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  • 【特別対談】加藤貞顕(cakes)×宇野常寛「テキストコミュニケーションとかつて〈本〉と呼ばれたものの未来について」(毎週金曜配信「宇野常寛の対話と講義録」) ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.577 ☆

    2016-04-29 07:00  
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    【特別対談】加藤貞顕(cakes)×宇野常寛「テキストコミュニケーションとかつて〈本〉と呼ばれたものの未来について」(毎週金曜配信「宇野常寛の対話と講義録」) 
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.4.29 vol.577
    http://wakusei2nd.com



    今朝は、cakesやnoteを運営する株式会社ピースオブケイク代表取締役CEOの加藤貞顕さんと宇野常寛の対談をお届けします。「メディアビジネスの未来」をテーマに、『PLANETS』の歴史を振り返るとともに、情報環境の変化や、その中でこれからの時代に求められるコンテンツの形について語り合いました。(初出:「cakes」メディアビジネスの未来【特別編】)

    毎週金曜配信中! 「宇野常寛の対話と講義録」配信記事一覧はこちらのリンクから。
    ▼プロフィール

    加藤 貞顕(かとう・さだあき)
    アスキー、ダイヤモンド社に編集者として勤務。『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(岩崎夏海)、『ゼロ』(堀江貴文)など話題作を多数手がける。2012年、コンテンツ配信サイト・cakes(ケイクス)をリリース。2014年、クリエイターとユーザーをつなぐウェブサービス・note(ノート)をリリース。
    ◎構成:大山くまお
    ■最初は自己実現、能力の証明の手段だった
    加藤 今回は、「メディアビジネスの未来」というテーマで、宇野さんにお話をお伺いできればと思います。現在は評論家としての活動のほか、PLANETSという会社を立ち上げて、雑誌『PLANETS』の刊行や有料メルマガ「ほぼ日刊惑星開発委員会」の発行など、さまざまな活動をされています。
    まずは、『PLANETS』というメディアの始まりから、今に至るまでのお話を教えていただけますか?
    宇野 雑誌の『PLANETS』を最初に作ったのは、もう10年くらい前ですね。当時、京都で普通に会社員をしていたんです。でも物書きをしたい、自分でメディアを作りたいという気持ちが強くなっていて。東京の出版業界に強いコネクションがあったわけでもなく、地方にいるので情報発信の仕事に就くのは難しい。でも、もし自分で雑誌を作って、それが売れたら、自分たちの能力の証明になるんじゃないかと考えたんです。
    それで、僕がおもしろいと思っている書き手の人たちに声をかけて、ウェブサイトで評論活動を始めました。その集大成として作った雑誌が『PLANETS』です。
    加藤 当時は、宇野さん、27歳くらいですよね。僕、『PLANETS』が創刊されたころのことを覚えています。いきなり、おもしろいことをやっているコンテンツ群がネット上に現れて、雑誌まで出してしまう。ぼくは当時、出版社の編集者だったんですが、なんだこれは、と思いましたよ。『PLANETS』は、最初からビジネスにするという気持ちで立ち上げたのですか?
    宇野 いや、そういうわけでもないですね。当時は「自分たちの方が東京の業界人よりアンテナも高いし、おもしろいものが作れるんだ!」という強い気持ちがあって作ったんですけど、今思うと、若さゆえの過ちですよね(笑)。でもね、案外間違ってなかったとも思います。実際、本屋に並んでいる雑誌に同世代の書き手がちらほら載り始めて、まあ、端的に言ってまったく面白くなかったんですよね。だから「これは自分たちでやった方がいい」と思ったんです。僕は昔から、文句ばっかり言って自分では手を動かさないという人たちが一番嫌いなので、自分たちでやってみようとすぐ思ったわけです。
    じつは『PLANETS』を作る前、学生の頃の同人サークルのつながりで知り合った編集者に「僕はそこらへんの人たちより、おもしろいものが書けるので仕事をください。その証明のために、僕たちはこれからホームページを立ち上げるし、雑誌も作ります」とメールしたんですよね。
    加藤 メールでそんな宣言をしてから『PLANETS』を作ったんですか! かなり気合いが入ってますね。しかも当時、会社員だったんですよね。
    宇野 会社員です。出版に関してはほとんど素人でした。当時の直属の上司が、やはり会社員しながらペンネームでずっと本を書いている全共闘世代の人で、彼の影響も大きかったですね。
    加藤 へええ。その創刊号は売れたんですか?
    宇野 最初は、形になればいいというくらいの気持ちでした。創刊号は200部刷って売り切れたので150部増刷して、これも売り切れました。「よかったよかった、これで次の号も作れるね」くらいの話しかしていなかったと思います。
    その後、部数を増やしていき、中身もどんどんやりたいことを妥協せずに放り込んでいった。制作費は全部僕が出していましたけど、最初の頃はみんな手弁当で、儲かったお金は全部他の号につぎ込むという形でしたたね。
    加藤 それから『SFマガジン』の編集者から声がかかって、最初の単著『ゼロ年代の想像力』につながったんですか?
    宇野 はい。『PLANETS』が売れ始めて、東京の出版社からお仕事をもらうようになった頃、以前に僕がメールを出した編集者の方が『SFマガジン』の塩澤編集長を紹介してくださったんです。そのとき、かなりゴツい企画書を持ち込んで売り込みました。字数的には1万字近い連載プランのような企画書でした。

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  • おそ松さん――社会現象化した"覇権アニメ"が内包するテレビ文化の隔世遺伝(石岡良治×宇野常寛)【月刊カルチャー時評 毎月第4水曜配信】☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.575 ☆

    2016-04-27 07:00  
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    おそ松さん――社会現象化した"覇権アニメ"が内包するテレビ文化の隔世遺伝(石岡良治×宇野常寛)【月刊カルチャー時評 毎月第4水曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.4.27 vol.575
    http://wakusei2nd.com



    今朝のメルマガは、『おそ松さん』をめぐる石岡良治さんと宇野常寛の対談をお届けします。『おそ松さん』が社会現象化した理由を、テレビバラエティの伝統を背景に語ります。(初出:「サイゾー」2016年4月号(サイゾー))


