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記事 11件
  • 中川大地の現代ゲーム全史[日本編]:第13回 「ファミリーコンピュータ」の思想

    2013-10-28 17:20  
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    ▼本コンテンツは連載です。前回記事はこちらhttp://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar372570第13回 「ファミリーコンピュータ」の思想(前回までのあらすじ)インベーダーブーム以降の日本のゲーム文化は、任天堂の「ゲーム&ウオッチ」で生み出された十字キーのようなインターフェースや、ナムコの『ゼビウス』のような同時代サブカルチャーとのビビッドな共振を通じて、アメリカに替わって世界を先導するだけの実績性を積み重ねていた。そして長らく世界ゲーム市場の覇者であったアタリ社のテレビゲーム機VCSが、北米ビデオゲームクラッシュ(アタリショック)によって決定的に没落していくのに取って替わる存在として、群雄割拠の第二次テレビゲームブームの渦中に、任天堂はやがて“国民機”となる「ファミリーコンピュータ」を世に送り出したのであった。■第二次テレビゲームブームの覇者として 日本での第二次テレビゲームブームの渦中に登場したファミコンは、発売後数ヵ月で群雄割拠の市場を制し、頭角を現していくことになる。その優位を決定づけた最大の要因は、任天堂で『ドンキーコング』などの業務用ゲーム開発を手がけた上村雅之ら開発陣の決断により、アーケードゲームの水準に極力近づけるというコンセプトのもと、既存チップの流用ではなく独自開発のCPUを組み込んだことにあった。ゲーム&ウォッチの液晶開発をシャープが請け負ったのと同様、上村らの委託を受けてリコーが開発したファミコン用CPU「RP2A03」は、かつてスティーブ・ウォズニアックがApple IIに採用した「MOS 6502」をベースにPSG音源などの追加機能を組み込んだもので、同時表示可能な色数やキャラクター数、サウンド面などで同時期のゲーム機はおろか数万円クラスのホビーパソコンとさえも明確に一線を画す表現力を発揮。1万4,800円という競合機種と変わらない価格帯で、他のどの機体よりもアーケードゲームに近い体験性を提供できた。 機体性能面での圧倒的なコストパフォーマンスに加えて、ゲーム&ウオッチで確立された任天堂のブランドイメージを継承する商品コンセプトにも特徴があった。ゲームウオッチが従来の電子ゲームが持っていた子供向けの玩具っぽさやSF的な未来イメージを払拭する大人向けの高級感を狙ったのと同様、ファミコンの設計当初に立てられた七つの基本仕様の中でも「パソコン・イメージから抜け出す」「ゲーム専用機であるがオモチャ臭除く」という商品イメージに関する二項目が掲げられていた。その結果、ベージュと臙脂の落ち着いた色づかいの本体と、少なからぬゲームファンがゲームウオッチで慣れていた突出のない操作パッドを二つ収納できるファミコンの外観には、キーボードやジョイスティックのような主張性の強い異物を持たない、日本家庭のお茶の間に違和感なく入り込むスタンダードさを感じさせる佇まいが生まれている。 
  • ちろうのAKB体験記:第16回 チームBデビュー

    2013-10-25 15:23  
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    ▼本コンテンツは連載です。前回記事はこちらhttp://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar201205第16回  チームBデビュー2007年4月8日、チームBがデビューした。これでA・K・Bと3チームが出揃ったことになった。しかし正式なデビューは8日であるが、その前日の7日にゲネプロが行われ、このとき当時行われていたガチャの景品として「ゲネプロ招待券」というものが存在し(これに入れたのは100人程度だった)、実質的にはその日が初日だという見方もあった(本当の初日はいつか、というのはヲタにとってとても重要な問題である。なぜならそれに入っているかどうかで最古参を名乗れるかどうかが決まってしまうからだ)。本当のゲネプロだったため、客席の半数近くは招待された関係者で、演出上の不具合がある可能性がある等のアナウンスがあった記憶がある。お披露目イベントから数名が脱落して人員が足りなくなったために、当時のチームAから浦野一美、平嶋夏海、渡邊志穂がチームBに移籍していた。元々の彼女たちのヲタにとっても大切な日となった。ちなみにぼくはというとゲネプロ、初日ともに入ることができず、お披露目公演があってから3日後にようやく入ることができた。チームBのメンバーはお披露目イベントこそ行っていたものの、ぼくにはやはりその全貌を掴むことはできず、唯一デビュー前に「週刊プレイボーイ」にてプロフィールやニックネームが公開されていたのみだった。するとその時すでに次期エースと称されていた渡辺麻友が、怪我をしたという理由で休演。その日、幕が上がると同時に椅子に座って登場し、休演の理由を語った。ぼくはこの時、ちょうどステージ中央が柱の裏に位置するような場所に座っており、ここでも渡辺麻友の姿を確認することができなかった!渡辺麻友とは一体どれほどの美少女なのかと頭を抱える羽目になった(その後渡辺麻友は復帰し「BINGO!」