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一問一答「あなたは、どんな人と一緒に働きたいですか?」【科学的な社内政治】
2023-03-21 12:00330ptあなたは、どんな人と一緒に働きたいですか?
今回は、会社を辞めたいのに辞表を出す勇気が出ないという方の相談をもとに、科学的に社内政治を勝ち抜く方法について解説させてもらいます。
「Q. 長時間労働で責任も重い仕事で毎日がつらく辞めたいと思っています。ですが、同僚に迷惑をかけてしまうことや周りからの目を気にしてなかなか決断できずにいます。辞表を出すための勇気はどうすれば湧いてくるでしょうか?」
勇気を出す必要なんて全くありません。ただ辞表を書いて出せばいいだけです。
まず、長時間労働で責任も重くて毎日つらくて辞めたいわけで、そのつらいことを続ける意味なんて何もありません。
自分が辞めたら迷惑をかけてしまうということを気にしているようですが、実際にその仕事を辞めたら全く関係のないことです。
自分の人生を犠牲にしてまで助けるべき相手なんてそうはいないはずです。
自分のやりたい仕事がなかったとしても、今のそのつらい状況の仕事より、まともな仕事はいくらでもあるはずです。
今からすぐネットで調べて辞表を5枚ほど書いてください。
人間は1つのものだけを用意しようとすると完璧にしようとしてしまいます。ですが、辞表でも5枚とか10枚書こうとすると3枚目ぐらいから飽きてきます。
さらに、7枚目辺りになると、どうせ1枚しか出さないのに面倒だと思い始めます。
10枚くらい書けば辞表に対する重み自体が軽くなります。
そうすると、不思議なものでティッシュ配りのような感覚で気軽に辞表も出すことができるはずです。
今はラブレターを書く人はそうはいないでしょうが、同様に、こういう出しにくい手紙なども同じ方法が使えます。
何度も書くことで軽い気分で渡すことができるようになります。
いずれにしても、これから違う場所に行くわけですから、周りの目を気にする必要なんて全くありません。
二度と会わない相手のことを気にしても意味はありません。自分の人生に関係のない相手にどう思われたって気にならないと思えることが人生を楽に生きるコツです。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
最強の根回し術「ステルス・ストーミング」
根回しは基本的には必要です。根回しが上手な人は社内政治をうまく立ち回れる人です。
この根回しのテクニックを科学的に紹介させてもらいます。
根回しのことを科学的にはステルス・ストーミングと言います。
IESEビジネススクールのパディ・ミラー博士が、企業がイノベーションを起こしたり成功するためには、やはり社内政治が必要だということを言われていましたが、2013年にレビュー論文を発表してくれています。
企業がイノベーションを起こしたり変えるためにはどうすればいいのかということと、会社の中でどのように人を動かし根回しするのかということに関する具体的な対策を示してくれている論文です。
抵抗勢力は必ずいる
新しいプロジェクトを始めようとする時には、必ず会社の中に抵抗勢力が現れます。
それがどんなに良い事だから進めたいと思っても、なぜか抵抗勢力が出てきます。他人の邪魔をするのが好きな人がどうしても一定数はいるわけです。
会社の中で、好きなことをしたいのにいつも企画が通らないと悩みを感じたり、仕事が嫌になったり、それが原因で周りから嫌がらせを受けたりする人も結構いると思いますが、社内政治のテクニックを学んでおくと会社の中の人間関係は何とかなります。
会社の中で自分が新しいイノベーションを起こすような仕事をしたいのであれば、社内政治のテクニックは必要になります。
このような抵抗勢力と戦うためのテクニックがステルス・ストーミングです。
ステルス・ストーミングの3テクニック
ステルス・ストーミングには3つのテクニックがあります。
1. ステルス・スポンサー
2. ステルス・テスト
3. ステルス・リソーシング
1. ステルス・スポンサー
何か企画を通そうとする時には一番偉い人に話を通そうとしてしまいがちです。ある程度能力のある人であれば、社長に直談判すればと考えて行動する人がいますが、多くの場合失敗します。
トップに直談判して面白い企画を伝えたとします。そうすると、自分の下にいる人たちにどう思うかと意見を聞きます。意見を聞かれた人たちは自分の立場が一番なので、その企画を潰す人たちがいます。
