 職場あるいは学校に自分のどんな資質を持ち込みたいか? 理想の自分だったとしたら、同僚や顧客にどう接するか? 職場や学校でどんな人間関係を作りたいか? どんな知識やスキルを手に入れたいか? 注意点としては、自分の目標達成に関わる項目を書き出さないようにしてください。 自分が望む仕事やキャリア、学習レベルを自分が既に持っていたらどうするかという観点で考えます。 自分が今持っているけれど活かしきれていない資質、理想の自分だったら職場や学校でどのように接しているか、そこでどんな人間関係を作りたいのか、そして、自分が活かしたい知識やスキル、素養は何かということです。 ③個人的成長と健康 どんな活動を始めたいか?(再開したいか?) どんなグループや組織に入りたいか? 自分のライフスタイルをどう変えたいか? これらの質問に答えると、自分の本当にしたいことが見えてきます。 ④余暇 どんな趣味やスポーツに参加したいか? どんな方法でリラックスして人生を充実させたいか? なんでもできるとしたら、どんな活動に参加したいか? おそらく答えやすい質問と答えにくい質問があったと思います。 ここまで答えてもらったら、そのあたりも踏まえてもらった上で、①人間関係②仕事と教育③個人的成長と健康④余暇ごとに、それぞれの書き出した内容を見ながら、10点満点で採点してみてください。 それぞれの項目ごとに、まだまだやってみたいけれど、手を付けることができていない活動があると思います。 そうすると、4つの項目のうち自分がどこにもっと取り組むべきなのかが見えてきます。 4つの項目ごとに人生の価値を分析した時に、自分にとって最も重要な価値や積極的に取り組むことができている価値が見えてきます。 それと同時に、これからもっと充実させるべき価値も見えてきます。 自分の人生で恵まれていること、人生で足りないことが明確になります。 自分の人生の価値を明確にするためのワークについて紹介させてもらいました。 それでも今ひとつ自分の価値を明確にできていない人もいると思います。 ここから先は、自分の価値が見つからない時に使える7つの質問と、自分にとって有効な行動を見つけるためのワーク、そして、より実践的にACTを使って人生を生き抜くための方法まで詳しく解説していきます。 ぜひ続きもチェックしてみてください。  

