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記事 30件
  • 今夜20:00から生放送!池谷勇人×木村祥朗×吉田寛×中川大地「『moon』復刻と メタフィクション・ゲームの系譜」2019.10.31/GAME OF THE ROUND

    2019-10-31 07:30  

    新番組「ゲーム・オブ・ザ・ラウンド」は、 話題の最新タイトルから懐かしの名作、xRやAIといったテクノロジーや社会的・学術的なトピックまで、あらゆる話題を縦横無尽に語り合う〈ゲーム円卓会議〉。『現代ゲーム全史』の評論家/PLANETS副編集長の中川大地を進行役に毎回豪華ゲストをお迎えしながら、ゲーム・カルチャーの真髄をえぐるクリティカル・トークを繰り広げていきます。
    第2回目のテーマは、去る10/10にニンテンドーSwitchで復刻配信されて 人気再燃中の『moon』をめぐって。 20世紀末プレステ黄金期のゲームシーンに衝撃を与えた「アンチRPG」は、 なぜ21世紀の現代に蘇ったのか? 『MOTHER』とともに『UNDERTALE』などの インディーゲームを触発した本作のゲーム史的な意義とは? 開発者の一人である旅人でゲームデザイナーの木村祥朗さん、 ねとらぼ副編集長の池谷勇人さん、東京
  • 橘宏樹 GQーーGovernment Curation 第12回 韓国格下げが本質ではない~令和元年度「防衛白書」を読み解く~

    2019-10-31 07:00  
    550pt

    現役官僚の橘宏樹さんが「官報」から政府の活動を読み取る連載、『GQーーGovernment Curation』。今回は、令和元年版の防衛白書を読み解きます。日韓関係が冷え込む中、外交・防衛戦略上の韓国の重要度も格下げされたかに見える今回の白書ですが、その背景には、ASEANを中心にインド洋・太平洋を結ぶ巨大なビジョンが構想されているようです。
    (写真出典 陸上自衛隊HPより) こんにちは。橘宏樹です。国家公務員をしております。このGovernment Curation(略してGQ)は、霞が関で働く国民のひとりとして、国家経営上本当は重要なはずなのに、マスメディアやネットでは埋もれがちな情報を「官報」から選んで取り上げていくという連載です。どんな省益も特定利益にも与さず、また玄人っぽくニッチな話を取り上げるわけでもなく、主権者である僕たちの間で一緒に考えたいことやその理由を、ピンポイントで指摘するという姿勢で書いて参ります。より詳しい連載のポリシーについては、第一回にしたためさせていただきました。
    【新連載】橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第1回「官報」から世の中を考えてみよう/EBPMについて
     まず、台風15号及び19号並びに間断ない豪雨によって被害を受けられた皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。また、豚コレラの猛威もなかなか収まらないのも心配です。他方で、ラグビーW杯での日本代表の躍進には大変に目覚しいものがありましたですよね。海外にルーツを持つ日本代表選手が躍動する姿は多くの日本人の目には新鮮に映ったことと思います。ちなみに僕は小さい頃からサッカーのラモス瑠偉選手が大好きだったこともあり、ソフトパワーとしてのサムライ魂がむしろ世界中に浸透していっている証拠を見たようにも感じていました。
    ▲グローカリゼーションを考えるセミナーのご案内です。学生は無料。PLANETS CLUBの皆様は割引があります!(詳細はfacebookグループの掲示板ご参照のこと。)好奇心だけで結構ですので、ぜひ聞きにいらしてください。
     永田町・霞ヶ関にも大きな動きがありました。財務省は、2020年度一般会計予算の概算要求総額が104兆9998億円で過去最大になったと発表しました。高齢化による社会保障費の膨張などが主な原因です。僕の印象では、あまり大きく報道されなかった感がありますが、いかがでしょうか。そして、消費税率が8%から10%へと増えました。さらには第4次安倍第2次改造内閣の組閣。初入閣は13人にのぼり、各省の事務方も心機一転しています。小泉進次郎氏の環境相入りが特に注目を集め、就任後の各種発言ではこれまでにない困難に直面しています。そして、即位の礼です。休日となったこともあって、儀式の生中継に張り付いてい方々も多かったのではないでしょうか。