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一問一答「あなたが守りたい正義は何ですか?」【説得型論破の技法】
2022-10-22 12:00330ptあなたが守りたい正義は何ですか?
今回は、スピリチュアルの人を黙らせたいという方の相談をもとに、相手にNOという隙間を与えないための説得型論破について解説させてもらいます。
Q. スピリチュアルな人を黙らせる方法を教えてください。
こちらはリチャード・ドーキンス博士というイギリスの有名な方が書かれた本ですが、キリスト教がベースの国で神様は妄想だと、欧州においてはかなり珍しい考え方をもたれている方の本です。
科学的に宗教というものについて考え、僕たちに妄想に頼って生きている場合ではないということを教えてくれる素晴らしい本です。
論理的に神を否定して、であれば何を信じて生きていけばいいのかということを教えてくれます。
これは普通に読み物としてもとても面白いですし、宗教との決別がテーマになっていますので、スピリチュアルっぽい人を論破する時にも使えますし、マルチ商法や引き寄せの法則などが好きな人を秒速で論破することもできます。
それぐらい深い議論がされている本なのでよければチェックしてみてください。
神は妄想である―宗教との決別
コミュニケーションで優位に立てる6種類の論破テクニック
心理学的には、論破ではなく論理的誤謬と言います。
つまり、論理的には間違っているけれど、なぜか納得してしまったり、言い返せないコミュニケーションテクニックです。
いわゆる詭弁やレトリックと言われているものです。
論破と詭弁のおすすめ本
今回のおすすめの本としても、論破や詭弁のテクニックについて参考になる本を紹介しときます。
レトリックと詭弁 ─禁断の議論術講座 (ちくま文庫)
こちらもとても参考になりますし、特に言い負かされたくないという人は読んでおくといい本だと思います。
反論の技術―その意義と訓練方法 (オピニオン叢書)
何か言われた時に言い返すことができないという人は、反論の技術を学んでおくことで対応できるようになります。
そのためにはこちらの本が役に立つと思います。
1. 循環論法
結論を根拠として使う話法です。
結論と根拠で、言っている内容は同じだけれど、表現の仕方を変えて使います。
人は相手の話を聞く時に、結論と根拠がどれだけ理にかなっているかということに注目します。
冷静に考えると、結論も根拠も同じことを言っていても気づかない人が多いです。
表現を変えてるだけで、同じことを言っているわけですから、「確かにその通りだ」と納得してしまいます。
ですから、伝えたいことがあるのであれば、その結論を表現を変えて根拠としても使うわけです。
例えば、難しいテーマではありますが、中絶が合法かどうかという議論があったとします。
ここで循環論法を使うのであれば次のようになります。
(※あくまで例ですので、その判断や主張をするものではありません)
「女性には子供を産むかどうか選択する自由がある。だから、中絶は合法であるべきだ。」
結論を根拠にします。
「中絶は合法だ」と言うだけであれば論理的に説得できないので、「女性には子供を産むかどうか選択する自由がある」「誰にだって自分で人生を決める自由がある」という当たり前の結論を根拠として使います。
中絶するかどうかというのは、当然、子供を産むかどうかの選択です。
同じことを言っているだけなのに、表現を変えて納得させる話法です。
この結論と根拠をもう少し離して使うこともできます。
「人間には誰しも自分の人生を自分で決める権利がある。あなたにもその権利があるし、私にもその権利がある。自分の人生を他人に決められたり強制されることはあってはならない。自分の人生は自分で切り開いていくものだから。ですから、女性にも自分の子供を産むかどうかを選択する自由があるはずだ。だから、中絶は合法としておかなければならない。」
つまり、人間が自分の人生を自分で決める自由という話をして、その中に女性が自分の子供を産むかどうか選択できる自由について触れます。
それを根拠として、中絶は合法にするべきだという結論を主張するわけです。
2. お膳立て
まずは相手が反論できないことを先に言って、それに続いて自分の言いたい主張を述べるテクニックです。
本来の議論をする前に、相手が反論できない話をして認めさせます。
例えば、アメリカ政府がテロ行為に関係があると疑われる人の iPhone をハッキングするために Apple に協力を求めたことがありましたが、それに対して Apple は断って、「 Apple はテロリストに協力するのか?」という問題が起きたことがあります。
この問題について、 Apple に否定的な主張をする人を論破するのであれば次のようになります。
