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  • 一問一答「あなたは毎日の生産性を高めるために身の回りの環境にどんな工夫をしていますか?」【ワークスペースの科学】

    2022-02-01 15:30  
    330pt
    あなたは毎日の生産性を高めるために身の回りの環境にどんな工夫をしていますか?

    コロナの影響も続いている中、皆さんが働く環境は大きく変わっていると思います。
    そのせいか、DaiGo師匠の質疑応答でも仕事や働き方に関する相談はかなり増えてきています。
    今回は、これからの時代を乗り切るために仕事や勉強の生産性を高めるための環境について、仕事中の眠気覚ましについての相談を元に解説させてもらいます。
    Q. 職場ですぐうとうとしてしまう人にその場でできる眠気覚ましを教えてください。

    その場でスクワットしてください!
    それで脳に血液を送れば目が覚めるはずです。

    人によっては、どうしても睡眠時間をしっかり取ることができず、眠い状況で頑張らなくてはいけないという人もいると思います。
    そんな方へのおすすめとしては、階段の上り下りを10分だけ行ってみてください。
    コーヒーやカフェインを飲むよりも、10分ほどでいいので階段を上り下りするというのが一番効果的だと思います。
    もちろん無理のない範囲でいいので5分ほどでも構いません。

    以上がDaiGo師匠のアドバイスでした。

    ワークスペースの科学

    人類の歴史を見ても、皆さんはおそらく最も自由に働く場所を決めることができる状態かと思います。
    リモートワークもできるようになったり、さまざまな働き方が生まれました。
    出社する場合でも、いわゆるオープンオフィスのような職場もあればフリーアドレスの職場もあったり、職場とは思えないようなおしゃれな環境で働いている人もいると思います。

    会社に出社するという選択もあれば、会社に出社しないという選択もあります。
    会社に出社する場合の職場環境も多様な形があり、会社に出社しないリモートワークを選ぶ場合にも、自宅でどこでどのように仕事をするのかというのは、人それぞれいろんな形があると思います。

    どんな場所でどのように働くのか?
    これを自ら決めなくてはいけない時代になっています。

    ということは、「どんな環境で人間の集中力が最大化されるのか?」
    これを知っているかどうかでこれからの人生は大きく変わります。

    今回は、会社に出社する場合も出社しない場合も、自分の働く環境でどのようなことに気をつければ自分の生産性が最大化されるのかということを紹介させてもらいます。
    これがわかれば、今の職場でどのようにすれば自分の生産性を高めることができるのかだけでなく、就職や転職で会社を選ぶ際にも判断材料になります。

    自分の働く場所は陣取り合戦です。
    職場でどのような場所を陣取れば自分の生産性を高めることができるのかは重要になりますし、カフェで仕事をする場合にも同じように陣取り合戦です。
    自分の家で仕事をする場合でも、自分自身ですべて環境を整えないといけないので、同じようにワークスペースの科学は重要になります。

    オープンオフィスはストレスレベルが高い!

    壁やドアなど仕切りのないオープンオフィスは結構多いと思います。
    周りの人達がどのような働き方をしているのか見える職場です。

    逆に昔ながらの壁などで仕切られたクローズなオフィスとどちらの方がいいのか調べた研究によると、実は、オープンオフィスはストレスが増えてしまうだけという残念な研究があります。

    ボンド大学などが行った研究で、個別にワークスペースが区切られたオフィスとオープンオフィスの両方で、被験者に同じ作業を行ってもらいました。
    8分間の校正作業を行ってもらい、どれぐらい作業効率に差が出るのかということを調べています。

    ワークスペースによる生産効率という点で考えると、当然ですが長時間そこで働くことによって出てくる違いです。
    わずか8分で確認できるような違いがあったとしたら、それはかなり大きな違いになる可能性があります。

    その結果、たった8分の間だけでも、オープンオフィスの周りからの騒音によって、ストレスとネガティブな気分の両方に因果関係があるということが確認されました。
    ネガティブな気分は25%増加して、ストレス反応としての汗も34%も増えていました。

    例えば、周りの人のキーボードを叩いている音や話し声が気になって、自分のやることに集中できないという人も結構いると思います。
    オープンオフィスでは、それらによってストレスやネガティブな気分が増加してしまい、体に出てくる反応としても間違いなくストレスが強くなっていると言えます。

    わずか8分ですので、仕事のパフォーマンスが下がる影響までは確認されていませんが、人間が意識しないけれど確実に受けているストレスは、それが長期間続けば、当然人間の幸福感や生産性に悪影響があると考えられます。
    周りの目線が気になるという人もいると思いますが、それは別として、物理的に周りから入ってくる騒音によって生産性を落とす可能性があります。

    カフェでは?
    では、カフェで仕事をすると同じようにネガティブな影響が出るのでしょうか?

    カフェの場合には耳栓をしてもいいですし、カフェでも間仕切りのあるスペースを用意してあるお店もあります。
    どちらにしても、間仕切りは意外と生産性を考える上では大事なようです。

    僕たちの生産性を考える上では 、ワークスペースデザインは思っている以上に重要です。
    間仕切りやパーテーションだけでなく、周囲の雑音が気にならないように音響処理やサウンドマスキングを取り入れてみるのも必要になります。

    オープンオフィスでは集中できないけれど、カフェだと集中して仕事をしたり勉強できるという人も結構いると思います。
    おそらくこれはサウンドマスキングによる違いだと思います。
    例えば、ピアノの音はとても面白い周波数で、ピアノの音が流れていると隣の人の声が聞きづらくなるということがあります。
    実際に、カフェやレストランで行われた実験で、ピアノの BGM を流すことによって隣の人の話が聞きづらくなるので、それによって同じお店の広さでも席数を増やしてもお客は気にならなくなったという話もあります。

