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  • 一問一答「あなたは、どのような情報を信じやすいですか?」【メディアプロパガンダ入門】

    2023-02-04 17:30  
    330pt
    あなたは、どのような情報を信じやすいですか?

    今回は、日本の政治家についての質問をもとに、経済の流れを読むためのメディアプロパガンダについて解説させてもらいます。

    「Q. 日本の政治家がバカな理由は何でしょうか?」

    日本の政治家がバカなのかどうかはわかりませんが、普通に選挙というシステムに問題があると思います。
    暇で時間がある人以外は投票しづらいシステムになっています。ネットでの投票も未だにできませんし、それもあって結局年配の人中心になっています。

    おそらくはおしなべて全員がバカというのではなく、考え方が古いだけだと思います。
    例えば、同性愛者は気持ち悪いなどと愚かなことを言う議員がいたりしますが、それは彼らがバカだとか悪意があるということではなく、ただ単に古いというだけだと思います。
    彼らの時代はそうだったのだと思います。
    古い時代の人たちが古い考えの人に投票しているだけだと思います。
    バカというわけではなく、シンプルに「わからない」というだけだと思います。

    例えば、僕と同じ年ぐらいの30代の人に、Web 3.0についてや TikTok について説明して欲しいとお願いすると、まだギリギリ理解している人がいるぐらいで、わからない人も多いでしょうし、もっと上の世代になるとほとんどの人がわからないと思います。

    今10代や20代で若い人たちも、これから先のメタバースの時代になると、同じようにわからない人も増えてくると思います。
    今10代や20代の人も、自分が40代とか50代になった頃には、その時の20代の気持ちはわからないと思います。

    わからないことをわからないと言える状況であれば良かったのだと思います。
    例えば、年配の人たちも、ドローンや SNS はよくわからないから 、わからないことは若い人たちに任せようと言えればよかったのだと思います。

    おそらくは、わからないことを「わからない」と言えなかった人たちが問題なのだろうと思います。

    以上がDaiGo師匠からの回答でした。

    メディアの報道から群衆心理を読む

    世の中というものがどのように動いていくのかというと、多くの人がどのような選択をするのかということによって経済も動いていくものです。
    これがまさに群集心理というものです。
    大勢の人たちのなんとなく進む方向が、経済や未来の動きを決めていくわけです。

    例えば、みんなが株を買い始めたら値段が上がり、売り始めたら値段が下がります。これも群衆心理です。
    この群衆心理を理解するためには、メディアを見ればいいです。

    群集心理を理解したり、群衆がどのように動きやすいのかということを読む方法として、群衆心理学以外にあるのかということを考えてみると、実は、メディアのプロパガンダを読むことでそれができます。

    政治に限らず世の中の様々な出来事は誰かが発信しています。その発信は、何かしらの意図や狙いがありそれを行っていますので、その意図や狙いを理解することができれば、ほとんどの人がそちらの方向に行くということを読むことができます。
    メディアや国が使うプロパガンダを理解することができると、皆さんはその逆張りをしやすくなるということです。

    メディアや国の情報発信からその意図や狙いをつかみます。そこから世の中の多くの人が進む方向を推定し、その逆張りをすることで、多くの群衆よりも先を行くことができます。
    メディアや国、社会的経済的立場の高い人たちが使っているプロパガンダを理解すれば、僕たちは彼らに流されることなく優位な立場を確保することができます。

    まず、戦略と戦術は分けて考えてください。
    戦略は目的を達成するために作るロードマップであり、戦術は戦略に基づいて使われるテクニックや仕掛けです。
    簡単に言うと戦略が目的で戦術は手段です。
    戦術は他の人を参考にしても構いませんが、戦略は真似をすると痛い目を見ます。
    あくまで戦略的な勝利を求めるようにしてください。

    今回はメディアや国が使っているプロパガンダから戦術を理解して、そこから戦略と真の目的が何なのかということを推定し、その狙い通りに多くの人たちが動いたとしたらどうなるのかということを考えられるようになる方法についてです。
    ほとんどの人を間違った方向に誘導させていく戦略を理解することができれば、戦術から戦略を逆読みして、限られた人だけの勝利を得ることができます。