で選抜に選ばれると、そこからはメディア選抜常連として活躍を続ける)。演目はチームKが行っていた青春ガールズ公演。慣れ親しんだ公演ということで、ファンは初見から振りコピやお決まりのコールをして盛り上がることができる。そのエネルギーはステージにも伝わり、相乗効果を生む。全く同じ公演とはいえメンバーが一新し、アレンジも若干変わったりもしていて新鮮に映った。チームBがデビューしたのはチームA・Kが出揃ってから1年後。チームAとチームKの間にもデビューまでに4ヶ月の差があったが、チームBの場合は1年が空いている。年齢が若かったこともあり、「妹グループ」的な印象だった。この頃には劇場公演のチケットが売れ残るということはまずなくなっていた。AKB48のファンの総数は確実に増えていったのだ。チームBには全く興味を示さない人もいれば、AKBであればどんなチームでも構わず入る人もいた。そんな中、チームAでもチームKでもすでに古参ヲタが幅を利かせていてうまく馴染めなかった比較的新しいヲタにとって、チームBの登場は格好のチャンスだった。さらに、多くの新規ファンを獲得するのにおいてやはり渡辺麻友の存在は大きかった。そこで、遅れを取り戻すかのようにチームBに積極的にコミットし始めた人を、古参ヲタは「Bダッシュ」と言って揶揄した。いつの時代も古参ヲタは新規客を見下すのだ。【※1】しかしそれは規模の問題で避けられないことでもある。例えばピンチケという呼称が象徴的であるが(ピンクチケットの略。18歳未満の客のチケットがピンク色だったことに由来している)、初期の現場にはいなかった、若くてあまりマナーを知らないヲタも増えてきた。また新規客を表す言葉として「PD」という呼び名もありそれは「ポッと出」の略だった。「新規」よりも蔑称のニュアンスが強い(今ではあまり使われなくなってしまったが)。当時は劇場公演が終わったあとにヲタがドンキ裏に集まって出待ちをするのが通例で、またそこは重要なヲタ同士のコミュニケーションの場でもあった。しかしメンバーが送迎車に乗り込む際、必要以上に大声を出したり騒いだりするヲタが増えたため、近隣からクレームが殺到することとなりある時からドンキ裏での出待ちは完全に禁止となった。そうなったのはBヲタのせいだったと言われている。もちろんたまたまそういうタイミングだっただけだとは思うが(笑)。単純に、メンバーが増えるに伴ってファンの総数も増えていったのだ。ぼくはもちろんどんなチームの公演でも見ておきたいタイプ(「DD=誰でも大好き」ともいう)なので、チームB公演にもよく入っていた。すると暫定的な推しメンを見つけてしまうもので、ぼくのチームBの推しメンは菊地彩香(あやりん、現在は菊地あやか)だった。しかしあやりんはあまりレスをくれるタイプではなく(自分がしょっぱかっただけ?)、やはり積極的にレスをくれて高まらせてくれるのは 
  • ☆ メルマガPLANETS vol.55 ☆ ~今週末は、嵐を呼ぶ男たちが高田馬場に集結!リベラル再生会議3!~

    2013-10-25 07:00  
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    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                  ☆ メルマガPLANETS vol.55 ☆~今週末は、嵐を呼ぶ男たちが高田馬場に集結!リベラル再生会議3!~           発行:PLANETS  2013.10.25 (毎週金曜日発行)                  http://wakusei2nd.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━こんにちは。PLANETS編集部・秘書A子です。今週の金曜日も、「メルマガPLANETS」をお送り致します。今週の告知は、緊急決定のこのイベントから!▽津村啓介×夏野剛×堀潤×柚木道義×宇野常寛「リベラル再生会議3」http://live.nicovideo.jp/watch/lv156750803社民党の福島みずほさんをお招きしてお送りした「リベラル再生会議2」から4か月……第3弾は、民主党の若手議員お二人を招いての大激論!今週末は日本列島に台風が近づいていますが、嵐に負けない熱い議論が展開される予感です。日曜日の夜は二コ生で会いましょう~!▽復習用! 夏野剛×福島みずほ×堀潤×宇野常寛 「リベラル再生会議2」 はコチラhttp://www.nicovideo.jp/watch/1372642713そして来月・11月も続々番組企画中!これまた、PLANETSでしかできないというかPLANETSしかやらないというかなネ申企画が通りました!▽國分功一郎も登場!ダンバインを語る「月刊 石岡良治の最強☆自宅警備塾 vol.1 テーマ: 聖戦士ダンバイン」http://live.nicovideo.jp/watch/lv156733582なんと、「ダンバイン」30周年記念!石岡さん一人でも90分喋り足りないのに、宇野に加えて國分功一郎まで参戦!2013年、最新の富野論はここにある……!どうかお見逃しなく。そして公式化してますます好調!「恋するフォーチュンクッキー PLANETS Ver.」は、遂に50万再生を突破しました!▽「恋するフォーチュンクッキー PLANETS Ver.」https://www.youtube.com/watch?v=wA52CM0h5zIちなみにA子のお気に入りは、渋谷のど真ん中で踊るサイゾーの「恋チュン」鼎談チーム、ヒーローズ編集部のスペシウム光線ポーズと、フローレンス駒崎さんの笑顔……などなどです!