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2023年2月の記事 12件

一問一答「あなたは、判断に迷ったらどうやって決めていますか?」【後悔しない判断力】

あなたは、判断に迷ったらどうやって決めていますか? 人間は何かと決断に迷い間違うものです。 投資での判断に迷った時、試験やテストで答えに迷った時、結婚や転職など大切な判断を必要とするタイミングは色々とあります。 今回は、何か新しい事を始めなければならない状況に追い込まれたという個人事業主の方の相談をもとに、人生で後悔しないための判断力について解説させてもらいます。 「Q. 個人事業主ですが何か新しいことを始めないといけない状況に追い込まれました。ところが自分のやりたいことも特になく、どうすればやりたいことを見つけることができるのでしょうか?」 結論としては、稼げていない状況の人が自分のやりたいことを見つけることができる可能性はかなり低いです。 お金がない状況でも自分のやりたいことを突き詰めたり、どんなに飢えていても夢を捨てなかったという美談はありますが、これこそがまさに才能です。 お金の悩みというのは強烈なストレスで、普通の人はお金で悩んでしまった瞬間に視野も狭まり、新しいことを思いつくこともなくなってしまいます。 IQ も下がってしまいますので判断も間違ってしまう可能性が高くなります。 ですから、自分が経済的に窮地に立たされているときにやるべきことは金儲けです。 まずはお金を儲けて余裕ができて、ある程度生活に対する不安がなくなったら、そこから改めて考えるようにしないとなかなか新しいことも自分のやりたい事も見つかりません。 まずは稼ぐことを考えましょう。 以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。 「無意識思考効果」 無意識思考効果というものは、簡単に言うと、新しいアイデアや問題を解決するアイデアなどを考える時に、それについて考えてからしばらく考えるのをやめると良いアイデアが降りてくる現象のことです。 なかなか面白いアイデアは出てこないと悩んでいたけれど、一旦考えるのをやめて他の事をしていたりシャワーを浴びたりしていると、突然それについて思いつく現象です。 よく昔から言われることですが、トイレにいる時と移動している時、寝ようとしている時にいいアイデアが出ると言われます。 これは人間の無意識思考効果により起きることです。 ラドバウド大学の研究チームは、考え抜いてから決断するグループとゲームをやってから決断するグループに分けて実験を行っています。 ただひたすらどの人を選ぶか考え抜いて決断してもらったグループと、それについて一旦考えた上で全く関係のないゲームをしてもらってから決断したグループに分けています。 どちらの実験も架空のものではありますが、自分が一緒に生活する人を選ぶ時、自分が採用する人を選ぶ時、それぞれの設定で決断してもらっています。 どちらの場合でも、一旦ゲームをしてから決断したグループの方が、その決断の質が高くなっていました。 あえて何も考えない時間を間に挟むことによって、どうやら僕たちの決断や判断の質は向上するようです。 僕たちは重要な決断をしなくてはいけない時ほど、それについてひたすら考え抜くのではなく、途中で気分転換を入れたり違うことを考える時間を挟んだ方が決断の質は高くなるようです。 エクス=マルセイユ大学の研究で、どんなゲームが決断の質を高めてくれるのかということを調べてくれています。 参加者を3つのグループに分けています。 1つはテトリスやソリティアのようなシンプルなゲームで、2つ目は、例えば謎解きや数独のような頭を使うパズル系のゲームです。 そして、3つ目のグループは先ほどと同様ひたすら考え抜いてもらったグループです。 考え抜いてから判断したグループは最下位で、その正答率はおよそ40%でした。 第2位は複雑で頭を使うパズルのようなゲームで、その正答率はおよそ55%でした。ただ考えぬいて判断したグループよりは若干正答率は高くなりますが、そんなに大きな違いはないぐらいでした。 第1位はシンプルなゲームで遊んだグループで、これはなんとなくわかっていた人もいるでしょうが、その正答率は75%にもなっていたそうです。 シンプルなゲームで遊んでから判断すると正答率が約2倍にもなるということです。 僕たちは後悔しない選択や判断をするためには、一旦それについての脳の活動を休める必要があります。 そのためにはあえてシンプルなゲームをする時間を間に挟んだりする方が、無意識が起動して良い判断をすることができるのではないかということです。 この無意識思考効果の原理については、まだ科学的にはっきりと分かっているわけではありませんが、研究者の推定としては、考えない時間を作ることによって人間の脳は、新しい情報をその判断材料として無意識のうちに追加しているようです。 シンプルなゲームが効果があるということでしたが、当然そのゲームをずっとしていては意味はありません。 あまり頭を使わないゲームで判断の精度が上がるという研究は色々とありますが、それらから考えると、だいたい10分ぐらいまでにした方がいいようです。 10分までのタイマーをかけて、あえて何もしない時間を作るようにしてみてください。 ソロモンのパラドックスと「心理対比」 人は自分の問題だと考えると判断が鈍ります。 ところが、それが友達の問題だと想像するだけで判断力が上がります。 ウォータールー大学では2つのパターンに分けて実験を行っています。 自分の身に対人トラブルが起きたことをイメージしてもらうグループと、自分の親しい友人の身に対人トラブルが起きたことをイメージしてもらうグループです。 客観的に自分を見ることが出来ているのか?そして、対人関係の問題に対する妥協点が適切に見えているのか?というようなことを調べるための質問を行っています。 その結果、自分に対人トラブルが起きた事をイメージしたグループよりも友人に対人トラブルが起きたことをイメージしたグループの方が明らかに冷静で、かつ長期的で総合的な判断を下すことができるということがわかりました。 ですから、自分の問題も友達の問題と想像しその場合にどのようにアドバイスするかと想像することにより適切な判断に近づくわけです。 いわゆるソロモンのパラドックスですが、他人のことはわかるけれど自分のことはよくわからないものです。 これは物事の判断だけではありません。 例えば、失敗したり恥ずかしい経験をした時も、人は自分の意識をその感情の中心に置いてしまいます。 それによって失敗はより大きく見えて恥ずかしさも無駄に増幅していきます。 ですが、それも他人視点で目の前の問題を見ると、意外と大したものではありません。 自分の意識を自分の感情の中心に置いてしまう現象は、年齢問わず起きるものです。 20代から40代の被験者と60代から80代の被験者を比べても、ソロモンのパラドックスは同じように起きていたという研究があります。 自分の失敗や恥ずかしい経験に対しても、同じことを友達がした場合には冷静に考えることができて、案外大したことはないと優しくアドバイスができます。 人は誰でも失敗しますし、それを許容する能力も誰もが持っています。 それにも関わらず、それが自分の失敗となると怖くて行動できなくなってしまいます。 それを防ぐためには他人視点が重要です。 ここで心理対比というテクニックが役に立ちます。 自分に起きている問題が友達に起きているものと考え、その友達に最悪の状況になった際にどのようなアドバイスをするかを想像してください。 そうすると心理対比が効いて、今の状況を客観的に見ることが出来るようになり、更に長期的な目線で物事を見ることができるようになります。 未来が最悪だと考えたら生きていけません。最悪な状況になったらどうすればいいのかというアドバイスが明確にあれば安心できます。 その結果、柔軟で新しい視点の物事の見方ができたり解決に進むわけです。 変化の激しい時代には様々なポジションを取れる勇気が必要になります。 ところが人は臆病なものですから、万が一ダメだったら失敗したらどうしようと常に考えるわけです。 その解決策やアドバイスを具体的にしておくことで挑戦できるようになります。 心理対比の研究で有名なガブリエル・エッティンゲン博士の論文でも、様々な研究がされています。 心理対比の考え方により、勉強の成績が上がる・セルフコントロール能力が上がる・食生活が健康的になる・ダイエットが成功する・禁煙が成功する等など多くの成果が確認されています。 心理対比の4つのステップ ステップ①目標を達成したらどんないいことが起きるのかを考えてください。 達成した際のメリットを思いつくままにどんどん書きだしてください。 ステップ②ステップ①で書き出した中から自分に最もプラスになるものを選んでください。 この時に、それを得ることが出来たらどんな良い気分になるのかということを出来る限り細かくイメージしてください。 多くの人たちは目標に対してここまでで終わっています。 ステップ③目標を達成するにあたってどんな問題が起きるのか?自分の思い描いた目標が達成出来ないとしたらどんな事が起きるのか?という最悪の未来を想定してください。 同様に、これも思いつくだけ書き出してください。 ステップ④ステップ③で書き出したネガティブなトラブルの中で最も危険なものを選んでください。それを頭の中でしっかり細かく具体的にイメージした上で、その時に自分はどのように対処するのかということまで考えてください。 夢を描くことと万が一の時の準備を同時に出来るようになるのが心理対比というテクニックです。 この両方を同時にすることが大事です。 目標達成に対する問題やトラブルを想定しておくと、実際に想定していた問題が起きるとテンションが上がるものです。 想定した最悪なトラブルがやってくると、これを乗り越えたら最高の未来が待っていると思えて、その乗り越える壁は希望に見えてきます。 テンションも上がるし判断力も上がります。 「運が悪い」=判断力の低下 「ついてない」「運が悪い」と感じている時は、判断力が低下している可能性があります。 なんとなくうまくいかないという時は、それをリセットする方法があります。 自分が運が悪いと思っている人と運が良いと思っている人を集めて手を洗わせると、自分が運が良いと思っていた人は、その幸運がリセットされたような気分になり、逆に、自分が運が悪いと思っていた人も運の悪さがリセットされたような気分になったという研究があります。 運の良し悪しを左右しているのは人間の判断力です。 自分が運が良いと思っている人は判断力が上がります。 ですから、なんとなくうまくいかないとか運が悪いような気分になった時は、それをリセットするために手を洗ったりシャワーを浴びるようにしてみてください。 逆に、なんとなく調子がいいとかうまくいっている時に、余計な休憩を挟んだりすると気分がリセットされてモチベーションが下がる場合もあります。 ギャンブルにおける判断について調べた研究を見てみると、ギャンブルはやめ時が肝心で、同じテーブルで大勝ちした人か大負けした人が出たらそれがやめ時のようです。 人は自分の近くで大勝ちしている人を見るとリスクを取りやすくなります。 逆に、大負けしている人を見ると必要以上に守りに入ります。 これはギャンブルに限らず、自分の判断が狂う瞬間は誰かの大成功や誰かの大失敗を見た瞬間です。 人は正常な判断力を保てるかどうかが重要ですので、事前に判断基準を決めていないと、いざその瞬間には冷静な判断ができなくなります。 選択肢が無数にある時の正しい判断 あまりにも選択肢が多いと決めることができなかったり、悩んだ結果いつも通りの選択肢を選んで、新しい挑戦ができなくなったりすることがあります。 2015年のジョージア工科大学の研究で、多くの選択肢がある時に最高の判断をするにはどうすればいいのかということを調べてくれています。 16の選択肢が用意されていて、その16の選択肢が一気に提示されて選んだ場合と、4ずつ選択肢が提示されて、それぞれの中でベストを決めて最終的に1つの選択肢を選ぶ場合、トーナメントのように2つずつ比べて選択肢を選んでいく場合で調べています。 その結果、選んだ後の後悔が最も少なく満足度が高くなるのはトーナメント方式でした。 選択肢が多い場合には2択で比較して選んでいくのが最も正しい判断になるようです。 人は物事を比べてどちらがいいのかということを考えることはできますが、多くの選択肢がある中ではどれがもっとも最適なのかを決めることが苦手です。 心理学や行動経済学で選択のパラドックスと言われますが、選択肢が増えると人間は不幸になってしまうと言われています。 人は自由が増えてどんなものでも選べるようになったら幸せになれると考える人も多いですが、実際には人間は選択肢が増えすぎてしまうと不幸になります。 選択肢が増えると迷って悩む時間が増えて、さらに、迷って悩んで選ぶと、選ばなかった選択肢を忘れることができずどこかに後悔した気持ちが残ります。 選択肢が多くなれば多くなるほど人は悩み後悔する時間が必然的に増えていくわけです。 選択肢の数に比例して悩む時間と後悔する時間が増えると考えてください。 幸せになりたいのであれば悩む時間を減らすことです。 おすすめするのは、選択の基準を設けることです。 選択肢を瞬時に5択から3択程度に絞れるぐらいの自分の中での基準をつくる方法です。 例えば、レストランで前菜が3種類、パスタが5種類とかで選ぶ場合はわりとすんなり決めることが出来ると思います。ところがパスタの専門店でパスタが15種類とかになると難しいと思います。 選択回避の法則と言われていますが、人間にとって選択肢は3~5択ぐらいが適正で、それを超えてくると選べなくなるし選ぶのにとてもストレスを感じるということがわかっています。 ですから、瞬時に3~5択に絞れるような基準をひとつずつつくっていくことが大事です。 決めたら、忘れてしまうかもしれないので手帳やスマホに記録しておくのもいいかと思います。 例えば「今まで食べたことのないメニューを注文する」という基準でもいいと思います。 そうすると、よほど変わったメニューのお店でもなければ3~5択ぐらいには絞れます。 これにより、悩む時間も少なくなりますし、自分の決めた基準に沿って決めたという自由意志での決定だと感じることもできます。 後で後悔することもなくすみます。 すべての場面で基準をつくるのは難しいと思いますが、悩んだ時は基準をつくるということを考えてみてはいかがでしょうか。 ここから先は、後悔しない判断力を保ちながら人生をより良くしていくための方法について解説していきます。 DaiGo師匠がニコニコを始めてDラボにつなげた過程でも実践してきた人生における判断力の保ち方について解説しています。 ぜひ続きもチェックしてみてください。  

