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一問一答「あなたが、今乗り越えたいことはどんなことですか?」【レジリエンス強化法】
2023-01-07 12:00330ptあなたが、今乗り越えたいことはどんなことですか?
今回は、自分をバカにしてくる人についての相談をもとに、まさに今先が見えない時代に、困難を乗り越えていくためのレジリエンスを高める方法について解説させてもらいます。
「Q. 学校で自分をバカにしてくる人がいます。どうすればいいでしょうか?」
学校でも職場でも、愚かな人たちに苦しんでいる人たちも結構いると思います。
理不尽な上司に苦しんでいるような人たちもいるでしょうが、上と戦っても得をしないことが多いです。
僕のように発言することで社会問題に発展させるということもなかなかできないでしょうから、そういう人は自分のメンタルを強くして、その状況を乗り切り、その先で自分が成功した時に見返してやるということを考えるしかありません。
そのためには心の回復力であるレジリエンスについて学んでみてください。
これは特に学生の頃やできるだけ若いうちに身につけておくといいのではないかと思います。
周りにバカにされながらも前に進むためにはレジリエンスが重要です。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
困難に立ち向かい乗り越えるために
今回はレジリエンスについてです。
特に、今とても大変な時代になっていますが、しんどいことを乗り越え、辛いことを乗り越えて自分の人生を生きようと考えても、大抵の人は、乗り越える以前に立ち向かうことができていません。
挑戦することが大事だと言ったり、とにかくどんなことでもすぐに始めることが大事だとよく言われますが、僕たちは、それに手をつけなくてはいけないということがわかっているのに、ほとんどの人が、「わかっているけれどできない」と言います。
それは「できない」ではなく「していない」です。
このようなことが起きるのは立ち向かう力が著しく低いからです。
自分のストレスに負けてしまったり、新しいことを始める時に、立ち向かおうとする気すら起きなくなってしまいます。
これは自分には立ち向かう力がないと思っているからです。
結果がどうなるかについては、後から現実化していけばいいことですから、まず最初に立ち向かう気になるために、立ち向かう力をどのようにして身につければいいのかということを今回は紹介します。
心理学でレジリエンスという言葉があり、直訳すると回復力というような意味になりますが、元々は物理用語で変形したものが元に戻るというような意味合いです。
折れた心を元に戻す力がレジリエンスと言われています。
このレジリエンスが低い人は、自分の心が折れたり失敗した時に、それを自分の力に変えていく自信がありません。今までそういうことをしたこともないので、そんな感覚すら持つことができません。
当然ですが、一度も失敗することなく何かを達成するような人はいません。
失敗してはもう一度頑張り、また失敗しては頑張るということを何度も何度も繰り返して、その先に何かを乗り越えるという結果が待っています。
境界線があり、それを一歩踏み出して乗り越えるだけで成功できたというようなことはありません。
成功するかどうかということは後からしかわからないことですから、そんな中でも進んでいけるかどうかということが大事になります。
もしかすると、自分が失敗への第一歩を歩んでいるのかもしれないけれど、それを乗り越えていくことができるかということが大事なわけです。
この乗り越えるということは問題を解決するということではなく、問題というものは結果的に解決されるものであり、重要なのは、自分が失敗するかもしれないとかうまくいかないかもしれないという恐怖心を乗り越えることで、そのためにはレジリエンスが必要です。
もし失敗しても取り戻すことができるし、なんとかすることができるはずだという感覚がとても重要になります。
日常生活で行えるような簡単なちょっとした運動や習慣、考え方の変化などによってレジリエンスは結構変わってくるものなので、そんなちょっとした方法から、時間はかかるけれど皆さんの人生を変えてしまうぐらいの強力な方法まで、色々と紹介させてもらいます。
レジリエンスというものはストレスに対処する力とも関わってくるものですが、ストレスに関しては、まだストレスを感じていない段階で、これはひどいストレスになりそうだとか失敗しそうだとか思ったとしても、自分はそれを乗り越えることができるだろうと考え、実際にストレスがかかっても乗り越えることができる力がレジリエンスです。
このストレス対策を学びたい方は、今回のおすすめの本として『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』を読んでみてください。
ストレスを乗り越える方法について詳しく解説してくれていますので、こちらを参考にしてください。
スタンフォードのストレスを力に変える教科書 (だいわ文庫)
今回のレジリエンスについて学ぶのであればこちらの本が参考になります。
レジリエンス:人生の危機を乗り越えるための科学と10の処方箋
立ち向かうために心理学的に最も必要な行動とは
そもそも何かを乗り越えるレジリエンスは、トラブルに直面した時にそれをどう乗り越えるかということであり、 トラブルに直面しそうだとか失敗しそうだという時にそれをどう乗り越えるかということです。
よく世の中では、人生の大きな問題やトラブル、現実に立ち向かうべきだと言われますが、この立ち向かうということは具体的にどういう意味でしょうか。
この立ち向かうために心理学的に最も必要な行動とは何だと思いますか?