ですから、まずは、その自分とトップの間の人たちに、それとなくアイデアを伝えておく事が必要です。特にそのような人たちの中で、皆さんが提示したいアイデアに近い知識を持っていたり、そのジャンルに詳しい人を選んで、アドバイスを求めるようなスタンスで行った方がいいです。
皆さんを妨害してくる人たちは、皆さんがそれで成功すると困る人たちです。
例えば、営業とは足で稼ぐものだと未だに考えていてITが苦手な人たちがいたとします。そんな人たちを一生懸命説得しても意味がありません。
なぜかと言うとオチは2つしかありません。
営業とは足で稼ぐものだからそんなもの意味がないと言われて終わるか、それが自分たちが普段していることをはるかに上回る成果を出すものだと理解されて全力で潰しにくるかのどちらかです。
だからこそ、自分よりも立場が上で近いジャンルの知識を持っているような人にアドバイスを求める形で近づいて仲間に引き込みます。
他人にアドバイスを与えるということが、最も仲間になりやすいということがわかっています。アドバイスを求めるということは相手を仲間に引き込むということです。
ですから、アドバイスをできる人から仲間に引き込んでいきましょう。
2. ステルス・テスト
いきなり周りにアイデアを話すと大抵盗まれて終わります。
あるいは、とりあえず否定されて終わるというのがほとんどだと思います。
人は一貫性の原理が働いて一度否定したものを改めて受け入れることはほとんどありません。
プロトタイプのようなある程度完成形に近いものを一旦作って見せないと多くの人は納得しません。
形がなければ善し悪しを判断することもできません。
そこで必要になるのがステルス・テストです。
まずは完成形に近いプロトタイプを作っておきます。
簡単なホームページやシステム、アプリのデザインモデルなど、目で見てわかる試作品を作っておくことが重要です。
アイデアだけの状態で相手に意見を求めるよりも、プロトタイプを見せながら相手に意見を求めた時の方が、相手を仲間に引き込むことができる可能性が高まります。
根回しの時にはアイデアではなくプロトタイプを見せるようにしてください。
このプロトタイプを見せながら意見を求めただけで、相手の反応はかなり変わってきます。
相手を仲間に引き込みたいのであれば、アイデアを話すのではなくプロトタイプを見せてください。
要するに、ほとんどの人は新しいものを素直に受け入れることができません。
日常会話の中でも、人は新しい情報よりも知っている情報の方が会話が膨らみます。
新しい情報を人に伝えたいのであれば、よほどの説明能力がないとまず興味を持って聞いてはくれません。
説明が上手でなければ新しい情報を理解してもらえません。
とはいえ、ビジネスでは当然新しいことをしていかなくてはなりません。
そこで必要になるのがプロトタイプです。
説明能力がなくても人を動かして前に進めていくのがステルス・テストです。
上司が自分の企画を理解してくれない、良い企画なのに皆んなが理解してくれないから前に進めることができない、そう思うのであればまずはプロトタイプを作ってみましょう。
3. ステルス・リソーシング
僕たちが新しいアイデアを現実化しようと思うと、お金や人材などリソースが当然必要になります。
特に新しいビジネスアイデアを形にしようとするとリソース不足に陥りがちです。
ですから、必要なリソースを事前に集めておくことが必要になります。
他の部署に交渉して設備や人員を確保しておくとか、協力者にバーターでお互いに協力し合える関係を作っておく、あるいは、外部に資金援助ができる人脈を探しておくなど、リソースは事前に確保しておくことが大切です。
ここでは、誰に聞けばその問題が解決するのか? 誰が必要な知識に対する専門家なのか? ということをしておくことが重要です。
リソースはお金で集めるだけではありません。
例えば、自分はITのジャンルは得意だけれど人を集めるのが苦手なのであれば、ITに関する部分は自分が協力するから、代わりに人を集める部分については協力してほしいとお願いすることもできます。
自分の得意なことを使って必要なリソースを事前に集めておきます。
できれば根回しをする前に必要なリソースを集めておいた方がいいので、アダム・グラントの5分ルールを使って、自分の持っているリソースを周りの人に配っておきます。
それによって必要な人と繋がっておくことが大切です。
ステルス・ストーミングは全て起業する際に必要な能力です。