一問一答「あなたは、判断に迷ったらどうやって決めていますか?」【後悔しない判断力】

一問一答「あなたが、どうしても許せなかった人は誰ですか?」【超許容力】

あなたが、どうしても許せなかった人は誰ですか? あの人を許すべきか?それとも、許さない方がいいのか? 悩むこともあると思います。 人間は寛容で許容力があり、自分のことを受け入れてくれるであろうと思える人と仲良くなりたいと思います。 許容力や寛容さ、あるいは、人間の器とも言えますが、今回は、恋愛での後悔を抱えた方の相談をもとに、そんな許す力について解説させてもらいます。 「Q. 付き合って1年で初めての喧嘩で彼氏と別れました。自分の思いやりや許容力がなく彼を苦しめたのかと後悔の念に押しつぶされそうになります。吹っ切るためのアドバイスをお願いします。」 恋愛だけでなく人間関係での過去の失敗をあれこれと後悔する人は結構いると思います。 「もっとああすればよかった」「こうすればよかった」と後悔するわけですが、「それを10年間続けることができただろうか」ということを考えてみてください。 相手との関係の中で問題が起きるのは当たり前です。 喧嘩することもあれば、嫌なところが気になることもあります。 それを10年間続けることができるでしょうか? 10年続けることができると思えるのであればいいかもしれませんが、2年ぐらいの間に、相手に変わって欲しいとか、今はできても10年は無理だというのであれば、仮に関係を戻すことができたとしてもおそらく続きません。 人間関係でも恋愛関係でも、長期的な関係で物事を考えると大抵は答えが出ます。 自分の思いやりや許容力がなくて彼を苦しめたのかと原因を探るのはいいですが、恋愛なんて喧嘩の原因はいくらでもあります。 ひとつの原因を潰しても他の原因が出てきます。 重要なのは、結果を長期間にわたって受け入れることができるかどうかです。 喧嘩の原因はたくさんあります。それを10年経っても20年経っても受け入れることができるのであれば関係は続きます。 それが無理なのであれば諦めた方がいいです。 以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。 男女関係の修復方法の2つのポイント 男女関係ではアサーションのテクニックが重要です。 相手を傷つけることなくお互いの感情をちゃんと伝え合うコミュニケーションテクニックですが、相手への不満や悲しみがあるのであればそれを正直に伝えて、相手の事情や感情もちゃんと聞いた上で、お互いにお互いの感情を相手を傷つけることなくシェアし合うことが重要です。 とはいえ、気をつけていても、どうしても喧嘩してしまう時もあります。 イリノイ大学の研究で、男女関係のトラブルに関する過去のデータを1149件も精査してレビューしてくれていて、カップルや夫婦の喧嘩の最も最適な乗り越え方について調べています。 最もベストなカップルや夫婦関係の修復方法は、たった2つのポイントだったということがわかっています。 1. 相手のミスを許せるかどうか 細かいミスや間違いを許すスキルをお互いが持っているかどうかです。 片方だけがこれを持っていても意味がありません。お互いが相手のミスを笑って許せるスキルを身につけることが大事です。 いわゆる許容力が大事だということです。 2. 幻想を抱けるかどうか 2人の関係にやたらと惚気るカップルがいますが、実はこれが大事です。 2人の関係が理想的な関係だということを、それが幻想であっても、そう思えるかどうかです。 つまり、喧嘩をしてもすぐに仲直りするカップルの特徴としては、ミスを許すスキルと幻想を持てるスキルが重要だったということです。 ミスや失敗を許容できるか? ちょっとしたミスや間違いをしただけで、奥さんが旦那さんに小言を言ったり、逆に、旦那さんが奥さんに偉そうに言ったり、カップルでも相手を見下すようなことを言う人がいます。 このようなことをすると自分に返ってきます。 基本的には、自分にとって一番大事なものをひとつだけ決めて、それ以外は許容することが大事です。 幻想を抱けるか? 幻想を抱いているかどうかと言われると、わかりづらいかもしれませんが、これもとても大事なことです。 人間関係においては相手に期待しすぎると良くない結果に繋がりやすいですが、恋愛関係や男女関係においては、どれぐらい相手に期待と幻想を持てるかということがとても重要になります。 2人の関係についてポジティブな思いを持っていると関係は良くなります。 では、具体的にどのようにすればいいのでしょうか。 2人の関係が理想的だという幻想を持つためにはどうすればいいのかというと、2人がお互いの努力によって、良い関係を作り続けているという証拠になるような材料をたくさん体験することです。 例えば、一緒に旅行に行ったり、 ゆっくりお酒を飲みながら今まで2人が体験したことがどれだけ価値があり、他の人が体験できなかったことなのかということを語り合ったりしてください。 インタラクティブな会話や活動を続けて、良い関係を継続的に一緒に作っているということを確認し合う時間を大切にしてください。 勘違いしないで欲しいのは、これは、愛を確認し合うということではありません。 私のことを好きなの?とやたらと確認を求めたり、1日1回は連絡を要求したり、電話は必ず出て欲しいとか、束縛とは違います。 愛は信じることで、束縛は疑うことです。 信じることができそうな証拠を一緒に探していくということです。そうすると、幻想がお互いの力になってくれるわけです。 敵を許すチカラ 寛容さや許容力というものは、目の前の問題やネガティブな状況に囚われづらくなる力です。 許せない人や敵がいるという人もいるでしょうが、現代社会では敵を倒せることはほぼありません。 競争に勝つことはあっても、嫌な相手や敵を倒すことができるかと言われると、大抵の場合は不可能な話です。 ですから、そんな相手のことを気にしすぎてしまうと囚われてしまいます。 それを手放すことができるのが許容力のある人です。 ネガティブな感情を手放すのが上手なので、余計なことで悩む時間が少なくなり、それによって結果的に人生がより良い方向に進みます。 セルフコンパッションで重要なポイントでもありますが、自分を許すことができない人は同じ失敗を繰り返します。 他人に対しても全く同じで、別に相手を甘やかす必要はありませんが、他人のミスも許して二度と同じ失敗は繰り返さないと思わせることができなければ、強く言ったとしても改善することはほとんどありません。 ですから、他人のミスを許すことができる人は人を動かすことができる人です。 これによって人間関係や仕事における満足度も非常に高くなります。 現代社会においては非常に重要な力であると同時に、自分自身の感情も安定します。 人の心が不安定になるのは、嫌なことがあったり嫌な人のことを考えた時です。 そんなネガティブな感情を手放す力が感情を安定させてくれて、人間関係による幸福度も高くなるわけです。 他人を許す寛容さというものは、人生をより良い方向に進めるために非常に重要な力だということです。 許容力を強めるワーク そんな寛容さを強めるための方法としては、以下の質問を自分に投げかけて自問自答してみてください。 それぞれ自問自答して紙に書き出してみてください。 寛容さを発揮できる時とできない時の違いは何ですか? 同じような問題であっても許せる時と許せない時があったりします。 その時の状況について具体的に考えて、どのような違いがあるのかということを考えてみてください。 他人を許すとどんな気持ちになると思いますか? 他人を許せないという時にはネガティブな感情が治らなくなってしまいますが、あえて相手を許した時に、その後の自分の感情について考えてみていただけると、他人を許すという行為が自分の心を穏やかにしてくれることに気づけるものです。 他人を許すことのメリットとデメリットは何ですか? 他人を許すことによる自分のメリットとデメリットについて考えてみると、他人を許すことのデメリットは意外とないということに気づけると思います。 相手を許すことができず罰したとしても別にメリットがないのであれば、許した方が自分にとって楽だと考えることができます。 許すということは手放すということですから、それによって余計なことを考えなくてもいいということです。 許すということと相手との今後の付き合いはまた別の話です。 許した後に元通りの関係になるかどうかは別で、ただ今あるネガティブな感情と目の前の問題を手放すというだけです。 他人を許すことができていないことが原因で前に進めていないことはありませんか? 他人を許すことができていないために前に進むことができていないことと、それと同時に、前に進むための方法について考えてみてください。 例えば、元彼のことが許せていないことが原因で新しい恋愛ができていないかもしれません。 毒親を許せていないことが原因で、何か新しいことに挑戦しようと思った時に、毒親の顔が思い浮かんだり余計な発言が思い浮かんで自分の行動を止めているかもしれません。 このような状況になると損をするのは自分です。 許すということは負けることではなく手放すことだと考えてください。 許すという行為によって、自分の今後の可能性を阻害する過去を手放すことができます。 恨みを持っている人をリストとして書き出してください 自分が恨みを持っている人をリストとして紙に書き出して、それぞれの人を自分が許すところをイメージしてみてください。 別に仲良くなったところをイメージする必要はありませんが、上から目線で自分が相手を許しているところをイメージします。 この許すところをイメージすることによって、人は達観したところからその相手のことを考えることができます。 その相手からされたことを想像すると許すことはできませんが、相手が苦しい状況になっているところで、自分が相手をどのように許して、そして、突き放すのかというところまで想像して頂けると、意外と面白いぐらいに寛容さを発揮することができます。 ネガティブな体験のポジティブな面は何ですか? 人のネガティブな体験にもネガティブな特性にもポジティブな面は必ずあります。 例えば、DaiGo師匠のいじめられた経験も、それによって他人と違う道を生きていこうと思うことができるようになったわけなので、自由な人生を歩む上でのとてもポジティブな経験です。 いじめられる原因にもなった天然パーマも今となってはこれ以上ないと思えるぐらい便利な髪型です。 自分がコンプレックスに感じていることも、もしかしたらとんでもない強みなのかもしれません。 許すことによって未来にどのように繋がりますか? その相手を許すことによって、自分自身の未来でどのようなことに繋がるのか考えてみてください。 今週は何を許しますか? 意見が合わない人もいると思います。 他人の失敗を許すことができない時もあると思います。 これが一番難しいことですが、自分の失敗を許すことができない時もあります。 どんなことでも構いませんので、意図的に何かを許すことを考えてみてください。 今週はどんなことを許すのかということをテーマとして1週間を過ごしてみてください。 許容力のデメリット 許容力や寛容さというものは相手の状況に合わせて、その相手を許してあげることです。 そういう意味では、同じ過ちに対しては同じ罰を与えなくてはならないと考える公平さを同時に考えてしまうと、相手を許すと全ての人を許してしまわなくてはならないとなってしまうこともあります。 そして、人は自分を守りたい時には寛容さを発揮することはできません。 生物として考えると、自分に対して攻撃してきた人を許すとまた攻撃される可能性があります。 そのため生物の本能として相手を許すことなく罰しようとする性質があるわけです。 ですから、人は自分を守りたい時に相手を許すことができません。 自分を守る必要がない本当の強さを手に入れると、自分にとって本当に大事なもの以外は別にどうでもいいと考えることができるようになります。 許すことができないということは、自分が安全なポジションにいないということだと考えてください。 一番問題なのは、自分を許すことができない人です。 自分の失敗や欠点を許すことができない人が、安易に他人を許してしまうと、自己批判的になりすぎたり他人にいいように食い物にされてしまう場合もありますので、その点にはくれぐれも気をつけながらセルフコンパッションを学んでみてください。 信頼関係と許容力 生物として考えた場合、人は信頼関係を作った方が群れとして生き残るために都合が良いということがあります。 つまり、別に道徳心があるから信頼関係を作るわけではなく、信頼関係があった方が生き残る確率が高くなるので、信頼関係を作ってそれを維持しようとしているわけです。 やられたからやり返す仕返しをした方がいいのか、それとも、しない方がいいのかということを調べた研究があります。 最初は相手のことを信頼します。 裏切られたり、嫌な事をされたら、それを相手に同じようにやり返すという方法をとります。 この方法が数学上では最も利益を出しやすいと言われています。 数学上考えるとやられたらやり返す方法がベストだということです。 ですが、人間は必ずしも数学的な動きばかりをするわけではありませんので、やられたらやり返すという方法だけでは現実の生活では問題があります。 そんな問題に気付いた物理学者がいて、さらに数学者たちがこの問題について調べました。 相手に過失がない場合やどうしても仕方のない理由があったりする場合は、相手に害を与えるやり返す方法はできないため、そんな時々で起こりうる人間の失敗、ミスをどの程度くらいまで許容する事ができると一番いい形になるのかということは調べています。 それによると、25%くらい許すような戦略を取ると最も利益が最大化されると言われています。 時々許してあげるというのが大事です。 言い換えると、4回のうち1回は許してあげるというのが大事です。 ひとつ簡単な方法をあげると「どうしようかなぁ、許してあげようかなぁ」と考えた時にはコインを用意します。 「コインを投げて2回連続で表が出たら許す」と決めておくといいです。 そうすると「今回は表が出たから仕方ない、許してあげよう」と寛容な戦略をとれます。 とはいえ、誰もがみんなを許すという状態になると、いわゆる平和ボケした社会になってしまいます。 誰もが信頼し合える関係になれば確かに天国のような素晴らしい社会になるかもしれません。 人が誰でも失敗したり過ちを犯すのと同じように、人間の中には時折悪意をもった人もいますし、信頼関係だけで結ばれた社会は非常に脆くなります。 悪意を持った一部の人が、信頼関係で結ばれた人たちの利益を全て奪っていくということがあり得ます。 相手が信頼できる人かどうかを見る際に、多くの人は相手の人柄を見てしまいます。 人間の信頼度や道徳心が不変のものだとは考えないでください。 親に対する信頼度は変わらない 親友に対する信頼度は変わらない そう信じる人もいますが、人の道徳心や信頼度というものはあらゆる状況下で変化します。 つまり、信頼できる人が常に信頼できるかどうかはわからないということです。 その時の状況や感情によっていくらでも変わります。 状況や感情によって相手の行動に対する信頼度が変わります。 ですから、相手の人柄ではなく相手の動機に注目してください。 子供が親を信用できるのは、生物として考えても親が子供を裏切っても得をすることはありませんし、親は子供を守りたいと思うものだからです。 人が相手の人柄を見抜くのは非常に難しいです。 それよりも相手を観察して動機を知ることの方が重要です。 人間関係でも男女関係でもすれ違いが起きたりトラブルや問題が起きることはあります。 ここから先は、そんな時に効果的な仲直りの方法や科学的に見た「許す」ことによる効果について解説していきます。 ぜひ続きをチェックしてみてください。  

一問一答「あなたが、どうしても許せなかった人は誰ですか?」【超許容力】

一問一答「あなたは、どんな話し方をする人に良い印象を持ちますか?」【知的に見えるトークの科学】

あなたは、どんな話し方をする人に良い印象を持ちますか? 今回は大学に馴染めないで悩んでいる方の相談をもとに、話し方だけで印象が変わるトークの科学について解説させてもらいます。 「Q. 大学に馴染めず登校することもストレスです。環境を変えることもできません。どうすればいいのでしょうか?」 環境を変えることができないと考えている時点で間違っています。 大学の中でも授業の受け方や座る席を変えるとか、付き合う友達を変えるとか自分を変えるなど、できることはいくらでもあるはずです。 人は誰でも試行錯誤して周りの環境に馴染んでいきます。これは人間関係でも仕事でも同じです。 この話し方や態度では馴染めないと感じたら、次は、話し方を変えたり服装を変えてみようかなどいろいろ試行錯誤できるはずです。 その工夫をしたり他人に興味を持ったりすることはないのに、自分は一切変わらず、周りの人には自分に興味を持って欲しいと考えているわけです。 そんな方にはこちらの本を読んでもらいたいと思います。 幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門 (単行本) 以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。 知性は知識量よりしゃべり方で決まる 100の知識を持っていても人に伝える能力や、その知識を表現する能力が3しかなかったら、その人は3の知識しか持っていないように見られます。 逆に、10の知識を持っていて、その10の知識を10表現できる力がある、あるいは、10の知識から自分の経験や考えを織り交ぜながら15表現できる人は周りから見て知的な人です。 知性というものは知識量とは別です。 もちろん知識量も必要ではありますが、知性というものは知識量よりも表現力や喋り方によるものが大きいということです。 どんな良い食材があったとしても、料理の知識や技術がなければ美味しい料理は作れないのと同じです。 知的に話して人の心を動かしたり、説得力を高めたいのであれば「料理人」にならなくてはなりません。 知識を上手に料理できるようにならないといけないわけです。 語彙力が大事だという人もいますが、専門用語をたくさん知っていて語彙力があるだけでもダメです。 専門知識も正しい使い方があり、よく心理学で言われることですが、難しい言葉を語っているとバカに見えるけれど、専門用語がなくてもバカに見えるという話があります。 専門用語を使ってわかりやすく説明することも大事ですが、そのためにはわかりやすい例や具体的な理解が必要です。 つまり、専門用語を使ったら、それをわかりやすい例えで言い換えることで、相手に内容が伝わりやすくなりますし、相手からの印象として知的に思われるようになります。 難しい専門用語を使えば、相手の中に疑問が生まれます。 専門用語については断言して相手の中に納得を作り出します。 ですが、当然そこで相手の頭の中には疑問も生じます。その疑問に対してわかりやすい例えを使って解説するから理解してもらえるわけです。 人に物事を理解してもらうためには自分がしっかり理解していなくてはならないとよく言われます。 これは、しっかり理解していないと、そのわかりやすい例えを出すことが難しくなるからです。 Dラボを見て、専門家や研究者が書いた論文に興味を持っている人もいるでしょうが、一般的な生活の中で使うのであれば、専門的な論文よりも研究者や専門家の人が一般向けに書いた本の方が使えますし、説明能力を鍛えるために役に立つと思います。 ボキャブラリーと IQ は比例する?! セントラル・アーカンソー大学の研究を見てみると、IQ が高くなればなるほどボキャブラリーが増えていくとされています。 わかりやすい話をする人ほど IQ が高いということです。 会話の中でキレのあるブラックジョークがどんどん出てきたり、ユーモアを使うことができる人は IQ も高くて、メンタルが安定していて将来成功する可能性が高いとも言われています。 これは口が悪ければ頭がいいということではなく、頭が悪くて攻撃性が高くメンタルも安定していない人はボキャブラリーも少ない人です。 ちょっとしたことでも感情的になって罵詈雑言を使い、なんでも最高と最低で区別していてボキャブラリーが乏しいです。 ブラックジョークやユーモアもボキャブラリーが多くないと美しくありません。ただ汚い言葉を並べるということとは違います。 例えば、10秒間でいくつの罵倒ができるかということを調べた実験があり、短時間に多くのボキャブラリーで捻った言い回しを出せる人の方が言語能力が高く頭がいいということが示されています。 ちなみに、ブラックジョークはメンタルの良し悪しとも関わっていて、気分が沈んで脳にストレスがかかっている状況下では判断能力が落ちて、このような時にはユーモアやジョークを理解する能力も低下するということがわかっています。 ブラックジョークの遠回しな皮肉やひねりを理解するには脳を使う必要があります。 その面白さがわかる、つまり、それを理解することができる人は脳が活発に働いているということです。 それゆえ脳が活発に動くから感情を処理する能力も高くなるので、結果的にメンタルも落ち込みにくくなり安定する傾向があるわけです。 もちろん、ブラックジョークを性格的に使いにくいという人もいると思いますが、理解するだけでも脳トレになるのでブラックジョークが出てくるような映画や小説を読んでみるのもいいと思います。 言葉遣いで3倍もモテる! 恋愛でも人間関係でも、共通の趣味があるといいとか、家が近いといいとかよく言われます。 確かに、人間は様々な共通点によって関係が深まりやすいということはありますが、その際に注目するべきポイントがあります。 ここで重要になるのもボキャブラリーです。 モテるためには外見とか様々なことが重要だと言われていますが、最近興味深いポイントが注目されていて、「言葉遣い」が似ているとモテるという研究があります。 思い出してみてください。 僕たちは恋愛に限らず人と話す時に、なんとなくこの人とは気が合うと感じる人もいれば、どうも気が合わない気がする人もいると思います。 この違いはどこから出てくるのかということを調べてくれたのが、2011年のテキサス大学の研究です。 この研究では、40人の男女を対象にスピードデートを行ってもらい、もう一度会いたいと思われる人と別に会いたくないと思われる人の違いについて調べています。 この研究では、男女が会話する時の「言葉遣い」に注目して記録しています。 スマホと iPhone 、コンピューターとパソコンなどのように、会話の中では同じ意味合いだけれど表現が違う言葉があります。 全員が使う言葉を調べて、その言葉遣いの類似性のようなものをチェックしています。 もう一度会いたいと思われ、連絡先を交換できたカップルとそうでないカップルを比べてみたところ、この言葉遣いの類似性に明確な違いがありました。 まず、確認されたこととして、同じような単語やフレーズを使う男女は、そうでない男女に比べて、なんと3倍もマッチングする確率が高かったということです。 同じような単語やフレーズを使う男女が33%の確率でマッチングしていたことに対して、同じような単語やフレーズをあまり使わない男女の場合には、わずか9%の確率でしかマッチングしなかったそうです。 言葉遣いが似ているかどうかということだけで、9%と33%もの違いになりました。 僕たちが感じる、「話が合う」「趣味が合う」というのは、「言葉遣いが一致しやすくなっている」ということが原因なのではないかとも考えられるぐらい、この言葉遣いによる影響は大きいものだということがこの研究では示されています。 ですから、相手に好かれたいと思うのであれば、相手が使っている言葉や表現にしっかり注目して、それを自分も使えるようになったほうがマッチングする可能性は高くなります。 そういう意味では、やはり、頭が良いボキャブラリーが広い人、芸人さんのようにユーモアがあって言葉を上手に使うことができる人はモテます。 これはたくさんの言葉やフレーズが頭の中にあるので、それを当意即妙に使って、相手の言葉遣いに合わせることができているからなのだろうと思います。 ボキャブラリーが多くて、それを上手に使って相手に合わせることができる人はモテます。 長期的な関係にも良い影響が! マッチングできたとしても、その後も重要です。 この研究では、同じような単語やフレーズを使うカップルは、その後も長続きするのかということも調べてくれています。 それによると、同じような単語やフレーズを使えるということは、長期的な関係にも役立つようです。 同じような単語やフレーズを使うカップルは、それが少ないカップルに比べて、なんと23%も関係が長続きする確率が高かったそうです。 つまり、モテたいとか、関係を長続きさせたい、そう思うのであれば、同じような単語やフレーズを使えるようになれば、モテるようになるし、お互いに同じような言葉遣いができるカップルであれば、そうでない場合に比べて関係が長続きする可能性が高くなります。 良い恋愛をしたいのであれば、自分と相手の言葉遣いに注目してみるというのが良い方法なのかもしれません。 そして、モテたいのであれば、ボキャブラリーを増やして相手の言葉遣いに合わせられるようになってください。 この研究では、共通すると好感度が有意に上がるフレーズというものも確認されています。 4つのタイプのフレーズが一致すると好感度を上げるとされています。 その1 :返事に関するフレーズ 例えば、「分かります」「その通りですね」などの、相手が言ったことに対する返事のフレーズが一致すると、好感度が上がりカップルが成立する可能性が高くなります。 ですから、まずは相手の返事のフレーズに注目してみてください。 その2 :相槌に関するフレーズ 例えば、「なるほど」「へえ」というような、相手の言ったことに対して返事をするのではなく相槌だけをする時のフレーズです。 この相槌のフレーズも、それが似ていると2人の関係が良くなりやすいし、マッチング率も上がるそうです。 その3 :分量に関するフレーズ 例えば、「多い」「少ない」「大きい」「小さい」などの、分量を表すフレーズが一致している場合の方が、マッチング率が上がったそうです。 「もっと欲しい」という人もいれば「たくさん欲しい」という人もいます。 このような量の大小を表すフレーズが似ているということも結構重要なポイントになるようです。 その4 :人称に関するフレーズ 「私は」「私たちは」「自分は」というような人称を表すフレーズが似ているということも重要なようです。 これは日本では少し難しい場合もあるかもしれません。 長く良い関係を築いている年配の夫婦でも、旦那さんも奥さんも「私は」と言う人もいますが、どちらかと言うと、「私」は女性の方が使いやすいということもありますし、男性の場合は、「僕は」「俺は」というような表現を使う人もいます。 日本語の場合には、極力「We:私たちは」で話すようにして頂けると、関係が良くなるということもわかっていますので、そういう使い方がいいのかもしれません。 ボキャブラリーと感情知性 ボキャブラリーと言語の認識力については遺伝の要素が多いと言われています。 言語と文字の認識については1/3が遺伝によって決まり、ボキャブラリーの理解力に関しては50%が遺伝で決まるという研究もあります。 知能指数:IQに対して、感情知性:EQというものがあり、これは他人の感情を理解する能力です。 EQ が高いよりも IQ が高い方が14倍も人生が良くなるのではないかという研究もあります。 数百人のセールスマンを対象に行なった研究で、IQ が高い人と EQ が高い人とでどちらの方が売り上げが高くなるのかということを調べていますが、EQ が高くても仕事の成果はあまり上がらず、一方で、IQ が高い人は営業成績が明らかに上がっていたという結果が確認されています。 IQ が高い人と低い人を比べると2倍近くもその売上に差が出ていました。 他にも、例えば、2010年にEQ テストと仕事の成績、IQ テストと仕事の成績を比べるという論文もありますが、これを参照してみても、やはり、確かに EQ が高い方が仕事では成果が出ますが、 EQ と仕事の成果との関係はおよそ1%ぐらいしか関係していませんでした。 ですか、IQ は14%ぐらいの関係があったということが確認されていたりします。 そういう意味では、 EQ よりもIQ の方が14倍も仕事にとっては重要になってくるということです。 感情を読み取る能力である EQ に関する研究も行われているにもかかわらず、なぜ IQ の方が大切だということになってしまったのかと言うと、結局、IQ が高くない人は EQ が発達しないそうです。 ここがポイントで、IQ が高くてもEQ が発達しない人もいます。ところが、 EQ を鍛えようとしてもIQ がある程度ないと EQ を鍛えることもできないわけです。 つまり、頭がある程度以上良くないと人の感情を読み取ろうとする能力は鍛えられないということです。 IQ があまりにも低いと EQ が育たないので、他人の気持ちを読み取る能力もなくなってしまい、人生でも人間関係でも、かなり苦労することになってしまうわけです。 2007年のメタ分析では、このように感情をより細かく分類できる人、あるいは、細かく分類できる様になるためのトレーニングをした人は1.3倍も感情知性を高めることができるということもわかっています。 つまり、感情知性はトレーニングで高めることができて、普段からただ良い悪いではなくどのように良いのか?どう良いのか?など、細かく深く表現することを意識的に行うだけで1.3倍も感情知性を高めることができるということです。 更に、感情に対するボキャブラリーが豊富な人ほど、人生における問題解決能力も高いということもわかっています。 会話の中で、その人がどのような経験をしたのかとか、最近買ったものや楽しかったことなど過去のことを尋ねたりすることがあると思いますが、多くの人が特にそれほど興味があるわけではないけれど聞いておこうぐらいで聞いていると思います。 その時に相手が言っている内容ではなく「使っている表現」のバリエーションに注目することです。 この感情表現に対するボキャブラリーが多い人は、自己コントロール能力が高いので、物事を我慢したりコツコツ努力することができます。 男性であれば将来成功する可能性も高いですし、女性であればパートナーに寄り添って支えてくれる可能性も高いです。 更に共感能力も高いので相手のことも理解できて、自分の感情も理解して冷静な対応もできます。 長期的に安定した恋愛関係を求めるのであれば、この感情知性の高い人とお付き合いするとうまくいきます。 これは友人関係でも同様なことが言えます。 ちなみに、感情知性は不安や心配の感情をコントロールするためにも重要です。 例えば、なんとなく漠然と不安と考えるのではなく、それをより具体的に考えて紙に書き出してみると 、その漠然とした不安が具体的な行動を示してくれることもあります。 不安やネガティブな感情にもメリットがあるということは皆さんもご存知だと思いますが、何がどのくらい?どのように不安なのか?なぜ不安なのか?具体的に細かく描写できる人の方がメリットを活かすことができます。 感情表現のボキャブラリーが減ってしまうと、不安からメリットを活かすこともできずコントロールもできなくなってしまいます。 感情知性を鍛えるためのおすすめ本 新しい文化に触れることによって、人は同じことに対しても対処の仕方や見る側面が変わってきます。 自分たちが持っていないような常識や文化を学ぶことによって、性格や行動がある程度変わるのではないかということが示された研究もあります。 気軽にそんな知らない文化に触れるという点ではこちらの本が結構役に立ちますので、皆さんも海外の文化に触れてみるといいのではないでしょうか。 翻訳できない世界のことば ここから先は、より具体的な知性を感じさせる話し方について解説させてもらいます。 話し方やコミュ力について不安を感じている人も多いと思いますが、話し方は全て技術として身につけることができるものです。 そんな方法について、ぜひ続きで学んでみてください。  

