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一問一答「あなたが、絶対に諦めたくないことはなんですか?」【諦めない力】

あなたが、絶対に諦めたくないことはなんですか? 今回は、挫けることなく諦めない力について纏めさせてもらいます。 諦めない人のための科学 行動できる人もいればできない人もいます。 リスクを恐れず挑戦することができる人もいればできない人もいます。 この勇気は性格特性です。 つまり、ある程度は生まれながらにして持っているものです。 まずは、勇敢さや勇気というものは生まれながらのものだという切ない事実を受け止める必要があります。 ですが、だからといって仕方がないと諦めないのが科学者です。 科学者は、勇気に満ち溢れて勇敢な行動をとることができる人をとことん調べて、その中でも普通の人が真似できる要素について明らかにした上で、それを後から身につければ結果的には同じだと考えます。 今の心理学では、人生を変えるためには性格ではなく行動を変えればいいと言われます。 性格を変えるのはなかなか難しいですが、内向的な人でも外向的な人のような行動をとることができればいいだけです。 人間の性格と行動は別だと考えてください。 それでは、ここからは具体的に必要な要素について3つのポイントを紹介させてもらいます。 要素①自己効力感 自己効力感というものは、自分が行動を起こすことによって少しでも未来が変わると信じることができる力です。 「やればできる」という感覚です。 目の前の困難に立ち向かって、自分の能力を発揮しながら少しずつ未来を変えていく信念のことです。 この自己効力感のために絶対にしてはいけないことは、「圧倒的に上の人と比べる」ということです。 現代において、スマホや SNS の普及によって皆さんの自己効力感はかなり下がっていると言われています。 お金を稼ぎたいと思っている男性が TikTok を見れば、美女とお金に囲まれた画像の男性が出てきます。 スタイルを良くしたいと思っている女性が Instagram を見れば、骨格的にどう考えても無理だと思えるようなスタイルの美女がいくらでも出てきます。 自己効力感は、自分が行動したことでほんの少しでも未来が変わるという感覚を積み重ねなければ身につかないものです。 ですが、そんな圧倒的レベルの人の生活を簡単に見ることができると、自分がコツコツと積み重ねることでのプラスが見えなくなってしまいます。 例えば、年収400万円の人が410万円になったとしたら、それも自分の努力の積み重ねで喜べるはずなのに、スマホを開くといくらでも年収2億円3億円の人が目に入ります。 そうなると、いつまでたっても自己効力感が養われないので、そこから脱出することも難しくなってしまいます。 要素②自尊感情 成功することが難しい問題やリスクがある課題に対して、立ち向かってそれをやり遂げようと思うと、自分の性格や自分の能力、自分のキャラクターなどをある程度認めることが必要になります。 自分を認めることができている人でなければ、自分の持ったものを活かして、目の前のことに向き合おうとすることはできません。 自分にはネガティブな部分もあり弱点かもしれないけれど、それ以外である程度いいところもあって、それを上手に使うことができれば前に進んでいくことができると覚える必要があります。 要素③開放性 困難や危機を目の前にした時に勇敢な行動を起こすためには、開放性や好奇心というものがとても重要になります。 好奇心がない人は基本的に新しい行動をとることが難しくなります。 つまり、諦めることなく行動できる勇気を持つためには、 ①目の前の困難に立ち向かうための自己効力感 ②自分の能力を発揮するために自分を認める自尊感情 ③新しいものを求めて試すための好奇心 これら3つの特性を鍛えればいいということです。 これらは自らの訓練や周りからのサポートによって鍛えていくことができる特性です。 後から鍛えることができる勇気につながるポイントです。 あきらめない人の考え方:「まだ」の思考 挫けてしまう人と挫けない人の最も大きな違いとしては、達成するべき目標がひとつありそこにたどり着くことが全てであり、その目標にたどり着くまでの過程を軽視してしまうというのが挫ける人の特徴です。 そのため、挑戦してみたけれどうまくできなかったとか、自分の思っていたイメージと違うというだけですぐに諦めてしまいます。 これがすぐに挫けてしまう人の考え方です。 一方で、決して諦めない挫けない人の考え方は、常に「まだ・・・」という言葉を使います。 「もっと」ではなく、失敗した時には「まだうまくいかないだけ、きっといつかはできる」と考えますし、ある程度うまくいっている時には、もうこれぐらいで十分だと考えたりしてやめてしまうのではなく、「まだ自分はできるはず」だと考えます。 つまり、挫けない人ほど「まだ」という言葉を多用します。 これは英語では「the power of yet」という言葉になりますが、この「まだ・・・」という思考が重要です。 ですから、挫けそうになった時には「まだうまくいっていないだけ」だと考えるべきですし、諦めてしまいそうになったり妥協しそうになった時には「まだ自分はできる」とか「まだあと1回はできる」と考えるようにしてください。 もしある程度うまくいってもう十分かと思い始めた時には「まだ自分は成長できるはず」と考え、「まだ」を多様するようにしてみてください。 あきらめない人の考え方:「階段思考」 これは人間の成長に対して使われている思考です。 人は物事が常に右肩上がりで上がっていって欲しいと思うものです。 実際には当然ながら浮き沈みを繰り返しながら、それでも続けていれば長期的には成長していくはずです。 そんな中では、どうしても停滞することもあれば、そのまま続けても意味がないのではないかと思ってしまうときもあります。 挫けそうになるときは誰でもあるものですが、そんなときに使えるのがこの階段思考です。 人はどんな物事でもスキルでも常に右肩上がりで上がっていくことを期待しますが、実際にはそうではなく階段状に成長していくものです。 一度上達したり成長するとしばらく停滞する時期があり、そこで何かコツを見つけたりきっかけがあるとまた一段上がります。 これはどんなものでも同じで、例えば、YouTuber でも何かをきっかけにチャンネル登録者数が増えたりします。 そして、しばらく停滞してまた何かをきっかけに伸びます。 停滞しても怖がる必要はありません。 停滞しているというのは階段の平らなステップを進んでいるタイミングだからです。その平らなステップを耐えながら続けていれば必ず一段登れるときが来ます。 これが普通ですし、人生というものはこれと同じです。 皆さんの中にも、常に成長し続けないといけないと考えたり、毎日必ず進歩しないといけないと考える人もいると思いますが、その自分の進歩を感じることはとても重要です。 毎日どんな小さな進歩でもいいのでそれを感じることで僕たちのモチベーションというものは湧いてきます。 ですから、毎日の進歩を実感することは大切ですが、欲張りすぎないようにしてください。 常に右肩上がりに成長していかないといけないと考えてしまうと、それは大きなプレッシャーになってしまいます。 どんなものでも常に階段状で上がっていくものだということを理解していただければ、 あきらめない人の考え方を身につけることができるはずです。 人生というものは階段状に成長していくものです。 あきらめない人の考え方:「うまくいかない時は10%だけ変える思考」 人は行き詰まったときに同じことを繰り返そうとしてしまいます。 なぜうまくいかないのかと考えながら、ずっと同じ方法を続けていることがよくあります。以前はこの方法でうまくできたのになぜうまくできないのかと行き詰まります。 失敗したりうまくいかないと「以前はうまくできたのになぜできないのだろう」と考えがちですが、これが危険な考え方です。 以前うまくいった時と何が違うのだろうと悩んだりしますが、人間は以前と同じことをしているつもりであってもどうしても少しずつ違っています。 体調や周りの環境によっても少しずつ変わりますし、ビジネスなどの場合にはトレンドというもっと大きな動きにも左右されてしまいます。 ですから、以前はこの方法でうまくいったはずだと考え同じことを繰り返すのではなく、気づかないうちに何かしらの条件が変わっている可能性もあるわけですから、一旦その考え方をリセットする必要があります。 うまくいかないときほど少しだけ変えてみることを意識してください。 うまくいかないときにその方法を少しでも変えてしまうと、余計にうまくいかなくなってしまうと考える人もいるかもしれませんが、少しだけ変えてみてうまくいかないのであれば、その方法が間違っているということを理解できるだけです。 とはいえ、あまりに大きく変えてしまうと、それもプレッシャーになってしまうので、お勧めとしては10%変えるということを意識してみてください。欲張ったとしても20%ぐらいまでにしてください。 少しだけ方法を変えてみるということが重要になります。 これはビジネスであってもスポーツやスキルであっても同じです。 今の方法がうまくいかなくなっているのは皆さんの周りの環境や条件が変わっているからです。 ですから、自分もそれに合わせて変わっていく必要があるわけですが、大きく変える必要はなく、ほんの少しだけでいいので変えてみるということをうまくいかない時ほど試してみていただけるとスランプを抜け出しやすくなります。 皆さんの求めていることや目標も色々とあると思います。 もっと自由な生活をしたいとか、仕事の効率を上げたい、もっと友達を増やしたい、今年こそはダイエットをしたいなど色々とあると思いますが、それも突然多くのことを求めてしまうとなかなか難しいことですし、プレッシャーになりかえって何も出来なくなってしまいます。 今の生活より10%だけ自由な生活を手に入れるには? 