    1. Omission:省略
    オミッションとは、「省く」という意味です。
    これは全ての真実をあえて伝えないというテクニックです。

    人間というものは、全ての事実や不都合な事実を伝えなくても、それを聞いている側の人間は気づかないものです。
    そして、聞かされた側の人間は、自分が聞いたことが全てだと思いやすいので、特定の部分が省かれていても気づくことなく、それですべての真実を得たと考えてしまいます。それが人間の心理です。

    ニュースを見たり公開されている情報を見た際に、必ずこう考えるようにしてみてください。
    「この情報には何が省かれているのだろうか」
    情報を省く際には2つのタイプがあります。
    1つは重要ではない情報を省くタイプです。もう1つは、重要な情報をわざわざ省くタイプです。気をつけなくてはいけないのは2つ目のタイプです。
    わざと重要な部分を省いて、特定の方向に誘導しようとしているタイプです。
    これがオミッションというテクニックです。

    例えば、コロナの感染が広まってから、乗客が減ったから交通業界がやばい、イベントが減ったので音楽業界やイベント業界がやばい、お客さんが来ないから飲食業界がやばい、実害が出て苦しい状況になっている業界の話がひたすら続いていました。
    ニュースだから当たり前ではあります。

    ですが、これもオミッションを考えて、何が省かれているかと考えて動いた人たちもいます。
    実害がないのに、風評被害だけで下がっている業界が絶対にあるはずです。
    経済的には下がっていないのに、風評被害だけで下がっている業界は、株で考えれば買った方がいいわけです。

    つまり、ニュースや情報を見て、それが単なる事実だと考え鵜呑みにするのが大衆です。
    それは単なる情報だと考えた上で、その情報によって多くの人がどの方向に進むのかまで考えて、そこで省かれている情報を検討します。
    そこで逆向きのポジションの可能性が見えてきたら、そこに限られた人の勝利が隠れている可能性が高いわけです。

    2. Contextualization:文脈化
    無関係な情報を並列で並ばせることで、そこに関係があるかのような印象を持たせる方法です。

    これは様々な場面で使われている手法で、怪しいサプリや発毛剤の広告など見てみると、実際には発毛の効果と何の関係もない論文やデータが参照されていたりします。
    実際には関係のない情報やデータを交互に挟むことによって、相手の受け取る印象を良くも悪くもコントロールすることができます。

    車のモーターショーや雑誌を見てみると、スタイルのいい水着の女性が大抵いますが、車と水着の女性は何の関係もありません。ですが、これだけ一緒に扱われると、男性は何の関係もないのに車に性的興奮と何かしら関係があるかのような衝動に駆られてしまいます。

    例えば、相手が嫌な気分になったとか腹が立ったというような話をしていたとします。
    相手がネガティブな話をしていたら、ネガティブな情報とネガティブな情報の間に、特定の人の話を意図的に挟むように誘導すると、相手からその人に向けた印象をコントロールすることもできたりします。

    営業が自分の商品やサービスを売り込むのであれば、相手の趣味や気分が良くなる話をひたすら聞きます。
    気分よく楽しい話をしている中で、徐々に自分のしたい話を挟んでいくのも同じです。
    無関係な情報であっても、相手の気分や感情に合わせて情報を挟むことで、そこに感情的な何かしらの関係があるかのような錯覚を覚えさせることができるわけです。

    もし間に何かしら別の情報を挟まれたと感じたら、それが何かしら意図的なものでないかと考え気をつけた方がいいです。

    3. In/Out Manipulation:内集団・外集団操作
    これは自分たちの内集団ひいき性を高める手法です。
    人は自分の仲間と思える人をひいきにして、その外側にいる人たちに対しては敵視する傾向があります。
    これは、全てどこに線を引くかというだけで、それを意図的に作り出すテクニックです。

    これも結構世の中で目にします。
    例えば、「1986年生まれの人」とひとくくりにすると、1986年生まれの人とそれ以外の人たちと線を引くことができます。
    「30代の人」とひとくくりにすると、その内集団が大きくなり、30代の人とそれ以外の人たちとなります。
    さらに、「30代よりも若い人 」とひとくくりにすると、30代よりも若い人たち全て含めての内集団になり、40代以上の人と区別するようになります。