分断や格差の時代、国民の統合の象徴としてのお役目は一層重くなっていくんだろうと思います。個人的には、テレビの前で、息をこらして紫色の幕が開くのを待ちながら、元号を定め、休日を設ける、「時」という至上のプラットフォームを左右する力は、大きいなあ、と感じたりしていました。ギリシャ神話でも、最高神ゼウスの枕詞(まくらことば)には「時の神クロノスの御子たるゼウス」と付されますね。ちなみに、枕詞と言えば、本稿にも大事にしている枕詞があります。「我が国の主権者たる国民」である僕たちという言い回しです。あくまでも国家経営の当事者である主権者が判断を行う上で大事な情報を届けるという点で、本稿はこの枕詞は強く意識しており、これからも繰り返し使っていきます。
     さて、今号では、激動の9、10月を振り返るなかで、敢えて、「防衛」を扱いたいと思います。具体的には、2019年9月27日「令和元年版 防衛白書の閣議了承」を取り上げます。というのも、防衛白書とは、「わが国防衛の現状と課題及びその取組について広く内外への周知を図り、その理解を得ることを目的として毎年刊行」されるものですが、今年度版では、防衛協力国の紹介順において従来2番目だった韓国が4番目に移動していることについて、昨今の日韓関係の悪化と結びつけることだけで済ませてしまう報道が多過ぎると感じたからです。
    韓国の重要度を引き下げ 安保協力で 令和元年版防衛白書(産経新聞 2019年9月27日)韓国の紹介順2→4番目に「降格」 防衛白書を閣議了承(朝日新聞 2019年9月27日)韓国との関係悪化を反映=防衛白書(時事ドットコム ニュース 2019年09月27日) (なお、日経のこの記事は僕が以下で書く内容に近いことにも触れています。)安保協力、距離感に変化 防衛白書 韓国後退、インドが浮上(日本経済新聞 2019年9月28日)
     確かに、昨今の日韓関係の悪化は由々しいです。また、白書は、毎年出す書類なので、時事的な配慮をにじませたりと、細やかなメッセージの出し入れが行われたりします。しかし、日本国の主権者たる国民が、今年度版の防衛白書から読み取るべきメッセージは、「日韓関係の悪化が防衛白書にも反映された」という次元にとどまらない、もっと全然違うことだと僕は思います。踏み込んで言ってしまえば、日韓関係が良好であっても、今回、韓国の紹介順が下がっていた可能性はかなり高いのではないか、と思われます。
     というのも、現在、とある巨大な、しかも、実は比較的長い経緯を有する構想に基づいて、日本の安全保障観のシフトが着々と進められています。外交上のスローガンにとどまらず、実体的な安全保障の次元にもその構想が反映されてきています。僕は、国民はこの構想の存在感を令和元年度防衛白書において確認することこそが重要だと思いました。  ではその安全保障観のシフトとは何でしょうか。以下、みなさんと一緒に情報をたぐってみたいと思います。  
    河野大臣の記者会見をよく聞く
     まず、日韓関係と2位→4位の関係についてですが、河野防衛大臣は、白書発表時の記者会見で、
    Q:韓国について伺います。本来友好的な書きぶりをするべき安全保障協力の章の中で、韓国については、昨年の国際観艦式での問題、レーダー照射問題、今年のGSOMIAの破棄など具体例を挙げた上で、韓国側の否定的な対応が防衛協力や防衛交流に影響を及ぼしている、と批判的・否定的な書きぶり(防衛白書366頁)になっています。このような書きぶりになった意図を教えてください。
    という質問に対し、
    A:事実を列挙しているということです。
    と回答しています。
    Q:防衛協力を進める国を紹介するコーナーにおいて、韓国を記載する順番が昨年2番だったのが、今年は4番になりました。その理由を教えてください。
    という問いに対しては、
    A:防衛大綱の順番に並べたということです。
    と回答しています。
     つまり、防衛白書の本文中では韓国をしっかり批判していても、それが安全保障パートナー国の紹介順を2番から4番に格下げした理由であるとまでは述べていません。理由は「防衛大綱の順番に並べたということ」であると述べています。なるほど。そうですか。では、防衛大綱を見てみましょう。
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  • 周庭 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第31回 過激化する武力行使と学生銃撃事件