仕事の効率を10%だけ上げるためには? 友達の数を10%だけ増やすためには? 運動やトレーニングの量を10%だけ増やすためには? このように10%だけ変えるには? と考えてみていただけると、くじけない人の考え方を身につけて、目標に向かって進むための糸口を見つけることもできると思います。 ちなみに、自分が調子がいいときには10%ではなく10倍にすることを考えてください。 10%というのは少し頑張ればできるような数字だったりもします。 10%変えようと思うと、仕事であれば少し無理をしたりいつもより長めに働くことで、それができたりもします。 そうなると新しいアイデアも生まれなくなってしまいます。 ですから、自分の調子が悪かったりスランプを感じているときには10%だけ変えてみるということを意識してもらい、逆に、自分の調子が良くて自分を大きく変えようと思ったときには、「10倍にするにはどうすればいいのか?」と考えてもらえると、それにより思考の幅が広がりますので、新しいアイデアを生み出すことにもつながります。 この使い分けを覚えておいてください。 あきらめない人の考え方:「トライした回数をカウントする思考」 人はどうしても結果に縛られてしまいがちです。 自分が調子がいいときや目標に向かって頑張っている時というのは、自分が成功した回数をカウントしていれば、それによりどんどんモチベーションが湧いてきて進むことができます。 ところが、その結果としての数字にとらわれていると、その数字が下がった時に自分の心が耐えられなくなってしまいます。 成果が出なくなったときであっても、そんな中、常に挑戦し続けている自分を誇りに思ってもらいたいので、トライした回数をカウントするようにしてください。 例えば、YouTube でチャンネル登録者数が増えなくなってしまったというのであれば、登録者数が増えなくても、毎日欠かさず動画を投稿し続けているということを誇ればいいわけです。 これは、さらに言うと、伸びていないときであれば今までよりも投稿回数を増やすとか考えてみてください。 伸びていないときには色々なことを試すことができるタイミングだと考えます。 うまくいっていないのであれば、回数を増やしたり、今より工夫してみたりして、そのトライする回数をカウントしてください。 それにより挫けることなく続けることができて、いつかは先ほど紹介したように階段状の一段ステップを登ることができます。 あきらめない人の考え方:「Why ではなくHow で考える」 うまくいかないときには、人は、なぜうまくいかないのだろうとか、こんなに頑張っているのにどうしてうまくいかないのかと悩んでしまうものです。 この「どうして?」「なぜ」:Why? という思考になると、人はどんどん自分を責めてしまいます。 うまくできることが前提になっているので、なぜそれができないのかと自分を責めてしまうわけです。 そうではなく、「どうすれば?」「どのような方法を新しく試せばいいのか?」:How? という考え方にしてください。 うまく数字が伸びていないのであれば、今まで試していないことでどんな事をすれば伸びるだろうかとか、どのような変化をさせてみればうまくいくだろうというようなことを考えます。 Why? という質問は常に過去に向いてしまいます。 これは仕事でも人生でもどんなことでも同じです。 「なぜ自分はこんなにも苦しいのだろうか?」 「なぜ収入が低いのだろうか?」 「なぜ自分は集中力が低いのか?」 ということを考え始めると、過去に対して目がいくようになります。 そうなると、自分はいい大学を出ていないからだとか、自分は家庭環境に恵まれていなかったから、子供の頃に一生懸命勉強しなかったから・・・というように、Why?:なぜ? を考え始めると、全て過去に目が向いて後ろ向きな思考になってしまいます。 一方で、How?:どうやって? を考えると、これからどのようにすれば学歴を乗り越えるような能力を身につけることができるのか?、どうすれば新しいことを習慣化できるのだろうか?、どうすればこの苦しい状況を乗り越えることができるだろうか? というように、思考が前に向きます。 これは無駄にポジティブ思考になるべきだというわけではありませんが、あきらめない人やくじけない人はほとんどの場合その思考が「How?」です。 だから、思考が後ろ向きにならず挫けることなく頑張ることができるわけです。 粘り強く物事に取り組む能力 人生の成功に必要なスキルに関するロンドン大学の研究を見てみると、52歳以上の男女8119人を対象に11年間にわたり追跡調査したというものですが、この研究でも、やはり、ひとつのことに諦めないで粘り強く取り組む力が成功のためには重要だということがいわれています。 この粘り強さとは学習可能なものです。つまり、後から身につけることができる能力です。 粘り強さを測る方法 1940年にハーバード大学の研究チームが行なった実験で、健康な男女を対象に角度のついたトレッドミルで5分間走ってもらうようにお願いしました。 かなりの角度がついて、よほどきつかったようで、5分間走るように指示したにもかかわらず大抵の被験者は4分間までで脱落しました。 そのトレッドミルでどれくらい走り続けることができるのかということをチェックした上で、その後数十年経ち参加者が60代になった時にもう一度集めて、彼らの収入や仕事に関するキャリア、社会的な活動や仕事に対する満足度、結婚しているかどうかということや夫婦関係の満足度からメンタルの状態というようなことまで調べました。 それにより、若い時にトレッドミルで5分間走り続けることができていた人たちと、走りきることができず途中で諦めてしまった人たちで、人生に何かしらの違いが表れていたのかということを調べようとしたわけです。 要するに、若い時の粘り強さが将来に何かしらの影響を与えるのかということを調べています。 その結果、粘り強さが強くトレッドミルで5分間走り続けることができた人は、収入やキャリアも、社会的な活動や仕事に対する満足度も高く、結婚状態もメンタルの状態も良かったということです。 ここまででは、トレッドミルで走り続けることができた人はただ単に運動能力が高かっただけではないのかと考える人もいると思います。 運動能力が高かったので歳をとってからも良い人生を歩んでいただけなのではないかという議論が、最初にこの論文が出た頃には起きました。 ところが、被験者たちの肉体能力を調整した上でも同じ現象が確認されました。 ですから、体力があるかないかということにかかわらず、若い頃から目の前のことに粘り強く取り組むことができる能力を持っていると、歳を重ねれば重ねるほどその差は大きく開いていくということです。 もちろん、歳をとってからでも鍛えるに越したことはありませんが、できるだけ若いうちに身につけておくと、人生の成功に対して大きく影響してくる可能性があるということがいえます。 ひとつのことに取り組んで心が折れそうになっても粘るという体験を重ねれば重ねるほど、諦めない力は鍛えられ人生にとってもメリットは大きくなるということです。 例えば、読書をしている際になんとなく内容が難しくなってしまったので、ちょっと LINE でも見てみようかと思い、自分が粘り強さを発揮できない状況に気付いたら、そこで粘り強く頑張ればそれは将来のためになるはずだと考えて諦めない力を発揮していくことが大切です。 お勧めとしては、そんな心が折れそうな作業を1日に1回や2回でもいいのであえてするようにしてみてください。 例えば、1日30分でもいいのですぐに心が折れてしまいそうな難しい本を読むようにしてみてください。難しくて心が折れそうになっても30分間は頑張って読むようにします。 本ではなく、筋トレやスポーツでもいいと思います。HIITのような心が折れそうになる運動を毎日続けてもいいでしょうし、筋トレであれば、あげられる限界ぐらいまで変化をつけながら体を追い詰めていくというのもいいと思います。 習慣化のテクニックを使って、継続的に新しい習慣を身につけていくというのもいいと思います。 粘り強さを鍛えることによって、それは人生の後半で大きな差として影響してくるものだということを覚えておいてください。 過去を乗り越える力も身に付く 2019年のフィンランドアカデミーの研究で、2018人の学生を対象に全員の粘り強さを調べる実験を行いました。 その上で、全員を6年生から9年生まで追跡調査して、学業の成績との相関を調べました。 要するに、粘り強い人は学校の成績もいいのかということを調べようとしたものです。 その結果わかったこととして、8年生の時点における粘り強さが9年生になったときの学業の成績と相関しているということでした。 この結果は、その人の誠実性や過去の成績を調整した上でも同じ傾向が確認されました。 つまり、過去の自分の成績が悪かったとしても、性格としての誠実性が低かったとしても関係がないわけです。8年生の時点で粘り強さをちゃんと発揮することができていれば、1年後になった時にはちゃんと成績として結果がついてくるということです。 ですから、過去の成績や成果が今ひとつだったとしても、今から粘り強さを身につけることができれば、1年や2年のスパンでも確実に結果として現れるということがこの研究から見えることです。 ちなみに、6年生の時点での粘り強さもゴールへのコミットメントに相関していたということもわかっていますので、粘り強さを身につけることができれば、将来の成果はもちろん、その時点でもゴールへのコミットメントも強くなるということも言えます。 過去は関係がなく、今から粘り強さを身につけることができれば、僕たちの人生は短いスパンでも変わっていくということを覚えておいてください。 ここから先は、実際に粘り強さを身につけるための方法について解説していきます。 人生も、これからの可能性も、諦めることなく挑戦していくためにぜひ続きもチェックしてみてください。  

