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記事 38件
  • 宇野常寛 NewsX vol.37 ゲスト:畑中雅美「少女漫画の現在地」【毎週月曜配信】

    2019-07-08 07:00  
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    宇野常寛が火曜日のキャスターを担当する番組「NewsX」の書き起こしをお届けします。6月4日に放送されたvol.37のテーマは「少女漫画の現在地」。小学館月刊Cheese!編集長の畑中雅美さんをゲストに迎え、縮小を続ける出版業界の中で、女性読者の熱い支持を集める少女漫画雑誌・月刊Cheese!の人気の秘訣に迫ります。(構成:佐藤雄)
    NewsX vol.37 「少女漫画の現在地」 2019年6月4日放送 ゲスト:畑中雅美(小学館月刊Cheese!編集長) アシスタント:後藤楽々
    宇野常寛の担当する「NewsX」火曜日は毎週22:00より、dTVチャンネルで生放送中です。 番組公式ページ dTVチャンネルで視聴するための詳細はこちら。 なお、弊社オンラインサロン「PLANETS CLUB」では、放送後1週間後にアーカイブ動画を会員限定でアップしています。
    新興の少女漫画誌「Cheese!」はいかにサバイブしてきたのか
    後藤 NewsX火曜日、今日のゲストは小学館の少女漫画雑誌「Cheese!」編集長の畑中雅美さんです。よろしくお願いします。おふたりはどのようにお知り合いになられたですか?
    宇野 数年前に勉強会みたいなものがあってそこで知り合いました。その頃はまだ編集長ではなかったんじゃなかったかな。
    畑中 そんなに昔に会ってるんですね 。編集長になって4年経ってます。
    宇野 知り合ってすぐ後に編集長になって、気がついたら少女漫画界を代表するカリスマ編集長として大活躍されていましたね。畑中さん自身もメディアに出て漫画編集界のオピニオンリーダーとして活躍もされていますね。昔は僕も一生懸命少女漫画を読んでいたんだけど、漫画シーンを追うことが数年前に虚しくなってしまって、最近は読んでないです。具体的に言うと『ちはやふる』を途中で読むことを辞めちゃってる。「この漫画がすごい!」に投票することも2016年を境に辞めちゃっています。今日は良い機会なので畑中さんから少女漫画シーンについて教わりたいなと思っています。
    後藤 今日のテーマは「少女漫画の現在地」です。
    宇野 畑中さん自身が少女漫画シーンを作ってきたひとりなわけです。
    後藤 畑中さんが担当されていた作品を見ると、私も読んでいた作品が多いです。青木琴美『カノジョは嘘を愛しすぎてる』、相原実貴『5時から9時まで』、嶋木あこ『ぴんとこな』、すごいです。
    宇野 現役女子大生的には畑中さんの担当作品は読んでたものが多いよね。
    後藤 少年漫画はあまり読まないんですけど、少女漫画はすごく好きなんです。
    畑中 少年漫画を読まないのは珍しいですね。少女が読んでる漫画を「少女漫画」と呼ぶならば、今最も「少女漫画」しているのは原泰久『キングダム』だと思います。宇野さんが漫画を読まなくなった時期と、少女が少年漫画を読み始めて、ボーダレス化が進んできた時期はおそらく一致しています。
    後藤 私も『キングダム』の映画は観に行きました。
    宇野 「少女漫画」という表現ジャンルの読者層が変わっていると思うんです。今日はそういった読者層の変遷の話も踏まえて少女漫画の現在地を立体的に描き出せたら良いなと思います。
    後藤 本日のテーマは「少女漫画の現在地」です。
    宇野 「少女漫画は今どうなっているか」という話を畑中さんからお聞きしたい。まずは畑中さんが編集長をされている「Cheese!」の現状から聞いてみたいと思います。
    畑中 創刊から50年ほど経っている少女漫画雑誌がたくさんある中「Cheese!」はまだ創刊から20年程しか経ってない新興の雑誌です。読者層は高校生ぐらいからと言われていますが、主な読者は大人です。私よりも年上の方も読んでいます。
    宇野 大学生ですらないんですね。
    畑中 大学生も読んでるとは思いますけど「Cheese!」の強みはデジタルでよく読まれていることなんです。電子書籍というと、特に男性にはKindleなどを筆頭に最近の話というイメージがあると思うんです。でも実は「Cheese!」の電子書籍はガラケー時代からもう読まれていたんです。
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  • 宇野常寛 NewsX vol.36 ゲスト:仁木崇嗣「地方政治はどう変わっていくべきか」【毎週月曜配信】

    2019-07-01 07:00  
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    宇野常寛が火曜日のキャスターを担当する番組「NewsX」(dTVチャンネルにて放送中)の書き起こしをお届けします。5月28日に放送されたvol.36のテーマは「地方政治はどう変わっていくべきか」。一般社団法人ユースデモクラシー推進機構代表理事の仁木崇嗣さんをゲストに迎え、地方政治を変えるために若手議員が出来ることは何か。ネットを活用したイーデモクラシーの可能性を含めて議論します。(構成:籔一馬)
    NewsX vol.36 「地方政治はどう変わっていくべきか」 2019年5月28日放送 ゲスト:仁木崇嗣(一般社団法人ユースデモクラシー推進機構代表理事) アシスタント:大西ラドクリフ貴士
    宇野常寛の担当する「NewsX」火曜日は毎週22:00より、dTVチャンネルで生放送中です。 番組公式ページ dTVチャンネルで視聴するための詳細はこちら。 なお、弊社オンラインサロン「PLANETS CLUB」では、放送後1週間後にアーカイブ動画を会員限定でアップしています。
    民主主義とは地方分権である〜令和時代の自由民権運動〜
    大西 NewX火曜日、今日のゲストは一般社団法人ユースデモクラシー推進機構の代表理事、仁木崇嗣さんです。仁木さんと宇野さんはどういうつながりなんですか?
    宇野 僕が親しくしている某省の官僚がいるんですよ。彼がZESDAというプロボノのNPOをやっていて、僕のPLANETSと彼のZESDAは団体単位で仲がいいんですよ。時々、情報交換の会をやっていて、「宇野くん、ちょっと面白いやつがいるから紹介したい。二人紹介したい人がいる」と言われて、高田馬場で会合をもったんですよ。ひとりは以前この番組にもやってきた「中東で一番有名な日本人」と言われている鷹鳥屋明さん。もうひとりが仁木さんだった。そこからの付き合いです。
    大西 今日のテーマは「地方政治はどう変わっていくべきか」です。
    宇野 彼がやっているユースデモクラシー推進機構は、地方の若手議員の支援をやっている団体なんですよ。地方政治は若者が入ってきづらい世界なんだけど、そこで頑張っている20〜30代を彼が束ねて勉強会をやったりしている。そういう活動をしている仁木さんだからこそ見えてくる地方政治の問題点などがあると思っていて、今日はそういう話をしたいなと思っています。
    大西 最初のテーマは「ユースデモクラシー推進機構とは」です。
    宇野 仁木さんが具体的にどういう活動をしているのかを紹介してもらって、そこから議論を始められたらなと思っています。
    仁木 うちの団体はユースデモクラシー推進機構といって、名前から受ける印象だと若者のための民主主義と捉えられがちなんですが、実は未来世代と若者のための民主主義をやろうという団体なんですよ。
    宇野 まだ生まれてもいない人たちのためにも頑張ろうということだね。
    仁木 なぜなら政治は弱い人のためにあると僕は思うからです。今、一番弱い人は、選挙権を持っていない人と生まれていない人ですよ。今、生きている若者を含めた現役世代が将来にツケをまわしているという問題意識を僕は持っています。その説明をするために、僕は自由民権運動の頃まで遡って研究をしたんです。当時、植木枝盛が「未来が其の胸中に在る者、之を青年と云ふ」と言ったんですよ。青年と未来がつながっている。そこで未来志向を持っている青年たちで議会をつくりたい。もちろん民間の有権者側にもつくっていきたい。そう思っていたんですね。 この団体をつくったのは2015年、ちょうど4年前の統一地方選挙のときです。僕は当時28歳だったんですけど、20代で当選した議員が全国に136人いたんですね。その人たちはデジタルネイティブ世代なので、みんなFacebookを使っているんです。検索して「会いに行きたい」とメッセージを送りつけました。会ってくれるという人に、北は北海道から南は九州まで会いに行って、計53人の方が会ってくれたんですよ。これはデジタルネイティブだからこそできることで、今はGoogleマップという便利な機能があるので、一番早く会えるルートを選んで、なるべく時間をかけずに回ることができた。これは今の時代だからこそできたとも言えますよね。直接会ってオンラインでもつながったんですが、やはりリアルで会ってみようということで、この人たちを東京に集めようと考えました。