「その前に前提として、一般的に考えて無実の善良な市民のプライバシーを政府が勝手に覗くことに関してはあなたも反対ですよね?」
この質問に対して相手は当然合意するはずです。
認めさせた上で、次のように主張します。
「ということは、テロリストと思われる理由で iPhone をハッキングできるようにすると、その可能性があるというだけで一般の人の iPhone を覗くこともできてしまうので、それは問題だと思いませんか?」
これは会社の中でも使えます。
例えば、新しい企画に否定的な上司や同僚がいて説得したいのであれば次のようになります。
「その前にまずは確認したいのですが、大前提としてここにいる皆さんは、我が社の発展とさらなる利益を追求するためにここに集まっているという認識で間違いないでしょうか?」
自分の会社の利益を願っていない人なんていません。
それを納得させた上で、その目的達成のために自分たちの新しい企画があり、それにより更なる発展を目指すことができると説得します。
人は前提となる部分や前置きを否定しないと、本論の部分を否定することもできません。
3. 自明性
自分の意見がすでに自明で世の中や業界に広く受け入れられていると匂わせる話法です。
説得する相手が複数いる一対多数の場合に使える方法です。
人は皆が同じ意見を持っている時に、自分だけ違う意見を持っているとは言いづらい性質があります。
周りの人はみんな知っているのに、自分だけ知らないというのは怖いものです。
ですから、学校でも先生の話をみんな理解している時に、自分だけ理解できていなくても、それを言い出しづらくて手を挙げることもできなかったという経験がある人も多いはずです。
例えば、次のような前置きを使います。
「この件については皆さんもすでに周知の事実だと思いますが…」
「この件については最近のビジネス誌でも良く紹介されているので、当然皆さんもご存知だと思いますが…」
「この方法は様々な研究でも成功例が確認されている方法ですが…」
ここから先の残りの3つについては、会員限定で紹介していきます。
誰かの考え方や態度を変えたい、どうしても説得したい相手がいるという方も多いと思います。
ぜひ続きもチェックしてみてください。
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一問一答「あなたは、どうすれば余計な議論をしなくて済むと思いますか?」【回避型論破】
2022-07-30 12:00330ptあなたは、どうすれば余計な議論をしなくて済むと思いますか?
今回は、その場で反論できず後で悶々としてしまうことが多いという方の相談をもとに、理論をスルーしつつも議論に勝つ回避型論破について解説させてもらいます。
Q. その場で反論できず後で悶々としてしまうことが多いです。どうすればいいでしょうか?
これは、対人不安克服法を学んでいただけたらと思います。
人に敵意を向けられると、やはり、ドキッとしますし、モヤっとするものです。
相手をとことん打ちのめしたいというのであれば、論破のテクニックを使ってもらっても構いませんが、緊張するせいで、言い返すことができないということですから、瞑想と運動がいいと思います。
すぐにできる方法としては、リアプレイザルがおすすめです。
何かを言われて感情的になったりパニックになった時には、一旦自分に言い聞かせるようにしてください。
今自分は、自分の大事なプライドや仕事、大事な価値観を攻撃されたので、自分の体は自分のその大事なものを守るために、体中にエネルギーを送ってくれていると考えてください。
その体中に巡ったエネルギーで、相手と向き合い戦うことができると考えてください。
それを考えるだけで言い返しやすくなります。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
話を聞かない相手の態度を変える「認識論的質問」
論破や議論に勝つための方法については過去にも色々と紹介したことがあると思います。
相手の考え方を変える方法については、これまでにもいろいろと解説してきました。
▼相手に気づかれず自然と考えを変える方法
一問一答「あなたが信頼関係を一番築きたい相手は誰ですか?」【やわらかい交渉術】
▼論理の穴を見抜いて冷静に対処するための方法
一問一答「あなたが最近つい惑わされてしまった情報とはどんなものですか?」【欠陥理論の見抜き方】
結構強力な方法も紹介したことはありますが、これは誰かを打ち負かしたいという人ではなくても、その方法を理解しておくことでもし論破されそうになった時にそれを打ち返すということも出来るようになるものではあります。
そもそもそんな論破をしたり激論を交わしたりしたくないという人もいると思います。
さらに、論破をしなくてはいけないような頭の悪い相手に何を言っても無駄だということもあります。