    ですから、もしオープンオフィスで働かなくてはいけないのであれば、ノイズキャンセリング機能の付いたイヤホンを使ったり耳栓を使ってみるのもいいと思います。

    仕事や勉強の生産性を高めるためのおすすめ
    人間のやる気や集中力というものは、環境によって結構簡単に変動するものです。
    ちょっとした雑音や音が入ってくるだけで、部屋の中の仕切りがなくなるだけで、知らないうちに生産性はかなり変わっています。
    ネガティブな気分が25%も増えて、ストレスの反応が34%も増えます。
    これは知らないとどう考えても損です。

    このような人間が様々な原因によってやる気が長続きしないということについてもっと知りたい方は、こちらの本を参考にしてみてください。
    成功者が意志が強いというのは大ウソです。
    この著者の本はどれも面白くて読みやすいのでおすすめです。

    なぜ「やる気」は長続きしないのか―心理学が教える感情と成功の意外な関係

    そして、人間の能力は環境だけでなく「思い込み」でかなりの部分が決められてしまいます。
    自分にいくら言い聞かせてもパフォーマンスは変わりませんが、心の底から自分はできると信じている人は、それによって本当にパフォーマンスが上がったりします。

    例えば、海外にはアジア人は数学が得意だというステレオタイプがあり、数学のテストを受ける前に、それを学生たちに思い出させるだけで、テストの成績が上がったりするという研究もあります。
    人間のパフォーマンスはステレオタイプによっても影響を受けて変動します。
    そんなステレオタイプを上手にコントロールする方法としては、こちらの本が役に立つと思います。

    ステレオタイプの科学――「社会の刷り込み」は成果にどう影響し、わたしたちは何ができるのか

    そして、人類はやはり紙とペンを使ってこれだけの文化を築いてきましたので、紙とペンの使い方を極めることも仕事や勉強の生産性を高めるためには重要だと思います。
    これについては、やはりこちらの本を参考にしてみてください。

    あなたの知識を驚くべき結果に変える 超戦略ノート術

    勉強法について普通に学んでみることも大事だと思います。
    科学的に正しい勉強法も学んでみてください。
    こちらは Amazon の Audible の無料体験で1冊全て聞くことができるようになっています。

    最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法

    パフォーマンスが上がるオフィスの色使い

    会社の壁と言われると、大抵の人は白色を思い浮かべると思います。
    学校も同じような白い壁で黒板も大抵同じようなものが使われています。

    結論として、白色は最悪です。

    テキサス大学の研究で、生産性が上がるオフィスカラーと生産性が下がるオフィスカラーについて調べてくれています。
    222人の学生を対象に、「赤」「水色」「白」の3色の壁紙をそれぞれ使った部屋で集中力が必要なタスクを行ってもらいました。
    そこから、最も間違いが多かった壁紙の色と最も間違いが少なかった壁紙の色がわかっています。

    白い部屋で集中力が必要なタスクを行った人が最も間違いが多くて、それに続いて水色の部屋でした。
    最も成績が良かったのは赤色の部屋でタスクを行った人です。

    研究チームは次のように言っています。
    白色は生産性の向上には役に立たない。全く役にも立たないにも関わらず、ほとんどの職場環境では白色やオフホワイトが多用されている。これはどう考えてもおかしい状況だ。

    白色は人間に対して余計なプレッシャーを与えてしまうのか、集中力や生産性を考える上ではあまり良くないようです。

    研究者が言われるオフィスの最も最適な配色は、「青」「水色」「青緑」のような色合いだそうです。
    このような配色が最も集中力を高めてくれてミスも減らしてくれるのではないかということです。

    実験で、最も集中力がアップした赤色はあまりおすすめされていません。
    赤色は細部にこだわるタスクに対する生産性を上げてくれる可能性はありますが、これは諸刃の剣で、そのぶんストレスの原因にもなり得ます。
    ですから、短時間だけとことん集中するという時には使えますが、オフィスの配色として赤色を使うと余計なプレッシャーやストレスになってしまいます。

    皆さんが壁紙の色を選べる場合であれば、「青」「水色」「青緑」などの色を使った方がいいです。
    あるいは、このような色を使った絵や写真を飾るのもいいと思います。
    もちろん、観葉植物などを上手に使うのもいいと思います。

    色というものは人の心理状態に大きく影響を及ぼします。
    ちなみに、子供部屋の場合に使う色としておすすめしたいのも青色です。
    青系の色は心を落ち着かせる一方で「時間の経過を遅く感じさせる」効果があります。
    つまり、1時間勉強したつもりでも、実際には1時間半経っている、というようなことを起こすのが青色です。
    集中力と充実感が得られるので勉強部屋に向いているわけです。

    他には、学校で勉強する部屋の壁を青白く変えるだけで、発色が強い色よりもリラックス効果が出たというような報告もあります。
    いわゆる波長の短い色の中で勉強した被験者は波長が長い色の中で勉強した被験者よりも心拍数が低下していて、ストレスを感じにくい状況の中でリラックスして勉強できたということです。

    他にも、青白い色を使うことによって行動障害を持っている人のその症状が和らぐということが示されている研究もあります。

    ですから、青とか緑とか紫のように波長が短い色は赤や黄色やオレンジのような波長が長い色に比べてリラックス効果は高いとそれらの過去の実験でも示されていますので、できるだけ自然に近い波長の短い色を取り入れるというのも良いのではないでしょうか。

    ここから先は、さらに皆さんの生産性を高めるために実践することができるワークスペースの科学について掘り下げていきます。
    仕事の環境だけでなく勉強をはかどらせるという点でも役に立ちます。
    毎日の仕事や勉強を効率よく捗らせたいという方は、ぜひ続きはチェックしてみてください。