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根津孝太×宮本修「Behind the Wheel──ホイールの後ろにあるもの」(おおたかの森カーフェスティバルトークショー)【PLANETSアーカイブス】
2020-05-08 07:00550pt
今朝のPLANETSアーカイブスは、千葉県流山市で開催された「おおたかの森カーフェスティバル」のトークショーでの、根津孝太さんと、宮本修さんの対談をお届けします。『カーデザインは未来を描く』の著者である根津孝太さんが、今回は千葉県流山市で開催された「おおたかの森カーフェスティバル」のトークショーに参加されました。根津さんと話すのは、個人オーナーの自動車を数多く展示しているこのフェスティバルを主催した宮本修さん。自動車と人との関わりについて、クルマ好きのふたりが掘り下げます。(構成・写真:池田明季哉)※本記事は2018年2月2日に配信した記事の再配信です。
▲フェスティバルの様子。家族連れが多い。
▲子供が楽しめるフォトパネルも。
おおたかの森カーフェスティバルに漂う「いい空気」
宮本 まずフェスティバルに来ていただいた感想からお伺いします。どうですか?
根津 全体にすごく「いい空気」が漂っていますよね。僕はカーデザイナーなのですが、最近自動車というものが、愛してもらえる対象になっていないのではないかな、と思っているんです。でもここにいる車たちは、間違いなくオーナーさんに愛されている。それが素晴らしいですよね。
たとえばあちらに飾っているジープ・ラングラー、一見普通に見えるんですけど、よく見るとリフトしてあったり、ホイールが変わっていたり、かなり手が入っている。年数的には作られてから20年くらい経っているはずなのですが、今でもすっと乗れる状態になっていますよね。本当に大事にしているのだということが伝わってきます。
そこのシルバーのポルシェ911ターボもそうです。さっき僕が一方的にオーナーさんにラブコールを送って見せていただいていたんですが……いろいろなところを開けて欲しそうにじーっと見ていると、オーナーさんが開けてくれる、ということの繰り返しで笑。ドライバー席にも乗せていただきました。外装のグラフィックもすごくセンスがよくてかっこいいですよね。もともとは無地のシルバーだったところに、ご自分でデザインされたそうです。ポルシェマークを黒く塗っているところもこだわりを感じます。
宮本 930ターボは基本的にトランスミッションが4速なのですが、こちらは最終年式のみに設定された5速のもので、ファンには垂涎の個体ですね。あとは内装がすごく綺麗なんです。ダッシュボードが革張りなので日焼けすると歪んだりひび割れてしまいがちなのですが、丁寧に手入れをされていることが伝わってきますよね。
根津 やっぱりそうやって長く愛されている車は、時が経っても古くならないデザインが多い。ちゃんとキャラクターがあるんです。
▲ポルシェ・930ターボ。1989年式のターボは生産数が少なく希少な自動車。
▲オリジナルデザインのマーキング。中央のエンブレムが黒く塗られている。
▲サイドのマーキングも統一感がある。
落ち込んだとき、語りかけてくる自動車
■PLANETSチャンネルの月額会員になると…・入会月以降の記事を読むことができるようになります。・PLANETSチャンネルの生放送や動画アーカイブが視聴できます。
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根津孝太×宮本修「Behind the Wheel──ホイールの後ろにあるもの」(おおたかの森カーフェスティバルトークショー)
2018-02-02 07:00550pt
『カーデザインは未来を描く』の著者である根津孝太さんが、今回は千葉県流山市で開催された「おおたかの森カーフェスティバル」のトークショーに参加されました。根津さんと話すのは、個人オーナーの自動車を数多く展示しているこのフェスティバルを主催した宮本修さん。自動車と人との関わりについて、クルマ好きのふたりが掘り下げます。(構成・写真:池田明季哉)
▲フェスティバルの様子。家族連れが多い。
▲子供が楽しめるフォトパネルも。
おおたかの森カーフェスティバルに漂う「いい空気」
宮本 まずフェスティバルに来ていただいた感想からお伺いします。どうですか?