    (出典)株式会社ぴえろ 作品情報「おそ松さん」より
    ▼作品紹介
    『おそ松さん』
    原作/赤塚不二夫 監督/藤田陽一
    シリーズ構成/松原秀 キャラクターデザイン/浅野直之 制作/スタジオぴえろ 放映/テレビ東京ほか(15年10月~16年3月)
    『おそ松くん』の世界から月日が流れ、ニートで童貞の大人になった六つ子が描かれる。各話が完全な続きもののストーリーになっているわけではなく、1回の放送で複数のショートネタが入っている回もある。
    ▼対談者プロフィール
    石岡良治(いしおか・よしはる)
    1972年東京生まれ。批評家・表象文化論(芸術理論・視覚文化)・ポピュラー文化研究。青山学院大学ほかで非常勤講師。PLANETSチャンネルにて「石岡良治の最強☆自宅警備塾」を放送中。著書に『視覚文化「超」講義』(フィルムアート社)、『「超」批評 視覚文化×マンガ』(青土社)など。
    ◎構成:金手健市
    『月刊カルチャー時評』過去の配信記事一覧はこちらのリンクから。
    ■ もはや社会現象化した“覇権アニメ”が内包するテレビ文化の隔世遺伝
    石岡 『おそ松さん』、まさかここまで圧倒的な作品になるとは、始まる前は予想もしてませんでした。もはや深夜アニメの1作品というより、これ自体がひとつのジャンルなんじゃないかっていうくらい、コンテンツが広がりを持っている。監督・脚本は『銀魂』と同じ組み合わせ【1】ですが、『銀魂』がいま動かしにくくなっている中で、そこで本来やりたかったことのコアな部分を非常に拡大してやれてしまっているというか。正直この企画は、コケていたらめちゃくちゃサムかったはずの相当リスキーな作風だった。
     『おそ松くん』はこれまで2度アニメになっている【2】けど、どちらもイヤミの「シェー」で当たった作品だった。チビ太とイヤミの人気が出て、タイトルこそ『おそ松くん』だけど六つ子は完全な脇役。ただしそれは作者の赤塚不二夫が六つ子の描き方も台詞もほぼ区別していないという、いってみればポップアートのようなコンセプチュアルなネタだったからでもある。それを『おそ松さん』では六つ子それぞれに人気声優【3】を当てて、キャラをつけまくった。
     その上で、なぜ「コケていたらサムかった」と思ったかというと、「(六つ子の)こいつはこういうキャラ」というのを前提にして、そのキャラならやらなそうなことを急に豹変してやってしまうという、ハイコンテクストなネタをどんどんぶち込んでくる。これはいま観ると大ヒット前提で作り込んできたように見えるんだけど、外したらかなり痛々しいことになっていたはずで、そこをきっちり決めてきたのはすごい。“スベり笑い”も多くて、2話を観たときに「大丈夫か?」ってちょっと思ったんですよ。ローテンションな話が延々繰り返されて、ギャグも投げっぱなしであまり回収しない。人によっては本当につまらないネタも必ずあるはず。それを補ったのが、さっき言った通りひとつのジャンルと言ってもいいくらい幅広い作風にする、手数を増やすというリスクヘッジだった。つまりネタのバリエーションが広い。僕はそんなにバラエティを多く観るほうではないけど、お笑い番組的な知性が発揮された構成の良さが出たんじゃないかと思った。

    【1】監督・脚本は『銀魂』と同じ組み合わせ:アニメ『銀魂』は、実在の人物やテレビ番組、ほかのアニメ作品をパロディにしたりキツめにイジったりするネタが多いことで知られている。『おそ松さん』の藤田陽一監督は第2期で監督を務め(現在は監修)、脚本の松原秀は3期から参加している。
    【2】これまで2度アニメになっている:1度目は66年(白黒アニメ)、2度目は88年放映。
    【3】人気声優:六つ子のキャスティングは以下の通り(カッコ内は代表的出演作)。おそ松:櫻井孝宏(『コードギアス 反逆のルルーシュ』)/カラ松:中村悠一(『劇場版 機動戦士ガンダム00』)/チョロ松:神谷浩史(『進撃の巨人』)/一松:福山潤(『暗殺教室』)/十四松:小野大輔(『ジョジョの奇妙な冒険』)/トド松:入野自由(『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』)


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  • 落合陽一自身が読み解く『魔法の世紀』 第3回 イシュードリブン時代のプラットフォーム論(毎月第4火曜配信『魔法使いの研究室』)☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.574 ☆

    2016-04-26 07:00  
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    落合陽一自身が読み解く『魔法の世紀』 第3回 イシュードリブン時代のプラットフォーム論(毎月第4火曜配信『魔法使いの研究室』)
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.4.26 vol.574
    http://wakusei2nd.com


    今朝の「魔法使いの研究室」では、『魔法の世紀』の第3章「イシュードリブンの時代」を取り上げます。コンテンツがプラットフォームの共有圧の下で力を失った時代、どうすればその支配から逃れらるのか。プラットフォームの外部を指向する「イシュードリブン」という考え方を取り入れた、新しいクリエイティビティのあり方を提示します。
    ▼『魔法の世紀』第3章の紹介

    「プラットフォーム」という新しい仕組みが台頭し、ウェブのみならず都市までもがコンテンツを内包する巨大なプラットフォーム構造として存在するようになった時代、その外部を射程に含めた「全体批評性」を獲得するには、いかなる方法がありえるのか。現代アートやコンピュータ科学の世界で見出された手法、「問題を発見し、問題を自ら解く」をヒントに、プラットフォームに取り込まれない作品や表現のあり方を考えます。