そして、動画の1:53あたりでも登場する「あまちゃん本制作チーム」、もとい「みなさんのあまロスをなんとかすっぺ会」編集の最強「あまちゃん」本も今頃印刷所で着々と出来上がっているところ……!▼『あまちゃんメモリーズ 文藝春秋×PLANETS』写真はすべて撮り下ろし、イラストも描き下ろし!という贅沢さ。書店さんからも沢山の注文を頂いておりますが、反響が大きく、初版分は店頭売り切れ続出の予感です……。確実に手に入れられたい方は、お早めにAmazonから、近くの書店さんでご予約下さい!それでは今週も高田馬場からお送りします、今号のコンテンツはこちら↓ ┌───────────────────────────────┐├○    メルマガPLANETS  vol.55:2013.10.25├○├○  01.【特別掲載】嶋浩一郎×宇野常寛├○  本と雑誌と本屋の未来├○  最終回 本と雑誌と本屋の明るい未来├○├○  02.【批評】中川大地├○  中川大地の現代ゲーム全史[日本編]├○  第24回  二大RPGシリーズの成立と和製ジュブナイルファンタジーの勃興├○├○  03.【インタビュー】この人のこの話がききたい├○  10月のこの人:馬場正尊さん(東京R不動産)├○ 第4回 均質なインフラが多様性を生む├○ ├○  04.【過去原稿】今週のお蔵出し├○  10/25のお蔵出し:高校球児という「職業」├○            (初出:「中央公論 2013年10月号)├○├○  05.【絵日記】├○  V3の恋する日記├○├○  06.【食べ歩き】├○  秘書A子の馬場ランチグルメ├○  馬場グルメ二十七軒目:野方ホープ 高田馬場店├○            ├○  07.【告知】今週のスケジュール├○             ├○  08. 編集後記&次回予告├○├○                                   └───────────────────────────────┘※一部の連載記事については、「メルマガPLANETS vol.54」からの続きとなっております。▼「vol.54」へのリンクはこちらです。http://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar369823 未読の方は併せてお楽しみ下さい!┏┓----------------------------------------------------------┗■  01.【特別掲載】本と雑誌と本屋の未来      嶋浩一郎×宇野常寛--------------------------------------------------------------▼本コンテンツは連載です。前回記事はこちらhttp://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar369823最終回 本と雑誌と本屋の明るい未来宇野 この国には、「そんなものは文化じゃない」とか「そんなものは価値がない」とか言われているけども実際には若い世代を中心に支持を受けているものが山ほどあるんです。その基準から言うとこの本屋の棚もガラリと変わると思うんです。そういった形で、新しいことは既存のメディアの中でいくらでもできる。それは僕にとってありがたいことだし、やったら面白いと思うけど、本当にワクワクするのはやっぱり仕組みを作ることかな。そういった意味ではどんどんソフトではなくハードの方に興味が行っているんですよ。ここ数年間、ずっとね。ハードから変えないとこの国は変わらないし、この国の文化も変わらないと思うんです。嶋 今の版元からするとハード自体をかえるのは相当抵抗がありますね。宇野 あとは、意識の高い業界人にはならないほうがいいですよね。とりあえず電子書籍の話題が大好き、みたいな。ああいうのは単に自分はいろんな業界の危機に対して敏感だとアピールしたいだけで、実際には仕事ができないという実感が僕にはあるのでね(笑)。今ほんとに言葉の力で文化を変えるようなメッセージとか著者とか表現とかに向き合ってほしいと思います。それはでも変な話なんだけど、昼の世界の本が好きな人のコミュニティからは出てこないと思います。コスプレになっちゃうんです。僕には色んな物がコスプレに見えてきちゃうんですけど、玄人感のある本棚とか玄人感のある目次とかを作ると、せいぜい80年代か90年代の雑誌とか書籍が元気だった頃のコスプレになっちゃうんです。それは撤退戦にすぎないので、良いものは決して生まれてこない。 
  • 中川大地の現代ゲーム全史[日本編]:第12回 ファミコン登場の背景――日米テレビゲーム市場の明暗

    2013-10-21 20:29  