根津 全体にすごく「いい空気」が漂っていますよね。僕はカーデザイナーなのですが、最近自動車というものが、愛してもらえる対象になっていないのではないかな、と思っているんです。でもここにいる車たちは、間違いなくオーナーさんに愛されている。それが素晴らしいですよね。
たとえばあちらに飾っているジープ・ラングラー、一見普通に見えるんですけど、よく見るとリフトしてあったり、ホイールが変わっていたり、かなり手が入っている。年数的には作られてから20年くらい経っているはずなのですが、今でもすっと乗れる状態になっていますよね。本当に大事にしているのだということが伝わってきます。
そこのシルバーのポルシェ911ターボもそうです。さっき僕が一方的にオーナーさんにラブコールを送って見せていただいていたんですが……いろいろなところを開けて欲しそうにじーっと見ていると、オーナーさんが開けてくれる、ということの繰り返しで笑。ドライバー席にも乗せていただきました。外装のグラフィックもすごくセンスがよくてかっこいいですよね。もともとは無地のシルバーだったところに、ご自分でデザインされたそうです。ポルシェマークを黒く塗っているところもこだわりを感じます。
宮本 930ターボは基本的にトランスミッションが4速なのですが、こちらは最終年式のみに設定された5速のもので、ファンには垂涎の個体ですね。あとは内装がすごく綺麗なんです。ダッシュボードが革張りなので日焼けすると歪んだりひび割れてしまいがちなのですが、丁寧に手入れをされていることが伝わってきますよね。
根津 やっぱりそうやって長く愛されている車は、時が経っても古くならないデザインが多い。ちゃんとキャラクターがあるんです。
▲ポルシェ・930ターボ。1989年式のターボは生産数が少なく希少な自動車。
▲オリジナルデザインのマーキング。中央のエンブレムが黒く塗られている。
▲サイドのマーキングも統一感がある。
落ち込んだとき、語りかけてくる自動車
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根津孝太×岩佐琢磨 「オープン」になる次世代自動車 後編(『カーデザインは未来を描く』刊行記念イベント「自動車の世紀はあと100年続く」)
2017-12-07 07:00550pt
ついに発売になった根津孝太さんの新著『カーデザインは未来を描く』。今回はDMM.make AKIBAで行われた刊行記念イベントの後編です。自動車好きとして知られる株式会社Cerevo代表取締役・岩佐琢磨さんとの対談から浮かび上がる、次世代のあるべき自動車の姿とは?(構成:池田明季哉) ※本記事は2017年10月24日に行われた刊行記念イベント「自動車の世紀はあと100年続く」を再構成したものです。 当日のイベントの様子は動画でもご覧いただけます。
【書籍情報】 業界の錚々たるメンバーが大推薦! AI、シェア、自動運転――。大変革のなか、車社会はどこへ向かうのか。気鋭のカーデザイナーが、自動車の過去を紐解き、未来を解き明かす。ご注文はこちらから。
「硬いものを作っている人ほど頭も硬い」
宇野 岩佐さんは、これから車が語るべき物語には、どういう形がありえると思いますか?
岩佐 僕は家電業界にいるので、その目線から車の状況を俯瞰して見ると、家電と車の融合がものすごい勢いで進んでいるんですね。家電のテクノロジーが車に流れ込んでいる。 昔はABSひとつとっても油圧でしたけど、今は電子制御ですよね。こうした電動のパーツは、バッテリーがあって、モーターなり何らかのアクチュエータがあるわけで、そうなると家電のテクノロジーとほとんど変わりがない、電気の世界の話になるわけです。 これがEVや自動運転になればなおさらで、よく「自動車がパソコン化・スマホ化していく」と言われますが、僕も近い見方をしています。
根津 おっしゃる通りですよね。今の自動車はどんどん頭脳化している。これから自動運転ももっと発展するでしょうし、今の段階でも危険を感知して自動的にブレーキしてくれるくらいは普通になっていますからね。
岩佐 実はこうした電気のテクノロジーには、必ずソフトウェア技術がセットで入ってくるわけですね。するとドライバーに合わせてカスタムしていくようなパーソナライゼーションと極めて親和性が高い。そこにはいろいろな可能性があると僕は思っているんですが……残念ながらハードウェアを手がけている人は、ソフトウェア的な発想を持ちにくいんですよね。これは家電業界でもそうではあるのですが、自動車のような重厚長大なプロダクトになればなるほど、ハードとソフトの発想が離れていってしまう。でも一方で、ユーザーは日々ソフトの世界に生きている。みんなLINEでコミュニケーションを取って、ECで買い物をしている。だからユーザー側は当たり前のように受け入れてくれるんだけれど、メーカー側がなかなか適応できていないという現実があります。
根津 そうなんですよね。トヨタ時代によく「硬いものを作っている人ほど頭も硬い」と言われていて。ボディよりもシャーシ、シャーシよりもエンジン。エンジンが一番硬い(笑)。
岩佐 逆にインテリアをやっている人が一番柔らかいんですかね(笑)。
根津 いや本当にそうなんですよ。でもそれも必然があって、やっぱりヘビーなものを作るためにはヘビーなことをやらなくてはならない。開発期間も長くなるし、費用も莫大になるので、どうしても判断も重くならざるを得ないんです。 だから逆に、自動車全体をもっと軽くすればいいんじゃないの? というのが、最近僕が考えていることです。物理的に軽量に作るというのもそうなんですが、全体的に重厚長大でない方向を目指して舵を切る。そうすればソフトウェアとのマッチングもしやすくなりますよね。そこに未来がある、というのは僕も同じ意見です。
家電化する車のつくる新しいライフスタイル