一問一答「あなたは、どんな話し方をする人に良い印象を持ちますか?」【知的に見えるトークの科学】

一問一答「あなたがもう二度としたくない失敗はどんなものですか?」【反省力】

あなたがもう二度としたくない失敗はどんなものですか? 今回はプロゲーマーを目指したいけれど過去に規約違反をしてしまったので、プロゲーマーという夢に挑戦してもいいのだろうかと悩んでいる若者の相談をもとに、失敗を力に変えるための方法について解説させてもらいます。 「Q. プロゲーマーを目指していますが、過去に規約違反を犯してしまったことがあります。今は反省して二度と同じことをしないようにしています。 プロの現役の選手でも過去の違反で最悪契約解除になる人もいます。 過去に過ちを犯した自分はプロゲーマーという夢に挑戦してはいけないと思いますか?もしチャンスが来ても諦めるべきでしょうか?」 今の世の中は過去の過ちを潰そうとしている人が多いです。 ガンジーの残した言葉があります 「間違いを犯す自由が含まれていないのであれば、自由は持つに値しない。」 人は間違う権利を持っていたからこそ、様々な試行錯誤を重ねて文明を発達させてきました。 間違いは誰にでもあります。 「弱い者ほど相手を許すことができない。許すということは、強さの証だ」 とも言われていました。 例えば、スポンサーがいるから契約解除が心配になるわけですから、プロのゲーマー兼ゲーム実況者とか、自分で稼ぐ方向に進めば誰の目も気にする必要はなくなります。 ポジションの取り方によっていくらでも状況を変えることはできると思います。 以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。 失敗を叩く世の中の過誤 有名人でも芸能人でも、少しプライベートで間違いを犯しただけで叩かれたり追放されたりします。 はっきり言いますが、そのような問題を起こした人を全員追放したとしても、業界は綺麗になるどころか必ず悪化します。 これは様々な失敗や間違いに対しての対応に関する研究でも明らかになっています。 別に間違いを犯した人を擁護するわけではありませんし、人が失敗したり間違いを犯したのであれば、それなりに反省したり罰を受けるべきだとは思います。 ですが、寄ってたかって業界から追放しようとしたり、過剰なまでに非難をぶつけて叩くのは決して日本のためにはなりません。 間違いをやり直すことができる文化が必要だと思います。 正しく反省してやり直すことができる世の中であってほしいと思います。 これは世の中としても組織としても言えることです。 人間が失敗したり間違ったことをした時に、受け入れることができるかどうかということは、「間違いをやり直すことができる文化が根付いているかどうか」で決まります。 個人でも会社でも全く同じです。 これについての研究は色々とありますが、ひとつ例として紹介させてもらいます。 病院の医療ミスについて調べた研究があります。 病院でもミスはあるわけですが、そのミスを少なくすれば当然ですが助かる命が増えたり大きな影響があります。 看護師を対象にしているので婦長さんですが、リーダーが間違いを厳しく罰する場合と、間違いを報告することを推奨した場合で、どちらの方がミスが少なくなったのかということを調べています。 その結果、ミスを厳しく罰するチームの方がミスの数は少なかったということです。 そうなると、やはりミスは厳しく罰するべきで、厳格なリーダーがチームを見るべきだと考えると思うでしょうが、そのデータを客観的にちゃんと調べてみると全く違う結果が見えてきました。 実際には、ミスが少なかったのは間違いを報告することを推奨し、やり直すチャンスを与える寛大なリーダーが率いるチームの方でした。 つまり、リーダーが厳格で厳しい対処をすればするほど、そのリーダーに報告されるミスの数が減っているだけでした。 多くの人がミスを犯しています。 ですが、リーダーが厳しくミスを処罰するとなると、そのチームはミスを隠蔽する体質になっていくだけです。 厳しい罰を与えたところで、組織も人も決して良くはなりません。 日本の国で考えると法律になると思いますが、ミスに対しては適切な基準に基づいた処罰を行うだけで、それ以上に人を罰するような文化がこのまま蔓延してしまうと大変なことになると思います。 むしろ、人は間違うものだから、それを報告した上でやり直すチャンスを与えるべきです。 その方が隠蔽体質は無くなりますので小さなミスも報告され、それを改善していくことができる体質になるので、結果的にミスも少なくなります。 ですから、間違った人がそれを反省してやり直すチャンスを与えないと組織全体がダメになります。 特に芸能界はそうですが、メディアは人の失敗が大好きです。 間違いに対して厳罰化を求めて人が苦しんでいるところを見たがる人が多いのはわかります。 ですが、それが加速してしまうと日本全体に隠蔽体質が広がってしまうだけです。 科学的に見ても長期的に見ても、間違いをやり直すチャンスを与えないと、みんなが隠蔽するだけです。 人は誰でも間違いを犯すことがあります。 世の中で見ても業界として見ても、組織やチームで見ても、今後同じような問題が起きたり嫌な思いをする人がいた時に、その失敗や嫌な思いをした人が正直にその声をあげることができなくなります。 組織やチームで過ちを犯したり、逆に、誰かに嫌な思いをさせられた人が正直にそれを言えなくなる環境が強化されていってしまいます。 つまり、過ちを正直に白状して反省することができなくなるだけでなく、その過ちによる被害を被る人も正直にそれを言えなくなってしまうということです。 そうなれば、失敗を恐れて挑戦できない世の中になるだけでなく、その過ちによって苦しんだ人たちも何も言えない世の中になってしまいます。 特に部外者が寄ってたかって叩くというのは意味がありませんし、やり直すチャンスが与えられない世の中にどんな将来が待っているでしょうか? 人は居場所をあえて残されたら、みんなのために頑張らなければならないと考えるようになります。 償う力を奪うというのは、僕は一番良くない行為だと思います。 日本人は失敗を恐れてどんどん挑戦しなくなっています。 これはバブルが終わった後から加速していて、国でも組織でも同じですが、やり直すチャンスがないというのは「間違えてはいけない」という文化になってしまいます。 ですが、人は誰でも間違います。 そうなると間違いを隠そうとします。 それが今の日本経済の苦しい状況につながっているような気がします。 日本では起業家の数がとても少ないです。 アメリカと比べると、GDP の違いを加味しても起業家の数は1/20しかいません。 経済は低迷するし優秀な人は国外に出て行ってしまいます。 失敗しない人間なんていないのに、失敗した人に対して非合理的なレベルの処罰を求めたり、寄ってたかって叩いてリンチします。 そうなると優秀な人ほど日本にいる意味はなくなります。 過ちを犯した人に対して、人は「被害者の気持ちを考えたことがあるのか?」と罵詈雑言を浴びせます。 その問題に本当に憤りを感じていたり、被害を受けた人を本当に助けたいと思うのであれば、加害者を叩くよりも同じような被害が出ないためにどうすればいいのか考えるべきです。 人を叩いている暇があるのであれば、そんなことが二度と起きないために何が出来るのか考えて行動するべきです。 被害者を助けたり世の中をより良くするためには、お金や時間など様々なリソースが必要になります。 ですが、失敗した人、過ちを犯した人を叩くことにはお金も労力も必要ありません。 多くの日本人がストレス発散のために他人を叩いて、それによって日本の経済がどんどん衰退する方向に進んでいます。 チャンスを与えない文化、やり直す機会を与えない文化、これがこれ以上進んでしまうと日本はどうなってしまうのでしょうか? 自分いじめと自信過剰バイアス 人は、失敗した時に自分を責めてしまう性質と、逆に、自信過剰になり失敗を活かせない性質があります。 例えば、サイエンス・ジャーナリストのジョン・マヌエル・アンドリオテ氏が、セルフトークに関する過去の様々な文献をまとめて、自分の心の中のいじめをシャットアウトするセルフトークについて調べています。 皆さんも失恋した時に自分を責めたことはありませんか? 「なんであんなことを言ってしまったのか」 「なんであんなことをしてしまったのか」 このように考え後悔したことは誰でもあると思います。 そこで次は同じような失敗をしないように頑張ろうと思える人と、もう二度とあんなにいい恋愛はできないと、反省するのではなく自分を否定する人がいます。 風邪をひきやすいとか、動悸や息切れ、めまいがしたりお腹を壊しやすいなど、病院に行っても原因がよくわからない体調不良に悩んでいる人も多いでしょうが、これももしかすると自己否定によるストレスが原因という場合もあるようです。 人生ではうまくいかないことも必ずあります。 ついついネガティブに考えがちな自分を改善しようと、もっとポジティブに考えようとする人がいます。 そのネガティブを否定しようとすると余計にネガティブになっていきます。 そして、投資やビジネスの世界で多くの人が陥るのが自信過剰バイアスです。 投資やビジネスに限らず、投資家について調べて研究を見てみると、お金がある人もない人も、自分には将来の株価の動向や投資の動向を正確に予測する能力があると過大評価する傾向があります。 本来の自分の能力よりも過大に評価しているということです。 成果が出たら自分の能力によるものと考え、失敗したら運が悪かったと、原因を深掘りすることができません。 そうなると、ただ運が良かっただけなのに自分には能力があると思い、次の判断で十分に考えることができなくなります。 失敗は運が悪かっただけだと考え、そこから反省したり学ぶこともできません。 この自信過剰バイアスが行き過ぎると、ポートフォリオを組むことなく、特定の投資に全財産を突っ込んだりしてしまいます。 さらに、取引の回数が無意味に増えてしまい、リターンがマイナスになりやすくなるというデメリットもあります。 誰でも失敗することはあります。 皆さんも失敗することもあると思いますが、自分の失敗も受け入れることができるようになっておくことが重要です。 間違うことはあったとしたら、それを受け入れてしかるべき謝罪や償いはします。 その失敗を活かして、その先どう進んでいくかが重要です。 自分の失敗を許せない人へのおすすめ 日本では自分を自分で罰する人が増えています。 これについてはセルフコンパッションを学んでください。 自分のダメなところも受け入れて、それを活かしていくしかありません。 それについてはこれらの本も参考にしてみてください。 マインドフル・セルフ・コンパッション ワークブック 失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織 フレンドトレーニング 人は正しく反省することができないと、自分を認めることができないために、他人と無駄に比較して落ち込んだり行動力を失ってしまいます。 セルフコンパッションが身についていないと、自分の能力やスキルを高めるための行動もできなくなってしまいます。 ですから、正しく反省して前に進むために、セルフコンパッションの中でもハーバード大学が推奨しているテクニックを紹介しておきます。 まず、セルフコンパッションは3つの要素から成り立っています。 1つは、自分への優しさで、自分に対しても他人に対しても優しい言葉をかけた方が人はやる気が高まります。 2つめは、一般的な人間性というもので、人は周囲との関わりの中で生きていることを自覚できるものですから、自分の過ちや失敗が自分だけのものではなく、そこには多くの人が関わっている場合もありますし、同じような過ちを犯す人もいくらでもいるということを理解しておく必要があります。 そして、3つ目は、マインドフルネスで自分の思考や湧き上がってくる感情にとらわれるのではなく、目の前の現実に対して客観的に目を向けることが大切です。 フレンドトレーニングは、自分に対して無駄に厳しくしているということに気づくトレーニングです。 多くの人は、別に自分は無駄に自分に厳しくもしていないし甘やかすこともしていないと考えていますが、実際には、ほとんどの人が自分に対して無駄に厳しくしています。 それに気づくためのトレーニングです。 ステップ1 :親友を慰めるところを思い浮かべる 落ち込んでいる親友に対して皆さんが慰めようとしているところを想像してみてください。 その時皆さんはその親友にどのような言葉を投げかけますか? どんなことをどのような口調や態度で伝えて慰めようとしますか? ステップ2 :親友を慰める言葉を紙に書き出す ステップ1で自分が親友に対して投げかけた言葉を紙に書き出してください。 これは最低でも10個は書き出すようにしてください。 ステップ3 :自分に切り替える 自分に対して不幸な出来事が起きたり何かに失敗したせいで自分自身がダメな人間だと自分を責めているところを想像してください。 このような時に皆さんは自分に対してどのような言葉を投げかけていますか?どのようなことを考えていますか? ステップ4 :自分に投げかける言葉を紙に書き出す ステップ3で自分に対して投げかけている言葉を紙に書き出してください。 これも最低でも10個は書き出すようにしてください。 ここまでで自分の親友が落ち込んでいる時にかける言葉を10個書き出し、自分自身が落ち込んでいる時に自分にかける言葉を10個書き出したということになります。 これを見ていただけるとかなりギャップが見て取ることができると思います。 親友に対しては優しく励ましているのに、自分に対してはしっかりしろと強く迫っていたりするのではないでしょうか。 ステップ5 :接し方を比較する 比べてみて、その中にどのような違いがあったのかということを紙に書き出してみてください。 これを実際にしてみてもらえると、ほとんどの人が親友に対して投げかける言葉と自分に対して投げかける言葉があまりにも違うということに驚くと思います。 このギャップを認識することによって、自分に厳しすぎるということを認識することができるようになります。 仕事や勉強でも、毎日順調なことばかりではありません。 時には反省する時間も必要です。 筋トレでもダイエットでも、目標やスキル習得に向けての取り組みでも同じですが、ストイックになりすぎると考えすぎてうまくいかない時もあります。 こんな時も、目の前の状況が自分の友達や大切な仲間だったとしたら、それについて意見を求めてきた相手に自分はどのように声をかけるか考えてみてください。 失敗や後悔だけでなく、なんとなくうまくいかないという時も、必死にもがくよりも建設的な打開策が見えてくることがあります。 そして、自分事として問題を捉えて厳しく見た視点と、親友や仲間の問題として評価した場合を比べて、その両極端の間を取ると考えていただけると、具体的な打開策を考えることもできます。 これが自分を甘やかすこともなく貶すこともない方向性を見つける方法です。 ここから先は、より具体的に失敗を学びに変えて人生に生かすための方法について解説していきます。 人は誰でも失敗します。 後悔を繰り返して学ぶこともない残念な人生ではなく、失敗を繰り返しながらも常に学び成長していく人生にしていきたいという方は、ぜひ続きもチェックしてみてください。  