一問一答「あなたにとって理想の人生とはどんな人生ですか?」【コミッテッド・アクション】

一問一答「あなたは、最近どんなことをしている時に、時間を忘れて夢中になりましたか?」【コネクト・ウィズ・モーメント】

あなたは、最近どんなことをしている時に、時間を忘れて夢中になりましたか? 今回は、自分の幸せが何なのかよくわからなくなったという方の相談をもとに、過去の後悔も未来の不安も、余計な感情や思考も乗り越えて、今目の前のやるべきことに集中するためのコネクト・ウィズ・モーメントについて解説させてもらいます。 Q. 人生を変えたいと思っても、そもそも何が幸せなのかがよくわからない時があります。どのように向き合えば良いでしょうか? 人間というものは、特に自分の幸せの事ばかり考えていると、自分の内面にばかり集中しすぎてしまいます。 自分が今幸せなのかというようなことばかり考えていると、自分のことばかり見るようになってしまい、対人関係や人間関係にまで注意が向かなくなってしまいます。 そうなると、周りの人から見るととても自分勝手な人に見えてしまいます。 幸せになりたいとばかり思っている人は、自分の幸せを追い求めることによって、知らず知らずに自分勝手になってしまい、気がつくと人間関係が崩壊していくことがあります。 仕事や何かに熱中したり人間関係をただ楽しんだり、自分のやりたいことをやって、その結果として幸せを感じることが大切です。 仕事や遊びや人間関係に集中したり没頭して、その結果としてやりがいや達成感、幸せな気持ちを感じるのは全く問題はありません。 むやみやたらに幸せを追い求めるというよりは、自分が熱中や没頭できるものを見つけたり、あるいは、何かに没頭して、それ自体を得意になったり好きになれるように集中力を鍛えるということを考えた方が、おそらく結果として良い人生を歩むことができるようになるのではないかと思われます。 以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。 今この瞬間に没頭する【コネクト・ウィズ・モーメント】 瞑想を習慣にすると幸福度も上がるし集中力も高くなります。 他にも様々なメリットがあるわけですが、実は、ほとんどの効果は「コネクト・ウィズ・モーメント」という考え方によるものです。 人は没頭している時間が長くなればなるほど幸せになります。 フロー状態の提唱者でもあるミハイ・チクセントミハイ氏の著書の中でも、集中状態の先にある、自分が何をしているのかもわからなくなる没頭状態が長くなればなるほど、人は幸せに生きていくことができるということが示されています。 フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR) フロー体験入門―楽しみと創造の心理学 仕事でも趣味でも、没頭できることがある人はとても幸せに生きていくことができます。 ですが、現代人は日々の生活の中での没頭状態になる時間が極めて減っています。 休みの日も仕事のことを考えなくてはならなかったり、常にスマホの通知が気になったりしています。 過去に惑わされたり未来の不安を気にしたり、今やるべきことがあるのに、ついつい余計なことを気にしてしまいます。 ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の中でも、非常に重要な今この瞬間につながるための「コネクト・ウィズ・モーメント」について解説していきます。 一問一答「あなたは、どうすれば動じない心を作ることができると思いますか?」【オブザービング・セルフ】 一問一答「あなたが何も手につかないくらいネガティブな感情になるのはどんなときですか?」【エキスパンション】 ネガティブな感情を否定するのではなく、適切な距離を置いて対処するための方法についてこれらの記事で解説してきました。 日々の生活の中では、ネガティブな感情や思考によって、僕たちのやるべきことに使うはずの時間や労力を奪われてしまいます。 そのネガティブな感情や思考に使っている時間や労力を、全て自分のやるべきことに集中するために使うにはどうすればいいのでしょうか? レフ・トルストイの名言があります。 「過去も未来も存在しない。あるのは現在というこの瞬間だけだ。」 人生で一番大切な瞬間はたったひとつしかありません。 それはこの今という瞬間だけです。 僕たちが力を発揮して何かを変えることができるのは、今この瞬間しかありません。 未来を変えることも過去を変えることもできません。 僕たちが影響を及ぼすことができるのは今この瞬間だけだから、今この瞬間に集中して行動を変えていくことが、過去を取り戻すことにつながり、過去をバネにして未来を切り拓くことにつながります。 過去や未来にとらわれたり、自分の頭の中の余計な感情や思考にとらわれたり、今この瞬間にないものに力を使うのは馬鹿らしいことです。 皆さんにとって一番大事なのは今この瞬間です。 僕たちが自分たちの力で影響を及ぼすことができるのはこの瞬間しかありません。 日常の中でも目の前のことに没頭できる! 本来人間はやるべきことに集中できるようにできています。 集中力がなくて何もできない人なんていません。 ほとんどの人は、ちゃんと集中力があるのに、余計なものにその集中力を持っていかれているだけです。 過去の後悔にいつまでもクヨクヨしたり、未来の心配にとらわれたりすることもあると思います。 過去や未来にとらわれている皆さんの心を、今この瞬間の現在に取り戻すトレーニングがコネクト・ウィズ・モーメントです。 人は当たり前のことやつまらないと思うことに対しても、心をオープンにして好奇心をもって向き合うことができれば、全てのことに対して夢中になったり没頭することができます。 