    仁木 日本の民主主義の原点を知ってほしいと思って、このスライドを用意したんですが、向かって左側の方、民主主義の概要をアメリカの国務省が日本語で丁寧に書いてくれているんです。ここのポイントは「民主主義とは中央集権ではなくて、地方分権がデフォルトです」と書いてあることで。「地方分権こそが民主主義です」という内容はすごくポイントです。 では、日本ではどうかというと、右側は自由民権運動のときに、板垣退助が日本で最初の政治結社といわれる愛国公党をつくったときの愛国公党宣言という文章です。ここでもアメリカと同じように「中央集権じゃなくて、地方集権であるべき」と書いているんですよ。最初に国会をつくろうとした日本人が、アメリカが言う民主主義の本質と同じことを言っていた。これがファーストステップ。日本では今になって地方分権をやろうという話をしていますけど、本当はそうじゃない。
    宇野 日本の民主主義の原点から、ガバナンスは基本的に中央集権で、デモクラシーは地方分権であるというね。
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  • 宇野常寛 NewsX vol.35 ゲスト:松谷創一郎 「なぜJ-POPはK-POPに勝てないのか」【毎週月曜配信】

    2019-06-24 07:00  
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    宇野常寛が火曜日のキャスターを担当する番組「NewsX」(dTVチャンネルにて放送中)の書き起こしをお届けします。5月21日に放送されたテーマは「なぜJ-POPはK−POPに勝てないのか」。ライター/リサーチャーの松谷創一郎さんをゲストに迎え、近年のK-POPの人気の要因を分析しながら、J-POP、特に2010年代前半に隆盛した日本のアイドルカルチャーが、なぜK-POPに勝てなかったのかについて考えます。(構成:佐藤雄)
    NewsX vol.35 「なぜJ-POPはK−POPに勝てないのか」 2019年5月21日放送 ゲスト:松谷創一郎(ライター/リサーチャー) アシスタント:得能絵理子
    宇野常寛の担当する「NewsX」火曜日は毎週22:00より、dTVチャンネルで生放送中です。 番組公式ページ dTVチャンネルで視聴するための詳細はこちら。 なお、弊社オンラインサロン「PLANETS CLUB」では、放送後1週間後にアーカイブ動画を会員限定でアップしています。
    J-POPとK-POPの世界地図
    得能 火曜NewsX、今日のゲストはライター・リサーチャーの松谷創一郎さんです。松谷さんと宇野さんはどのようにお知り合いになられたんですか?
    宇野 10年程前から僕がプロデュースしている媒体で書いてもらっています。昔は映画関係の原稿をお願いすることが多かった。それと今日のテーマのように音楽や芸能関係で出てもらっています。松谷さんが『ギャルと不思議ちゃん論』という本を出した時に対談したりといった付き合いがあります。10年程一緒に仕事をしていて、僕がすごく信頼している書き手の1人です。
    得能 今日は「なぜJ-POPはK-POPに勝てないのか」というテーマになっております。
    宇野 仕事でよくアジアに行くんですが、お店に入るとほぼK-POPがかかっています。
    松谷 アジアというと例えばどの国ですか?
    宇野 香港や台湾、シンガポールです。K-POPがかかっていたことを日本に帰ってきて話すと年上の人から、90年代にはそういった所ではJ-POPがかかってたという話を聞きます。現状を目の当たりにすると、少なくとも対アジアの戦略においてはK-POPがJ-POPを圧倒していると思わざるを得ない。一方でこの国はクールジャパンの掛け声の下にJ-POPやアイドル、そして日本食やアニメといったソフトパワーで世界に存在感を示しそうとしている。けれどもそれが完全に空回っている事も周知の事実。クールジャパンという言葉をポジティブに使うことが非常に難しい状態になってしまった。そういった現状を踏まえた上で「なぜJ-POPはK-POPに勝てないのか」というテーマで松谷さんのお話を聞いてみたいと思います。
    得能 1つ目のテーマは「J-POP対K-POPの現状」です。
    宇野 今回は「なぜJ-POPはK-POPに勝てないのか」というテーマにしました。最初のセクションではそもそも何をもって勝ち負けが決まるのか、というところから話を始めて、J-POPとK-POPの比較を行ってみたいと思います。
    松谷 「J-POP」という言葉ができる前の比較軸は洋楽と邦楽でした。邦楽は常に洋楽に劣ったものと認識されていました。この時の「海外」はイコール欧米で、音楽に限らず日本と海外を比較した時に、日本側には常に欧米コンプレックスがあった。その前提で洋楽と邦楽を比較しています。「洋楽」というのも基本はイギリスとアメリカで、一部フランスなどです。90年代後半にJ-POPがものすごく盛り上がったんです。98年が日本の音楽産業のピークでもあり、浜崎あゆみさん、椎名林檎さん、宇多田ヒカルさんが活躍していた時期であり、安室奈美恵さんが産休に入っていた頃です。ここからJ-POPは落ちていきます。最盛期から今までの間で20年ほど経っています。その間に出てきたのが洋楽でもJ-POPでもない第三項、K-POPだったわけです。韓国がどんどんカッコ良いものになっていった。これをまだ皆さんきちんと整理できていないと思います。洋楽と邦楽の対立軸の外に第三項が出てきてしまった。これは一体何なのかを考えるべき時期が今まさに来ている。今回のテーマのように「勝ち負け」の話をすること自体も、そういった対立構造が読み取れるということだと思います。昔の洋楽以上にK-POPの存在感が大きくなったということです。
    宇野 日本の音楽市場は基本的にドメスティックなJ-POPで満ち足りていて、一部の音楽ファンのために洋楽が意識されている状況がずっと続いていました。そこに第三項が入って来る余地はなかった。なぜその余地が生まれていったんですか?
    松谷 K-POPの歌手たちが日本に向けたローカライズをしてきたんです。
    宇野 戦略的に攻めて来たということだよね。
    松谷 具体的に何をしたかと言うと、ひとつは日本語で歌うこと──つまりローカライズです。BoA、東方神起、KARA、少女時代という順番でした韓国で作ってる音楽に日本語の歌詞を乗せる。一般の視聴者から見れば日本語で洋楽を歌ってる感じがしたわけです。BoAや東方神起はJ-POPにかなり寄っていましたが、2010年頃に少女時代が来たときは完全に洋楽寄りでした。それがすごく新鮮に感じられました。
    宇野 韓国の音楽産業が日本の一億人の市場をターゲッティングして攻めてくるまで日本はK-POPという存在を意識していなかった。
    松谷 ほぼ意識してなかったんですけど、一部の人が知ってはいたんです。知るきっかけはやはりYouTubeでした。K-POPのひとつの特徴を挙げると、YouTubeにフル尺のミュージックビデオを、しかも高画質で配信することをかなり早い段階からやっていました。YouTubeのサービスが開始したのは2006年で、本格化したのは2000年代後半からです。そこにK-POPは上手くアジャストしてきた。しかしJ-POPはいまだにフル尺をだすことをできていません。
    宇野 韓国が外国に出ないといけないのは国内市場が小さいという要因があると思います。人口は日本の半分以下ですよね?