一問一答「あなたがもう二度としたくない失敗はどんなものですか?」【反省力】

一問一答「あなたにとって過去最悪な状況とは、どのような状況でしたか?」【逆境指数AQ】

あなたにとって過去最悪な状況とは、どのような状況でしたか? 現代社会は様々な環境の変化に直面していて、大人も子供も毎日ストレスフルな生活を余儀なくされています。 今回はDaiGo師匠のおかげで苦しい状況から抜け出すことができたという方の声をもとに、逆境に耐え試練を克服して、感情的にも認知的にも、そして、社会的にも心身ともに健康的に過ごして日々成長していくための方法について解説させてもらいます。 「DaiGoさんのおかげでそれまでの苦しい状況から抜け出して人生を変えることができました。」 それは良かったです。 「今まで」と「これから」は違います。 今までの人生とこれからの人生は全く別物です。今何をするかで明日は変わります。 以上がDaiGo師匠からの返答でした。 逆境指数AQ 逆境指数(Adversity Quotient:AQ)とは、日常生活の中で起こるさまざまな逆境や問題に直面した際に、人や組織の立ち向かう力や対応力を数値化したものです。 AQのレベルは「CORE」という4つの指標の組み合わせによって決まり、それは、「コントロール(Control)」「責任(Origin・Ownership)」「影響の範囲(Reach)」「持続時間(Endurance)」とされています。 このAQのレベルが高ければ高いほど成功する可能性が高くなると言われています。 個人としても組織としても非常に重要な指標になりますが、これはトレーニングや様々な経験を重ねることによって鍛えていくことができるものでもあります。 逆境に遭遇してもストレスによってへこたれることなく平常心を保って問題を乗り越えることができる力です。 落ち込んでもそこから立ち直ってもう一度前に進む力とも言えます。 AQのレベルは以下の5段階に分類されます。 レベル1 逃避(Escape)……逆境に立ち向かえず逃げようとする レベル2 サバイブ(Survive)……なんとか生き残ろうとする レベル3 対処(Cope)……とりあえず対処をする レベル4 管理(Manage)…… 逆境を最善の方法で管理し解決しようとする レベル5 滋養(Harness)……ピンチをチャンスに変え、逆境をもとにさらなる飛躍を目指す その力を測定するテストやより詳しい内容についてはこちらの本を参考にしてみてください。 仕事の逆境指数―ビジネス現場での『逆境』をのりこえるための行動理論 例えば、自分の感情をコントロールできず怒りをぶつける上司や親は、部下や子どものAQのレベルを下げてしまうとも言われています。 そうなると人は失敗を恐れて行動しなくなってしまいます。 部下を信じて仕事を任せない上司、子供を信じることなく感情をぶつけてしまう親は、組織としての成功も子供の将来の成功も逆に邪魔してしまいます。 予期せぬトラブルが生じたとしてもパニックになるのではなく、冷静に状況を把握して乗り越えるためにはどうすればいいのかということを考え、具体的な行動を起こしていくことができる上司や親が組織も子供も可能性を高めていくことができます。 人は大小問わず1日のうちに24回逆境に遭遇すると言われています。 先の見えない時代だからこそ、AQで表わされる力が重要になるのではないでしょうか。 どんな困難な状況も逆境も恐れることなく、人生でも仕事でも日々成長して可能性を高めていく方法について解説させてもらいます。 1. コントロール(Control) これは自分の人生を自分でコントロールできている感覚を表す指標です。 自分を取り巻く状況を自分でコントロールできる感覚が強い人は、逆境を乗り越えることができる可能性が高いです。 2. 責任(Origin・Ownership) 逆境や問題の原因をしっかり見つめて、その結果がもたらす影響まで考えることができるかどうかを表す指標です。 これは当たり前のことだと考えるかもしれませんが、逆境に陥った時に、その原因や発端は自分にはない場合もあります。 例えば、スポーツであればスランプに陥った時に多くの人は自分に原因を求めます。 ですが、実際には敵チームが自分のチームを分析したりしたことで、こちらがスランプに陥ったかのように感じている場合もあります。 自分の責任はどこまでなのかを明確に知る必要があります。 原因を明確にして、具体的に自分が行動するべき部分はどこまでなのかをはっきりさせる必要があります。 そして、その問題の結果何が起きるのかということも明確にする必要があります。 この結果の部分を拡大解釈してしまう人が多いです。 例えば、パソコンが突然壊れた時に、必要なデータがなくなってパニックになって悲観してしまう人もいますが、パソコンが壊れても、もしかすると必要なデータを取り出すことができるかもしれないし、どこかにバックアップがあるかもしれないと考える人もいます。 3. 影響の範囲(Reach) 目の前の問題や逆境が自分の人生にどれだけの影響を与えるかということを見極める力を示す指標です。 例えば、仕事で大きなミスをしてしまい会社をクビになってしまうかもしれないという状況だとして、その会社をクビになるということが、自分の人生にどれだけの影響を与えるのかということを冷静に判断することができるかどうかです。 会社をクビになって命を絶つ判断をする人もいれば、死ぬ気になれば何でもできると考える人もいます。 変えることができない事実と、自分の思い込みを区別することができる力とも言えます。 4. 持続時間(Endurance) 人間には持続性バイアスというものがあり、自分の内側にある感情や目の前の状況がずっと続いてしまうと思い込みます。 調子がいい時にはその状況がずっと続くと思いたいし、悲しみも苦しみも一生続くと思い込みます。 ですが、どんな状況もずっと続くことはありませんし、どんな強い感情であってもずっと続くことはありません。 トラウマ:無意識の不幸な現状に戻りたい欲求 トラウマやネガティブな体験に悩まされて、結果的に、自分の不幸な現状に戻りたいという欲求につながってしまう人がいます。 トラウマや根深い不安を抱えている人は状況が変わることを恐れます。 今という現状がどんなにつらかったとしても、そこから動こうとしなくなってしまいます。 トラウマや幼少期のネガティブな体験で悩んでいる人は、「これ以上悪くならないように」と考え変化することを避けようとします。 これは学習性無力感と言われるものですが、無意識のうちに不幸な現状に戻りたいという欲求が生まれてしまいます。 これも認知行動療法で改善することができます。 重要なのは認知の歪みを治していくことです。 自分は悪くない 自分は恵まれていない どうせ何も変わらない 何をやってもダメ 自分は悪くないから、自分は恵まれていないから、そう言って何もしなければ結果損するのは自分です。 皆さんが苦しい状況に陥った時に、綺麗事を言ってくる人もいると思いますが、それを鵜呑みにしないようにしてください。 ほとんどの綺麗事を言う人たちは、確かに、自分たちが犠牲を払わないことに関しては助けてくれるかもしれません。 ですが、自分たちが犠牲を払わなくてはならないことに関しては、その助けを待っていても無駄に終わることの方が多いです。 まずは、自分ができることから手をつけるということが大事です。 自分で自分の逆境や苦しみを乗り越えることができると思えない人は行動できなくなります。 自分が行動することで状況を変えることができると思える感覚を学ばなければ、逆境を乗り越えることも、チャンスを目の前にしてそこに手を伸ばすこともできなくなります。 人は全てのことをコントロールできるわけではありませんが、全てをコントロールできないわけでもありません。 自分の行動で人生を変えることを学ばなければ、どうせ頑張ってもうまくいかないに違いないと考えてしまいます。 これは全く意味のない断定です。 「自分は昔から〇〇だからダメで・・・」と考えてしまうような人は、学習性無力感というものについて勉強してみるのもいいと思います。 この本を読んでいただけると、それによってそんな自分自身の思考に光が差すと思います。 学習性無力感―パーソナル・コントロールの時代をひらく理論 逆境を乗り越えられない考え方とは? 逆境を固定的かつ内在的で、さらに一般化して考えてしまう人は、学習性無力感を感じやすく、実際に逆境を乗り越えることが困難になります。 逆境を固定的なものと考えると、それは運命であり受け入れるしかないと思わせてしまいます。 逆境を内在的なものと考えると、全ての問題やトラブルの原因は自分の内側にあると思わせてしまいます。 さらに、一般化すると、ひとつの逆境が全てに影響すると思い込んでしまいます。 仕事がうまくいかないと、恋愛も趣味も全てうまくいかないと思い込むわけです。 ですから、逆境や困難な状況に陥ったらこの3つについて自問自答してみてください。 自分は逆境を変えられないものとして受け入れていないだろうか? 過度に自分に全ての責任があると思いすぎていないだろうか? 限定的な逆境を広く取りすぎていないだろうか? 例えば、テストで悪い成績を取った時に「自分はバカなんだ」と考えてしまう人も多いです。 同じように悪い成績を取ったとしても「今回はテスト勉強が足りなかった」と考えて、自分の行動に対する具体的な対策を考えることができる人もいます。 ビジネスであれば、成功できていないのは挑戦していないからです。 ですが、それを学歴のせいにしたり、生まれた環境のせいにしたり、できない理由を探しているのも逆境を固定的に考えているからです。 確かに、世の中は平等ではないかもしれません。 教育格差もありますし経済格差もあります。 様々な格差や社会的な問題が存在しているのは事実ですが、それは本当に乗り越えることができないほどの差なのでしょうか? 自分の人生を自分でコントロールできると信じている人は、それと同じぐらい、自分の人生を自分の力でコントロールしなくてはならないと思っています。 だからこそ、ネガティブな部分ではなく今の自分にあるものに目を向けて、それを使って前に進む方法を考えることができます。 楽観主義とパフォーマンス 悲観主義の人は逆境を永続的なものだと考え、さらに全面的なものだと考えます。 ひとつがダメなら全てがダメだと考える思考です。 そして、個人的なものと考えるので全てが自分のせいだと思い込みます。 自分が頑張ったぶんだけ収入が増える完全成功報酬の保険外交員について調べた研究があります。 逆境に対してより楽観的な考え方を持っている人の方が、契約件数が圧倒的に多くなり、悲観的な人に比べて1.88倍も契約件数が多くなっていたそうです。 しかも悲観的な人ほど退職率が高くなっています。 考え方が大きく違い、それだけで手にする結果は2倍近くも変わってくるわけです。 ですから、重要な3つのポイントとして次のことを忘れないでください。 ①逆境はずっとは続かない ②ひとつの逆境で自分の全てが否定されたわけではない ③逆境の責任が全て自分にあるわけではない いざ苦しい状況に陥った時には必ずこれを思い出してください。 ここから先は、逆境や苦しい状況を力に変えて前に進むための方法について解説していきます。 今苦しい状況にある人も、今は順調だけれど、いつか直面するかもしれない逆境に備えておきたいという人も参考にして頂ける内容です。 ぜひ続きもチェックしてみてください。  