例えば、毎日着ている T シャツも何気なく洗ったり着たりしている人が多いと思います。 DaiGo師匠の場合は、その T シャツも素材や形状など最強のものはないのかと考えたりします。文房具もスマホの三脚も好奇心をもって調べまくると、その調べている間ずっと没頭しています。 「別にどんなものでもいい」と言ってしまうとそれまでですが、ベストなものがあるとしたらどんなものだろうかと自分に疑問を投げかけて、好奇心をかきたてると没頭状態に自分を持っていくことができます。 これは日常の家事や掃除でも同じです。 何も考えずに食器を洗おうとすると面倒だと感じてしまいます。 例えば、食器をどの順番で洗うと最も早く洗うことができるのかと考えると、それだけでゲームのように夢中になることができます。 とはいえ、好奇心を持てないという人もいるでしょうが、それは思考や感情の物語に心を持っていかれているからです。 やりたいことがないとか、何をやっても続かないという人も多いですが、それは没頭する手前で終わっているからです。 興味をもって没頭するところまで経験しないともったいないです。 例えば、映画でもアニメでも、途中まで見て盛り上がったところで見るのを止めるというのはかなり難しいことだと思います。 これと同じで、好奇心は一度スイッチが入ると止まらなくなるものです。 仮に、仕事で失敗をしたというのであれば、失敗したのは事実ですが、そこから湧き上がってくる思考や感情は物語に過ぎません。 その余計な思考や感情の物語に自分の心が持っていかれてしまうと、今目の前にある喜びや好奇心に鈍感になってしまいます。 普通であれば喜びを感じたり好奇心をもって取り組むことができることがそこにあるのに、興味が薄れてしまい鈍感になってしまいます。 だから行動力が減って、やりたいことが見つからないし、集中することも没頭することもできなくなります。 問題なのは余計な思考や感情の物語に心を持っていかれていることです。 マインドフルネス4箇条 ACTとマインドフルネスは違いますが、今この瞬間に集中するというのがマインドフルネスなので、そのマインドフルネスの4箇条を紹介しておきます。 その1 :意識的に何かに集中する ぼんやりしているのではなく、意識的に何かに自分の注意を持っていきます。 その2 :頭の中で考えるのではなく、気づくことが大事 悩み事や不安をぼんやりと考えるのではなく、目の前のことだけに集中します。 例えば、ワインを楽しむ時であれば、ワインの香りに集中していると、少しチョコレートっぽい香りがするとかレズの香りがするとか、ワインの香りについて考えを巡らせて様々な気づきを得ることができます。 これがマインドフルになれていない状態だと、自分はワインの香りなんてわからないとか、なんとなく美味しいとは思うけれど、ワインにハマったらお金がかかるなど、余計な思考が頭の中で騒いでしまいます。 その3 :今ここで起きていることに注意を向ける 先ほどのワインの例であれば、ほとんどの人は、その目の前のワインの味や香りではなく、自分の頭の中に勝手に湧いてくる思考に注意を持っていかれています。 行動しながら、自分の行動に注意を向けるのではなく、そこで勝手に湧いてくる自分の思考に注意を向けています。 目の前のことに気づくことが大事です。 その4 :戦い、抵抗、逃避ではなく、好奇心で接する 嫌なことがあったり失敗することがあっても、戦ったり抵抗したり、ましてや逃避行動には出ないでください。 全てのことに対して好奇心をもって接してください。 たとえそれが失敗だったとしても、好奇心をもってなぜ失敗したのかということを考えたり、逆にその失敗を活かしてチャンスに繋げる方法はないだろうかと考えます。 これが好奇心をもって接するという考え方です。 ACTとマインドフルネスの違い ACTとマインドフルネスは若干違うので、その違いについても説明しておきます。 ACTでは、自分の経験を受け入れていくことがポイントになります。 今この瞬間に集中して、自分の価値観に従って行動することで人生を切り拓いていきます。 マインドフルネスは判断することなくすべてを受け入れますが、ACTは有効性至上主義で使えるものは何でも使います。 自分の思考や感情など、自分の人生に役に立つものは何でも使って、使えないものは横に置いておくという考え方です。使えないものは事実であってもなくても意味はないものです。 そして、ACTは常に行動がベースなので、考えたり瞑想して終わりではなく、そこからどんな行動を起こすのかということが重要になります。 ACTは特定の考え方や信条を勧めるものでもありません。 例えば、ACTは集中しなくてはいけないとは言いません。集中することがあなたにとってメリットがあるのであれば集中しましょうと言います。 大事なのは自分にプラスになるかどうかであり、特定の考え方を押し付けてはきません。 ですから、ACTにとってマインドフルネスは道具にしか過ぎません。 瞑想や呼吸やマインドフルネスに目的を持たないでください。 自分のネガティブな状況やメンタルを改善しようと思いACTを使ってしまうと、余計に問題が大きくなってしまうことがあります。 ACTもマインドフルネスも確かに集中力が上がりますが、目的はあくまで目の前のことに集中することですので、その副産物として集中力がついてくるだけです。 感情のコントロールが上手くなったり様々なメリットがありますが、それもあくまでおまけだと考えてください。 ここまでACTとマインドフルネスの考え方について解説させてもらいました。 ここから先は、実際にコネクト・ウィズ・モーメントのトレーニングについて解説していきます。 今この瞬間に集中して人生をより良い方向に進めていきたい方は、ぜひ続きもチェックしてみてください。  