    どこで線を引いて誰を仲間にして、誰を仮想敵にするのか区別して仲間意識を煽ることにより、特定の相手の印象を下げて、自分の影響力を高めることができます。
    自分たちに似ている人と似ていない人を区別する手法です。

    例えば、日本人と韓国人と区別を強調すると人種差別が生まれますし、アジア人とヨーロッパ人と大きく区別することで、敵視する対象が生まれたり仲間意識が生まれたりします。

    これは全てどこで線を引くかだけの話です。
    それなのに線を引かれると、その内側にいる人には仲間意識が生まれます。
    外側にいる人に対しては厳しく当たるようになります。

    これを理解しておくと、誰を仲間にしようとしているのか、誰を仮想敵にしようとしているのかが見えてきます。
    例えば、メディアを見ると、「10代の人たち」「若者」「Z世代」「ファッションリーダー」「◯◯女子」などという言葉を使って仲間意識を誘導しています。
    コロナで騒がれ始めた頃は、「若いやつは自粛しなくてけしからん」「お年寄りは重症化しやすいのに」と騒いでいる人が多かったのも、自分の都合のいいところで区切ることによって議論を生み出しているだけです。

    ビジネスであれば、どこで線を引けば自分のユーザーの内集団としての意識がより強固になるのか考えてみてください。
    逆にニュースや情報に対しては、どんな意図をもってそこに線を引いているのか考えてください。
    うまく使えば自分の仲間や賛同者を集めることができます。

    4. Cynicism:懐疑主義
    人間には、他人は自己中心的なモチベーションで行動していると考えて、自分は利他的でみんなのために行動していると考えるバイアスがあります。
    このバイアスを利用して、他人の行動に対する懐疑心を無理やり引き出すテクニックです。

    例えば、人は皆他人が自己中心的な人だと思っているので、「あなたは常に皆のためを考えていますが 、それなのにあの人はどうですか?」と煽ります。
    人間の強力なバイアスを利用して相手の中に他人に対する懐疑心を作ります。

    占い師が使っているのもこのテクニックです。
    「あなたは周りのことをかなり見ていて、みんながどうすれば楽しくなるか考えるタイプですよね」というようなことを言うとしたら、それは結局「あなたは利他的ですね」と言っているわけです。
    自分は利他的だとみんな思っていて、自分の自己中心的な思いを認めることができる人はそうはいませんから、こう言えば大抵当たります。

    その上で、「これは職場での状況でしょうか?なぜかあなたはイライラしています。あなたは良かれと思ってした行動なのに、自己中心的な他人がそれを潰していて、あなたから悲しみや怒りを感じます。」と言えば、人は皆他人は自己中心的だと思っているので当たります。

    直接的に誰かを否定すると相手は疑問を持つでしょうが、相手は利他的に行動しているのに、自己中心的に行動している他人がいると言われると納得するわけです。
    そこから不満や本音を引き出すことができるようになります。

    F.U.D(Fear:恐怖/Uncertainty:不確定性/Doubt:疑惑)
    よりCynicismの効果を高めたいのであれば、恐怖にアピールし、不確定な分からないことをアピールし、そして、疑惑にアピールすることです。

    これをよく使っている業界がメディアです。
    コロナであれば恐怖感を煽りました。当初、症状や回復状況について不確定な部分に注目させ、国や様々な体制に対する疑惑を作り出しました。
    人は誰でも他人に対する疑惑を持っているので、恐怖と不確定性を示して疑惑を煽られると簡単に信じ込んでしまいます。

    これを使われたら、ほとんどの人が行く方向が決まります。
    それを理解し逆張りをするために利用してください。

    世の中と大衆を読むためのおすすめ
    結局ビジネスをする上でも出来るだけ多くの人を狙った方向に動かすということができないと、消費者の心も掴むことができません。
    そのためにもこのプロパガンダの技術の使い方を知っておくことが重要になります。
    こちらは、そんなテクニックを紹介してくれている1冊です。