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    ▼本コンテンツは連載です。前回記事はこちらhttp://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar368244 第12回  ファミコン登場の背景――日米テレビゲーム市場の明暗 (前回までのあらすじ)世界を席巻したインベーダーブーム後の日本ゲームは、テクノロジカルにはアメリカで生み出されたコンピューター技術の前提の上に様々なるアレンジメントを積み重ねるものでしかなかったとはいえ、ウォークマンの発明にも比肩する任天堂の「ゲーム&ウオッチ」を生んだ電子ゲームブームや、コミックマーケットなどの同人創作文化にも通ずるマイコンブームなど、人々のライフスタイルとゲームとの関係を変える数々のイノベーションを生み出していた。そうした時代と共振する日本ゲームの独自性の集大成ともいうべき『ゼビウス』がアーケードに登場したその年、いよいよ世界のゲーム産業の在り方を決定的に規定する“国民機”ファミリーコンピュータが、市場にその姿を現したのだった。  ■日本市場――「第二次テレビゲームブーム」の顛末   ファミコンという家庭用ゲームの覇者が生まれた背景には、いくつか込み入った文脈が存在する。   まず国内的には、ここまでの節で述べたように電子ゲームの勢いに押され気味だったテレビゲームが、再び注目されてゆく流れがあった。その契機となったのが、エポック社が1981年に投入したカートリッジ交換式のテレビゲーム機「カセットビジョン」である。1万3,500円の本体と1本5,000円弱のソフトによって、ようやく一般家庭が手を出す気になる価格水準を実現した本機は、累計70万台程度を出荷するヒット商品となった。本機の代名詞的なタイトルとなった『きこりの与作』以下、ゲームカセットのラインナップは11本と決して豊富ではなかったが、ひとつのハードで様々なソフトを差し替えて遊ぶというスタイルを日本の消費者に広く認知させ、競合各社に市場成立の機が熟したことを告げる役割を果たしたのである。  
  • ちろうのAKB体験記:第15回 春のちょっとだけ全国ツアー

    2013-10-18 17:11  
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    ▼本コンテンツは連載です。前回記事はこちらhttp://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar193475第15回  春のちょっとだけ全国ツアー2007年3月、初めての全国ツアーが行われた。そのタイトルは「春のちょっとだけ全国ツアー~まだまだだぜAKB48!~」。東京厚生年金会館、愛知厚生年金会館、NHK大阪ホール、福岡国際会議場で行われた。文字通りの、主要な都市だけの「ちょっとだけ」全国ツアーである。ぼくは3月10日に行われた東京公演、3月17日に行われた名古屋公演を見た。そして後にAKB48に加入し、ぼくの推しメンとなる指原莉乃は福岡公演を見ていたという。東京公演ではそれなりに客が入っていたが、その他の会場ではやはり会場を満員にすることはできていなかったようだ。公演後にはチームAとチームKに分かれて、どちらかのチーム全員とハイタッチをすることができた。ここでは運営側にとって様々な問題が生じたという。AKBの初期の歴史を記録した名著「48現象」(ワニブックス)にはこう記してある。「しかしここで2つの大きい問題が生じる。1つは夏公開のAKB48出演映画「伝染歌」の撮影スケジュールと完全にカブってしまったこと。もう1つは劇場公演と共通の衣装を使うため、運搬・クリーニング等の都合でツアー中は劇場で衣装が使えなくなることだ。そのせいで2月26日から4月3日までの1ヶ月強、12日、13日のA公演を除き劇場公演がまったく行われないという異常事態に陥る。〈会いに行けるアイドル〉のアイデンティティの危機。当然ファンの反応は猛反発だった。」主要メンバーがツアーなど外部のコンサートに出かけ、経験の浅いメンバーが劇場公演に出ずっぱりになることを「劇場を守る」などと表現することがあるが、この頃は今のような研究生はもちろん、チームBすら発足する前なのである。衣装についてもそうだが、どこにも劇場を守る存在がいなかったのだ。 
  • ☆ メルマガPLANETS vol.54 ☆ ~祝!「恋するフォーチュンクッキー PLANETS Ver.」公式化!~

    2013-10-18 11:30  
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    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                  ☆ メルマガPLANETS vol.54 ☆ ~祝!「恋するフォーチュンクッキー PLANETS Ver.」公式化!~           発行:PLANETS  2013.10.18 (毎週金曜日発行)                  http://wakusei2nd.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━こんにちは。PLANETS編集部・秘書A子です。今週の金曜日も、「メルマガPLANETS」をお送り致します。先週、公開をお伝えしたばかりの「恋するフォーチュンクッキー PLANETS Ver.」ですが……何と、公開後3日で30万再生突破!そして、5日でAKB48公式に昇格しました!!▽「恋するフォーチュンクッキー PLANETS Ver.」これも皆さまの出演・応援・拡散のお陰です!ありがとうございます。「恋チュン」踊れば、嫌なことも忘れられる!というコンセプトで踊りましたが、動画を見ると、本当に笑顔で踊っているなぁ……と改めて感じました。皆さまも嫌なことがあったら、恋チュンPLANETS Ver.を見て気分転換して下さいね。そして、動画の1:53あたりでも登場する「あまちゃん本制作チーム」、もとい「みなさんのあまロスをなんとかすっぺ会」編集の最強「あまちゃん」本も遂に今週の火曜日、無事に校了し印刷に入りました!▼『あまちゃんメモリーズ 文藝春秋×PLANETS』そして……目次もどどんと大公開!・【インタビュー】有村架純:その少女が、ふたたび――
