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記事 14件
  • 今週の映画レビュー:『プラチナデータ』

    2013-03-29 15:07  
    【今週の映画】大友啓史監督『プラチナデータ』原作/東野圭吾  監督/大友啓史出演/二宮和也、豊川悦司、鈴木保奈美、生瀬勝久、杏、水原希子政府が水面下で収集した国民のDNAデータ「プラチナデータ」をもとに犯罪捜査が行われ、検挙率が大幅に上昇した2017年。科学者の神楽は、DNA捜査の専門家として警察庁の特殊捜査機関「特殊解析研究所」に所属していた。そんなある日、DNA捜査のシステム開発者の殺害事件が発生。現場から神楽のDNAデータが検出される。身に覚えのない神楽は逃亡し、ベテラン刑事の浅間が神楽を追跡するが……。☆☆☆☆☆  今の日本映画のアベレージそのもの【森直人:5点】DNA万能主義を起点とした陰謀と破綻というテーマ設定自体に今更感がありすぎて(97年の傑作『ガタカ』で充分ではないか?)、その説明を多く背負う鈴木保奈美(科学者役)の後半の熱演がしんどかったが、全体としてはそこそこ手堅く楽
  • 哲学の先生と人生の話をしよう:「色々な情熱が薄れ、気力が萎えて困っています」

    2013-03-25 18:02  
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    「色々な情熱が薄れ、気力が萎えて困っています」相談者:石原さとみは深津絵里化しているさん(東京都・31歳・男性・会社員)Q.國分先生こんばんは。最近、色々なものへの情熱が薄れてしまって困っています。 セックス、ドラッグはもちろん、本、ゲーム、スポーツ、テレビ。今まで好きだったはずのものに全く食指がのびなくなってしまいました。ゲーム(RPG)をしているときに、ボタン押すのめんどくせえ、と思ったり、仕事に関係しない本は読まなくなってしまったり……。 気分転換もできず常に鬱々、とにかく何もする気力がなく、そのせいでさらに気力が萎える。そんなサイクルをもうずいぶん続けています。友人と会話中に話題を振られても「最近の流行りわかんないんだ……」で終了です。このままだと色々と支障をきたしそうな気がしますし、引退後のセカンドライフも心配です……。 國分先生、僕はどうしたらよいでしょうか。A.  ご相談をお寄せいただきありがとうございます。  三つお伝えしたいことがあります。  まず、僕もそういう経験があります。いろいろなことがおもしろいと感じられなくなってしまう。特に自分がそれまで熱中していたものが突然つまらなくなる。  よく覚えているのがTVゲームです。僕は小学生の時から、ファミコンやパソコンのゲームに並々ならぬ情熱を注いできたのですが(幼い頃は絶対にハドソンの社員になると決めていました)、確か中三の時です、世の中で話題の『ファイナル・ファンタジーII』というゲームをやっていたのです。割とこう言うゲームは得意でしたので、すらすら進んでいました。夜中でした。音を小さくして、家族が寝静まった後にやっていました。そうしたら突然、神からの啓示が降りてきました。 
  • 今週の映画レビュー:『クラウド アトラス』

    2013-03-22 18:54  
    103pt
    【今週の映画】トム・ティクバ、ラナ&アンディ・ウォシャウスキー監督『クラウド  アトラス』監督/ラナ・ウォシャウスキー、トム・ティクバ、アンディ・ウォシャウスキー  製作/ステイシー・シェア、レジナルド・ハドリン、ピラー・サボン出演/トム・ハンクス、ハル・ベリー、ジム・ブロードベント、ヒューゴ・ウィービング、ジム・スタージェス「マトリックス」のラナ&アンディ・ウォシャウスキー、「ラン・ローラ・ラン」のトム・ティクバの3人の監督がメガホンをとり、デビッド・ミッシェルの同名小説を映画化。悪人として始まったある男の人生が、過去・現在・未来といくつもの時間や空間と交錯する。数奇な体験を経た男が世界を救おうとする姿を、ドラマやSF、アクション、ミステリー、ファンタジーなどさまざまなジャンルを内包して描く壮大な物語。☆☆☆☆☆  壮大なコンセプトにクリエイションが負けている☆【森直人:6点】まさしく野
  • ☆メルマガPLANETS vol.27☆ ~ノマドでも社畜でもない第三の道を~

    2013-03-22 10:00  
    309pt