この立ち向かうとはどういうことなのかを知らないと、単なる根性論になってしまいます。
ほとんどの人が根性論で進もうとします。
我慢すればいい、耐えればいい、今このしんどい時期を耐えさえすればいつかは報われる、苦労した分だけいい人生が来るはずだ、このように皆思い込むし、そう思い込まされます。
なぜかと言うと、そう思い込んでいた方が得をする人たちがたくさんいるからです。
例えば、やりがい搾取も同様です。
給料はたいしてもらえないし、長時間労働でプライベートもなくなるけれど、このまま頑張っていけばきっといいことがある、昇進できるだろうし、お客様の感謝こそがすべてで自由やお金より大事だと思わされ、そのために苦労することが大事だと言います。
はっきり言って、自分が苦労もしないし労力も時間もかけず、効率的に物事を行うことによって、自分の人生や周りの人の人生も楽しくした上でお客さんの人生も楽しくして、さらに時間が余るような状況は作れます。
要するに、皆さんのことを都合よく使い利益を搾取しようと考えている人たちは、このやりがい搾取を使います。なぜかと言うとすごい綺麗な話だからです。
自分から自己犠牲するのであればまだいいかもしれません。自ら自己犠牲を払い誰かの役に立とうとしたり、何かに耐えることで誰かを楽にしてあげたいと考えるのは素晴らしいことです。
ですが、これは自分の内側からそれが湧き上がってきた時だけするようにしてください。
他人に誘導されたことによる自己犠牲は、搾取だと考えてください。
この搾取は、他人によって誘導またはコントロールされた自己犠牲のことです。
ほとんどの人は、自分の自己犠牲で誰かを助けていると考えますが、実際には搾取されているだけの場合があります。ここは明確に分けておかないといけません。
立ち向かう:「明確化する」
では、立ち向かうとはどういうことなのかと言うと、心理学的には、「明確化する」ということです。
ですから、僕たちが何かに立ち向かおうと思った時に、根性論や感謝、自己犠牲を持ち出し都合よく耐えようとしますが、それは違います。
何に立ち向かうべきなのか、そして、立ち向かった時に自分にどんなデメリットがあり、どんな苦しみや障害があり、どこをどのように乗り越えてどこまで行けばいいのかというように、自分が立ち向かう相手を明確化することこそが、実は、レジリエンスを高めてくれます。
自分が嫌なことをとりあえず我慢しようとか、感謝の気持ちを持てばなんとかなるというようなことを思いがちですが、実際にはそうではありません。
明確化することで、対処しやすくすることによって、自分の力でもその問題を解決することができるとか、自分の力でもその問題に対して立ち向かい乗り越えることができるかもしれないと思えるぐらいまで、ブレイクダウンして明確化することがとても重要です。
大抵の人は、対処できないことに対して2つの道をとります。
逃げて現実逃避するか、なんとかなるだろうと思い何もしないです。
ここがポイントで、なんとかなるだろうと思うことは悪いことではありませんが、それにより何もしないことが危険です。
皆さんにはぜひ3つ目のルートをとってほしいと思います。
この3つ目が「明確化」です。
自分が何をするべきなのか、どこから手をつければ進めるのかということを知ることこそがレジリエンスを身につけるための方法です。
根性論ではなく技術です。自分が対処できるレベルまで細かく明確化すればいいだけです。
対人関係のストレスがある人を対象にした興味深い研究があります。
自分にとって嫌なことやネガティブなこと、ストレスになるようなことは、徹底的に考えて具体化することによってストレスが減ります。
何かに対処しなくてはいけなくなった時に目を背けたり、なんとかなるだろうと考えてしまう人が多いものですが、実際には、考え抜いて細かく切り刻み、自分が使うことができるレベルまでブレイクダウンした方がはるかにストレスが減ります。