    プロパガンダ:広告・政治宣伝のからくりを見抜く
    こちらは、群衆が実際に動かしてきた歴史をもとに、人がいかに客観的な自己分析や科学的な見地に基づくことなく流されてきたのかということが学べる名著です。

    群衆心理 (講談社学術文庫)

    ここから先は、残り5つのテクニックを紹介させてもらいます。
    メディアの動きから大衆や経済の動きを読むために、ぜひチェックしてみてください。
     
  • 一問一答「あなたは、どんな人に影響を与えどんな行動をとってもらいたいですか?」【大衆を操る20のポイント】

    2022-08-13 12:00  
    330pt
    あなたは、どんな人に影響を与えどんな行動をとってもらいたいですか?
    今回は、影響力が欲しいという方の相談をもとに、大衆煽動の心理学について解説させてもらいます。
    大衆煽動は、別に政治家でなくても役に立つものです。
    影響力と説得力が合わさることにより、1人が多数の人に影響を与える方法ですから、ビジネスでも普通の人間関係でも、プレゼンや SNS でも、力を発揮することができるテクニックです。
    これはきっと皆さんにも役に立つものです。
    何万人もの人の心を動かすということでなくても、例えば、数十人でも心を動かすことができれば、それにより部署の主導権を握ることができたり、自分がやりたい仕事があった時に、それをみんなに会社にとって重要な仕事だと思わせることにより、実現させることも出来るようになります。
    個人でも会社でも使えますし、仕事の交渉でも友達とのやり取りでも、恋愛で相手を口説くためにも使えるものです。
    Q. 影響力が欲しいです。人の心を開いたり、感動や心を震わせられる人になりたいです。何かおすすめの本はありますでしょうか?
    言葉の作り方を学びたいのであれば『ベストセラー小説の書き方』などで、いい小説の書き方を勉強するか、スピーチの勉強をするといいと思います。
    スピーチでは歴史を変えた演説を勉強してもらうと、人間の心を動かすにはどのような要素が必要なのかということが見えてきます。
    おすすめとしては『千の顔をもつ英雄』などもいいのではないでしょうか。
    例えば、リンカーンやキング牧師、チャーチルなど歴史を動かしてきた数々の人たちがいます。
    リンカーンやチャーチルなど、あるいは、ヒトラーなど、素晴らしいことを成し遂げた人もいれば悪い人もいますが、民衆の動かし方としては驚くぐらい共通点があります。
    動かす方向が間違っていたというだけで、例えば、ヒトラーであればユダヤ人の虐殺などを行ってしまい、人道的にも問題ですし悲しい歴史でもあります。
    ところが、そこで使われている技術自体は、大衆煽動という考え方ではほとんど同じです。
    例えば、以前少し流行っていた「#〇〇さんに抗議します」という Twitter のハッシュタグがありますが、これはTwitter を使ったという点では新しいタイプの大衆煽動だとも言えます。
    基本的には、みんなが支持しているように見せるというものです。
    何百万人がツイートをしているという数字が出ることで、社会的証明によって人を説得しようとするものです。
    そういう意味では、非常に古典的なテクニックではあります。
    以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
    一対多数の心理コントロール 20のポイント
    大衆煽動は、これをビジネスで使えば、多くのファンを集めることができたり、商品を流行に火をつけたり話題にすることも出来るようになります。
    一対多数の形で相手の心をコントロールするのがプロパガンダです。
    これを知っておくと自分でビジネスをする時にとても楽になります。
    例えば、曲を作るアーティストであれば、素敵な作品やいい曲を作り、それが世の中に広まり当たったら成功となるし、当たらなかったら残念なことになってしまいます。
    大衆煽動の技術を知っていると、これをかなり狙ってできるようになるわけです。