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                 ☆ メルマガPLANETS vol.27 ☆          ~ノマドでも社畜でもない第三の道を~           発行:PLANETS  2013.3.22 (毎週金曜日発行)                  http://wakusei2nd.com━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━こんにちは。PLANETS編集部・秘書A子です。今週の金曜日も、「メルマガPLANETS」をお送り致します。まずは、大事なお知らせをひとつ。『文化時評アーカイブス2012-2013』、お陰様で早速増刷決定しました!また、皆さまからもいくつかご指摘頂きましたが、誤字・誤植の正誤表も公開されましたので、URLを貼っておきます。http://www.mediafactory.co.jp/files/d000135/teisei0321.pdfこちらは増刷分では直っていますが、初版をお持ちの方はご確認下さいませ。今、このメルマガはOA中の『最高の離婚』の最終回を見ながら書いているのですが、来週はニコ生PLANETS3月号で同作を取り上げます!http://live.nicovideo.jp/watch/lv129933170☆ドラマにちなんで、男2×女2でお届け。中町綾子さん、速水健朗さん、両角織江さんと共に、最終回後の徹底評論!その前に、今週末にはイベントもありますよ~。http://live.nicovideo.jp/watch/lv129186191☆今月の10°イベントは、就活シーズンを受けて!?「仕事」がテーマです大企業の凋落が報じられ、「自由な働き方」としてノマドが話題になる昨今、日本のサラリーマン文化はこれからどのように変容していくのか?高田馬場の10°CAFEに常見陽平さん、真実一郎さんをお迎えし、これからの会社員のあり方について徹底的に論じます。学生さんも会社員さんもフリーランスさんも、ぜひご覧頂きたい生放送です。そんな感じで、今号のコンテンツはこちら↓┌───────────────────────────────┐├○    メルマガPLANETS  vol.27:2013.3.22├○                                       ├○  01.【人生相談】國分功一郎├○  哲学の先生と人生の話をしよう├○  第26回 「色々な情熱が薄れ、気力が萎えて困っています」├○                                    ├○  02.【ルポタージュ】カリホリ├○  テレビでは言えない話├○  最終回  発信は終わらない├○├○  03.【ルポタージュ】稲垣知郎+濱野智史├○  ちろうのAKB体験記├○  第12回  チームC、Cヲタについて├○├○  04.【過去原稿】今週のお蔵出し├○  3/22のお蔵出し:小さな物語と大きなゲーム├○          (初出:「広告」2011年10月号,博報堂)├○                                                         ├○  05.【クロスレビュー】今週の映画批評  PLANETS映画チーム├○  3/22の映画:『プラチナデータ』├○                                        ├○  06.【読者投稿】今週の読者の声├○                                        ├○  07.【告知】今週のスケジュール         ├○                                        ├○  08. 編集後記&次回予告               ├○                                                              └───────────────────────────────┘※一部の連載記事については、「メルマガPLANETS vol.26」からの続きとなっております。▼「vol.26」へのリンクはこちらです。http://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar158247未読の方は併せてお楽しみ下さい!┏┓----------------------------------------------------------┗■  01.【人生相談】哲学の先生と人生の話をしよう      國分功一郎(哲学者)---------------------------------------------------------------「〈哲学〉とはすなわち〈人生論〉でなければならない……!」そんな確信を抱く哲学者・國分功一郎が恋愛・就職・家族・自己表現……あらゆる悩みに正面から、そして哲学的にこたえる人生相談です。---------------------------------------------------------------「色々な情熱が薄れ、気力が萎えて困っています」相談者:石原さとみは深津絵里化しているさん(東京都・31歳・男性・会社員)Q.