一問一答「あなたにとって過去最悪な状況とは、どのような状況でしたか?」【逆境指数AQ】

一問一答「あなたが、最近、自分を責めたくなったのはどんな時ですか?」【劣等感の消し方】

あなたが、最近、自分を責めたくなったのはどんな時ですか? それなりの生活ができているのにいつまでも自分に自信を持てなかったり、ダラダラと過ごしては自己批判で、余計に悪い習慣を助長してしまったり、生まれた環境や親の影響で悩んでいたり、仕事や勉強が思うようにいかないことで悩んでいたりする人が多いと思います。 人は誰でも悩みを抱えながら毎日を過ごしているわけですが、今回は、自分に対する劣等感についての相談をもとに、劣等感や自己批判を消し去るための心理学について解説させてもらいます。 「Q. 19才男です。某私立大学に入学してから周囲に容姿の良い人が多いことに気づき劣等感を感じています。そこで美容整形を考えていますが、やめ時がないことや修理に隠す事の疲労を考えると踏み切れません。どうすればいいと思いますか?」 見た目がかっこよくなくてもモテる人はたくさんいます。 まずは肉体を磨くことからしてみてはいかがでしょうか? できることをしてから美容整形を考えるのであればわかりますが、まずは体を鍛えてからが基本です。 自分の体に自信がないセルフボディイメージが悪い人は、その状態で整形をすると、それこそやめ時がわからないきりがない状態になります。 なぜかと言うと、それは自分の力で手に入れたものではないからです。 まずは首から下だけでもいいので、ダイエットや筋トレをして、自分の力でかっこいい肉体を手に入れてみてください。 首から下のかっこいい体は自分の力で手に入れたものと思えるようになるので、それは自分を受け入れる力にもなります。 その感覚があれば、いざ整形をしようと思っても「一重を二重にするぐらいでいいかな」「少し鼻を高くしてみるぐらいで十分かな」と思いとどまることができます。 自分を受け入れる力がない状態で整形を考えてしまうと、あらゆるパーツを変えなくてはならないと思い始めます。 ボディイメージを改善するためにまずは筋トレをおすすめします。 それから美容整形をするか考えたらいいと思います。 以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。 「劣等感」とは? アメリカ心理学会(APA)は劣等感の定義について次のように言っています。 「物理的、または、心理的な文脈から発生する不十分さと不安の基本的な感情」 つまり、劣等感というものには2種類あります。 まず物理的な劣等感、そして、心理的な劣等感の2つがあり、さらに、実際に存在する客観的な劣等感と想像上の劣等感の2つがあります。 例えば、物理的な劣等感としては、自分の見た目が悪いとか背が低いとかです。 心理的な劣等感とは、 自分は内向的で引っ込み思案だとかです。 自分が太っていることを気にしていることによる劣等感だとしたら、実際に客観的にも太っている劣等感と、自分が気にしているだけで客観的に見るとそんなことはない劣等感があります。 劣等感と言っても色々なパターンがあるわけですが、どちらも自分が何か不十分、あるいは、自分が何か不十分だと思うことによって不安を感じている感情です。 現代の主要な心理学においては、「客観的に自分に何かが足りない」「自分に何かしらの心理的な欠陥がある」という客観的な劣等感を認めています。 劣等感にも色々とあるわけですが、例えば、社会的なスキルが低いとか人とのコミュニケーションが全く取れないなど、自分の実際の欠陥があると判断された場合は、セラピストや精神科医に相談してもらい、まずはその自分の欠陥を受け入れて、その上で自分が望んだスキルや欲しい能力のために練習していくというのが一般的な治療方法であり改善方法です。 つまり、客観的な劣等感であれば、それを受け入れた上でどのようにしたら改善していくことができるのかを進めていくのが今の心理学です。 とはいえ、主観的な思い込みによる劣等感もあります。 これらの劣等感を持っている場合には改善していった方がいいです。 色々とありますが、あくまで例として4種類紹介しておきます。 いずれにしても、自分の劣等感が思い込みなのかどうかは見極める必要があります。 失敗スキーマ :批判の多い親、自己否定 これは幼少期の経験が原因になって、自分の考え方や行動のパターンが変わってしまうというものです。 いわゆる毒親の影響によるものが多いです。 批判され続けたことが原因で、自分に対して常に否定的な態度が植え付けられてしまった状態です。 自分に何かしらの欠陥があるわけでもコミュニケーション能力が低いわけでもないのに、子供の頃から親に否定的なことを言われ続けてしまったために、自分はダメで人とコミュニケーションを取ろうとしてもうまくいかないに違いないと考えてしまいます。 親からの批判が与え続けられたことによって、自分に何の欠陥があるわけでもないのに、欠陥があると思い込んでしまったのが失敗スキーマです。 こうなると諦めやすい性格になってしまいます。 自分を常に否定的に見てしまうので、自分の能力や自分が行った成果や実績に対しても全て基準レベルに達していないと考えてしまいます。 例えば、何かの仕事をしようとしても、その仕事に必要な能力が自分にはないと考え、どうせ結果は出ないと努力を諦めてしまいます。 これは自己成就的予言と言われるものですが、努力は諦めるから本当にうまくいかないということになります。 本当は能力も実績ももう少し努力を続ければ目標を達成できるところまで来ているかもしれません。 ところが、失敗スキーマのせいで努力を諦めてしまうので、本当に目標を達成できなくなってしまいます。 結果的に、ダメな自分という思い込みが現実のものになってしまいます。 欠陥スキーマ :完璧主義の親、評価を避ける 自分は本質的に劣っていて根本的に間違っていると感じさせる思い込みです。 先ほどの失敗スキーマは親に否定されることにより起きますが、欠陥スキーマは自己否定が強かった親のもとで育てられた人に多いです。 親が子供に対して何かをするというよりは、親が自分自身を卑下している状況です。 例えば、お母さんが「うちの家はお父さんの稼ぎもそんなに良くないし、両親とも学歴も低いから高望みなんてできない。だからあなたもそれなりの人生になる。」というようなことを言ったりします。 親が自己卑下が強すぎたり完璧主義な場合です。 完璧ではないから行動するのはやめておこうというような完璧主義の親のもとで育てられた人に多いタイプです。 親がこのような状況だと、子供は常に自分の欠陥を意識させられます。 親が自分のダメなところや欠陥ばかりを常に意識しているので、子供も無意識のうちに同じような思考になってしまいます。 結果的には、否定され続けたわけではないのに自分の欠陥を無駄に責めるようになり、自分が判断や評価をされる状況に身を置くことを避けるようになります。 失敗スキーマの場合には自分を否定することによって努力を諦めますが、欠陥スキーマの場合には、親が自分を卑下したり完璧主義だったために、自分が勝ち負けが決まったり評価される状況に身を置くと、自分に欠陥があることがバレてしまうのではないかと考えてしまいます。 恥スキーマ :無能感、慢性的に感じる鬱 メンタルにダメージを与える思い込みに関する51の研究から17,830人分のデータをまとめた研究があります。 そこから人生に対するダメージが強い思い込みについて明らかにしてくれています。 そこから2つのタイプの思い込みが確認されています。 これが残りの2つの思い込みです。 恥スキーマになると大人になってからうつ病を発症する確率が高くなります。 社会に馴染めないとか自分の居場所がない、自分は無能だという思い込みを持ちやすくなります。 自分に対して著しくネガティブな評価を常に持っていて、もはや苦痛を伴うような状況になっています。 もちろん、恥の感情というものは全てが悪いものではなく、上手に使うことができれば、自分の人生や人間関係の変化に活用することもできます。 こんなことでは恥ずかしいと思って努力できる人もいますし、ちゃんとしなくてはいけないと自分をコントロールすることができる場合もあります。 ダイエットも同じで、太っている自分が恥ずかしいから運動したり食事制限を頑張ることもできます。 恥の感情は短期的に抱いてそれを活用できる場合であれば役に立ちます。 ところが、恥スキーマの人は常に恥の感情を抱いています。 常に自分は恥ずかしい人間だと思い込んでいて、慢性的に自分を恥じているとメンタルはボロボロになってしまいます。 メンタルがボロボロになってくると、当然ですが自分に誇りを持てるような行動もとりづらくなります。 結果的に劣等感が強くなってしまいます。 孤立スキーマ :自分の居場所がない 自分には友達もいなくて1人なんだという思い込みです。 どんなコミュニティやグループにも所属することがなく、常に自分の居場所がないような感情に苛まれ続けます。 自分は社会に溶け込めない社会不適合者だと思い込んでしまいます。 この感情が一時的なものであれば問題はありません。 この孤立の感覚を自分が別の居場所を見つけるためのモチベーションに使うのであれば役に立ちます。 これによって人とは違う戦い方ができますし、人とは違うことができるようになるからです。 そうではなく、常に居場所がない感覚を持ち続けると危険です。 例えば、会社にも自分の居場所がないし飲みに行ったりする友達もいない、一緒にスポーツをしたり趣味を楽しむコミュニティもないと常に孤立を感じるのはよくありません。 ここまでで皆さんも気づいたのではないでしょうか。 劣等感を感じる思い込みというものは、どれもが社会的なつながりに関する思い込みです。 自分を否定して失敗することを恐れていては何も始めることはできません。 努力を諦めていては何も続けることはできませんし、これは人間関係でも同じです。 評価されることを避けると価値があることはできません。 仕事でもどんなことでも同じですが人との繋がりも作れなくなってしまいます。 恥の感情を常に感じていては、自分は誰かと繋がったり友達になる価値はないと考えてしまいます。 自分の居場所はどこにもないと考えてしまうから、当然人間関係もうまくいかなくなります。 これらの思い込みを改善するには、認知行動療法やセルフコンパッションに取り組んだり、科学的に確立された方法を使う必要があります。 自分の劣等感の根本的な原因に向き合うためにもセルフコンパッションなどを使う必要があります。 それによって自分のどこがダメなのか認めていく必要があります。 「自分はダメだ」 人間は困難な状況に自分が飲み込まれた時に、自分がダメだからだと思えば楽になることができます。 大事なのは、どんなに困難な状況であったとしても、自分を否定するのではなく受け入れて進んでいくということを考えるということです。 ダメだと自分を罰していては、それにより努力しない理由や現状を受け入れない理由を探してしまい、それは言い訳になってしまいます。 Compassion(コンパッション)――状況にのみこまれずに、本当に必要な変容を導く、「共にいる」力 そんな方にはこちらの本がおすすめです。 これは状況に飲み込まれずに変化を受け入れる方法を教えてくれます。 困難な状況を変えるためには、その状況をどんな状況であったとしても受け入れなければなりません。 この本を読んで実践すればその状況を受け入れることができるようになります。 今の状況が最悪だと立ち止まるのではなく、どうやったら動き出すことができるのかということを考えるべきです。 自分がダメだと認めるのは別にかっこいいことでもなんでもなく、もし自分がダメだとしてもその状況の中で何だったらできるのかということを知ることが大事です。 そのためにはまずは自分が置かれている状況を受け入れる必要があります。 であれば、どうすれば受け入れることができるのかということを教えてくれるのがこの本です。 劣等感が言葉の選び方に現れる! 社会的ステータスとプレゼンを行ってもらう際の言葉遣いについて調べた研究を見てみると、事前に「あなたは他の人よりも少しステータスが低い人材です」と言われた学生は、41%の可能性でわざわざ同じ説明なのに専門用語満載の難しい説明を選んだそうです。 一方で「あなたは他の人よりも優秀でステータスが高い人材です」と言われた場合には、29%の学生だけが難しい方を選びました。 つまり、ステータスが低いと言われると、より多くの学生が難しい言葉を使うようになり、ステータスが高いと言われると、わかりやすい言葉を選ぶ確率が高くなるということです。 ですから、自分が所属している集団の中で周りに比べて地位が低いと思う人ほど、難しい専門用語を使った説明を好むようになるし、自分もそんな言葉を使いやすくなるということです。 人間の劣等感が言葉の選び方に現れるわけです。 この研究では、続く調査も行われています。 ここでは、参加者たちに自分たちのことを「ステータスが高い研究者」あるいは「ステータスが低い研究者」だということを想像してもらっています。 その上で、自分がプレゼンを行うタイトルを自由に選んでもらい、その理由を質問しました。 自分がステータスが高い場合とステータスが低い場合、それぞれで想像してもらいプレゼンをするというだけであっても、やはり同じような結果が確認されています。 自分がステータスが低い研究者だと想像すると、専門用語を多用したプレゼンをする可能性が高くなり、タイトルも難しい言葉が使われていました。 さらには、プレゼンを聞くオーディエンスが自分のことをどう思っているのかを気にする傾向も高くなっていました。 ですから、意識高い系の専門用語を多用してマウンティングをしてくる人は、自分の社会的なステータスをめちゃくちゃ気にしています。 それと同時に、自分の能力やステータスが低いということを認識していて、周りからの評価に敏感になっている人です。 自分のステータスが低いと感じていて、他人の評価をやたらと気にしすぎている人が、このような専門用語を多用したマウンティングを仕掛けてくるということです。 自分に自信がある人は、力を誇示することよりもわかりやすさや簡単さを優先します。 劣等感が強い人はわざわざ難しい言葉を使ってしまいます。 思い当たるところがある方がこれを改善するとしたら、気にしすぎ対策をしてみてください。 結局他人からの目線が気になっている状態なわけですから、自分をすごく見せたいという思いが言葉遣いにも知らないうちに出てしまいます。 他人からの目線を気にすることなく、もっと本質的なことや自分が大切にしていることを重要視するようにしてください。 答えは自分の弱さの中にある 人は誰でも劣等感を少なからず感じることもありますし、毎日いろんなことに悩みます。 このようなすべての悩みの答えというものは、実は自分の弱さの中にあります。 その自分の弱さと向き合わないと、人は自分がどのように変わればいいのか、結局自分は何をしたいのか、ということが見えてきません。 例えば、全てを手にした完璧な全知全能の神様な人がいたとして、おそらくその人は欲しいものはありません。 自分が何か欲しいとか、何かをしたいとか、そのような欲求はないわけです。 ところが、僕たちは完璧ではないから、もっとこんな能力があったらいいなとか、体型がもっとかっこ良くなったらいいな、素敵な彼女や彼氏が欲しいな、色々なものを日々求めます。 それも自分のネガティブな面や様子に目を向けることができなければ何も始まりません。 自分の弱さに目を向けて、それを理解した上で、どんな努力をすればそれが手に入るのかということを考えて初めて変わり始めます。 弱さに目を向けることができなければ、僕たちが何をしたいのか、何を手に入れたいのかということがわかりません。 ただ、ほとんどの人がその自分の弱さとの向き合い方を大きく間違えています。 この間違えるパターンには3つあります。 自分の弱さから目を背ける人 一番よくあるパターンはその弱さを見て見ぬふりをするというものです。 自分の弱さと向き合うのが怖いから、そんなものはないと考え見て見ぬふりをします。 例えば、会社の待遇や上司に対して毎日愚痴や不満を言っているのに、やっぱり安定が一番だからとか、上司がムカつくけれど給料はそれなりにあるから自分は恵まれているほうだ、などと本心では思ってもいないのに、自分で自分に対して言い訳を言ってネガティブな部分から目を背けるわけです。 自分の弱さを卑下する対象にしてしまう人 自分にはそんな弱さがあるから、何をやってもダメなんだというように自分を卑下します。 自分はもうだめだとか自分の人生はお先真っ暗だと考え、自分の弱さを改善するのではなく、その弱さを理由に自分を否定して悲劇のヒーローやヒロインになって、いわゆるかまってちゃんになります。 自分の不幸自慢をする人がよくいますが、これも同じです。 聞いてもいないのに、自分の境遇がどれだけ恵まれてなかったかとか、どれだけ苦労したのかというような話をグダグダ語る人がいますが、そんなことを言っていても人生は変わりません。 自分の弱さをひけらかして周りの気を引こうとする人です。 自分の弱さを言い訳にして立ち止まる人 自分の弱さから目を背け現実逃避してしまう人、自分の弱さを卑下してかまってちゃんになってしまう人、そして、最後は、自分の弱さにとらわれてしまい、それを前に進まない理由にしてしまう人です。 人間は誰でもいつでも変化していくことができます。 弱い部分があるのであれば、その弱い部分を克服したり、自分の弱い部分に向き合うことにより自分に足りないものが見えてきて、それが自分を変えるための指標になるものです。 それなのに、自分の弱さを見て見ぬふりをしたり、それを変えることもなくひけらかして周りに助けてもらおうとしすぎる人、それを理由にして立ち止まって成長を止める人、これらになっては意味がありません。 いずれにしても自分の弱さに向き合えない人は残念な人生になってしまいます。 ただし、自分の弱さと正しく向き合うことができなければ精神的に潰れてしまいます。 では、どうすれば正しく自分の弱さと向き合えるのかということを助けてくれるのが科学であり、そのためにはこちらの本が役に立つと思います。 insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力 こちらは自己省察という概念について解説されている本で、これにより自分を客観的に見ることが出来るようになります。 また、仕事でも勉強でも趣味でも、ついつい人と比べてしまい劣等感を感じやすいという人も結構いると思います。 逆に、まったく劣等感を感じてなさそうな人もいると思いますが、これは劣等感がないのではなく、それを受け入れているだけです。 劣等感というものはそれを消そうとするのではなく、受け入れる方法を学ぶことが大切です。 そのための方法としてはこちらの本が参考になります。 自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる ――マインドフルネスと心理療法ACTで人生が変わる (単行本) 今回は劣等感を消し去る方法について解説させてもらいました。 ここから先は、言い訳をすることなく常に成長し続ける人生のために役に立つ劣等感を消すための5つのワークについて解説させてもらいます。 どれも簡単にできることばかりですので、ぜひ続きもチェックして日々成長するために役立ててみてください。  

一問一答「あなたが、最近、自分を責めたくなったのはどんな時ですか?」【劣等感の消し方】

一問一答「あなたが自分の想いを理解してもらえなかったのはどんなときですか?」【敵を味方にする話術】

あなたが自分の想いを理解してもらえなかったのはどんなときですか? 今回は、親に都会に出ることを反対されているという方の相談をもとに、反発する相手すら味方にしてしまう話術について解説させてもらいます。 「Q. 都会に移住して仕事をしたいのですが親が許してくれません。そのような親の心理状態はどのようなものなのでしょうか?」 親の心理を理解しようとするよりは説得を学んだ方がいいと思います。親はずっと子供でいて欲しいと思っていたり変わって欲しくないものです。そういう意味では、自分が変わったという証拠を見せるか説得するしかありません。 人間は理解し合えることができない生き物です。大切なのは理解し合うことができない中でも、どのようにしたら一緒に生きていくことができるかということを考えることです。 それができない相手に対しては説得して進んでいくしかありません。 以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。 敵も味方にする技術 プロの人質交渉人に学ぶ、反発してくる可能性が高い相手にさえも商品やサービスを売る話術について解説させてもらいます。 営業やビジネスだけでなく、日常会話の中でもお願い事や頼み事をする時にも使えます。 イエスと言わせるというよりは、ノーと言わせない方法です。 多くの人は相手にイエスと言わせようとします。 まずこれが間違いです。 想像してみてください。 あなたにイエスと言わせようとする人がいたとしたら、その人にどんな印象を感じるでしょうか? おそらく押しつけ感が強い印象を持つと思います。 ですから、イエスと言わせようとする必要はなく、ただノーと言わせなければいいだけです。 相手のNoを封じる言葉遣い セールスマンを対象に、どんな言葉遣いをしている人の営業成績が良いのかということを調べた研究があります。 それによると、いかに相手の否定を封じるかということに特化したセールスマンの方が成績が良く、そんな言葉遣いが営業成績を決めるということが確認されています。 イギリスで飛び込み営業をしているセールスマンの1ヶ月にわたる営業成績を集めて、どんな言葉遣いをすると営業成績が良くなるのかということを調べています。 その結果、説得が上手なセールスマンは、相手にノーと言わせない言葉遣いが多かったそうです。 相手が否定しづらい言葉遣いをすることが重要です。 例えば、電話営業であれば、一度電話したけれど留守電でもう一度電話をしたら相手が出てくれたという時に、「今お電話よろしいですか?」「◯◯のサービスに興味はありませんか?」と質問すれば、ほとんどが即答で「結構です!」「間に合ってます!」と拒絶されて終わります。 そうではなく「先日お電話させていただいたものです」「その際には弊社のサービスについての説明を留守電に残させていただきました」「今回は弊社のサービスの中でも◯◯について…」と話を続けると、相手は間違ったことを言われているわけではないのでノーとは言えません。 つまり、相手にイエスかノーかの選択をさせない、とりあえず相槌を打ってくれそうな言い回しを最初に立て続けに話すわけです。 別に相手の話を承諾したわけではなくても、思わず相槌を打ちながら話を聞いていると、なんとなく相手の申し出を承諾した気分になってしまいます。 そして、ある程度話を聞いてくれたら、営業成績の良いセールスマンは、詳しく営業かけるためのスケジュールを調整します。 興味があるかないか、買う気があるかないかとなると、いきなりイエスかノーかの選択を迫るようになってしまいます。 いきなりスケジュールの話になると、相手がスケジュールを確保することに同意してくれたかのように持って行くことができます。 例えば、「◯月◯日は空いていますか?」と質問すれば断られますが、「都合のよい日は頭に浮かんでますか?」と質問すると、その相手はその流れに承諾しているかのようになります。 前置きの部分で相手がノーと言いづらい話を立て続けにした後で、上手にスケジュールの話に持って行きます。 これによって前提として直接会って話をする流れかのように話を持っていくわけです。 研究チームによると、見込み客がこちらの発言にノーと言うスタンスを制限すると、ネガティブな結果につながる可能性を少なくできると言われています。 ですから、相手に営業したり交渉する時の話術を上手になりたいのであれば、機会があれば自分の話している会話を録音してみてください。 自分の営業トークが冷静に考えて相手にノーと言わせる話し方になっていないかチェックしてみてください。 例えば、女性をデートに誘うとしたら皆さんはどんな誘い方をしますか? 「◯月◯日にデートに行こう」と誘うと断られやすいですが、まず最初に「イタリアンとフレンチだったらどっちが好き?」「来週と再来週だったらどっちの方が都合いい?」と誘うと相手は断りにくくなります。 営業でもデートの誘いでも、選択肢にノーを入れないような話し方をするだけで、成功率は圧倒的に高くなります。 絶対にNoを言わせない交渉術 今回は人質交渉をしているような人たちについての研究をもとにしています。 人質交渉では、当然ですが人命がかかっている状況です。 そんな研究をもとに、相手にノーと言わせない交渉術の3つのポイントについて解説させてもらいます。 ポイント1 :二人称の禁止 人質交渉において人質の安全を確保するためには、犯人と交渉人の間に、協力関係があるかのように思わせる必要があります。 商品やサービスを売る場合も同じです。 モノを売る側と買う側となった瞬間に対立してしまいます。 そうではなく、あくまで見込み客の相談者として、より良い結果を手に入れるために寄り添う姿勢を見せなくてはなりません。 そのために使えるのが、夫婦関係も良くなるWeトークです。 二人称を避けて、相手と相手の考え方を切り離して会話をします。 「その考え方は〜」は構いませんが、「あなたは〜」と話すと関係もできていない中で人格を否定するような印象になります。 実際にベテランの交渉人ほどWeを使うそうです。 それによって犯人との間に協力関係があるような印象を持たせます。 「あなた」と「私」ではなく、「我々がどうすれば一番良い結果にたどり着けるか考えましょう」というスタンスです。 例えば、自分の商品を売り込む際に「あなたの使っている商品よりも私たちの商品の方がいいです」と言ってしまうと反感を持たれるだけです。 「御社の売り上げを伸ばすために、できることがあれば協力したいし、ニーズを話していただければ、そのために役に立つ良いアイデアが生まれると思います」というように、一緒に考えるスタンスで話すためにWeトークを多用します。 特に日本語では主語を曖昧にしてしまう会話が多いです。 曖昧にすることで誰と誰が仲間なのかがわからなくなりますので、はっきりとわかりやすく使うようにしてください。 ポイント2 :中立的ワード 二人称の代わりに中立的ワードを使うのも効果的です。 例えば、「あなたは〜」ではなく、「この状況では〜」「一般的には〜」というように、所有格をつけないことで相手ではなく世間の常識に物申すような印象を持たせます。 ポイント3 :レッテルを貼らない 相手の考えや信念というものは必ず自分とは違います。 一部同じところはあるかもしれませんが、考えや信念が全く同じ人なんていません。 ですから、相手の考えや信念に対してレッテルを貼るのは対立を生むだけです。 例えば、「Aさんは誰もが医療を無料で受けることができるようにするべきだと考えているし、教育も全て税金で賄うべきだと考えている」ではなく、「Aさんは反資本主義だ」と言ってしまうと細かい部分が見えなくなります。 レッテルを貼る行為は細かい部分が見えなくなるだけです。 目の前の相手に対しても他人に対しても、レッテルを貼る行為は、それによって人を切り捨てることが平気でできる人だと思われます。 その印象によって相手に抵抗感が生まれます。 レッテルを貼る行為は物事を単純に見すぎる行為です。 それによって、目の前の相手に対して細かいニーズにも気づけなくなります。 簡単に他人にレッテルを貼っていれば楽に生きることはできるかもしれません。 「反ワクチン派の人は〜」というようにレッテルを貼れば楽ではあるでしょうが、それは人を切り捨てる人と思われるだけでなく、自分自身の観察力が減ってしまいます。 ポイント4 :「懐疑的」という言葉を使う 相手の意見に反対しなくてはならない場合もあると思いますが、「私は反対です」「私は違います」ではなく「私は懐疑的です」という言葉を使ってください。 もちろん安易に同調すると、後々足元を救われたりしますので反対しなくてはいけない時もあると思います。 「私は反対です」と言ってしまうと取り付く島がないような印象を与え、相手は余計に態度を変えなくなってしまいます。 「懐疑的です」「断言はできません」という言葉は、相手の考えや心をそこまでこじらせることはありません。 例えば、政治の話になるとなかなか面倒なこともあると思いますが、その場合も同調したり反対するわけでなく「それについては懐疑的で〜」と答えると、そこから議論が始まって考えは違っても親しくなれることもあります。 視点を変える会話のリフレーミング 相手との会話を別の言葉で表現してお互いの視点を変えるテクニックです。 会話のテーマによって人の意見は変わります。 例えば、「女性が家事や育児をするべきだ」という意見を聞くと、間違いなく叩かれますし批判したくもなります。 同じような意見だったとしても、「女性は男性よりも観察力に優れているので、家事や育児では男性よりも高い能力を発揮することが多い」という意見であれば、納得することもできると思います。 同じようなことを言っているにも関わらず、ほんの少しテーマや視点を変えるだけで、人は考えや態度が変わります。 それを上手に使うのが会話のリフレーミングです。 例えば、アメリカで銃規制の話題になると、多くの人が人権や安全についての議論を始めます。 人が銃を持つことに賛成だという考えの人がいたとして、その人が子供を持っているとしたら、「あなたは子供を愛している良い親だと思いますが、もし子供が銃を持っていたとしたら心配になりますよね?それについてはどのように考えますか?」と質問すると、銃規制の問題から「良い親の子供に対する責任」という問題に話をすり替えるテクニックです。 そうなると強硬な意見を持っていた人も、さすがに子供に銃を持たせるのは問題なのではないかと態度が変わってきます。 相手を一生懸命説得しようとするよりも、話題のテーマを変えたり会話をリフレーミングする方が相手は態度を変えやすくなることが多いです。 会話のリフレーミングのための3つのポイントを紹介しておきます。 ポイント1 :共通点を中心話題に 例えば、大麻の合法化についての議論をしているとしたら、大麻を禁止するべきだと主張している人は多くの場合は乱用による問題を不安視していて、合法化するべきだと主張している人は、それによって医療的に助かる人がいるということを中心に考えています。 ここで考えていただけると、どちらも「節度を守って使う」という点では同じことを言っています。 このような意見がぶつかっている状況で、お互いの意見が違う部分に注目しては対立が強くなるだけです。 お互いのポジションが全く違うように見えたとしても、実際には一部に共通点があることがほとんどです。 その共通点を中心に議論していくことが大切です。 大麻によって助かる命があるということと同時に、若者たちの濫用が問題なのであれば、若者たちの大麻の濫用を防ぎながら、本当に必要な人に届ける方法はないだろうかという議論ができれば、病院だけでは使えるようにするとか処方箋を必要にするなど、建設的な意見が生まれることだってあります。 共通点を話題の中心にして、どうすれば共通点の部分を同時に叶えることができるかと考えられるようになると、相手の態度は一気に変わり一緒に話し合って解決していこうとするようになります。 自分の意見を押し付けて相手の態度を変えようとしても変わりません。 反対意見との間にある共通点を見つけて、その共通点について根本的な議論をするようにしてください。 ポイント2 :公共の利益を話題に 議論の内容や衝突している部分をリフレーミングして 、「より社会の役に立つ」「より公共の利益につながる」内容として視点を変えていきます。 例えば、皆さんがサービスを売り込みに行ったとして、相手がコストも上がるし渋っていたとしたら、「このサービスを使ってくれれば御社の顧客満足度はこれぐらい上がるはずです。そうなればお客さんは喜んでくれるのはもちろんですが、それによってもっと社会は良くなると思いませんか?」というような言い方をします。 コストの問題に執着している相手に対して、価格の部分に注目して議論しても平行線ですが、それによってより多くの人が喜んで公共の利益につながるとなると効果的です。 特にこのタイプのリフレーミングは、相手が強い抵抗を示している時や不機嫌になっている時に効果的です。 特に、ここ最近では原材料が高騰して値上げを要求しなくてはならない状況も多いと思います。 例えば、「他社は値上げができないから質を落としてでも価格を維持しようとする企業が多いですが、御社が理解を示してくれたら質を担保することができるので、ユーザーはそれを理解してくれて、結果的に世の中を変えることができるはずです」と言われると、社会に貢献できるという感情が芽生えてイライラした感情も落ち着いてきます。 人は社会的な繋がりを感じるとモチベーションが上がったり、自己コントロール能力が高まります。 それを感じさせるのがこのタイプのリフレーミングです。 ポイント3 :ポジティブに変換する 相手に「その通りです」と同意させるためには、どうするべきなのかを考えてリフレーミングする方法です。 これはネガティブな話題をポジティブにリフレーミングすると効果的です。 例えば、家庭の中でお父さんとお母さんのどちらが子供の送り迎えをするべきかという議論が行われていたとしたら、時間を取られることとか仕事との兼ね合いばかりで議論しがちです。 そうではなく「送り迎えで子供との時間が生まれる」という視点で、「どちらが子供との会話のチャンスを手にするか」という議論にリフレーミングします。 よく言われることですが、これもあっという間に大きくなってしまい、親が子供と一緒に過ごすことができる時間なんて限られています。 このようにポジティブにリフレーミングすると、今のうちに子供と接する機会をしっかり作っておかないと、大きくなった時に口を聞いてもらえなくなるのではないかと考え始めたりします。 手間や面倒などを議論の中心にすると対立する問題であっても、そこから生まれる体験や時間にリフレーミングすると、相手が簡単に態度を変えてくれることもあります。 人を動かすためのおすすめ本 今回のおすすめの本としては説得にまつわる本を紹介しておきます。 まずは説得力としてはやはりこちらの本は必読です。 影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか そして、人間というものは愚かな思い込みや今回の滑り台効果のようなどうしても抗うことができない本能を持っています。 この人間の本能を利用するととても強力な説得力を生み出すこともできます。 その人間が持っている本能を教えてくれる本がこの本です。 この本は人間の判断や意思決定に関する研究を基にして、人の判断がどのようにして行われているのかということを解説してくれています。 ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 文庫 (上)(下)セット ここから先は、交渉の場面から日常の会話まで、相手の態度を変えさせるためのテクニックをさらに解説していきます。 ぜひ続きもチェックしてみてください。  