一問一答「あなたが、絶対に諦めたくないことはなんですか?」【諦めない力】

一問一答「あなたがもう二度としたくない失敗はどんなものですか?」【反省力】

あなたがもう二度としたくない失敗はどんなものですか? 今回はプロゲーマーを目指したいけれど過去に規約違反をしてしまったので、プロゲーマーという夢に挑戦してもいいのだろうかと悩んでいる若者の相談をもとに、失敗を力に変えるための方法について解説させてもらいます。 「Q. プロゲーマーを目指していますが、過去に規約違反を犯してしまったことがあります。今は反省して二度と同じことをしないようにしています。 プロの現役の選手でも過去の違反で最悪契約解除になる人もいます。 過去に過ちを犯した自分はプロゲーマーという夢に挑戦してはいけないと思いますか?もしチャンスが来ても諦めるべきでしょうか?」 今の世の中は過去の過ちを潰そうとしている人が多いです。 ガンジーの残した言葉があります 「間違いを犯す自由が含まれていないのであれば、自由は持つに値しない。」 人は間違う権利を持っていたからこそ、様々な試行錯誤を重ねて文明を発達させてきました。 間違いは誰にでもあります。 「弱い者ほど相手を許すことができない。許すということは、強さの証だ」 とも言われていました。 例えば、スポンサーがいるから契約解除が心配になるわけですから、プロのゲーマー兼ゲーム実況者とか、自分で稼ぐ方向に進めば誰の目も気にする必要はなくなります。 ポジションの取り方によっていくらでも状況を変えることはできると思います。 以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。 失敗を叩く世の中の過誤 有名人でも芸能人でも、少しプライベートで間違いを犯しただけで叩かれたり追放されたりします。 はっきり言いますが、そのような問題を起こした人を全員追放したとしても、業界は綺麗になるどころか必ず悪化します。 これは様々な失敗や間違いに対しての対応に関する研究でも明らかになっています。 別に間違いを犯した人を擁護するわけではありませんし、人が失敗したり間違いを犯したのであれば、それなりに反省したり罰を受けるべきだとは思います。 ですが、寄ってたかって業界から追放しようとしたり、過剰なまでに非難をぶつけて叩くのは決して日本のためにはなりません。 間違いをやり直すことができる文化が必要だと思います。 正しく反省してやり直すことができる世の中であってほしいと思います。 これは世の中としても組織としても言えることです。 人間が失敗したり間違ったことをした時に、受け入れることができるかどうかということは、「間違いをやり直すことができる文化が根付いているかどうか」で決まります。 個人でも会社でも全く同じです。 これについての研究は色々とありますが、ひとつ例として紹介させてもらいます。 病院の医療ミスについて調べた研究があります。 病院でもミスはあるわけですが、そのミスを少なくすれば当然ですが助かる命が増えたり大きな影響があります。 看護師を対象にしているので婦長さんですが、リーダーが間違いを厳しく罰する場合と、間違いを報告することを推奨した場合で、どちらの方がミスが少なくなったのかということを調べています。 その結果、ミスを厳しく罰するチームの方がミスの数は少なかったということです。 そうなると、やはりミスは厳しく罰するべきで、厳格なリーダーがチームを見るべきだと考えると思うでしょうが、そのデータを客観的にちゃんと調べてみると全く違う結果が見えてきました。 実際には、ミスが少なかったのは間違いを報告することを推奨し、やり直すチャンスを与える寛大なリーダーが率いるチームの方でした。 つまり、リーダーが厳格で厳しい対処をすればするほど、そのリーダーに報告されるミスの数が減っているだけでした。 多くの人がミスを犯しています。 ですが、リーダーが厳しくミスを処罰するとなると、そのチームはミスを隠蔽する体質になっていくだけです。 厳しい罰を与えたところで、組織も人も決して良くはなりません。 日本の国で考えると法律になると思いますが、ミスに対しては適切な基準に基づいた処罰を行うだけで、それ以上に人を罰するような文化がこのまま蔓延してしまうと大変なことになると思います。 むしろ、人は間違うものだから、それを報告した上でやり直すチャンスを与えるべきです。 その方が隠蔽体質は無くなりますので小さなミスも報告され、それを改善していくことができる体質になるので、結果的にミスも少なくなります。 ですから、間違った人がそれを反省してやり直すチャンスを与えないと組織全体がダメになります。 特に芸能界はそうですが、メディアは人の失敗が大好きです。 間違いに対して厳罰化を求めて人が苦しんでいるところを見たがる人が多いのはわかります。 ですが、それが加速してしまうと日本全体に隠蔽体質が広がってしまうだけです。 科学的に見ても長期的に見ても、間違いをやり直すチャンスを与えないと、みんなが隠蔽するだけです。 人は誰でも間違いを犯すことがあります。 世の中で見ても業界として見ても、組織やチームで見ても、今後同じような問題が起きたり嫌な思いをする人がいた時に、その失敗や嫌な思いをした人が正直にその声をあげることができなくなります。 組織やチームで過ちを犯したり、逆に、誰かに嫌な思いをさせられた人が正直にそれを言えなくなる環境が強化されていってしまいます。 つまり、過ちを正直に白状して反省することができなくなるだけでなく、その過ちによる被害を被る人も正直にそれを言えなくなってしまうということです。 そうなれば、失敗を恐れて挑戦できない世の中になるだけでなく、その過ちによって苦しんだ人たちも何も言えない世の中になってしまいます。 特に部外者が寄ってたかって叩くというのは意味がありませんし、やり直すチャンスが与えられない世の中にどんな将来が待っているでしょうか? 人は居場所をあえて残されたら、みんなのために頑張らなければならないと考えるようになります。 償う力を奪うというのは、僕は一番良くない行為だと思います。 日本人は失敗を恐れてどんどん挑戦しなくなっています。 これはバブルが終わった後から加速していて、国でも組織でも同じですが、やり直すチャンスがないというのは「間違えてはいけない」という文化になってしまいます。 ですが、人は誰でも間違います。 そうなると間違いを隠そうとします。 それが今の日本経済の苦しい状況につながっているような気がします。 日本では起業家の数がとても少ないです。 アメリカと比べると、GDP の違いを加味しても起業家の数は1/20しかいません。 経済は低迷するし優秀な人は国外に出て行ってしまいます。 失敗しない人間なんていないのに、失敗した人に対して非合理的なレベルの処罰を求めたり、寄ってたかって叩いてリンチします。 そうなると優秀な人ほど日本にいる意味はなくなります。 過ちを犯した人に対して、人は「被害者の気持ちを考えたことがあるのか?」と罵詈雑言を浴びせます。 その問題に本当に憤りを感じていたり、被害を受けた人を本当に助けたいと思うのであれば、加害者を叩くよりも同じような被害が出ないためにどうすればいいのか考えるべきです。 人を叩いている暇があるのであれば、そんなことが二度と起きないために何が出来るのか考えて行動するべきです。 被害者を助けたり世の中をより良くするためには、お金や時間など様々なリソースが必要になります。 ですが、失敗した人、過ちを犯した人を叩くことにはお金も労力も必要ありません。 多くの日本人がストレス発散のために他人を叩いて、それによって日本の経済がどんどん衰退する方向に進んでいます。 