國分先生こんばんは。最近、色々なものへの情熱が薄れてしまって困っています。 セックス、ドラッグはもちろん、本、ゲーム、スポーツ、テレビ。今まで好きだったはずのものに全く食指がのびなくなってしまいました。ゲーム(RPG)をしているときに、ボタン押すのめんどくせえ、と思ったり、仕事に関係しない本は読まなくなってしまったり……。 気分転換もできず常に鬱々、とにかく何もする気力がなく、そのせいでさらに気力が萎える。そんなサイクルをもうずいぶん続けています。友人と会話中に話題を振られても「最近の流行りわかんないんだ……」で終了です。このままだと色々と支障をきたしそうな気がしますし、引退後のセカンドライフも心配です……。 國分先生、僕はどうしたらよいでしょうか。A.  ご相談をお寄せいただきありがとうございます。  三つお伝えしたいことがあります。  まず、僕もそういう経験があります。いろいろなことがおもしろいと感じられなくなってしまう。特に自分がそれまで熱中していたものが突然つまらなくなる。  よく覚えているのがTVゲームです。僕は小学生の時から、ファミコンやパソコンのゲームに並々ならぬ情熱を注いできたのですが(幼い頃は絶対にハドソンの社員になると決めていました)、確か中三の時です、世の中で話題の『ファイナル・ファンタジーII』というゲームをやっていたのです。割とこう言うゲームは得意でしたので、すらすら進んでいました。夜中でした。音を小さくして、家族が寝静まった後にやっていました。そうしたら突然、神からの啓示が降りてきました。 
  • 3/15のお蔵出し:岡田惠和×河野英裕「テレビドラマ『銭ゲバ』をめぐって」

    2013-03-18 16:43  
    103pt
    3/15のお蔵出し:岡田惠和×河野英裕 テレビドラマ『銭ゲバ』をめぐって         (初出:「PLANETS vol.6」)安易な漫画原作やリメイク作品が溢れる中、松山ケンイチ主演でドラマ化された『銭ゲバ』は原作漫画の毒を薄めることなく、同時に単なるリメイクにも収まらない、野心的な作品として登場した。その果敢な挑戦に秘められた思いを問うべく、脚本の岡田惠和氏とプロデューサーの河野英裕氏の対談を試みた。現代に『銭ゲバ』を復活させたその意図とは? そして作家とプロデューサーはそのとき何を考えていたのか?(取材:宇野常寛、中川大地  構成:成馬零一、中川大地)『銭ゲバ』ドラマ化の経緯――『銭ゲバ』おつかれさまでした。スタッフ一同非常に面白く見させていただきました。日テレの土曜9時台で、『銭ゲバ』というアナーキーなものがドラマ化されたということと、それを岡田さんが書かれるという二重の意味で衝撃的だったと思うのですが、まずは『銭ゲバ』の企画立ち上げの経緯を教えてください。河野  最初は、単純に岡田さんと一緒に仕事がしたいという意識しかなかったです。ただ、仕事をするには人としてのシンパシーが必要だから、まず会ってみたいってところからですね。最初はお見合いみたいに飯食って、単純に好きな音楽や漫画は何だとか、「俺は村上春樹になるつもりだった」「あぁ僕もそうでした」みたいな話をしていたんです(笑)。そんな中で、岡田さんが『銭ゲバ』って面白いよねって話が出て。岡田  単純にその頃、『銭ゲバ』を思い出してたんですよ。ちょっと前に『カラマーゾフの兄弟』や『罪と罰』といった世界の名作を漫画化した文庫が出てましたから、あのシリーズをほとんど読んだんです。それで最後まで印象に残ったのが『罪と罰』とスタンダールの『赤と黒』だった。そこから『銭ゲバ』を思い出したのかもしれません。子供の頃に読んで以来、一度も読み返してはいなかったので、原作の前半とラストしか覚えていなかったですけどね。あとはキャラクターの顔と。それも『アシュラ』とごっちゃになってたけど(笑)。その程度の記憶で「面白かったよね」って話をしたら、「持ってます」ってこの人が言うんだよね。河野  幻冬舎文庫に入る前の、今はなくなっちゃった出版社【編註:ソフトマジック】の分厚い一冊のやつを買ってたんですよ。企画に困ったときには自分の本棚とかを見るんですけど、表紙が金ピカですごい目立つので、いつも真っ先に目に入るんですよ。でも『銭ゲバ』に関しては規格外の作品なので、岡田さんに言われたときはドラマ化のことなど何も意識せずに、単純に貸しただけだったんです。それで、土曜9時枠というところに僕も囚われていたので、「ナチュラルに学園モノにしよう」とか「ファンタジックなものはどうですか」とか話を進めていて。だけど、岡田さんも全然違うものをやりたいっていう気持ちがあっただろうし、僕も違うことやりたかったので、もっと面白いものはできないかって発想でしばらく企画を考えてたら、岡田さんから夜中にメールが来たんですよ。「『銭ゲバ』読んだ」って。