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一問一答「あなたの一番後悔しているお金の使い方はどんなものですか?」【投資の判断力】
2022-03-03 12:00330ptあなたの一番後悔しているお金の使い方はどんなものですか?
見栄を張ってなくなってしまうお金もあれば、コツコツ貯めることで大きな形になるお金もある。
そこから人に後悔を作り出すお金もあれば、覚悟を作り出してくれるお金もある。
お金の額は関係なく使い方によっていくらでも価値が変わるものです。
今回はお金の判断を間違わないために、投資についての相談を元に投資の判断力を高めるための方法についてまとめさせてもらいます。
投資だけでなく人生やビジネスの大切な判断で間違わないために役に立つ内容です。
Q. 投資に興味があります。投資の知識がゼロな人が投資を理解するためのおすすめの方法を教えてください。
投資の上手な方法から勉強するのはおすすめしません。
投資は怖いものだと考えている人に投資でどうすれば勝つことができるかを語っても意味がありません。
「投資で儲かる」というアプローチをするよりも、「預金がどれだけ損をするか」ということにアプローチした方がその気になります。
そこで初めて勉強しようという気になります。
投資を始めたいのであれば、自分のしている預金というものが愚かなのかということから理解した方がいいと思います。
なかなか投資を始められないという方はこの本をまず読んでみてください。
預金バカ 賢い人は銀行預金をやめている (講談社+α新書)
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
心理学的な投資成功率の高め方
人間が投資でハマりやすいミスがあり、心理学的にそれを避けるための方法について紹介します。
人間がどんな時に判断ミスをするのかということを理解しておけば、投資でも人生でも役に立つと思います。
多くの人が投資で失敗してしまいやすいバイアスがあります。
人は余計な思い込みに左右されて損をしていることがたくさんあります。
バイアスというものは本能に基づいているものですから、後悔してもまた同じミスを繰り返してしまいます。
後悔しない判断をするためには、判断するたびにバイアスのリストに目を通して、自分がそれに左右されていないかチェックする必要があります。
今回は、そんな中で心理学的に投資の成功率を高める方法について解説します。
6つの投資で重要なポイントを解説します。
ポイント1 :自分の遺伝子を知ろう
実は、僕たちの投資スタイルは結構な割合で遺伝子で決まっているということが確認されています。
遺伝とトレーダーについて調べた研究があり、ウォール街で働く60人のトレーダーを対象に遺伝子検査を行っています。
それと同時にトレーダーではない一般の男女54人にも同じ遺伝子検査を行っています。
そこにどんな違いがあるのかということを調べようとしたものです。
その結果明確な違いが確認されました。
トレーダーの遺伝子はドーパミン受容体4プロモーター(DRD4P)とカテコールアミン-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)という異なる対立遺伝子が優勢であるということがわかりました。
これはドーパミンのレベルが高すぎず低すぎもしない中程度に維持されやすいという傾向が遺伝子的に確認されたということです。
ドーパミンのレベルをバランスよく保つことができる遺伝子を持っている人が投資で成功しやすい可能性があるということです。
ドーパミンのレベルが高すぎてリスクを取り過ぎる人はトレーダーに向いていないし、ドーパミンのレベルが低すぎて臆病すぎる人も当然トレーダーに向いていないわけです。
この傾向が確認された事について研究チームは次のように言っています。
最高のトレーダーは確かにリスクを取る必要があるけれど、一方で、長期的な視点で考えたり自分の衝動を抑える必要がある。
取るべきリスクは取ることができるが、それと同時に自分の衝動を抑えることが出来なければいけない。
この2つの欲望は対立するものです。
人間は衝動的になればなるほど後先考えずリスクを取ることができます。
リスクを取るためにはある程度衝動的になる必要があるわけですが、衝動的になりすぎると自分の欲望やバイアスを抑えることができなくなり間違った判断をします。
この2つの欲望の間で上手にバランスをとることが重要なわけですが、そのためにドーパミンのシステムがとてもバランスよく保たれていることが重要だったということです。
起業家が投資に向かない理由
適切なレベルのドーパミンを保つことが重要だったということですが、リスクを取って成功した起業家はあまり投資に向かないことが多いのかもしれません。
起業して成功するためにはドーパミンレベルが結構高くないと難しいと思います。
投資で成功するためには一歩引いて客観的に見る必要があります。
そうなるとドーパミンレベルがほどほどに安定していることが重要になります。
実際のミリオネアたちを調べた研究を見てみても、サラリーマンとしてコツコツとお金を節約してそれを着実に投資にまわして運用して晩年にミリオネアになる人が多いそうです。
起業家のようにリスクを取って成功する人よりも、コツコツと続けることができる人たちの方がおそらく投資に向いているのだと思います。
投資判断の29%が遺伝によって決まっている?!
別の研究ですが、どんな株を買うかということはその29%が 遺伝子によって決まっているということも言われています。
僕たちの投資判断のうち29%は遺伝子に依存しているものです。
お父さんやお母さんが投資で成功していて、子供も同じように投資で成功しているという人も結構いますが、これは環境だけでなく遺伝子によるものかもしれません。
ポートフォリオのリスクも25%が遺伝によって決まっている?!