一問一答「あなたが自分の想いを理解してもらえなかったのはどんなときですか?」【敵を味方にする話術】

一問一答「あなたが、しっかりと覚えておきたいことはどんなことですか?」【脳の基礎体力を上げる習慣】

あなたが、しっかりと覚えておきたいことはどんなことですか? 今回は、DaiGo師匠への質問でも多いですが、どうすれば覚えた内容を記憶に定着させて、使える知識にしていくことができるのかという質問をもとに、記憶力を高めるための日常的な生活について解説させてもらいます。 「Q. 勉強でも読書でも覚えたつもりがすぐに忘れてしまいます。どうすれば覚えた内容を忘れずに記憶しておくことができるのでしょうか?」 本を読む時にあることをするだけで、その本の内容が記憶に残る確率を圧倒的に上げることができます。 しかも、これはほとんど時間もかからない方法です。 何かを覚えた直後に40秒間復習をするだけで記憶の残り方が段違いになるという研究があります。 これであれば、どんなに物覚えが悪くて忘れっぽいという人でも使える方法だと思います。 この研究では、参加者を集めて26本の YouTube の動画を見せる実験を行っています。この動画を見せる時に2つのパターンに分けて、記憶の保持率がどれぐらい変わるのかということを調べています。 動画を見た後に、40秒間動画の内容の細部を思い描く、または、声に出して説明したグループと、ただ動画を見るだけで何もしなかったグループに分けています。 その2週間後に記憶テストを受けてもらったところ、ただ動画を見ただけのグループは内容をほとんど思い出すことができなかったそうです。 一方で、たった40秒だけでも動画の内容を最後まで思い描くか声に出して説明していたグループは、かなり詳細な部分まで2週間経っても思い出すことができたそうです。 ですから、本を読んでいて覚えていたい内容があったとしたら、本を一旦閉じて頭の中で40秒ぐらいかけてその内容をまとめてみてください。 あるいは、ほんの40秒ぐらいでも構いませんので誰かに説明したり、説明しているつもりで声に出してみてください。 これをするだけで記憶への定着率は全く違ってきます。 以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。 脳の基礎体力を上げる 記憶力というものは、ただ単に情報をインプットする能力ではなく、使える情報としてアウトプットしたり、頭の中の情報を組み合わせてアイデアを作ったりする力のことです。 だからこそ、その力を高めることで人生がイージーモードになります。 記憶力を高めれば、ネガティブな感情や自分をコントロールする能力も高まります。 スポーツ選手が日々の生活や食事を大切にするように、人間の記憶力の底上げをしてくれる習慣があります。 これはいくつか紹介させてもらいますが、もし全ての習慣を取り入れていただければ、驚くぐらい記憶力が底上げされます。 物覚えが良くなるだけでなく、様々な場面で効果を実感できるはずです。 記憶力を保つということは脳を健康的な状態で保つということです。 ですから、お子さんから年配の方まで幅広く役に立つ内容だと思います。 1. 鼻呼吸 人は口呼吸と鼻呼吸を使い分けていますが、人によっては口呼吸が中心になっています。 カロリンスカ研究所の研究を見てみると、普段の生活を鼻呼吸にすることによって、匂いに関する記憶が強化されるのではないかとされています。 参加者には様々な匂いを嗅いでもらった上で、その後に1時間口呼吸と鼻呼吸を行ってもらい、記憶の残り方にどんな違いが出るのか調べています。 その結果、鼻呼吸をした人たちは、口呼吸をした人たちに比べて匂いをより強く記憶していました。 先行研究を見てみても、人間の鼻は脳の海馬とかなり強い関係があるのではないかとされています。 そう考えると、鼻呼吸にするだけでも記憶の残り方に十分寄与する可能性があります。 ですから、毎日勉強している学生さんも、新しいスキルを身につけて挑戦したい大人の皆さんも、普段の生活をできるだけ鼻呼吸にしてみてください。 ちなみに、ヨガでよく使われる片鼻式呼吸法を1日5分から10分で7週間続けることによって英語の学習が捗ったという研究もあります。 この呼吸法は自分をコントロールする力が鍛えられるのではないかと昔から言われてきましたが、どうやら語学学習にも役に立つのかもしれないということです。 週に1回の英語学習の授業を受けてもらいますが、この授業を受ける際に、片鼻式呼吸法を行ったグループと行わなかったグループに分けました。 片鼻式呼吸法は、最初の4週間は毎日5分だけ行なってもらい、その後は少しずつ時間を増やして毎日10分行ってもらいました。 合計で7週間続けた後に、英語の読解スキルやリスニングのスキルなどをチェックするテストを受けてもらい、それぞれの英語学習がどれぐらい進んでいるのかということを調べました。 その結果、リスニングとリーディングの成績が向上していました。 この呼吸法を授業の前に毎日5分から10分行うだけで 、それをしなかった人たちに比べて有意にリスニングとリーディングのスコアが高くなっていました。 そんな簡単なことで効果があるのであれば、受験生はみんなした方がいいのではないかとも思います。 この研究では語学学習として調べられていますが、数学など他の科目でも恐らく効果が出るのではないかと思います。 片鼻式呼吸法のトレーニング この呼吸法はとても簡単な方法なのでぜひ試してみてください。 鼻を交互に押さえて行う呼吸法です。 片方の鼻で4秒かけて息を吸って、反対側の鼻で4秒かけて息を吐く、これを繰り返すだけです。 ①右手の親指で右の鼻の穴を押さえる ②左の鼻の穴からゆっくりと息を吸う ③1秒だけ息を止める ④右手の薬指で左の鼻の穴を押さえる ⑤右の鼻の穴からゆっくりと息を吐く ⑥右の鼻の穴からゆっくりと息を吸う ⑦1秒だけ息を止める ⑧右手の親指で右の鼻の穴を押さえる ⑨左の鼻の穴からゆっくりと息を吸う これを繰り返すだけです。 片方の鼻で4秒ずつ呼吸するだけで、慣れてきたら徐々にこの4秒を長くしていくといいと思います。 別の研究ですが、85人の学生を対象に1日1時間の片鼻式呼吸を6週間続けたところ、人間のストレス耐性や集中力を測ることができる心拍変動の値がかなり改善したという結果も示されています。 30分や1時間試しても良いと思いますが、5分や10分でも効果があると思いますので試してみてください。 2. 読みにくい字で書く 読みにくい字の方が記憶には残りやすいようです。 手書きではなくパソコンやタブレットを使う場合も、わざと読みにくいフォントでメモした方が記憶に残りやすいという研究があります。 研究では、18歳から48歳の28人の被験者を対象に、架空の宇宙人に関する文章を読んでもらい覚えてもらいました。宇宙人について90秒だけ覚えてもらい、15分後にそれについてチェックするテストを受けてもらいました。 架空の宇宙人についての文章ですから、事前に情報がある人は誰もいません。 その際に、読みやすいフォントで見てもらった場合と読みにくいフォントで見てもらった場合で比べています。 その結果、読みやすいフォントで見た場合は正答率が72.8%でしたが、読みにくいフォントで見た場合は正答率が86.5%だったということです。 研究者によると、読みにくいフォントの場合には、覚える内容を実際よりも難しく感じさせます。 人間の脳は難易度を感じるので、だからこそちゃんと読まなくてはならないと考えるようになります。 文章にちゃんと注意を払って学習することができるようになるので、それによって記憶に定着しやすくなるわけです。 もちろん、実際の難易度が高い場合には、理解すること自体が難しい場合もあるでしょうが、フォントを少し変えるだけで、ちゃんと集中して取り組むことができるようになり、結果として記憶に残りやすくなるわけです。 字が汚い人は頭がいいという通説があります。 これは実は科学的には正しくて、字がぼやけている本とぼやけていない本を見せて、記憶への残り方の違いを調べる研究もあります。 これによると、字がぼやけている本の方が内容が頭に残りやすいということが示されています。 これは心理学的には「望ましい困難」と呼ばれるものですが、情報を読むのに苦労するからこそ、前後の文脈や内容を推察しながら読むようになりますので、結果的に記憶に残りやすくなります。 情報というものは何回も思い出して記憶を再統合することによって過去の経験や情報と結びついていきます。 それによって関連性が深まって記憶が定着していくわけです。 3. ポジティブ習慣を作る 1日の中で定期的に自分がポジティブな感情になる習慣を作ってください。 人はポジティブな気分になろうとしてもポジティブな気分にはなれません。 自分が自然とポジティブな気分になれる習慣を持っておくと、それによって定期的に自然とポジティブ感情を高めることができますので、それによって自分のメンタルを安定させることができるわけですが、この習慣は記憶力を高めるためにも重要です。 年齢を重ねるにつれて記憶力の低下が起きるものですが、それを防いでくれる要素について9年間にわたり調べた研究があります。 その中で年齢を重ねても記憶力の低下が著しく起きづらい人たちがいました。 それはポジティブな感情を頻繁に感じる人たちです。 日常的に自分が楽しい気分になれることを習慣化している人たちは、年齢を重ねても記憶力が低下しにくかったということです。 自分が必ずポジティブな気分になれることを、毎日のスケジュールの中にまず最初に組み込んでください。 それが自分のメンタルだけでなく長期的に見た時の記憶力を大きく左右します。 4. ボードゲーム 11歳の時点で記憶力や認知能力についてのテストを受けた1,000人以上の男女を追跡して、彼らが70歳の時点から3年ごとに4回再度同じテストを受けてもらうという研究があります。 彼らが子供の頃からどれぐらいボードゲームで遊んできたかということも同時に調べて、ボードゲームが記憶力や認知能力に与える影響について調べています。 それによると、大人になってもボードゲームで遊ぶ人たちは、そうでない人に比べて70歳になった時の記憶力の低下が少なかったということです。 さらに、70歳を過ぎてからも、多くの種類のボードゲームで遊んでいる人ほど、記憶力と頭の回転の低下が少なかったそうです。 記憶力や認知機能の衰えというものは30代の頃から進むとも言われていますので、高い記憶力を維持したいと思うのであれば、物事を覚えて頻繁に意思決定をして、それが結果としてすぐに返ってくるボードゲームを楽しむようにしてみてください。 ちなみに、他の読書の効果について調べた研究を見てみると、26人の子供を対象にした実験をしていますが、最先端のテクノロジーが使われたおもちゃで遊んでいる子供よりも、本や昔ながらのアナログなパズルやボードゲームで遊んだ子供の方が、言語能力が高くなったという結果が確認されています。 言語能力が高くなるということは、人生においても成功しやすくなるということです。 子供のそんな人生の成功にも必要な言語能力を高めたいというのであれば、子供と一緒に読書をしたりアナログなおもちゃで一緒に遊ぶといいでしょうし、意思決定と記憶を繰り返すようなボードゲームを大人も日常的に楽しむようにしてみてください。 5. アクションゲーム トロント大学などの研究チームが、読書に必要な基本能力を鍛えるためのアクションゲームを開発しています。 情報を頭に置いた状態で判断していかなくてはならない短期記憶能力を試すことや、獲物を探し続ける必要がある視覚能力を保持すること、タイミングを見極めて危機回避することや言葉遊びなど、読書にも必要であろう様々な能力を鍛えるアクションゲームです。 学生たちを集めて、半数の学生にこのアクションゲームで遊んでもらい、残りの半数の学生にはプログラミングのゲームをしてもらいました。 週に2時間で6週間続けてみたところ、アクションゲームで遊んだ学生たちは、そうでない学生たちに比べて注意制御能力が7倍も向上していました。 状況判断が即座に求められるアクションゲームは、子供たちや学生にとっても脳を鍛えるトレーニングになるようです。 さらに、このアクションゲームで遊んだ学生たちは、文章を読み取るスピードも精度も大きく上昇していました。 ですから、状況判断を即座に求められるアクションゲームは読書能力も高めてくれるわけです。 しかも、アクションゲームによるこの効果は1年後にも維持されていて言語を操る能力まで高まっていたそうです。 記憶力だけでなく様々な脳機能が高まっていたということです。 他にも、アクションゲームは意思決定のスピードを上げてくれるという研究もありますし、リアルタイムストラテジー系のゲームは、判断力をアップしてくれたり、3D系のゲームは空間認識能力を高めてくれるというように、人間の脳のいろいろな能力を高めてくれるので、実際にゲームが脳トレになるのではないかと考えられます。 スーパーマリオ64を1日30分のプレーをしたグループと何もしなかったグループを比べると、記憶を司っている海馬や判断能力や自制心を司っている前頭葉前皮質、運動能力や空間把握能力を司っている小脳のサイズが大きくなっていたという研究もあります。 ゲームが統合失調症やアルツハイマーの治療にも使えるのではないかということが言われていて、今そのような研究も進められているそうですので、ゲームというものは僕たちが思っている以上に可能性があるものです。 ゲームが単純にすべて悪だということではありません。 ゲームのメリットにも目を向けていただいて欲しいとも思います。 ただ、当然ですがいくらゲームをして脳を鍛えることができていたとしても、それを使わなければ何の意味もありませんので、ゲームで脳を鍛える時間と自分の力を発揮するための時間をちゃんと分けてもらい、仕事や勉強や読書もするけれどゲームも楽しむというようにしてもらえれば、人生はより良い方向に向かうと思います。 6. 音楽を習う 音楽は人間の脳にとても良い習い事です。 学生たちを対象に集中力やワーキングメモリについて調べた研究があります。 半数の学生たちは音楽を普段から習っていて最低でも2年間は続けていて、残りの半数は学校の授業で習ったぐらいという学生でした。 それぞれの学生たちに反射神経の違いはありませんでしたが、普段から音楽を習っている学生たちは、集中力や記憶力のスコアが20%も高かったということです。 研究チームによると、音楽を習うと脳の中央実行系ネットワークが活性化するとされていて、これは言葉に関する能力や短期記憶などを司っています。 音楽を習うことによって、物覚えや要領の良さが鍛えられる可能性があるわけです。 別の研究でも、40代や50代になっても新しく音楽を習い始めると脳が発達するということが確認されています。 もちろん子供にとっても効果的です。 ピアノでは音を聞きながら指を動かします。 自分の指で触覚が刺激され聴覚も同時に刺激され、自分の体の感覚と音の感覚を同時に使うのがピアノや楽器です。 これによって脳が鍛えられます。 脳の底力が上がるわけですから、仕事でも勉強でも別の分野でもそれが影響してきます。 ちなみに、子供が音楽を習うことについて調べた研究を見てみると、社会に出てから役に立つであろうソーシャルスキルを高めてくれるということが確認されています。 自分の自信がなくなってしまうと言いたいことも言えなくなり生きづらくなってしまうこともありますが、ありのままの自分を受け入れて、自分をちゃんと誇れるような自尊心を高めてくれるという効果があるということです。 ぜひ大人も子供も習い事としては音楽も考えてみてください。 7. ヨガ ヨガを8週間行うだけで記憶力が上がるのではないかという研究があります。 ヨガの脳機能に与える影響について調べた11件の先行研究をピックアップして分析しています。 その結果、ヨガを日常的に行っている人は、そうでない人に比べて脳の海馬が大きかったそうです。 記憶力を司っている海馬が大きくなることにより、当然記憶力は良くなりますし、年齢を重ねてからの認知症やアルツハイマーのリスクも低くなります。 さらに、感情の制御に関わっている扁桃体が大きくなっていたということも確認されているので、ヨガをしている人はストレスやネガティブな感情を上手にコントロールすることができるという効果もあるようです。 前頭前皮質や前帯状皮質も大きくなっていたので、デフォルトモードネットワークが効率よく働くということも確認されています。 これはアイデアも出やすくなるということです。 ヨガを行うことでメンタルが安定して感情の制御が上手になるので、それが記憶力を高めることにもつながっているのではないかと考えられています。 ヨガを行うこととストレスホルモンの関係を調べた研究を見てみると、8週間ヨガを行うだけで、ストレスを受けた際のコルチゾールの反応が弱まる傾向が確認されたそうです。 つまり、日常生活でストレスを受けて多くの人が知らないうちに記憶力が低下しています。 ヨガを行うと、ストレスを軽減するだけでなく記憶力も回復させてくれるということです。 ストレスを和らげるだけでなく記憶力も回復させてくれる効果がヨガにはあります。 ここから先は、日常的に使える記憶力や脳機能を保つための習慣について残り6つ解説していきます。 脳を若く保ち、勉強や読書、新しいスキルを効率よく身につけていきたいという方は、ぜひ続きもチェックしてみてください。  