「あぁ今頃読んだんだ」って思ったんですけど(笑)、そのメールには「恐れ多いことを言うならば、これを書けるならば、作れるならば、絶対に名作になる」って書かれていたんです。岡田  すごいこと言うな。覚えてないや(笑)。読んでメール打ったのは覚えてますけど、中身は覚えてないですね。ヤバイね、そのメール(笑)。河野  それがきっかけです。携帯メールとは言え、作家がそれだけのことを書くという、この種をどうにかしない限り、プロデューサーとしてはイカンだろうと。そういうモチベーションがある時の方が、ゼロから築きあげてくよりは良かったりするじゃないですか。じゃあそこに賭けようと思ったのが、きっかけだったんですよ。まあ、そんなこと言いつつ過去に何回も断念してますけど(笑)。――本誌前号での岡田さんインタビューでは、「次は〝悪〟を描いてみたい」とおっしゃっていましたが、この『銭ゲバ』はまさにドンピシャでしたね。岡田  そうですね、不思議な流れです。ちょうど前にインタビューしていただいた去年ぐらいから、自分に煮詰まってたんですよね。そんなにテンション低かったわけじゃないんだけど、自分の引き出しの中だけで勝負してるなって感じがあって、普通に自分に来るオファーや、自分が普通にやれそうと思う作品に、ちょっと飽きていた。だから、次にやることをぼんやりと捜そうと思ってたんだけど、『銭ゲバ』を読んだ時に、脚本家になりたかった頃に、これをやりたかったんだよな、という気持ちが蘇ってきて。もちろんプロの眼もあるので、原作そのままでできるわけはないし、このままやっても面白いとも思わなかったけど。基本的に自分がどれだけその世界に入れるかが、原作ものをやるかやらないかの基準になってるんですよ。例えば、『イグアナの娘』の原作をもらった時にも、「何かできる気がする」っていう根拠のない予感みたいのがあったから。今回もこれは「何かをやれる」って思ったんですね。河野  岡田さんがそれだけ言うなら、名作になるって予感はあるじゃないですか。ではプロデューサーとして、どうやったら成立させられるんだ? 何か方法論あるはずだ、と思いながら動きだしました。まず、ジョージ秋山先生って怖いじゃないですか(笑)。会ったこともないし、あの漫画の巻末には先生のインタビューもあるんですけど、写真も怖いんですよ(笑)。だから、最初に原作者の雰囲気を見てから、社内をいろいろ巻き込んでいこうと。そしたら、すごく運がいいことに、息子の秋山命さんがジョージ先生の権利関係をまとめて管理していて、『みのもんたの朝ズバ!』とかの構成作家さんでもあるんですよ。業界の人で、「自分もオヤジの『銭ゲバ』や『アシュラ』や『恋子の毎日』や『ピンクのカーテン』を将来映像化したいと思ってたんです」とのことで、足がかりを探されていたんですね。すごくいい人で、原作者サイドのことは全て取り仕切ってくれたんです。だから僕らは誰も、ジョージ秋山先生とは一回も会ってないんです。でも、第4話の「へのへのもへじ」も率先して書いてくださいましたし、息子さん経由で松山ケンイチ君に直筆の風太郎の絵とかプレゼントをいただいたりして、「コレはコレ、アレはアレ」という考え方をちゃんと持ってくださっていたようなので、良かったです。岡田  その時点では、『銭ゲバ』が本当に成立するかわからなかったから、もちろん同時進行で別企画も考えてたんだけど(笑)。テレビって、「それがダメだったら残念でした」では済まなくて、ダメだったら何か別のことやらなきゃいけないから。どっかハンコ通らなかったらそれで終りで、それは僕らの熱意でできるものじゃないし。河野  全然違う原作も考えてましたよね。『銭ゲバ』が本命のA案だとすると、B案やB’案もいっぱいありました。――松山ケンイチさんはどのあたりから押さえられてたんですか?河野  松山君に演じてもらうことは、岡田さんと最初にやるって時から決まってました。それが一番デカかったと思いますね。じゃないと、『銭ゲバ』って発想に行かなかったかもしれないですよね。日本テレビという会社組織の中では僕は単なるヒラですから、部長に理解があれば部長が局長と掛け合うので、僕は直接の上司だけ口説けばいいわけです。『銭ゲバ』とB案、B’案を並べて、「どっちがいいと思いますか?」と投げかけたんですよね。そしたら、絶対『銭ゲバ』の方がいいという話になったという、そういう通し方をしました。だから社内のハードルはあまり高くなかったです。高かったのは営業現場ですね。スポンサーとか。――そうですね。気が付いたら、提供としてきちんとクレジットが残ったのはコカコーラ一社だけという(笑)。でも、そのことが逆に「こんなにいいドラマなのにスポンサーは理解がない」という意見がネットに出て、『銭ゲバ』を盛り上げていこうっていう空気につながった部分もありましたね。河野  ドラマと関係ないですけど、ああいう動きって面白いなって思いましたね。視聴者がそこまで裏読みして、コカコーラ製品を買って、テレビの前に座ります、みたいな。ちょっと胸が熱くなりました(笑)。