    ・北三陸ストレンジウォーク――触発と拡張のロケ地探訪
    ・【基調論考】宇野常寛:いま・ここに・潜る――宮藤官九郎、再生のシナリオ
    ・【基調座談会】中森明夫×茂木健一郎×中川大地×宇野常寛『あまちゃん』白熱論争
    ・『あまちゃん』人物陳列室
     イラスト:末次由紀/折原みと/ひうらさとる/高田明美/北崎 拓/井上正治/なかはら・ももた/斎藤岬/神崎将臣/雁川せゆ/青木光恵/若狭たけし/前川さなえ/こなみ詔子
     文:岡田康宏/木俣冬/成馬零一/西森路代
    ・全156エピソード完全レビュー(イラスト:青木俊直/シラトリユリ 文:中川大地)
    ・『あまちゃん』用語解説「アマペディア」(葦原骸吉/さやわか/松谷創一郎)
    ・【インタビュー】大友良英:音楽から読み解く祝祭劇『あまちゃん』
    ・【インタビュー】滝沢充子:"生ゴミ"先生が初めて語る不器用天才・能年玲奈の素顔
    ・【コラム】宇野常寛:2度のアイドルブームを越えて――AKB48とGMT47
    ・【インタビュー】塩見三省:"琥珀の勉さん"が明かす「ミズタクの空気感」
    ・【コラム】猪谷千香:ミズタクの恋、私たちの恋
    ・【論考】岡室美奈子:時間の国のアリス――逆回転の物語としての『あまちゃん』
        細馬宏通:「アイ・ミス・ユー」の宛先――「潮騒のメモリー」はなぜ歌い継がれるのか
        中町綾子:『あまちゃん』のはじまりと終わりと真ん中と
        成馬零一:クドカンと朝ドラ 2000年代を彩った二つの潮流
        岡田康宏:『あまちゃん』が描いたもの、描かなかったもの
        田中秀臣:春子の亡霊と1980 年代のあやまち――『あまちゃん』の経済学――
    ・【名場面・名台詞アンケート】堀江貴文/清水ミチコ/道尾秀介/三又又三
    ・【完結記念メッセージ】高田明美/川上弘美/ZABADAK/津田大介/公文俊平/井上伸一郎/河野英裕/樋口真嗣/速水健朗/開沼博/片渕須直
    ・【特別寄稿】富野由悠季:非あまちゃんファンになった
    ・【コラム】宇野常寛:過ぎ去りし「テレビの時代」への想い――『あまちゃん』放映終了に寄せて
    ・【対談】達増拓也×宇野常寛:『あまちゃん』から考える震災後の日本再生
    結果的に、びっくりする程の豪華メンバーになりました……!写真はすべて撮り下ろし、イラストも描き下ろし!という贅沢さ。きっと今頃、ものすごい勢いで印刷中……!書店さんからも沢山の注文を頂いておりますが、反響が大きく、初版分は店頭売り切れ続出の予感です……。確実に手に入れられたい方は、お早めにAmazonから、近くの書店さんでご予約下さい!それでは今週も高田馬場からお送りします、今号のコンテンツはこちら↓ ┌───────────────────────────────┐├○    メルマガPLANETS  vol.54:2013.10.18├○├○  01.【特別掲載】嶋浩一郎×宇野常寛├○  本と雑誌と本屋の未来├○  第18回  展望を踏まえたアドバイス├○├○  02.【批評】中川大地├○  中川大地の現代ゲーム全史[日本編]├○  第23回  『ドラゴンクエスト』が構築したJRPGの方法論├○├○  03.【インタビュー】この人のこの話がききたい├○  10月のこの人:馬場正尊さん(東京R不動産)├○ 第3回 知的交配はネットでいい├○ ├○  04.【過去原稿】今週のお蔵出し├○  10/18のお蔵出し:日本を「つくり直す」好機├○            (初出:毎日新聞 2013年9月18日夕刊)├○├○  05.【絵日記】├○  V3の恋する日記├○├○  06.【食べ歩き】├○  秘書A子の馬場ランチグルメ├○  馬場グルメ二十六軒目:kupu-kupu├○             ├○  07.【告知】今週のスケジュール├○              ├○  08. 編集後記&次回予告├○├○                                    └───────────────────────────────┘※一部の連載記事については、「メルマガPLANETS vol.53」からの続きとなっております。▼「vol.53」へのリンクはこちらです。http://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar364639 未読の方は併せてお楽しみ下さい!┏┓----------------------------------------------------------┗■  01.【特別掲載】本と雑誌と本屋の未来      嶋浩一郎×宇野常寛--------------------------------------------------------------▼本コンテンツは連載です。前回記事はこちらhttp://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar364639第18回 展望を踏まえたアドバイス宇野 多分こういったことができるのは僕だけじゃなくて、堀江さんとかも余裕でできますよ。