論破して勝ったところで実は手に入れることができるものは少ないものです。
テレビやドラマで論破しているシーンを見ると気分が良くなったりエンターテイメントとしての要素はありますが、誰かを論破したところで相手は態度を変えることはないでしょうし、言い負かしたところでそれによるメリットは大してありません。
論理的誤謬というものですが、論破する際の論の中には矛盾があります。
論破で使われる理論というものは、何かを極端にしたり強調したり、そもそもの前提を変えたり、議論を誘導したり様々なテクニックがあり、これはいわゆる説得のテクニックとは全く違うものです。
論理的ではないにも関わらず、相手や周りになんとなく論が通っているように感じさせるテクニックが論破です。
ですから、論破は論が強い人が勝つのではなく論破の方法を知っている人が勝ちます。
皆さんがコミュニケーションの中で論破されて不快な気分にならないために論破のテクニックを知っておくというのはとても重要なことだと思います。
11の回避型論破法
1.「ポリアンナ」話法
これはどんなこともポジティブに解釈して議論を無効化するというテクニックです。
人間がもっとも否定しにくい側面を使って相手を論破すれば、それにより皆さんが批判の対象になる可能性は非常に少なくなります。
それができるのがこのポリアンナ話法というテクニックになります。
このポリアンナ話法を普段の会話の中で使うととてもポジティブで良い人のように見えます。
何か大変な状況があった人に対して、前半部分で「それは大変でしたね」と相手に対する共感を示した上で、「それでも、〇〇にならなくてまだマシだし良かったね」と続けると励ましになるのでとてもいい人だと思われます。
例えば、「このプロジェクトには絶対に問題があるし、あの上司の考えにはどうしても納得いかない!あなたはどう思う?」と言われたとしたら、「確かにその気持ちはわかります。でも、僕たち会社だけはブラックでなくて良かったですね」と返します。
その上司はブラックだけれど会社はホワイトだから良かったと返すわけです。
特にこれは周りに人がいる時にとても使えます。
これは親戚との間の問題や噂が広がりやすいママ友とのやり取りで使えると思います。
このようなコミュニティの中で人の悪口や文句に対して変に同調してしまうと、面倒に巻き込まれてしまう可能性があるのですべてをポジティブに返します。
人はネガティブな言葉を使うとその言葉が他人に向けられたものであっても自分にイメージが乗っかります。
その場にいない人の批判をしている人がいたとしたら、そのネガティブなイメージはそれを発言している人に乗っかるということです。
だからこそ、そのような批判に対してはポジティブに返した方がいいということもあります。
これは癖にしておくと仲間からは印象よく思われますし、敵がいたとしてもやりにくい相手と思われて余計に絡まれることがなくなります。
論破することもできないし突っかかってくることもないし相手にされていないわけでもないという状況になるので、面倒な人に絡まれたり巻き込まれることがなくなると思います。
2.「無知の装い」話法
これは「判断する立場にない」と返す方法です。
例えば、相手が明らかに正しいことを言っているけれど、それを押し通すために全力で論破しにかかってきているとします。
そのような時に、「確かにあなたの意見は正しいかもしれないけれど、私はそれを判断する立場にない」と答えます。
他には、「興味がない」「それを考える時間が惜しい」という返しもできます。
「それを考えるぐらいであれば、自分にはもっとするべきことがある」と返すのは結構強力です。
相手にとっては悲しいかもしれませんが、それ以上絡まれなくなります。
相手を論理的に叩き潰すのではなく、論理的に戦わない方法です。
相手の主張に対して意見すれば議論になってしまいます。
相手の意見に Yes と言っても No と言っても議論になるだけです。
そもそも Yes とも No とも答えないための方法です。
3.「メタすり替え」話法
相手に言い負かされそうになったら、相手の問題よりも大きな視点で返す方法です。
相手が議論している視点よりもさらに大きな視点での問題を出して、相手に議論させないようにします。
例えば、ママ友が他の誰かの間違いを指摘して悪口を言っていたとします。
それに同調を求められたとしたら、「それはともかく、人間というものはそもそも間違える生き物ですよね」と返したりします。
「間違える生き物である人間が、どうすれば間違わないようになるのか話し合いませんか?」と言われると、そもそも相手の議論自体できなくなります。
哲学的な話になると面倒な人に思われて、それ以上話は進まなくなります。