    今回ベースになっている研究は、2010年にロンドン大学が行ったもので、影響力と説得力に関する約300件の文献をレビューして、他人に影響力を与えるために必要な要素とは何なのかということを徹底的に調べてくれています。
    その結果、その約300件の文献をまとめてみると、影響力と説得力を用いて相手をコントロールするためには20のポイントがあるということがわかっています。
    ポイント1 :「議論の回数は多ければ多いほど良い」
    このレビューにより分かった大衆煽動の要素の1つ目としては、「議論の回数は多ければ多いほど良い」というものが1つ目のポイントになります。
    基本的には、同じ人と対話を重ねれば重ねるほど、相手に対する影響は強くなるという意味です。
    これを聞くと当たり前だと思う人もいると思います。同じ人を何度も何度も説得すれば、当然相手は説得されやすくなると考えると思います。
    自分が相手に対して説得をする回数を増やすということをすると、人間は単純接触効果といってたくさん触れるものに対して好意を持つものなので、それにより影響を受けやすくなるということです。
    デイヴィッド・オグルヴィという広告の父と呼ばれた人が言われていることとしても、広告というものは3回以上それに触れないと効果がないとされています。
    この話には逆向きの効果もあり、5回以上同じ広告に触れてしまうと逆効果になってしまうということもあるようです。しつこい広告だと感じられてネガティブな印象を持たれてしまうということです。
    ここにもポイントがあり、5回というのは、全く同じ内容の広告に5回以上触れてしまうとネガティブな反応が出るということです。
    ところが、別の説得に関する研究で、法廷の中でその人が有罪だという証拠を提示する際に、証拠を3回出した場合と証拠を10回出した場合を比べて、どれぐらい説得される率が変わるのかということを調べた研究によると、証拠はやはりたくさん出した方が有罪になる確率は高かったということです。
    そうなると矛盾が生じている気がします。
    広告の場合は3回触れないと効果が出ないというのはまだ分かりますが、5回を超えたら逆効果だとされているのに、裁判の実験などでは、3回証拠を出すよりも10回証拠を出した方が相手が意見を変える確率が高かったというのは矛盾しているということになります。
    これはどういうことなのでしょうか。
    ここがポイントで、この裁判での10回証拠を出した場合のその証拠は違う証拠でした。相手が有罪だということを示す証拠ではありましたが、全て異なる証拠でした。
    少しずつ変化をさせながら繰り返す
    僕たちは、相手に影響力を与えるために全く同じ事を同じ方法で攻めてしまいがちです。
    そうなると、5回以上同じ広告を繰り返しているのと同じで、しつこいだけになってしまいます。
    では、どうすればいいかと言うと、少しずつバリエーションを変えることです。結果的には同じ内容だとしても、少しずつ証拠や表現方法を変えて相手に触れさせることによって、相手は説得されていくということです。
    人間というものはどこかが変化していないとそれに対して注目しないものです。当たり前になるとそれを見なくなります。
    相手と同じ議論を繰り返していたとしても、例え話が違ったり相手との対話というものは毎回違ってくるはずです。
    さらに、人間は自分と関連性があると感じられる情報に対して強く反応するので、切り口をたくさん示すようにすれば、そのどれかがみんなにヒットするようになります。
    ポイント2 :「関係性の必要さ」
    人は自分と関係があることだと思わなければ、その情報を処理することはありません。
    多くの人は自分が話してる情報を発信する際に「自分の言いたいこと」をただ話してしまいます。
    言いたいことを言ってもいいですが、その前に相手にとっても関係があることをこれから伝えるということを言わなければ聞いてもらえません。
    関係性の強調を行わないと人は動きません。