そういえば、固有名の話と匿名の話は、堀江さんとメルマガの話をしている時に思いついたんですね。固有名と媒体だったら固有名の方が強いからねとバシッと言っていて。これからはインターネットって固有名の力が強まっていくんで、僕程度の知名度の人間でもこういうことができるなら、これからみんなどんどんそうなっていくんだと思うんです。個人メルマガなんてその端的な例で、入り口に過ぎないと思いますよ。嶋 この話は、今出版社に勤めている人にとっても、学生の人にとってもよいヒントになるかもしれませんね。学生の人は出版社に入るより、個人メディア化した方が早いということですかね?宇野 繰り返しますが、本も本屋も雑誌も手段に過ぎないんです。自分がやりたいことは何が一番なのか? ということを考えること。もしかしたら嶋さんがおっしゃるように、レガシーメディアに入り込んでやる方が効率がいいのかもしれない。でもその領域はどんどん狭くなっていくので、勝手にやって運動を起こしたほうが手っ取り早いと僕個人は思いますけどね。  
  • あの日から考えている「うそばなし」のはなし――『七夜物語』をめぐって

    2013-10-16 21:56  
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    【今週のお蔵出し】あの日から考えている「うそばなし」のはなし――『七夜物語』をめぐって                                  (初出:「トリッパー」2012年夏季号) 川上弘美は自分の書く小説を「うそばなし」と呼んでいる、という。そして、《「うそ」の国は、「ほんと」の国のすぐそばにあって、ところどころには「ほんと」の国と重なっているぶぶんもあ》るのだと彼女は語る。また《「うそ」の国は入り口が狭くて、でも奥行きがあんがい広いのです。》とも。 この「うそばなし」という言葉は川上の初期作品集のひとつ『蛇を踏む』のあとがきとして寄せられた文章だ。そしてここの「うそばなし」という不思議な語感をもつ言葉は、「いま」読み返すと川上にとっての物語観、とくにファンタジーについてのそれをたった五文字のひらがなに凝縮したもののように思える。「いま」というのはもちろん「あの日」以降のことだ。そう、あの日からずっと、僕はファンタジーというものとその機能について考えている。大地震と、原子力発電所の爆発――それは僕がまだ子どもだったころ、繰り返し物語の、それも子どものための物語、特にファンタジーと呼ばれるものの中においては〈世界の終わり〉=黙示録的な終末をもたらすものとして描かれてきた。平和で豊かなその一方で退屈な消費社会のもたらす終わりなき日常が一瞬で崩壊し、刺激的な非日常が到来するのだ。 
  • 中川大地の現代ゲーム全史[日本編]:第11回 『ゼビウス』の神話

    2013-10-15 21:04  
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    ▼本コンテンツは連載です。前回記事はこちらhttp://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar363557第11回 『ゼビウス』の神話(前回までのあらすじ)〈虚構の時代〉が本格化していく1980年代前半の文化環境のもと、『ギャラクシアン』や『パックマン』、『ドンキーコング』など、ナムコや任天堂が先導するかたちで固定画面アクションを多様化し、それとともに日本ゲームのキャラクター性が強まっていくことで、インベーダーブーム当時までの不良の溜まり場的な“悪所”としてのゲームセンターは徐々に変質していく。さらにマイコンブームによって廉価な8ビットパソコンが普及し、BASIC等の言語によるプログラミング環境がホビイストや科学少年らに共有されたことで、コミックマーケット等の「おたく」向け同人文化の拡大とも並行した自作ゲームのアマチュア創作シーンが勃興。そこから『平安京エイリアン』のような商業的なヒット作が生まれるとともに、AVGやSLG、RPGなど海外産の“高級”な思考型ゲームを翻訳・国産化していくための出島としての役割を果たすようになった。■ポストモダン・カルチャーとの共振をもたらした『ゼビウス』 先述した『こんにちはマイコン』の第2巻には、実際のゲーム制作の現場の紹介役として、一人の若いゲーム開発者が登場している。そのモデルとなったのが、ナムコの遠藤雅伸である。1981年に入社したばかりの遠藤らしき人物が、「ゲーム好きが高じてマシン語のプログラミングを習得し、ゲームデザイナーになる」という読者にとっての夢の体現者という立場で描かれていたのは、彼のデビュー作となるタイトルが、日本ゲームに次なる革新をもたらしていたためだ。 1983年にアーケードに登場したその作品の名は、『ゼビウス』。森や平原、海洋といった多彩な地上風景の描かれたトップビュー式の背景画面が縦方向に自動的に流れていく中で、戦闘機ソルバルウを上下左右に操りつつ、謎めいた挙動で飛来する敵ゼビウス軍の空中部隊を対空兵器ザッパーで、背景画の中に設置されている地上砲台などを対地兵器ブラスターで爆撃していくという、縦スクロール型のSFシューティングゲームである。これは『インベーダー』から『ギャラクシアン』『ギャラガ』に至る従来の宇宙を舞台にした固定画面型シューティングゲームからすれば、ビジュアル面でもゲームシステム面でも大幅な飛躍を遂げたものだったと言える。 