    【発売中!】落合陽一著『魔法の世紀』(PLANETS)
    ☆「映像の世紀」から「魔法の世紀」へ。研究者にしてメディアアーティストの落合さんが、この世界の変化の本質を、テクノロジーとアートの両面から語ります。
    (紙)http://goo.gl/dPFJ2B/(電子)http://goo.gl/7Yg0kH
    取り扱い書店リストはこちらから。http://wakusei2nd.com/series/2707#list
    ▼プロフィール
    落合陽一(おちあい・よういち)
    1987年東京生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程を飛び級で修了し、2015年より筑波大学に着任。コンピュータとアナログなテクノロジーを組み合わせ、新しい作品を次々と生み出し「現代の魔法使い」と称される。研究室ではデジタルとアナログ、リアルとバーチャルの区別を越えた新たな人間と計算機の関係性である「デジタルネイチャー」を目指し研究に従事している。
    音響浮揚の計算機制御によるグラフィクス形成技術「ピクシーダスト」が経済産業省「Innovative Technologies賞」受賞,その他国内外で受賞多数。
    『魔法使いの研究室』これまでの連載はこちらのリンクから。
    前回:落合陽一自身が読み解く『魔法の世紀』第2回 エジソンはメディアアーティストである(毎月第4火曜配信『魔法使いの研究室』) 
    ▼放送時の動画はこちらから!
    http://www.nicovideo.jp/watch/1457358318
    放送日:2016年2月29日
    ◎構成:長谷川リョー
    まずは前回のおさらいから始めます。『魔法の世紀』の第2章のテーマは「心を動かす計算機を作る」でした。その中で「心を動かす計算機」として挙げたのが「メディアアート」です。
    メディアアートについて、単に、電気やコンピュータを使ったサイバーチックなアートのことだと思っている人がいるかもしれません。油彩画を描いているような芸術家が僕の作品を見たら「低俗な!」と怒り出すかもしれない。
    しかし、問題はそこではないのです。絵画が芸術の中心だった時代、画家のやるべきことは「絵を描くこと」であり、その定義は明確でした。しかし、現在の画家は「絵を描くこと」自体を疑うことなく、素朴に絵を描くのは難しい。芸術家は「なぜ私はこういう表現をするのか?」という目的の前提を考えなければならないのです。
    人間がインターネットによって同質化される時代においては、「技法」と「表現」の両方を発明しなければ、訴求力を持てません。現在は「メディアの部分」と「アートの部分」がせめぎあっている時代で、そこでは「テクノロジー」が非常に重要なパートになる。これが前回までのお話でした。
    ■「イシュードリブンの時代」では“問題設定”そのものが重要になる
    今回取り上げる第3章のタイトルは、「イシュードリブンの時代」です。「イシュードリブン」という言葉は、安宅和人さんの著書『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』の中で使われていて、とてもいい言葉だったので第3章のタイトルに使わせてもらいました。アクションドリブン、カスタマードリブン、デザインドリブンといった「〇〇駆動」を意味する言葉がありますが、その一種としての「イシュー(問題)ドリブン」です。
    イシューとは「問題や論点」のことです。安宅さんのこの本には「問題を解くことよりも、どのような仮説を立て、どうやって問題を組み立てていくのかの方が重要である」ということが書かれています。
    『魔法の世紀』では、この考え方を援用して、プラットフォームの外部に立つ方法を論じています。それは「問題」と「解法」を同時に内包するコンテンツを作り出すこと。まだ世の中に存在していない問題をコンテンツが発見し、それに対する解法を生み出していくということです。「何をどうしたのか」の「何」の部分にあたる問題設定が、極めて重要な時代になってきている。今日はそういう話をします。

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  • 月曜ナビゲーター・宇野常寛 J-WAVE「THE HANGOUT」4月18日放送書き起こし! ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.573 ☆

    2016-04-25 18:00  
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    2016.4.25 vol.573
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    大好評放送中! 宇野常寛がナビゲーターをつとめるJ-WAVE「THE HANGOUT」月曜日。前週分のラジオ書き起こしダイジェストをお届けします!

    ▲先週の放送はアーカイブがございません。今夜の放送はこちらからご覧いただけます!

    ■オープニングトーク
    宇野 時刻は午後11時30分を回りました。みなさんこんばんは、宇野常寛です。そして松岡茉優さん、今夜も本当にお疲れさまでした。今夜も茉優さんの後ろ頭には本当に癒されました。茉優さんの後ろ頭を見ていられるスタンバイのこの数分間は、僕の1週間で最大の癒しです。でも残念ながら、今スタジオの中でトークをしていますが、僕のこのトークはまったく届いていないですね。あっ! 振り向いてくれた! 茉優さんお疲れさまでしたー!
    さて、普通にトークに入っていこうと本当は思ったんですが、その前に一言だけ。熊本を始め九州の皆さん。放送局的にはネットしているわけじゃないんですけれど、もし聞いてくださっていたら、この放送で少しでも元気になってもらえたらいいなあと思っています。僕は、熊本に家族がいるわけでもないし、友達もたぶん住んでいないです。しかし、関係がない人のことも、なぜか仲間のように思えるというのがラジオのいいところだと思うんですよね。そして、J-WAVEでもホームページの方で熊本地震の災害義援金のご案内をしています。ちょっとでも引っかかるものがありましたら、ぜひともご協力をお願いします。今夜は電波の限界、ネット局の限界を超えて、熊本まで届けるつもりで放送したいと思います。
    今日の放送はスペシャルウィークです。このあと、僕が8年前から超会いたかったウルトラスーパーシークレットゲストがやってきます。というか、実はもうここに座ってます。今、目が合いました。僕の眼の前に座っています。
    ぶっちゃけ言うと、この方に来ていただくまでに本当にいろいろなドラマがあったんですよ。今回はスタッフの中でも意見が分かれていて、ゲストがなかなか決まらなかったんですよね。それで、ああでもないこうでもない、いやこっちの方が面白いんじゃないかとか、そんな議論をしている間にどんどん日程が近づいてきて、もう間に合わないから月曜だけゲストなしでもしかたないのでは、というところまで来ていたんですよ。そのとき、今ガラスの向こう側に座っている日浦プロデューサーがふと言ったんですよ。「宇野さん、まだ会ったことない人で会いたい人はいないですか?」と。これが意外と盲点だったんですよね。
    僕は10年前から自分で雑誌を作っているので、基本的に会いたい人には自分からガンガン会いに行っているんですよ。影響を受けた作家さんは取材で自分からアポをとって会いに行っているし、好きなアイドルさんや女優さんはどんどん雑誌の表紙にしてきたんです。だから、こうやって番組を利用して会いたい人に会うということを、これまでの人生であんまり考えてこなかったんですよ。そこで、ふと自分の胸に手を当てて考えてみたんです。「僕がいま一番会いたい人って誰なのかな」って。その時にパッと浮かんだのが、女優の「三倉姉妹」さん。双子のマナカナさんですね。その顔がパーっと浮かんだんですよ。

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  • 【緊急対談】石川善樹 × 安宅和人 人間は臨死体験せずに根性論を突破できるのか? 後編 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.572 ☆