    ところが、多くの人が自分の言いたいことだけを言って、自分が強調したいところだけを強調します。
    自分の価値観を押し付けてしまうので、影響力も説得力も持つことができません。
    自分の意見が正しいとか間違っているとか、相手の意見が正しいとか間違っているということも関係ありません。
    どのように伝えれば、相手がこれから自分が伝えたいことを必要だと感じるか? ということを考えてください。
    これは相手のニーズを探るということではありません。
    相手のニーズを探ると、相手の欲しいものしか与えることはできません。
    人を動かしたいのであれば、皆さんが持っているものを相手にとって必要だと感じさせてください。
    多くの人が、これから何が流行るだろうか、どんなことであれば求められるだろうかと考えてしまいますが、そうではなく、自分のやりたいことや持っているものに目を向けて、それをどうすれば多くの人に必要だと感じてもらえるかを考えてください。
    とはいえ、これはなかなか難しいと思います。
    その練習として、皆さんが今では当たり前のように使っている商品が、いつから自分にとって関係があると思い始めたかを考えてみてください。
    例えば、スマホが初めて自分にとって関係があると感じた時はどんな時でしたか?
    説得される時には、必ず自分にとっての関係性を最初に感じています。
    ポイント3 :「ユニバーサルゴール」
    自分の行動や信念は、みんなが目指しているものだと感じさせることが重要です。
    例えば、「日本人は真面目に働く」というイメージがあるとすると、「自分も真面目に働いて成功したい」と考える人が多いというようなことです。
    自分が目指しているものは、みんなが目指している普遍的なゴールだと感じさせる必要があります。
    その上で、自分は社会的に正しい行動をしていて、一貫性を持っていると感じさせます。
    つまり、「あなたは間違っていない」と感じさせるということです。
    例えば、「誰でも失敗することもあるし悩むこともあります。それは誰でも感じていることですが、大事なのは、そこからどうやって、落ち込んだ気持ちを立て直したりもう一度挑戦するかです。」というように、普遍的なものだと感じさせると興味を持ちやすくなります。
    誰でも感じるような悩みが提示されて、そこにみんなが共感します。
    共感しただけで終わらず、重要なのはその先だと言われると、知識を求めることがユニバーサルゴールになります。
    国でも組織でも同じですが、団結を生み出しパフォーマンスを発揮するためには、理念や信念のようなものを掲げてユニバーサルゴールを上手に使っています。
    みんながユニバーサルゴールを感じるようなフレーズがあると、みんなが同じ方向を向いて強力な効果を発揮します。
    ポイント4 :「好意」
    影響を及ぼしたい相手に対して自分との類似点を示して、お互いの間に好意的な関係を作る必要があります。
    例えば、ヒトラーは、「ドイツは苦しい状況にある。だがドイツ国民の誇りは失われていないはずだ。あなた方一人一人は戦う力があるはずだ。もし我々が一致団結して戦うことが出来たら必ず勝利は見えてくる。」とスピーチして団結を作り出しました。
    自分で何かを伝えたいと思う相手には、特定の行動を命令したり示しても相手は動きません。
    「あなたにはできるはずだ」と、期待と好意を込めてメッセージを送らないと人は動きません。
    誰にでも人生を変える力があり、団結すれば世の中を変える力もあります。
    そんな期待と好意を寄せてくれて、仲間やチームだと感じさせてくれる人の言葉でなければ力が宿りません。
    ですから、日本の政治で言うのであれば、本当に一人一人の日本人が世の中を変える力があると信じ切ることができている人でなければ、政治家になるべきではないのかもしれません。
    ここから先は、残り6つのポイントについて解説していきます。
    影響力と説得力をもって人を動かしたい方は続きをチェックしてみてください。
     