    2019-10-30 07:00  
    550pt

    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。10月1日は中国の建国記念日にあたる「国慶節」。この日、18歳の学生が警官に胸部を銃撃され重症を負いました。過激化する警官隊の武力行使の中で抗議を続ける周庭さんが、苦しい胸の内を吐露しました。(翻訳:伯川星矢)
    香港の現状について3人の識者をお招きして生放送で議論します。 11/5(火)20時〜 倉田徹×張彧暋×福嶋亮大×宇野常寛「続・香港のデモから僕たちが考えるべきこと」
    ここ4ヶ月は、毎回PLANETSの連載の原稿を書く際に、とても迷っています。なぜなら毎月、香港で起きている事件があまりに多すぎるからです。毎日、毎週起きているそれは、香港人にとって果てしない苦痛です。より良い未来のためとはいえ、今、苦しみの中にある人は多すぎるくらいいます。
    9月の下旬頃、日本の方々から香港デモに関する報道が減ったという連絡がたくさん来ていましたが、幸いなことに10月1日の国慶節(中国の建国記念日)の前日には、日本を含む国際社会の香港に対する関心が再び高まり、特に中央政府が国慶節前日あるいは当日に弾圧を強化するのか、二度目の「天安門事件」が起きるかどうかについて注目が集まっていました。
    ▲中学生授業ボイコット集会の様子
    そして10月1日当日、一人の18歳の学生が香港警察の職権濫用と狂気の下、左胸に実弾を撃たれました。弾は肺を貫き、心臓との距離はわずか3cmでした。
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  • 今夜20:00から生放送!天野彬×宇野常寛「いいね!でつながる社会のゆくえ」2019.10.29/PLANETS the BLUEPRINT