研究では、例えば、上司ともめてしまい会社内での立場が危うくなっている人や、大事な家族と大喧嘩してしまった人など、人間関係のトラブルに直面している人たちを集めて、その人たちの考え方を変えることによって、人生においてぶつかっているその問題を自分の力でどれぐらい乗り越えることができるようになるのかということを調べています。
実際に、その参加者にしてもらったことは、そのトラブルの様子を徹底的に思い出してもらったというだけです。自分がどんなトラブルを起こしたのかということを事細かに思い出してもらいました。
例えば、夫婦の喧嘩であれば、どのようにその喧嘩がスタートしてしまったのか、その時自分がどのような対処をしたのか、正確にどのような言葉が飛び交ったのか、感情を表す声のトーンはどうだったのか、というようなことまで徹底的に細部まで自分のトラブルを思い出してもらいました。
つまり、相手の対応と自分の対応、相手の感情と自分の感情、相手の声のトーンと自分の声のトーンはどのようなものだったのか、どのような始まりをしてどのように展開していったのかなどをできるだけ細かく分析するような感覚で思い出してもらいました。
普通の人はなかなかここまでしないと思います。
大抵の人は、このような喧嘩をしたという場合であれば、なんであんなことをしてしまったのだろうかとか、あの時間に戻ってやり直すことができたらいいのにというように後悔するだけです。
具体的に細かく思い出すと、ここは良かったけれどここは良くなかったというように良いところと悪いところが思い出されるものですが、乗り越えることができない人たちは、悪いところばかりを思い出して、それに対してざっくりとした後悔をします。
このようなざっくりとした後悔をすると、具体的に何をすればいいのかということを思いつけないので、現実逃避を始めてしまいます。
それにより、あの時にああすれば良かったというような今更どうにもならないことを考えます。
研究では、このような徹底的に最後まで思い出すというトレーニングを6週間続けています。
6週間の間、徹底的に細部まで思い出すということを行ってもらい、その6週間の間にももし新しい揉め事が起きた場合には、それについても細部まで思い出し記録してもらうということをトレーニングとして行いました。
その結果とても強烈な結果が確認されています。
このトラブルを細かいところまで思い出すトレーニングを行ったグループは、それだけで、ストレスや困難に立ち向かう能力であり、折れた心を元に戻す能力であるレジリエンスが高まったということがわかっています。
レジリエンスで過去を未来に繋げる
人間は過去の後悔を思い出したり傷ついた経験を思い出したりするものですが、重要なのは、より細かく思い出すことによって過去を未来につなげることです。
この過去を未来につなげるということがどういう意味なのかと言うと、それこそがレジリエンスです。
つまり、過去に自分が色々なトラブルに巻き込まれたことを細かく分析して、細部に注目することにより、僕たちは初めてそこから学ぶことができます。
過去の失敗から学ぶということは、過去の失敗から学び、いい解決策を手に入れたり、自分の失敗ルートを理解することで失敗を未然に防ぐということだけでなく、物事に立ち向かうための基礎体力であるレジリエンスを鍛えるためにも使えるということです。
ですが、ほとんどの人がこれをしないので、同じようなミスを繰り返してしまうわけです。
これは考えれば当たり前のことで、レジリエンスが高まっていないわけですから、同じような問題が起きた時にすぐ逃げたくなってしまいます。
ですから、同じような問題で逃げたり現実逃避する人は、このレジリエンスが鍛えられていません。
なぜ鍛えられていないのかと言うと、この研究が示すように過去とちゃんと向き合うことができていないからです。
この過去と向き合うということは、出来る限り細かく具体的に分析して言葉にしたり記録するということです。
過去は自分を苦しめない!