    松谷 音楽に限らず韓国は外需をすごく求めてる国だという点に注意が必要です。これは輸出入の額をGDPで割った数値である貿易依存度を見れば明らかです。依存度が高ければ高いほど外需に期待をしていることになります。この数値が韓国は68%になります。日本は何%だと思いますか? 比較としてシンガポールも何%か当ててみてください。
    宇野 シンガポールはかなり高いよね?
    松谷 シンガポールは218%になります。
    得能 日本は30%前後ですかね?
    松谷 得能さん、近いです。日本は27%です。この数値が意味するのは、日本のマーケットが非常に大きいということです。音楽に限らず経済全分野的に内需が大きい。韓国のマーケットが小さくて外に出ていかなければいけないこと自体はその通りなんですが、そもそも海外に出ていくのが当たり前という気運が国にあるんですね。すごくシンプルに考えてGDP世界2位の中国と3位の日本に挟まれている国です。出て行かない理由なんてないですよね。
    宇野 目の前に巨大市場が2つありますからね。特に日本の場合はコンテンツ産業が内需だけで回っていて、それだけで食えてしまう。
    「K-POPとJ-POPはビジネスモデルが違うから単純に比較できない」は正しいか
    松谷 日本はまだ内需だけで「食えてしまう」と言えますよね。
    宇野 さらに言えば、20年前は完全にバブルだったわけです。K-POPのマネタイズの仕組みはかなり違っている気がします。日本の中で「CDが売れなくなって、フェスが伸びている」と頻繁に言われますが、それでもCDがすごく売れている国ですよね。
    松谷 逆に言うとCDがこれほど売れるのは日本だけです。世界的に今ものすごく伸びているのはSpotifyやApple Musicのような定額のストリーミングサービスです。YouTubeも含んでいいと思いますが、ストリーミングサービスで音楽を発表するのが今は主流になっています。そんな中、日本ではCDやDVDといったパッケージの売上は、2017年では音楽産業全体の72%になります。次に割合が高いのがドイツで、43%ですね。韓国もまだパッケージの割合が高い方で37%になります。アメリカは15%程度です(参照:日本レコード協会「THE RECORD」No.703、2018年6月号)
    宇野 世界的に音楽は配信で聴かれている。配信を通して好きになった曲をライブで聴いたり、コレクターズアイテムとしてのCDを購入してもらってお金を集める仕組みが完成されている。日本だけが未だに30年程前からのビジネスモデルを抜け出せていない。
    松谷 過去の体制にアジャストし過ぎていて、インターネット時代の音楽マーケットに向けて変化できていない。変わろうとする気運は徐々に見られていて、例えばジャニーズJrのSixTONESというグループがYouTubeにミュージックビデオを出していますが、やはり遅すぎる。それに対して韓国は世界で一番インターネットへのアジャストが進んでいる国です。そこから、たとえば2014年にシンガーのPSYが「江南スタイル」で世界的なブレイクもすることも生じましたした。
    宇野 音楽関係の人に、こういった話をするとK-POPとJ-POPではそもそも相手にしている市場が違っていて、ビジネスモデルも異なるから一概に比べられないと言う人がたくさん居る。だからこそ起きていることは深刻だと思う。そもそも違うゲームをプレイしてしまっているからこそ、決定的に負けている。
    松谷 今の日本でやっているゲームがこれ以降に続いていくのかと問い詰めたいですよね。インターネットはなくなりませんから。
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  • 宇野常寛 NewsX vol.34 ゲスト:森直人 「映画にとってMCUとは何か」【毎週月曜配信】

    2019-06-17 07:00  
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    宇野常寛が火曜日のキャスターを担当する番組「NewsX」(dTVチャンネルにて放送中)の書き起こしをお届けします。5月14日の放送のテーマは「映画にとってMCUとは何か」。映画評論家の森直人さんをゲストに迎え、ディズニーやサブスクリプションサービスといった巨大資本のもと、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)がどのように映画を変えていったのかについて議論します。(構成:籔和馬)
    NewsX vol.34 「映画にとってMCUとは何か」 2019年5月14日放送 ゲスト:森直人(映画評論家) アシスタント:後藤楽々
    宇野常寛の担当する「NewsX」火曜日は毎週22:00より、dTVチャンネルで生放送中です。 番組公式ページ dTVチャンネルで視聴するための詳細はこちら。 なお、弊社オンラインサロン「PLANETS CLUB」では、放送後1週間後にアーカイブ動画を会員限定でアップしています。
    アイアンマン=個人とキャプテン・アメリカ=国家の関係
    後藤 NewsX火曜日、今日のゲストは映画評論家、森直人さんです。宇野さんと森さんは長い付き合いなんですよね?
    宇野 もう10年以上の付き合いですよね。気がついたら、長いですね。
    森 それこそ10年ぐらい前にMCUが始まったときが最初の出会いだったような気がするんですよ。
    宇野 森さんは、僕が最も信頼する映画評論家の人のひとりなんだよ。
    森 いやいや、恐縮でございます。
    宇野 僕は個人的に森さんが書いたものの読者で、僕のほうから是非ともウチの媒体で書いてくださいと声をかけて、それからずっと付き合っています。
    森 でも、ちょいちょい良いタイミングで呼んでいただいて、それで毎回おもしろい話なので、今日も『アベンジャーズ/エンドゲーム』(『エンドゲーム』)とMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)いうテーマもさすが。これは宇野さんと話したかった。
    後藤 いつぶりなんですか?
    森 前は『ラ・ラ・ランド』と『ダンケルク』のふたつを(音楽ジャーナリストの)柴那典さんと話したときに、宇野さんも一緒だった。1年に1回ぐらいは会うんちゃう?
    宇野 なんだかんだで1年に1回ぐらいですね。
    森 だから、その年の一番注目すべきタイトルが出てくると会うよね。今年は早くも出ちゃったけどね。
    宇野 その度に森さんと話さなきゃという気になって、毎回いろいろと理由をつけて呼んでいます。
    後藤 今日のテーマは「映画にとってMCUとは何か」です。
    宇野 前半は歴代のMCUの歴代の22作品を振り返りながら、各作品について話して、後半はMCUというシリーズ自体が今の映画産業、エンターテイメント、映画という表現自体に対して、どういう影響を長期的にもたらすのかというところまでいけたらいいなと思っています。
    後藤 最初のキーワードは「いま、MCUを振り返る」です。
    宇野 『アイアンマン』から『エンドゲーム』に至る、トニーがアイアンマンになってから、トニーが死ぬまで22作を順に振り返りながら、森さんと話していけたらと思います。
    後藤 年表がこちらです。