――やっぱり松山さんで風太郎っていう部分のハードルが一番大きかったんですか?河野  確かにそこが、一番のハードルでもありましたね。企画の時もそうだけど、松山君が乗らずに「こんな悪い人は嫌です」って言われてたら、終わってたんです。でも僕らが想像していた以上に、松山君が原作を気に入って、こういうタッチでやりたい、テレビだから甘くしたんだって思われたくないってのがあったみたいです。これはマネージャーからしか聞いてないけど、『セクシーボイスアンドロボ』をやった後に、彼は彼なりに考えがあって、『セクロボ』は内容が若干難しかったから、テレビで次にやるなら自分のじっちゃんばっちゃんがワクワクして観られるものがやりたかったらしいんですよ。土曜9時だし、もっとわかりやすく楽しめて、笑えて泣けてっていうドラマをやりたいっていうイメージがあったらしいんだけど、投げたのが『銭ゲバ』だったでしょ。そのギャップが大きかったみたいですね。一方、僕らは僕らで大人の理屈があって、会社はもちろん松山君の事務所(ホリプロ)の担当マネージャーからその上層部まで、きっちり企画に納得してもらって、口説いていかなければならない。ホリプロサイドとも何度も話し合って、お互いがきっちり納得する形でないと、松山君に出てもらう意味はないし、ホリプロだって出す意味がない。  そこで、実は僕が書いた企画書は五種類ぐらいあったんですが(笑)、結果的にその中の一番軟弱なやつが松山くんに行ったんですよ。でも、それだと松山君は原作のキレだとかダークさとか本質的な部分が弱いじゃんってことを頭のいい子だから読みとるんですよ。それで、「だったらやる意味が無いじゃん」ってことを突きつけられたんです。岡田  あぁ、そういう段階だったんだ。それで一回苦しかったんですね。河野  で、松山君にこっちの気持ちを伝えるために岡田さんにも手紙を書いてもらって。岡田  A4用紙にびっしり7枚ぐらい、書いて(笑)。 僕の覚悟っていうか、そういうものを書いて、その後に松山君と会ったんですよ。そしたら松山君、「そんな所あったっけ?」と思うくらい原作を読み込んでいたので、逆にこれは大変だなって思った。河野  最初は僕が書いた企画書ではノーだったんですよ。原作のままやりたいっていう松山君の声が聞こえてきて。もう時間も無くなってきていたし、だから、その頃、『銭ゲバ』は一度飛んだんですよ。いつぐらいですかね、アレ。岡田  そうすね。秋……結構ギリだったねぇ。河野  結構ギリですよね。岡田さんはこういう人なんで、「大丈夫だよ。俺はプロなんだから」みたいな感じだったんですけど。僕は『銭ゲバ』がダメになった瞬間に岡田さんにも逃げられるって思ったんですよ。「どうしよう、岡田さんだけでも捕まえとかないと」って(笑)。岡田  ははは(笑)河野  まあ大丈夫だろうとはどこかで思いながらも、真摯に「すいません」って言ったら「いや、そんな逃げることなんて無いよ。やるよ僕は」って言ってくださったので、違う方向にシフトしていって、別の企画を考えようとしてたんですよ。――ドラマの企画って、そんなふうに飛んだりすることも多いんですか?河野  やりたいと思ってるスタッフがいて、やりたいと思ってる役者さんがいて、それで成立しないってことは、あんまり無いんですよ。そもそもムリ目のものは、そこまで動かない。もっと早い段階で諦めるし、企画を提出しないし。まあ、そこは考えが硬直化してるところもあって、「テレビでは無理だ」ってみんな最初から思いすぎちゃうんですよね。それはPも作家も、事務所も。やってみると、意外とそうでも無かったりする場合もあるんですけどね。 
  • 今週の映画レビュー:『ジャンゴ 繋がれざるもの』

    2013-03-15 19:30  
    【今週の映画】クエンティン・タランティーノ監督『ジャンゴ  繋がれざるもの』監督/クエンティン・タランティーノ  製作/ステイシー・シェア、レジナルド・ハドリン、ピラー・サボン出演/ジェイミー・フォックス、クリストフ・ワルツ、レオナルド・ディカプリオ、ケリー・ワシントン、サミュエル・L・ジャクソン南北戦争直前の1858年、アメリカ南部。黒人奴隷として売りに出されたジャンゴは、元歯科医の賞金稼ぎでキング・シュルツと名乗るドイツ人に買われる。差別主義を嫌うシュルツはジャンゴに自由を与え、賞金稼ぎとしての生き方を教える。ジャンゴには生き別れになったブルームヒルダという妻がおり、2人は賞金を稼ぎながら彼女の行方を追うが、やがて残忍な領主として名高いカルビン・キャンディのもとにブルームヒルダがいるということがわかり……。☆☆☆☆☆  極私的データベース消費を究めた怪物的大傑作☆☆☆☆【森直人:9点】
  • ☆メルマガPLANETS vol.26☆ ~『文化時評アーカイブス2012-2013』本日発売!!~

    2013-03-15 07:00  
    309pt