問題に立ち向かうために具体的に考えると言われると、過去に起きたトラブルや過去の嫌なことをひたすら思い続けてしまう反芻思考を思い出す人もいると思います。
この反芻思考とレジリエンスを高めるための過去を思い出すということについては、そこに明確な違いがあります。
それは細いかどうかということです。
反芻思考は、昔の失敗や嫌な体験を思い出すことによってメンタルが悪化していくという現象です。
反芻思考に陥ってしまう人は、過去の自分が一番悪かったところや自分が引きずっているところを何度も何度も思い出します。
つまり、何度も同じところを思い出すだけで、その問題自体を明確に細かく分析したり、細かいところまで落とし込んだりすることをしません。
分析が甘いということです。
ここがポイントになります。
反芻思考
過去の自分の失敗を思い出し、ネガティブな感情が増えていく
レジリエンスを高める分析
過去の自分の失敗を自分の力で積極的に思い出し、客観的に考えていく
悪い反芻思考は、急に悪いイメージが思い出され、それにより嫌な感情が増えていくというもので、良い反芻思考は、自分の力でわざわざ辛い時に思い出そうとして、積極的かつ具体的に思い出そうとするものです。
ですから、悪いことを積極的に自分の力で思い出した場合に関しては、それはレジリエンスにつながります。
ネガティブな感情や思い出というものは立ち向かった方が力にすることができるということです。
思い出すのが怖いという人もいると思いますが、それは逆で、具体的に明確に思い出さないからこそ怖いわけです。
自分の調子がいいという時などに、悪い思い出が迫ってくる前に自分から戦いに行くことです。
これこそがレジリエンスを獲得して人生を変える大切な方法のひとつです。
過去が自分を苦しめることはありません。
本来は 、過去は僕たちのレジリエンスを高めてくれて、これからの未来のために助けてくれるものです。
ですが、消極的に過去を思い出すとそれができなくなります。
ここから先は、どのようにすれば過去に立ち向かうことができるのか、どのようにすれば過去に立ち向かうことによりそれを力に変えて、立ち向かう力を身につけていくことができるのかということをさらに詳しく解説していきますので、興味のある方は、ぜひ続きをチェックしてみてください。
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一問一答「あなたは立ち直るのが早い方ですか?それとも遅い方ですか?」【逆境力】
2022-05-28 12:00330ptあなたは立ち直るのが早い方ですか?それとも遅い方ですか?
今回は、フリーで頑張っていたのに思わぬ逆境に陥ったために就職する必要が出てきたという方の相談をもとに、逆境に強いメンタルの作り方について解説させてもらいます。
過去の忘れられない逆境、いつか立ち向かう必要がある逆境、その逆境の乗り越え方を学んでいただけたらと思います。
Q. フリーで安定していたのに思いがけない逆境に陥り就職する必要がありますが、どうしても踏ん切りがつきません。悔しい気持ちでいっぱいです。何かアドバイスをお願いします。
生活が苦しくなったり自分の大切な人を守れなくなるとなると、人間は創造性が下がってしまいますので、スキルアップだと考えて会社に入ってみるのはいいことだと思います。
その状態で、副業としてフリーランスの仕事を続けてみるとか、何か今までの自分の技術を使ってできることを短い時間でやってみるのがいいのではないでしょうか。
フリーランスを経験した人が会社に戻ったりすると、やはり考え方が違うので、それはそれで面白い事も色々とあると思います。
自分はいつでもフリーに戻ることができると思える自信がつくぐらいスキルアップができれば、その時こそ本当に自由になれると思います。
ぜひ良いチャンスだと考えてください。
会社に入り安定した部分を確保しつつ、時間を圧縮して集中力を高めることを意識し、その時間を新しい可能性につぎ込むのがいい方法だと思います。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
逆境を乗り越え続ける人の習慣
2015年にバージニア大学のティモシー・ウィルソン教授がレジリエンス(折れた心を元に戻すための回復力)に関する文献レビューを行っています。
そこから逆境に強い人が普段から行なっている習慣が見えてきました。
逆境に強い人は常にそれを乗り越えていきます。よくそんなに続けることができるなと思いますが、彼らは僕たちとは違う習慣を身につけています。
人間は運命に翻弄される存在だとよく言われます。
人間が運命を変えることはできませんが、運命を変えることができるものは1つだけ存在し、それは習慣であると色々な哲学者が言っています。
脳内ストーリーテラーを信じない
皆さんの頭の中にあるネガティブなストーリーを勝手に作り出す心理のことを脳内ストーリーテラーと言います。
基本的には人類はネガティブに考えた方が生き残る確率が高かった生き物です。
例えば、目の前に怪しい森があったとして、その中に美味しいものがあるかもと考えて飛び込んでいった人とその中に危険な動物が隠れているかもしれないからと、入らずにいつもどおりにしようと考えた人でどちらが生き残ったかというと、当然怖がっていた人が生き残っているわけです。
僕たちはそのようにネガティブに考えて生き残ってきた人たちの子孫です。ですから基本的にはネガティブにできているわけです。
ですから、想像してみてください 。
何か失敗や辛いことがあった時に、それはずっと続くと感じてしまったり全て終わったと考えたことはありませんか?