    宇野 MCUが始まったのが2008年だから、もう11年前ですね。
    森 『アイアンマン』は2008年公開でしょ。ここにDCの作品を並べると、面白いんですよ。『ダークナイト』が同じ2008年公開なんですよ。この頃、マーベルとDCはいい勝負というか、DC勝っているんじゃないかぐらいの勢いがありましたよね。
    宇野 DCは『ダークナイト』がヒットして『アベンジャーズ』が公開されるまでは、興行収入的にも、映画の評価的にも勝っているんですよね。
    森 それがこの10年で逆転しちゃったのも、ひとつの歴史なんですよ。フェイズ1のあたりは、完全にオバマが調子いい時代なんですよ。オバマは2009年の初頭に大統領就任でしょ。だから、『アイアンマン』の1作目はすごく明るくて「イエス・ウィー・キャン」感がすごいんですよ。
    宇野 『アイアンマン』と『ダークナイト』の公開時期はほとんど離れていない。でも、『ダークナイト』はブッシュ時代の総括でテーマ的にも露骨に9.11以降のアメリカのさまよえる正義をどう引き受けるかという、すごく時代に沿ったテーマと寝て、世界的に大ヒットした映画なんですね。対して、『アイアンマン』はブッシュ時代があって、オバマに切り替わって、その古き良きアメリカの正義が完全に滅んだ後に、もう一回どのようにしてアメリカらしさを、もっと言えばアメリカ的な男性性を定義するのか、という部分が前面に出ていた。
    森 だから、この話を宇野さんとしたかった。MCUの最初は、そこからなんだよね。初期はDCの作品が暗くて、マーベルの作品は明るかった。ただ、だんだんオバマが怪しくなってくると、マーベルの作品も暗くなる。
    宇野 クリストファー・ノーランの『ダークナイト』三部作を仮想敵にしていたことは、もう間違いないですよね。元々DCとマーベルはレーベル的にもライバルだし、『アイアンマン』の冒頭もアフガニスタンのシーンから始まる。トニー・スタークというキャラクターに託された、イラク戦争以降のアメリカンマッチョイズムを信じられなくなった男性性の在り方が、『アイアンマン』のテーマ。『アイアンマン』は2や3を観ても、基本的にはトニーの自分探しの話なんですよ。
    森 完全にそうですよね。次のエポックでいうと、フェーズ2の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(『ウィンター・ソルジャー』)かな。この映画の監督は、『エンドゲーム』のアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟。MCUにおいて、ルッソ兄弟の監督作がひとつの大きな生命線になっている。最初が『ウィンター・ソルジャー』なんですよ。次が後半になっちゃうんですけども、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(『シビル・ウォー』)。次が『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(『インフィニティ・ウォー』)。そして、『エンドゲーム』。この4作はトランプ時代になっていく流れと、気持ちいいくらい連動しています。
    宇野 やはり『アイアンマン』と『キャプテン・アメリカ』というのは誰もが認める対の存在なんですよね。『アイアンマン』は、9.11以降の男性性のあり方、「私」のあり方、プライベートをテーマにやったんだよ。対して『キャプテン・アメリカ』はパブリックなんですよね。イラク戦争以降、9.11以降のアメリカの正義をどう再定義するか。特に2作目の『ウィンター・ソルジャー』、あと3作目の『シビル・ウォー』が、そのテーマを正面から引き受けていっている。
    森 僕は『ウィンター・ソルジャー』と『シビル・ウォー』を観たときに、DCみたいじゃんと思った。
    宇野 『ウィンター・ソルジャー』はエポックでしたよね。『ウィンター・ソルジャー』までのマーベルの映画はエンターテイメントの映画としてはよくできているけれど、クリストファー・ノーランのバットマンが到達している領域を考えると、もっといろんなものを詰め込めるだろうという不満が常にあった。それを『ウィンター・ソルジャー』でかなり追いついてきた。
    森 MCUの作品は批評として語るには、ややエンタメ度だけでいきすぎているところがあったんだけれど、『ウィンター・ソルジャー』からは変わったね。特に『シビル・ウォー』は『エンドゲーム』への流れを考えても重要作。
    宇野 『シビル・ウォー』は良いですよね。
    森 もしかしたら『シビル・ウォー』は『エンドゲーム』を別格にするとシリーズ最高傑作かもな。
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  • 宇野常寛 NewsX vol.33 ゲスト:竹下隆一郎「メディアと平成」【毎週月曜配信】