宇野 岩佐さんって、自動車よりもっと小さいモビリティをいろいろ手がけていますよね。
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根津孝太×岩佐琢磨 「オープン」になる次世代自動車 前編(『カーデザインは未来を描く』刊行記念イベント「自動車の世紀はあと100年続く」)
2017-12-06 07:00550pt
ついに発売になった根津孝太さんの新著『カーデザインは未来を描く』。今回はDMM.make AKIBAで行われた刊行記念イベントの模様をお届けします。「自動車好き」が減っていくなかで、自動車が担うべき役割とはーー自動車に造詣の深い株式会社Cerevo代表取締役・岩佐琢磨さんとの対談から考えていきます。(構成:池田明季哉) ※本記事は2017年10月24日に行われた刊行記念イベント「自動車の世紀はあと100年続く」を再構成したものです。 当日のイベントの様子は動画でもご覧いただけます。
【書籍情報】 業界の錚々たるメンバーが大推薦! AI、シェア、自動運転――。大変革のなか、車社会はどこへ向かうのか。気鋭のカーデザイナーが、自動車の過去を紐解き、未来を解き明かす。ご注文はこちらから。
宇野 みなさんこんばんは。本日は『カーデザインは未来を描く』刊行記念イベントにお越しいただき、まことにありがとうございます。司会を務めます、評論家の宇野常寛です。よろしくお願いいたします。 10月7日に、僕が代表を務める出版社「PLANETS」から、根津孝太さんの著作『カーデザインは未来を描く』が発売になりました。この本は、ここにいらっしゃる気鋭のデザイナー根津孝太さんが、古今東西の名車のデザインについて圧倒的な熱量で語っている本です。そして「自動車の世紀」と言われる20世紀の100年間、人類が自動車にどんな夢を託してきたのか、そして激変を迎えようとしている自動車業界に対して、これからの自動車がどんな夢を語るべきなのかについて熱く説いている本でもあります。 今回は、この本の刊行イベントとして、著者の根津さんに加えて、株式会社Cerevo・代表取締役の岩佐琢磨さんにお越しいただきました。
岩佐 こんにちは。もうベンチャーという歳でもなくなってきましたが、2008年からIoTに特化した家電製品・ハードウェアを作る会社、Cerevoの代表を務めております。今日はよろしくお願いいたします。なぜ僕が呼ばれたのか、自分でもよくわかっていないのですけれど……(笑)。
宇野 岩佐さんには家電ベンチャー業界を代表する車オタクとして来ていただきました。岩佐さんが呼ばれた理由はこの後の熱いトークで否応なく証明されていくと思うので、みなさん覚悟していてくださいね(笑)。
「自動車が好きな人」が減っていった世代
宇野 まずはゲストの岩佐さんに、著者の根津さんへこの本の感想をぶつけてもらうところからはじめていきましょうか。
岩佐 僕は車が大好きな側の人間なのですが、むしろカーデザインにこれまで興味を持ってこなかった人に手に取って欲しい本だなと思いましたね。20世紀を通じた自動車の歴史が、とてもコンパクトにまとまっていますし、今まで知らなかった人も、これを読めばここ数十年のカーデザインのことがわかるという本になっていると思います。
宇野 僕はそもそも自動車の運転免許を持っていないんですよ。だからまさに僕自身が、この本を作ることを通じて自動車の魅力について知っていったという感じです。
岩佐 もちろん車好きとしても楽しんで読ませていただきました。さまざまな名車のデザインについても語られているのですが、やっぱり根津さんが選ぶ車はマニアックですよね(笑)。
根津 僕も別に、あらゆる自動車について広くあまねく知識を持っているわけではないんですよ。好きなものが徹底的に好きなだけなんです。そんな僕のマニアックな偏愛をオープンにしていくことを通じて、僕が魅力を感じた背景に迫りつつ、共感してもらえたらいいな、と思って書いていました。 僕は1969年生まれで、いわゆるスーパーカー世代といわれた世代なんですね。小学校のときにスーパーカー消しゴムというのがあって、そういうもので遊びながら育った世代です。だから特に男の子であれば自動車が好きなことがある意味では当たり前で、自動車が嫌いな人の方が珍しい世代なんですよね。 宇野さんと岩佐さんは僕より9歳年下なんだけれど、そのあたりはすごく違うなと思います。
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★号外★ 10/24(火)根津孝太×岩佐琢磨「自動車の世紀はあと100年続く」(『カーデザインは未来を描く』刊行記念イベント)のお知らせ
2017-10-17 07:30
10月7日(土)発売の根津孝太さん著『カーデザインは未来を描く』の刊行を記念し、刊行記念イベントを実施することになりました! 「自動車の世紀はあと100年続く」と題し、気鋭のカーデザイナーである根津さんと、株式会社Cerevo代表取締役であり、自動車へも高い関心をお持ちの岩佐琢磨さんをお招きして、自動車と自動車社会の未来について語っていただきます。トークイベント終了後は、根津孝太さんのサイン会を予定しています。ぜひ会場に足をお運びください。
▼スケジュール
2017年10月24日(火) 18:30 open / 19:00 start
▼会場
DMM.make AKIBA 東京都千代田区神田練塀町3富士ソフト秋葉原ビル JR線 秋葉原駅 中央改札口より徒歩2分 つくばエクスプレス線 秋葉原駅 A3改札口より徒歩2分 東京メトロ日比谷線 秋葉原駅 2番出口より徒歩4分
▼出演プロフィール
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