社会の中でステルス・ストーミングを身につけておくと、皆さんが独立したり自分で起業しようと考えた時に、そのまま役に立つ能力になります。
会社という枠組みを取り払った時にも使える最強の能力です。
ステルス・スポンサーで、権力者や意思決定者にアドバイスを求めて仲間に引き込むことができます。
ステルス・テストの考え方があれば、説明能力やプレゼンの能力がそんなになかったとしても伝えることができますし、プロトタイプの作り方を会社の中で学んでいれば、それは会社の外でも使うことができます。
そして、最終的に自分のやりたいビジネスをするために、ステルス・リソーシングで会社の中で自分のリソースを配っておきます。
いざという時に自分を助けてくれる人材を確保しておくことができます。
仲間にすべき人の見抜き方
社内政治におけるキャラクターは5つのタイプに分けることができます。
それぞれのキャラクターの使いどころやメリットとデメリットを理解しておくと、無駄な根回しに時間を割く必要もなくなります。
社内政治に打ち勝って権力を手に入れたい人も、別にそれほど出世したくないけれど、無駄な社内政治に巻き込まれたくないという人も、ある程度の権力を持っておく必要があります。
社内政治における権力というものは、良い協力者のことです。
社内政治に負けて悪い立場に追い込まれないためには良い協力者(フォロワー)が必要です。
誰彼構わず協力者に引き込めばいいということではありません。
皆さんの職場の仲間や周りの人がどのタイプに当てはまるかということを考えてみてください。
過去30年間の先行研究をレビューして、どんなフォロワーと付き合うべきなのかということをまとめてくれた研究があります。
この研究でフォロワーを5つのタイプに分類しています。
①孤立者
②傍観者
③参加者
④活動家
⑤硬骨漢
ここから先はこの5つのタイプのそれぞれの取り扱いと、仲間にするべき人の具体的な見抜き方について解説していきます。
社内政治で打ち勝って自由に自分でやりたいビジネスをするために、ぜひ続きもチェックしてみてください。
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社内政治スキルテスト〜社内政治がうまい人の5つの特徴
2019-07-15 11:50306pt社内政治と言うとあまりイメージもよくないかもしれませんが、特定の組織の中で自分のポジションを高めるための方法は大切です。
もちろん出世したいという方はこのテクニックを使って上に上がっていっても結構ですが、そうでない人も最低限の社内政治のスキルは身につけておかないと、社内政治の犠牲者になってしまいます。
会社の中で出世したい人も、ただ面倒に巻き込まれたくないという人も、うまく立ち回れるようになるための方法です。
社会人としての常識を身につけることが社内政治だと考えている人は完全に終わっています。いわゆる権力を身につけている人がそのような常識やマナーを身につけているかというと、どちらかと言うとマナーを無視しているような人も多いものです。
他の人に比べて残念なことやミスもしているのに、なぜかその人の場合は、責められることがないという人がいると思います。
社内政治の最低限のスキルを身につけておけば、無駄なストレスを抱えることもなくなり、誰と繋がれば自分への攻撃がなくなるのかということも分かるようになりますので、身につけておくべきスキルだと言えます。
2010年にフロリダ州立大学が行なった研究で、社内政治のうまさを測るテストがあります。Political Skill Inventoryというもので、社内政治の上手い人を見抜くための心理テストです。いわゆる心理テストと呼ばれるものには適当なものも多いですが、一つ一つの質問や聞き方などを相関を確認し精査しながら作ったものですので、かなり信憑性も高いものです。
▼Political Skill Inventory
社内政治のスキルを4つのポイントで判別しています。
1. 人脈を作るためのネットワーク能力
2. 他人に影響を与え行動を変えるための対人影響力
3. 自分と相手の状況と感情を正しく把握するためのソーシャルスキル
4. 表向き誠実そうに見えるSincerity(誠実さ)
まずは自分の能力を正しく見極めることがとても大事ですので、皆さんの社内政治スキル測るテストを紹介させてもらい、社内政治スキルの高い人の特徴から、それを鍛えていくための方法を紹介していきます。ご覧になりたい方は続きをどうぞ↓
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