  • 一問一答「最近、心が動いた瞬間はどんなときでしたか?」【人を操る話術】

    2022-05-19 12:00  
    330pt
    最近、心が動いた瞬間はどんなときでしたか?

    日常のコミュニケーションの中で、誰かに自分の思うように変わって欲しいと感じることはあると思います。
    彼氏に変わって欲しい
    奥さんに自分の言いたいことをわかって欲しい
    旦那さんを説得したい
    子供を狙った方向に動かしたい
    上司に認められたい
    部下を動かしたい
    面倒な人を上手にコントロールしたい

    様々な場面で人は他人を動かしたいと考えます。
    今回は、初対面の人や目上の人と話すのが苦手だという方の相談をもとに、日常生活で使えるプロパガンダについて解説させてもらいます。

    Q. 初対面の人や目上の人と話すのが苦手です。どうすればいいのでしょうか?

    目上の人と話す時に恐怖心や不安が募るのは、自分がその人の心をつかむにはどうすればいいのかということをわかっていないからです。
    コントロールできるという感覚が強ければ強いほど、自信を持って積極的に行動ができるようになるはずです。
    そういう意味では、どうすれば上の人を動かすことができるのかという方法を勉強してみるのが強みになると思います。

    以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。

    The Institute for Propaganda Analysis(IPA)による7つのプロパガンダ手法

    情報による大衆操作の研究をもとに、これをどのように日常生活に活かすことができるのかということを踏まえて、人を操る話し方について解説させてもらいます。

    2017年にオターバイン大学の心理学教授ノアム・シュパンサー博士が、IPA(プロパガンダ分析機構)の研究をもとに、有能なプロパガンディストがよく使って共通している手法を導き出してくれています。
    これは自分の生活にどう使えるか、人間関係から恋愛関係、仕事上、どう使えるか考えながら読み進めてみてください。

    人を動かすためのおすすめ
    これはDaiGo師匠がテレビに出ようと思った時にとても力を入れて勉強した本です。
    テレビというものは一対多数です。元々歴史を見ても、いわゆる独裁者はテレビやラジオ、映画などといったメディアを使って大衆をコントロールしようとしていました。
    ということは、自分がテレビに出るときにはその技術に時代や国を動かすレベルの話術や何かしらの秘密があるのであれば、テレビでそれをすることができれば自分は大きな影響力を持つことができるし、先々テレビがなくても自分のやりたいことができるようになるだろうと考えました。
    このおかげで今があります。

    ですから、結局ビジネスをする上でも出来るだけ多くの人を狙った方向に動かすということができないと、消費者の心も掴むことができないわけです。
    そのためにもこのプロパガンダの技術の使い方を知っておくことが重要になります。
    そんなテクニックを紹介してくれている1冊です。


    プロパガンダ:広告・政治宣伝のからくりを見抜く

    そして、最もプロパガンダが危険な方向に使われるのが今のような戦争中です。戦争中のプロパガンダの特徴について解説している本も紹介しておきます。
    これは別に戦争だけの話を書いたものではありません。現代であればどのように使うことができるかと考えることもできます。
    今の日本の世の中で起きる問題も、このプロパガンダの視点で考えると見えてくるものもあります。


    文庫 戦争プロパガンダ10の法則 (草思社文庫)

    ①ラベリング
    これはよく使われる手法ですが、自分に敵対する勢力に対して「詐欺師」「インチキ」「暴君」などネガティブなニックネームをつける方法です。
    相手の名声や業績を傷つけるために最も有効な手法だと言われています。

    逆に言うと、皆さんが日常の中で批判されるのはともかく、ネガティブなニックネームを付けられた際にはちゃんと否定しておく必要があります。

    これはキャッチコピーの基本ですが、良い方向にも悪い方向にも使えます。
    人間は「思い出しやすいもの」「記憶に残りやすいもの」を真実だと思い込みやすい性質があります。
    手に入れやすい情報や思い出しやすい情報が真実だと思い込んでしまいます。

    例えば、「天才東大生●●」と言われた時に、その人の名前は忘れてしまっても「天才東大生」というフレーズは覚えています。
    これは良い方向にも悪い方向にも使えます。
    誰かを人に紹介する時にいいニックネームを添えて紹介すればみんなに覚えてもらいやすくなりますし、ネガティブなニックネームをつければ、相手を貶めることもできます。

    ラベリングされた時の対処法
    もし皆さんがこのラベリングをされた場合には、否定すると同時に相手をラベリングしてください。
    「批判者の知性」といって、人は物事を否定している人の方が頭が良さそうに思ってしまいます。
    ですから、ラベリングされたらエビデンスがある否定をした上で、相手をラベリングしてください。
    自分に貼られたラベルを説得力をもって剥がして、ちゃんと否定すると批判者の知性によって皆さんのイメージは高まります。その瞬間に相手にラベリングをするわけです。

    ②輝ける一般化
    「慈善活動」「善行」「道徳」「大義名分」などにまつわる言葉を自分の支持している考えや主張に結びつける方法です。

    例えば、アメリカの選挙であれば、トランプ氏とクリントン氏の大統領選挙の際にトランプ氏は次のようなキャッチコピーを作って自分に結びつけていました。
    「Make America Great Again(偉大なアメリカよ、再び)」
    このコピーは当時のアメリカ人たちの想いをとてもよく表していました。
    国力を低下させてしまっているアメリカのパワーをもう一度取り戻すという端的なメッセージです。