    2016-04-25 07:00  
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    【緊急対談】石川善樹 × 安宅和人人間は臨死体験せずに根性論を突破できるのか? 後編
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.4.25 vol.572
    http://wakusei2nd.com


    今朝は、先日終了した人気連載「〈思想〉としての予防医学」著者の石川善樹さんと、『イシューからはじめよ』著者にしてヤフー・ジャパンCSO・安宅和人さんの対談記事の後編をお届けします。前回で、「根性論」の撲滅について一定の結論を得た安宅氏と石川氏。今回はその先にある、本当に〈効率的〉な物事の進め方とはどんなものかを語り合います。
    ▼プロフィール

    安宅和人(あたか・かずと)
    ヤフー株式会社チーフストラテジーオフィサー。データサイエンティスト協会理事。応用統計学会理事。東京大学大学院生物化学専攻にて修士課程修了後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。4年半の勤務後、イェール大学脳神経化学プログラムに入学。2001年春、学位(Ph.D.)取得。ポスドクを経て2001年末、マッキンゼー復帰に伴い帰国。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域における中心メンバーの一人として、飲料・小売り・ハイテクなど幅広い分野におけるブランド立て直し、商品・事業開発に関わる。2008年9月ヤフー株式会社へ移り、COO室長、事業戦略統括本部長を経て2012年7月より現職。幅広い事業戦略課題の解決、大型提携案件の推進に加え、市場インサイト部門、Yahoo! JAPANビッグデータレポート、ビッグデータ戦略などを担当。著書に『イシューからはじめよ』(英治出版)がある。

    石川善樹(いしかわ・よしき)
    (株)Campus for H共同創業者。広島県生まれ。医学博士。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとして学際的な研究を行う。専門分野は、行動科学、マーケティング、計算創造学、計算社会科学等。ビジネスパーソン対象の講演や、雑誌、テレビへの出演も多数。NHK「NEWS WEB」第3期ネットナビゲーター。著書に『疲れない脳をつくる生活習慣』、『最後のダイエット』、『友だちの数で寿命はきまる』(マガジンハウス)など。
    ◎司会:宇野常寛
    ◎構成:稲葉ほたて
    本メルマガで連載していた『〈思想〉としての予防医学』これまでの記事一覧はこちらのリンクから。
    本対談の前編はこちらから。
    ■研究結果が教える「効率のいい働き方」
    石川 最善の学習戦略とは何か。そんなことを研究した論文が2010年のサイエンス誌に出ていました。
    その研究は、複雑な環境を生き抜く上で、「外に新しい情報を取りに行く」のと「自分で実験・考察する」のを、どれくらいのバランスで行うとよいのかシミュレーションしたものです。
    すると、外に情報を取りに行くのを「9」、自分で試行錯誤するのを「1」くらいの比率でやるのがもっとも生存確率が高いというんです。
    正直、ちょっと意外な結果でした。一人でもんもんと悩むのはそんなに効率が悪いことなのかと(笑)。そんなことより、よい情報はもう十分外にあるから、それを取りにいけばいいのだと。
    安宅 ああ、これはマッキンゼーでもよく言われていた話です。「Don't reinvent the wheel」――すなわち「車輪を再発明するんじゃない」と。
    世界中の大企業の7割とかをクライアントに持っていて、広範な最先端の経営課題についてコンスタントに誰かが扱っているのだから、もうどこかに何か解答か、カギになるモノの見方が転がっている可能性が高い。「とにかくまずは聞いて回れ」というわけです。すると、実際、多くの場合、ある程度の方向性はわかってしまう(笑)。
    最初、向かうべき方向性が360度、すべての方向性にありえるように見えても、この30度の辺りに答えがあるなと見えてくる。この削ぎ落とされた330度のバリ取りのパワーというのはとてつもないです。
    石川 プロジェクトが始まる前に、本当にダメな手法の8~9割を知っている。
    安宅 そうなんです。
    まだ若かった頃に、社是的な考えである「DISTINCTIVEであれ」という言葉について、あるグローバルなトレーニングで世界中から集まった同僚とディスカッションしていたことがあります。すると北米オフィスのある男が「そんなのシンプルだよ」と言うんです。
    彼はDISTINCTIVEであるというのは”know the person who knows the stuff”だというのです。つまり、「それを知ってる人を知っているかどうか」が「DISTINCTIVE」の意味だと。その言葉に、そこにいたみんなシビレてしまいました。
    僕は一度会社をやめて、アメリカの大学で研究者に戻ったのですが、アメリカの大学の強さも半分ぐらいはそこにあると思いました。主要な研究大学では、関連する大半の分野で一流の研究者が揃っていて、しかも国内の近くの大学に世界レベルの専門家が普通にいるので、下のフロアに行ったり、それで無理でも、近くの町の別の大学に行けば、もう30分とか1時間で、そのテーマについての専門家に会え、フランクに話ができるんです。自分が知らないラボでも、「お前、Johnのところに行って習ってこい、言っておいてやるから」とか。あの感覚が、あまり語られないことですが、アメリカの研究を生み出す与件的なベースになっている……。これは大変に印象的でした。
    石川 しかし、そう聞くと「車輪の再発明をするな」というのは、先ほどの学習効率の研究と照らしあわせても、「根性論」に陥らない重要な手法ということになるのでしょうね。
    安宅 ですね。ただ僕はこれをストレートにやることには、心理的な抵抗がすごくあるんです(笑)。
    石川 なんと(笑)。その理由を詳しく教えてください!