    2019-06-10 07:00  
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    宇野常寛が火曜日のキャスターを担当する番組「NewsX」(dTVチャンネルにて放送中)の書き起こしをお届けします。4月30日に放送されたvol.33のテーマは「メディアと平成」。ハフポスト日本版編集長の竹下隆一郎さんをゲストに迎えて、平成の30年間の出来事を振り返りながら、現在のメディア状況はいかにして生まれたのか。インターネットは日本をどう変えていったのかについて考えます。(構成:籔和馬)
    NewsX vol.33 「メディアと平成」 2019年4月30日放送 ゲスト:竹下隆一郎(ハフポスト日本版編集長) アシスタント:加藤るみ
    宇野常寛の担当する「NewsX」火曜日は毎週22:00より、dTVチャンネルで生放送中です。 番組公式ページ dTVチャンネルで視聴するための詳細はこちら。 なお、弊社オンラインサロン「PLANETS CLUB」では、放送後1週間後にアーカイブ動画を会員限定でアップしています。
    平成30年間のメディア史を三分割して振り返る
    加藤 NewsX火曜日、今日のゲストはハフポスト日本版編集長、竹下隆一郎さんです。
    宇野 平成最後の夜は、竹下さんとしっぽりとメディアについて語って終わろうかと思って、今日お呼びしました。
    加藤 今日のテーマは『メディアと平成』です。
    宇野 今ありとあらゆるところで、平成の30年を総括する企画が行われていると思うんだけれど、せっかく竹下さんがゲストなので、今日はメディア史の観点から平成の30年を総括してみたいと思っています。
    加藤 最初の議論のテーマは「平成のメディア史」です。
    宇野 前半は平成のメディア史を二人で振り返りながら議論して、後半にこれから僕らがどう攻めていくのかも含めて、総括していけたらなと思っています。竹下さん的に平成30年のメディアはどういうものだったんですか?
    竹下 SNSが出てきたのが、めちゃくちゃ大きいですよね。もちろんWindows95や98が出てきて、個人が発信できる時代だとか、マスメディアが意味なくなると言われていたんですけど、やっぱりリアリティを持って実感できたのは、2000年代半ばぐらいからFacebookやTwitterが出てきて、誰もが気軽に発信できるようになって、マスメディアの力が弱くなって、個人の力が強くなったというのは、めちゃくちゃ大きかったなと思いますよね。
    宇野 僕は「序破急」だと思っているんですよ。平成の30年は、ちょうど10年ずつ区切ることができて、最初の10年はとにかくマスメディアの力がマキシマムになった10年なんですよね。業界では有名な話ですけど、テレビも広告も出版も、全部1997〜1998年ぐらいが売り上げ的にはピークなんですね。なので、平成の最初の10年間は、20世紀の発明であるマスメディアが日本の人口1億2000万人を、ほぼ全体主義といっていいくらいひとつにした。 当時は学校で「昨日、何観た?」と聞かれたら、それは絶対に民放のドラマやバラエティ番組で何を観たかということだった。それに国民の大多数がJポップを聴いていたんだよ。Jポップという言葉をつくったJ-Waveができたのが、ちょうど平成のはじまった頃で、ドリカムやB’zや小室ファミリーなどの曲をみんなが聴いていた。 それが平成の中盤の10年でインターネットが生まれて、メディア状況がガラッと変わった。平成10年代は、人々がインターネットという新しい力に戸惑いながらも、希望を持っていた10年だと思う。 そして、平成の最後の10年は、インターネットという新しいメディアに逆に振り回されて、人々が迷走を始めた10年じゃないかなと僕はなんとなく思っているんですよね。
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  • 宇野常寛 NewsX vol.32 ゲスト:三井淳平 「レゴ認定プロビルダーが〈つくる〉世界」【毎週月曜配信】

    2019-06-03 07:00  
    540pt

    宇野常寛が火曜日のキャスターを担当する番組「NewsX」(dTVチャンネルにて放送中)の書き起こしをお届けします。4月23日に放送されたvol.32のテーマは「レゴ認定プロビルダーが〈つくる〉世界」。レゴ認定プロビルダーの三井淳平さんをゲストに迎えて、レゴを使って表現するデフォルメの極意や、微分的・積分的な表現の違いについて、三井さんがつくった作品の紹介を交えつつ、語っていただきました。(構成:佐藤雄)
    NewsX vol.32 「レゴ認定プロビルダーが〈つくる〉世界」 2019年4月23日放送 ゲスト:三井淳平(レゴ認定プロビルダー) アシスタント:後藤楽々
    宇野常寛の担当する「NewsX」火曜日は毎週22:00より、dTVチャンネルで生放送中です。 番組公式ページ dTVチャンネルで視聴するための詳細はこちら。 なお、弊社オンラインサロン「PLANETS CLUB」では、放送後1週間後にアーカイブ動画を会員限定でアップしています。
    三井淳平とは神である。世界で13人の「レゴ認定プロビルダー」とは
    後藤 NewsX火曜日、今日のゲストはレゴ認定プロビルダーの三井淳平さんです。よろしくお願いします。
    宇野 「PLANETS vol.9」では三井さんにレゴで製作いただいた、ザハ案の新国立競技場の写真を表紙として使っています。どういう人に作ってもらうのがいいのかスタッフといろいろ議論したんだけど、直球で三井淳平さんが良いんじゃないかって話になったんです。当時はまだ会社員でしたよね?
    ▲『PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』
    三井 会社員をしながらレゴビルダーもやっていました。
    宇野 何年か前に独立されてどんどん活動の幅を拡げられていてる三井さんと久しぶりに会って、三井作品の世界とレゴという玩具について語り合うのも良いかなと思って今日は来ていただきました。
    後藤 今日のテーマはこちらです。「レゴ認定プロビルダーが〈つくる〉世界」。
    宇野 前半は三井さんの作品を紹介してもらいながらお話を伺っていこうと思います。後半はレゴの魅力について僕と三井さんで議論する感じの構成でいきたいと考えています。
    後藤 1つ目のテーマにいきたいと思います。「神と呼ばれる男」。
    宇野 まさに神と呼ばれる男ですからね。そもそもレゴ認定プロビルダーという肩書について見てる人に説明いただいたほうが良いかなと思うのでお願いできますか。
    三井 レゴ認定プロビルダーというのはレゴの社員ではないのですが、レゴを使って作品を作ることをレゴ社に公式に認められているプロフェッショナルという肩書になります。
    宇野 世界で何人くらい居るんですか?
    三井 今世界で13人が認定されています。
    後藤 13人しか居ないんですか!? それはもう神様ですね。
    宇野 他の12人と交流はあるんですか?
    三井 年に1回みんなで集まる機会があります。すごく仲が良くて良い雰囲気ですね。
    後藤 認定はどういうタイミングでされるものなんですか?
    三井 一定の試験があるわけではないんです。レゴのイベントに関わったりといった実績が積み重なっていくとレゴ社から声がかかります。ビルダー側から声をかけることもあります。
    宇野 2015年に独立して今はレゴ作品を作る仕事一本なんですよね。レゴが人生の100%になるというのはどうですか。
    三井 会社員を辞めるときに少し躊躇いがあったんですけど、いざフルタイムでレゴに関わると、よりやりたいことができるようになったのですごく良い判断だったと思っています。
    宇野 今日は三井さんの作品を見ながらお話聞けたらと思います。今日は手のひらサイズで持ち運びできるレゴ作品をいくつか持ってきていただいています。
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  • 宇野常寛 NewsX vol.31 ゲスト:石破茂「こんな日本をつくりたい2019」【毎週月曜配信】