    2019-10-29 07:30  
    今夜20時から生放送!「PLANETS the BLUEPRINT」では、 毎回ゲストをお招きして、1つのイシューについて複合的な角度から議論し、 未来の青写真を一緒に作り上げていきます。 今回のゲストは、電通メディアイノベーションラボ主任研究員の天野彬さんです。 この10数年で、人々のつながりだけでなく、政治の在り方までも大きく変えてきたSNS。 新著『SNS変遷史』で日本のSNSをめぐる環境変化を鋭く分析した天野さんとともに、 これからの社会のゆくえについて語ります。 ▼放送日時2019年10月29日(火)20時〜☆☆放送URLはこちら☆☆https://live.nicovideo.jp/watch/lv322567816▼出演者天野彬(電通メディアイノベーションラボ 主任研究員) 宇野常寛(評論家・批評誌「PLANETS」編集長) ファシリテーター:得能絵理子(スターハウスジャパン
  • 碇本学 ユートピアの終焉――あだち充と戦後日本社会の青春 第9回 劇画という〈父〉からの決別(後編)

    2019-10-29 07:00  
    550pt

    ライターの碇本学さんが、あだち充を通じて戦後日本の〈成熟〉の問題を掘り下げる連載「ユートピアの終焉――あだち充と戦後日本の青春」。第9回の後編では、『ナイン』よって確立され、以降のあだち作品を特徴付けることになる要素について掘り下げます。鍵となるのは2人のキャラクター、劇画を背景にしたライバル・山中健太郎と、後の妹ヒロインの原型となる安田雪美です。
    「劇画」を背負ったライバル・山中健太郎
    『ナイン』の第1話に色濃く残っていた「劇画時代の名残り」からの脱却が始まる第2話では、主人公・克也のライバル(恋敵)となる山中健太郎が冒頭から登場する。 『ナイン』以降のあだち充作品における「主人公のライバル」の原型となるキャラクターが山中健太郎だ。彼は前年に甲子園に出場した強豪・武南高校のエースピッチャーであり、ヒロインの中尾百合とは小学校以来の幼なじみだ。
    ▲山中健太郎
    通学中の新見克也と百合に、山中は「百合っぺ」と親しげに話しかけてくる。山中はわりと強引な男で、久しぶりに再会した百合をデートに誘い、高校生でありながら「嫁にするぜ」というキザな台詞を残している。
    劇画時代の原作付きあだち作品には、山中のような軟派なキャラクターは登場しなかった。山中は劇画的なニュアンスはあるものの、登場時に女子生徒たちにサインを求められるような、少女漫画におけるいわゆる「王子様」ポジションのキャラクターである。「女子にキャーキャー言われる王子様的ライバル」といえば、劇画『巨人の星』の花形満もそうだが、花形は飛雄馬との野球での勝負に情熱を注いでいた。一方、山中は野球の実力において勝負にならないほど克也に優っており、克也にライバル心を向けるのは百合との関係性においてのみ、という違いがある。
    あだち作品のライバル(恋敵)たちは、何かと理由をつけて、主人公たちの学校(練習試合や文化祭etc.)や、家の近所の喫茶店に現れるが、特に『ナイン』の山中健太郎から『タッチ』の新田明男まではバイクに乗って登場するという共通項がある。この「バイクに乗る高校生」は、現在の少年漫画ではほとんど見られなくなった光景の一つだろう。 1970年代、バイク(オートバイ)は極めて高価で、誰でも買えるようなものではなかった。高校生でありながらバイクに乗っている時点で、山中家が裕福な家であることが分かる。バイクは70年代には若者たちの憧れの的であり、「二枚目でお金持ち」な王子様的キャラクターを象徴するアイテムだった。その後、80年代に入るとバイクの価格が下がり、大衆化するのに合わせて、全国に暴走族が広まっていくことになる。 また、あだち充がデビュー前に石井いさみの元でアシスタントをしていたことも、これと関係しているかもしれない。石井の代表作『750ライダー』(1975−1985年)は「高校2年生の青春」を描いた学園漫画であり、当初は劇画風なキャラクターたちによるシリアスな作品として始まったが、連載を追うごとに恋愛を絡めたさわやかな作風へと変わっていく。この変化はどこか『ナイン』と重なるところがある。
    バイク同様、近年の少年漫画でめっきり見かけなくなったのが喫茶店だ。あだち作品といえば、なにかと主人公たちが喫茶店でお茶をしているシーンが多い。あだち自身が喫茶店でネームを書いていたことも無関係ではないだろうが、70〜80年代にの喫茶店は、物語において非常に使い勝手の良い舞台装置だった。当時の喫茶店は、同じ校舎にいながら交わらない不良と優等生、近所の住人や他校の生徒、さらに先生や親といった大人との交流を自然に演出できる第三空間であり、主人公やヒロインを試合以外の場面でライバルと会話をさせたいときに、手っ取り早く使えるロケーションだった。90年代以降、昔ながらの喫茶店は街から消えていくが、あだち充は時代が変わっても劇中に喫茶店を出し続け、現在連載中の『MIX』にも登場させている。
    山中の話に戻ろう。 百合を強引に誘ったデートの際、山中は彼女が落とした定期入れを拾う。中に百合の意中の人物の写真が入っているのに気付いた山中は、自分の写真と入れ替えた上で、克也に「百合の忘れ物だ」と渡す。中の写真を見て落ち込む克也。定期入れは百合の元に戻るが、百合は中の写真が入れ替えられことに気付き、元の写真を返すよう山中に迫る。元の写真に映っていた人物は、克也だった。
    このエピソードでは、台詞による状況説明はほとんどないが、描写によって各登場人物の心情が分かる演出になっている。この時点であだち充的な表現技法は、ほぼ完成されていたことがわかる。こういった表現は少女漫画誌ではすでに使われていたが、劇画の説明過多なセリフに慣れ親しんだ当時の少年誌の読者には新鮮だったようだ。また、彼らの一部には少女漫画誌の読者もいて、あだち充の説明を省略した演出を理解できる素養が既にあったことも大きいだろう。
    山中は高校卒業の際、自分の想いを百合に伝える。そこでフラれた山中は「プロにいって稼ぎまくってやる」と、劇画のキャラクターにはありえないような捨て台詞を吐いて去り、以降は物語から完全に退場する。山中が去ったことで、物語の中で野球関連のドラマはほぼ発動しなくなり、以降は日常系ラブコメのテイストがより濃厚になっていく。
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  • 【冊子つき先行予約は10/31まで】猪子寿之×宇野常寛『人類を前に進めたい チームラボと境界のない世界』