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  • 【特別インタビュー】ロビイストは日本的政治風土を変えうるか? マカイラ株式会社代表・藤井宏一郎が語る「パブリック・アフェアーズ」(毎週金曜配信「宇野常寛の対話と講義録」) ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.571 ☆

    2016-04-22 07:00  
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    【特別インタビュー】ロビイストは日本的政治風土を変えうるか? マカイラ株式会社代表・藤井宏一郎が語る「パブリック・アフェアーズ」(毎週金曜配信「宇野常寛の対話と講義録」)
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.4.22 vol.571
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    今朝のメルマガは、元Googleで現在はマカイラ株式会社の代表を務める藤井宏一郎さんのインタビューです。日本では数少ない、政治と企業とをつなぐ「ロビイング」を仕事としている藤井さんは、旧来的な中間団体や談合がはびこる日本の政治風土に、どのような新風を吹き込もうとしているのか。藤井さんが考えるロビイストの役割と理想について、お話を伺いました。
    毎週金曜配信中! 「宇野常寛の対話と講義録」配信記事一覧はこちらのリンクから。
    ▼プロフィール

    藤井宏一郎(ふじい・こういちろう)
    テクノロジー産業や非営利セクターを中心とした公共戦略コミュニケーションの専門家として、地域内コミュニケーションから国際関係まで広くカバーする。科学技術庁・文化庁・文部科学省にて国際政策を中心に従事した後、PR 会社フライシュマン・ヒラード・ジャパン株式会社にて企業や非営利団体のための政策提言・広報活動を行った。その後、Google 株式会社執行役員兼公共政策部長として同社の日本国内におけるインターネットをめぐる公共政策の提言・支援活動や東日本大震災の復興支援活動などを率いた。東京大学法学部卒、ノースウェスタン大学ケロッグ経営学院卒 MBA(マーケティング及び公共非営利組織運営専攻)。PHP総研コンサルティングフェロー。情報通信政策フォーラム理事。Asia Pacific Institute for Digital Economy 理事。国際協力団体・一般社団法人ボランティアプラットフォーム顧問。日本 PR 協会認定 PR プランナー。
    ◎聞き手:宇野常寛
    ◎構成:稲葉ほたて
    ■パブリック・アフェアーズとは何か
    宇野 藤井さんとはじめてお会いしたのは、数年前ですね。当時はGoogleにいらっしゃって、この前のお正月に久しぶりにお会いしたときに、藤井さんのご活動についてお伺いしたのですが、とても面白いと思いました。ただ、同時に説明が非常に難しいなとも思ったんです。けれど藤井さんのようなプレイヤーがいることとその活動を、このメルマガの読者に伝えることはとても価値があることだと思ったので、取材をお願いした次第です。
    藤井 そうですね(笑)。でも、ひとまず説明してみましょう。
    私は現在、マカイラ株式会社というコンサルティングファームをやっているんです。これが何の会社かというと、「イノベーション・アドボカシー」をやる会社になります。「アドボカシー」というのは広く「政策などの提唱活動」という意味の英語ですが、その意味するところは提言するだけに留まりません。PR活動、イベント開催、ロビー活動……まで広くその政策過程に入り込んで支援していく業務なんですね。
    たとえばあくまでも例ですが、今話題になっているシェアリングエコノミーだったら、そのための新たな規制について、新規産業側の視点に立って積極的に提言していくことになります。規制についてであれば、民泊と旅館業法の問題や、ライドシェアだったら道路運送法の問題がある。そういうことに関して、法律事務所さんなどの手を借りたりしながら、「日本の規制はこういうふうになっていて、こういう問題がある」ということを分析するわけです。すると「法律や政策をこういうふうに変えれば、このビジネスは実現できるんじゃないか」ということが提案できるんですね。
    で、その上で規制当局――つまり霞ヶ関で実際に法律を所管している役所のお役人の方々にお会いして、「こういうビジネスを日本でやりたいのだが、こういう問題があって、諸外国ではこういう形で法律が改正されてうまくいっている。日本でもなんとかならないか」と話すわけです。もちろん、その一方で永田町にいる先生方にもお会いして、同じようなご説明を差し上げます。
    さらに経済団体や産業団体も関わってくるので、そういう方々にもお会いして、味方になってくれそうな人たちに「ぜひ一緒にやりましょう」と言って、巻き込んでいきます。同様の問題で困っているベンチャー企業などにも当たって、「この運動を一緒に巻き起こしましょう」と話します。
    宇野 基本的にはロビイング活動の啓蒙とサポートをしているわけですね。
    藤井 もちろんそれだけではなくて、ときにはイベントなどを開いて、ユーザーの組織化も積極的に行います。あるいは、経済分析をやるようなコンサルティング会社さんと組んで、具体的な経済効果を算出したりもしますしね。
    宇野 政治過程の一連のプロセスに総合的に関わっていく仕事がパブリック・アフェアーズだということですね。
    藤井 そうです。
    今、我々はテクノロジーのものすごく面白い転換期にいるんですよ。情報通信革命という言葉はこの20年くらい使われ続けていますが、間違いなくこれは新たな産業革命でしょう。ここまで劇的に世の中が変わるのは本当に何百年に一度、下手をすれば千年に一度です。それこそ活版印刷の発明と同じくらいの節目に、我々は立っているわけですよね。
    そのときにテクノロジーと世の中の間に立って、政策や社会システムを作り上げる仕事の一端を担えることは、とても幸せで特別なことだと思いますね。
    しかも、ここに来てテクノロジーが“ウェブブラウザから飛び出した”わけですよ。単にブラウザの中で完結するSNSなどのサービスと違って、IoTやロボティクス、ドローンやシェアリングエコノミーのような、物理的に機械と機械を繋いで、画面の外で起きる出来事を扱うサービスが盛り上がり始めているんです。

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  • キッズアニメは「闘争性」を脱臼させる(『石岡良治の現代アニメ史講義』キッズアニメーー「意味を試す」〈4〉)【毎月第3水曜配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.569 ☆