    2019-05-27 07:00  
    540pt

    宇野常寛が火曜日のキャスターを担当する番組「NewsX」(dTVチャンネルにて放送中)の書き起こしをお届けします。4月16日に放送されたvol.31のテーマは「こんな日本をつくりたい2019」。自民党衆議院議員の石破茂さんをゲストに迎えて、2012年刊行の宇野との共著『こんな日本をつくりたい』からの7年で、日本はどのように変わったのか、あるいは変わらなかったのかを、平成の政治の総括を交えつつお話を伺いました。(構成:籔和馬)
    NewsX vol.31 「こんな日本をつくりたい2019」 2019年4月16日放送 ゲスト:石破茂(自民党衆議院議員) アシスタント:得能絵理子
    宇野常寛の担当する「NewsX」火曜日は毎週22:00より、dTVチャンネルで生放送中です。 番組公式ページ dTVチャンネルで視聴するための詳細はこちら。 なお、弊社オンラインサロン「PLANETS CLUB」では、放送後1週間後にアーカイブ動画を会員限定でアップしています。
    昭和の敗戦と、来るべき2020年東京五輪の関係
    得能 NewsX火曜日、今日のゲストは自民党衆議院議員、元地方創生担当大臣の石破茂さんです。石破さんと宇野さんは7年前に共著『こんな日本をつくりたい』で対談をされていますが、会うのは久しぶりなんですか?
    (▲『こんな日本をつくりたい』
    宇野 TOKYO MXの番組「激論!サンデーCROSS」で、何ヶ月か前に共演していますよね。総裁選のちょっと前ぐらいですかね。
    石破 そうね。ただ宇野さんがいろんなところで活躍しているのは常に知っているから、そんな久しぶりという感じはないんだよね。(前のコーナー「impulse buy」で、宇野さんが紹介した『アルキメデスの大戦』を手に取って)これは面白いね。
    宇野 石破さんに読んでほしくてですね。
    得能 今日はあえて狙って持ってきたところがあるんじゃないでしょうか。
    石破 大和をつくって、武蔵を作って、3番艦(信濃)は航空母艦になったからね。それで試験航海中に沈んじゃったからね。死なないと言ってね。
    宇野 人間って合理性だけでは動かないんだなということを思い知らされる漫画なんですよね。
    石破 でも、善かれ悪しかれ、大和って日本国そのものじゃないですか。大和について知ることは、日本とはなんなのかを考えることに直結すると私は思っているんですけどね。
    宇野 否応なく大和に惹かれてしまう日本の国民性を、鼻で笑うんじゃなくて、直視するしかないと思うんですよね。
    石破 それはそうだと思う。昭和20年4月、大和が鹿児島沖で沈んだんだよね。飛行機だけではなくて、戦艦が特攻で突っ込む。桜満開の呉を出航していくんです。戦果は何も得られないことを分かった上で、突っ込んでいく。それは日本しかしない発想。ある意味、日本というのは、そういう国。そうやって美学に酔いしれるところがある。それで失われるものって何なんだろうね。大和の生き残りの吉田満の『戦艦大和』という本があるでしょ。「何のために俺たちは行くんだ」という議論が士官達の中であった。「一回日本は滅びる。それでいいじゃないか」「そこから新しい日本が生まれるんだ。俺たちはその先駆けになるんだ」ってね。さて、そういう日本になったかな。
    宇野 このままだと、2020年の東京オリンピックは「小さい大和」になると思うんです。誘致したときは、国民が湧いたかもしれないけど、いざ実行していく段になると、なんのグランドデザインもない。国家百年の大計もない。それで予算の押しつけ合いを自治体同士でやっている。東北の復興五輪もお題目だけで、みんな忘れてしまっている。まさに第二の敗戦としての2020年になりかねないと思うんですよ。
    石破 そうならないようにするのが我々の仕事であってね。昭和39年に東京オリンピックをやり、45年に大阪万博をやり、47年に札幌で冬季オリンピックをやったんですよね。今度も東京オリンピックをやって、大阪・関西万博と、いろんなイベントを打つことになりました。そのこと自体を否定はしないが、東京でオリンピック、大阪で万博。首都一極集中をどう是正し、人々がどのようにそれを考えるのか。そういう視点が私は必要だと思っているんですけどね。
    宇野 オリンピックの誘致が決まったときに、この国は東北のことを一回忘れることを選んだんだと僕は思ったんですね。どれだけ復興五輪だと旗を振っても、実際に建築資材も人員も東京に集まって被災地は割りを食った。
    石破 それを批判すると「国民を挙げての行事にお前は反対するのか」みたいな話になるでしょ。私もそう批判されることが多い。だけど批判を一切認めない社会は、どういう社会なんだろうね、と思うんですね。  太平洋戦争をはじめるときも、猪瀬さんの『昭和16年夏の敗戦』にあるように「こんな戦争は絶対にやってはダメだ」「なにをやっても絶対に勝てない」というシミュレーションの結果は、昭和16年の夏に出ていたんです。だけどそれは公にされなかったし、政府に聞き入れられることもなかった。批判や反対を許さないと、そのときはいいかもしれないけれど、結局、不幸になっていくのは国民全体ではないですか。昭和16年の夏に日本の叡智、官庁、陸軍、海軍、同盟通信、日本銀行などから、30代の最も出来る人間を集めて、シミュレーションをやった。それで、絶対にこの戦争は勝てないという結論が出たのに、それは封殺された。そして日本は決定的な敗戦を迎え、国土は灰燼に帰した。そのときの政治にとっていいこと、国民の気分が高揚することでも、その結果、待っているものはなんなんだろうと考えなきゃいけない。
    宇野 70年前とまったく同じ轍を今、この国はゆるやかに歩もうとしているようにしか僕には見えないんですよ。今年は陛下が退位されるということで、時代が移り変わるタイミングなんです。石破さんと僕の共著『こんな日本をつくりたい』は、ちょうど東日本大震災が起きてから、東京オリンピックが決まるまでの間に出した本なんですよね。あれから7年、この国の状況は大きく変わりました。7年のブランクも含めて、この国のこれからのあり方を今日は考えていこうかなと思っています。
    失われた30年の反省から学べること
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  • 宇野常寛 NewsX vol.30 ゲスト: 佐渡島庸平「これからのクリエイターの育て方」【毎週月曜配信】