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                 ☆ メルマガPLANETS vol.26 ☆        ~『文化時評アーカイブス2012-2013』本日発売!!~           発行:PLANETS  2013.3.15 (毎週金曜日発行)                  http://wakusei2nd.com━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━こんにちは。PLANETS編集部・秘書A子です。今週の金曜日も、「メルマガPLANETS」をお送り致します。「『P8』は作品論が少なくて寂しい……」という、アニヲタ、ドラマファン、映画狂、音楽好き、マンガ読み、小説クラスタ、ゲーマーの皆さん、お待たせしました!本日、いよいよ『文化時評アーカイブス2012-2013』の発売です!……と言っても、一部大型書店さんでは既に一昨日辺りから並び始めていたようなのですが(汗)Amazon予約組の皆さん、もう少しお待ち下さい!↓↓↓以下に目次をご紹介↓↓↓・巻頭特集1:AKB48[対談]濱野智史×宇野常寛[宇野常寛コラム]「第4回AKB48選抜総選挙を考える」[座談会]「続・AKB48白熱論争」小林よしのり×中森明夫×濱野智史×宇野常寛[宇野常寛コラム]「ポスト・前田敦子のAKB48」・巻頭特集2:『平清盛』[座談会]金田淳子×高野麻衣×本郷和人×宇野常寛[対談]速水健朗×宇野常寛・巻頭特集3:『カーネーション』[対談]岡室美奈子×宇野常寛・1章 映画[作品セレクト対談]『ダークナイト ライジング』『桐島、部活やめるってよ』[宇野常寛コラム]『ヘルタースケルター』・2章 ドラマ[作品セレクト対談]『リーガル・ハイ』『リッチマン,プアウーマン』[インタビュー]脚本家・安達奈緒子・3章 アニメ[作品セレクト対談]『おおかみこどもの雨と雪』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』・4章 マンガ[作品セレクト対談]『バクマン。』・5章 ゲーム[総括座談会]井上明人×さやわか×中川大地・6章 音楽[総括座談会]佐藤讓×柴那典×さやわか×藤谷千明・7章 小説[総括寄稿]坂上秋成「本当の、『ネット時代の文学』の話をしよう」[対談]松谷創一郎×山内マリコ・巻末インタビュー 宇野常寛:『絶対に動かないもの』と『絶対に止まらないもの』・カバーガールインタビュー&グラビア 島崎遥香(AKB48)×青山裕企お手元にある方は、ぜひ「P8」と並べて置いて下さいね。あと、今月後半は生放送が2本あるので、こちらもご紹介~。http://live.nicovideo.jp/watch/lv129186191☆今月の10°イベントは、就活シーズンを受けて!?「仕事」がテーマですhttp://live.nicovideo.jp/watch/lv129933170☆ドラマにちなんで、男2×女2でお届け。中町綾子さん、速水健朗さん、両角織江さんと共に、最終回後の徹底評論!そんな感じで、今号のコンテンツはこちら↓┌───────────────────────────────┐├○    メルマガPLANETS  vol.26:2013.3.15├○                                        ├○  01.【人生相談】國分功一郎├○  哲学の先生と人生の話をしよう├○  第26回 「色々な情熱が薄れ、気力が萎えて困っています」├○                                     ├○  02.【ルポタージュ】カリホリ├○  テレビでは言えない話├○  第26回  おまえら、民主主義なめてるだろ├○├○  03.【ルポタージュ】稲垣知郎+濱野智史├○  ちろうのAKB体験記├○  第11回  1周年記念公演  秋葉原大運動会├○├○  04.【過去原稿】今週のお蔵出し├○  3/15のお蔵出し:岡田惠和×河野英裕 テレビドラマ『銭ゲバ』をめぐって├○          (初出:「PLANETS vol.6」)├○                                         ├○  05.【研究と探訪】小人論  ――暴走する片思いのメカニズム├○  第20回  [小人]の呪縛は世代を超える├○                                         ├○  06.【クロスレビュー】今週の映画批評  PLANETS映画チーム├○  3/15の映画:『クラウド  アトラス』├○                                         ├○  07.【告知】今週のスケジュール          ├○                                         ├○  08. 