    2016-04-20 07:00  
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    キッズアニメは「闘争性」を脱臼させる(『石岡良治の現代アニメ史講義』キッズアニメーー「意味を試す」〈4〉)【毎月第3水曜配信】 
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.4.20 vol.569
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    今朝のメルマガは『石岡良治の現代アニメ史講義』をお届けします。4回にわたってお届けしてきたキッズアニメ編のまとめとして、健全/不健全のあいだで揺れ動くキッズアニメならではの機能と面白さについて解説します。
    ▼プロフィール
    石岡良治(いしおか・よしはる)
    1972年東京生まれ。批評家・表象文化論(芸術理論・視覚文化)・ポピュラー文化研究。東京大学大学院総合文化研究科(表象文化論)博士後期課程単位取得満期退学。跡見学園女子大学、大妻女子大学、神奈川大学、鶴見大学、明治学院大学ほかで非常勤講師。PLANETSチャンネルにて「石岡良治の最強☆自宅警備塾」を放送中。著書に『視覚文化「超」講義』(フィルムアート社)、『「超」批評 視覚文化×マンガ』(青土社)など。
    『石岡良治の現代アニメ史講義』これまでの連載はこちらのリンクから。
    前回:大人気女児アニメ『プリパラ』に見る「性差モチーフの撹乱」(『石岡良治の現代アニメ史講義』キッズアニメーー「意味を試す」〈3〉)
    ■ シュール系コメディは欲望が着地しないことに意味がある
     これまでの部分では、女児アニメの考察が多めでしたが、まとめると、『妖怪ウォッチ』なども含めて、キッズアニメはシュール系コメディの宝庫と言って良いと思います。なぜキッズアニメはシュールな作風になりやすいのでしょうか? 私の仮説を述べると、要するに「有意味な行動のあり方が試されている」からだと思います。「アニメが意味を試す」とでもいえるでしょうか。その結果、わたしたちが試されるんですね。『ジュエルペットサンシャイン』に出てくるヤギの八木沼くんなんかもそうなんですけれども。だから、私としては何かのパロディよりも、八木沼くんとか囲碁パンダといった、即席で出てきたような意味不明キャラに可能性を感じています。
     さて、シュール系コメディのポイントは、とりわけ性的な意味にはなかなか着地しないところです。そして浮遊し続けるんですね。つまり、簡単に「ふぅ……」ってならないということです。「シコリティ」とか、エロ周辺のネットスラングは数多く、私自身は下ネタとかエロ表現を、もちろん深夜アニメの重要な宝だと思っています。だから今回の言い方だと、あたかもエロネタをディスっているように思えてしまうかもしれませんけれども、そういうわけではありません。それでもやはり、一面でエロはやっぱり目的性がはっきりしているわけです。要するに動物では本能とされることが多い領域だし、性行為の結果、実際に人間が増える、という有用性があるわけですよね。
     『銃・病原菌・鉄』や『文明崩壊』といった著作で知られるジャレド・ダイアモンドに『Why is sex fun?』という本がありますが、これは日本語ではタイトルを変えているんですよね。直訳すると『なぜセックスは楽しいか?』という本です。人間にとってセックスはソロプレイであっても楽しいわけですけれども、そういいつつも日本人は、諸外国の人々と比べて、パートナーがいても性行為の回数が少ないと言われていますね。さて、この本は文庫になっています。『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』です。単行本では『セックスはなぜ楽しいか』なんですが、おそらく売れなかったか誤解されたか、とにかくなんらかの理由でタイトルが変わったんでしょう。
     おおむねみんな性的な話や内容が大好きなんですけれども、キッズアニメはそこに着地しないのが重要なんです。だからこそ『おねがいマイメロディ』の「おねがい」がじんわり来るんですね。なんて言えばいいのかな、よくオタサーの姫が色々おねだりとかする光景があるわけですけれども、あれは一見関係ない風情を見せつつも、コミュニケーションが性的な雰囲気で満たされるところが特徴といえるわけで、「性の有用性」が場を回すポイントになっているわけです。だからこそオタサーの姫の表象が、多くの場合露悪にとどまってしまうのではないでしょうか。ひたすら「おねがい」をするマイメロさんと比べると、生ぬるく感じられるんですね。マイメロさんはやばいですよ。だってオタサーどころか、マイメロさんのお願いは、しばしば宇宙の秩序を危うくしますからね。だから、超合金マイメロが快調に宇宙巡航モードで動きまわる姿は、昔のコピぺであった「宇宙ヤバイ」【1】みたいな感覚に近いんだと思います。

    【1】宇宙ヤバイ:ネットの代表的なコピペの一つ。(参照)宇宙ヤバイとは (ウチュウヤバイとは) [単語記事] - ニコニコ大百科


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  • 粟飯原理咲『ライフスタイルメディアのつくりかた』第5回「特別編:夢見るプロデューサーの熱狂ーーレシピブログ初代編集長・川杉弘恵インタビュー」【毎月第3火曜配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.568 ☆

    2016-04-19 07:00  
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    粟飯原理咲『ライフスタイルメディアのつくりかた』第5回「特別編:夢見るプロデューサーの熱狂ーーレシピブログ初代編集長・川杉弘恵インタビュー」【毎月第3火曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.4.19 vol.568
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    本日は、アイランド株式会社代表の粟飯原理咲さんによる連載『ライフスタイルメディアのつくりかた』の第5回をお届けします。今回は特別編として、粟飯原さんが連載の中で何度も名前を挙げてきたレシピブログ初代編集長の川杉弘恵さんを呼んで、「新しいメディアを創ることができる人には、どんな素質があるのか」をテーマに、いつもの視点とは別の角度から、当時のことを聞いていきます。