人間はネガティブなことが起きるとそれがずっと続くと考えてしまいます。
これは心理学的には感情予測と呼ばれ、人間が未来の自分の感情を予測することで人間が最も苦手なものです。
人間は未来の感情を予測するのがとても苦手で、うまくいっている人は逆に困っている時の感情を予測できないのでその感情がずっと続くと思うし、悩んでいる時にはその悩みや苦しみはずっと続くと思ってしまいます。
去年の今日みなさんは何に悩んでいたか思い出せますか?
おそらく覚えていないと思います。人間はどうしてもネガティブな感情に振り回されがちになるもので、しかも、それがずっと続くと思い違いをしてしまいます。これが脳内ストーリーテラーです。
逆境を乗り越え続ける人たちは、この脳内ストーリーテラーがあてにならないということを知っています。
感情の予測というものはあてにならないとわかっているわけです。
良い予測も意外と思っているほどはうまくいかないし、悪い予測も思っているほど解決不可能なレベルになることはないということを常に意識しています。
これにより脳内ストーリーテラーに振り回されることなく逆境にも立ち向かっていけるし成功しても調子に乗りすぎないということができるわけです。
感情予測が当てにならないということを知っているかどうかが逆境に強い人たちの特徴です。
逆境を乗り越え進む人の考え方
2012年にイエール大学のスティーブン・サウスウィック博士という方が過去20年間に行われたレジリエンスの研究をリサーチし逆境に強い人の特徴を10個まとめています。
かなり信憑性の高い内容だと考えられますから、この中からいくつか見つけるだけでもかなり人生は変わるのではないかと思います。
「モラルコンパス」
そんな逆境に強い人の特徴のひとつにモラルコンパスというものがあります。
レジリエンスが高く逆境に強い人は善悪に関する強い感覚を持っています。簡単にいうと、しんどい時でも自分の信念を貫ける人です。
ツラい時や強いストレスを感じている時に信念を貫くのはとても難しいことです。
ですが、レジリエンスが高く逆境に強い人は、逆境の時こそモラルの感覚が高まりやすくなります。
自分の信念を守ることができる余裕がある時は、もちろんそれを守りますが、追い詰められた時でもちゃんと自分の信念を守ることができるわけです。
これが逆境に強い人の特徴です。
心が強い人はしんどい時でも信念を貫けるというのは当たり前だと思う人もいるかもしれませんが、実際にはモラルの感覚というものがとても重要になります。
人は、逆境に陥った時に手軽なことに手を出したり安易な方法に逃げてしまいがちです。
本来その逆境を乗り越えるために必要になるしんどい行動を取れなくなってしまいます。
例えば、体が太ってきたというのであれば、それを改善するためには当然運動が必要です。ですが、その運動をするのがしんどいので、手軽で安易なダイエット方法に逃げてしまい余計に深みにはまってしまいます。
逆境にはまっても貫くことができる人は、それによりいつかは逆境から抜け出すことができるということです。
とはいえ、これでは結局メンタルが強い人でないと逆境から抜け出せないということになってしまいます。
実はこのモラルコンパスを持ち逆境に強い人は、ストレスが増せば増すほどなぜか他人に対して親切になるという傾向が確認されています。
普通の人は、ストレスがない時ほど他人に対しても優しくなり親切になります。
ストレスがかかったり余裕がなくなってくるとそれができなくなります。多くの人にとってこれが普通ですが、逆境に強い人たちは、むしろ、ストレスがかかっている時ほど他人に対して親切にするわけです。
人間というものは、余裕がなくなってきたり焦ってくるとパフォーマンスが落ちてしまいます。
ですから、普段のパフォーマンス能力を発揮することができれば、乗り越えることができるようなことであっても、それに躓いてしまい逆境の深みに陥ってしまいます。
ひとつつまずいてそこから回復することができないと能力が下がっているので、そこから抜け出すことができず次につまづいた時にまた深みにはまってしまいます。そうして逆境に陥るわけです。
その流れを止めるためには心に余裕を持つことが大切です。とはいえ、心に余裕を持とうと思ってもなかなか簡単にできることではありません。
そのために最も正しい方法が他人に対して親切にすることです。
他人への親切
人間というものは自分に余裕がある時にしかなかなか他人に親切にできないのです。
逆に、自分が本当にしんどい時に、ほんの短時間でも良いので他人への親切をすることによって、脳に錯覚が起こります。余裕がないように感じていたけれど、他人に親切にできるということは実際には余裕があるのではないかと脳が錯覚し、その結果パフォーマンスが元に戻るわけです。
そうなると、目の前の逆境に対して自分の能力を最大限発揮しそれを乗り越えることができたりします。