チャンスを与えない文化、やり直す機会を与えない文化、これがこれ以上進んでしまうと日本はどうなってしまうのでしょうか? 自分いじめと自信過剰バイアス 人は、失敗した時に自分を責めてしまう性質と、逆に、自信過剰になり失敗を活かせない性質があります。 例えば、サイエンス・ジャーナリストのジョン・マヌエル・アンドリオテ氏が、セルフトークに関する過去の様々な文献をまとめて、自分の心の中のいじめをシャットアウトするセルフトークについて調べています。 皆さんも失恋した時に自分を責めたことはありませんか? 「なんであんなことを言ってしまったのか」 「なんであんなことをしてしまったのか」 このように考え後悔したことは誰でもあると思います。 そこで次は同じような失敗をしないように頑張ろうと思える人と、もう二度とあんなにいい恋愛はできないと、反省するのではなく自分を否定する人がいます。 風邪をひきやすいとか、動悸や息切れ、めまいがしたりお腹を壊しやすいなど、病院に行っても原因がよくわからない体調不良に悩んでいる人も多いでしょうが、これももしかすると自己否定によるストレスが原因という場合もあるようです。 人生ではうまくいかないことも必ずあります。 ついついネガティブに考えがちな自分を改善しようと、もっとポジティブに考えようとする人がいます。 そのネガティブを否定しようとすると余計にネガティブになっていきます。 そして、投資やビジネスの世界で多くの人が陥るのが自信過剰バイアスです。 投資やビジネスに限らず、投資家について調べて研究を見てみると、お金がある人もない人も、自分には将来の株価の動向や投資の動向を正確に予測する能力があると過大評価する傾向があります。 本来の自分の能力よりも過大に評価しているということです。 成果が出たら自分の能力によるものと考え、失敗したら運が悪かったと、原因を深掘りすることができません。 そうなると、ただ運が良かっただけなのに自分には能力があると思い、次の判断で十分に考えることができなくなります。 失敗は運が悪かっただけだと考え、そこから反省したり学ぶこともできません。 この自信過剰バイアスが行き過ぎると、ポートフォリオを組むことなく、特定の投資に全財産を突っ込んだりしてしまいます。 さらに、取引の回数が無意味に増えてしまい、リターンがマイナスになりやすくなるというデメリットもあります。 誰でも失敗することはあります。 皆さんも失敗することもあると思いますが、自分の失敗も受け入れることができるようになっておくことが重要です。 間違うことはあったとしたら、それを受け入れてしかるべき謝罪や償いはします。 その失敗を活かして、その先どう進んでいくかが重要です。 自分の失敗を許せない人へのおすすめ 日本では自分を自分で罰する人が増えています。 これについてはセルフコンパッションを学んでください。 自分のダメなところも受け入れて、それを活かしていくしかありません。 それについてはこれらの本も参考にしてみてください。 マインドフル・セルフ・コンパッション ワークブック 失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織 フレンドトレーニング 人は正しく反省することができないと、自分を認めることができないために、他人と無駄に比較して落ち込んだり行動力を失ってしまいます。 セルフコンパッションが身についていないと、自分の能力やスキルを高めるための行動もできなくなってしまいます。 ですから、正しく反省して前に進むために、セルフコンパッションの中でもハーバード大学が推奨しているテクニックを紹介しておきます。 まず、セルフコンパッションは3つの要素から成り立っています。 1つは、自分への優しさで、自分に対しても他人に対しても優しい言葉をかけた方が人はやる気が高まります。 2つめは、一般的な人間性というもので、人は周囲との関わりの中で生きていることを自覚できるものですから、自分の過ちや失敗が自分だけのものではなく、そこには多くの人が関わっている場合もありますし、同じような過ちを犯す人もいくらでもいるということを理解しておく必要があります。 そして、3つ目は、マインドフルネスで自分の思考や湧き上がってくる感情にとらわれるのではなく、目の前の現実に対して客観的に目を向けることが大切です。 フレンドトレーニングは、自分に対して無駄に厳しくしているということに気づくトレーニングです。 多くの人は、別に自分は無駄に自分に厳しくもしていないし甘やかすこともしていないと考えていますが、実際には、ほとんどの人が自分に対して無駄に厳しくしています。 それに気づくためのトレーニングです。 ステップ1 :親友を慰めるところを思い浮かべる 落ち込んでいる親友に対して皆さんが慰めようとしているところを想像してみてください。 その時皆さんはその親友にどのような言葉を投げかけますか? どんなことをどのような口調や態度で伝えて慰めようとしますか? ステップ2 :親友を慰める言葉を紙に書き出す ステップ1で自分が親友に対して投げかけた言葉を紙に書き出してください。 これは最低でも10個は書き出すようにしてください。 ステップ3 :自分に切り替える 自分に対して不幸な出来事が起きたり何かに失敗したせいで自分自身がダメな人間だと自分を責めているところを想像してください。 このような時に皆さんは自分に対してどのような言葉を投げかけていますか?どのようなことを考えていますか? ステップ4 :自分に投げかける言葉を紙に書き出す ステップ3で自分に対して投げかけている言葉を紙に書き出してください。 これも最低でも10個は書き出すようにしてください。 ここまでで自分の親友が落ち込んでいる時にかける言葉を10個書き出し、自分自身が落ち込んでいる時に自分にかける言葉を10個書き出したということになります。 これを見ていただけるとかなりギャップが見て取ることができると思います。 親友に対しては優しく励ましているのに、自分に対してはしっかりしろと強く迫っていたりするのではないでしょうか。 ステップ5 :接し方を比較する 比べてみて、その中にどのような違いがあったのかということを紙に書き出してみてください。 これを実際にしてみてもらえると、ほとんどの人が親友に対して投げかける言葉と自分に対して投げかける言葉があまりにも違うということに驚くと思います。 このギャップを認識することによって、自分に厳しすぎるということを認識することができるようになります。 仕事や勉強でも、毎日順調なことばかりではありません。 時には反省する時間も必要です。 筋トレでもダイエットでも、目標やスキル習得に向けての取り組みでも同じですが、ストイックになりすぎると考えすぎてうまくいかない時もあります。 こんな時も、目の前の状況が自分の友達や大切な仲間だったとしたら、それについて意見を求めてきた相手に自分はどのように声をかけるか考えてみてください。 失敗や後悔だけでなく、なんとなくうまくいかないという時も、必死にもがくよりも建設的な打開策が見えてくることがあります。 そして、自分事として問題を捉えて厳しく見た視点と、親友や仲間の問題として評価した場合を比べて、その両極端の間を取ると考えていただけると、具体的な打開策を考えることもできます。 これが自分を甘やかすこともなく貶すこともない方向性を見つける方法です。 ここから先は、より具体的に失敗を学びに変えて人生に生かすための方法について解説していきます。 人は誰でも失敗します。 後悔を繰り返して学ぶこともない残念な人生ではなく、失敗を繰り返しながらも常に学び成長していく人生にしていきたいという方は、ぜひ続きもチェックしてみてください。  