    2019-10-28 12:00  
    チームラボ代表・猪子寿之さんと、PLANETS編集長/評論家・宇野常寛との4年間におよぶ対談が書籍になります!
    10月31日まで限定で、PLANETS公式オンラインストアにて冊子つき・先行予約を受付中。
    特典冊子『ニッポンを前に進めたい』では、人口縮小社会への問題提起から、国家と民主主義のゆくえ、グローバル経済が人々を分断する中でのアートの役割など、この国の未来について二人が語り合いました。本書と合わせて必読です!
    ご予約はこちらから
    【公式ストアにて、10月31日(木)までのご予約限定】 (1)11月21日(木)の一般発売よりも先にお届け! (2)特典冊子『ニッポンを前に進めたい』(猪子寿之×宇野常寛)と特製ステッカーつき! ※11月1日(金)以降のご予約・ご購入分には特製ステッカーのみ付属します。
    ▼本書に込めた思いを、宇野常寛がnoteに寄稿しました。 『猪子寿之と「人類を前に進めた
  • 鷹鳥屋明 中東で一番有名な日本人 第23回 開かれたサウジの次の一手は?

    2019-10-28 07:00  
    550pt

    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。これまで就労・巡礼目的の渡航に限られていたサウジアラビアが、ついに観光ビザを解禁!音楽、漫画、アニメ、ゲームなどのエンタメを積極的に輸入し、開かれた国へと変貌しつつあるサウジ。現地で展開される最新のイベントの様子を報告します。
    今まで「閉じられた国」と言われてきたサウジアラビア王国が。ついに観光ビザをヨーロッパ、アジアの国々で解禁しました。これまで就労ビザや巡礼ビザ以外では訪れることができなかったサウジアラビアですが、イスラームの聖地メッカ、メディーナという街を有し、大巡礼とよばれるハッジのシーズンに数百万人もの巡礼者が来る国に、なぜこのような非イスラーム教徒向けのビザが解禁されるようになったのでしょうか?
    ▲ビザ解禁のニュースは世界中に広がりました。
    過去の連載記事を読んでいる方はご存じだと思いますが、サウジアラビアは国家歳入のほとんどを石油の収入に頼るレンティア国家です。その仕組みから脱却するため、新しい産業の振興を目標に掲げ「サウジビジョン2030」という名前の元で国家大改造計画を行っております。この大改造計画は国際競争力の強化、GDPに占める海外直接投資の拡大、GDP比率に占める民間部門の比率拡大など、民間部門による国内経済の拡充が挙げられています。よくよく読めば実は軍事産業育成による部分も多く書かれています。これには理由があり、サウジアラビアの買う武器のほとんどはアメリカやヨーロッパ製で基本的に海外調達のため、この膨大な量の兵器購入は一種の大きな外貨流出になっています。そのため武器の内製化はサウジアラビアの大きな課題の一つであります。
    もちろん「サウジビジョン2030」の中ではそれ以外の産業育成にも熱心です。特に過去の連載で何度も取りあげてきたエンターテイメント関連の育成にはサウジアラビアの皇太子殿下、ムハンマド皇太子の肝いりの施策でもあることから、特に力が入っていると言えます。
    今後のサウジアラビアのビジョン2030に向けた動きを本当に簡略化して説明しますと、「オープンな国になることでより観光客が入ってくることにより、国内サービス業も活性化し、移民労働者の比率を下げて、自国のサウジアラビアの若者を活用することで失業率も解消。『開かれた国』という印象からサウジアラビアへの投資が進み国内産業育成、国内人材の育成も進み、国内のエンターテイメント業界も発展し、今までサウジ人が海外に落としていた娯楽費を国内に還流。ほかにも様々な産業育成も進み皆が健康的な国民となり、サウジアラビアが名実共に大国、強国となる、具体的には世界19位から15位の経済規模の国家となる」という目論見があります。今回のビザ解禁はその大きな一つのファクターであり、ビザを解禁することについて国内の反対勢力もあったと思いますが、ついに解禁に至りました。
    ▲サウジアラビア大使館の公式リリース内容
    新しいイベントは様々な国とのコラボイベント尽くし
    サウジアラビアのビザが解禁になった9月28日からの10日間で、2万4000人の旅行客が観光ビザでサウジアラビア現地を訪れました。観光客の1位は中国人で7391人、2位はイギリス人、アメリカ人などで、その後にマレーシア人やフランス人などが続きます。ここでも中国の存在感を強く感じます。ちなみに観光ビザの第一号も中国人だったと言われています。
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  • 宇野常寛 地理と文化のシーソーゲーム――Ingress(PLANETSアーカイブス)