プレッシャーがかかっている時には、視野が狭くなっているので普段であれば見つけられる解決策も見つけられなくなったりもします。そのようなことを防いでくれることにも繋がるわけです。
皆さんもモラルコンパスを活かすのであれば、ストレスがかかっている時や余裕がない時こそ、短時間でも良いので他人に対して親切にしてみましょう。
それだけでもかなり変わってきます。
煮詰まった時には、他人にちょっとした親切をしてみたり相談に乗ってみるというのがいいのではないでしょうか。
「現実的オプティミスト」
オプティミストとは楽観主義者のような意味ですから、物事を現実的に見ることができる楽観主義者がレジリエンスが強い人です。
現実的なだけでも駄目ですし楽観的なだけでもダメです。
物事を現実的に見ることができるけれど、それを見た上で前向きな可能性を見出していくことが癖になっているということです。
実際に、逆境に強い人はいわゆる悲観主義者のようにネガティブな情報に意識が向きやすいということがわかっています。
ネガティブな部分には目を向けずどんどん進んでいるように見えますが実際には悲観主義者と同様そのようなことに気づきやすい人たちです。
ネガティブな情報に目を向けやすいですが、同時にネガティブにはフォーカスし過ぎません。
逆境に強い現実的オプティミストの人たちは、ネガティブな人たちと同じようにネガティブなものに目を向けます。
目を向けるのは現実的に解決策を見出したり対策をするためです。
そのネガティブなものに目を向けた後には2つのパターンが考えられます。
解決可能な場合と解決不可能な場合です。
その問題が解決可能だと思った場合には徹底的に目を向けていち早く解決をします。解決不可能な問題の場合は自分の力ではどうしようもないということですから速やかに目をそらします。
ここで楽観主義な特徴が現れるわけです。
楽観主義の人は全てから目を背けてしまいます。
解決不可能な問題は解決できないのですからどうしてもないものです。
彼らは解決不可能な問題から目を背けますが、解決不可能な問題にあれこれと悩む時間を解決可能な問題だけに使います。だから逆境を突破することができるわけです。
多くの人は、逆境を突破する時には全ての問題を解決する必要があると思いがちですが、実は一点の突破可能な所だけを突破すればいいわけです。
大きな壁が目の前にあったとしてもその壁を全て取り壊す必要はありません。壁の中でも弱いところやきっかけを見つけて壁の向こう側に行く方法を考えればいいだけです。
ところが、ネガティブな人や完璧主義の人は全てを解決しないとうまくいかないと思いがちなわけです。
何かあった時に立ち直るというのは難しいことではあります。
誰でも嫌なことがあると引きずったり落ち込むこともあります。
それでも、この引きずりながらも前に進むということが重要です。
ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレンのクラウドのセリフで、「過去はそれを引きずっても前に進むしかない。引きずりすぎたらすり減って軽くなる。」というようなセリフがあったと思います。
イメージとして、このような感覚を持って前に進んでいくということを意識するようにしてください。
常に前に進むためのおすすめ
そんな感覚を身につけるためにはこちらの本が役に立つと思います。
やり抜く力を手に入れるための方法を実践的に解説してくれている本です。
実践版GRIT(グリット) やり抜く力を手に入れる
人間関係において嫌なことがあった場合には、それは自分の外側で起きた問題なのでその対象である他人を変えようとしてしまいがちです。
ですが、このような時は他人を変えようとするよりも自分を変える方が楽です。
それについてはこちらの本が役に立ちます。
これは本当に生きるのが楽になる素晴らしい本です。
人間関係に起きる問題で立ち直りが遅いという場合には、こちらの本を読んでみるとかなり変わると思います。
相手は変えられない ならば自分が変わればいい: マインドフルネスと心理療法ACTでひらく人間関係 (単行本)
人生の中では逆境もあるでしょうし、決して完璧とは言えない状況も多いと思います。
そんな中でどのようにして前に進んでいく道を選んでいけばいいのかということについて教えてくれる本です。
人生というものは常に計画通りに行くものではなく、オプション B を選ぶ必要も出てきます。
自分が突き進んできた道が計画通りにいかず、オプション B の道を行くしかないのかなとなることもあると思います、
こちらの本は、そこで理想の人生を見つけるための方法について教えてくれる内容になっています。
OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び
逆境に強くなりたいなら、そして今、乗り越えるべき逆境に直面しているなら…続きをどうぞ。
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