投資におけるポートフォリオも人それぞれだと思います。
真逆の業界に投資を行ってバランスをとる人もいれば、特定の業界が多くなる人もいます。
このポートフォリオのリスクのうち、およそ25%が遺伝によって決まっているそうです。
リスクのバランス判断も結構な割合が遺伝によって決まるということです。
思っている以上に遺伝子の影響は大きいようです。
最近では遺伝子検査も簡単にできるようになったので、それを使って自分のリスク傾向について知っておく事もいいのかもしれません。
自分のドーパミンレベルがどれくらいなのかを知っておくことは投資判断に結構重要です。
ポイント2 :ホルモンバランスを理解する
男性も女性もホルモンバランスでかなり投資判断が変わります。
投資とホルモンバランスについて調べてくれた研究があり、140人の男性トレーダーを集めて全体を2つのグループに分けて実験を行っています。
一方のグループには男性ホルモンであるテストステロンのジェルを塗ってもらい、もう一方のグループにはプラシーボのジェルを塗ってもらいました。
テストステロンは皮膚から吸収されて男性ホルモンが高くなるとリスクを取りやすくなります。
その後に全員に17回のトレードを行ってもらい、どれぐらい投資判断に変化が現れるのかチェックしています。
その結果、テストステロンの値が高くなっていたトレーダーは金融資産の価格設定を間違える確率が高くなっていました。
あまり深く考えず投資するようになってしまい失敗する確率が高くなっていたということです。
さらに、入札価格や販売価格も間違える可能性が高くなっていました。
テストステロンが高くなると、もっとリスクを取りたくなるということです。
当然ですが、投資というものはたくさん取引をすれば儲かるというものではありません。
短期間で売ったり買ったりをあまりしない方が基本的には儲かります。
テストステロンが高くなるとリスクを取りたくなるのでそれができなくなります。リスクを取りたくなってたくさん売り買いをしてしまうわけです。
この結果について研究チームは次のように解釈しています。
テストステロンを高めた男性は資産価値や入札価格の判断を直感で行う傾向が高くなったので、投資会社はいかにホルモンバランスが投資判断に影響を与えるのか理解しておくとメリットを得ることができるかもしれない。
僕たちも自分のホルモンバランスについて理解することで、投資の適切な判断につなげることができるかもしれません。
例えば、失敗が怖くてなかなか投資に踏み出すことができない人は、筋トレを行ったりして自分のテストステロンを高めるというのも良い方法だと思います。
女性は生理周期にも注意
女性の生理周期とリスクの取り方には関係があるという研究もあります。
女性は排卵期には高いリスクを取りやすくなります。
53人の女性ギャンブラーを集めて生理周期の間に全員のギャンブルのかけ方がどのように変わるのか調べています。
それによると、排卵期にはかける回数も増えてリスクの高いギャンブルに手を出す可能性が大きくなっていました。
そして、月経前のエストロゲンが減少するタイミングには気分が落ち込んで、この時にもギャンブルに手を出しやすくなっていました。
それぞれで理由は違いますがリスクを取りやすくなるタイミングがあります。
女性の場合には、この生理周期における自分の取引額の変化や傾向を冷静に見れるようにやっておいた方がいいと思います。
自分のこれまでの取引の成否を理解して、この生理周期にも気を配り取引を行うタイミングにも留意する必要があります。
ポイント3 :損失回避傾向を減らす
損失回避傾向は誰でも持っているものです。
人は当然損を恐れる傾向があるわけですが、例えば、「これをすると1万円もらえる」という時のモチベーションよりも「これをしないと1万円もらえるはずのチャンスがなくなる」と言われた時のモチベーションの方が高くなり実際に行動しやすくなります。
人は何かを手に入れることよりも何かを失うことの方を大きく感じます。
僕たちは、得をすることよりも損をすることを大きく捉える傾向があります。
この損失回避傾向が投資判断に影響を与えると、みんなと同じ凡庸な結果しか出せなくなります。
リスク許容度統計のデータを元に投資家のリスク許容度がどのような条件で変化するのか調べた研究があります。
その結果、投資家のリスク許容度と最も関係が深かったのは損失回避傾向だったそうです。
この損失回避傾向に対策するというのが、僕たちが投資でのパフォーマンスを高めるためには重要なポイントのようです。
人はお金を失う恐怖に苛まれれば苛まれるほど、どんどんリスクを取らなくなります。
お金を失う恐怖によってチャンスを逃します。
投資ではみんなと違うことをしないとチャンスを掴むことはできません。
みんながお金を失うことを怖れている時に、自分が損失回避傾向を上手にコントロールしてリスクを取ることでチャンスを掴めます。
そのためには投資収益率はあまり頻繁に見ないようにしてください。
これは月単位ではなく年単位で見るぐらいがちょうどいいそうです。
そして、ポートフォリオを全体的に見るのも損失回避傾向を抑えるのに役に立つそうです。
人は小さな単位で物事を見ると失っているものばかりに目が行きます。
できるだけ大きな単位で見るようにすると損失回避傾向にとらわれて判断ミスすることが少なくなります。
短期思考は損をする!
これは投資だけでなく人生でもビジネスでも共通する大切なことです。
ビジネスに対しても自分のキャリアに対しても短期的に見ていると判断ミスが増えます。
短い期間で見ると人は誰でも上がったり下がったりすることはあります。
一部分だけを見るとマイナスになっているところばかりが目に入るものです。
ですが、長い期間や広い範囲で物事を捉えると、個別のマイナスについて考えるよりも、次の挑戦について考えることができるようになります。
自分の人生も仕事も、投資も長い期間で広く見るようにしてください。
長期的に物事を見る思考については、やはりバフェットさんの考え方に学ぶのが一番だと思います。
こちらは投資をしない人にとってもとても参考になると思います。
文庫・スノーボール ウォーレン・バフェット伝 (改訂新版)〈上・中・下 合本版〉 (日本経済新聞出版)
人間は損失回避傾向だけでなく愚かな選択をしがちな生き物です。
間違った選択や判断をしないための考え方を学びたいのであればこちらの本がとても参考になります。
ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 文庫 (上)(下)セット
ここから先はさらに投資判断の精度を高めるポイントを紹介していきます。
投資だけでなく人生でもビジネスでも役に立つトレーニングについて紹介しますので、ぜひ続きもチェックしてみてください。
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