    2019-10-25 07:00  
    540pt

    今朝のPLANETSアーカイブスは、Googleが提供する位置情報ゲーム「Ingress」についての宇野常寛の論考です。現実の世界をプレイフィールドに読み替えるゲームが示唆する、現実と虚構との新しい関係とは――?(初出:『ダ・ヴィンチ』2014年11月号) ※本記事は2014年11月13日に配信した記事の再配信です。



     今年の夏は東京の街を実によく歩いた。ゴールデンウィークに高田馬場の自宅からお台場のガンダムまで歩いて行ったのを皮切りに、毎週ある有楽町での仕事の帰りは徒歩で自宅まで帰っていた。札幌出張から戻った朝は羽田空港から京急で品川まで戻ったあと、やはり歩いて帰宅した。阿佐ヶ谷で会食したあとも、目黒で打ち合わせをしたあとも歩いて高田馬場まで戻った。休日は東京駅のトミカショップを目的地に定めて、地下鉄東西線のほぼ真上をひたすら東進したこともあった。東京に引越してから七年、なかなか土地勘がつかなくて困っていたが、さすがに随分と道も詳しくなった。近所の自動販売機のラインナップにも精通し始めた(なかなか売っていないゼロカロリーのクリームソーダを見つけたときは歓喜した)。神田では、東京では食べられないと思っていた、父の実家のある山形県河北町名物「冷たい肉そば」を出す店も見つけた。
     僕が散歩を趣味にしていることは、以前にもこの連載で触れたことがあると思う。僕が「歩く」理由は大きくわけてふたつある。ひとつは健康管理とダイエットのため。もうひとつは、散歩することそれ自体の快楽のため、要するに歩くことそれ自体が「面白かった」からだ。普段電車で移動していると、街の文脈を読むことは難しくなる。しかし歩くとそれが手に取るようにわかる。住宅地と商業地がどう配置され、社会階層や文化が道路や川を隔ててがらりと変わる。そしてこうしたモザイクを生み出す歴史の厚みがその背景に存在する。気が付くと、僕は余暇の時間の何割かを散歩に費やすようになっていたのだが、この夏のその情熱は我ながら異常なものがあったように思う。単純に考えて僕がほぼ毎週歩いていた有楽町から高田馬場までだけでも8キロ強あり、雨の日以外はほぼこれくらいの距離か、少なくとも新宿までの往復を日課にしていたので、この夏僕は週に少なくとも20~30キロは歩いていた計算になる。そして、この情熱は実のところ、この夏僕が出会った街を歩く第三の理由に大きく支えられていた。それが今年Google社がリリースし世界中で僕と同じような中毒患者を生み出している拡張現実ゲーム『Ingress』だ。
     Ingressとは一言で言えば現実空間を舞台にした、世界規模の陣取りゲームだ。プレイヤーは青と緑、どちらかの陣営に所属し、世界中に点在する拠点(Portal)を奪い合う。Portalとなっているのは世界各地の史跡名勝や鉄道の駅、その土地ならではの商店や建造物などだ。「Ingress Intel Map」というサイトにアクセスすると、世界が今、両軍によってどう分割されているかをほぼリアルタイムで確認することができる。北米とヨーロッパ、そしてアジアのほとんどの都市部がすでに両陣営によって分割されている一方でアフリカ大陸はほぼ手付かずの状態にある。これは単純にIngress及びその前提となるスマートフォンの普及状況が可視化されていると考えていいだろう。なぜならば、地図が青か緑に染まっているということは、そこにIngressのプレイヤーがいて、そしてプレイヤーが自身の行動範囲の史跡名勝や建造物をPortalとして運営に申請していることを意味するからだ。
     ユーザーはこのPortalにIngressをインストールした端末をもって接近することで、敵のそれを攻撃できたり、味方のそれを防御することができる。そう、Ingressはプレイヤー自身がその身体を世界各国のPortalに接近させることを要求するのだ。
     かくして、僕もまた今年の夏はスマートフォンを片手に都内を闊歩することになった、というわけだ。
     そしてIngressのプレイヤー自身がPortal設置を運営に申請することができるというシステムは、この東京にPortalの氾濫をもたらした。都内のPortalは鉄道駅や史跡名勝にとどまらず、「ちょっと珍しい看板のある店」や無数に点在する地蔵の類までがPortalとして申請され、あろうことかGoogleに認可され、争奪戦の対象となっていた。現在においてはPortalの大半は、その地域の特色を表すものでもなければ、歴史的な建造物でもなく、おそらくは日本の文化風俗に明るくないであろう運営スタッフを騙してPortalとして認可させられそうなちょっとした特徴のある建造物や場所が無闇矢鱈に申請されてしまったものである。いちばん驚いたのは、僕の事務所の近くの結婚式場のオブジェが「高田馬場聖母」と名付けられPortalになっていたことである。
     こうして、都内はIngressを通さなければなんでもない場所をひたすら奪い合う戦場と化し、そしてプレイヤーたちは明らかに氾濫しすぎているPortalを求めて幹線道路や駅前から離れ、住宅地の奥の地蔵や、児童公園のちょっと変わったオブジェを求めて自動車が侵入できないような場所や人気のない町外れの森林の中に分け入っていくことになったのだ。
     さて、このIngressというゲームについては非常に多岐にわたる問題提起が可能だが、ここでは主に2つの点に絞って論じてみよう。第一にそれは僕たちの社会の抱く虚構観の問題だ。このIngressは「拡張現実(AR)」ゲームと言われる。「仮想現実(VR)から拡張現実(AR)へ」とは世紀の変わり目に発生した情報技術のトレンドの変化を表現したキャッチフレーズだ。ネットワーク技術とサービスの進化を背景に、情報技術の応用トレンドは「もう一つの現実をつくりこむこと(仮想現実)」から「現実それ自体に情報を付加すること(拡張現実)」に切り替わった。そしてこのキャッチフレーズは技術そのものだけではなく、比喩として情報サービス全体のトレンドの変化に当てはまる。つまり、この技術トレンドの変化はさらに、情報技術を背景にしたサービスや文化のトレンドの変化でもあるのだ。このころ世界中で「もうひとつの現実をつくり込む」ために、つまりインターネットにもうひとつの社会をつくることよりも、現実それ自体を多重化し、拡張することで充実させるために情報技術が用いられるようになったのだ。
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  • 【特別寄稿】成馬零一 2019年の「現実 対 虚構。」 ーー朝ドラ『なつぞら』と大河ドラマ『いだてん』(後編)