こうした『ゼビウス』のゲームデザインは、単に新奇なゲームとしてプレイヤーを虜にして熱狂させただけではなく、デジタルゲームがそれまでとは異なる次元の深みを持った新たな“表現”として成立するという事態を、多くの人々に強烈に印象づけるものだった。 それは第一に、画面スクロールによってグラフィカルに描かれたマップを連続的に移動していくという仕様が、必然的に広大な“世界”の実在と潜在的な“物語”の展開を感受させるという体験をもたらした。固定画面のシューティングやアクションでは、基本的に物語や世界観はあくまでゲームとしてのルールやゴールを直感的に理解させるためのインターフェースに過ぎなかったが、『ゼビウス』におけるキャラクター動作や背景グラフィック等の演出は、明らかにゲーム上の必要を大きく超える余剰性を持ったかたちで作り込まれていた。のみならず、本作ではゲーム上で説明されることのない「ファードラウト・サーガ」という壮大かつ複雑なバックストーリーや、ゼビウス星の言語などの詳細な設定が作成されており、こうした情報がメディアなどを通じてほのめかされることで、ごく単純なゲーム体験に神話的な深遠さを付与する効果を発揮したのである。 
  • ☆ メルマガPLANETS vol.53 ☆ ~真打ち登場!「恋するフォーチュンクッキー PLANETS Ver.」公開!~

    2013-10-11 07:00  
    315pt
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                  ☆ メルマガPLANETS vol.53 ☆~真打ち登場!「恋するフォーチュンクッキー PLANETS Ver.」公開!~           発行:PLANETS  2013.10.11 (毎週金曜日発行)                  http://wakusei2nd.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━こんにちは。PLANETS編集部・秘書A子です。今週の金曜日も、「メルマガPLANETS」をお送り致します。 お 待 た せ し ま し た !すべてはこの一言から始まりました。構想から約1か月……この1か月間、スタッフは60人以上の方にメールを打ち、断られては凹み、OKを頂いては喜び、振付では「恋チュン」の全パートを覚え込み、撮影ではカメラ片手に東京中を駆け回り、編集では慣れないFinalCutに悩まされ、迎えた公開撮影の日。100人近い読者さま・リスナーさまの集合に感涙し、時に衝突しながらも議論を交わし、『あまちゃんメモリーズ』の校了作業を横目に、一足お先に徹夜しながら、仕上げた「恋するフォーチュンクッキー PLANETS Ver.」。これ以上説明はしません。とにかく、ご覧下さい。▽「恋するフォーチュンクッキー PLANETS Ver.」https://www.youtube.com/watch?v=wrgetz9aGD8宇野編集長はもちろん、「現代ゲーム全史」連載中の副編集長・中川大地さん、PLANETSイベントスタッフの中の人V3、秘書A子も踊ってます!ぜひ探してみて下さい!twitterやFacebookで拡散して頂いてもOKですよ~☆そして――今週末は、10月最初の10°CAFEイベントがあります。祝日の開催なので、普段は仕事が遅かったり、家が遠かったり…で来れない方もこの機会にご参加されてみては?▼10/14(月・祝)18:00~@高田馬場10°CAFE 2階門脇耕三×馬場正尊×宇野常寛「2020年の7年前から考える”都市と建築”」http://live.nicovideo.jp/watch/lv153839374東京という世界有数の大都市は、2020年に向けて大きな期待を寄せられている。オリンピック開催が決定したいま、東京が果たせる役割とは何なのだろうか?東京はこれからどういった都市に変化していくべきなのだろうか?「地理と文化」の関係の変化に伴って起きる、「都市と建築」のこれからの関係を徹底的に討論する90分です!→→→チケット購入はこちらから←←←もちろん、終了後の懇親会もあります。皆さんの「住」に関する考え方も、色々伺いたいです。いつもより収容人数が少なめなので、ご予約はお早めに。そしてそして、早速沢山のご予約を頂きましてありがとうございます!『あまちゃんメモリーズ』、Amazon上位を絶賛爆走中!▼宇野常寛責任編集『あまちゃんメモリーズ 文藝春秋×PLANETS』※画像は、もちろん仮表紙ですw公開まで、ご期待下さいませ。それでは今週も高田馬場からお送りします、今号のコンテンツはこちら↓ ┌───────────────────────────────┐├○    メルマガPLANETS  vol.53:2013.10.11├○├○  01.【特別掲載】嶋浩一郎×宇野常寛├○  本と雑誌と本屋の未来├○  第17回  レガシーな出版文化は燃やし尽くすべき├○├○  02.【批評】中川大地├○  中川大地の現代ゲーム全史[日本編]├○  第22回  ディスクシステムと『ゼルダの伝説』├○├○  03.【インタビュー】この人のこの話がききたい├○  10月のこの人:馬場正尊さん(東京R不動産)├○ 第2回 空間が良ければ、街はあとから考えよう├○ ├○  04.【過去原稿】今週のお蔵出し├○  10/11のお蔵出し:「ヒーロー」という記号と、その宿命について├○                  (初出:「小説 野生時代」2013年7月号)├○├○  05.【絵日記】├○  V3の恋する日記├○├○  06.