面倒な人にネットワークビジネスに誘われて、一緒にお金を稼ごうと絡まれていたとしたら、お金を稼ぐことよりも、そもそもお金と幸せについて話し合わないかと返すこともできます。
一緒にお金を稼ぐかどうかよりも、その遥か先のお金と幸せについて話をしようとすると、さすがに相手は黙ってしまいます。
これは相手からするとかなり厄介ですが、なかなか否定することはできません。
ほとんどの議論はチャンクを一気に上げると、誰も否定することができなくなってしまいます。
普遍的な話で返す方法です。
4.「質問返し」話法
相手の議論に対して答えたくない時に質問で返す方法です。
例えば、相手から「要求を認めるべき理由をひとつでもいいから言ってみろ」と言われたとします。
それに対して、「逆に、その要求を認められない理由は何ですか?」と質問で返します。
質問に質問で返すと、「質問に質問で返すな」と反論してくる人もいます。
それに対しては、「ちょっと待ってください、自分は質問に答える気はないのに質問してきているということですか?」と返してください。
質問されたからといって全てに答える必要はありません。
律儀に質問に全て答えなくてはいけないと思っている人もいますが、そもそも答えなくてもいい場合があるということを覚えておいてください。
他には、質問の意図について質問し返すという方法もあります。
どんな意図や狙いがあってその質問をしているのかと質問で返すこともできます。
あるいは、「その質問をして私がどう答えることを期待しているのですか?」と質問で返すこともできます。
これは特に複数人で議論している時に効果的です。
論破について学ぶためのおすすめ本
今回のおすすめの本としては、そんな論破について学ぶために役に立つであろう2冊を紹介しておきます。
こちらもとても参考になりますし、特に言い負かされたくないという人は読んでおくといい本だと思います。
レトリックと詭弁 ─禁断の議論術講座 (ちくま文庫)
何か言われた時に言い返すことができないという人は、反論の技術を学んでおくことで対応できるようになります。
そのためにはこちらの本が役に立つと思います。
反論の技術―その意義と訓練方法 (オピニオン叢書)
回避型論破では、自分が何かを主張する必要は一切ありません。
面倒な相手や厄介な議論をスルーするテクニックです。
議論したり論破しようとしてくる人は、自分に矛先を向けられるととても脆いものです。
今回の回避型論破のテクニックを使うと、ほとんどの相手は対処法を用意することができていないので、簡単に黙らせることができます。
面倒な相手をやり過ごすために、ぜひ続きもチェックしてみてください。
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一問一答「あなたが最近つい惑わされてしまった情報とはどんなものですか?」【欠陥理論の見抜き方】
2022-07-14 13:20330ptあなたが最近つい惑わされてしまった情報とはどんなものですか?
今回は、コロナワクチンについての相談をもとに、論理的に物事を考え話し合いや議論をするための「欠陥理論」の見抜き方について解説させてもらいます。
自分の考えに同調して欲しくて自分の強い思いや極論をぶつけてくる人がいます。
世の中には間違った情報も溢れています。
今回は、何が正しいのか? ということではなく、その情報を冷静に捉えて自分の頭で考えるために参考にしていただけたらと思います。
Q. コロナのワクチンについてどのように考えていますか?海外では義務化になっている国もあったりしますが、ワクチンで死んでいる方もいると聞きます。
そもそもマスコミのことはそんなに信じていませんが、ワクチンで死んだかどうかということはなかなか断定が難しいです。
仮にですが、10万人ワクチンを接種して200人死んだとしても、それでコロナを抑え込むことができるのであればいいのではないかというのが残念ながら全体的に見た世の中の考え方です。
これが民主主義でもありますし、皆さんも多数決で決めることがあると思います。
これは多数の人の幸せを優先して少数の人の幸せを諦めることです。多数決は多数派による独裁とも言えますので、ワクチンを打った方がいいという人が多数派になれば義務化されることもあるかもしれません。
ワクチンの危険性という点では、過去に子宮頸がんのワクチンの問題がありました。
このワクチンを接種した後に女の子がギランバレー症候群になるということが起きました。
これもメディアが当時かなり騒ぎましたが、その後に日本人のみを対象にした名古屋スタディという研究によって相関性がなかったということが証明されています。
この名古屋スタディはこのワクチンの危険性を証明しようと思い始まった研究でしたので、その点では信用できるものだとも思います。
もちろん、そのギランバレー症候群になった女の子はかわいそうだと思いますし治って欲しいと思います。