一問一答「あなたがもう二度としたくない失敗はどんなものですか?」【反省力】

一問一答「あなたにとって過去最悪な状況とは、どのような状況でしたか?」【逆境指数AQ】

あなたにとって過去最悪な状況とは、どのような状況でしたか? 現代社会は様々な環境の変化に直面していて、大人も子供も毎日ストレスフルな生活を余儀なくされています。 今回はDaiGo師匠のおかげで苦しい状況から抜け出すことができたという方の声をもとに、逆境に耐え試練を克服して、感情的にも認知的にも、そして、社会的にも心身ともに健康的に過ごして日々成長していくための方法について解説させてもらいます。 「DaiGoさんのおかげでそれまでの苦しい状況から抜け出して人生を変えることができました。」 それは良かったです。 「今まで」と「これから」は違います。 今までの人生とこれからの人生は全く別物です。今何をするかで明日は変わります。 以上がDaiGo師匠からの返答でした。 逆境指数AQ 逆境指数(Adversity Quotient:AQ)とは、日常生活の中で起こるさまざまな逆境や問題に直面した際に、人や組織の立ち向かう力や対応力を数値化したものです。 AQのレベルは「CORE」という4つの指標の組み合わせによって決まり、それは、「コントロール(Control)」「責任(Origin・Ownership)」「影響の範囲(Reach)」「持続時間(Endurance)」とされています。 このAQのレベルが高ければ高いほど成功する可能性が高くなると言われています。 個人としても組織としても非常に重要な指標になりますが、これはトレーニングや様々な経験を重ねることによって鍛えていくことができるものでもあります。 逆境に遭遇してもストレスによってへこたれることなく平常心を保って問題を乗り越えることができる力です。 落ち込んでもそこから立ち直ってもう一度前に進む力とも言えます。 AQのレベルは以下の5段階に分類されます。 レベル1 逃避(Escape)……逆境に立ち向かえず逃げようとする レベル2 サバイブ(Survive)……なんとか生き残ろうとする レベル3 対処(Cope)……とりあえず対処をする レベル4 管理(Manage)…… 逆境を最善の方法で管理し解決しようとする レベル5 滋養(Harness)……ピンチをチャンスに変え、逆境をもとにさらなる飛躍を目指す その力を測定するテストやより詳しい内容についてはこちらの本を参考にしてみてください。 仕事の逆境指数―ビジネス現場での『逆境』をのりこえるための行動理論 例えば、自分の感情をコントロールできず怒りをぶつける上司や親は、部下や子どものAQのレベルを下げてしまうとも言われています。 そうなると人は失敗を恐れて行動しなくなってしまいます。 部下を信じて仕事を任せない上司、子供を信じることなく感情をぶつけてしまう親は、組織としての成功も子供の将来の成功も逆に邪魔してしまいます。 予期せぬトラブルが生じたとしてもパニックになるのではなく、冷静に状況を把握して乗り越えるためにはどうすればいいのかということを考え、具体的な行動を起こしていくことができる上司や親が組織も子供も可能性を高めていくことができます。 人は大小問わず1日のうちに24回逆境に遭遇すると言われています。 先の見えない時代だからこそ、AQで表わされる力が重要になるのではないでしょうか。 どんな困難な状況も逆境も恐れることなく、人生でも仕事でも日々成長して可能性を高めていく方法について解説させてもらいます。 1. コントロール(Control) これは自分の人生を自分でコントロールできている感覚を表す指標です。 自分を取り巻く状況を自分でコントロールできる感覚が強い人は、逆境を乗り越えることができる可能性が高いです。 2. 責任(Origin・Ownership) 逆境や問題の原因をしっかり見つめて、その結果がもたらす影響まで考えることができるかどうかを表す指標です。 これは当たり前のことだと考えるかもしれませんが、逆境に陥った時に、その原因や発端は自分にはない場合もあります。 例えば、スポーツであればスランプに陥った時に多くの人は自分に原因を求めます。 ですが、実際には敵チームが自分のチームを分析したりしたことで、こちらがスランプに陥ったかのように感じている場合もあります。 自分の責任はどこまでなのかを明確に知る必要があります。 原因を明確にして、具体的に自分が行動するべき部分はどこまでなのかをはっきりさせる必要があります。 そして、その問題の結果何が起きるのかということも明確にする必要があります。 この結果の部分を拡大解釈してしまう人が多いです。 例えば、パソコンが突然壊れた時に、必要なデータがなくなってパニックになって悲観してしまう人もいますが、パソコンが壊れても、もしかすると必要なデータを取り出すことができるかもしれないし、どこかにバックアップがあるかもしれないと考える人もいます。 3. 影響の範囲(Reach) 目の前の問題や逆境が自分の人生にどれだけの影響を与えるかということを見極める力を示す指標です。 例えば、仕事で大きなミスをしてしまい会社をクビになってしまうかもしれないという状況だとして、その会社をクビになるということが、自分の人生にどれだけの影響を与えるのかということを冷静に判断することができるかどうかです。 会社をクビになって命を絶つ判断をする人もいれば、死ぬ気になれば何でもできると考える人もいます。 変えることができない事実と、自分の思い込みを区別することができる力とも言えます。 4. 持続時間(Endurance) 人間には持続性バイアスというものがあり、自分の内側にある感情や目の前の状況がずっと続いてしまうと思い込みます。 調子がいい時にはその状況がずっと続くと思いたいし、悲しみも苦しみも一生続くと思い込みます。 ですが、どんな状況もずっと続くことはありませんし、どんな強い感情であってもずっと続くことはありません。 トラウマ:無意識の不幸な現状に戻りたい欲求 トラウマやネガティブな体験に悩まされて、結果的に、自分の不幸な現状に戻りたいという欲求につながってしまう人がいます。 トラウマや根深い不安を抱えている人は状況が変わることを恐れます。 今という現状がどんなにつらかったとしても、そこから動こうとしなくなってしまいます。 トラウマや幼少期のネガティブな体験で悩んでいる人は、「これ以上悪くならないように」と考え変化することを避けようとします。 これは学習性無力感と言われるものですが、無意識のうちに不幸な現状に戻りたいという欲求が生まれてしまいます。 これも認知行動療法で改善することができます。 重要なのは認知の歪みを治していくことです。 自分は悪くない 自分は恵まれていない どうせ何も変わらない 何をやってもダメ 自分は悪くないから、自分は恵まれていないから、そう言って何もしなければ結果損するのは自分です。 皆さんが苦しい状況に陥った時に、綺麗事を言ってくる人もいると思いますが、それを鵜呑みにしないようにしてください。 ほとんどの綺麗事を言う人たちは、確かに、自分たちが犠牲を払わないことに関しては助けてくれるかもしれません。 ですが、自分たちが犠牲を払わなくてはならないことに関しては、その助けを待っていても無駄に終わることの方が多いです。 まずは、自分ができることから手をつけるということが大事です。 自分で自分の逆境や苦しみを乗り越えることができると思えない人は行動できなくなります。 自分が行動することで状況を変えることができると思える感覚を学ばなければ、逆境を乗り越えることも、チャンスを目の前にしてそこに手を伸ばすこともできなくなります。 人は全てのことをコントロールできるわけではありませんが、全てをコントロールできないわけでもありません。 自分の行動で人生を変えることを学ばなければ、どうせ頑張ってもうまくいかないに違いないと考えてしまいます。 これは全く意味のない断定です。 「自分は昔から〇〇だからダメで・・・」と考えてしまうような人は、学習性無力感というものについて勉強してみるのもいいと思います。 この本を読んでいただけると、それによってそんな自分自身の思考に光が差すと思います。 学習性無力感―パーソナル・コントロールの時代をひらく理論 逆境を乗り越えられない考え方とは? 逆境を固定的かつ内在的で、さらに一般化して考えてしまう人は、学習性無力感を感じやすく、実際に逆境を乗り越えることが困難になります。 逆境を固定的なものと考えると、それは運命であり受け入れるしかないと思わせてしまいます。 逆境を内在的なものと考えると、全ての問題やトラブルの原因は自分の内側にあると思わせてしまいます。 さらに、一般化すると、ひとつの逆境が全てに影響すると思い込んでしまいます。 仕事がうまくいかないと、恋愛も趣味も全てうまくいかないと思い込むわけです。 ですから、逆境や困難な状況に陥ったらこの3つについて自問自答してみてください。 自分は逆境を変えられないものとして受け入れていないだろうか? 過度に自分に全ての責任があると思いすぎていないだろうか? 限定的な逆境を広く取りすぎていないだろうか? 例えば、テストで悪い成績を取った時に「自分はバカなんだ」と考えてしまう人も多いです。 同じように悪い成績を取ったとしても「今回はテスト勉強が足りなかった」と考えて、自分の行動に対する具体的な対策を考えることができる人もいます。 ビジネスであれば、成功できていないのは挑戦していないからです。 ですが、それを学歴のせいにしたり、生まれた環境のせいにしたり、できない理由を探しているのも逆境を固定的に考えているからです。 確かに、世の中は平等ではないかもしれません。 教育格差もありますし経済格差もあります。 様々な格差や社会的な問題が存在しているのは事実ですが、それは本当に乗り越えることができないほどの差なのでしょうか? 自分の人生を自分でコントロールできると信じている人は、それと同じぐらい、自分の人生を自分の力でコントロールしなくてはならないと思っています。 だからこそ、ネガティブな部分ではなく今の自分にあるものに目を向けて、それを使って前に進む方法を考えることができます。 楽観主義とパフォーマンス 悲観主義の人は逆境を永続的なものだと考え、さらに全面的なものだと考えます。 ひとつがダメなら全てがダメだと考える思考です。 そして、個人的なものと考えるので全てが自分のせいだと思い込みます。 自分が頑張ったぶんだけ収入が増える完全成功報酬の保険外交員について調べた研究があります。 逆境に対してより楽観的な考え方を持っている人の方が、契約件数が圧倒的に多くなり、悲観的な人に比べて1.88倍も契約件数が多くなっていたそうです。 しかも悲観的な人ほど退職率が高くなっています。 考え方が大きく違い、それだけで手にする結果は2倍近くも変わってくるわけです。 ですから、重要な3つのポイントとして次のことを忘れないでください。 ①逆境はずっとは続かない ②ひとつの逆境で自分の全てが否定されたわけではない ③逆境の責任が全て自分にあるわけではない いざ苦しい状況に陥った時には必ずこれを思い出してください。 ここから先は、逆境や苦しい状況を力に変えて前に進むための方法について解説していきます。 今苦しい状況にある人も、今は順調だけれど、いつか直面するかもしれない逆境に備えておきたいという人も参考にして頂ける内容です。 ぜひ続きもチェックしてみてください。  