編集後記&次回予告                ├○                                                               └───────────────────────────────┘※一部の連載記事については、「メルマガPLANETS vol.25」からの続きとなっております。▼「vol.25」へのリンクはこちらです。http://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar149234未読の方は併せてお楽しみ下さい!┏┓----------------------------------------------------------┗■  01.【人生相談】哲学の先生と人生の話をしよう      國分功一郎(哲学者)---------------------------------------------------------------「〈哲学〉とはすなわち〈人生論〉でなければならない……!」そんな確信を抱く哲学者・國分功一郎が恋愛・就職・家族・自己表現……あらゆる悩みに正面から、そして哲学的にこたえる人生相談です。---------------------------------------------------------------【今号の「哲学の先生と人生の話をしよう」は、國分功一郎先生の体調不良により、臨時休載とさせて頂きます楽しみにして下さった皆さまにお詫び申し上げます】【来週は、改めて連載第26回として、相談者:石原さとみは深津絵里化しているさん(東京都・31歳男性)より頂いた「色々な情熱が薄れ、気力が萎えて困っています」というご相談にお答えします次号の先生の復活を楽しみにお待ち下さいませ】★★★重大発表!!!★★★メルマガで1、2を争う人気の本コーナーですが、今春、コンテンツ入替に伴い、惜しまれつつも連載終了することになりました……今まで悩んでいた方も、思い切って國分功一郎先生に人生相談をしてみませんか?友情の悩み、親子関係の悩み、お金の悩み、ダイエットの悩み……下らない内容、軽めの内容でも構いません。ご自身の悩みではなく、「周囲にこんなトラブルが!」というのもOKです。お住まいの都道府県・年齢・性別・職業・ペンネーム等をお書き添えの上、wakusei2nd.biz@gmail.com「人生相談係」までご連絡下さい。皆さまからのご相談、お待ちしております!▼執筆者プロフィール國分功一郎1974年生まれ。哲学者、高崎経済大学経済学部准教授。著書に『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社)など。http://ameblo.jp/philosophysellshttps://twitter.com/lethal_notion┏┓----------------------------------------------------------┗■  02.【エッセイ】テレビでは言えない話      カリホリ(ジャーナリスト)---------------------------------------------------------------マスメディアとソーシャルメディア、「放送と通信の融合」、そしてパブリック・アクセス……激変する情報環境の最先端を覆面ジャーナリスト!?「カリホリ」が、L.A.から発信!---------------------------------------------------------------▼本コンテンツは連載です。前回記事はこちらhttp://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar149234       第26回  おまえら、民主主義なめてるだろ 
  • 今週のお蔵出し:川上量生×奥田誠司×宇野常寛「新スタンダードアニメのビジネス戦略」

    2013-03-12 13:21  
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    3/8のお蔵出し:川上量生×奥田誠司×宇野常寛「新スタンダードアニメのビジネス戦略」        (初出:シアターカルチャーマガジンT.【ティー.】18号)  日本のコンテンツ(とりわけアニメ)はどのように消費されているのか、また、世界に伝えていくにはどうしたらいいのか。この難題に日々、向き合っているお三方を紹介しよう。川上量生さんは〝ニコ動〟ことニコニコ動画で知られるドワンゴの代表取締役会長でありながら、スタジオジブリの代表取締役・鈴木敏夫氏のもとに〝見習い〟として就き、ジブリにも所属中。