    2019-05-20 07:00  
    540pt

    宇野常寛が火曜日のキャスターを担当する番組「NewsX」(dTVチャンネルにて放送中)の書き起こしをお届けします。4月9日に放送されたvol.30のテーマは「これからのクリエイターの育て方」。株式会社コルクの佐渡島庸平さんをゲストに迎えて、「自分の物語」が中心になった時代にコンテンツは何ができるのか。マスメディアではなくコミュニティと繋がって生きる新しいクリエイターのあり方について考えます。(構成:佐藤雄)
    NewsX vol.30 「これからのクリエイターの育て方」 2019年4月9日放送 ゲスト:佐渡島庸平(株式会社コルク) アシスタント:加藤るみ
    宇野常寛の担当する「NewsX」火曜日は毎週22:00より、dTVチャンネルで生放送中です。 番組公式ページ dTVチャンネルで視聴するための詳細はこちら。 なお、弊社オンラインサロン「PLANETS CLUB」では、放送後1週間後にアーカイブ動画を会員限定でアップしています。
    日本のマンガはもう売れない! 今必要な「エンタメのIT化」とは?
    加藤 NewsX火曜日、今日のゲストは株式会社コルク代表の佐渡島庸平さんです。佐渡島さんと宇野さんはどこでお知り合いになったんですか?
    佐渡島 私が独立してから会いました。宇野さんのイベントによく呼んでもらっています。
    宇野 PLANETSを見てくれている人には常連になっていますね。
    加藤 佐渡島さんのコルクという会社を簡単に説明いただけますでしょうか。
    佐渡島 もともと僕は講談社で編集者をやってたんです。アメリカだとクリエイターはエージェント会社と契約していることが多くて、エージェントはクリエイター側に立ってどういう戦略を練れば良いか考える仕組みがあるんですが、日本ではまだ数少ないのです。作家は全部自分で出版社と交渉しなきゃいけないんですよね。だから日本では実質的に作家は出版社と交渉ができない存在だったんです。そこを世界基準に合わせたほうが良いなって思って、クリエイターのエージェント会社を作った感じですね。
    加藤 今日のテーマはこちら「これからのクリエイターの育て方」です。
    宇野 僕はコルクがやっていることは大きく分けて2つあると思う。自分も書き手だからよくわかるんだけど、日本は圧倒的に作家の立場が弱い国。そこに作家のエージェントという文化を入れることで作家の権利をしっかり保護するシステムを日本に根付かせるのが最初のミッション。もうひとつが、インターネットの登場によって根本的に世界中の文化産業の仕組みが揺らいでいる。従来の出版ビジネスや放送ビジネスが成り立たない時代にどう作家と作品を守っていくのか。そのための新しい仕組みづくりが必要で、そこに挑戦している。それが第二のミッション。外から見ると今は第二のミッションの比重のほうが大きくなっていると思う。
    佐渡島 たとえばテレビ業界で働いていて、ニュース番組を作っている人がいるとします。田舎に戻って、親戚のおばちゃんに「テレビ業界で働いてるならドラマ作れるでしょ。ちょっと家族ドラマ撮って」みたいなことを言われる。同じテレビでもニュースとドラマは違うし、同じドラマでもテレビドラマと映画では脚本のルールや映像の撮り方が違う。ほんの少しメディアが変わるだけで文法が全然変わるんです。マンガ文化も貸本が雑誌連載になったことで、マンガの描き方はすごく変わっていってた。さらに、今まで紙の本で楽しんでいたものがスマホで読むものに変わってきた。メディアが変わると絶対に中のコンテンツの在り方も変わるはずなんですよ。 中国ではそれがすごくうまく変わりだしています。5〜6年前の中国では日本の海賊版マンガを無料で読めるマンガアプリが500万ダウンロード近くあったんですよ。日本人の感覚だと、それだけ読まれていたら日本のマンガが輸出できないって考えるんですけど、中国の人口で考えると500万ダウンロードは少なすぎて投資に値しないんです。中国人マンガ家のチェン・アンニーという人が自分で「快看漫画(クァイカンマンホア)」というマンガアプリ作っているんですけど、それが今どれくらいダウンロードされているか知っていますか?
    宇野 500万よりは多いってことですよね。2000万とか?
    佐渡島 1億4000万ダウンロードになります。MUU(マンスリーユニークユーザー)は4000万人いて、掲載されている漫画は全部縦スクロールなんですよ。4〜5年前に中国の会社との交渉に日本のマンガを持っていくと一応は買ってくれたんです。それが今、クァイカンと交渉すると「日本のマンガは誰も読まないので要らないです」って言われるんです。縦スクロールじゃないと誰も読まない。クァイカンは今1000人のマンガ家を抱えています。中国人は今は平均所得が上がってきてるので、むちゃくちゃ課金するんですよ。好きなマンガのためなら、日本人よりも所得の低い人が、それなりの価格帯でも全然課金する。中国人が無料じゃないと読まないなんてことは全然ないんです。 それに合わせて、日本のマンガも作り方や内容が変わっていかなきゃいけないんですが、日本の出版社のシステムがあまりにもうまくいきすぎていた。もちろん書店や出版社が潰れるようなことはもう起きてますけど、2000年からの約20年間、ほぼ右肩下がりの業界なのに大手出版社でまともなリストラがまだ起きてないのは、それだけ余裕のあった仕組みなんだと思います。非常に優れた仕組みの上で、まだマンガが売れていて、電子書籍市場もマンガに牽引されてどんどん大きくなっているという状況です。さらに日本ではほとんどの出版社が上場していないので、イノベーションのジレンマが起きまくっています。今ジャンプとマガジンがコラボをやってますけど、それは「マンガのIT化」が起きているだけで、僕らのところで起きなきゃいけないのは「エンタメのIT化」なんです。人材がまったく流出してないので、エンタメのIT化に挑戦しているクリエイティブを支える周辺人材がまったくいないんです。新しいクリエイターと一緒にそれを作っていくというのが、今僕がやってることです。
    加藤 本日のテーマにいきたいと思います。「クリエイターエージェント業について」。既にお話いただいてますが、もう少しお話いただければと思います。
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  • 宇野常寛 NewsX vol.29 ゲスト:隅屋輝佳 「市民が法律を〈つくる〉方法」【毎週月曜配信】

    2019-05-13 07:00  
    540pt

    宇野常寛が火曜日のキャスターを担当する番組「NewsX」(dTVチャンネルにて放送中)の書き起こしをお届けします。4月2日に放送されたvol.29のテーマは「市民が法律を〈つくる〉方法」。Pnika(プニカ)代表理事の隅屋輝佳さんをゲストに迎え、民間のニーズに応える法律の改正を可能にするには、どのような仕組みが求められるのか。インターネットを活用した海外の事例の紹介を交えながら、あるべき法律と社会の関係について考えていきます。(構成:籔 和馬)
    NewsX vol.29 「市民が法律を〈つくる〉方法」 2019年4月2日放送 ゲスト:隅屋輝佳(Pnika代表理事) アシスタント:得能絵里子
    宇野常寛の担当する「NewsX」火曜日は毎週22:00より、dTVチャンネルで生放送中です。 番組公式ページ dTVチャンネルで視聴するための詳細はこちら。 なお、弊社オンラインサロン「PLANETS CLUB」では、放送後1週間後にアーカイブ動画を会員限定でアップしています。
    現在の市民生活の障壁となる法律の問題
    得能 NewsX火曜日、今日のゲストは一般社団法人Pnika代表理事の隅屋輝佳です。宇野さんと隅屋さんはどのようにしてお知り合いになったんですか?
    宇野 Yahoo! JAPANの安宅和人さんという有名なデータサイエンティストがいるんだけれど、彼が主催している勉強会で一緒で、そこで知り合ったという感じ。
    得能 隅屋さんはどういう活動をしていらっしゃるんでしょうか?
    隅屋 社会のルールである法律を限られた人だけではなくて、いろんな立場の人、マルチセクターで一緒に考えて一緒につくることを可能にする新しい仕組みをつくりたいと思って活動している団体が、一般社団法人Pnikaです。
    得能 今日のテーマは「市民が法律を〈つくる〉方法」です。
    宇野 法律は立法府でつくられるし、もう少しレベルが低い政令や省令などは行政が定めるんだけど、僕ら市民がそれに直接コミットすることは難しいイメージがあると思うんですよ。でも隅屋さんたちは、今のインターネットや情報テクノロジーを使って、それを可能にしていく、市民と法律との距離を近づける活動をしようとしている。選挙で立法府に自分たちの代弁者を送り込んで世の中を変える。あるいは市民運動やデモなどで時の政権に圧力を加える。または、ある種のコネ政治的なロビイングなど、いろんな政治参加の方法はあるんだけれど、今までにない新しい方法をテクノロジーを背景につくろうとしている運動だと思うんですよ。
    得能 最初のキーワードは「法律の『壁』 法律の『ハードル』」です。
    宇野 今の日本に限らず、法律は常にアップデートされないといけないんだけれど、現行の民主主義の制度では変えるのに時間がかかったりする。法律が僕らの市民生活やビジネスの現場のイノベーションの邪魔をしているケースもあるんだよね。法律の内容もそうなんだけど、法律のあり方に問題がある。法律と市民との距離が、僕らの市民生活やビジネスを難しくしている側面があるはずなんですよ。そういうところに注目して、隅屋さんたちのPnikaは活動しているので、そこの問題整理から始めてみたいと思っています。
    隅屋 イノベーションがこんなに必要とされる時代もないし、いろんな新しい文化やIoTのような、今までの業種の枠組みにとらわれない新しいプラットフォームビジネスがたくさん起こってきていると思うんです。でも、それを前提としていない法律が邪魔してしまっている。そういう事例がたくさん起こってしまっています。だから、法律の内容やプロセスを変えていく必要があると思って活動しています。実際にどういうところの法律が、自分たちの市民生活と乖離しているんだろうというところを、具体例としてお見せしたほうがいいと思うので、いくつかの例を持ってきました。
    Fight for the Japanese Tatto culture
    隅屋 たとえば、あまり私も馴染みがないんですけど、一部アートとして海外では認められているタトゥー、それに対して、クラウドファンディング等で裁判費用を集めるのが話題になっています。タトゥーの彫り師が全員医師か。○か×かという、そういうようなことで。