一問一答「あなたにとって過去最悪な状況とは、どのような状況でしたか?」【逆境指数AQ】

一問一答「あなたの取り返したい失敗はどんなものですか?」【失敗リカバリー】

あなたの取り返したい失敗はどんなものですか? 失敗は誰にでもあるものですが、それを活かすことができる人とそうでない人がいます。 今回は、人前で自信を持って話せる方法についての質問をもとに、失敗とリカバリーの心理学について解説させてもらいます。 Q. 人前で自信を持って話せる方法を教えてください。 「失敗してもいい」と思えないと、人前で自信を持って話すことはできません。 これは捉え方によって結構変わるものですが、おすすめとしては、プレゼンなど人前で話す時に、一番最初に今の自分について伝えてください。 「緊張してうまく喋れないかもしれませんが、よろしくお願いします」というようなことではなく、 「今日は本当に自分にとって大事なプレゼンで、そのために色々なことをして準備してきました。正直言うととても緊張しています。緊張のしすぎて心臓はバクバクしていますが、それでも皆さんにどうしても伝えたくて私は今ここに立っています。」と伝えてみてください。 言い方次第で相手はかなり聞く姿勢になってくれて、そうなれば自分も喋りやすくなります。 以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。 失敗と挫折のリカバリー 「どうにでもなれ効果」は他にも波及していく 皆さんの今年の目標の進み具合はいかがでしょうか? 皆さんが自分で決めた習慣は確実に続いているでしょうか? 自分で決めた習慣が続かないという人や目標に向けて継続できない人が陥る「どうにでもなれ効果(The What-The-Hell Effect)」は、例えば、ダイエットのために朝起きてから運動や筋トレを頑張ろうと決めたとして、そう決めていたのに前日の夜に Netflix を見過ぎてしまい寝坊したので時間がなく、今日は運動できないとなって、今日はできなかったから明日からすればいいと、運動の予定を先延ばしするだけであればまだマシですが、このどうにでもなれ効果というものは他のことにも波及していきます。 つまり、朝に自分がしようと決めた習慣ができなかったことによって、自分にとって今日という1日が完璧な日ではなくなってしまったと思うと、他のことでも挫折しやすくなります。 朝に決めた習慣もないがしろにしてしまったし、午前中に大切な仕事をしようと思っていたのにそれもできなかったから今日はどうでもいいし明日から頑張ればいいとなってしまいます。 このように1つの失敗や挫折をするだけで人間はその日1日を無駄にしてしまいやすくなります。 失敗と挫折というものはひとつ経験したとしても、ちゃんと対処してそこでリカバリーさえすれば大した被害にはならないものです。 ですが、それができないと他の所にも波及してしまい、どんどん広がり続けていってしまいます。 「どうにでもなれ効果」を防ぐ3つの方法 1. 長期目標を作る どうにでもなれ効果を防ぐためには方法としては3つあります。 まずひとつ目は、長期目標を作るということです。 例えば、今日はお菓子を食べないではなく、1週間お菓子をできるだけ食べないようにして、お菓子の消費量をいつもの80%以上減らすという目標にして、できるだけ期間は長く幅も持たせるようにします。 貯金の場合であれば、今月は飲みに行ったりするのも我慢して5万円貯金をするというような目標にするよりも、1年間で80万円貯金をしようというような目標にした方が、今日つい1000円無駄遣いしてしまったけれど、もう1万円使ってもいいかとなりにくくなり、少し無駄遣いをしたとしても1年間でこの金額を貯めるには、どこかでこの無駄遣いを削る必要があると考えることができるようになります。 このように長期目標というものは自分の頭を冷静にしてくれるものです。 2. やめる目標をやる目標にする 2つ目としては、やめる目標をやる目標にするということです。 例えば、お菓子を食べないというよりは、お菓子を食べないことによって摂取カロリーを減らすと考えて、摂取カロリーを減らすということを目標にすれば、やめる目標ではなくやる目標にできています。 それであれば、チョコレートを食べてしまったとすると、摂取カロリーを減らさないといけないので、その分をどこで削ろうかと考えることも出来るようになります。 このようにしてやめる目標ではなくやる目標にするようにしてください。 3. 失敗から立ち直った回数を数える 挫折することは誰にでもあります。 ですが、その挫折を力に変えることができない人の特徴としては、失敗から目を背けようとします。 失敗した回数すら覚えていません。 自分の失敗も挫折も全て記録しておいてください。 失敗の記録は怖い気がするかもしれませんが、それは何年かすると立ち直りの記録になります。 この失敗から立ち直った回数を数えるということが、このどうにでもなれ効果を防いで、挫折の連鎖を止めるための最も強力な方法だとされています。 リカバリーした感覚を得ることを意識して、自分の失敗の記録と失敗から立ち直ったリカバリーの回数を記録してください。 DaiGo師匠も、たくさんの失敗も挫折も経験しました。 ですが、失敗や挫折をして凹んだとしても、それを取り返して失敗する前よりも上に行くということをその都度考えてきました。 そんな自分がリカバリーすることができた記録を作ることができますので、これは挫折を止めるどころか自分のモチベーションを上げてくれるものです。 ですから、自分の失敗の記録をするようにしてください。 それをすぐにリカバリーすることができればもちろんそれで結構ですが、リカバリーできなかったとしても、時間が経てば人間は失敗から学ぶことができるものです。 2つの目標のうちどちらかを達成する方法 ちなみに、目標の立て方としては何種類かの目標にしてもいいかもしれません。 例えば、「今日は完食をゼロにする、または、お昼にサラダをドレッシングではなくオリーブオイルとバルサミコ酢だけにする」というようにして、どちらかひとつをクリアすれば OK ということにしてください。 ヘミングウェイも、毎日何十ページも執筆していると書ける日もあれば全く書けない日もあったそうです。 書けない時に、もうどうにでもなれ効果が起きることを防ぐために、ページ数の目標か執筆に向き合う時間かのどちらかを達成すればいいというようにしていたそうです。 これはとても良い方法で、例えば、5時間を目標にしていたけれどあっという間に30分で目標のページ数を書くことができたとしたらその日はもう終わりで、残りの4時間半の時間が自分に対してのご褒美になります。 一方で、いくら悩んでも全く書けない日もあるわけです。 その日も、たとえ書けなかったとしても目標にしていた5時間執筆に向き合うことができたら達成することができたとします。 