一問一答「あなたが、しっかりと覚えておきたいことはどんなことですか?」【脳の基礎体力を上げる習慣】

一問一答「あなたは、人がお金の代償として何を失うと思いますか?」【富裕層のダークサイド】

あなたは、人がお金の代償として何を失うと思いますか? 今回は、自由と成功が欲しいという方の相談をもとに、本当の富裕層の実態と、彼らがお金と引き換えに何を失ってしまうのかということを解説させてもらいます。 「Q. 誰もしないことで結果を出して、人生で自由と成功をつかむにはどうすればいいでしょうか?」 多くの人が誰も成し遂げないようなことをしたい、自由に生きていきたいと言います。 例えば、市場価格で1本50万円から70万円ぐらいのワインがあったとします。 グラス1杯で8万円から10万円ぐらいの換算になるわけですが、そうなると普通の人から考えるとバカバカしいと感じると思います。 ですが、自分が本当にそれが好きで美味しいからと思い飲むのであれば別に関係ありません。 自分の価値を自分で決めることができない人は好きなことができません。 多くの人は、1杯10万円もするワインを飲むぐらいであれば他にできることがあると言います。おそらく99%の人たちはそんなのただの無駄遣いだと言います。 ですが、本当にそこに価値を感じて飲みたいと思うのであれば、99%の意見を無視して、そこにどんな理由や背景があり自分がそれだけの価値を感じているのかということを説明することで、自分の意見を自分自身で正当化することができなければいけません。 多くの人が周りと違うことがしたい、自由に生きていきたい、お金持ちになりたいと思っているのに、評価の部分だけはみんなを参照してしまいます。 そうなれば当然ですが、いつまでたっても新しいことなんてできるはずがありません。 誰もしないこと、みんながしないことをするからこそ成功するわけであり、みんながしないことをするからこそ自分は他人とは違う独自性を持っていて、みんなができないことをしているから自分は自分で人生を選んで決めていて自由に生きているという感覚を持つことができます。 それなのに、なぜか評価の部分だけはその他大勢に委ねようとしてしまいます。 みんなと違うことをすればディスられることもあります。 批判されたり炎上することもあります。 一瞬はみんなと違うことをしたいと思うけれど、それらの圧力に耐えることができず、他人と違うことの圧力に耐えることができず、結果的にできないことが増えていき結局諦めるわけです。 他人と違うことをしようとするのであれば、重要なのは自分の価値を自分で決めることです。 一般的な世の中で言われているモノサシや他人と同じような評価基準を全て捨てて、自分が本当にしたいことをするべきです。 そして、それが成功したかどうかということを見極めるためには、どんなポイントを見るのか、その価値の決め方も同時に決めておく必要があります。 ほとんどの人がうまくいかないのは自分のやりたいことだけを決めてしまうからです。 自分のやりたいことだけをやってみんなから評価されることを期待してしまいます。 そんなことがあるはずはありません。 みんなからもし評価されたということは、それはみんながいいと思うことであり誰でもしていることです。 みんながいいと思っているということは誰かが必ずしていることで、誰もいいと思わないことを最初にやって、その結果、自分自身の指標に基づき成功して、それが何年も経ってから周りに認められるわけです。 それにより人間は自分でやりたいことをやって自由に生きていくことができます。 周りがそれを認める頃には、最初に始めた人は周りの人よりもはるか高みに登っていますので、後からそれを追いかけようとしても追いつきません。 以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。 人はお金と引き換えに何を失うのか? お金持ちほどケチなイメージがあったり、サイコパスになりやすいというような話もあります。 富裕層には確かにそういったダークサイドもありますが、残念ながら人間は誰でもダークサイドを持っています。 そのダークサイドをどのように活用するかが、お金持ちになれるかどうかを左右するのかもしれません。 サイコパスなどのダークトライアドは、その性質によって残酷な決定もできるようになったりします。 サイコパスは他人の感情に鈍感なので、周りの人の気持ちを察することはできませんが、それと同時に、周りから非難や文句を言われたとしても動じることがありません。 もちろん、いわゆる犯罪者のような根っからのサイコパスは危険ですが、自分自身をコントロールすることができて、程よく機能的なファンクショナルサイコパスであれば、ビジネスで必要な時だけとかリスクを取る必要がある時だけサイコパスの特性を発揮するということもできます。 この性質をいい方向に使うことができれば、他人に流されなくなります。 皆さんがサイコパスになる必要はありませんが、サイコパスのように考えたり行動することができるようになります。 これができるようになっておいた方が人生は得です。 他人に振り回されることもなくなり、どんなときも自分の意見に自信を持って行動できるようになります。 ファンクショナルサイコパスは生きるのが楽になりますし、身近な人や大切な人にだけ、そのサイコパス性を抑えればいいだけなので、サイコパスの特性は使い方次第です。 このようなサイコパスの性質について、より理解を深めたい場合には、サイコパス研究で有名なケヴィン・ダットン博士の著書がおすすめです。 サイコパスの特性についてわかりやすく教えてくれます。 サイコパス 秘められた能力 例えば、決断力が高かったり言語能力が高いなど、サイコパスの行動の中にも使える行動は色々とあります。 それらの能力はサイコパスではない人たちも学べば身につけることができるものです。 サイコパスの持っている有益な部分だけを身につけてしまおうという内容ですので、ぜひこちらもチェックしてみてください。 サイコパスに学ぶ成功法則 ダークトライアドほど富裕層になりやすい? ダークトライアドについて調べた研究を見てみると、なんとダークトライアドほど富裕層になりやすいし、富裕層になればなるほど、ダークな性質が強調されていくということです。 もちろん、だからといって富裕層はみんな悪い人というわけではありません。 人間は誰でもダークな部分があります。 その部分を上手にコントロールすることが重要ですし 、コントロールすることができるから、メリットの部分を上手に活かすことができてお金を稼ぐこともできます。 全て使い方次第ということを頭に置いた上で、ダークトライアドと富裕層の特徴について知っておいてください。 ダークトライアドと富裕層の特徴についてまとめたレビュー論文を見てみると、より高級な車を運転している人ほど、交通量の多い交差点で他の歩行者や他の車を邪魔する傾向が確認されています。 高級車を乗り回すことができるお金持ちほど、歩行者に道を譲らなかったり、他の車よりも自分の車を優先するような行動をするということです。 高級車を乱暴に乗り回している人が時折いますが、これも富裕層のダークサイドが現れているのかもしれません。 さらには、社会的階層が高い人ほど、買い物の際にレジでお釣りを間違って多めにもらったとしても返さなかったり、様々な非倫理的な行動をとる可能性が高くなったともされています。 社会的階層が高くなればなるほど、ズルをしやすくなったり、他人が間違って自分が得をしても黙っておくような行動が増えるわけです。 他にも、サイコロを振るゲームで行われた実験も見てみると、社会的階層が高い人ほど、そのゲームで賞金を受け取るために頻繁に不正を行う傾向も確認されています。 ごまかすことができる状況であれば、社会的階層が高い人ほど不正に申告して、賞金をたくさんもらおうとしました。 ただし、これらのデータは因果関係を示すほどのものではありません。 富裕層になったために不正をする傾向が高くなったのか、もともと不正をする傾向が高い人が富裕層になったのかはわかりません。 富裕層がダークトライアドな理由 富裕層ではないお金に余裕がない人たちは、生物として考えた時に、周りと助け合う必要があります。 生物として群れの中で生きていくための本能として、みんなに好かれたいし、困った時には助けてもらえるように周りに親切にしようとします。 この本能があるから群れとして成り立ちますし助け合います。 ところが、富裕層になったり社会的な力を手に入れると、それが人として良いか悪いかは別として、誰かに助けてもらわなくても生きていくことができるようになります。 富裕層ももちろん助けてもらうこともありますが、富裕層の場合には残念ながら代わりがいます。 人脈が広いし他の代わりがいくらでもいるので、自分にとって重要な人以外を優遇したり、みんなと仲良くしようとする必要がありません。 お金を稼ぐことができるようになると、全員に好かれなくても生きていくことができるようになります。 それによって自然と不正を働いたり非倫理的な行動が増えていくわけです。 これはお金を手に入れると誰でもなる可能性があります。 シケた顔をしていると将来性がないと思われる?! 人間というものはパッと見た最初のイメージで相手の印象を決めてしまうものです。 相手の顔や体型など見た目を見て1秒もかからず相手の能力や将来性を判断してしまいます。 わずか50ミリ秒ぐらいで相手の印象を判断して、それによりその後の付き合い方を決めたりしてしまいますので、第一印象が悪い人は知らないうちに損していることもよくあるわけです。 表情と他人から見たときの社会的地位や将来性の予想には結構な関連性があるという研究もあります。 ネガティブな表情をしている場合には無表情の場合に比べて、「貧しそう」「いい仕事に就いていなさそう」「将来性がなさそう」というような判断をされていました。 つまり、怒りや悲しみ、不安というような一般的なネガティブな感情を持っていてそれを相手に感じさせる可能性があるような表情をしていると、それだけで相手からは将来性が低く見られるということです。 逆に、ポジティブで幸せそうな表情をしている場合には、人間としても社会的にも豊かで将来性が高そうだと思われる確率が高かったということです。 この研究では、表情がポジティブなのかネガティブなのかということだけであり、実際にその人がどんな人なのかということは関係なかったということも分かっています。 つまり、ステレオタイプが人間の判断の基準になっています。 第一印象だけはやたらといいけれど内面はどうしようもない人が結構いたりします。 それはサイコパスなどダークトライアドです。 人間の本能として、社会的な階級や経済的なレベルが低い人ほど、普段からネガティブなことを考えていることが多くて、社会的な階級や経済的なステータスが高い人ほど、ポジティブな体験や表情をしているというステレオタイプがあり、それに頼って相手を判断しているということです。 結局、それによってダークトライアドは人間関係で得をして、その結果としてお金持ちになっているという可能性もあります。 ですから、このステレオタイプがネガティブに働くことを避けたいのであれば、人と会う前にはポジティブな思い出を思い出してみたり楽しい気分になれるようなことをするようにしてください。 気軽にできることですが、自分の表情や印象で無駄に損をしないためには大切なことです。 サイコパスと富裕層 サイコパスと富裕層について調べた研究を見てみると、低所得の人は高所得な人よりも、他人の苦しみや苦悩に敏感に反応するということが示されています。 つまり、収入が高い人は他人の苦しみが理解できず、収入が低い人は他人の苦しみに敏感になります。 これも先ほど説明したように、低所得な人は周りの人と助け合う必要があるからです。 さらに、人は誰でも自分が経験したことでなければ感情的に理解することはできません。 例えば、生まれつきお金持ちの人は、貧しい人の気持ちを理解することはできません。 ですが、これは逆も成り立ち、お金がない人も富裕層の気持ちを理解することができません。 少し間違っただけで批判されたり、自分の言動に対して、知らない大多数の人が避難をぶつけてきたりする苦しみは理解できません。 人間は相手のことを想像できるかどうかではなく、自分と同じ感情に対しては他人の気持ちを想像しやすくなる性質があります。 つまり、低所得の人は自分が苦しいから苦しい人の気持ちが理解できます。 ところが、高所得の人は自分が苦しくないから苦しい人の気持ちがわからなくなります。 別の研究で、実験参加者にがんで苦しむ子供たちの動画を見せる実験が行われています。 それによって思いやりの感情を抱く傾向と、その感情によるホルモンの分泌の変化について調べています。 それによると、誰でも可哀想だと思いやりの感情を持ちそうな動画ですが、低所得な人ほど生理的にも思いやりの感情を強く持っていました。 やはり、お金を手に入れると他人と共感しなくなるようです。 例えば、お金持ちになった途端に奥さんと別れたりする人がいますが、これも夫婦の間でこのギャップが大きくなってしまうからです。 お金を稼げるようになるまでは、奥さんの気持ちを理解できて共感し合うことができたのに、急激にお金を稼ぐことができるようになったら、奥さんに対する共感力が著しく低下し離婚してしまうわけです。 お金持ちや著名人が不倫をしたりするのも共感力の低下なのかもしれません。 普通は、こんなことをすればパートナーが悲しむと想像できるところが、その能力が低下していくわけです。 他にも、面接官役をしてもらうという実験が行われていて、そこでも、低所得な人ほど面接の候補者役の人に対して、より相手のことを理解しようとしたり、相手に寄り添う言動が増えたということです。 富裕層は面接の場面であっても、候補者に対してそれほど興味を示すことはありませんでした。 これは逆の立場になって考えればわかることです。 自分が面接を受ける側であれば、面接官が自分に興味を持って寄り添って対応してくれたら嬉しいでしょうが、採用する側や会社を経営する側として考えると、いちいち相手の立場に寄り添って考えていると、面接の是非を判断したり会社を守るためにクビにしたりすることもできません。 経営者としては、いちいち全ての人に共感していては会社を守るための判断ができなくなります。 サイコパスの特性がないとビジネスで成功するのが難しくなるということが良いとか悪いではなく、どちらかと言うと、そういう人でなければ成功できなくなっている社会構造に問題があるのかもしれません。 人は成功すると他人の感情がわからなくなるという研究は他にも色々とあります。 お金を稼げば稼ぐほど他人に共感できなくなるというのは、どうやら避けようがないことなのかもしれません。 会社を経営したい人を雇う立場になると、サイコパス的に他人に共感しない人の方が有利になります。 他人に思いやりを持つことは大事ですが、思いやりを持ちすぎた結果会社をつぶしては、経営者としては一番良くない大失敗です。 性格は悪くても、会社として利益を上げる方向に導いている経営者の方がいいと考えることもできます。 ナルシストと富裕層 ナルシストと富裕層について調べた研究を見てみると、社会的経済的に地位が高い富裕層ほど、自分は他の人よりも価値があると考える傾向があるとされています。 要するに、社会的経済的に地位が高い人ほどナルシストだということです。 ある程度プライドが高く自分に自信がないと、他の人を率いることは難しくなります。 自分に自信がなく不安を抱えている人に、誰もついていきたいとは思いません。 自分に自信を持ち自分を表現できるのがナルシストの特徴なので、そういう意味では、経営をしたりお金を稼ごうと思ったら必要な性質でもあります。 ですから、重要なのは自分の大切な人や大切な関係でこの性質を出さないようにして、ビジネスや必要な場面だけで発揮することができるようになることです。 ビジネスとプライベートをしっかり区別した上で、必要なところでダークトライアドの性質をうまく利用できる人が成功するということが見えてきます。 『悪いヤツほど出世する』という本がありましたが、「悪いヤツ」が出世するのではなく、「悪いヤツになれる人」が成功するということです。 さらに、別の研究を見てみると、富裕層ほどナルシストな傾向があるというだけでなく、自分の欲望のために他人を操ることも多いようです。 つまり、ナルシストと言うと自分はすごいと思っているだけの人のように思われがちですが、自分はすごいとアピールしているわりに結構自分より偉い人にはゴマをすったりします。 この点がただ自信がある人とナルシストの違いでもあります。 自分は重要で特別な存在だと思っているけれど、上の人に対してはご機嫌を上手にとり権力への欲求を求めます。 さらに、自分の欲望のために他人を操ることを厭わないというのが心理学的なナルシストの特徴です。 ナルシシズムのレベルが上がると昇進のスピードは変わるのかということを調べた研究があり、ナルシシズムの標準偏差が1ポイント上がるごとにCEO になれる確率が29%も高くなるということがわかっています。 この研究ではいろいろな業界を調べています。 いわゆる出世争いが厳しそうな業界であればナルシストが出世するというのもなんとなく理解できるような気もしますが、業界によっては人と人との繋がりを大切にすることが重要になる業界もあるはずです。 ナルシストが出世しやすいかどうかというのは業界によるのではないかと考える人もいると思いますが、この研究によると、ナルシシズムの傾向とCEO になる確率は会社の種類や業界とは全く関係がなかったということです。 つまり、ナルシストのレベルがほんの少し上がるだけで社長になれる確率は29%も高くなります。 しかも、この特徴はどんな業界でも見られる傾向だということです。 特に大企業になり社員全員に目が届かないような組織になってしまうと、やはり会社の上層部にはナルシストが多くなってしまいます。 大企業になるほど上層部にはナルシストが増えるわけですが、それは企業としては決して良いことではありません。 例えば、ナルシストのレベルが高くなるほど、金融犯罪や粉飾決算など企業にとってマイナスにしかならない不正な行動をとりやすいということもわかっています。 このような点で考えると、ナルシストほど上に上がるという社会の構造自体に問題があると考えることもできます。 ダークトライアドは他人を操る力? もちろんこれらの研究やデータも因果関係を示すものではありませんので、富裕層になるからダークトライアドになるのか、ダークトライアドだから富裕層になるのかということまではわかりません。 ですが、多くの研究者はどちらもあり得るのではないかと言われています。 マキャベリストもサイコパスもナルシストも他人を操ることに長けています。 いざとなれば法律の穴を掻い潜ったりルールを変えたりしてでも自分に都合よくすることができるマキャベリスト 周りから何を言われても自分を通して他人に何を言われても動じないサイコパス 自分に圧倒的な自信を持っているから人を導く立場であるべきだと考えるナルシスト これら3つの性質は他人を操るために重要な性質でもあります。 これらによって富裕層になりやすいということと同時に、先ほど紹介したようにお金を稼げば稼ぐほど他人に対する共感力が低下していくというような関係が考えられます。 富裕層は場合によっては自分に都合よくルールを変えたりすることもします。 ズルや不正を働いたり他人を利用しようとするマキャヴェリズムの傾向が強くなります。 それと同時に他人の感情に鈍感で、残酷な決定も他人の批判もスルーすることができるサイコパス性も持っていて、それらの能力と自分に自信を持っているナルシストの傾向も持ち合わせています。 これが富裕層のダークサイドです。 人は平気で綺麗事を口にします。 道徳的なことを口に出したり、世の中がどうなればいいのかという話で理想を語るのは構いません。 口にするのは簡単ですが、人間の脳や本能はそんなに簡単には変わりません。 戦国時代であれば、自分の親や兄弟でさえも殺していたような人たちと僕たちの脳は大差ありません。 根本的に変わらない本能について受け入れて、それをどう利用していくのかが重要であり、それが富裕層とそうでない人を区別しているのではないかと思います。 ここから先は、一般的によく言われるお金持ちはケチという話が本当なのかということと、お金持ちと貧乏人の決定的な違いにまで掘り下げて解説させてもらいます。 見せかけのお金持ちではなく本当の裕福さを手に入れたいのであれば、ぜひ続きもチェックしてみてください。  