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  • 宇野常寛 NewsX vol.28 ゲスト:久保田大海「仮想通貨の現在と未来」【毎週月曜配信】

    2019-04-22 07:00  
    540pt

    宇野常寛が火曜日のキャスターを担当する番組「NewsX」(dTVチャンネルにて放送中)の書き起こしをお届けします。3月26日に放送されたvol.28のテーマは「仮想通貨の現在と未来」。CoinDesk Japan編集長の久保田大海さんをゲストに迎え、投機対象としてのブームが過ぎ去ったかに見える仮想通貨に、今、どのような動きがあるのか。トークンエコノミーによる活用の可能性や、ブロックチェーン技術が象徴する時代的潮流について議論しました。(構成:佐藤雄)
    NewsX vol.28 「仮想通貨の現在と未来」 2019年3月26日放送 ゲスト:久保田大海(CoinDesk Japan編集長) アシスタント:加藤るみ
    宇野常寛の担当する「NewsX」火曜日は毎週22:00より、dTVチャンネルで生放送中です。 番組公式ページ dTVチャンネルで視聴するための詳細はこちら。 なお、弊社オンラインサロン「PLANETS CLUB」では、放送後1週間後にアーカイブ動画を会員限定でアップしています。
    1ビットコイン225万円のピーク、90億流出事件……「激動の3年間」を経た仮想通貨のこれから
    加藤 NewsX火曜日、今日のゲストは編集者でCoinDesk Japan編集長の久保田大海さんです。よろしくお願いいたします。久保田さんと宇野さんはどういったきっかけでお知り合いになられたんですか?
    久保田 僕は以前出版社に勤めていました。初めて作った『ゲーミフィケーション』という本がありまして、著者がゲーム研究者の井上明人という方なんですね。あとから知ったんですが、井上さんがPLANETSに原稿を書いていたんです。
    宇野 井上明人くんはPLANETSによく書いてくれている僕の仕事仲間で、彼の最初の本を作ったのが、この久保田さん。そういったつながりなんですよ。
    加藤 そして「CoinDesk Japan」というのは?
    久保田 仮想通貨とブロックチェーン、このふたつの領域を扱うメディアです。名前に「Japan」と付いていているんですが、アメリカが本国のサイトになります。アメリカでは数百万人の読者をもつ大きなサイトで、また毎年ニューヨーク市と組んで「Blockchain Week」っていうイベントをやっています。その中でもCoindeskが主催する「Consensus」というカンファレンスが世界で一番集客する仮想通貨関連のイベントになっています。日本版はちょうど2019年3月創刊したばかりのサイトになるんですけど、創刊特集で日本でブロックチェーンや仮想通貨に縁のある方々、慶応大学の坂井豊貴先生、家入一真さん、このあいだ『ニムロッド』で芥川賞をとった上田岳弘さん、面白法人カヤックCEOの柳澤大輔さん、孫泰蔵さん、LINEの出澤剛CEOとかいろいろな方に登場していただいています。仮想通貨やブロックチェーンって遠い存在だと思うんですけど、近い未来このテクノロジーがどう経済や社会を変えていくのか、という点にフォーカスしたメディアですので、こういった方々に未来を語っていただいただきました。
    加藤 そして今日のテーマがこちらです。「仮想通貨の現在と未来」です。
    宇野 去年や一昨年くらいに仮想通貨関連ってすごくいろいろなことがあった。それがちょうど一段落したタイミングではあると思うんだよね。だからこのタイミングで投機対象うんぬんということは横においといて、仮想通貨とその背景にあるブロックチェーンが僕らが生きてるくらいの近未来に、どういったインパクトをもたらす可能性が高いのかを改めて議論したいと思います。
    加藤 では最初のキーワードにいきましょう。キーワード①「激動の3年間」です。
    宇野 この3年間ですごく状況が動いた。この3年間の流れを整理することによって、逆に今の仮想通貨の状況をまるごと整理できると思う。その整理をお願いしたうえで後半の議論に入っていきたいと思っています。
    久保田 早速ですがスライドを使ってざっとこの3年間を説明していきたいと思います。

    久保田 まず価格のピークだったのは忘れもしない2017年12月17日。1ビットコインが225万円という凄まじい価格がついてました。今は40万円ちょっと(※価格は放送当時)の価格がついていて、痛い目をみた人もたくさん居るだろうと思います。そのときの時価総額は世界一の小売業者であるウォルマートと同じくらいの規模まで膨らんでいました。

    久保田 日本仮想通貨交換協会が発表してる統計がありまして、去年の12月に発表されたものです。平成30年12月次の月間の取引高が7千7百億円弱になります。証拠金取引高という、いわゆるレバレッジをかけて取引していた額が8兆4千億円となりまして、これが投機的と言われる由縁なのかなと思います。外国為替市場もまったく同じだと思うんですけど、ゲーム的な感覚で取引してる人が多いことを示す統計なんじゃないかと思います。

    久保田 こちらみなさん記憶にあるかと思うんですが、去年2018年1月にCoincheckで680億円という非常に大きな金額が流出したわけですね。そのあと2018年9月にも70億近くの流出がありました。このあたりで仮想通貨は怖いってことが一気に社会に流布したようなタイミングでした。同時にこれをもとに金融庁がどういうルールを設定していったら良いのかという議論が進んだ1年でもありました。
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