ただ、それはたまたまワクチンを打ったタイミングと発症したタイミングが重なっただけで、そこに因果関係はなかったということです。
その事実がどうなのかはわかりません。ただ、それを安易に結びつけてテレビがネガティブキャンペーンを行いました。
その結果、先進国では子宮頸がんで死ぬ人はほとんどいないのに日本ではまだいます。
結果的に、死ななくてもいい命がたくさん死んでいます。
個人的には、助かる命が多いのであれば採用するべきだと思いますし、僕はワクチンも打っています。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
論理的な思考のためのおすすめ本
論理的な思考について学ぶのであれば有名なのがこちらの本です。
仕事にも使えるような論理的な思考を身につけるために役に立つと思います。
イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」
世の中にはおかしなことはたくさんあります。
それをクリティカル・シンキングによって違う視点で見ることで、自分を守るためにも役に立つのがこちらの本です。
多角的な視点を持ち、お金や投資や人生の大切な判断で間違わないためにとても参考になります。
まどわされない思考 非論理的な社会を批判的思考で生き抜くために The Irrational Ape (角川書店単行本)
論破や詭弁のテクニックについて参考になる本も紹介しておきます。
何か言われた時に言い返すことができないという人は、反論の技術を学んでおくことで対応できるようになります。
そのためにはこちらの2冊が役に立つと思います。
レトリックと詭弁 ─禁断の議論術講座 (ちくま文庫)
反論の技術―その意義と訓練方法 (オピニオン叢書)
「欠陥理論」:論理の穴の見抜き方
皆さんが会話をしたり議論をしたりする時に、冷静に考えればおかしいことなのに、なぜかそのまま話が進んでいくという状況を経験したこともあると思います。
冷静に考えればわかるはずなのに、なぜか皆が納得したまま話が進んでいってしまいます。
このような状況を生み出す話し方について解説させてもらいます。
この話し方の癖を皆さんが持っていたとしても、それを改善する必要はおそらくありません。
なぜかと言うとほとんどの人が気づかないからです。
これは論破のテクニックとして使うこともできると思います。
自分の発言に説得力を持たせたり信憑性を持たせることが難しい時に使える話し方です。
ですが、これを議論の中で相手が仕掛けてきた場合には、それに気づくことができれば、そこはウィークポイントですから対処することができるようになります。
あるいは、世の中や会社の中の議論や話し合いの中で、もしこれが使われているのであれば、これもそこがウィークポイントということですから、その部分を狙って自分が論を組み立てることもできます。
もしビジネスアイデアでこれが使われていたら、その部分を補うようなアイデアを考えることで、ビジネスをより強く育てることもできます。
つまり、論理的に弱い部分を見つけるための方法が「欠陥理論」というテクニックになります。
論理的に物事を考え発言することができれば、周りからは頭がいい人だと思われ、ビジネスであれば優秀な人だと判断されやすくなります。
論理の穴を知っていると説得力を持たせた話し方もできます。
多くの議論では論理に穴が開いたまま話が進むものです。
皆さんが仕事をしている中でも、世の中で議論されていることでも、証拠が提示されているわけでもないのに、なんとなく言われてみればそれっぽいと理解したりします。
化粧品の広告でもニュースでも、このような情報は世の中に溢れています。
それを見抜くためにも役に立つテクニックです。
「欠陥理論」7つのパターン
パターン1 :矛盾
同じ議論の中で正反対の情報が示されるパターンを欠陥理論では矛盾と言います。
同じ議論や同じ人の発言の中で、真逆の情報が提示されていることは結構あります。
なぜか僕たちはそれに気づきません。
例えば、参考にしている文献で出てくる事例としては、「今学校は人員過剰で教員はそんなにいらない」と言いながら、その話の中で「スクールカウンセラーを増やす必要があります」というような発言です。
会社であれば、「人が足りない」と言いながら、「人件費にお金をかけすぎだ」というような発言をする人も結構いると思います。
これは直後に発言するのであれば、明らかに気づくことができると思います。
ところが、会議の仲や議論の中の違うタイミングで出してくる人が結構います。
例えば、「国は税金を取り過ぎだから私が無駄を削って税金を減らす」と選挙で発言していた政治家がいたとします。
ところが、当選した後には、「税収を増やして福祉を拡充しなければいけない」と言い始めます。