一問一答「あなたは、最近どんなことをしている時に、時間を忘れて夢中になりましたか?」【コネクト・ウィズ・モーメント】

一問一答「あなたが何も手につかないくらいネガティブな感情になるのはどんなときですか?」【エキスパンション】

あなたが何も手につかないくらいネガティブな感情になるのはどんなときですか? 今回は、ショックなことがあると何も手につかなくなるという方の相談をもとに、瞑想の応用で、嫌な感情や衝動さえも乗りこなすためのエキスパンションについて解説させてもらいます。 Q. ショックなことがあると何も手につかなくなることがあります。これはどうすればいいでしょうか? メンタルが落ち込んでしまった時に何もできなくなる傾向があるということだと思いますので、これに関しては、メンタルが弱い性格を変えるための方法について解説したこともありますので、長期的には、それも参考にしてもらいながらメンタルを鍛えるというのもいいと思います。 他のおすすめとしては、エクスプレッシブライティングがいいと思います。 自分の今の気持ちはネガティブな感情を思うままに書き出すことによって、自分のメンタルを落ち着かせるということができます。 8分ぐらい自分のネガティブな気持ちを書くだけで、そのネガティブな感情をコントロール可能なものにすることができるという研究があります。 運動や散歩ももちろんいいと思います。 運動や散歩はかなり心身のストレスを軽減してくれるものです。 以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。 より自分と繋がり、より自由に生きたい人の為の【エキスパンション】 ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)では、人間のネガティブな思考は止めることはできないから、それを止めようとするのではなく受け入れて、振り回されることなく生きていくことが重要だということを教えてくれます。 とはいえ、それを受け入れて距離を置いていても、ただ気にしないように無視しているだけでは、いつのまにかまた近づいてきます。 ですから、ネガティブな感情の居場所を与えてあげるというのが、今回解説させてもらうエキスパンションというテクニックになります。 これができるようになると、ネガティブな感情にとらわれるわけでもないけれど、飲まれてしまうこともない絶妙な距離感を保つことができるようになります。 ネガティブな感情は体のどこから起きているのか? ボディスキャン瞑想という体の様々な部分の感覚に注意を向けて行う瞑想があります。 例えば、足の甲・ふくらはぎ・太もも・腰・お腹・胸・首・肩・腕・手のひら・顔・・・と、体の様々な部分に順番に意識を向けて、体のどの部分にどのくらいの変化が起こっているかということを観察します。 手に力が入り緊張をしていることを感じたとしたら、ゆっくりとした呼吸に合わせてリラックスをさせることを意識します。 自分の体の緊張が表れている部分を探していき、ひとつずつリラックスさせていきます。緊張を感じていたら1箇所につき、ゆっくりとした呼吸を2回から3回行なって緊張をリリースさせていきます。 エキスパンションでは、このボディスキャン瞑想を使います。 自分のネガティブな感情が体のどこから発生しているのかをスキャンする遊びのようなものだと考えてください。 自分の体を使って感情を感じます。 人間はネガティブな感情を感じると体に変化が起きます。 例えば、嫌なことがあって気分が滅入っている時に、お腹のみぞおちの下あたりが重く感じるという感覚を感じたりする人もいます。 これを逆に捉えて、自分がネガティブな感情を感じたら、自分の体の変化に注目してどんな変化が起きているのかということに注目します。 嫌なことがあってネガティブな感情を感じた時に、何もしなければ、なんでそんなことをしてしまったのだろうかとクヨクヨと考えたりしてしまいがちです。 自己卑下したり余計なことを考える方向に進んでしまうのを防ぐために、体のどの部分で自分はネガティブな感情を感じているのだろうかということに注目します。 これによってネガティブな感情と適切な距離を取ることができます。 ボディ・アウェアネスワーク エキスパンションでは、ボディスキャン瞑想のように呼吸に意識を向ける必要はありません。 体のそれぞれの部位に1箇所につき10秒ずつ注意を向けるだけで結構です。 1. 足に注意を向けてください 2. 膝のあたりに注意を向けてください 3. 背骨の湾曲と自分の姿勢に注意を向けてください 4. 呼吸のリズムと深さに注意を向けてください 5. 腕の位置に注意を向けてください 6. 首と肩に注意を向けてください 7. 全身で、自分の体温がどの部分が暖かくて、どの部分が冷たいのかということに注意を向けてください 8. 全身の肌が触れている空気の感覚に注意を向けてください それぞれ10秒ずつ行なってください。 ここまでがウォーミングアップです。 このようにして体の感覚に注意を向けていると、かなりリラックスした感じがすると思います。 9. 頭からつま先まで全身をスキャンして不快感を探してください 自分の体の中で、緊張を感じている場所や痛みを感じている場所、不快感を感じている場所がないかスキャンしてください。 10. 