【食べ歩き】├○  秘書A子の馬場ランチグルメ├○  馬場グルメ二十五軒目:OTTO├○              ├○  07.【告知】今週のスケジュール├○               ├○  08. 編集後記&次回予告├○├○                                     └───────────────────────────────┘※一部の連載記事については、「メルマガPLANETS vol.52」からの続きとなっております。▼「vol.52」へのリンクはこちらです。http://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar359131 未読の方は併せてお楽しみ下さい!┏┓----------------------------------------------------------┗■  02.【特別掲載】本と雑誌と本屋の未来      嶋浩一郎×宇野常寛--------------------------------------------------------------▼本コンテンツは連載です。前回記事はこちらhttp://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar359131第17回 レガシーな出版文化は燃やし尽くすべき嶋 今日最後に宇野さんに聞こうと思っているのは、学生の人たちが、これからどうやったら文化やエンターテイメントの業界で生きていけるかというヒントを頂ければなと。宇野 いま実際出版社に勤めてらっしゃる人って、会場にどれくらいいますか?嶋 半数くらいですね。宇野 皆さんたぶん、僕みたいに極端に思い上がったことを考えて、自分が業界を変えてやるぜと思って入ってはいないんでしょうけど、単純に今時、出版社に入るくらいの就活能力のある人だったら、もっと待遇のいいところに行けたと思うんです。それでも皆さんは斜陽業界の、長期的には終わっていく業界を選んだ人だと思うんです。それは、やりたいことがあるからだと思うんです。そうじゃなかったら、人間はある程度合理的な計算が働いちゃうタイプの動物ですからね。出版業界じゃなきゃできないこととか、コンテンツとか文化産業とか、表現することに関わって食って行きたいと思った時に、現行の再販制度とか、ある種のレガシーな日本の出版文化っていうものを生き延びさせることが、果たして本当に自分がやりたかったことに繋がるのか? ということを真剣に問いなおすべきだと思うんです。 
  • 中川大地の現代ゲーム全史[日本編]:第10回 マイコンブームという自作文化の「エデンの園」

    2013-10-09 17:26  
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    ▼本コンテンツは連載です。前回記事はこちらhttp://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar356703第10回 マイコンブームという自作文化の「エデンの園」(前回までのあらすじ)『スペースインベーダー』によって本格的に始まった日本ゲームの進撃の中で、アーケード業界ではとりわけ『パックマン』を生んだナムコが、玩具業界では電子ゲームブームの覇者「ゲーム&ウオッチ」を生んだ任天堂が、それぞれ先導的なプレイヤーとして頭角を表す。とりわけ後者のゲームウオッチは、以後の家庭用ゲーム機のコントローラーの標準仕様となる十字キーを生み出すなど、携帯型ゲーム機が折々で大きなイノベーションを起こす日本ゲームの史的パターンを先駆けることになった。■「マイコンブーム」下で育まれたホビイスト・コミュニティ アーケードやコンシューマー機の発達と並行して、この時期にはパーソナルコンピューターについても国産のハードウェア環境が整いつつあった。1970年代後半にはNECの「TK-80」を皮切りに組み立て式のマイコンキットが研究者やマニアの間で普及を始めていたことは前章で触れたが、第3章(※本連載では割愛)で詳述した米アップル社の「Apple II」、カナダ・コモドール社の「PET2001」(1977年)、米タンディ社の「TRS-80」(1977年)などに追随するかたちで、シャープの「MZ-80K」(1978年)やNECの「PC-8001」(1979年)など、筐体にキーボードやディスプレイ等を備える完成形で販売されるヒット機が登場。これらの8ビットパソコンは、北米では「ホームコンピューター」というカテゴリーで流通していたが、日本ではマイクロコンピューターないしマイコンピューターという意味で「マイコン」と呼称され、一種のニッチ家電としてブームを起こすまでにはなっていた。 とはいえ、まだ性能的に実用価値のあるアプリケーションソフトは無く、あくまでもBASIC言語などでのプログラミングを通じてコンピューターを操ること自体を目的とするほかなかったマイコンブームの広がりは、あくまで一部のホビイスト(趣味人)やそこそこ富裕な家庭の子弟といった層に限られていた。したがって、その使い道は必然的に機械に戯れることそれ自体が目的となっている行為、すなわちゲームへと向かっていった。つまり、日常の言葉とは異なる論理の呪文を困難を越えて習得し、コマンドの打ち間違いや設計の誤りがもたらすバグ(エラー)と格闘しながらコンピューターを望んだとおりに動作させるという、それ自体がゲームと呼べる秘儀的なプロセスによって、多くのホビイストたちがゲームプログラムを制作する楽しみに没頭していく。