    ▼プロフィール
    粟飯原理咲(あいはら・りさ)
    アイランド株式会社代表取締役。国立筑波大学卒業後、NTTコミュニケーションズ株式会社先端ビジネス開発センタ勤務、株式会社リクルート次世代事業開発室・事業統括マネジメント室勤務、総合情報サイト「All About」マーケティングプランナー職を経て、2003年7月より現職。同社にて「おとりよせネット」「レシピブログ」「朝時間.jp」などの人気サイトや、キッチン付きイベントスペース「外苑前アイランドスタジオ」などを運営する。美味しいものに目がない食いしん坊&行くとついつい長居してしまう本屋好き。◎構成:稲葉ほたて
    本メルマガで連載中の『ライフスタイルメディアのつくりかた』配信記事一覧はこちらのリンクから。
    前回:書評サイトのジャンルに「レモン水」?ーーなぜ編集部の”意思”を込めたUI/UXが必要なのか(粟飯原理咲『ライフスタイルメディアのつくりかた』第4回)
    アイランド代表の粟飯原理咲です。今回は、少しいつもと体裁を変えて、インタビューの形式で送り届けてみたいと思います。
    今回お呼びしたのは、ウェブプロデューサーの川杉弘恵さん。この連載でも何度か登場してきた、レシピブログの構想に真っ先に共感してくれて、一緒にレシピブログを作り上げて、初代の編集長になっていただいた女性です(アイランドの、アルバイトからの第一号社員でもあります)。彼女のおかげでレシピブログは大きく羽ばたきました。現在の彼女は、フリーランスとして色々なサービスに関わっていて、現在もアイランドのサービスのお手伝いをお願いしています。
    さて、ここまでの連載では、主にライフスタイルメディアの立ち上げ期に焦点を当てて、そこで必要になる考え方を書いてきました。今回はその一つの区切りとして、彼女の視点からレシピブログの立ち上げ期の話や、そこで抱いていた思いを聞いてみたいと思います。
    ■ 立ち上げ期のプロデューサーの資質
    粟飯原理咲(以下、粟飯原) 今回は、立ち上げ期のプロデューサーに必要なことを聞いてみたいということで、川杉ちゃんに来てもらいました。
    サービスを作っていると思うのですが、立ち上げ期と育てる時期のプロデューサーでは、必要になる能力が違ってくるんですね。
    たとえば、今の「レシピブログ」のプロデューサーは、もうすごい安定感で、サービスをしっかりと育ててくれる人なんです。サービスに対して適切な距離感があって、まさに「冷静と情熱のあいだ」でサービスを回していくことができる。コンテンツの一つ一つへの力の入れ方も――「7割主義」と呼んでいるのですが――適度にしっかりと抑えながら、でもどんどん前に進めていく。
    でも、立ち上げ期の人はちょっと違うんです。
    なんというか「偏執狂的」というか……(笑)。川杉ちゃんのように、自分の全人格を注いで、そのサービスを自分の作品だと思う、アーティスト気質の人なんじゃないかな、と。連載でも書いたけど、ユーザーさんにメールを一本書くのに、どんな日本語を使うべきなのかをずっと悩めるような強烈なこだわりがどうしても必要なんです。川杉ちゃんは、本当にその能力がすごい。
    川杉弘恵(以下、川杉) それで呼ばれたと(笑)。
    粟飯原 川杉ちゃんの熱狂のあり方というのは、「いかに人と絡むか」にあると思うの。だって、ユーザーさんとのメールの一通一通に、もうテニスの試合で最後のショットを決めるときぐらいの迫力で、一通入魂で書いていたでしょ。
    川杉 「あなたのブログを登録してください! レシピブログというサービスに! まだオープンしてないけど!」っていう内容のお願いメールとかですよね(笑)。
    でもまず、紙媒体の編集さんでも、書き手をスカウトするときには「あなたの何を私が良いと思っているか」は伝えますよね? 「ぜひ来てほしい。あなたの書いたものは読んだし、そのニュアンスまで味わいました」と。
    しかも、こういうサービスの最初の人たちとは、人間関係みたいに始まる必要があると思っていました。だって、こっちが有名なら向こうから来てくれますけど(笑)、私たちはどこの馬の骨とも知れない人たちで、とても警戒されているんですよ。そのなかで「新しい場所を一緒に作りましょう」という関係を作っていかなきゃいけないわけですから。
    がさつに一斉配信でメッセージしても、「別に私がいる意味は無いよね」と思われてしまうので、常に私たちの気持ちを言葉に落としていく必要性は考えていました。
    ……という状況だったので、必要ならメール一本に3時間くらいかけたことがあるのは否定しません(笑)。

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  • 月曜ナビゲーター・宇野常寛 J-WAVE「THE HANGOUT」4月11日放送書き起こし! ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.567 ☆

    2016-04-18 18:00  
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    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.4.18 vol.567
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    大好評放送中! 宇野常寛がナビゲーターをつとめるJ-WAVE「THE HANGOUT」月曜日。前週分のラジオ書き起こしダイジェストをお届けします!

    ▲先週の放送は、こちらからお聴きいただけます!


    ■オープニングトーク

    宇野 時刻は午後11時30分を回りました。みなさんこんばんは、宇野常寛です。そして松岡茉優さん、今夜もお疲れさまでした。今夜の松岡さんの後ろ頭も最高にキュートでしたよ。松岡さんの後ろ頭は世界人類の中で最も美しいですね。僕が保証しているので間違いないです。シャンプーを念入りにして、その後ろ頭の美しさを大切にしてくださいね。YouTube Liveで見ている人も気づいていないと思うんだけれど、いま僕は松岡さんと超アイコンタクトしましたからね。これから毎週できるんだよ? この圧倒的な違い、わかりますか? たしかにラジオっていうのは、リスナーのみんなと時間を共有するものだと思うし、YouTube Liveでは僕の喋ってる表情も見られます。でも、松岡茉優ちゃんとのアイコンタクトは僕だけの特権なんですよね。ラジオっていうのは、なんだか本当にいいものだよね。ラジオのレギュラーを持ってから3年ぐらい経つけど、ナビゲーターだけの特権っていうものがあるんだなということに、初めて気づきましたね。このトキメキを楽しみにこれからやっていきたいと思います。皆さん「AVALON」の方もよろしく。
    今日はそんな僕の「メディア人としての自意識の問題」とか、そんな話から入っていこうと思います。このまえ、僕は人生で初めて芸能リポーターみたいなやつらにどつきまわされたんですよ。先週の水曜日に、仕事仲間の誕生パーティーへ行ってきたんですよ。誰の誕生日かと言うと、今をときめく乙武洋匡さんですね。このタイミングで誕生日が来ましたって、運命のいたずらだよね。まあ行ったといっても、直前まで仕事が入っていて、最後の10分ぐらいしか顔を出せなかったんですよ。会場が結構近所のホテルだったので、まあ近いから行こうかなと思って行ってきたんですよね。会場には知り合いがいっぱい来ていたので、まとめて話せてよかったですね。古市憲寿くんとか、DMMの亀山会長とか、J-WAVE的には津田大介さんとか。あとは、チームラボの猪子のトッシーとかさ。まあ猪子さんはしょっちゅう会ってるけれど、しばらく会っていなかった人たちと久しぶりに話もできてよかったですね。冠婚葬祭とかでしばらく会っていなかった親族とまとめて挨拶できて近況を交換できるという便利感に近かったですね。
    そのうちにあっという間に時間も来てしまったので、本人に一言だけ「おめでとう、大変だけど頑張ってね」と伝えて会場から出たんですよ。それが間違いだったんです。ホテルの外がマスコミだらけだったんですよ。確かに会場に入るときから、なんかいるなとは思ってたんですけれど、いつの間にか、カメラ構えたやつらがウジャウジャと超あふれてるんですよ。翌日に別件で猪子さんと仕事で会う機会があったんですが、彼は「すぐに会場を出るとマスコミだらけだから、ホテルの周りで少し時間潰そうぜ」って、茂木健一郎さんを中心に何人かでまとまって出たらしいんですよね。そこに混じっていればよかったんですよ。でも僕は普段そういった世界から離れて生きているので、マスコミ対応とかのノウハウは全然ないんですよ。だから終わってすぐ会場を出てしまったんです。