一問一答「あなたは、人がお金の代償として何を失うと思いますか?」【富裕層のダークサイド】

一問一答「あなたは、自分をどのように評価されたいですか?」【ブランディング】

あなたは、自分をどのように評価されたいですか? 今回は、本当にやりたいことに向けて独立してもいいだろうかという相談をもとに、皆さん自身をブランディングするための方法について解説していきます。 「Q. 親の意見に従い就職しました。本当にやりたい作家活動を行うだけの時間や気持ちの余裕を作るのはまだ難しいですが、節約すれば10年程生活できる貯金は貯まりました。コネもなく独立するのは無謀だと思いますか?」 素晴らしいと思います。僕もコネもお金もないところから始めてここまで来ました。 どちらかと言うと、今はコネよりもフォロワーが大切です。 コネがないと成功しないということはありませんし、能力が高ければ十分可能性はあると思います。 おすすめとしては副業から始めた方がいいと思います。 特に創造力やオリジナリティが必要な方は、『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』を絶対に読んでください。 これは、他人と違うことをして成功したいという人が絶対に読むべき本だと思います。 世の中を変えるようなことを成し遂げて成功した人たちが、どのようなことをしたのかといったことを紹介してくれています。 この中でも、副業として始めた方が倒産リスクが33%も低くなると言われています。 ですから、まずはご自分の活動として曲をネット上に公開してみて、評価を得てフォロワーもある程度獲得して、もう大丈夫だというところで独立するとした方がいいと思います。 特に、創造性が必要になる職業の場合には、いきなり独立すると生活のことも考えないといけない状況になり、それによりアイデアが出なくなってしまうということもあります。 自分の才能を守るためにも、まずは副業から始めるようにしてみてください。 以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。 自分をプレゼンしたり自分をブランディングすることが上手な人は評価は高くなります。 ただ単に仕事ができる人が評価が高くなるわけではありません。 起業して自力で戦うのであれば、実力勝負の世界だから他人の評価なんて関係ないと考える人もいると思います。 残念ながら、他人と関わる必要がある状況では、どうしても自分の評価を高める方法を知っているということは重要になります。 これを知っていないと、いくら頑張ってもいつまでも評価されないということが起きてしまい、それはとってももったいないことです。 自分の評価を上げるために 自分の評価を上げるためのおすすめの本をいくつか紹介しておきます。 こちらは自分の評価を高めたり組織の中で勝つ方法を教えてくれる本です。 悪いヤツほど出世する 自分に対する自信が低い人は、他人に期待されていないとか評価されていないとなると、ますます自分はダメな人間だと思い込んでしまいます。 そうならないためには、こちらの本を使って自分をある程度認めることができるようになってください。 ワークブック形式で自分を受け入れることができるようになる本です。 マインドフル・セルフ・コンパッション ワークブック 自分の力で人生を変えることができるという感覚も重要です。 そんな感覚を作ってくれる何度でも読み返したい素晴らしい本です。 マインドセット「やればできる! 」の研究 ブランディングは勘違い? ブランディングという言葉をよく聞きますが、皆さんも自分のブランドというものはすでに持っています。 必要なのは、自分が既に持っているブランドを見つけて、それをどのように見せていくか? を考えていくことです。 ブランディングのために自分の強みをでっち上げたり、わざわざ新しく作り上げることはおすすめしません。 本来の自分と乖離してしまうと、もしそれで周知されたとしても、自分のメンタルはかなり辛い状況になります。 ですから、まずは自分が持っているものに注目してください。 ブランディングとは、自分が既に持っているものをどのように見せていくかです。 特別な何かが必要なわけではなく、自分の強みや自分しか持っていないユニークな部分を見つけて 、それをどう活かすかです。 自分が既に持っている強みをどう活かしていくかですから、例えば、その一環として本を出したりYouTube をするのであれば構いませんが、著者になりたいとかYouTuberになりたいから無理やりブランディングしようとするのはうまくいきません。 自分の一番の強みは何なのか? 最もユニークで伸ばして行きたいところはどこなのか? これを見極めて、それをどう見せていくのかです。 人には誰にも他の人にはないところやユニークなところがあります。 言い方は悪いですが 、「おかしなところ」が必ずありますので、それを上手に伸ばしていくことができれば、ブランディングも自然とできるということです。 自分のブランドを保つためには? 自分のブランドを保つためには社会との決別が必要です。 全ての人の意見を取り入れていたらどこにでもいる「普通の人」になってしまいます。 皆さんの強みや才能を守る唯一の方法は、他人の意見を無視することです。 本来は、「普通の人」も「正しい人」もどこにも存在しません。 普通の人というのは、全てが平均的な人間ということですから、この世に存在するはずがありませんし、正しさとしては 、それが人を殺してはいけないというぐらいのレベルであれば正しさが既定されているようには感じますが、戦争中であれば敵を殺したら英雄だったわけです。 正しさというものははっきり言って誰かが決めたものです。 誰かに決められた正しさというものに押さえつけられて生きるというのは、あまりにもつまらなさすぎます。 批判や正しさを求められたとしても、それは他人が決めたものであり、その支持者やみんなと同じ考え方をしている人が数量としては多いので、彼らは数の暴力で皆さんに彼らが信じている正しさを強要しているに過ぎません。 特に今の世の中は、他人からの評価や評判を気にせざるを得なくなっています。 例えば、お金のことを気にせず生きるのはなかなか難しいと思います。 よほどお金に余裕がある大富豪や、欲望を解き放った聖人でもない限り、普通はある程度お金に執着があるでしょうし、執着がなかったとしてもお金がなければ生きていくことができません。 人類の歴史から考えても、最も他人の目を気にせざるを得なくなっている社会になっています。 昔はお金があれば自由に生きていくこともできました。 特に若い人たちはすでに気づいているでしょうが、フォロワーが多くて自分の意見に賛同してくれる集団が多いことが力になっています。 ブランディングとは、皆さんの「おかしなところ」の見せ方を考えていくことです。 おかしなところがなければ、多くの人がそれを知りたいと思うはずはありません。 世の中には普通のものが溢れています。 普通のものに飽きた人たちが熱狂する特異な存在になりたいのであれば、皆さんのトゲトゲしい才能を守ってください。 もちろん、他人の意見やアドバイスを聞くことは大切です。 参考にするのは構いませんが、それに流されて自分の方向性を決めるのではなく、孤独を貫くことが他にないブランディングにつながります。 他人の顔色を気にすれば他人にコントロールされる人生になってしまいます。 親の目を気にして生きるのも息苦しい人生です。 上司の目を気にして仕事をするのも息苦しいです。 人間にとって他人の目を気にすることはとても苦しいことです。 親や友達など関係性がある人であればまだ理解できる部分もあります。 ところが、フォロワーの顔色を伺ってしまうと、声のでかいアンチや一部のサイコパス等の方が目立ってしまいます。 しかも、ある程度成功したり有名になっても、フォロワーの数が力になるということを理解してしまうと、大多数の平凡な人の意見を参考にするようになってしまいます。 そうなると、自分の内面に向き合ってとても面白いことや魅力的なことをしていた人が、大多数の意見に流され平凡なことしかできなくなってしまいます。 人間の本能として人とつながる欲求があるので、他人の顔色を伺うようになったら、そこから自分を切り離す術を学んでおかないと知らず知らずのうちに流されてしまいます。 ですから、他人の意見を無視すればいいということではなく、時には無視できるようになっておかないと危険だということです。 ジョージ・バーナード・ショーの名言です。 「合理的な者は社会に自分を合わせる。 非合理的な者は社会を自分に合わせようとする。 だから、社会を変えることができる。」 ありそうでなかったけれど、後に当たり前になるものを探してみてください。 今はマイナーでニッチな存在であっても、いつかそれが当たり前になるかもしれません。 例えばスーパーマーケットのショッピングカートは、1937年にアメリカで発明されました。 それまでは買い物をする際に、店内をカゴを持ち歩いて買い物していました。 当然たくさん買い物すればカゴは重たくなり、お客さんはそれ以上買うことをためらいます。 その状況に対して、最初はスタッフがカゴをレジまで持っていくサービスを始めましたが、それも手間が掛かったり人件費もかかるので長続きしませんでした。 そこで発明されたのがショッピングカートです。 ショッピングカートも今では世界どこのお店に行ってもあります。 皆さん自身が今持っているものも、皆さんの概念も当たり前のことではありません。 今はとてもニッチな考え方だったとしても、それが社会にとって有益だと自分を信じて、社会に合わせて自分の考え方を変えるのではなく、社会を自分に合わせるような勇気を持ってください。 もちろん、ユーザーや大衆に合わせて心に刺さる表現やコピーを考えることも重要ですが、アイデアや概念を社会に合わせる必要はありません。 神を信じるか、エゴを強くする NBA のスター選手について調べた研究を見てみると、スター選手は信仰心がとても強いか、エゴが強いかのどちらかだったということが確認されています。 つまり、神様を信じているか、自分を強く信じているかのどちらかです。 少し頭がおかしいのではないかと思われるぐらいがちょうどいいです。 自分を強く信じることが心理効果としてパフォーマンスを高めてくれて、皆さんの強みや才能はよりトゲトゲして輝いていきます。 無いものを求めるよりも、既にあるものをどう使うかということを考えてみてください。 無いもので取り繕ってブランディングをしたところで、中身のない違法建築のような存在になってしまいます。 自分の持っているものの中で最も輝かせていくことができるものは何なのか考えてください。 自分の中に必ずあるはずですので、自分を信じて見つけたら活かす方法を考えていきましょう。 大衆は常に間違っている!あなただけのブルーオーシャンを! 「大衆は常に間違っています。」 特にあなたが成功したいと思っている場合は、これは忘れないでほしいことです。 成功したいと思っている人はたくさんいますが、当然そう思っている人は成功していない人です。 この成功していない人が成功しようと思った場合に、してしまいがちなことがあります。 周りのみんなは何をしているのだろうかということを気にしたり、成功している人は何をしているのだろうかということを考え、周りを見て自分のやるべきことを決めてしまいます。 成功したいと思っている人ほど、なぜか周りの人を気にしてしまいます。 成功したいという感情と失敗したくないという感情はまったく別の感情です。 失敗したくないと思えば挑戦することができないので成功することができません。 一方で、成功しようと思えば、失敗しても取り戻すことができるとか、何度でも挑戦できるという感覚が必要です。 例えば、いきなり自分の全財産を使って起業すれば、そこで失敗すればやり直すことはできない状況になってしまいますが、上手にマネタイズを図ったり最小限のお金とリソースで起業すれば、失敗したとしても何回でも挑戦し直すことはできます。 失敗しても立ち直ることができます。 挑戦をすることによってみんなとは違うことができるようにすることが重要です。 失敗を許容するというのは、失敗したことを開き直るということではなく、仮に失敗したとしても再チャレンジできるような状態を確保してから挑戦をするというのが、何度でも挑戦し続けることができる人の特徴です。 多くの人は成功したいとかみんなと違うことをしたいと思っているのに、なぜかみんなと同じことをしたいと思ってしまいます。 みんなとは違う成果を得たいのであれば、当たり前ですがみんなと同じことをしていては無理です。 それでも、みんなと違うことをするのは怖くて、みんなと同じことをして安心したいと考えます。 それなのに、みんなよりたくさんの成果を得て成功したいと願うわけです。 これはどう考えても一番難しいことです。 みんなと同じことをして成功したいと思えば、みんなよりも高い能力を発揮して成果を出さなくてはいけません。 自分がいくら能力が高くて100の能力があったとしても、80の能力を持った人が世の中にはたくさんいるとします。 そうなれば、100の能力の人を高額で雇うよりも、80の能力の人を複数人安く雇った方が効率がいいということもあり得ます。 そんな中で、みんなよりも抜きん出て自分だけの唯一のポジションを築くというのはほぼ不可能になってしまいます。 仕事をする時でもビジネスに挑戦する時でも同じですが、自分が何がしたいのだろうかと考えた時に、多くの人は他の人がやっていることで自分のやりたいことを探してしまいます。 そこから始めても構いませんが、最終的にはブルーオーシャンを目指すべきです。 自分以外はそれをしていない、あるいは、できないかハードルが高い領域に入ることができればブルーオーシャンになり安心して自分のペースでビジネスを展開していくことができます。 誰かの模倣や誰かのマネから始めても構いませんが自分だけのブルーオーシャンを見つけるというのが、戦略としてはいちばん必要なポイントになってきます。 とはいえ、完全なブルーオーシャンを見つけるのはかなり難しいことです。 ですから、限定的でもいいので自分にとってのブルーオーシャンを見つけることを考えてください。 例えば、「メンタリスト」も成功事例として国外にありました。 メンタリストはイギリス発祥のものですし、世界に目を向けると歴史の中で3回ほどブームが来ていました。 歴史の中で3回もブームが来ているということは、時代背景に寄らない何かの要素がそこにあるということです。 しかも、様々な国でブームが来ているということは、国民性にもよらない普遍的な何かがあると考えることもできます。 成功事例もたくさん海外にはあるわけですから、それは日本人のものの見方や考え方に合わせて翻訳すれば、上手くブランディングすることができるのではないかと考えたわけです。 海外の成功事例を見つけて、それを国内に持ってきて勝負しようとする人は多いですが、特定の地域や特定の文化圏だけで流行っているものを国内に持ってきても、人間の普遍的な欲求を刺激するのはなかなか難しかったりします。 海外に目を向けることは悪いことではありませんが、この辺りは参考にしていただけたらと思います。 ここから先は、今までにないビジネスで成功するための方法から、DaiGo師匠のパフォーマーとして世の中に出たこれからの戦略を事例として、自分や自分のビジネスをブランディングするための方法について解説していきます。 自分だけの方向性や戦略を見つける方法についても解説していきますので、ぜひ続きもチェックしてみてください。  

一問一答「あなたは、自分をどのように評価されたいですか?」【ブランディング】
科学的根拠に基づいた知識の実験、実践コミュニティ!〜メントレラボ〜

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著者イメージ

メンタリストDaiGo

慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。 人の心を作ることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとして数百のTV番組に出演。その後、活動をビジネスやアカデミックな方向へ転換し、企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授として活動中。著書累計300万部。

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