奥田誠治さんは実写のみならず、ジブリ映画や細田守監督作のエグゼクティブプロデューサーも務めており、宇野常寛さんはアニメをはじめ、現代のコンテンツ全般に精通する気鋭の批評家だ。  鼎談はまず、宇野さんの、次のような刺激的な考察から始まった。(取材・文=轟夕起夫)宇野「いまの日本のアニメって僕が考えるに、まったく異なる2つの階層で動いていると思うんですよ。つまりどちらかと言えばアニメーション本来の〝動画と物語の快楽〟で観客を魅了するジブリ的な作品と、映像自体から半ば独立してキャラクターや背景の科学設定や架空歴史が二次創作的にファンコミュニティに消費される傾向が強いマニア向けの作品では楽しまれ方のメカニズムがまったく違うはずなんです。もちろん、たいていの作品はこの2つの要素を同時に備えている。しかし、いまの日本のアニメの〝受け取られ方〟を見ていると、両者の差ははっきりと出ているように思えるんです。ちなみに後者は70年代の『宇宙戦艦ヤマト』に端を発し『機動戦士ガンダム』『新世紀エヴァンゲリオン』といったシリーズもの、はたまた現在の多くの深夜アニメが該当します」川上「15年前、『エヴァ』の最初の劇場版が登場してアニメ史を刷新しましたが、その年にジブリの『もののけ姫』も公開され、当時の日本映画の興行成績を塗り替えた。極端に言えばそれらは、別の階層で起こった現象だということですよね」 
  • 哲学の先生と人生の話をしよう:「問題のある先輩に、どのように対処すれば良いでしょうか?」

    2013-03-11 13:39  
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    第25回「問題のある先輩に、どのように対処すれば良いでしょうか?」相談者:ドリトスさん(東京都・28歳女性・会社員)Q.國分先生、こんにちは。「人生相談」コーナー、毎号おもしろく拝読しております。人生の悩みというほど大きいものではないのですが、最近仕事で、というか職場で悩んでいることがあります。簡単に言うと、仕事のやり方にいささか問題があるのではないかと思っている先輩がいるのですが、それを自分のような後輩が指摘していいものか?ということです。上司が言うのがベストなのはもちろんですが、今のところ上司から先輩にその点を指摘する様子は見受けられません。上司が何か言うのを待つべきなのか、あるいは上司に働きかけて伝えてもらうべきか……。どのやり方が一番円満なのだろうか、と考えている次第です。國分先生に聞くよりビジネス書でも読めよ、という話なのかもしれませんが、おうかがいしてみたいです。よろしくお願いいたします。A.  ご相談をお寄せいただきありがとうございます。  僕は大学の教員で、普段の仕事はほとんど個人プレーです。また、出版関係でいろいろな方とお仕事させていただいていますが、その場合は、やりたいことだけをやることができます。つまり、気が乗らない仕事なら受けないし、一緒に仕事をしたい人とだけ仕事をするわけです。  ですから、ドリトスさんのような悩みをもつことはあまりないのですが、やはりないわけではなくて、教員で協力してやらないといけない仕事というのもあるんですね。その場合には、ドリトスさんと似たような印象を他の人の仕事に対してもつこともあります。  まぁ僕の場合は面倒になると「ああ、僕がやりますよ」といってさっさと片付けるとかいう場合が多いですね。でもこういうやり方は自分一人で仕事を抱え込むことになるのでよくないです。ごくたまに本人にも言います。けれど、一番穏便なのは、上司に頼んで言ってもらうことでしょう。  この相談はより広い問題に関係しているので、話を拡大してみましょう。  誰かやどこかの機関がマズいことをしようとしていて、それを何とかして止める、あるいは違う方向に持っていこうとする場合にどうしたらいいか?  これは大変重要な問題ですね。一言で言うとそれは政治になります。 
  • 今週の映画レビュー:『横道世之介』

    2013-03-08 15:10  
    【今週の映画】沖田修一監督『横道世之介』原作/吉田修一 脚本/前田司朗 監督/沖田修一出演/高良健吾、吉高由里子、池松壮亮、伊藤歩、綾野剛「悪人」「パレード」の吉田修一による青春小説を、「南極料理人」の沖田修一監督が映画化。1980年代を舞台に、長崎の港町から大学進学のため上京したお人好しの青年・横道世之介や、その恋人で社長令嬢の与謝野祥子らが謳歌した青春時代を、心温まるユーモアを交えながら描く。☆☆☆☆☆  原作よりも寓話的な味わいが遥かに増している☆☆☆【森直人:8点】びっくりした。吉田修一の原作よりも遥かに寓話的な味わいが増しており、監督・沖田修一&脚本・前田司郎、そして高良健吾をはじめとする役者陣の律儀な仕事が不思議な表現のマジックを起こしている。内容をざっくり言うと『フォレスト・ガンプ/一期一会』+『サニー 永遠の仲間たち』だが、回想と現在の間にある十数年の「描かれなかった部分」