    2019-10-24 07:00  
    540pt

    今朝のメルマガは、成馬零一さんによる寄稿の後編です。2019年の朝ドラ『なつぞら』と大河ドラマ『いだてん』は、いずれも実在の歴史が題材ですが、そのアプローチの仕方には明確な違いがあります。史実に対してフィクションはいかに向き合うべきか。象徴的な2つの作品から、今日の「現実 対 虚構」のあり方について考えます。 ※本記事の前編はこちら、中編はこちら
    連続テレビ小説『なつぞら』ーーモデルからヒントへ
    実話を元にしたテレビドラマとして、現在もっとも注目されているのは、NHKの連続テレビ小説(以下、朝ドラ)と大河ドラマだろう。
    朝ドラでは、9月末まで大森寿美男脚本の『なつぞら』が放送されていた。一方、2019年の大河ドラマは宮藤官九郎脚本の『いだてん~東京オリムピック噺~』が現在、放送されている。 『なつぞら』は終戦直後からスタートし、当時はまだ“漫画映画”と呼ばれていた戦後アニメーション草創期の歴史が背景となっていた。対して『いだてん』は明治末からはじまり、1964年の東京オリンピック開催にいたる「オリンピックに関わった人々の歴史」を背景にした、「事実を元にしたフィクション」だが、両作品の歴史に対するスタンスは大きく異なる。『なつぞら』の主人公・奥原なつ(広瀬すず)は東映動画に所属した女性アニメーターの奥山怜子がモデルとなっている。だが、この言い方は正確ではない。公式にはモデルではなく「ヒントになった」と表記されている。この、モデルを特定しないという傾向は近年の朝ドラで強まっており、2016年の『とと姉ちゃん』からは「モチーフ」と言われるようになっている(参照)。『とと姉ちゃん』プロデューサー・落合将はモデルとモチーフの違いについて「基本的にそんなに差はないと思います。簡単にいうと、朝ドラは、多少コメディタッチにディフォルメしています」と語っているが、邪推すると「史実と違う」という批判をかわして、作品の自由度を高めるための苦肉の策にも思える。
    『なつぞら』では、その傾向はより強まっており、“ヒント”という言い方をすることで、より(史実をもとにした)フィクションというカラーが強まっている。 脚本を担当した大森寿美男はインタビューの中で以下のように語っている。
    孤児のヒロインが黎明期のアニメーションと出会うことにして、なつが、当時、実際、活躍していた女性アニメーターの草分け的存在・奥山玲子さんのような立場になったらどういうふうな反応をするかという発想で話を考えました。奥山玲子さん自身を描くつもりではなくて、当時の女性アニメーターの参考例として旦那さんの小田部羊一さんに取材させて頂いたんです(「なつぞら」最終回 脚本家が明かすぎりぎりの創作秘話。「締めのナレーションには好き嫌いがあると思う」(インタビュー:木俣冬))
    ヒロインの奥原なつは、奥村怜子の経歴や性格を部分的に採用したり逆に戦災孤児で北海道の酪農家の元で育ったというオリジナル要素を加えたりしている。後者の要素は、アニメーションというテーマと重ねるため『アルプスの少女ハイジ』や『火垂るの墓』のキャラクターから引用した要素なのだが、こういったさまざまな設定が混ざり込んでいる。 一方で奥村自身が持っていた自立した女性としての生き方や考え方、つまりフェミニズム的な価値観は、柴田夕見子(福地桃子)ら他の女性キャラクターに割当られており、そういった設定の足し算と引き算が各キャラクター間でおこなわれている。ある種、タランティーノが作劇手法としてもちいた「引用と編集」がキャラクターレベルでおこなわれていると言えるだろう。 また、奥村は実際には小田部羊一と結婚したのが、ドラマのなつは、高畑勲をヒントに造形された坂場一久(中川大志)と結婚する。そして劇中に登場するなつが関わったアニメも、現実の作品をヒントにした架空のものとなっている。こういった改変に関しては意見が分かれるところだろうが、アニメ関係者からの批判はほとんどなかった。これは奥村の夫だった小田部がアニメーション時代考証を担当し、アニメーション監修に元スタジオジブリの舘野仁美が関わっていたことも大きいだろう。 
    確かにスタジオの名前は東映動画から東洋動画に変更され、『白蛇伝』は『白蛇姫』に変わったが、歴史的な経緯は史実を踏まえており、流れ自体は間違っていない。 なつが十勝で暮らした経験が後に『大草原の小さな家』を原案とする『大草原の少女ソラ』(無論、『アルプスの少女ハイジ』がヒントとなっている)に修練されていくとことで、なつの日常とアニメが対照関係になっている脚本は実に見事だったと言えよう。
    しかし、東映動画と奥山玲子、そして彼女の同僚だった高畑勲、宮崎駿といった人々を描いた物語と見た時に、果たしてこの展開で良かったのか? と疑問が残る。 特に宮崎駿の高畑への愛憎を知っていると、宮崎駿にヒントを得た神地航也(染谷将太)の扱いは粗雑でストーリーにうまく生かされていない。 本来なら宮崎・高畑の功績とされる作品の多くが奥原(奥山)・坂場(高畑)の功績に書き換えられているのをみていると「史実をヒントにしたフィクション」だとわかっていても、その解釈は違うのではないかと思ってしまうのだ。
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  • 【特別寄稿】井上明人 食べログの得点付けアルゴリズムはどうなっているのか?