    多くの人々に感情的につながっているフレーズを用いることで、そこにあるイメージと自分の目的を結びつけます。

    ちなみに、無意識にこれを使う人はパーソナリティに問題があるという研究もあります。
    自分の大学のチームが勝利した時には「俺たちは勝利した」と言い、敗北した時には「彼らは負けた」と言います。
    人は勝者との結びつきを強めたい、敗者との結びつきを弱めたいという思いが本能としてはあります。
    パーソナリティに問題があるとこの差が激しくなります。

    人はより大きな大義名分に自分も参加したいと思ってしまいます。
    人は自分がすばらしい集団に所属していると思いたいわけです。
    相手が綺麗事と自分を結びつけようとしていると感じたら気をつけてください。

    多くの人が感動するような逸話やストーリーはメモしておいてください。
    特に、古典は時代を超えて多くの人が感情を揺さぶられるストーリーがたくさん含まれています。
    科学的には根拠がないとかエビデンスがないものには興味がないという人もいると思いますが、それはもったいないです。

    そこには輝ける一般化をするための有能なストーリーがたくさん散りばめられています。
    自分が人を説得したいと思う時には、そんな逸話やストーリーを上手く使ってください。

    人の心を動かす逸話やストーリーのためのおすすめ
    神話の研究で有名なジョーゼフ キャンベル博士の著書です。
    世界同時多発的に様々な神話や物語が生まれていますが、大体同じようなヒーローが出てきて同じような敵と戦い、同じような苦労を重ねて同じような話が展開されています。
    人の心を打つストーリーというのは人間の脳の中に元々存在しているのではないかという理論を基にストーリーテリングを学ぶことができます。
    特にこちらの本は文庫本で読みやすいと思います。

    神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

    事実かどうかはわからない話が多いです。
    それでも現在まで残っているのは、みんなが信じたい何かがそこにあるからです。
    輝ける一般化をしやすいストーリーがあります。

    個人化された一般化
    さらに、相手が信じている信念のようなものがわかったら、それに合わせて輝ける一般化をアレンジするとより強力になります。

    例えば、相手が「変化と成長」を一番の信念だと思っているとします。
    自分だったらどのように表現するか考えてみてください。

    ・・・

    ・・



    相手の信念と同じカテゴリーにある輝ける一般化を使ってください。

    「変化と成長」を自分の信念だと考えている相手に対してであれば、変化と成長を経て人生が変わった人のストーリーであったり、変化や成長ができなくて苦しんでいた人たちが、どのようにして変化と成長を受け入れ人生を変えていったのかというストーリーを交えて説得してください。

    ③転移
    自分の意見を広く伝えるために、恩恵を受けている人や場所を使います。
    自分の意見に説得力を持たせるために、すでに説得力を持っている人の言葉を引用したり、その人が講演する場所やゆかりの場所を利用する方法です。

    過去の有名なプロパガンディストは、自分が発言をする際に、わざわざ有名な教会の前で行うことが多かったそうです。
    人は誰でも権威と繋がりを持ちたいと考えます。
    権威と繋がりがあるものを好む性質があります。

    「王室御用達」という言葉が好きだったりします。
    「モンドセレクション」もお金で買えると知っているのに、なぜかついつい気にしてしまいます。
    この影響を軽視する人も多いですが、実際に世の中を動かしている人はこれをかなり気にしています。

    自分の意見に重みを持たせたいのであれば、権威との関連付けを意識してください。
    多くの人は「みんながしている」ことに興味を持ちます。
    そこには理由があるに違いないと無意識に考えます。
    これとまったく同じで、新しい意見を多くの人に定着させたいのであれば、すでに大勢の人に定着している偉人の考えを引用したり、その人たちに関わりのある場所を使ってください。

    これを上手に使いたいのであれば、間違いなく尊敬を集めているであろう偉人たちや伝説となっている場所を使うのが一番です。

    ここから先の残り4つのテクニックを使って、人を動かす話術を身につけたいのであれば続きをチェックしてみてください。