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  • 一問一答「あなたが守りたい正義は何ですか?」【説得型論破の技法】

    2022-10-22 12:00  
    330pt
    あなたが守りたい正義は何ですか?

    今回は、スピリチュアルの人を黙らせたいという方の相談をもとに、相手にNOという隙間を与えないための説得型論破について解説させてもらいます。

    Q. スピリチュアルな人を黙らせる方法を教えてください。

    こちらはリチャード・ドーキンス博士というイギリスの有名な方が書かれた本ですが、キリスト教がベースの国で神様は妄想だと、欧州においてはかなり珍しい考え方をもたれている方の本です。
    科学的に宗教というものについて考え、僕たちに妄想に頼って生きている場合ではないということを教えてくれる素晴らしい本です。
    論理的に神を否定して、であれば何を信じて生きていけばいいのかということを教えてくれます。

    これは普通に読み物としてもとても面白いですし、宗教との決別がテーマになっていますので、スピリチュアルっぽい人を論破する時にも使えますし、マルチ商法や引き寄せの法則などが好きな人を秒速で論破することもできます。
    それぐらい深い議論がされている本なのでよければチェックしてみてください。

    神は妄想である―宗教との決別

    コミュニケーションで優位に立てる6種類の論破テクニック

    心理学的には、論破ではなく論理的誤謬と言います。
    つまり、論理的には間違っているけれど、なぜか納得してしまったり、言い返せないコミュニケーションテクニックです。
    いわゆる詭弁やレトリックと言われているものです。

    論破と詭弁のおすすめ本
    今回のおすすめの本としても、論破や詭弁のテクニックについて参考になる本を紹介しときます。

    レトリックと詭弁 ─禁断の議論術講座 (ちくま文庫)
    こちらもとても参考になりますし、特に言い負かされたくないという人は読んでおくといい本だと思います。


    反論の技術―その意義と訓練方法 (オピニオン叢書)
    何か言われた時に言い返すことができないという人は、反論の技術を学んでおくことで対応できるようになります。
    そのためにはこちらの本が役に立つと思います。

    1. 循環論法
    結論を根拠として使う話法です。
    結論と根拠で、言っている内容は同じだけれど、表現の仕方を変えて使います。

    人は相手の話を聞く時に、結論と根拠がどれだけ理にかなっているかということに注目します。
    冷静に考えると、結論も根拠も同じことを言っていても気づかない人が多いです。
    表現を変えてるだけで、同じことを言っているわけですから、「確かにその通りだ」と納得してしまいます。

    ですから、伝えたいことがあるのであれば、その結論を表現を変えて根拠としても使うわけです。

    例えば、難しいテーマではありますが、中絶が合法かどうかという議論があったとします。
    ここで循環論法を使うのであれば次のようになります。
    (※あくまで例ですので、その判断や主張をするものではありません)

    「女性には子供を産むかどうか選択する自由がある。だから、中絶は合法であるべきだ。」

    結論を根拠にします。
    「中絶は合法だ」と言うだけであれば論理的に説得できないので、「女性には子供を産むかどうか選択する自由がある」「誰にだって自分で人生を決める自由がある」という当たり前の結論を根拠として使います。

    中絶するかどうかというのは、当然、子供を産むかどうかの選択です。
    同じことを言っているだけなのに、表現を変えて納得させる話法です。

    この結論と根拠をもう少し離して使うこともできます。

    「人間には誰しも自分の人生を自分で決める権利がある。あなたにもその権利があるし、私にもその権利がある。自分の人生を他人に決められたり強制されることはあってはならない。自分の人生は自分で切り開いていくものだから。ですから、女性にも自分の子供を産むかどうかを選択する自由があるはずだ。だから、中絶は合法としておかなければならない。」

    つまり、人間が自分の人生を自分で決める自由という話をして、その中に女性が自分の子供を産むかどうか選択できる自由について触れます。
    それを根拠として、中絶は合法にするべきだという結論を主張するわけです。

    2. お膳立て
    まずは相手が反論できないことを先に言って、それに続いて自分の言いたい主張を述べるテクニックです。
    本来の議論をする前に、相手が反論できない話をして認めさせます。

    例えば、アメリカ政府がテロ行為に関係があると疑われる人の iPhone をハッキングするために Apple に協力を求めたことがありましたが、それに対して Apple は断って、「 Apple はテロリストに協力するのか?」という問題が起きたことがあります。
    この問題について、 Apple に否定的な主張をする人を論破するのであれば次のようになります。

    「その前に前提として、一般的に考えて無実の善良な市民のプライバシーを政府が勝手に覗くことに関してはあなたも反対ですよね?」

    この質問に対して相手は当然合意するはずです。
    認めさせた上で、次のように主張します。

    「ということは、テロリストと思われる理由で iPhone をハッキングできるようにすると、その可能性があるというだけで一般の人の iPhone を覗くこともできてしまうので、それは問題だと思いませんか?」

    これは会社の中でも使えます。
    例えば、新しい企画に否定的な上司や同僚がいて説得したいのであれば次のようになります。

    「その前にまずは確認したいのですが、大前提としてここにいる皆さんは、我が社の発展とさらなる利益を追求するためにここに集まっているという認識で間違いないでしょうか?」

    自分の会社の利益を願っていない人なんていません。
    それを納得させた上で、その目的達成のために自分たちの新しい企画があり、それにより更なる発展を目指すことができると説得します。

    人は前提となる部分や前置きを否定しないと、本論の部分を否定することもできません。

    3. 自明性
    自分の意見がすでに自明で世の中や業界に広く受け入れられていると匂わせる話法です。
    説得する相手が複数いる一対多数の場合に使える方法です。

    人は皆が同じ意見を持っている時に、自分だけ違う意見を持っているとは言いづらい性質があります。
    周りの人はみんな知っているのに、自分だけ知らないというのは怖いものです。
    ですから、学校でも先生の話をみんな理解している時に、自分だけ理解できていなくても、それを言い出しづらくて手を挙げることもできなかったという経験がある人も多いはずです。

    例えば、次のような前置きを使います。

    「この件については皆さんもすでに周知の事実だと思いますが…」
    「この件については最近のビジネス誌でも良く紹介されているので、当然皆さんもご存知だと思いますが…」
    「この方法は様々な研究でも成功例が確認されている方法ですが…」

    ここから先の残りの3つについては、会員限定で紹介していきます。
    誰かの考え方や態度を変えたい、どうしても説得したい相手がいるという方も多いと思います。
    ぜひ続きもチェックしてみてください。