頭からつま先まで全身をスキャンして心地よい感覚を探してください 続いては、同じように頭からつま先までスキャンして、自分の体の中で心地よい感覚を探してください。 なんとなく胃がすっきりしている感覚がするとか、いつもよりも足が軽い感じがするなど、どんなことでも構いません。 感情から始まる自分の行動をコントロールすることはできますが、自分の感情自体をコントロールすることは難しいです。 ネガティブな感情を感じたら、まずは、ディフュージョン(脱フュージョン)で、頭の中で考えていることと、実際に起きている出来事はまったく別のものだと考えられるようにします。 それによってネガティブな感情と距離を置きます。 そこで 、このボディ・アウェアネスワークによって、「自分の体のどこがネガティブな感情を感じているのか ?」スキャンして探すようにしてください。 これはネガティブな感情だけでなく、ポジティブな感情も含めて、自分で何かしらの感情を感じた時にそれぞれを行ってみてください。 そうすると、自分が失敗して後悔した時に体のどこにどんな変化が起きるのかとか、嬉しいことがあってワクワクしている時には体のどこにどんな変化が起きるのか、やる気が出なくて行動したくない時に体のどこにどんな変化が起きるのかなどが理解できるようになります。 自分の感情を体で感じる! これができるようになると、自分のネガティブな感情が体のどこから生まれるのかということが考えられるようになります。 そうなると、その時点でネガティブな感情に飲まれることがなくなっています。 一歩引いて自分の体を観察することで、ネガティブな感情に飲まれることなく対応することができるようになります。 例えば、なんとなくやる気が出ないという時も、ボディ・アウェアネスワークで自分の体に注目すると、ネガティブな感情に振り回されることなく行動することができるようになります。 それによって物事を習慣化することもしやすくなりますし、仕事でも勉強でもパフォーマンスが安定してきます。 常にポジティブな状況ややる気を保つことは無理です。 それを考えるよりも、自分がネガティブな状況に苛まれた時にどうすればいいのかということを知っておくことの方が重要です。 その方法が、自分の感情を肉体で感じるボディ・アウェアネスワークです。 余計な思考に惑わされないためのおすすめ 幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門 (単行本) 同じ体験をしても心から楽しむことができる人もいれば、それを歪んで捉えることでネガティブに考えてしまう人もいます。 このように人間は物事を歪んで見てしまうと、どんどん自分から不幸になっていくものです。 それを防ぐにはどうすればいいのかということを解説してくれている本になります。 相手は変えられない ならば自分が変わればいい: マインドフルネスと心理療法ACTでひらく人間関係 (単行本) 特に、恋愛で相手との問題に悩む場合にはこちらの本が参考になります。 恋愛の関係でも人間関係でも同じですが、そこで起きる問題というものは、実際には自分が考えているほど相手は問題だと思っていないことがほとんどです。 ですが、自分が問題だと思い込んでしまうと、勝手に自分で距離を取り始めてしまいます。嫌われると怖いと考えて距離を取ってしまい、自分の内側のことをあまり言わないようにしようと思ってしまいます。 そうなると、相手からすると、自分のことを信頼していないとか自分のことを嫌っていると違う感情を抱くことになってしまいます。 ですから、自分の中の心配や認知の歪みを取り除くことが必要です。 自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる ――マインドフルネスと心理療法ACTで人生が変わる (単行本) 自信がないために他人に流されたりリスクが怖くて挑戦できない人には、こちらの本がおすすめです。 それぞれ自分の状況や求めることに合わせて、ぜひチェックしてみてください。 ここから先は、エキスパンションについて、さらに具体的な練習方法から大切なポイントまで解説していきます。 余計な感情や衝動に惑わされることなく、常に安定したパフォーマンスを保ちながらチャンスを掴んで成功したい人は、ぜひ続きもチェックしてみてください。  

一問一答「あなたが何も手につかないくらいネガティブな感情になるのはどんなときですか?」【エキスパンション】
科学的根拠に基づいた知識の実験、実践コミュニティ!〜メントレラボ〜

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著者イメージ

メンタリストDaiGo

慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。 人の心を作ることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとして数百のTV番組に出演。その後、活動をビジネスやアカデミックな方向へ転換し、企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授として活動中。著書累計300万部。

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