このようにどちらかを達成すればいいというようにすると、日々の達成感をも感じることができるようになり、もうどうにでもなれ効果も起きにくくなります。 ぜひ試してみてください。 失敗も挫折も乗り越えて前に進むためのおすすめ本 今回のおすすめの本としては、同じく挫折を乗り越えて前に進むために役に立つ本を2冊紹介しておきます。 倒れない計画術:まずは挫折・失敗・サボりを計画せよ! 目標や計画というものは、その立て方を少し変えるだけで達成率は2倍や3倍に割と簡単に変わるものです。 ですから、正しい計画の立て方について習う機会はありませんが、実はとても大切なことです。 そんな方法を科学的に解説した内容になっています。 やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学 諦めずにリカバリーしてやり抜く力が大切ですが、そんなやり抜く力を手に入れたい方のためにおすすめの本です。 こちらは薄くて読みやすい本ですが、そんなやり抜く力を手に入れるためにとても役に立つと思います。 ぜひチェックしてみてください。 メンタルのリカバリー 世の中は大変な時代になっていますが、僕たちはしんどいことも乗り越え、辛いことにも立ち向かい、自分の人生を生きていかなくてはいけません。 挑戦することが大事だと多くの人がわかっていても、ほとんどの人は「わかっていてもできない」と言います。 それは「できない」ではなく「していない」です。 多くの人が不安やストレスに負けてしまったり、新しいことを始める時に立ち向かおうとする気すら起きなくなってしまいます。 結果がどうなるかということについては、後から現実化していけばいいことですから、まず最初に立ち向かう気になることが重要です。 これは心理学でレジリエンスと呼ばれる折れた心を元に戻す力です。 成功するかどうかということは後からしかわからないことですから、そんな中でも進んでいけるかどうかということが大事になります。 もしかすると、自分が失敗への第一歩を歩んでいるのかもしれないけれど、それを乗り越えていくことができるかということが大事なわけです。 この乗り越えるということは問題を解決するということではなく、問題というものは結果的に解決されるものであり、重要なのは、自分が失敗するかもしれないとか、うまくいかないかもしれないという恐怖心を乗り越えることで、そのためにはレジリエンスが必要です。 立ち向かう:「明確化する」 では、立ち向かうとはどういうことなのかと言うと、心理学的には、「明確化する」ということです。 僕たちが何かに立ち向かおうと思った時に、根性論や感謝、自己犠牲を持ち出し都合よく耐えようとしますが、それは違います。 何に立ち向かうべきなのか、そして、立ち向かった時に自分にどんなデメリットがあり、どんな苦しみや障害があり、どこをどのように乗り越えてどこまで行けばいいのかというように、自分が立ち向かう相手を明確化することこそが、実は、レジリエンスを高めてくれます。 自分が嫌なことをとりあえず我慢しようとか、感謝の気持ちを持てばなんとかなるというようなことを思いがちですが、実際にはそうではありません。 明確化することで、対処しやすくすることによって、自分の力でもその問題を解決することができるとか、自分の力でもその問題に対して立ち向かい乗り越えることができるかもしれないと思えるぐらいまで、ブレイクダウンして明確化することがとても重要です。 大抵の人は、対処できないことに対して2つの道を選びます。 逃げて現実逃避するか、なんとかなるだろうと思い何もしないです。 ここがポイントで、なんとかなるだろうと思うことは悪いことではありませんが、それにより何もしないことが危険です。 皆さんにはぜひ3つ目のルートをとってほしいと思います。 この3つ目が「明確化」です。 自分が何をするべきなのか、どこから手をつければ進めるのかということを知ることこそが、レジリエンスを身につけるための方法です。 根性論ではなく技術です。自分が対処できるレベルまで細かく明確化すればいいだけです。 例えば、皆さんの前に大きなステーキが出てきたとして、それをいきなりフォークで刺して一口で食べようとはしないはずです。一口で食べられるサイズにナイフで切り、口に運ぶはずです。 その方が美味しいし食べやすいからです。 障害に対してもこれと同じだと考えてください。 自分が食べることができるサイズを把握して、そのサイズに切り分けるからこそ、口に入れることができるし味わう余裕も生まれるわけです。 ですが、ほとんどの人がトラブルや問題に対してこれをしません。 対人関係のストレスがある人を対象にした興味深い研究があります。 自分にとって嫌なことやネガティブなこと、ストレスになるようなことは、徹底的に考えて具体化することによってストレスが減ります。 何かに対処しなくてはいけなくなった時に目を背けたり、なんとかなるだろうと考えてしまう人が多いですが、実際には、考え抜いて細かく切り刻み、自分が使うことができるレベルまでブレイクダウンした方がはるかにストレスが減るとされている研究を紹介します。 エクセター大学の研究で、約50名の男女を対象にしたものがあります。 50名となると少ないような気がするかもしれませんが、この集めた人たちに特徴があり、この実験の直近で人間関係の強烈なストレスが起きた人たちばかりを選んで行った実験です。 実際に強烈なストレスを感じていて、今実際に困っていてレジリエンスが必要だと思っている人たちを対象に行われた研究です。 例えば、上司ともめてしまい会社内での立場が危うくなっている人や、大事な家族と大喧嘩してしまった人など、人間関係のトラブルに直面している人たちを集めて、その人たちの考え方を変えることによって、人生においてぶつかっているその問題を自分の力でどれぐらい乗り越えることができるようになるのかということを調べようとしたものです。 実際に、その参加者にしてもらったことは、そのトラブルの様子を徹底的に思い出してもらったというだけです。自分がどんなトラブルを起こしたのかということを事細かに思い出してもらいました。 例えば、夫婦の喧嘩であれば、どのようにその喧嘩がスタートしてしまったのか、その時自分がどのような対処をしたのか、正確にどのような言葉が飛び交ったのか、感情を表す声のトーンはどうだったのか、というようなことまで徹底的に細部まで自分のトラブルを思い出してもらいました。 つまり、相手の対応と自分の対応、相手の感情と自分の感情、相手の声のトーンと自分の声のトーンはどのようなものだったのか、どのような始まりをしてどのように展開していったのかなどをできるだけ細かく分析するような感覚で思い出してもらいました。 普通の人はなかなかここまでしないと思います。 大抵の人は、このような喧嘩をしたという場合であれば、なんであんなことをしてしまったのだろうかとか、あの時間に戻ってやり直すことができたらいいのにというように後悔するだけです。 