    2019-10-23 07:00  
    550pt

    今朝のメルマガは、井上明人さんによる特別寄稿をお届けします。食べログの点数は恣意的に操作されているのでは、という疑惑がネットを騒がせていますが、その評価の偏りは、信頼度を保持するためのスパムフィルタの観点を取り入れると、全く違った解釈ができるようです。井上さんがYahoo!個人で公開した記事と合わせて御覧ください。
    井上明人さんのYahoo!個人の記事はこちら↓食べログの得点計算についてのポジティブな可能性を考えるー操作されたデータを検証する難しさー
    本レポートが作られた前提
     2011年夏から一年ほど、食べログ利用にはまり、170件ほど書き込んでみたりしました。そして、どういう点数アルゴリズムなのかが気になってワクテカで解析してみて、食べログのアルゴリズムも(なんとなく)わかった……個人的には興味深いデータにはなったが、こんな調査研究をしたとして、これを一体、どうやって活かすつもりなのか、とか聞かれてもさっぱりわかず、当時としては、せっかくの解析結果をとりあえず記録に残しておこう……という趣旨の自分用に記録しておいたドキュメントでした。解析するのは楽しかったです。  これって、どこの学会に出せばいいのか?いや、そもそも、勝手にアルゴリズム解析した結果とかを掲載して、食べログ(kakaku.com)さんに迷惑だと言われたりしないのか……。と思っていたため、7年ほど死蔵していたのですが、残念ながら、現在、食べログの評価アルゴリズムに対する不信感が過剰に高まってしまっている状況がでてきてしまっています。 こんなレポートであってもある程度までアクセス可能な状態にしておくことに意義があるだろうと思い、掲載をさせていただきます。2019年現在では、細かなアルゴリズムは、変更されているとは思いますが、大筋の評価アルゴリズムの発想は当時の延長線上にあるかと思います。 基本的には友人に見せる程度のものとして想定していましたので、実証的に確かというよりは、仮説の束のようなものだと考えてお読みいただけましたら幸いです。
    食べログの得点付けアルゴリズムはどうなっているのか?
    井上明人 2012/10/14
    ■ 問題意識  食べログは、日本国内の「レビュー系・口コミサイト」としては、2位の、@cosmeとは、大きな差をつけており、日本でもっとも成功した口コミサイトといっても過言ではない。その食べログのアルゴリズムがどのようになっているのかを探りたい。  食べログのアルゴリズムの特殊性によって、どういった店舗がトクをし、どういった店舗がソンをしているのか。そして、食べログがこれだけの利用者に一定の納得感を生んでいる仕組みの一端を明らかにしたい。
    ■ 調査・分析手法1.定性的調査 a) 食べログに登録された店鋪を、実際に200店鋪ほどめぐった b) 食べログにユーザーとして170件ほどを書き込み、どういった挙動が行われるかを調べた2.定量調査 a) 2012年10月時点で、食べログの書き込み件数30件前後の店鋪を10店鋪ほどの書き込み情報(全300件程度)をすべて抽出し、それぞれ評価情報をもとに複数の計算手法によって、「食べログ点数」に近い点数が算出できるようなアルゴリズムを構築した
    ■ 結論:点数アルゴリズムの概要  食べログには、大きく分けて3つのアルゴリズムがあることが推定される。
    (1)単純重み付けアルゴリズム:  すでに公表されているような「食通」による評価に重み付けをし、加重平均を算出するアルゴリズム。重み付けの要素となる変数は、下記3点の変数が、ほぼ1:1:1程度の影響力をもっているものと想定される。 a. レビュアーの総書き込み件数(総書き込み件数によって5段階のレベルがある) b. レビューへの参考になった票の多さ c. レビューの新しさ(新しく書かれたレビューのほうが影響力は大きい) すなわち、「最近、沢山のお店をまわっているレビュアーが書いた、評価されている人気のあるレビュー」が最も影響力の強いレビューであある。一方で、「あまり食べログで活発に活動したことのないレビュアーが、昔適当に書いただけであまり支持票も入っていないレビュー」の影響力は極めて低い。  また、5件以下しか、それまで書き込み件数がないレビュアーについては評価点が一切反映されていない。
     それぞれの重み付けのロジックは、独自推定アルゴリズムでは、下記のようなものとしている。
    ・総書き込み件数  総書き込み件数をもとにしたレビュアーの信頼度は、食べログが、ユーザーの「レベル」分類を情報として公開しているため、これをもとにした。 レベル0 (信頼度0)0件~5件  レベル1 ~100件未満  レベル2 ~500件未満  レベル3 ~1000件未満  レベル4 ~3000件未満  レベル5 (信頼度5)3000件以上
    ・レビューへの参考になった票の多さ  単純に参考になった票の数を、もってきて重み付けをしてもよかったのだが、長年活動しており、かつ文章に人気がある有名ユーザーの場合、参考になった票が「40票」あり、他のユーザーが、「5票」「3票」といった形になっているケースも多く、それではあまりにも差が大きく出てしまう。  独自アルゴリズムでは、その点を考慮し、単純に票の数を信頼度として計算してい可能性が高いものと考え、投票数を信頼度として変換するための下記のような方式を採った
     10票以上の投票のあるレビュー:信頼度4  5票以上の投票のあるレビュー:信頼度3  1票以上の投票のあるレビュー:信頼度2  0票投票のレビュー:信頼度1  ・訪問日の新しさ  日付の新しさがどのように評価されるか、については食べログによる公開情報がなかったため、定性調査による結果を参考に(要するに、食べログユーザーとしてのカン)して、独自の推定アルゴリズムでは、下記のような独自の評価関数を作った。
     30日以内に店舗を訪問しているレビュー:信頼度4  30日~179日経過しているレビュー:信頼度3  180日~364日経過しているレビュー:信頼度2  365日以上経過しているレビュー:信頼度1
     (2)信頼度スパムフィルタ:  店鋪に対する書き込み件数が、一定件数を越えるまでは、スコア付けの評価自体を下げるアルゴリズムがあると推定される。このアルゴリズムの独自の働きによって食べログの点数は、直感的な推定が難しいものになっている  3.5未満の店鋪で、影響力のあるユーザーによる評価が充分にあつまっていない店鋪は、おそらくこのアルゴリズムが働いている。このアルゴリズムが働くことによって、単なる加重平均で評価がなされる場合よりも、最大で、0.4ポイント近く店鋪の評価点数が下がることがある。  挙動の仕方は、スパムフィルタではないかと推定される。ごく直感的に言えば、スパムフィルタのようなアルゴリズムである。メールのスパムフィルタでは、「怪しい」と推定される、複数の要素を判断し、あるメールが怪しいものかどうか、ということを判定している。例えば、「欲求不満」「会いたい」「人妻」「当選しました」……などの怪しい語彙を複数登録しておき、一定数以上の怪しい語彙が連続した場合にスパムと判断されるといったような形になっている。  これと同様に、食べログでは、おそらく次のような要素がどの程度入っているかどうか、で信頼係数を作成し、その信頼係数の強さによって点数を低めに抑えるかどうかを判断しているものと考えられる。
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