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  • 脚本家・大森美香インタビュー「『あさが来た』はこうして生まれた――」 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.566 ☆

    2016-04-18 07:00  
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    脚本家・大森美香インタビュー「『あさが来た』はこうして生まれた――」
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.4.18 vol.566
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    今朝のメルマガは、NHK連続テレビ小説『あさが来た』の脚本家・大森美香さんへのインタビューをお届けします。『風のハルカ』以来、約10年ぶりに朝ドラを手がけた大森さん。主人公のモデルとなった広岡浅子に感じた魅力や、”五代様”ブームが生まれた背景、それぞれの登場人物に託した思い、これまでの大森作品との関係についてお話を伺いました。
    ▼プロフィール

    大森 美香(おおもり・みか)
    福岡県生まれ。テレビ局勤務を経て脚本家、演出家に。
    2005年「不機嫌なジーン」で第23回向田邦子賞を受賞。2015年後期NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」で第24回橋田賞を受賞。他、TVドラマの代表作に連続ドラマ「カバチタレ!」「ロングラブレター ~漂流教室」「ランチの女王」「きみはペット」「ニコニコ日記」「風のハルカ」「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」「ブザー・ビート ~崖っぷちのヒーロー~」「ハングリー」「聖女」、正月時代劇「桜ほうさら」、映画の代表作に「デトロイト・メタル・シティ」「カイジ~人生逆転ゲーム」「宇宙兄弟」「プール」など。脚本家のほか映画監督や小説家としても活動中。
    ◎構成:橋本倫史
    ■広岡浅子という人に惹かれた理由
    宇野 大森さんが朝ドラの脚本を書かれたのは『風のハルカ』以来ということで、ほぼ10年ぶりの朝ドラ登板でしたよね。これはもう何度も聞かれた質問だと思うんですけど、「もう一度朝ドラをやって欲しい」と依頼があったとき、どう思いました?
    大森 『ハルカ』が楽しかったから、依頼があったときは嬉しかったです。「西日本を舞台とした時代物を、題材を一緒に探すところからやりましょう」と声を掛けてもらったんですけど、ちょっと時代劇をやってみたいと思ってたんですよね。ただ、『ハルカ』も『あさが来た』もNHK大阪局の制作なんです。依頼があったのは2014年の夏頃で、子供がまだ2歳だったんですよ。『ハルカ』のときは半分くらい大阪に滞在しながら書いてたけど、2015年の4月からは娘を幼稚園に通わせなきゃいけなくて、「台本の打ち合わせも東京でお願いすることになって、色々ご迷惑をおかけるすることになるかもしれないので、お受けしていいものやら悩みます」と正直に言いました。そうしたら「必ず東京に行きますし、なるべく負担にならないようにします」と言っていただいたので、じゃあぜひやりたいですと引き受けたんです。
    宇野 大森さんで時代劇というのはイメージになかったので、江戸から明治時代を舞台に選んだというのはすごく意外でしたね。時代劇を手がけてみてどうでした?
    大森 少し前にやった『桜ほうさら』も時代劇ではあるんですけど、あのときは宮部みゆき先生の原作があって、その世界観をどう1時間にまとめるかが課題でした。でも、今回は何を原案にするかも最初は決まってなくて……。キャラクターたちが飽きないように半年間作っていくのは大変だけど、時代劇だからこそ思い切ってやれることもある。『ハルカ』のときには青春の成長を描いたところがありましたが、今回の『あさが来た』は、女性の一代記として描けるところが魅力的かなと思いました。結婚して、子供を産んで――その時点ではどの時代まで書くか決めてなかったですが、おばあちゃんになるまでを描くのは、一回やってみたいと思っていたんです。
     ただ やっぱり朝ドラは視聴層が幅広いことについては考えました。それこそ三世代で観るものでもあるから、いろんな人が観て不快にならないものにしなくてはというのは思いました。『ハルカ』のときは「頭の中にあるものを全部出してやる」くらいの気持ちでやってたんですけど、今回はもうちょっと殊勝だったかもしれない(笑)。「朝、テレビの前のいる人たちを楽しませるものを誠実に作らなければ」ということは考えていたかもしれないです。
    宇野 広岡浅子をモデルにするというのは、皆さんで企画を温めているうちに出てきたものだと思うんですよね。僕は広岡浅子という人のことを知らなかったんですけど、最初に広岡浅子というテーマをもらったときはどう思われました?
    大森 私も広岡浅子さんについてはまったく知らなかったんです。でも、いくつか原案本をもらったときに、広岡浅子さんが一番共感できたんです。「この人はすごいパワーだぞ」と。原案本は史実と異なるところもあって、ちょっと病弱に描かれてたんですよ。肺の病をもろともせず、男だ女だということも気にせず、自分が役に立つと思ったらどんどん前に進んでいく女で。それこそ炭鉱なんかに行くと、炭鉱夫たちから「お前は女だから」と言われるんだけど、まったく卑屈にならずに生きていく。加えて、そんな浅子に眉をひそめなかった旦那さんがいたことの面白さも感じました。「この時代にこんな人がいたんだ」と思ったし、これを朝に観たら元気が出るかな」という感じがしたんです。
     原案が1冊の本だったので、ちゃんと26週分の話が割り当てられるのか考えたのと、あとはキャラクター設定ですね。原案を読んだ時点で、浅子さんのキャラクターは何となく出来そうだなと思ってたんですけど、難しかったのは旦那さんですね。原案通りの旦那さんを登場させても、今の人が「この人、素敵」と思わない可能性もあるなと。趣味人で、遊びを知っている粋な人で、仕事は番頭任せ――言ってしまえば遊び人ですよね。当時はそれが格好良かったんだと思うんですが、平成28年の女性たちが観たときに「こんな夫が良い」と思ってもらえるかどうか自信がなかった。旦那さんをいかに魅力的に描くかということが一番悩んだところですね。
    宇野 玉木宏さんが演じる旦那さんはすごく魅力的でしたけど、キャラクターの造形として工夫されたのはどのあたりですか?

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