具体的に細かく思い出すと、ここは良かったけれどここは良くなかったというように、良いところと悪いところが思い出されるものですが、乗り越えることができない人たちは、悪いところばかりを思い出して、それに対してざっくりとした後悔をします。 ざっくりとした後悔をすると、具体的に何をすればいいのかということを思いつけないので、現実逃避を始めてしまいます。 それにより、あの時にああすれば良かったというような今更どうにもならないことを考えます。 研究では、このような徹底的に最後まで思い出すというトレーニングを6週間続けています。 6週間の間、徹底的に細部まで思い出すということを行ってもらい、その6週間の間にもし新しい揉め事が起きた場合には、それについても細部まで思い出し記録してもらうということをトレーニングとして行いました。 その結果とても強烈な結果が確認されています。 このトラブルを細かいところまで思い出すトレーニングを行ったグループは、それだけで、ストレスや困難に立ち向かう能力であり、折れた心を元に戻す能力であるレジリエンスが高まったということがわかっています。 過去に起きてしまったトラブルを細かいところまで思い出したり分析することによって、僕たちは、未来の同じようなトラブルに恐怖心を感じにくくなり強くなるということです。 レジリエンスで過去を未来に繋げる 人間は過去の後悔を思い出したり傷ついた経験を思い出したりするものですが、重要なのは、より細かく思い出すことによって過去を未来につなげることです。 この過去を未来につなげるということがどういう意味なのかと言うと、それこそがレジリエンスです。 つまり、過去に自分が色々なトラブルに巻き込まれたことを細かく分析して、細部に注目することにより、僕たちは初めてそこから学ぶことができます。 過去の失敗から学ぶということは、過去の失敗から学び、いい解決策を手に入れたり、自分の失敗ルートを理解することで失敗を未然に防ぐということだけでなく、物事に立ち向かうための基礎体力であるレジリエンスを鍛えるためにも使えるということです。 ですが、ほとんどの人がこれをしないので、同じようなミスを繰り返してしまうわけです。 これは考えれば当たり前のことで、レジリエンスが高まっていないわけですから、同じような問題が起きた時にすぐ逃げたくなってしまいます。 ですから、同じような問題で逃げたり現実逃避する人は、このレジリエンスが鍛えられていません。 なぜ鍛えられていないのかと言うと、この研究が示すように過去とちゃんと向き合うことができていないからです。 この過去と向き合うということは、出来る限り細かく具体的に分析して言葉にしたり記録するということです。 この研究の結果は非常に明確で、トラブルを細かく思い出したグループの方が、メンタルのリカバリーのスピードが圧倒的に速くなっていました。 さらに、過去の後悔を引きずり、うつ傾向になってしまうことも非常に少なかったということです。 要するに、レジリエンスが高まったと言えるわけです。 今まさに世の中は大変な状況ですが、このような苦しい状況を乗り越えるためにはレジリエンスがやはり鍵になってきます。 失敗とリカバリーを考えてうまくいく人といかない人 人間が成功するルートは2つあるとされています。 1. DP(Defensive Pessimism) 防衛的ペシミストという考え方で、今まで成功したり上手くいった事があっても、次は失敗するかも、そんなに上手くいかず次は悪い事が起きるのではないかと考えるタイプです。 このような人は、不安により他の人よりも事前準備に力を注ぐので成功しやすくなります。 2. SO(Strategic Optimism) 戦略的オプティミストという考え方で、今までも上手くいってるのだから次もきっとうまくいくと考えて、どんどん前に進んでいくタイプです。 このような人は、失敗を恐れないのでトライアル・アンド・エラーを繰り返して成功に繋がります。 DP(Defensive Pessimism):準備を念入りに SO(Strategic Optimism):挑戦回数を増やす 皆さんが楽観的なタイプであれば、成功するために失敗を恐れず挑戦回数を増やしてください。 逆に、慎重派で不安になりやすい人は、他の人よりも準備に時間をかけることで成功率を高めることを意識してください。 この2つには、どちらがいいとか悪いということはありません。ほとんど遺伝子で決まるものです。 1996年の研究で、参加者を2つのグループに分けて、ダーツを投げる実験を行っています。 その際に、自分の失敗と失敗した時のリカバリーについて考えたグループと、自分の完璧な成功について考えたグループに分けています。 その結果、DPの人たちは、自分の失敗を想像したり、失敗した時にどうリカバリーするのかということを考えると、ダーツの的中率が上がりました。DPの人達は、ネガティブなことを考えてそれを飲み込んでいた方が成績は良くなったということです。 逆に、完璧にダーツを投げているところをイメージすると、かえって、成績は下がってしまいました。 SOの人たちは、失敗するところを想像すると本当に失敗してしまい、完璧にダーツを投げているところを想像すると本当に成績も上がりました。 ちなみに、日本人やアジア人は、基本的にはポジティブシンキングがあまり効果がない人が多いです。日本人は悲観的な遺伝子を持っている人が9割を超えています。ほとんどの人は、DPだと考えてください。 基本的には、不安を抱えやすい遺伝子が強い日本人は、DPの戦略を使った方が上手くいく可能性は高いです。 ここから先は、組織やチームでの失敗とリカバリーについてと、具体的にリカバリーの可能性を高めるテクニックについて解説していきます。 失敗は誰でもするものです。 むしろ、挑戦し続けている人ほど失敗の数は多くなります。 リカバリーの可能性を高めていつか成功を掴むために続きもチェックしてみてください。  

一問一答「あなたの取り返したい失敗はどんなものですか?」【失敗リカバリー】
科学的根拠に基づいた知識の実験、実践コミュニティ!〜メントレラボ〜

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著者イメージ

メンタリストDaiGo

慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。 人の心を作ることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとして数百のTV番組に出演。その後、活動をビジネスやアカデミックな方向へ転換し、企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授として活動中。著書累計300万部。

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