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『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』──「失ってから気づく系男子」の更新形|加藤るみ
2021-04-14 07:00550pt
今朝のメルマガは、加藤るみさんの「映画館(シアター)の女神 3rd Stage」、第15回をお届けします。今回紹介するのは『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』。夫婦の愛情を描いたフレンチラブコメディです。突然訪れたパラレルワールドで、夫のラファエルが妻との愛情を取り戻そうと奮闘します。「大切な人を失ってからその愛に気付く」タイプの主人公を「ぬるい男」と一刀両断するるみさんですが、本作の主人公は一味違ったようで……?
加藤るみの映画館(シアター)の女神 3rd Stage第15回 『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』──「失ってから気づく系男子」の更新形
おはようございます。加藤るみです。
最近は、ドラマに夢中な私です。 今はやっぱり、ディズニー+の『ファルコン&ウィンターソルジャー』が面白くてたまりません! 同じくディズニー+で放送されていたマーベルドラマ『ワンダヴィジョン』のジワジワと面白くなっていく感じも好きだったんですが、あちらは4話くらいまでのシチュエーションコメディパートが、「コレ面白くなるのか?」という忍耐が必要なドラマだったんです。でも、『ファルコン&ウィンターソルジャー』の1話からエンジンフルスロットルな戦闘シーンは、"これぞMCU!"といった感じで、最高でした。 それに、ファルコンが直面する、家族問題、ヒーローの貧困、黒人差別、現代に生きるバッキーの葛藤など、それぞれが抱える問題が1話から明確に描かれていて、社会問題に斬り込んでいく姿勢もさすがです。 キャップ(キャプテンアメリカ)のいない世界を全6話でどう展開させていくのか楽しみです。 あと、MCUシリーズは時系列が重要と言えると思うんですが、本来、『ワンダヴィジョン』と『ファルコン&ウィンターソルジャー』の配信順番は逆だったんですね。 これについては、現時点では時系列に違和感なく進んでいますが、次は『ロキ』が来るということで、これからどう変わっていくのが見どころでもありますね。
それともうひとつ! オススメのドラマがあって。
スターチャンネルで放送されている、『僕らのままで/WE ARE WHO WE ARE』です。 アイデンティティの探求やジェンダー、人間関係、家族がテーマの青春ドラマで、コレを見逃すのはもったいない! と言える、傑作です。 イタリアの米軍基地が舞台で、そこで暮らすティーンエイジャーの苦悩や葛藤が丁寧に描かれていて、音楽も美術も衣装も全てがハイセンスでうっとり。 それもそのはずで、『君の名前で僕を呼んで』('17)『胸騒ぎのシチリア』('15)のルカ・グァダニーノ監督の初テレビドラマ作品で、監督自ら脚本、監督、製作総指揮を務めています。 キャストも、第二のティモシー・シャラメと言われているジャック・ディラン・グレイザーをはじめ、気鋭の新人ジョーダン・クリスティン・シモンや、マーティン・スコセッシの娘であるフランチェスカ・スコセッシなど、フレッシュな顔ぶれが勢揃い。 これは、いま要チェックなドラマです。
さて、今回紹介する作品は、『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』('19)です。
SF小説家として成功した男が、妻と喧嘩した翌朝、突然パラレルワールドにトリップ。 富や名声、妻を失い、もはや別人になってしまった男が元の世界に戻るため奮闘する、フレンチラブコメディです。
フランスで大ヒットを記録した『あしたは最高のはじまり』('16)のユーゴ・ジェラン監督が、若くして結婚した自身の結婚生活を見直すことで生まれたラブストーリー。
フレンチラブコメに関しては、お気に入りが見つかる打率がめちゃくちゃ低い私なんですが、久々のヒット! でした。 フレンチラブコメでは、『おとなの恋の測り方』('16)に並ぶくらい好きになりました。
高校時代に出会い、一目ぼれから結婚したラファエルとオリヴィア。 人気SF作家として多忙な毎日を送るラファエルと、小さなピアノ教室を運営するオリヴィアの夫婦生活はすれ違いが続いていた。 オリヴィアと大ゲンカをした翌朝、ラファエルは見覚えのない部屋で目を覚ます。 そこは夫婦の立場が逆転した“もう一つの世界”で、ラファエルはしがない中学教師、そしてオリヴィアは人気ピアニストで、ラファエルのことを知らなかった……。
恋人ゲットのため、冴えない男がタイムトラベルを繰り返す『アバウト・タイム』('13)や、小説家が自分の書いた通りの理想の女の子と出会ってしまう『ルビー・スパークス』('12)の要素をミックスさせたようなパラレルラブコメディで、"If"の世界が大好きな私のツボに入る作品でした。
© 2018 / ZAZI FILMS – MARS CINEMA – MARS FILMS – CHAPKA FILMS - FRANCE 3 CINEMA – C8 FILMS
この物語は簡単に言うと、ラブコメでよくありがちな、"大切な人を失ってから色々気づいちゃう系男子"が奮闘する物語なんですが、 私、この手のタイプには、どうしてもイライラしてしまい、「失う前に気づけよ!」と、冷めたツッコミを入れてしまいたくなるんですね。
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『旅立つ息子へ』──共依存の先にある親子の絆|加藤るみ
2021-02-18 07:00550pt
今朝のメルマガは、加藤るみさんの「映画館(シアター)の女神 3rd Stage」、第13回をお届けします。今回ご紹介するのは、是枝裕和監督とも並び称されるイスラエルの巨匠、ニル・ベルグマンの『旅立つ息子へ』。自閉症スペクトラムを持つ息子と父との絆を描く、実話を基にした物語です。「自分がいないと息子は生きていけない」と思い込んでいた父は、やがて成長していく息子の姿を見て……?一昨年に結婚を発表したばかりのるみさんが、「愛」と「依存」の狭間で揺れ動く親子関係について語り倒します。
加藤るみの映画館(シアター)の女神 3rd Stage第13回 『旅立つ息子へ』──共依存の先にある親子の絆
おはようございます、加藤るみです。
ついに、私、自動車運転免許を取得しました。
やっと、やっとです。 免許を取って痛感しました。 免許とは、自分自身との戦いなのだ……と(大げさ)。
私が免許を取ろうと本気で行動に移したのは、今から3年前。 まだ東京に住んでいる頃でした。 電車移動で事が足りて、特に車が必要ない東京に住んでいても、岐阜という"一家に一台"が当たり前な車社会の田舎で生まれ育った私は、車に乗ることへの憧れを消せずにいました。 私以外の家族はもちろんみんな免許を持っていて、地元の同級生も免許を持っていない子なんていなくて、生まれ育った環境から私のDNAには「免許取ったら車でイオン♪」的なマイルドヤンキー精神が刻み込まれているのです。 さらに私の免許取りたい欲に拍車をかけたのは、『レディバード』('18)の主人公が故郷に帰って車を運転するラストシーンを観てから。 あのシーンを見たら、免許を取って岐阜の田舎ロードをエモエモドライブせずにはいられないでしょう。
そんなこんなで「免許を取ろう!」と決意した私は、最近「一発試験」で免許を取得したという先輩のオススメもあり、同じく一発試験を受けることにしました。 東京の教習所は田舎に比べて料金が1.5倍くらい高いのと(さすが東京価格!)、当時住んでいた中野から通いにくいこともあったので、「一発試験のほうが手っ取り早いな」とそのときは思ったんですよね。そのときは。
そう、私の免許地獄はここから始まったのです……。
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