いわゆる手のひら返しのようなものですが、これを同じ議論の中で平気でしてくる人がいます。
これが矛盾というものです。
これは日常の中でも結構あります。
例えば、彼氏や旦那さんに対して「私と仕事のどちらが大事なの?」とか「私の気持ちは何でわかってくれないの?」と言う女性は男性の気持ちはわかっていません。
仕事を頑張っている男性の気持ちはわかっていないのに、自分の気持ちはわかってくれないと主張するわけです。
もちろん、男性も女性に対して同じようなことをしていることは結構あります。
これは間違わないでもらいたいことですが、この矛盾がない人はいません。
よほど自分の信念をしっかり持っていたり、それぞれの物事に対して自分の判断基準を明確にしている人でなければ、誰でも少なからず矛盾はあります。
自分にとってそんなに大切ではない部分や、普段から価値基準を明確にするほどではないと考えている部分に関しては、人は誰でも一貫性はないこともあります。
基本的には矛盾が多いのが人間です。
それを殊更に指摘することで議論を有利に進めることができるテクニックです。
パターン2 :偶然
その議論が例外に基づいていることを認識していない、あるいは、それを認識しながらもそれを隠しているパターンです。
偶然その結果が出ているだけなのに、それをあたかも因果関係があるかのように主張するというものです。
例えば、テレビに広告を出したからその商品が売れたかどうかはわからないのに、テレビに広告を出した後に商品の売上が上がっているから広告の効果があったという発言です。
データで検証しない限りは、本当にそれが効果があったのかどうかはわかりません。
偶然、どこかの有名人が SNS で紹介していただけかもしれません。
それを単純に捉えて因果関係があると主張してしまうパターンです。
あるいは、それに気付いていながら因果関係があるかのように表現する手法です。
これはあまり質が良くない論文でもよくあります。
例えば、運動能力と成績が良い学生を標準として使い、スポーツ訓練がすべての学生の学力向上に必要不可欠だと主張するような論文です。
もちろん、心肺機能が学力につながるということはありますが、元々運動能力と成績が良い学生を集めているだけなのに、それをもとにそこに関連性があるとまで主張するのは間違っています。
母集団の中にあった偶然をあたかも因果関係があるかのように見せるパターンです。
ここから先は、欠陥理論の続きについて解説させてもらいます。
ぜひ続きもチェックしてみてください。
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(再配信)【超論破力】禁断の論破テク!人身攻撃入門
2020-04-16 11:50306pt今回は論破のテクニックです。
論破というものは論理的な説得というものもありますが、世の中には論理が通じない人も少なくないわけです。
ですから、論理的な説得に関しては説得力の科学などで紹介してきましたので、そちらを参考にして頂くとして、今回はわりとタブーとされやすい論破のテクニックについて紹介します。
いわゆる詭弁というもので、論理的に説得をするというよりは、相手を詭弁により叩きのめすということを目的にした論破のテクニックです。
自己防衛のための詭弁の心理学
これは相手を詭弁で論破するべきだということではなく、論破されないためには相手の手の内を知っておく必要があります。
相手が詭弁で皆さんを論破しようとしてきた時には、そのテクニックを把握していて冷静にそれについて説明すれば、相手は手の内をばらされることになりますので、相手の詭弁による攻撃をわりと簡単につぶすことができるようになります。
お勧 -
【超論破力】禁断の論破テク!人身攻撃入門
2020-01-24 11:50306pt今回は論破のテクニックです。
論破というものは論理的な説得というものもありますが、世の中には論理が通じない人も少なくないわけです。
ですから、論理的な説得に関しては説得力の科学などで紹介してきましたので、そちらを参考にして頂くとして、今回はわりとタブーとされやすい論破のテクニックについて紹介します。
いわゆる詭弁というもので、論理的に説得をするというよりは、相手を詭弁により叩きのめすということを目的にした論破のテクニックです。
自己防衛のための詭弁の心理学
これは相手を詭弁で論破するべきだということではなく、論破されないためには相手の手の内を知っておく必要があります。
相手が詭弁で皆さんを論破しようとしてきた時には、そのテクニックを把握していて冷静にそれについて説明すれば、相手は手の内をばらされることになりますので、相手の詭弁による攻撃をわりと簡単につぶすことができるようになります。
お勧
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